JP2005262560A - 繊維強化複合材の製造方法およびその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドライ基材の強化繊維基材からなるプリフォームを用いたVaRTM成形方法において、樹脂注入中の製品膨らみの発生を防止して、成形中および成形後の繊維含有率(Vf)を一定に保つことができ、それにより、強度等の物理的特性が一定であって、また、ブリードによる余剰な樹脂も生じない成形を実現することのできる繊維強化複合材の製造方法を提供すること。
【解決手段】液状マトリックス樹脂をプリフォームに含浸させた後、該液状マトリックス樹脂を硬化させる繊維強化複合材の成形方法において、プリフォームを金型に設置し、チャンバーに付帯するダイヤフラム内側で前記プリフォームもしくはプリフォームを覆ったバッグ材とともに覆って密閉して該プリフォームと該金型部を減圧して、次いで、前記ダイヤフラム外部を加圧して該プリフォームが膨らむことを防止しながら、減圧真空下の該ダイヤフラム内側において該プリフォームに液状マトリックス樹脂を浸透させて繊維強化複合材の成形までを行う繊維強化複合材の成形方法。
【選択図】図1
【解決手段】液状マトリックス樹脂をプリフォームに含浸させた後、該液状マトリックス樹脂を硬化させる繊維強化複合材の成形方法において、プリフォームを金型に設置し、チャンバーに付帯するダイヤフラム内側で前記プリフォームもしくはプリフォームを覆ったバッグ材とともに覆って密閉して該プリフォームと該金型部を減圧して、次いで、前記ダイヤフラム外部を加圧して該プリフォームが膨らむことを防止しながら、減圧真空下の該ダイヤフラム内側において該プリフォームに液状マトリックス樹脂を浸透させて繊維強化複合材の成形までを行う繊維強化複合材の成形方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、ガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維にマトリックス樹脂として熱硬化性樹脂を含浸し、硬化させた繊維強化複合材の製造方法およびその製造装置に関する。
従来、例えばガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維にマトリックス樹脂として熱硬化性樹脂を含浸し、硬化させた繊維強化複合材の製造方法の成形工程に用いる成形方法として、さまざまな成形方法が知られているが、その代表的なものとしては、RTM法(Resin Transfer Molding法:レジントラスファ成形法)、VaRTM法(Vacuum Assisted Resin Transfer Molding法)があげられる。
まず、RTM法は、型内において、ほぼ成形すべき立体形状に形成された織物などのプリフォームにマトリックス樹脂を加圧、注入して成形するものであるが、雄型および雌型が必要などの型が大がかりのものになるうえ、型が大型につき高価になる、複雑な形状の成形が難しいなどの欠点があり、小型から中型の成形品の成形にしか採用できないものであった。
この方法に関する先行技術文献としては、型の簡易化、大型成形品への適用の容易化などを目的としたものが知られているが(例えば特許文献1)、根本的な解決に至っていないのが現状である
。
。
また、VaRTM法は、型上に置かれた立体形状に形成された織物などのプリフォームにマトリックス樹脂を減圧条件下にて注入、成形するものである。この方法は、用いる型は雄型または雌型だけでよく、大がかりな型が不要であり、小型から大型の成形品のすべてに対応できる利点を有する。
しかし、一方では、マトリックス樹脂の注入中に減圧度がゆるみ、その結果、プリフォームが膨らんでしまい、後工程でプリフォーム中の繊維含有率(Vf)を増加させるために、含浸したマトリックス樹脂の一部を絞り出す、一般に「ブリード」と呼ばれる処理を行う必要があるなどの欠点があった。また、この他にもマトリックス樹脂の注入に長時間を必要とし、その結果、生産性が低く、また低粘度でかつ、長ポットライフなマトリックス樹脂が必要とされるなどの欠点もあった。特に、強化繊維基材として、ドライ基材(樹脂が何も含浸されていない繊維100%からなる強化繊維基材、および強化繊維基材層間に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料を1〜20重量%の範囲内で有している強化繊維基材を含む。)を用いたプリフォームでは、ときには該ドライ繊維強化基材自体が膨らむという問題があった。
