JP2007260925A - 繊維強化プラスチックの製造方法および繊維強化プラスチック並びにプリフォーム - Google Patents

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Abstract

【課題】レジントランスファー成形用のドライな強化繊維基材の積層体を賦形して得られたプリフォームを脱型および搬送することなく成形することにより、高品質で低コスト化を可能とする繊維強化プラスチックの製造方法およびプリフォーム並びに繊維強化プラスチックの提供。
【解決手段】強化繊維基材の積層体とマトリックス樹脂の注入のための成形用副資材とをベース板上に凸形状部を有する賦形型の上に配置し、さらに該積層体および成形用副資材をラバーシートで覆い、該ラバーシートと賦形型との間の空間を密閉した後、該空間を真空吸引することにより、強化繊維基材積層体を賦形型のベース板と凸形状部の境界部分に達しないように賦形型に密着させて賦形し、賦形工程終了後、引き続きラバーシート内を真空吸引した状態において、マトリックス樹脂を密閉空間内に注入して強化繊維基材の積層体に含浸させることを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、賦形型を用いて強化繊維基材の積層体を賦形して得られたプリフォーム、および該プリフォームを用いてレジントランスファー成形法により成形する繊維強化プラスチックの製造方法並びに繊維強化プラスチックに関する。さらに詳しくは、ラバーシートを用いてプリフォームを準備した後、引き続きラバーシートでプリフォームをバギングした状態でマトリックス樹脂を注入して成形することにより、プリフォームを賦形型から脱型することなく成形できる繊維強化プラスチックの製造方法およびプリフォーム並びに繊維強化プラスチックに関する。
従来より、航空機等の輸送機器を構成する構造部材は、機械的特性を十分に満足し、かつ徹底的な軽量化およびコストダウンが求められており、中でも軽量化を達成するため、主翼、尾翼、胴体などの1次構造部材においても、繊維強化プラスチック(FRP)化が検討されている。
また、最近では自動車の構造部材においても軽量化を求めてFRP化の動きがあり、航空機以上にコストダウンの要求が強くなってきている。
これらFRPの代表的な製造方法としては、オートクレーブ成形が知られている。オートクレーブ成形では、FRPの材料として予め強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグを用い、プリプレグを部材形状の成形型に積層して加熱・加圧することにより、FRPを成形する。ここで用いるプリプレグは、強化繊維体積率Vfを高度に制御することが可能であり、力学特性に優れるFRPを得ることができる利点を有するが、プリプレグの製造に高いコストがかかることおよびオートクレーブを用いるため生産性が低く、成形にも高いコストがかかることが問題であった。
また、成型品の形状が球面や球面の一部もしくは箱形など場合には、強化繊維基材に面外変形の他に面内剪断変形も求められる。
しかしながら、プリプレグは、強化繊維がマトリックス樹脂により拘束されているため、面内剪断変形は実質的に困難であり、2次曲率を有するような複雑形状への賦形は極めて困難であることが知られている。このようなプリプレグを面内剪断変形が求められるような形状へ賦形する場合には、熱をかけてマトリックス樹脂の粘度を低下させることにより、マトリックス樹脂による強化繊維の拘束力を低下させることにより、賦形性を向上させる方法(ホットドレープ法)が知られている。しかしながら、マトリックス樹脂の粘度低下にも限界があり、C型などの実質的に面外変形のみで賦形できるような形状への賦形性は改善することができても、球面や箱形などのように、面内剪断変形が求められる形状への賦形はほとんど改善することができない問題があった。
そのため、2次曲率を有する形状へ賦形する必要がある場合には、プリプレグに切り込みを入れるなどの加工が必要である。しかしながら、切り込みを入れると強化繊維の連続性が失われ、弾性率、強度が低下することが問題であった。
プリプレグの賦形方法として、例えば、ラバーシートを用いてプリプレグの積層体を賦形する際に、プリプレグ積層体の端部を先にラバーシートで圧着して賦形できなくなることを防ぐために、予めラバーシートを一定の高さに保持して賦形する方法、および必要に応じて、加熱してホットドレープする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、上記のように2次曲率を有する形状への賦形が困難であること、プリプレグの材料および成形コストが高いことは依然として問題であった。
一方、FRPの生産性を向上し、成形コストを低減できる優れた成形法としては、レジントランスファー成形法(RTM)などの樹脂注入成形法が挙げられる。このレジントランスファー成形法では、マトリックス樹脂が含浸されていないドライな強化繊維基材の積層体を成形型の中に配置した後、マトリックス樹脂を注入し、強化繊維基材積層体にマトリックス樹脂を含浸させてFRPを成形する。
レジントランスファー成形法は、ドライな強化繊維基材を用いるため、材料のコスト低減ができること、さらにオートクレーブを使用しないため、成形コストを低減できる利点を有する。また、マトリックス樹脂が含浸していない強化繊維基材は、賦形性も優れるため、2次曲率を有するような形状に対しても、良好に賦形することができる利点もある。
通常、レジントランスファー成形法においては、まずドライな強化繊維基材から構成される最終製品の形状を保持しているプリフォームを準備し、プリフォームを成形型の中に配置後、マトリックス樹脂を注入して、FRPを成形する。
通常、プリフォームの作製方法は、賦形型の上に強化繊維基材もしくは強化繊維基材の積層体を配置して、金型を用いたプレスや真空バッグにより、強化繊維基材もしくは強化繊維基材の積層体に圧力をかけて賦形することが知られている。このようにしてプリフォームを準備した後、プリフォームを賦形型から脱型して取り外し、成形型へ配置し直して、樹脂注入してレジントランスファー成形することにより、FRPを成形することが知られていた。
しかしながら、この方法ではプリフォームを作成後に、プリフォームを賦形型から脱型して、成形型へ搬送し、型へ配置し直す必要があった。プリフォームはマトリックス樹脂が未含浸で硬化されていないため、プリフォーム単体では形状が不安定であり、特に大型の航空機用構造部材に用いるようなプリフォームの場合、プリフォームの賦形型からの脱型時や成形型への搬送時に、プリフォームの自重で、プリフォームが折れたり、曲がったりして品位が損なわれることが問題であった。
