JP2011083975A - 繊維強化プラスチックの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コーナー部を有する繊維強化プラスチックの製造方法において、コーナー部における局所的な厚肉化の抑制、さらには板厚の制御可能な繊維強化プラスチックの製造方法を提供する。
【解決手段】コーナー部を有する強化繊維積層体に含浸されたマトリックス樹脂を硬化させてなる繊維強化プラスチックの製造方法であって、少なくとも、(a)コーナー部を有する雌型内に配置する強化繊維積層体配置工程、(b)少なくともコーナー部にプレッシャープレートを配置するプレッシャープレート配置工程、(c)前記雌型と前記プレッシャープレートの隙間にスペーサーを配置するスペーサー配置工程、(d)バギング材で全体を覆うバギング工程、(e)前記バギング材内部を真空吸引しながら、前記強化繊維積層体を前記雌型に接触させるとともに、前記強化繊維積層体を薄肉化させる薄肉化工程、を有することを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化プラスチックの製造方法に関するものであり、具体的には、少なくともコーナー部を有するチャンネル形状繊維強化プラスチックの成形に関する。
近年、航空機や自動車などの軽量化のために繊維強化プラスチックを構造部材に使用する機会が増加している。構造部材の形状は、断面二次モーメント等の断面係数を高めるために、断面形状がI、C、T型等の複雑な形状を持たせることがある。
このような形状を上手く成形する成形方法として、強化繊維積層体を型に沿わせて形状出しする成形方法がある。このうち、雌型成形は雌型側の寸法や面精度が求められる場合に用いられる成形法で、成形品の雌型側に部品を精度よく組み付けるには有用な成形方法であるものの、成形時の形状出しが難しく、後述する特許文献1のFig.1や特許文献2の図2,3に記載されているように、繊維強化プラスチックのコーナー部が厚くなることが課題として挙げられている。
この課題を解決する成形方法として、特許文献1ではコーナー部に外力を加えてコーナー部の板厚を減じる方法が紹介されている。しかし、このように外力を加える方法では成形品が大きくなるに従って、外力を付与すべき面積が増加するため、外力に相当する反力を支える機構が大がかりとなってしまい、設置に大きなスペースを要する課題がある。特許文献2では強化繊維基材上に配置する副資材のツッパリを抑制してコーナー部の厚肉化を抑制する方法が紹介されている。厚肉化を抑制する効果は認められるものの、積極的に強化繊維基材の厚みを制御することに関しては十分とは言えない。
また、外力を加えない方法として特許文献3や4のような方法が紹介されている。特許文献3ではΩ型のカウルをバッギング材の内側に配置し、真空圧でカウルの凸部を抑えることでコーナー部を加圧する方法が紹介されている。しかし、このような方法では狙いの位置に毎回、均一な圧力を付与することは困難であるし、加熱成形後に変形したカウルが元の形状に戻らない可能性がある。
特許文献4では、雌型内にプリフォームを配置し、頂上部に雌型との間にGAPを有する雄型を配置して成形する方法が紹介されているが、コーナーの薄肉化に関する記載は無く、実現性も定かではない。
特許文献5は、上型および下型の一対の成形型を用いる成形方法であり、下型内に嵌入する可撓性を有する上型は、下型内底面の曲率半径よりも小さい曲率半径を有しており、さらには、上型との間に上型の底面よりも小曲率半径を持つ可撓性のカウルプレートを配している。そのため、上型を下型方向に押付けると、プリプレグを1点または線に沿って押圧し、カウルプレートを変形させながら順次コーナー部へ押圧する方法が紹介されている。カウルプレートの反力を考慮すると、本方法ではコーナー部を押す際にカウルプレートは最大変形をするため、コーナー部の押圧は開始点に比べて弱いといえる。そのため、コーナー部を薄肉化する効果は若干劣ると考えられる。
特許文献6、7では、板厚を制御する方法が紹介されている。具体的には、スペーサーを配置して平板の厚さを制御する方法が開示されている。しかし、特許文献6、7には平板を対象とした厚さ制御技術しか記載がなく、コーナー部の厚さを均一に制御できる技術までは記載されていない。
US2006/0017200号公報(Fig.1,2) 特開2008−230020号公報(図2,3) US2004/0047934(Fig.4) US2006/0068170号公報(Fig.2) 特開2005−288756号公報(Fig.3,4) WO2008/040970号公報 US640660号公報
以上のように、雌型成形は外側を高精度に製造できるため組立が容易になるなどの利点を有するが、コーナー部の局所的な厚肉化が発生するという課題がある。いくつかの課題解決法が紹介されているが、簡易的で効果の高い方法はまだ開発されていない。そのため、コーナー部における厚肉化の抑制、さらには板厚の制御可能な製造方法の開発が望まれている。