このVaRTM法に関する先行技術文献としては、大型の成形品の成形を可能とすることを目的としたものが知られているが(例えば特許文献2)、上述した製品の膨らみ防止というような問題の解決までは至っていないのが実状であった。かかるVaRTM法において、上述した製品の膨らみという問題を解決するには、フィルムで覆ったプリフォームを配置した金型を用いてオートクレーブ内で加圧して硬化させればよいということになるが、高価なオートクレーブ装置が必要になる不都合があった。
特公平7−29304号公報
特開2002−234078号公報
本発明は、上述したような従来技術の欠点に鑑み、本発明の第一の目的は、ドライ基材のプリフォームを用いたVaRTM成形方法において、樹脂注入中にプリフォーム部の真空度が低下することによって発生するプリフォームの膨らみを防止して、成形中および成形後の繊維含有率(Vf)を一定に保つことができる繊維強化複合材の製造方法を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、上述した成形中および成形後の繊維含有率(Vf)を一定に保つことを実現することによって、強度等の物理的特性が一定であって、また、ブリードによる余剰樹脂が生じない成形を実現することのできる繊維強化複合材の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の第三の目的は、上述した第一、第二の目的を達成するVaRTM成形方法による繊維強化複合材の製造方法を実施できる製造装置を提供することにある。
さらに、本発明の第三の目的は、上述した第一、第二の目的を達成するVaRTM成形方法による繊維強化複合材の製造方法を実施できる製造装置を提供することにある。
上述した第一、第二の目的を達成する本発明の繊維強化複合材の製造方法は、以下の(1)の構成からなる。
(1)少なくとも強化繊維基材を複数枚積層してなるプリフォームに液状マトリックス樹脂を含浸させ、硬化させてなる繊維強化複合材の製造方法において、前記プリフォームを金型に設置し、その全体をチャンバーに付帯するダイヤフラム内側で前記プリフォームを覆うように密閉し、次いで金型とダイヤフラム間に形成され、プリフォームを含む内部空間内を減圧し、前記ダイヤフラム外部を加圧してプリフォームが膨らむことを防止しながら、減圧下の前記プリフォームに液状マトリックス樹脂を浸透させることを特徴とする繊維強化複合材の製造方法。
(1)少なくとも強化繊維基材を複数枚積層してなるプリフォームに液状マトリックス樹脂を含浸させ、硬化させてなる繊維強化複合材の製造方法において、前記プリフォームを金型に設置し、その全体をチャンバーに付帯するダイヤフラム内側で前記プリフォームを覆うように密閉し、次いで金型とダイヤフラム間に形成され、プリフォームを含む内部空間内を減圧し、前記ダイヤフラム外部を加圧してプリフォームが膨らむことを防止しながら、減圧下の前記プリフォームに液状マトリックス樹脂を浸透させることを特徴とする繊維強化複合材の製造方法。
そして、かかる構成を有する本発明の繊維強化複合材の製造方法において、更に好ましくは、以下の(2)と(3)の具体的構成を有するものである。
(2)プリフォームとダイヤフラム間において、さらにプリフォームの全体をバッグ材で覆い、バッグ材内部を減圧真空下にしたあとで、チャンバーに付帯するダイヤフラム内側でバッグ材を覆い、次いで前記ダイヤフラム外部を加圧して該プリフォームが膨らむことを防止することを特徴とする、上記(1)の維強化複合材の製造方法。
(3)ダイヤフラム外部の加圧力を、105kPa以上、150kPa以下にすることを特徴とする上記(1)または(2)記載の繊維強化複合材の製造方法。
上述した第四の目的を達成する本発明の繊維強化複合材の製造装置は、以下の(4)の構成からなる。