例えば、賦形面を有する下型と下型の賦形面に一致する上型との間に、強化繊維基材の表面に強化繊維基材層間を接着できるような接着材料を付与した強化繊維基材の積層体を配置して、上下型で加熱加圧することにより、高品質なプリフォームの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、該特許文献2にも記載のあるように、プリフォームを賦形型から脱型する時は型くずれのしないように慎重に脱型する、また脱型後に変形しないようにプリフォームはトレイ上に乗せて保管、搬送するなどして、次工程に備える必要があった。このように脱型に労力と時間を有すること、保管や搬送にトレイなどの治具が必要であることなどにより、成形時間、コストなどが高くなる問題があった。
特開平7−60770号公報 特表2004−322442号公報
本発明の課題は、かかる従来技術の問題点に鑑み、レジントランスファー成形用のドライな強化繊維基材の積層体を賦形して得られたプリフォームを脱型および搬送することなく成形することにより、脱型および搬送に伴うプリフォームの破損を大幅に減少し、かつ脱型および搬送に伴う工程時間を減少することにより、高品質で低コスト化を可能とする繊維強化プラスチックの製造方法およびプリフォーム並びに繊維強化プラスチックを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
(1)強化繊維基材の積層体とマトリックス樹脂の注入のための成形用副資材とをベース板上に凸形状部を有する賦形型の上に配置し、さらに該積層体および成形用副資材をラバーシートで覆い、該ラバーシートと賦形型との間の空間を密閉した後、該空間を真空吸引することにより、積層体を賦形型に密着させて賦形する賦形工程において、前記強化繊維基材積層体は、凸形状部の上に真空吸引後に賦形型のベース板と凸形状部の境界部分に達しないように予め配置されており、賦形工程終了後、引き続きラバーシート内を真空吸引した状態において、マトリックス樹脂を密閉空間内に注入して強化繊維基材の積層体に含浸させることを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
(2)前記ラバーシートと賦形型との間の空間を真空吸引した後に、該ラバーシートと賦形型との間に生じる隙間部分に、予め分割型を配置することを特徴とする前記(1)に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(3)マトリックス樹脂を強化繊維基材積層体に含浸後、マトリックス樹脂の注入を止め、注入口および吸引口の両方から、マトリックス樹脂を吸引することを特徴とする前記(1)または(2)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(4)前記ラバーシートの上に上型を配置し、該上型により該ラバーシートを加圧することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(5)前記ラバーシートの破断伸度が50%以上800%以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(6)前記ラバーシートの上から該ラバーシート全体をバギング用フィルムで覆い、該バギング用フィルムで密閉された空間内を真空吸引することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(7)前記ラバーシートが、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、シリコーンゴム、およびフッ素ゴムから選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(8)賦形後の強化繊維基材積層体の端部が、プライドロップ形状を有していることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法によって得られたプリフォーム。
(9)成形後の繊維強化プラスチックの端部が、プライドロップ形状を有していることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の製造方法によって得られた繊維強化プラスチック。
(10)航空機用構造部材のプリフォームであることを特徴とする前記(8)に記載のプリフォーム。
(11)航空機用構造部材であることを特徴とする前記(9)に記載の繊維強化プラスチック。
本発明によれば、ドライな強化繊維基材の積層体を賦形して得られたプリフォームを脱型もしくは成形型へ搬送することなく成形することにより、脱型および搬送に伴うプリフォームの破損を大幅に減少し、かつ脱型および搬送に伴う工程時間を減少することにより、高品質で低コスト化を可能とする繊維強化プラスチックの製造方法および繊維強化プラスチック並びにプリフォームを提供することができる。
以下、図面に示す実施態様に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
図1は本発明の繊維強化プラスチックの製造方法の賦形および成形仕様の一例を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の繊維強化プラスチックの製造方法は、ベース板18上に強化繊維基材の積層体2を賦形するための凸形状部1を有する賦形型を用いて、積層体2を賦形した後、該積層体2にマトリックス樹脂を注入して成形するものである。そのため、図1に示す賦形型は、賦形完了後には成形にそのまま用いられ、成形型を兼ねる。
なお、図1に示す賦形型では、ベース板18と凸形状部1は、別体としているが、これらは一体であっても構わない。
まず、賦形型の凸形状部1の上に積層体2を配置する。積層体2は賦形およびその後の成形工程において、所望の形状の成形品が得られるように、凸形状部1への位置合わせをして配置する。
さらに、マトリックス樹脂を注入して成形するために必要な成形用副資材を配置する。ここで成形用副資材とは、レジントランスファー成形において必要なピールプライ3や樹脂流路用メディア5、注入口4、吸引口6などの副資材のことである。本発明で用いる成形用副資材は、通常のレジントランスファー成形で用いる副資材と同様のものを用いることができる。図1には、積層体2の上に成形用副資材としてピールプライ3を配置する。ピールプライ3はナイロンやポリエステルなどの繊維からなる織布であり、マトリックス樹脂の流路として配置するメディア5などが、マトリックス樹脂を硬化した後に、成形品に接着一体化しないようにするために配置する織布である。また、賦形型の一端側の位置にはマトリックス樹脂の注入口4が設けられているとともに、該注入口4に対応する賦形型の他端側の位置には積層体2および成形用副資材の上から全体を覆う延性シート8と賦形型との間の空間を真空吸引する吸引口6が設けられている。さらに、マトリックス樹脂を注入口4から積層体2に導く樹脂流路用メディア5がピールプライ3の上に配置されている。樹脂流路用メディア5は、ポリプロピレンやポリエチレンなどからなる厚みが0.15〜1.0mm程度のネット状物である。樹脂流路用メディア5は、ネット状物であるため、上からラバーシート8で覆い、真空吸引して、ラバーシート8を樹脂流路用メディア5に圧着しても、樹脂の流路を確保し、注入されたマトリックス樹脂を強化繊維基材の積層体2の全体に導くことができる。
