JP2010131991A - 繊維強化プラスチック構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スティフナなどの突起部を有するFRPパネル構造体のVaRTM(真空減圧補助の樹脂トランスファー成形)を、該パネル上への突起部の高い位置決め精度で実現する。
【解決手段】プリフォーム23の突起部とパネル23表面それぞれの少なくとも1面に接触するように、互いに嵌合する構造を有する治具22,23を配置し、プリフォーム22,23への樹脂含浸が完了した後、余分な樹脂を吸引除去する工程を含み、かつ、該工程の開始時点から樹脂の硬化が行われるまでの間に上記治具22,23が嵌合することで、該突起部の位置決めが行われることを特徴とする繊維強化プラスチック構造体の製造方法。
【選択図】図10

Description

本発明は、真空減圧補助による樹脂トランスファー成形(Vacuum−assisted Resin Transfer Molding:以下、VaRTMと称することもある。)プロセスを用いて製造される、突起形状を有した繊維強化プラスチック(以下、繊維強化プラスチックをFRPと称することもある。)構造体、およびその製造方法に関する。
航空機における翼部材などの大型構造体を製造するための新しい素材として、FRPの採用が進んでいる。翼部材の外皮部分は、図1に示すように、一般的には基板であるスキンパネル1と、スキンパネル1の表面に格子状などの形態で接触配置されるスティフナ2からなる。スティフナ配置の目的は、スキンパネルの曲げ剛性向上であるため、スティフナはスキンパネル表面から突起した断面形状を有する。上記スキンパネル1とスティフナ2の接着形態としてFRPを採用する利点は、リベット留めなどの構造体全体の強度低下要因を介在させること無く、一体成形が可能であることである。従来、大型FRP構造部材の一体成形方法としては、特に航空機部材の場合、半硬化状態のマトリックス樹脂を強化繊維に含浸させてシート状にしたプリプレグと呼ばれる基材を繰り返し積層・賦形して所望の形状を形成し、それをオートクレーブと呼ばれる加熱・加圧釜で焼き固める方法が一般的であった。しかし、オートクレーブは非常に高価で電力消費の著しい設備であるため、その導入と運用には多大なコストを要する。このため、近年では、より低コストなFRPの一体成形方法として、金型やバッグフィルムなどで形成されたキャビティ内に、必要に応じて積層・賦形が施された強化繊維織布の集積体(以下、プリフォームと称する。)を封入し、封入された織布に液状のマトリックス樹脂を注入・含浸させた後に硬化させることによってFRP構造体を成形する方法も用いられている。
上記のようなFRPの低コスト成形技術は、プリフォームが封入されたキャビティ内に液状のマトリックス樹脂を加圧して注入するRTM(Resin Transfer Molding)法や、加圧する代わりにキャビティ内を真空減圧し、大気圧との差圧を利用してマトリックス樹脂を注入するVaRTM法として知られている。強化繊維基材に注入されるマトリックス樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、加熱などによる化学的な硬化反応の促進によってFRPが得られ、熱可塑性樹脂である場合は、冷却処理により樹脂が固化することでFRPが得られることから、これらの成形技術は、使用するマトリックス樹脂の種類に限定されないという利点を有する。また、特にVaRTM法の場合、両面金型を片面に減らして他方の面をバッグフィルムで覆うことでも両面金型と同様の真空減圧されたキャビティを形成することが可能であるため、金型製造コストが半減できるという利点も有している。反面、マトリックス樹脂が含浸した際の膨潤によりプリフォームの嵩が大きく変化するため、硬化後のFRPの寸法精度が保証し難いという問題を有している。
この問題への対策として、特許文献1では、プリフォームに対するマトリックス樹脂の注入が完了した時点から樹脂を硬化させる工程に至るまでの間に、マトリックス樹脂の注入を止めた状態でバッグフィルム内を真空減圧し続ける工程(以下、ブリード工程と称する。)を新たに設けることで、プリフォームの嵩を制御する方法が記されている。すなわち、ブリード工程は、樹脂注入に伴い繊維強化織布の積層方向に膨潤したプリフォームの内部から一定時間のあいだ余剰樹脂を吸引除去し続けることで、プリフォームの肉厚を任意の幅だけ減少させることにより、肉厚方向の成形品寸法精度を向上させるものである。