本発明の内容は、以下の(1)〜(7)の方法からなる。
(1)コーナー部を有する強化繊維積層体に含浸されたマトリックス樹脂を硬化させてなる繊維強化プラスチックの製造方法であって、少なくとも以下の工程を有することを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
(a)前記強化繊維積層体を、コーナー部を有する雌型内に配置する強化繊維積層体配置工程
(b)前記強化繊維積層体の上に、少なくともコーナー部にプレッシャープレートを配置するプレッシャープレート配置工程
(c)前記プレッシャープレートの端部において、前記雌型と前記プレッシャープレートの隙間にスペーサーを配置するスペーサー配置工程
(d)前記雌型の周縁にシール材を配置し、バギング材で全体を覆うバギング工程
(e)前記バギング材内部を真空吸引しながら、前記強化繊維積層体を前記雌型に吸着させるとともに、前記スペーサーと前記プレッシャープレートとが当接するように前記強化繊維積層体を薄肉化させる薄肉化工程
(2)コーナー部を有する強化繊維積層体に含浸されたマトリックス樹脂を硬化させてなる繊維強化プラスチックの製造方法であって、少なくとも以下の工程を有することを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
(a)前記強化繊維積層体を、コーナー部を有する雌型内に配置する強化繊維積層体配置工程
(b)前記強化繊維積層体の上に、少なくとも一方の端部にスペーサーを有するスペーサー付プレッシャープレートを配置するスペーサー付プレッシャープレート配置工程
(c)前記雌型の周縁にシール材を配置し、バギング材で全体を覆うバギング工程
(d)前記バギング材内部を真空吸引しながら、前記強化繊維積層体を前記雌型に吸着させるとともに、前記スペーサーが前記雌型表面と当接するように前記強化繊維積層体を薄肉化させる薄肉化工程
(3)前記バギング工程において、マトリックス樹脂を注入する1または複数の注入口を設けるとともに、前記薄肉化工程において前記強化繊維積層体にマトリックス樹脂を注入することを特徴とする(1)または(2)に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(4)マトリックス樹脂注入後に前記注入口の少なくとも1つを真空吸引口に切り替え、含浸させたマトリックス樹脂の一部を吸引することを特徴とする(3)に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(5)雌型表面と接しない強化繊維積層体表面の略全面に樹脂流動層を配置することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(6)前記スペーサーの厚さは、前記強化繊維積層体配置工程における積層体の板厚よりも薄いことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法の製造方法。
(7)前記繊維強化プラスチックは少なくともC断面を有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
本発明によれば、コーナー部を有する繊維強化プラスチックの製造方法において、コーナー部における厚肉化の抑制、さらには板厚の制御可能な製造方法が実現できる。この製造方法を用いることにより、コーナー部であっても均一な厚みや高繊維体積含有率(V)を有する繊維強化プラスチックを得ることができる。
本発明に係る繊維強化プラスチックの製造方法において、独立したスペーサーを使用した場合を模式的に示した断面図である。 本発明に係る繊維強化プラスチックの製造方法において、一体化されたスペーサーを使用した場合を模式的に示した断面図である。 本発明に係る強化繊維積層体の形態を模式的に示した断面図である。 本発明に係る薄肉化工程を模式的に示した断面図である。 本発明により得られた繊維強化プラスチックを模式的に示した断面図である。 比較例により得られた繊維強化プラスチックを模式的に示した断面図である。 本発明に好適なC型断面部材について説明した模式図である。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る繊維強化プラスチックの製造方法を模式的に示した断面図である。コーナー部12を有する雌型1の内部に強化繊維積層体2が配置されており、その上にピールプライ3、樹脂拡散媒体4等の副資材を配置し、強化繊維積層体2を所定の形状に整える複数のプレッシャープレート5を載置する。スペーサー8が独立した部材である場合には強化繊維積層体2の端部にスペーサー8を配置する。その後、これらの部材をバギング材6で覆い、バギング材6の周縁部をシール材7でシールする。強化繊維積層体2にマトリックス樹脂62を注入できるように、注入経路61が雌型1上端の注入口10に、真空ポンプ66で真空吸引する吸引経路64が吸引口9にそれぞれ接続されている。注入経路61や吸引経路64は、経路を切り換える開閉弁63や樹脂トラップ65が設けられている。