また、吸引口6からはマトリックス樹脂を吸引するための樹脂流路メディア7が配置されている。粒子流路メディア7は、樹脂流路メディア5と同じものを用いることができる。樹脂流路メディア7の上には、必要に応じて、マトリックス樹脂がショートパスを形成して、積層体2に含浸する前に吸引口6から吸引されることを防ぐために、フィルム10を配置するのも好ましい形態の一つである。フィルム10は真空バッグ成形のバギングフィルムに用いられる、ナイロン製のバギングフィルムを使用することができる。
図2および図3は、図1の吸引口6側の賦形および成形仕様の態様を拡大して示す断面図であり、図2は真空吸引前の状態、図3は真空吸引後の状態を示す。
図2に示すように、積層体2および成形用副資材の上から全体をラバーシート8で覆い、該ラバーシート8の端部をシーラント9を用いて賦形型のベース板に密着させて、ラバーシート8と賦形型との間を密閉する。
次に、注入口4を閉じて、吸引口6からラバーシート8と賦形型との間の空間を真空吸引することにより、図3に示すように、積層体2を凸形状部1に圧着させて積層体2を賦形する。
本発明では、ラバーシート8に真空圧をかけて該ラバーシートを引き延ばすことにより、凸形状部1を有する賦形型に賦形しているため、凸形状部1の上に配置された強化繊維基材積層体2を覆う部分のラバーシート8は、賦形後に皺などはなく、強化繊維基材積層体を良好に賦形できるのである(図2、図3参照)。
積層体2は真空吸引後に賦形型のベース板と凸形状の境界部分11(図2の点線箇所)に達しないように予め配置されていることが重要であり、そのために、積層体2の形状に合わせて凸形状部1の高さを十分高くする、ことなどが重要である。
図4および図5は、賦形および成形仕様の好ましくない態様を拡大して示す断面図であり、図4は真空吸引前の状態、図5は、真空吸引後の状態を示す。図4および図5では、成形用副資材の記載は省略している。
図4、図5に示すように、積層体2の形状に対して、凸形状部1の高さが低く、真空吸引後に積層体2が賦形型のベース板と凸形状の境界部分11を覆ってしまうように予め配置されていると、ラバーシート8は積層体2を凸形状部1に完全に賦形する前に、積層体2の一部をベース板18との間で密着、固定させてしまうため、積層体2が凸形状部1に良好に賦形できない問題がある。すなわち、強化繊維基材積層体の賦形は、凸形状部1の形状の頂上部に相当する箇所から端部の順序で賦形することにより、強化繊維基材積層体の基材層間を滑らせることができ、賦形後の強化繊維基材積層体に皺を生じさせることなく、良好に賦形することができる。
同様の考えはピールプライ3にも適用することが好ましい。特にポリエステルやナイロン繊維の織布からなる通気性を有するピールプライを用いた場合、積層体2とほぼ同じ形状にすることにより、賦形完了前にラバーシート8とベース板18との間に密着、固定されないように配置することが好ましい。
マトリックス樹脂の流路となる樹脂流路用メディア5は、マトリックス樹脂の注入口4から積層体2のほぼ全体に渡り配置するものであるため、賦形完了前にラバーシート8と賦形型との間で密着される場合があるが、樹脂流路用メディア5は、ポリプロピレンやポリエチレンなどからなる厚みが0.15mm〜1.0mm程度のネット状物であるため、強化繊維基材からなる積層体2やピールプライ3に比べて簡単に伸びるため、ラバーシート8と賦形型との間に密着、固定されても、伸びることにより、突っ張ることなく賦形することが可能である。ただし、伸びが大きいと樹脂流路用メディア5の樹脂流路のための隙間が小さくなり、十分な樹脂流路を確保できなく懸念があるため、樹脂流路用メディア5の形状を最適化する、樹脂流路用メディア5を賦形完了後に配置される位置に予め仮止めする、注入口4の位置を適切に配置することなどにより、大きく引き延ばすことなく配置することが好ましい。
本発明に用いる強化繊維は、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維やPBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維などの高強度繊維、高弾性率繊維が好ましい。中でも炭素繊維は、これらの繊維の中でも高強度、高弾性率な強化繊維であるため、優れた機械特性を有するFRPを得ることができるためより好ましい。
賦形を完了した後、注入口4から熱硬化性樹脂のマトリックス樹脂を注入し、積層体2にマトリックス樹脂を含浸させる。
熱硬化性のマトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などの従来の熱硬化性樹脂を使用することができるが、これらの中でもエポキシ樹脂は力学特性が高く、接着性にも優れるため、より好ましい。
注入されたマトリックス樹脂は、ラバーシート8と賦形型との間の空間に充填されるため、賦形完了後にラバーシート8は賦形型の全体に渡って隙間なく密着しており、マトリックス樹脂は強化繊維基材積層体2にのみ含浸されるように配置されることが好ましい。しかしながら、賦形型の形状によっては、賦形完了後にラバーシート8の全体が完全に賦形型に密着した状態で賦形ができるとは限らず、ラバーシート8と賦形型および注入口4および吸引口6の間に隙間が生じることがある。また、ラバーシート8同士が密着して皺を形成し、該ラバーシート間に隙間を形成することもある。このようにラバーシート8と賦形型、およびラバーシート8と注入口4、あるいはラバーシート8と吸引口6との間などで形成される隙間やラバーシート8の皺の隙間などに、注入したマトリックス樹脂が充填されるため、予めこれらの隙間に分割型を配置しておくことが好ましい。分割型は金型やラバー型もしくは、シーラントなどを用いてもよい。
また、隙間が形成されると、マトリックス樹脂を注入した時に、マトリックス樹脂は、強化繊維基材積層体への含浸が完了する前に、隙間から吸引口へ流れてしまい、強化繊維基材積層体への含浸が十分に行われない問題があるため、好ましくない。ラバーシート8と賦形型との間に形成される隙間を埋める方法として、分割型の他に、シーラントを詰めることも好ましい。特に隙間を埋める分割型とラバーシート8との間に形成された微小な隙間を埋める目的で、分割型の表面に予めシーラントを配置しておき、マトリックス樹脂の注入前に、ラバーシートと分割型の表面に配置したシーラントを密着させることが好ましい。
図3は、図1の吸引口6側の賦形および成形仕様の態様を拡大して示す断面図であり、図3は、真空吸引によりラバーシート8に大気圧をかけて賦形を行い、賦形が完了している状態を示す。図6は、分割型13を配置した賦形および成形仕様において、賦形が完了している状態の断面図を示す。