図2〜4は、それぞれVaRTM成形方法におけるマトリックス樹脂の注入前、注入後、ブリード工程後のプリフォーム肉厚変動を示した模式図である。VaRTM成形法では、図のように、樹脂注入前のプリフォーム肉厚T1を初期値として、プリフォームに樹脂が含浸した後の最大肉厚T2に至るまでプリフォームの肉厚が上昇し、その後、ブリード工程の樹脂吸引によってブリード工程後のプリフォーム肉厚T3に至るまでプリフォームの肉厚は減少するなど、大きな肉厚上下動を経ることを特徴としている。スティフナ・スキンパネル成形品のように突起部を有する成形品を製造する場合には、上記肉厚上下動に関連して、スキンパネルに対する突起部の位置が大きく変動することとなるため、該突起部の位置を制御することが不可欠となる。ただし、上記位置制御のためにプリフォームの位置決め治具を過度に拘束すると、上記樹脂注入に伴う肉厚上昇が抑制され、プリフォームへの樹脂の含浸能が悪化するため、上記突起部の位置制御方法を実現するにあたっては、VaRTM成形に特有のプリフォーム肉厚上下動を妨げない形態とする必要がある。
上記のVaRTM法を援用することでスキンパネルとスティフナとを一体成形する場合、以下に示す2つの方法が挙げられる。1つ目の成形方法は、スキンパネルとスティフナを全て一つのプリフォームとして形成し、該プリフォームの片面をスキンパネルの表面形状を模った金型上に配置し、反対側の面にはスキンパネルとスティフナの形状を規定するための治具を該プリフォームに接触するように配置して、該治具とプリフォーム全体をバッグフィルムで覆った後、マトリックス樹脂を注入して一体成形する方法である。2つ目の成形方法は、予備成形されたスキンパネル上にスティフナのプリフォームを配置し、スキンパネル上のプリフォーム単体またはスキンパネル全体を真空バッグで密閉した後、該プリフォームにマトリックス樹脂を注入して接着成形する方法である。両者の方法は、一つの成形品の各所において適材適所で実施される。例えば、上記1つ目の成形方法は、スティフナと薄肉スキンパネルとの一体成形の部位で実施されるのに対し、上記2つ目の成形方法は、スティフナと厚肉スキンパネルとの一体成形の部位で実施される。この理由は、厚肉の成形品では樹脂の注入時間が長期化して未含浸のリスクが高まることから、部位別に成形した方が高信頼であることによる。これらの方法は成形手順の違いのみでスティフナの形状は共通するものが多いことから、治具作成の低コスト化の観点より、上記2つの方法における課題を同時に解決する特徴を持ち、双方の成形法に転用可能な成形治具が望まれている。
上記1つ目の成形方法を実現するには、特許文献2に記されるように、スティフナのプリフォームを挟むように配置された治具で形成されたキャビティ内に向かって、スティフナとスキンパネルとの接触部を起点としてマトリックス樹脂を注入する方法が一般的である。この治具構成では、ブリード工程においてスティフナ突起部の先端から樹脂が吸引除去されるため、樹脂の吸引が進行するにつれて治具がスティフナの突起部の二等分面に向かって倒れ込み、突起部の肉厚にばらつきを生ずるという問題があった。
そこで、上記倒れ込み防止のため、特許文献3では、互いに嵌合する構造を有する複数の治具を、スティフナの周囲のみを覆うように配置する方法が記されている。しかし、この方法ではプリフォームへの樹脂供給タイミングのずれに起因したスティフナ全体の倒れ込みを抑止できず、スキンパネルに対するスティフナ突起部の位置精度が低下するという問題がある。図5は、特許文献2の方法をVaRTM成形法に援用した場合の、上記スティフナ全体の倒れ込み現象を示した模式図である。図中では、樹脂注入口13aからの樹脂供給タイミングが樹脂注入口13bからの樹脂供給タイミングよりも遅れたため、治具14を含めたスティフナ突起部全体が樹脂注入口13a側に傾斜して成形されてしまう様子を示している。
スティフナ全体の倒れ込みを抑止する方法としては、特許文献4に記されるように、バッグフィルムを貫通する形でスティフナの位置決め治具を配置し、真空バッグの外部で治具を固定してスティフナ全体の位置を確定させる方法が存在するが、バッグフィルムを貫通して配置された治具の周りを全てシール材で覆う必要があるなど、組み付けに多大な労力を要する欠点がある。また、バッグフィルムに穴を空けることは、バッグフィルム内への外気流入のリスクを伴うため、マトリックス樹脂注入の際のボイド混入可能性を高めるという欠点がある。