本発明に係る繊維強化プラスチックの製造方法について、工程ごとにさらに具体的に説明する。
まず、コーナー部12を有する雌型1内に強化繊維積層体2を配置する強化繊維積層体配置工程について説明する。本発明で使用する強化繊維積層体2は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などの強化繊維を含むシート状材料を複数積層させたものである。シート状材料とは一方向織物、二方向織物、多軸ステッチ基材、不織布、CSM(ontinuous trand at)などがあり、樹脂があらかじめ含浸されたプリプレグ、含浸前のドライ基材のどちらであっても良い。強化繊維積層体2の積層枚数として本発明の板厚制御の効果を得るためには、少なくとも4枚以上(成形品板厚が1mm以上)の強化繊維積層体2であることが好ましい。積層構成については特に限定しない。図3の左上に示すように、シート状材料があらかじめ積層された強化繊維積層体2を、雌型1の内表面に沿うようにして配置することが好ましい。配置方法は、人手で直接配置するハンドレイアップ法、ロボット等を用いて自動配置する方法等、特に限定するものではない。
さらに好ましくは、図3の右上に示すように、4枚以上の強化繊維積層体2が予め略雌型形状に賦形されたプリフォーム70の形態を用いることもできる。プリフォーム70であれば雌型1内に容易に配置できるため、位置決め精度や配向角度保証などを行いやすい。ここでいうプリフォーム70とは、強化繊維積層体2を変形させた形態を保持させたものであり、例えば、プリプレグをプリフォーム化するのであれば材料自体のタック性を利用して形状出しをした状態で形態を保持できるし、ドライ基材であれば、樹脂材料を層間に塗布し形状出しした状態で樹脂材料を加熱溶融させる方法、繊維状の樹脂材料を編みこんだ強化繊維積層体を形状出しした状態で繊維状の樹脂材料を加熱溶融させる方法、強化繊維積層体を形状出しした状態で縫製する方法、ニードリングにより繊維を包絡させる方法など、様々な方法を用いることができる。いずれの材料を使用する場合であっても、形態保持が可能であればその方法は特に限定されるものではない。
次に、プレッシャープレート配置工程において説明する。
プレッシャープレート5は、後述する強化繊維積層体2を真空吸引するにあたり、強化繊維積層体2の板厚を一定に保持したまま圧縮(薄肉化)することに用いられる。
プレッシャープレート5は、強化繊維積層体2の表面に直接載置してもよいし、間に副資材を挟持させてもよい。例えば、後述する樹脂注入成形においては、強化繊維積層体2の上に、樹脂離型用に用いる布帛からなるピールプライ3、注入樹脂を強化繊維積層体2の表面に拡散させる樹脂拡散媒体4(メディア)をこの順に配置しても良い。
コーナー部12を確実に圧縮できるように、少なくともコーナー部12を覆うようにプレッシャープレート5を配置することが本発明では必要である。コーナー部12を覆っていれば、プレッシャープレート5の形状は特に限定されるものではないが、コーナー部12近傍のウェブ13上において分割されていることが好ましい。コーナー部12近傍のウェブ13上で分割されていれば、真空吸引する際に、コーナー部12の板厚変化に伴って生じる強化繊維積層体2の周長変化に追従してプレッシャープレート5も移動することができる。
なお、プレッシャープレート5を分割することにより生じた合わせ目15に隙間が生じると、強化繊維積層体2の表面に凹凸が生じる懸念があるが、プレッシャープレート5と強化繊維積層体2との間に、緩衝材として機能する副資材を挟んだり、合わせ目15の間隔を上手く調整したりすることで、凹凸をほとんど目立たなくすることも可能である。例えば、副資材として熱可塑性樹脂製の樹脂拡散媒体4を介するのであれば、合わせ目の間隔14を0.1mm以上から5mm以下としておくと、合わせ目15における表面凹凸を目立たなくすることができる。また、緩衝材として用いる副資材として、1枚あたりの厚さが0.1mm以下であるピールプライ3のように薄い副資材を用いる場合は、合わせ目の間隔14を0.1mm以上、2mm以下とすることが好ましい。これは、副資材が有する柔軟性を利用することで、複数のプレッシャープレート5の間隔を適度に設けることにより、プレッシャープレート5と強化繊維積層体2との間に挟持された副資材が面外方向への変形を抑制するからである。なお、合わせ目の間隔14は、副資材の材質や構成に応じて適宜調整することができる。