以下、さらに図3、図6についてさらに詳しく説明する。図3に示すように、強化繊維基材積層体2の賦形は良好にできているものの、ラバーシート8と賦形型との間に隙間12ができている。これは大気圧でラバーシート8を引張ることにより賦形しているため、ラバーシート8を完全に賦形型に密着させるまで引き延ばすことができない場合に起こりうる。賦形の観点からは、強化繊維基材積層体2全体をラバーシート8で賦形ができていれば、隙間12のような隙間を形成させることはむしろ好ましい。このような隙間12を形成させることにより、ラバーシート8には大気圧による十分な引張応力をかけることができ、強化繊維基材積層体を良好に賦形することが可能となるからである。よって、ラバーシート8の端部をシーラント9で止める位置は、ラバーシート8により強化繊維基材積層体2全体を完全に賦形ができ、かつ強化繊維基材積層体2に大気圧を十分にかけることができるような位置に隙間12を形成させるように設けることが好ましい。
一方、マトリックス樹脂を注入して成形する観点からは、隙間12があると、注入されたマトリックス樹脂が隙間12に充填されるため、マトリックス樹脂の無駄が多くなるため好ましくない。また、マトリックス樹脂が強化繊維基材積層体に完全に含浸する前に、隙間を通って吸引口に流れ出てしまうため、好ましくない。そのため、このような隙間を極力なくすために、図6に示すような分割型13を予め隙間が形成される箇所に配置して、賦形時に隙間12を分割型13が埋めることが好ましい。賦形形状によっては、ラバーシート同士が密着して皺を形成することがある。この場合、マトリックス樹脂は皺の内部、すなわちラバーシート間に形成される隙間を充填することになるため、この隙間を埋めるための分割型を配置することにより、隙間を充填するマトリックス樹脂を減少することができるため好ましいのである。
また、図6に示すように、分割型13とラバーシート8との間に形成された微小な隙間を埋める目的で、分割型13の表面に予めシーラント14を配置しておき、マトリックス樹脂の注入前に、ラバーシート8を分割型13の表面に配置したシーラント14に密着させることが好ましい。
さらに、本発明の繊維強化プラスチックの製造方法においては、マトリックス樹脂を強化繊維基材積層体に含浸後、マトリックス樹脂の注入を止め、注入口および吸引口の両方から、マトリックス樹脂を吸引することが好ましい。このようにマトリックス樹脂を強化繊維基材積層体に含浸後に注入口および吸引口から吸引して、強化繊維基材積層体に過剰に含浸したマトリックス樹脂を吸引することにより、強化繊維プラスチックの強化繊維の体積含有率を制御することができるため好ましい。
また、上記のようにラバーシートと賦形型、ラバーシートと注入口、吸引口との間やラバーシート同士の間で形成される隙間に充填したマトリックス樹脂を吸引することができるため好ましい。
また、本発明においては、ラバーシートを用いてバギングしているため、ラバーシートには常に大気圧による引張荷重がかけられている。一方、マトリックス樹脂が注入されると、ラバーシートで密閉されている内部がマトリックス樹脂により充填され、ラバーシート内外の差圧が小さくなるため、大気圧によりラバーシートにかけられていた引張荷重が小さくなり、ラバーシートが緩んでくる問題が発生する。ラバーシートが緩むとさらにラバーシートと賦形型との間に形成される隙間が大きくなり、マトリックス樹脂が大きくなった隙間にさらに充填され、ますますラバーシートが緩んでくるといった悪循環が生じてしまう。ラバーシートが緩むと、強化繊維基材積層体に十分な圧力が働かないため、成形される強化繊維プラスチックは強化繊維の体積含有率が低く、力学特性の低いものとなってしまう問題もある。
これらの問題を解決するために、マトリックス樹脂は強化繊維基材積層体に必要な量だけを注入し、強化繊維基材積層体に含浸させた後に、注入口および吸引口からマトリックス樹脂を吸引することにより、余剰なマトリックス樹脂を排出して、強化繊維プラスチックにおける強化繊維の体積含有率を制御するとともに、ラバーシート内外の差圧を確保することが好ましいのである。
ラバーシートの上に上型を配置し、上型を用いてラバーシートを加圧することが好ましい。
図7は、本発明の上型15を配置した賦形および成形仕様のさらに他の一例を示す断面図を示す。
上型15はボルト16などにより固定し、ラバーシートを加圧することが好ましい。上型の固定はボルトに限らず、プレスなどにより固定しても構わない。このように上型を用いてラバーシートを加圧することにより、マトリックス樹脂の注入後に、ラバーシートの緩みを抑制することができ、余剰なマトリックス樹脂の注入を抑制し、さらには成形される強化繊維プラスチックの強化繊維の体積含有率の低下を抑制し、品位の高い強化繊維プラスチックを成形することができるのである。ボルト16で上型15を固定する場合、ボルト16はラバーシートの端部の外側で固定することにより、ラバーシートを貫通しないようにする。
本発明で用いるラバーシートは、破断伸度は50%以上800%以下の範囲であることが好ましい。ラバーシートは大気圧をかけて引き延ばし、賦形型に圧着させられるため、賦形形状に合わせて、破断伸度を設定することが重要である。ラバーシートの賦形型へのシール位置を最適に設計することにより、ラバーシートの伸度を抑制することは可能であるが、賦形型に曲率半径の小さい突起形状があったり、直方体などの各コーナーなどは、ラバーラシートが多軸方向に引張応力をうけるため、局所的に伸度が大きくなるため、ラバーシートの破断伸度は50%以上が好ましいのである。破断伸度が50%未満では、破断伸度が小さすぎて、賦形形状が限定されるため好ましくない。また、破断伸度に達しないように、必要以上にサイズの大きいラバーシートを用いて賦形をすると、賦形時にラバーシートに皺が発生し、発生した皺が強化繊維基材積層体に転写するため好ましくない。ここで伸度の測定方法はJIS K 6251に準拠する。
また、従来のレジントランスファー成形法のバギングに使用するバギングフィルムは使い捨てられていたが、本発明においては、バギングフィルムの代わりにラバーシートを用いているため、再利用が可能である。再利用の観点からも、ラバーシートの破断伸度は賦形に要する伸度よりも大きいことが好ましく、ラバーシートの破断伸度は50%以上が好ましいのである。一方、800%よりも大きいと、ラバーシートは、強化繊維基材積層体を完全に賦形する前に、局所的に伸びて賦形型へ密着し、良好な賦形性を発現しないため好ましくない。同様の観点から、より好ましくは100〜600%であり、さらに好ましくは300〜500%である。
ラバーシートの厚みは0.5mm以上4.0mm以下であることが好ましい。ラバーシートの厚みが0.5mmよりも薄いと、強化繊維基材積層体を完全に賦形する前に、局所的にラバーシートが伸びて、賦形型に密着することにより、良好な賦形ができない不具合があるため好ましくない。
一方、ラバーシートの厚みが4.0mmよりも厚いと、ラバーシートを賦形形状に合わせて引き延ばすのに、大気圧では圧力が足りず、引き延ばせないため、所望の賦形形状に賦形することができない不具合が生じるため好ましくない。同様の観点から、ラバーシートの厚みはより好ましくは1.0mm以上3.0mm以下である。