一方、上記2つ目の成形方法を実現するには、特許文献5に例記されるように、予め成形硬化されたスキンパネルの上部にスティフナのプリフォームを配置し、該プリフォームに対し、スキンパネル上の位置を確定するための機構を有した治具を隣接させて成形する方法が一般的である。従来技術において、上記治具の位置を確定するタイミングは、特許文献5に記されるように、樹脂含浸前のプリフォームを真空バッグする時点とするものが殆どであった。スティフナのプリフォームとしてプリプレグを用いる場合は、マトリックス樹脂の硬化に際してプリプレグの肉厚変動が少ないため、上記の方法で十分なスティフナの位置精度が保証できるが、VaRTM法を用いる場合、樹脂の注入から硬化までの工程において前記のようなプリフォーム肉厚の大きな上下動が生じ、それに追従してスティフナの突起部の位置も変動するため、上記の方法では正確な突起部の位置決定が困難である。
図6および7は、上記2つ目の成形方法を特許文献5の方法で実施した場合の突起部の位置ずれ現象を示した模式図である。スティフナ中央線の設計位置16を目標にプリフォーム4を図6のように位置決めした状態でVaRTM成形を実施した場合、スティフナ突起部の肉厚変動によってプリフォーム4の形状は図7のプリフォーム形状21のように変形してしまい、スティフナ突起部が所望の位置に収まらない。これに対して、治具位置の確定タイミングが樹脂含浸前ではない方法としては、特許文献6に記されるように、スティフナに隣接する治具が熱膨張材料などの加圧機構を具備するものが存在する。この方法によれば、治具に付与される加圧力により、ブリード工程後のプリフォームの肉厚減少に追従して治具が移動するため、スティフナ突起部の位置精度が保証できる。ただし、上記のように治具の加圧機構はプリフォームの膨潤を妨げ、プリフォームへの樹脂含浸を大きく低下させるため、未含浸リスクを増大させるという問題がある。
特許第4104413号公報 特開2006−306057号公報 特開2002−079587号公報 特開昭63−183831号公報 特開平4−334434号公報 特開平7−501020号公報
上記の技術的課題は、下記のようにまとめられる。すなわち、
(1)スキンパネルとスティフナを全て一つのプリフォームとして形成する方法と、予備成形されたスキンパネル上でスティフナのプリフォームを接着成形する方法の2つのVaRTM成形方法における課題を同時に解決する特徴を持ち、双方の成形法に転用可能な成形治具を実現すべく、該治具が、スキンパネルの肉厚ばらつきに起因したスティフナ全体の倒れ込みを抑止できる機構を具備すること、
(2)バッグフィルムに穴を空けることのない簡便な方法でスティフナ突起部の位置決め精度を向上する機構を具備すること、
(3)樹脂注入工程以降のタイミングにおいて、スキンパネルに対するスティフナ突起部の位置を決定するための治具構造を具備すること、および、
(4)VaRTM法に特有の現象である、樹脂注入に伴うプリフォームの肉厚増加やブリード工程におけるプリフォームの肉厚減少など、プリフォーム肉厚の大きな上下動を妨げることのない構成を具備すること、
である。
本発明は、上記全ての課題を解決することで、スティフナなどの突起部を有するFRPパネル構造体のVaRTM成形を、該パネル上への突起部の高い位置決め精度で実現することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るFRP構造部材の製造方法は、強化繊維からなる基材を用いて突起を有する形状のプリフォームを形成し、該プリフォームを成形型上に配置した後、少なくとも2つの面で互いに嵌合する構造を有した複数の治具を該プリフォームの少なくとも一部の面に接触するように配置し、該治具の少なくとも1つを前記成形型と連結し、該治具同士を嵌合させない状態を保ちつつ、該プリフォームと該治具とをバッグフィルムで覆い、バッグフィルムと成形型とで形成されるキャビティを真空減圧した状態で、該キャビティ内に液状の樹脂を注入後、該樹脂を硬化させる繊維強化プラスチックの製造方法において、該樹脂が該プリフォームの全体に含浸された後、余分な樹脂を吸引除去する工程を含み、かつ、該吸引除去する工程が開始してから樹脂の硬化が完了するまでの間に該治具同士の嵌合が行われることにより該治具と成形型とで形成されるキャビティの形状を固定させることを特徴とする方法からなる。