このように合わせ目の間隔14を最適に設計して凹凸を発生させない方法も考えられるが、逆に、凹凸を狙った位置に発生させて他部材と緩衝しないようにしたり、また、他部材との位置決めにこの凹凸を利用したりすることも可能である。
また、分割されたプレッシャープレート5のうちコーナー部12を含むフランジ11側の形状は、軽量化の観点からL型断面をしていることが好ましい。L型断面であれば、板厚を薄くすることができるため軽量化が可能であり、プレッシャープレート5のハンドリング性を優れたものにできる。また、平板の曲げ加工やL型の型材からの削り出しなどを利用すれば容易に製造できることからも好ましい態様である。具体的な材質としては、鉄、アルミなどの金属材料、もしくは成形品と線膨張係数が近い材料、例えば、成形品がCFRPの場合はCFRPやインバー材などが挙げられる。
次に、スペーサー配置工程について説明する。スペーサー8は、強化繊維積層体2を所定の板厚にするとともに、プレッシャープレート5が強化繊維積層体2全体を均一に圧縮可能にするサポートとしての役割を果たしている。スペーサー8は、プレッシャープレート5の端部、具体的には図1(a)に示すL型断面の上端部において、雌型1との隙間に配置されるものである。スペーサー8の材質は付与する面圧により塑性変形せず、適用するマトリックス樹脂62に対して耐性を有する材質から選定されることが好ましく、例えばマトリックス樹脂62がエポキシ樹脂であればステンレス、鉄、アルミなどの金属材料や繊維強化プラスチックを用いることが好ましい。また、スペーサー8には離型性(離型剤やメッキ)が付与されていることが好ましい。離型処理を行っておくと、新たに離形材料を準備する必要が無く、マトリックス樹脂62の硬化後に、雌型1やバギング材6等と容易に分離して再利用することができる。
スペーサー8、雌型1、プレッシャープレート5のいずれか、もしくは全てを磁性体とすると、スペーサー8の配置や固定が容易となり好ましい。ただし、フェライト系磁石は脆いため、繰り返し使用すると破損する懸念があることから、着脱部分には金属材料や、磁石と金属材料を重ねたものを用いることが好ましい。スペーサー8を単独で使用する場合には、繰り返し使用することによりスペーサー8が損傷した場合であっても、スペーサー8のみを交換すればよく、後述する一体化プレッシャープレート21のような治具全体を補修する必要がないため、取り扱いが容易になる点で好ましい。
スペーサー8は、長手方向に延伸した長尺品であっても良いし、分割された短尺品を複数使用しても良い。ただし、短尺のスペーサー8を配置する際は、プレッシャープレート5とスペーサー8が部分的にしか接触しない部位が生じるため、プレッシャープレート5の撓みにより所望の板厚が得られなく可能性がある。そのため、撓み量を考慮してスペーサー8の配置間隔やプレッシャープレート5の剛性を設計することが望まれる。
スペーサー8の厚みは、目的とする成形品の厚みに対応したものが好ましい。また、後述する薄肉化工程で強化繊維積層体2を確実に薄肉化させるため、真空吸引する前の強化繊維積層体2の厚みより薄いことが好ましい。
ここまではスペーサー8が単体として用いられる場合について説明したが、図2に示すように、スペーサー8とプレッシャープレート5とを一体化した一体化プレッシャープレート21を用いることができるのも本発明の特徴である。一体化プレッシャープレート21の利点は、繊維強化プラスチックを脱型する際に、先に一体化プレッシャープレート21のみを脱型すれば良く、脱型作業を容易にすることができる点にある。
次に、バギング工程について説明する。バギング工程において、雌型1の周囲にシール材7を配置し、バギング材6で雌型1の全体を覆い、シール材7でシールする。シール材7を配置する位置は、前述の工程で配置した強化繊維積層体2やプレッシャープレート5等、また雌型1に設けられた吸引口9を少なくとも覆うものであれば、特に限定されるものではない。
バギング材6と雌型1の間の内部を、雌型1の吸引口9を介して、真空ポンプ66で真空吸引する。シール材7はバギング材6内の真空状態を維持できれば特に限定しないが、成形時の加熱温度やマトリックス樹脂との相性を考慮して選定することが好ましい。
バギング材6は適用する樹脂耐性、気密性保持の指標となる気体透過度、耐熱温度、湿度などから選定されることが好ましく例えば、ナイロンやポリオレフィン系のフィルムなどが好適に用いられる。
次に、薄肉化工程について説明する。薄肉化工程は、真空ポンプ66で真空吸引をし続けることにより、強化繊維積層体2を雌型1の内表面に吸着させるとともに、積層された強化繊維のシート状材料どうしの隙間、あるいはシート状材料内部の強化繊維どうしの隙間を真空にすることで、強化繊維積層体2の板厚を減じさせて、スペーサー8とプレッシャープレート5を当接させる。このとき、スペーサー8とプレッシャープレート5との間には、樹脂拡散媒体4やピールプライ3等の副資材が挟持されていてもよい。