(4)金型に設置されたプリフォームを、チャンバーに付帯するダイヤフムで覆い、密態状態で該プリフォームと前記金型部を減圧するプリフォームセット部と、ダイヤフラムの外部を加圧するとともにダイヤフラム内は減圧真空下で前記プリフォームセット部でセットされたプリフォームに液状マトリックス樹脂を浸透させて繊維強化複合材を成形する成形部とを、共通の装置部分として有することを特徴とする繊維強化複合材の成形装置。
請求項1および2にかかる本発明によれば、ドライ基材からなる強化繊維基材のプリフォームを用いた前述のVaRTM成形方法において、樹脂注入中のプリフォームの膨らみの発生を防止して、成形中および成形後の繊維含有率(Vf)を一定に保つことができ、それにより、強度等の物理的特性が一定であって、また、ブリードによる余剰樹脂も生じない成形を実現することのできる繊維強化複合材の製造方法を提供することができる。
また、用いる型は、雄型もしくは雌型のみでもよく、特に型を大型化するなどの不都合もない。
請求項3にかかる本発明によれば、プリフォームが膨らむことを防止するダイヤフラム外部の加圧力を最適な範囲としたことにより、いっそう良好に上述した請求項1および2の発明にかかる効果を得ることができ、特に、成形中および成形後の繊維含有率(Vf)を一定に保つことができるようになる。
請求項4にかかる本発明によれば、ドライ基材の強化繊維基材を用いたVaRTM成形を行なうに際して、樹脂注入中の製品膨らみの発生を防止して、成形中および成形後の繊維含有率(Vf)を一定に保つことができ、それにより、強度等の物理的特性が一定であって、また、ブリードによる余剰な樹脂も生じない成形を実現することのできる繊維強化複合材の製造装置を提供することができる。
以下、本発明の製造方法の最良の実施の形態を図面に基づいて、工程別に説明する。
図1は、本発明の繊維強化複合材の製造方法の第1の態様を説明するための概略モデル断面図である。
1.金型およびプリフォーム準備工程
図1において、ドライ基材からなるプリフォーム1を金型2上に配置する。次に、これらプリフォーム1の上から、ダイヤフラム4の周辺と半円球状のチャンバー3とが一体に接続されたものを被せ、ダイヤフラム4がプリフォーム1の全体を覆うようにする。このダイヤフラム4とチャンバー3とは、ダイヤフラム外周部の周長全体が、チャンバー先端とダイヤフラム間で形成できる内部空間が気密状態を保てるように密封接続されたもので、ダイヤフラム面積はプリフォーム1の体積が少々大きくても余裕を持って包み込めるようになっているものである。
図1において、ドライ基材からなるプリフォーム1を金型2上に配置する。次に、これらプリフォーム1の上から、ダイヤフラム4の周辺と半円球状のチャンバー3とが一体に接続されたものを被せ、ダイヤフラム4がプリフォーム1の全体を覆うようにする。このダイヤフラム4とチャンバー3とは、ダイヤフラム外周部の周長全体が、チャンバー先端とダイヤフラム間で形成できる内部空間が気密状態を保てるように密封接続されたもので、ダイヤフラム面積はプリフォーム1の体積が少々大きくても余裕を持って包み込めるようになっているものである。
そして、系外に樹脂ポット6および樹脂供給ライン6aからなる液状マトリクス樹脂5の供給ラインを設け、その先をプリフォーム1に接続する。一方、真空ポンプ9と排気ライン9aとからなる減圧ラインを設け、その減圧先を金型2とダイヤフラム4との間に挿入する。また、例えば液体や気体を用いた加圧装置10を設け、その加圧パイプ10aをチャンバー3とダイヤフラム4との間に形成される空間に接続する。これで準備が完了である。
2.減圧工程
準備が完了したら、まず真空ポンプ9を運転し、プリフォーム1と該金型2との内部を減圧してダイヤフラム4をプリフォームに密着させ、ボイドの原因となる空気を排出させる。かかる本発明の方法において、ダイヤフラム4の内側でプリフォーム1を覆って密閉して該プリフォーム1と該金型2部を減圧真空状態下するのに好適な減圧・真空のレベルは、5kPa以下であることが好ましい。
準備が完了したら、まず真空ポンプ9を運転し、プリフォーム1と該金型2との内部を減圧してダイヤフラム4をプリフォームに密着させ、ボイドの原因となる空気を排出させる。かかる本発明の方法において、ダイヤフラム4の内側でプリフォーム1を覆って密閉して該プリフォーム1と該金型2部を減圧真空状態下するのに好適な減圧・真空のレベルは、5kPa以下であることが好ましい。