ここで厚さの測定方法はJIS K 6250に準拠する。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法においては、ラバーシートの上からラバーシート全体を覆うようにバギング用フィルムで覆い、バギング用フィルムで密閉された空間を真空吸引することが好ましい。従来、ラバーシートは賦形のみに使用されており、賦形も大気圧をかける観点からすると真空リークは小さい方が好ましいが、マトリックス樹脂を注入しないため、多少真空リークがあっても問題にはならなかった。しかしながら、本発明においては、ラバーシートで賦形後にマトリックス樹脂を注入するため、レジントランスファー成形が可能な程度に真空リークを抑制することが重要である。具体的には、真空リークは2Torr/分以下、より好ましくは1Torr/分以下である。
真空リークを抑制する方法として、ラバーシート全体をバギング用フィルムで覆い、ラバーシートの密閉箇所よりも外側にバギング用フィルムの密閉箇所を設けてバギングし、バギング用フィルムで密閉された空間を真空吸引することが好ましい。
ラバーシートとして、シリコーンゴムを用いると、シリコーンゴムは耐熱性が高いため、特に硬化温度の高い繊維強化プラスチックを成形するときに使用することが好ましいが、シリコーンゴムは酸素透過性が高いため、真空リークを抑制することができない。シリコーンゴムの酸素透過性は温度上昇に伴い大きくなるため、マトリックス樹脂の硬化のために温度を上げると、真空リーク量も大きくなる問題があった。
そのため、本発明の繊維強化プラスチックの製造方法に記載しているように、ラバーシートの上から、気体透過性の低いバギング用フィルムで覆って密閉することは、真空リークを抑制することができるため、好ましいのである。
本発明で使用するラバーシートは、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、シリコーンゴム、およびフッ素ゴムから選ばれる少なくとも1種から形成されるラバーシートであることが好ましい。なかでもブチルゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、フッ素ゴムは気体透過性が小さいため、ラバーシート自体の気体透過度による真空リークを抑制できる観点から好ましい。
また、シリコーンゴムは柔軟であり、複雑形状を有する賦形型にも賦形がしやすい観点から好ましい。ただしシリコーンゴムは酸素透過性が高いため、成形用のバギング用フィルムと併用することがより好ましい。
一方、シリコーンゴムやフッ素ラバーなどは、エポキシ樹脂により、劣化する可能性がある。そのため、マトリックス樹脂にエポキシ樹脂を用いる場合には、エポキシ樹脂が直接ラバーシートに接触しないように、樹脂流路用メディアとラバーシートの間に、フィルムなどを配置する事が好ましい。
また、マトリックス樹脂とラバーシートとの接着を抑制するために、必要に応じてマトリックス樹脂と接するラバーシートの表面を、離型剤により表面処理することも好ましい。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法により賦形した強化繊維基材積層体は、端部がプライドロップ形状を有していることが好ましい。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法に基づいて、強化繊維基材積層体を凸形状部を有する賦形型を用いて賦形すると、図3の17に示すように、積層体の端部には積層体の厚みに起因した周長差が発生し、1層毎に端部にズレを有するいわゆるプライドロップ17が形成される(また、このようにして形成された端部のズレ部分の形状をプライドロップ形状と呼ぶ)。しかしながら、プリプレグの積層体は、プリプレグの積層層間が、プリプレグに予め含浸されているマトリックス樹脂による粘着(タック)により接着しており、積層層間にすべりが発生しにくいため、周長差が発生するような形状に賦形した場合には、積層層間が滑らず、積層体の端部に周長差によるプライドロップが形成されず、賦形後の積層体(プリフォーム)に皺が生じることがあった。
レジントランスファー成形用の強化繊維基材積層体においても、成形後の強化繊維プラスチックの層間を高靱性にする目的や、賦形後に得られるプリフォームの形状保持性などを向上する目的で、熱可塑性樹脂を含む樹脂微粒子が強化繊維基材の表面に配置される場合がある。さらにこのような樹脂微粒子が表面に配置された強化繊維基材積層体は、積層体の取り扱い性を向上する目的で、賦形前に予め全面もしくは部分的に加熱加圧することにより、一体化されることがある。このようにレジントランスファー成形用の強化繊維基材の積層体であっても、積層層間が接着された積層体を賦形する場合には、プリプレグの積層体と同様にプリフォームに皺が発生する懸念がある。
しかしながら、本発明に基づいて強化繊維基材積層体を賦形することにより、凸形状部1の頂上部に相当する箇所から端部の順序で賦形することにより、強化繊維基材積層体の基材層間を滑らせて賦形することができるため、賦形後の強化繊維基材積層体の端部には、周長差に起因したプライドロップが形成されているのである。樹脂微粒子が表面に配置されたレジントランスファー成形用の強化繊維基材の積層体で、賦形前に部分的に加熱加圧することにより部分的に接着され、一体化した強化繊維基材積層体であっても、本発明に基づいて賦形することにより、皺なく賦形することができる。プリプレグの様に全面に接着している積層体の層間を滑らせることは困難であるが、部分的に接着している強化繊維基材積層体の層間は、本発明に基づいて賦形することにより、滑らせることが可能であり、皺無く賦形することができるのである。このように、部分的に接着した強化繊維基材積層体であっても、本発明に基づいて賦形することにより、層間を滑らせて賦形するため、強化繊維基材積層体の端部には、プライドロップ形状が形成されるのである。
この観点から、強化繊維基材積層体を部分的に接着する場合は、賦形時に層間が滑りやすいように、点状で接着することが好ましい。強化繊維基材積層体の層間を点状で接着するために、強化繊維基材積層体を周期的に配列したピン状の圧子を用いて接着することが好ましい。一つのピン状の圧子の断面積は、0.5mm以上50mm以下が好ましい。より好ましくは、1.0mm以上30mm以下である。一つのピン状の圧子の断面積が0.5mmよりも小さいと、一つの接着面積の大きさが小さすぎて、接着一体化の効果が小さいため、好ましくない。一方、一つのピン状の圧子の断面積が50mmよりも大きいと、一つの接着面積の大きさが大きすぎて、賦形時に層間が滑りにくくなるため、好ましくないのである。
このように賦形後の強化繊維基材積層体の端部に、プライドロップ形状を有していることにより、強化繊維基材積層体の各強化繊維基材の賦形が良好に行われており、外観および積層内における皺の発生を抑制することができるため、好ましいのである。