なお、ここで「当接」とは、スペーサー8とプレッシャープレート5とが直接接触した状態を指すだけではなく、副資材を介してスペーサー8とプレッシャープレート5との距離が実質的に一定になった状態も含まれる。また、一体化プレッシャープレート21を用いた場合には、雌型1と一体化プレッシャープレート21とが、上記のように「当接」したものであればよい。
強化繊維積層体2を真空吸引すると、薄肉化されるにしたがって、コーナー部12における周長が変化するため、スペーサー8近傍にある強化繊維積層体2の端部の高さが変化する。スペーサー8を配置せずに真空吸引を行うと、真空吸引の開始直後はフランジ11やコーナー部12はほぼ均等に薄肉化されていくものの、フランジ11の厚みが徐々に薄くなるにつれて、プレッシャープレート5の押付力により、強化繊維積層体2の端部が雌型1に押し付けられ、あたかも雌型1に固定されたようになる。この結果、真空吸引を続けても、コーナー部12の薄肉化による周長の変化、すなわち強化繊維積層体2のフランジ11高さの変化に追従できなくなり、プレッシャープレート5に押し付けられた強化繊維積層体2の端部近傍のみが薄肉化される、といった不均一な板厚分布となるおそれがある。
このような不均一な板厚分布を解消するため、図4に示すように、あらかじめ所定の板厚に対応したスペーサー8を設けておけば、強化繊維積層体2の端部は過剰に薄肉化されず、スペーサー8とプレッシャープレート5とが当接した箇所が支点41となって薄肉化工程が継続し、図5に示すように、コーナー部12も含めて均一な板厚分布を有する強化繊維積層体2が得られる。スペーサー8は、プレッシャープレート5が当接した後に強化繊維積層体2の端部を過剰に薄肉化させないように、前述したように磁石で雌型1に固定されているか、あるいは強化繊維積層体2のフランジ11高さの変化に追従可能な程度に軽量で、フランジ11の端部に不要な押圧を加えないことが好ましい。また、強化繊維積層体2のウェブ13の板厚変化に追従してプレッシャープレート5の端部がスペーサー8から離間しないように、ウェブ13の板厚変化を許容できる程度のスペーサー8の高さ(図4において高さHで示している)を有していることが好ましい。
次に、本発明を用いるのに好ましい成形方法について説明する。
上記の工程を経て得られた強化繊維積層体2がプリプレグの場合には、あらかじめマトリックス樹脂が含浸されているので、雌型全体をオートクレーブ内に入れ、加熱・加圧硬化させて成形品を得る。また、強化繊維積層体2がドライ基材の場合には、マトリックス樹脂を含浸させてから、雌型全体を加熱してマトリックス樹脂を硬化させる。
ドライ基材でマトリックス樹脂を含浸させる場合には、雌型1にマトリックス樹脂62を注入する注入口10を設けておくことが好ましい。注入口10は、雌型1の縁や強化繊維積層体2の縁、プレッシャープレート5の上など様々な場所に設けることができるが、注入口10の近傍は強化繊維積層体2を構成する強化繊維に乱れを生じる恐れがあるため、雌型1やプレッシャープレート5の上等、強化繊維積層体2から離れた位置に設けることが好ましい。
また、マトリックス樹脂を含浸させた後、そのまま加熱硬化してもよいが、高性能(高強度、高弾性、高剛性等)の成形品を得るためには、成形品中における強化繊維の割合(繊維体積含有率ともいい、以下、Vという)を高くしておくことが好ましい。Vの範囲としては45%〜65%、さらに好ましくは55%〜65%である。このような高Vとするには、例えば(a)バギング工程において真空吸引を行った状態で、マトリックス樹脂の圧力を大気圧よりも低くした状態で含浸させる方法、または(b)マトリックス樹脂62を強化繊維積層体2に過剰に含浸させた後、樹脂の注入を停止し、しかる後に目標繊維体積含有率になるまでマトリックス樹脂62の吸引を継続する方法、等が挙げられる。
さらに、加熱硬化の際に、強化繊維積層体2がスプリングバック(増厚)しない程度に板厚を保持できるように、強化繊維積層体2の全面に面圧を付与させることが好ましい。強化繊維積層体2がプリプレグの場合には、加圧可能なオートクレーブを使用することが好ましい。また、ドライ基材にマトリックス樹脂を含浸させた場合には、所望の板厚が得られた時点で真空吸引を停止し、大気圧との差圧を加圧し続けることにより、板厚を実質的に保持しつつ成形を完了させることが好ましい。
なお、ここでVの算出方法について説明する。Vは次の計算式で算出することができ、測定方法はASTMD3171−99(2004)に準拠する。また、スペーサー8の板厚は副資材の厚みを加味して設計しても良い。
(%)=(FAW)×(N)/(ρ)/(t)/1000
FAW:強化繊維目付け(g/m