3.加圧工程
次に、例えば空気コンプレッサーなどの加圧装置10を運転し、加圧空気を注入することによりダイヤフラム4の外部を加圧する。これによりプリフォーム1が膨らむことが防止され、この状態で加圧を継続しながら、真空ポンプ9を運転し、減圧真空下の該ダイヤフラム4内側において、マトリクス樹脂5の供給ライから樹脂供給を開始し、プリフォームに液状マトリックス樹脂5を浸透させる。この際、プリフォームが膨らむことを防止するためにダイヤフラム4外部に加える加圧力は105kPa以上、150kPa以下であることが好ましい。
次に、例えば空気コンプレッサーなどの加圧装置10を運転し、加圧空気を注入することによりダイヤフラム4の外部を加圧する。これによりプリフォーム1が膨らむことが防止され、この状態で加圧を継続しながら、真空ポンプ9を運転し、減圧真空下の該ダイヤフラム4内側において、マトリクス樹脂5の供給ライから樹脂供給を開始し、プリフォームに液状マトリックス樹脂5を浸透させる。この際、プリフォームが膨らむことを防止するためにダイヤフラム4外部に加える加圧力は105kPa以上、150kPa以下であることが好ましい。
また、プリフォームの繊維含有率は、45〜62%の範囲とするのが好ましく、繊維含有率が45%未満の場合では、マトリックス樹脂含浸時の膨れを防止する、加圧圧力を高くする必要がありチャンバーが大がかりになる欠点がある。一方、62%を超える場合にはマトリックス樹脂含浸時の膨れが少なく本発明の効果が小さくなる問題がある。
以上のように、ダイヤフラム4のドライ強化繊維基材側を減圧真空に保ち、かつ、チャンバー内部(ダイヤフラム4の外側)を、105kPa以上150kPa以下のレベル範囲で加圧にすることにより、マトリックス樹脂注入中における製品の膨らみを良好に防止しつつ成形することができ、成形中から成形後の成形品中における繊維含有率を一定に保つことができる。なお、ダイヤフラム4の材質は、展性に富むものがよく、例えば展性率で150〜300%程度のものが好ましく用いられ、具体的な材としては例えば、ポリウレタンやシリコンゴムなどを用いるのがよい。また、ダイヤフラム4の外部に加える加圧力は、その加圧媒体として、気体あるいは液体を用いるのが簡単でよい。
以上のように、ダイヤフラム4のドライ強化繊維基材側を減圧真空に保ち、かつ、チャンバー内部(ダイヤフラム4の外側)を、105kPa以上150kPa以下のレベル範囲で加圧にすることにより、マトリックス樹脂注入中における製品の膨らみを良好に防止しつつ成形することができ、成形中から成形後の成形品中における繊維含有率を一定に保つことができる。なお、ダイヤフラム4の材質は、展性に富むものがよく、例えば展性率で150〜300%程度のものが好ましく用いられ、具体的な材としては例えば、ポリウレタンやシリコンゴムなどを用いるのがよい。また、ダイヤフラム4の外部に加える加圧力は、その加圧媒体として、気体あるいは液体を用いるのが簡単でよい。
4.加熱工程
次に、マトリックス樹脂5がプリフォーム内に浸透した後、マトリックス樹脂供給ライン5aと排気ライン9aを閉止してマトリックス樹脂5の供給停止と、ブリードを防止する。そして、マトリックス樹脂5を所定の温度まで加熱し、硬化させる。
前述の加圧媒体は、温度を調節して使用することにより、熱源として用いることもでき、また、プリフォームの加熱、冷却も容易となし得るものである。
次に、マトリックス樹脂5がプリフォーム内に浸透した後、マトリックス樹脂供給ライン5aと排気ライン9aを閉止してマトリックス樹脂5の供給停止と、ブリードを防止する。そして、マトリックス樹脂5を所定の温度まで加熱し、硬化させる。
前述の加圧媒体は、温度を調節して使用することにより、熱源として用いることもでき、また、プリフォームの加熱、冷却も容易となし得るものである。
5.冷却工程
次に、上記工程で加熱状態にある繊維強化複合材を室温まで冷却する。
次に、上記工程で加熱状態にある繊維強化複合材を室温まで冷却する。
以上にて、本発明の製造工程は終了し、強度等の物理特性が一定の優れた繊維強化複合材が得られる。
図2は、本発明の製造方法の第2の実施態様例を説明する概略モデル断面図である。この実施態様例が、図1の実施態様例に対して異なる点はプリフォームをバッグ材で覆う点にある。