同様の理由により、本発明に基づいて製造された繊維強化プラスチックは、端部にプライドロップ形状を有していることが好ましいのである。このプライドロップ形状は、必要に応じて成形後に、機械加工により除去することが可能である。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法は、航空機や船舶および自動車などの輸送機器の構造部材、土木建築用部材などの従来のレジントランスファー成形法により製造された部材に使用することが可能である。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法は、強化繊維基材積層体を賦形後に脱型することなく、マトリックス樹脂を注入して成形することにより、成形時間を大幅に短縮することが可能であり、さらに皺のない高品位な繊維強化プラスチックを成形することができ、かつ大型な部材に対しても、簡単に適用が可能であるため、なかでも航空機用構造部材に用いることが好ましい。特に、主翼、尾翼などにおけるC型断面形状を有するスパーやリブなどに好適に用いることが可能である。なかでもリブは大量に使用される構造部材であるため、成形時間を大幅に短縮でき、本発明の製造方法により成形されるメリットが非常に大きい航空機用構造部材である。
上記の理由により、本発明に基づいて強化繊維基材積層体を賦形して得られるプリフォームは航空機用構造部材用のプリフォームであることが好ましい。
同様に本発明に基づいて成形して得られる強化繊維プラスチックは、航空機構造部材用の繊維強化プラスチックであることが好ましい。
以下に本発明の実施例と比較例を説明する。
実施例1
図8に実施例1で用いた賦形および成形仕様の側面断面図を示す。
賦形型として凸形状部1が幅300mm、高さ150mm、長さ1000mmで、コーナーはR5mm加工がされている型を準備した。凸形状部1を配置するベース板18は、幅1000mm、長さ1500mm、厚み10mmの平板を準備し、凸形状部1をベース板18の中央に配置した。次に、引張強度が5.8GPa、引張弾性率が290GPaの炭素繊維糸条からなる炭素繊維目付が190g/mの一方向ノンクリンプ織物基材を用いて、強化繊維基材積層体2を準備した。該強化繊維基材積層体2の積層構成は、[(45/0/−45/90)]の16PLYの45°疑似等方積層構成とした。
積層体2の形状は、幅400mm、長さ800mmとし、各積層角度の強化繊維基材をそれぞれ裁断して準備し、積層構成に基づいて積層して、積層体2を準備した。
積層体2は凸形状部1の中央に配置した。
次に、積層体2の全体を覆うナイロン製ピールプライ3を配置した。更にその上に樹脂注入用の樹脂流路用メディア5を配置した。樹脂流路用メディア5の端部には、注入口として高さ10mm、幅10mm、長さ800mm、厚み1.5mmのアルミチャンネル4を樹脂注入用メディア5の上に配置した。
一方、吸引側には吸引用の樹脂流路用メディア7を配置し、樹脂流路用メディア7の端部には吸引口としてアルミチャンネル6を配置した。吸引用の樹脂流路用メディア7の上には、注入用の樹脂流路用メディア5によって注入されたマトリックス樹脂が、強化繊維基材の積層体2に完全に含浸する前に吸引口へ流れ出ることを防ぐ目的で、ナイロン製フィルム10で吸引用の樹脂流路用メディア7の一部と吸引口のアルミチャンネル6を覆って配置している。
また、賦形後にシリコーンゴムシート8と賦形型との間に隙間が生じないように、凸形状部1の周囲および注入口、吸引口の側面に分割型13を配置し、分割型13がシリコーンゴムシートに接する面にシーラント14を配置した。
凸形状部1の上に配置した強化繊維基材の積層体2の上から、厚み1.5mm、引張破断歪み量400%のシリコーンゴムシート8で覆い、端部をシーラント9でツール板に密着し、シリコーンゴムシート内を密閉した。
注入口4を閉じて、吸引口6から真空吸引することにより、賦形を行った。その結果、強化繊維基材の積層体2は凸形状部1の形状に賦形された。
分割型13を覆う箇所のシリコーンゴムシートを、分割型13の表面に配置しているシーラント14に密着させた。
強化繊維基材の積層体2は、賦形型のベース板と凸形状の境界部分は覆っていないことを確認した。
賦形後の強化繊維基材の積層体2は、ピールプライ3、樹脂流路用メディア5により覆われているので、直接観察することはできないが、ピールプライ3、樹脂流路用メディア5、シリコーンゴムシート8を介して観察した結果、皺は無く、良好に賦形していることを確認した。また、強化繊維基材の積層体2の端部は、プライドロップ形状17を有していることが確認できた。プライドロップ17の幅Hは約5mmであり、強化繊維基材の積層体2の厚み約3mmから求められる周長差とほぼ同等であることを確認した。
強化繊維基材の積層体2に真空圧をかけて室温にて賦形した状態で、熱風炉に投入し、強化繊維基材の積層体2全体が70℃になるよう加熱した。
加熱した状態で真空リーク量を測定した結果、1.0Torr/分であった。
マトリックス樹脂である180℃硬化型のエポキシ樹脂を70℃に保温した後、注入口4から注入した。
マトリックス樹脂はメディア5を通じて、強化繊維基材積層体2全体に拡散した。
マトリックス樹脂が強化繊維基材積層体2に含浸し、吸引用メディア7から吸引され始めたのを確認すると共に、吸引口6を閉じて、マトリックス樹脂の吸引を止めた。注入口4を真空吸引ラインにつなぎ、過剰に注入されたマトリックス樹脂を吸引して、ブリードさせた。
ブリード後、熱風炉の温度を上げて、マトリックス樹脂を130℃、2時間にて1次硬化させた。
1次硬化後室温まで降温させ、シリコーンゴムシート8を解放して、1次硬化した繊維強化プラスチックを賦形型から脱型して取り出した。
得られた繊維強化プラスチックを目視により外観検査をした結果、若干微少なボイドがあるものの概ね良好なであった。
2次硬化させるために、繊維強化プラスチックを180℃、2時間に加熱保持した。
ダイヤルゲージを用いて、繊維強化プラスチックのフランジ部分の厚みを測定して、強化繊維体積率を求めた。測定個所は、片方のフランジの長手方向800mmにわたり、200mm間隔で3点測定し、両側のフランジで計6点測定した。厚みから強化繊維体積含有率Vfを算出して求めた結果、Vf=58%であった。
なお、マトリックス樹脂が接触した部分のシリコーンゴムシートは、薄く黄色い変色が確認された。
実施例2
強化繊維基材として、実施例1で用いた一方向ノンクリンプ織物基材の上面に平均粒径が120μmでガラス転移温度が70℃の熱可塑性樹脂を含む粒子を27g/mで均一に散布し、200℃の加熱によって織物表面に付着させた織物基材を用い、この織物基材を実施例1と同様に積層して積層体を準備した。
次に、断面積が1mmのピンを、幅400mm、長さ800mmにわたり、幅方向、長さ方向共に15mm間隔で配列した圧子を積層体の上に配置し、圧子の上に各ピンに1kg/cmの圧力がかかるように錘を乗せ、積層体、圧子、錘ともに熱風炉に投入して、積層体を80℃、10分の条件で加熱加圧保持して、圧着積層体を準備した。