N:積層枚数(ply)
ρ:強化繊維密度(g/cm
t:板厚(mm)
上記の成形方法により得られた、ばらつきの小さい板厚42の繊維強化プラスチック39は、繊維体積含有率(V)が高く、部分的に樹脂の割合が高い部分(樹脂リッチ部)などの欠陥が無いため、軽量化に大きく寄与できるため、大型の構造部材にも適用することができる。例えば、本発明の適用例である図7の航空機の翼部材51であるC型断面部材(スパー)52においては、外板部材53を介してC型断面の口が開くような外力54が発生しても十分な強度があり、好適に用いることができる。本発明の適用範囲はコーナー部12を有している形状であればこれに限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法を模式的に示した断面図である図1を用いて説明する。
まず、本発明で用いる雌型1(材質:S45C、形状:長さ約6m×幅約0.5m×高さ約0.3m、板厚25mm)内に、強化繊維として炭素繊維(T800S−24K、東レ(株)製)を用いた一方向炭素繊維織物基材(FAW=190g/m)を32枚積層し、織物基材表面に付着させた熱可塑性樹脂で形態を保持したC型断面プリフォーム(長さ約5.5m×幅約0.3×高さ約0.1m)である強化繊維積層体2(大気圧下の板厚:7.5mm、略1気圧付与下の板厚:6.8mm)を配置した。
強化繊維積層体2のフランジ11の上端部に直径10mmの穴を0.3mmピッチであけ、この穴にスペーサー8(直径9mmの円柱形状)を配置した。スペーサー8の高さは、図1における左側のフランジに配置したスペーサー8は、フランジ11の板厚6.4mm(Vf=56%相当)に対応するように、フェライト磁石2.0mmとステンレス(SS400)4.4mmを貼り合わせたものを、右側のフランジに配置したスペーサー8は、フランジ11の板厚6.0mmに対応するように、フェライト磁石2.0mmとステンレス(SS400)4.0mmを貼り合わせたものを、それぞれ配置した。スペーサー8は磁力により雌型に固定され、雌型1のフランジ11から落下することはなかった。
次に、ピールプライ3(リッチモンド社製、B4444、長さ約5.5m×約0.5m、厚み:0.05mm)、樹脂拡散媒体4(日本ネトロン製、TSX400P、厚み:0.55mm)、をそれぞれ強化繊維積層体2の表面に被せ、プレッシャープレート5(形状:L型断面と矩形断面、材質S45C、L型断面の形状:長さ約1.1m×幅約0.05m×高さ約0.1m:厚み5mm、矩形断面の形状:長さ約1m×幅約0.3m:厚み5mm)を長手方向に5枚ずつ、強化繊維積層体2の上に順次配置した。ピールプライ3、樹脂拡散媒体4において、左側のフランジ上端部には直径13mmの穴が開けてあり、一方で右側のフランジ上端部には穴を設けなかった。すなわち、左側のフランジはスペーサー8とプレッシャープレート5の間にピールプライ3と樹脂拡散媒体4がなく、右側のフランジは間にピールプライ3と樹脂拡散媒体4が入っている状態とした。
次に、雌型1の上端に設けられた吸引口9、注入口10に対応する溝の外側にシール材7を付着させ、強化繊維積層体2、ピールプライ3、樹脂拡散媒体4、プレッシャープレート5をバギング材6(エアテック製、WL6400)で覆い、シール材7で固定した。吸引口9となる溝に注入経路61、吸引経路64、樹脂トラップ65、開閉弁63を順次接続するとともに、吸引経路64の末端に真空ポンプ66を接続し、バギング材6と雌型1との内部空間(キャビティ)を真空吸引した。このとき開閉弁63は注入経路61側、吸引経路64側が閉じられていた。また、キャビティ内に配されている金属材料は、全て離型処理がなされていた。
ここで、強化繊維積層体2に作用する面圧を把握するために、この日の大気圧とキャビティ内の真空度を測定した。大気圧は市販の気圧測定器を用いたところ約101.4kPa(=761mmHg)を示した。キャビティ内の真空度は、注入経路61の端部にリークテスターを取り付けて注入経路61に接続されている開閉弁63を開いて測定したところ約0.27kPa(=2.0torr)を示した。強化繊維積層体2には約101.1kPa(=759mmHg)の圧力が作用していると想定された。
ここで、強化繊維積層体2の板厚を算出したところ、7.5mm(雌型や副資材など一式の板厚をマイクロメーターで測定し、強化繊維積層体2を除いた板厚や厚みを減じて得た)であった。このことから、現時点においては強化繊維積層体2の板厚はスペーサー8より厚いことが確認された。
また、強化繊維積層体2の板厚変化を測定するために、図示は省略したものの、雌型1の上にマグネットスタンドから片持ちの腕を出した形でダイヤルゲージ(キーエンス製)を強化繊維積層体2のフランジ11の高さ方向に2箇所(フランジ高さ上:ウェブ面より70mm、フランジ高さ下:ウェブ面より30mm)、ウェブ13の中央に1箇所配置した。