この図2に示す製造方法は、まず金型2に配置したプリフォーム1を、バッグ材8で覆いバッグ材内部を減圧真空下に保ち、チャンバーに付帯したダイヤフラムをチャンバーとともにバッグ材8で覆ったプリフォーム1に押しつける、次にチャンバー内部(ダイヤフラム4の外側)を上記と同様に加圧することにより、マトリックス樹脂注入中における製品の膨らみを良好に防止することができ、成形中から成形後の成形品中における繊維含有率を一定に保つことができる、この際、ダイヤフラム4を金型2とシール部材7でシールした後、バッグ材8とダイヤフラム4間に形成される空間を減圧真空下に保つことも有効である。
この図2に示す製造方法は、まず金型2に配置したプリフォーム1を、バッグ材8で覆いバッグ材内部を減圧真空下に保ち、チャンバーに付帯したダイヤフラムをチャンバーとともにバッグ材8で覆ったプリフォーム1に押しつける、次にチャンバー内部(ダイヤフラム4の外側)を上記と同様に加圧することにより、マトリックス樹脂注入中における製品の膨らみを良好に防止することができ、成形中から成形後の成形品中における繊維含有率を一定に保つことができる、この際、ダイヤフラム4を金型2とシール部材7でシールした後、バッグ材8とダイヤフラム4間に形成される空間を減圧真空下に保つことも有効である。
すなわち、本実施態様例では、繊維強化複合材の製造装置として、金型に設置されたプリフォーム1を、チャンバー3に付帯するダイヤフラム4で覆い、密閉状態で該強化繊維基材と前記金型部を減圧してプリフォームをセットするプリフォームセット部と、ダイヤフラム4の外部を加圧するとともにダイヤフラム内は減圧真空下で前記プリフォームセット部で形成されたプリフォームに液状マトリックス樹脂を浸透させて繊維強化複合材を成形する成形部とを、共通の装置部分として有するものであり、プリフォームのセットと繊維強化複合材の成形とを、一連の流れの中で行うことができる利点を有する。
以下、本発明の一実施例について、上記図面を参照しながら説明する。
まず、図1のプリフォーム1の強化繊維基材として、一方向性炭素繊維織物(東レ株式会社製、品名:CZ8431DP)をサイズ:150mm×150mmに切り出し、これを積層して強化繊維基材を32枚×1セットとして用いた平板状のプリフォーム1を用意した。該織物は強化繊維糸条として炭素繊維T800S(東レ株式会社製、密度:1.8g/m3)を使用した炭素繊維目付190g/m2の一方向性織物であり、表面には熱可塑性樹脂を主成分とする粒子状樹脂材料が27g/m2の目付で予め付着させてある。
上記織物を熱可塑樹脂の付着した面を上にして、金型2であるSUS製平面型上に〔45°/0°/-45°/90°〕4sの積層構成で疑似等方積層したものを用意した。この状態でのかさVfは48%であった。
まず、図1のプリフォーム1の強化繊維基材として、一方向性炭素繊維織物(東レ株式会社製、品名:CZ8431DP)をサイズ:150mm×150mmに切り出し、これを積層して強化繊維基材を32枚×1セットとして用いた平板状のプリフォーム1を用意した。該織物は強化繊維糸条として炭素繊維T800S(東レ株式会社製、密度:1.8g/m3)を使用した炭素繊維目付190g/m2の一方向性織物であり、表面には熱可塑性樹脂を主成分とする粒子状樹脂材料が27g/m2の目付で予め付着させてある。
上記織物を熱可塑樹脂の付着した面を上にして、金型2であるSUS製平面型上に〔45°/0°/-45°/90°〕4sの積層構成で疑似等方積層したものを用意した。この状態でのかさVfは48%であった。
これを図2のバッグ材8とシーラント7とによって密封して内部を真空ポンプで減圧した状態にし、設定温度60℃のオーブンにて織物温度が60±5℃の範囲で120分間加熱した。この後、オーブンから取り出して室温まで冷却した後バッグ材8を解放し、プリフォーム1を得た。この状態でのプリフォームのかさVfは51%であった。
このプリフォームを、図2に示す通りのコンフィギュレーションにセットした。なお、このときのダイヤフラム4外部は、加圧装置10からの空気圧により130kPaに加圧調整しておく。注入するマトリクス樹脂には東レ株式会社製TR-A36を使用する。樹脂注入口をクランプで閉じ、密封したバッグ材内部を真空ポンプで減圧し、ダイヤフラム外部を加圧調整し、60℃に設定したオーブン内に投入し、プリフォーム温度が60℃になるまで加熱を行った。この状態でのプリフォームのVfは54%であった。次に、マトリックス樹脂温度が60±5℃の温度範囲のときに樹脂注入口のクランプを外して樹脂の注入を開始した。