また、強化繊維からなる基材を用いて突起を有する形状のプリフォームを形成し、該プリフォームを成形型上に配置した後、少なくとも2つの面で互いに嵌合する構造を有した複数の治具からなる組み合わせ治具を、該プリフォームの少なくとも一部の面に接触するように、かつ、該プリフォームの突起部を挟むように分断して配置し、該治具の少なくとも1つを前記成形型と連結し、かつ、該治具同士を嵌合させない状態を保ちつつ、該プリフォームと該組み合わせ治具をバッグフィルムで覆い、バッグフィルムと成形型とで形成されるキャビティを真空減圧した状態をで、該キャビティ内に液状の樹脂を注入後、該樹脂を硬化させる繊維強化プラスチックの製造方法において、該樹脂が該プリフォームの全体に含浸された後、余分な樹脂を吸引除去する工程を含み、かつ、該吸引除去する工程が開始してから樹脂の硬化が完了するまでの間に該組み合わせ治具を嵌合一体化させることにより、互いに分断配置された該組み合わせ治具同士の位置関係を確定させるようにすることもできる。
また、前記嵌合される構造を有する治具の嵌合部が、前記プリフォームが持つ突起の二等分面と平行な面を有しており、該平行な面上で嵌合を行うことがより好ましい。
さらに、前記嵌合される構造を有する治具の嵌合部が、前記成形型の表面に相似な形状の面を有しており、該相似な形状の面上で嵌合を行うことがより好ましい。
また、前記突起を有するプリフォームの断面形状は、L形、T形、C形、I形、J形、Z形、ハット形のいずれであってもよい。
本発明の方法によれば、プリプレグと比較して低コストであるが製造プロセスの途中で製品の大きな肉厚変動を余儀なくされるVaRTM法に関して、該変動を原因とする最終成形品の寸法精度の低下、特に、突起形状を有するスティフナなどの部材のスキンパネル上での位置決め精度向上と、突起部の肉厚不均衡の抑制が可能となる。具体的には、スティフナに接触するように配置された治具が互いに嵌合することにより、スキンパネルの肉厚ばらつきに起因したスティフナ全体の倒れ込みを抑止できる。
また、真空バッグ面の外部から形状出しのための治具を新たに設置する必要が無いため、バッグに穴を開ける必要がなく、真空度低下によるボイド混入のリスク無しに少ない労力で成形が実現できる。
また、スキンパネルに対するスティフナ突起部の位置を決定するための治具同士の嵌合が、ブリード工程の開始時点からマトリックス樹脂の硬化が完了するまでの間に行われるよう、治具の嵌合部の寸法が設計され、かつ、互いに嵌合する治具同士の間にバッグフィルム内外の差圧以外の負荷が加わらない構成であるため、VaRTM法を用いる上で特徴的な樹脂注入工程以降のプリフォーム肉厚の大きな上下動を妨げ、マトリックス樹脂の含浸性を損なうこと無く、高い精度でスティフナ突起部の位置を決定できる。
一体成型されたスキンパネル−スティフナ構造部材の一例を示した模式図である。 VaRTM成形の一般的な製造装置構成を示した模式図である。 VaRTM成形の樹脂注入工程における樹脂流動方向とプリフォーム肉厚変化を示した模式図である。 VaRTM成形のブリード工程における樹脂流動方向とプリフォーム肉厚変化を示した模式図である。 スティフナとスキンパネルのプリフォームを一体でVaRTM成形する方法における、スティフナ全体の倒れ込み現象を示した模式図である。 予め成形されたスキンパネル上にスティフナプリフォームを接着成形する方法を従来技術で実施する際の装置構成を示した模式図である。 予め成形されたスキンパネル上にスティフナプリフォームを接着成形する方法を従来技術で実施した場合における、スティフナのプリフォームの肉厚変動による突起部の位置ずれ現象を示した模式図である。 本発明を実施するために用いられるVaRTM成形装置構成の一態様を示した模式図である。 図8の各部材の位置関係を示した模式図である。 図8のAA’ 線上での断面図である。 図8のAA’ 線上での断面図を用いて、樹脂注入工程でのプリフォームおよび治具の挙動を示した模式図である。 図8のAA’ 線上での断面図を用いて、ブリード工程でのプリフォームおよび治具の挙動を示した模式図である。 図8のAA’ 線上での断面図を用いて、ブリード工程開始以後の治具の嵌合が完了した時点を示した模式図である。 本発明をL形断面のスティフナで実施した場合を例示した模式図である。 本発明をC形断面のスティフナで実施した場合を例示した模式図である。 本発明をI形断面のスティフナで実施した場合を例示した模式図である。 本発明をJ形断面のスティフナで実施した場合を例示した模式図である。 本発明をZ形断面のスティフナで実施した場合を例示した模式図である。 本発明をハット形断面のスティフナで実施した場合を例示した模式図である。 本発明を、曲面を有するスキンパネルに対して実施した場合を例示した模式図である。 本発明に関し、T型断面のスティフナにおける実施例を示した模式図である。