次に、いずれも図示は省略したものの、雌型1全体を加熱保持するために断熱材を被せ、内蔵された熱媒流路に金型温調機(KAWATA,TWF−600MD)を取り付けて、約80℃に設定した。
雌型1や強化繊維積層体2の温度が80±5℃内であることを確認し、マトリックス樹脂62(脱泡済みの2液混合エポキシ樹脂、80±10℃)が入った樹脂ポット67を、注入経路61の端部に対して樹脂ポット67の底より少し高い位置になるように配置した。注入経路61に取り付けられた開閉弁63を少し開け、開閉弁63のすぐ下までマトリックス樹脂62を導いた状態で約1分保持させ、約1分経過後に注入経路61に取り付けられた開閉弁63を完全に開き、キャビティ内にマトリックス樹脂62を注入した。注入開始から30分経過後、注入経路61に接続された開閉弁63を閉じた。その後、吸引経路64に接続された開閉弁63を60分間開くことによって強化繊維積層体2に含浸させた余剰のマトリックス樹脂62を吸引するとともに、強化繊維積層体2に圧力を作用させて板厚を減じた。
板厚を減じている間の板厚変化量をダイヤルゲージで観測したところ、初めの10分間はフランジ高さ上に取り付けたダイヤルゲージの変化量(強化繊維積層体板厚の減少)がフランジ高さ下よりも大きかったが、15分経過した時点で、フランジ高さ下に取り付けたダイヤルゲージの変化量がフランジ高さ上の変化量を上回った。この結果から上端部の間隙16が板厚を減じてから15分以内にほぼ零になったことが推察された。
次に、全ての開閉弁63を閉じ、金型温調機の設定温度を130℃に上げて、強化繊維積層体2に含浸したマトリックス樹脂62を硬化させた。その後、常温(約30℃)まで冷却した後に、繊維強化プラスチック39を脱型した。
得られた繊維強化プラスチック39のフランジ上端部の板厚43とコーナー部近傍の板厚44とウェブの板厚を両面球のマイクロメーターを用いて各10点測定したところ、フランジ上端部の板厚43の平均値が6.00mm(V=56.3%相当)、コーナー部近傍の板厚44の平均値が6.05mm(V=55.8%相当)、ウェブの板厚の平均値は6.02mm(V=56.1%相当)であった。フランジの板厚全測定結果から得られたVのばらつきは0.2%であった。また、同様に得られたウェブのVばらつきは0.3%であった。これらの測定結果から、板厚やVのばらつきが小さい繊維強化プラスチックが得られた。
(実施例2)
次に、図2に示すような、スペーサーと一体化した一体化プレッシャープレート21を用いた。このときスペーサーに相当する部分は強化繊維積層体2のフランジ11より上に位置するようにしたほか、実施例1で施した穴あけを行わなかったことを除いて、その他の構成、プロセスは実施例1と同様にして繊維強化プラスチック39を製造した。
得られた繊維強化プラスチック39のフランジ上端部の板厚43とコーナー部近傍の板厚44を両面球のマイクロメーターを用いて測定したところ、フランジ上端部の板厚43の平均値が6.05mm(V=55.8%相当)、コーナー部近傍の板厚44の平均値が5.99mm(V=56.4%相当)、ウェブの板厚の平均値は6.00mm(V=56.3%相当)であった。フランジの板厚全測定結果から得られたVのばらつきは0.3%であった。また、同様に得られたウェブのVばらつきは0.2%であった。これらの測定結果から、板厚やVのばらつき(標準偏差)が小さい繊維強化プラスチックが得られた。
(実施例3)
実施例1と同じ雌型1内に、強化繊維積層体として、一方向炭素繊維織物基材(FAW:190g/m、T800S−24K(東レ製))に樹脂(3900−2B)を含浸させた一方向プリプレグを32枚積層し、形態を保持したC型断面プリフォーム(長さ約5.5m×幅約0.3×高さ約0.1m、大気圧下の板厚:6.3mm、略1気圧付与下の板厚:6.2mm)を配置した。実施例1と同様に、スペーサー8などを配置し、真空吸引した後に、実施例1と同様に板厚を算出したところ、強化繊維積層体2の板厚は6.2mmであった。
その後、オートクレーブ成形で得られた繊維強化プラスチック39について、フランジ上端部の板厚43とコーナー部近傍の板厚44とウェブの板厚を両面球のマイクロメーターを用いて各10点測定したところ、フランジ上端部の板厚43の平均値が6.00mm(V=56.3%相当)、コーナー部近傍の板厚44の平均値が5.85mm(V=57.7%相当)、ウェブの板厚の平均値は5.90mm(V=57.2%相当)であった。フランジの板厚全測定結果から得られたVのばらつきは0.5%であった。また、同様に得られたウェブのVばらつき(標準偏差)は0.3%であった。これらの測定結果から、板厚やVのばらつきが小さい繊維強化プラスチックが得られた。
(比較例1)