このプリフォームを、図2に示す通りのコンフィギュレーションにセットした。なお、このときのダイヤフラム4外部は、加圧装置10からの空気圧により130kPaに加圧調整しておく。注入するマトリクス樹脂には東レ株式会社製TR-A36を使用する。樹脂注入口をクランプで閉じ、密封したバッグ材内部を真空ポンプで減圧し、ダイヤフラム外部を加圧調整し、60℃に設定したオーブン内に投入し、プリフォーム温度が60℃になるまで加熱を行った。この状態でのプリフォームのVfは54%であった。次に、マトリックス樹脂温度が60±5℃の温度範囲のときに樹脂注入口のクランプを外して樹脂の注入を開始した。
その結果、樹脂注入開始後、真空排気系に樹脂が見られた時点で樹脂注入口と、真空排気系を閉じ、樹脂硬化のためオーブン温度を130℃まで0.5℃/分のレートで昇温してプリフォーム温度が130±5℃の範囲で2時間保持した後、室温まで冷却した。この間プリフォームの膨らみはなかった。これにより成形されたCFRPのVfは55%であり、品質の優れたものであった。
本発明は、航空機、自動車、もしくは船舶の輸送機器における繊維強化複合材製構造体を製造するために適用することが本発明の特徴をより発揮できる点から好ましいが、その他、産業用途、スポーツ用途など、FRP製部材の製造用途であれば広範囲に適用可能である。
1:プリフォーム
2:金型
3:チャンバー
4:ダイヤフラム
5:液状マトリックス樹脂
6:樹脂ポット
6a:樹脂供給ライン
7:シール部材
8:バッグ材
9:真空ポンプ
9a:排気ライン
10:加圧装置
2:金型
3:チャンバー
4:ダイヤフラム
5:液状マトリックス樹脂
6:樹脂ポット
6a:樹脂供給ライン
7:シール部材
8:バッグ材
9:真空ポンプ
9a:排気ライン
10:加圧装置
Claims (4)
- 少なくとも強化繊維基材を複数枚積層してなるプリフォームに液状マトリックス樹脂を含浸させ、硬化させてなる繊維強化複合材の製造方法において、前記プリフォームを金型に設置し、その全体をチャンバーに付帯するダイヤフラム内側で前記プリフォームを覆うように密閉し、次いで金型とダイヤフラム間に形成され、プリフォームを含む内部空間内を減圧し、前記ダイヤフラム外部を加圧してプリフォームが膨らむことを防止しながら、減圧下の前記プリフォームに液状マトリックス樹脂を浸透させることを特徴とする繊維強化複合材の製造方法。
- プリフォームとダイヤフラム間において、さらにプリフォームの全体をバッグ材で覆い、バッグ材内部を減圧真空下にしたあとで、チャンバーに付帯するダイヤフラム内側でバッグ材を覆い、次いで前記ダイヤフラム外部を加圧して該プリフォームが膨らむことを防止することを特徴とする請求項1記載の繊維強化複合材の製造方法。
- ダイヤフラム外部の加圧力を、105kPa以上、150kPa以下にすることを特徴とする請求項1または2記載の繊維強化複合材の製造方法。
- 金型に設置されたプリフォームをチャンバーに付帯するダイヤフラムで覆い、内部のプリフォームを密閉状態にした状態で金型とダイヤフラムとで形成される内部空間を減圧雰囲気下にするプリフォームセット部と、ダイヤフラム外部を加圧するとともにダイヤフラム内部は減圧真空下で前記プリフォームに液状マトリックス樹脂を浸透させて繊維強化複合材を成形する成形部とを有することを特徴とする繊維強化複合材の製造装置。
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JP2007253441A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Shin Meiwa Ind Co Ltd | プリプレグ積層体の成形装置及び成形方法 |
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2004
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