圧着積層体は、織物基材の表面に付着している熱可塑性樹脂を含む粒子が80℃に加熱された状態で、15mm間隔で配置された断面積が1mmの圧子により加圧され、圧子の配列間隔に相当する15mm間隔で、織物基材層間が厚み方向に渡り接着し、層間が部分的に接着一体化している積層体であった。
圧着積層体を用いて、実施例1と同様に賦形および成形準備を行った。
まず真空吸引して、室温にて賦形を行った。
圧着積層体は、賦形型のベース板と凸形状の境界部分は覆っていないことを確認した。
賦形後の圧着積層体を実施例1と同様に観察した結果、皺は無く、良好に賦形していることを確認した。また、圧着積層体の端部は、プライドロップ形状を有していることが確認できた。プライドロップの幅は約5mmであり、圧着積層体の厚み3mmから求められる周長差とほぼ同等であることが確認した。
圧着積層体に真空圧をかけて賦形した状態で、熱風炉に投入し、圧着積層体を90℃に加熱し、2時間保持して、ホットコンパクションを行い、織物基材の表面に付着している熱可塑性樹脂を含む粒子を介して、織物基材の層間を全面に渡り接着した圧着積層体を得た。
加熱した状態で真空リーク量を測定した結果、1.2Torr/分であった。
引き続き、実施例1と同様にマトリックス樹脂を注入して、成形を行った。
得られた繊維強化プラスチックを目視により外観検査をした結果、若干微少なボイドがあるものの概ね良好な品質であった。
実施例1と同様に強化繊維体積率Vfを求めた結果、Vf=55%であった。
なお、マトリックス樹脂が接触した部分のシリコーンゴムシートは、薄く黄色い変色が確認された。
実施例3
実施例2と同じ圧着積層体を用いて、実施例2と同様に室温にて賦形を行った。
賦形後の圧着積層体を実施例2と同様に観察した結果、良好に賦形していることを確認した。圧着積層体の端部にはプライドロップ形状を有していることが確認できた。プライドロップの幅は約5mmであり、圧着積層体の厚み3mmから求められる周長差とほぼ同等であることが確認した。
賦形後にナイロン製バギングフィルムで、シリコーンゴムシートを覆い、シリコーンゴムシートの密閉箇所よりも外側で、ナイロン製バギングフィルムを密閉した。ナイロン製バギングフィルムで密閉した空間内も、真空吸引して賦形しているシリコーンゴムシートに密着させた。
実施例2と同じ条件でホットコンパクションを行い、織物機材の層間を全面に接着した圧着積層体を得た。
加熱した状態で真空リーク量を測定した結果、0.2Torr/分であった。
引き続き、実施例1と同様にマトリックス樹脂を注入して、成形を行った。
得られた繊維強化プラスチックを目視により外観検査をした結果、ほとんどボイドはなく、良好な品質であった。
実施例1と同様に強化繊維体積率Vfを求めた結果、Vf=56%であった。
なお、マトリックス樹脂が接触した部分のシリコーンゴムシートは、薄く黄色い変色が確認された。
実施例4
実施例2と同じ圧着積層体を用い、圧着積層体とシリコーンゴムシートの間に、厚み0.1mmの“テフロン”(登録商標)フィルムを配置した以外は、実施例3と同様に室温にて賦形を行った。
賦形後の圧着積層体を実施例3と同様に観察した結果、良好に賦形していることを確認した。圧着積層体の端部にはプライドロップ形状を有していることが確認できた。プライドロップの幅は約5mmであり、圧着積層体の厚み3mmから求められる周長差とほぼ同等であることが確認した。
図5のように、賦形型の周囲に四辺に配置された分割型の外側に、シリコーンゴムシートを加圧する上型15を配置し、シリコーンゴムシートの外側において、ベース板にボルト16で機械接合することにより、上型15でシリコーンゴムシートを加圧した。
次に実施例3と同様に、シリコーンゴムシートおよび上型の上から、ナイロン製バギングフィルムで、シリコーンゴムシートおよび上型を覆い、シリコーンゴムシートの密閉箇所よりも外側で、ナイロン製バギングフィルムを密閉した。ナイロン製バギングフィルムで密閉した空間内も、真空吸引して賦形しているシリコーンゴムシートに密着させた。
実施例2と同じ条件でホットコンパクションを行い、織物機材の層間を全面に接着した圧着積層体を得た。
加熱した状態で真空リーク量を測定した結果、0.2Torr/分であった。
引き続き、実施例1と同様にマトリックス樹脂を注入して、成形を行った。
シリコーンゴムシートを上型で加圧しているため、マトリックス樹脂を注入してもシリコーンゴムシートの浮きが少なく、マトリックス樹脂の注入量およびブリードにより排出されるマトリックス樹脂の量共に実施例3に比べて少なかった。
得られた繊維強化プラスチックを目視により外観検査をした結果、ほとんどボイドはなく、良好な品質であった。
実施例1と同様に強化繊維体積率Vfを求めた結果、Vf=56%であった。
なお、マトリックス樹脂のエポキシ樹脂は、“テフロン”(登録商標)フィルムの配置により、シリコーンゴムシートに接触しないため、シリコーンゴムシートの変色はなかった。
実施例5
実施例1で用いたシリコーンゴムシートの代わりに、厚み1.5mm、引張破断歪み量400%のフッ素ゴムシートを用いた他は実施例2と同様に賦形と成形を行った。
賦形後の圧着積層体を実施例2と同様に観察した結果、皺は無く、良好に賦形していることを確認した。また、圧着積層体の端部は、プライドロップ形状を有していることが確認できた。プライドロップの幅は約5mmであり、圧着積層体の厚み3mmから求められる周長差とほぼ同等であることが確認した。
実施例2と同様にホットコンパクションを行い、織物機材の層間を全面に接着した圧着積層体を得た。
加熱した状態で真空リーク量を測定した結果、0.2Torr/分であった。
引き続き、実施例1と同様にマトリックス樹脂を注入して、成形を行った。
得られた繊維強化プラスチックを目視により外観検査をした結果、若干微少なボイドがあるものの概ね良好な品質であった。
実施例1と同様に強化繊維体積率Vfを求めた結果、Vf=55%であった。
なお、マトリックス樹脂が接触した部分のフッ素ゴムシートは、薄く黄色い変色が確認された。
比較例1
実施例1で用いた強化繊維基材積層体の形状を幅800mm、長さ800mmに変更した以外は実施例1と同様に賦形を行った。
その結果、強化繊維基材積層体の幅が800mmであるため、賦形が進むにしたがって、積層体の端部がベース板とシリコーンゴムシートに挟まれて固定され、図5のように積層体のフランジ部が突っ張って賦形できなかった。
賦形結果が不良であったため、マトリックス樹脂の注入は行わなかった。
比較例2
実施例1で用いたシリコーンゴムシートの代わりに、実施例3で用いたナイロン製バギングフィルムを用いて賦形した以外は実施例1と同様に賦形を行った。ただしナイロン製バギングフィルムの形状は、真空吸引することにより、賦形型全体に密着するのに十分な大きさとした。