図6に示すように、スペーサー8を配置しなかった以外は、実施例1と同じ構成、プロセスを用いて繊維強化プラスチック39を成形した。
得られた繊維強化プラスチック39のフランジ上端部の板厚43とコーナー部近傍の板厚44とウェブの板厚を両面球のマイクロメーターを用いて各10点測定したところ、フランジ上端部の板厚43の平均値が5.53mm(V=61.0%相当)、コーナー部近傍の板厚44の平均値が6.65mm(V=50.8%相当)、ウェブの板厚の平均値は6.04mm(V=55.9%相当)であった。フランジの板厚全測定結果から得られたVのばらつきは1.4%であった。また、同様に得られたウェブのVばらつき(標準偏差)は0.2%であった。これらの測定結果から、板厚、Vともにばらつきの大きい繊維強化プラスチックが得られた。
1 雌型
2 強化繊維積層体
3 ピールプライ
4 樹脂拡散媒体
5 プレッシャープレート
6 バギング材
7 シール材
8 スペーサー
9 吸引口
10 注入口
11 フランジ
12 コーナー部
13 ウェブ
14 合わせ目の間隔
15 合わせ目
16 上端部の間隙
21 一体化プレッシャープレート
39 繊維強化プラスチック
41 支点
42 ばらつきの小さい板厚
43 フランジ上端の板厚
44 コーナー部近傍の板厚
51 翼部材
52 C型断面部材
53 外板部材
54 外力
61 注入経路
62 マトリックス樹脂
63 開閉弁
64 吸引経路
65 樹脂トラップ
66 真空ポンプ
67 樹脂ポット
70 プリフォーム

Claims (7)

  1. コーナー部を有する強化繊維積層体に含浸されたマトリックス樹脂を硬化させてなる繊維強化プラスチックの製造方法であって、少なくとも以下の工程を有することを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
    (a)前記強化繊維積層体を、コーナー部を有する雌型内に配置する強化繊維積層体配置工程
    (b)前記強化繊維積層体の上に、少なくともコーナー部にプレッシャープレートを配置するプレッシャープレート配置工程
    (c)前記プレッシャープレートの端部において、前記雌型と前記プレッシャープレートの隙間にスペーサーを配置するスペーサー配置工程
    (d)前記雌型の周縁にシール材を配置し、バギング材で全体を覆うバギング工程
    (e)前記バギング材内部を真空吸引しながら、前記強化繊維積層体を前記雌型に吸着させるとともに、前記スペーサーと前記プレッシャープレートとが当接するように前記強化繊維積層体を薄肉化させる薄肉化工程
  2. コーナー部を有する強化繊維積層体に含浸されたマトリックス樹脂を硬化させてなる繊維強化プラスチックの製造方法であって、少なくとも以下の工程を有することを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
    (a)前記強化繊維積層体を、コーナー部を有する雌型内に配置する強化繊維積層体配置工程
    (b)前記強化繊維積層体の上に、少なくとも一方の端部にスペーサーを有するスペーサー付プレッシャープレートを配置するスペーサー付プレッシャープレート配置工程
    (c)前記雌型の周縁にシール材を配置し、バギング材で全体を覆うバギング工程
    (d)前記バギング材内部を真空吸引しながら、前記強化繊維積層体を前記雌型に吸着させるとともに、前記スペーサーが前記雌型表面と当接するように前記強化繊維積層体を薄肉化させる薄肉化工程
  3. 前記バギング工程において、マトリックス樹脂を注入する1または複数の注入口を設けるとともに、前記薄肉化工程において前記強化繊維積層体にマトリックス樹脂を注入することを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  4. マトリックス樹脂注入後に前記注入口の少なくとも1つを真空吸引口に切り替え、含浸させたマトリックス樹脂の一部を吸引することを特徴とする請求項3に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  5. 雌型表面と接しない強化繊維積層体表面の略全面に樹脂流動層を配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  6. 前記スペーサーの厚さは、前記強化繊維積層体配置工程における積層体の板厚よりも薄いことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法の製造方法。
  7. 前記繊維強化プラスチックは少なくともC断面を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
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