その結果、強化繊維基材積層体は凸形状に賦形されたが、バギングフィルムに皺が多数発生し、とりわけ凸形状部のR5mm加工のコーナー部に位置する積層体に皺が大きく発生した。真空吸引を中止して、バギングフィルムによる賦形を解放して、積層体を覆う部分のバギングフィルムに皺が発生しないようにバギングフィルムを伸ばして配置した後、再度真空吸引して、賦形を行った。
その結果、最初の賦形よりは改善されたものの、凸形状部のR5mm加工のコーナー部に位置する積層体の皺は完全にはなくならなかった。
賦形結果が不良であったため、マトリックス樹脂の注入は行わなかった。
比較例3
成形用副資材を配置しない以外は、実施例1と同様に賦形を行った。
その結果、賦形は良好に行われ、皺無く賦形をすることができた。
成形用副資材を配置するため、プリフォームを賦形型から脱型しようとしたが、強化繊維基材の表面に熱可塑性樹脂を含む粒子などが無いため、積層体は一体化しておらず、強化繊維基材積層体の積層を乱すことなく脱型することは非常に困難であった。
プリフォームを脱型後、実施例1と同様の構成で成形用副資材を配置し、全体をバギング用フィルムで密閉して、実施例1と同様にマトリックス樹脂を注入、ブリードを行った。
成形された繊維強化プラスチックを目視により観察した結果、プリフォームを脱型したときに生じたと考えられる繊維の蛇行が観察された。ボイドはほとんど観察されなかった。
実施例1に比べて、賦形から成形によるする時間は、約2.5倍であった。
比較例4
成形用の副資材を配置しない以外は、実施例2と同様に賦形を行った。
その結果、賦形は良好に行われ、皺無く賦形をすることができた。
成形用副資材を配置するため、プリフォームを賦形型から脱型した。
プリフォームは強化繊維基材の表面に熱可塑性樹脂を含む粒子により、強化繊維基材層間が一体化しているため、比較例3よりは簡単に脱型できたものの、プリフォームは形状保持性が低く、形状が簡単に変形してしまうため、脱型時にプリフォームの一部が折れ曲がってしまった。そのため、脱型時および脱型後のプリフォームの保管、成形型への搬送、取付時に非常に注意と時間を要した。
プリフォームを脱型後、実施例2と同様の構成で成形用副資材を配置し、全体をバギング
用フィルムで密閉して、実施例1と同様にマトリックス樹脂を注入、ブリードを行った。
成形された繊維強化プラスチックを目視により観察した結果、脱型時のプリフォームが折れ曲がった箇所に皺が観察された。ボイドはほとんど観察されなかった。
実施例1に比べて、賦形から成形によるする時間は、約2.0倍であった。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法の賦形および成形仕様の一例を示す断面図である。 図1の吸引口側の賦形および成形仕様の態様を拡大して示す断面図であり、真空吸引前の状態を示す。 図2の真空吸引後の状態を示す。 賦形および成形仕様の好ましくない態様を拡大して示す断面図であり、真空吸引前の状態を示す。 図4の真空吸引後の状態を示す。 分割型を配置した賦形および成形仕様の態様を拡大して示す断面図であり、真空吸引によりラバーシートに大気圧をかけて賦形を行い、賦形が完了している状態を示す。 分割型および上型を配置した賦形および成形仕様の態様を拡大して示す断面図であり、真空吸引によりラバーシートに大気圧をかけて賦形を行い。賦形が完了している状態を示す。 実施例1で用いた賦形および成形仕様の側面断面図を示す。
符号の説明
1: 凸形状部
2:強化繊維基材積層体
3:ピールプライ
4:注入口
5:マトリックス樹脂注入用の樹脂流路用メディア
6:吸引口
7:マトリックス樹脂吸引用の樹脂流路用メディア
8:ラバーシート
9:シーラント
10:フィルム
11:賦形型のベース板と凸形状の境界部分
12:隙間
13:分割型
14:シーラント
15:上型
16:ボルト
17:プライドロップ
18:ベース板
H:プライドロップの幅

Claims (11)

  1. 強化繊維基材の積層体とマトリックス樹脂の注入のための成形用副資材とをベース板上に凸形状部を有する賦形型の上に配置し、さらに該積層体および成形用副資材をラバーシートで覆い、該ラバーシートと賦形型との間の空間を密閉した後、該空間を真空吸引することにより、積層体を賦形型に密着させて賦形する賦形工程において、前記強化繊維基材積層体は、凸形状部の上に真空吸引後に賦形型のベース板と凸形状部の境界部分に達しないように予め配置されており、賦形工程終了後、引き続きラバーシート内を真空吸引した状態において、マトリックス樹脂を密閉空間内に注入して強化繊維基材の積層体に含浸させることを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
  2. 前記ラバーシートと賦形型との間の空間を真空吸引した後に、該ラバーシートと賦形型との間に生じる隙間部分に、予め分割型を配置することを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  3. マトリックス樹脂を強化繊維基材積層体に含浸後、マトリックス樹脂の注入を止め、注入口および吸引口の両方から、マトリックス樹脂を吸引することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  4. 前記ラバーシートの上に上型を配置し、該上型により該ラバーシートを加圧することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  5. 前記ラバーシートの破断伸度が50%以上800%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  6. 前記ラバーシートの上から該ラバーシート全体をバギング用フィルムで覆い、該バギング用フィルムで密閉された空間内を真空吸引することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  7. 前記ラバーシートが、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、シリコーンゴム、およびフッ素ゴムから選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  8. 賦形後の強化繊維基材積層体の端部が、プライドロップ形状を有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法によって得られたプリフォーム。
  9. 成形後の繊維強化プラスチックの端部が、プライドロップ形状を有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法によって得られた繊維強化プラスチック。
  10. 航空機用構造部材のプリフォームであることを特徴とする請求項8に記載のプリフォーム。
  11. 航空機用構造部材であることを特徴とする請求項9に記載の繊維強化プラスチック。
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