以下に、本発明の望ましい実施の形態に関して、図面を参照しながら説明する。なお、本発明が図面に記載された態様に限定されるものではない。
図8は、本発明を実施するために用いられるVaRTM成形装置構成の一態様を示した模式図である。図9は、図8の各部材の位置関係を示した模式図である。また、図10は、図8中のAA’ 線上の断面図である。図に示すとおり、スキンパネルのプリフォーム22が金型3上に配置され、その上にスティフナのプリフォーム23が配置される。このとき、スティフナの位置決め治具24同士の合間にスティフナのプリフォーム23を接触して配置することで、スティフナの高い位置精度が保証できる。スティフナの位置決め治具24は金型3に対して固定ピン25で固定される。スティフナの位置決め治具24と金型3との固定方法はピン固定などの機械的固定方法に限定されず、加圧による固定方法、接着剤による接着固定方法、および磁力による固定方法も好適に使用できる。スティフナのプリフォーム23にはスティフナの倒れ込み防止治具27が接触配置される。スティフナの倒れ込み防止治具27とスティフナの位置決め治具には互いに嵌合可能な嵌合部33が存在する。嵌合部33は少なくとも2つの面で嵌合する構造であり、対応する治具に対して唯一通りの嵌合が行われるように設計される。金型3とバッグフィルム6は、金型3上に配置されたシール材7を介してキャビティを形成し、該キャビティの内部に上記スティフナの倒れ込み防止治具27とスティフナの位置決め治具24、および該治具のそれぞれに接触配置されるスキンパネルのプリフォーム22とスティフナのプリフォーム23の全てが封入される。該キャビティの内部は、真空ポンプ11で真空減圧される。
スキンパネルのプリフォーム22およびスティフナのプリフォーム23の形成に用いられる強化繊維基材の枚数や形態は、成形後のFRP構造体に期待される機械的物性を満たす範囲で任意に設定される。使用される強化繊維の種類も限定されるものではなく、ガラス繊維や炭素繊維、アラミド繊維、もしくはこれらを併用した強化繊維が例示されるが、この中でも、機械的強度と軽量化の両立という点を考慮すると、炭素繊維が好適に使用される。また、該強化繊維基材の層間にFRPの靭性強化を目的とした粒子が散布されていてもよい。
スキンパネルのプリフォーム22およびスティフナのプリフォーム23は、複数枚の強化繊維基材の集合体であり、布帛状の強化繊維基材を積み重ねて作成される。このとき、積み重ねられた強化繊維基材同士の隙間には、加熱により軟化する介在物、例えばポリエーテルスルフォンなどの熱可塑性樹脂、を介在させることが好適に行われている。該介在物の形態は、粒子状にして強化繊維基材の表面に散布・固着させる形態、繊維状にして強化繊維基材の内部に織り込む形態、繊維状にしたものを集合させて織布を形成し強化繊維基材同士の隙間に接触配置する形態、もしくは、フィルム状にしたものを強化繊維基材同士の隙間に接触配置する形態など、強化繊維基材の対面した表面同士を部分的、あるいは全面的に接着する機能が果たせる形態であればよい。
上記のように積み重ねられた強化繊維基材の全体に対して、圧力を加えながら、該介在物が軟化する温度よりも高い温度で加熱することで、軟化した介在物により、強化繊維基材の対面した表面同士が部分的、あるいは全面的に接着される。本発明では、この加圧・加熱工程を「賦形」と呼び、該工程によって作成された強化繊維基材の集合体を「プリフォーム」と呼ぶ。賦形における加圧方法は、積み重ねられた強化繊維基材全体をフィルムなどの柔軟な素材で密封し、内部を真空ポンプで減圧することで、該真空ポンプによる減圧力と大気圧との差圧によって、積み重ねられた強化繊維基材全体を加圧する方法が望ましい。また、賦形における加熱方法は、熱風による加熱や、電熱線による加熱、電磁誘導による加熱、化学反応による加熱、あるいは、水、蒸気、油などの熱媒を用いて温度制御された固体を介した熱伝導による加熱など、強化繊維基材全体を均一に加熱できる方法であればよい。
スキンパネルのプリフォーム22とスティフナのプリフォーム23には、樹脂容器10からチャンネル材8a、8b、8cを通してマトリックス樹脂12が注入される。バルブ9dが閉じられ、バルブ9a、9b、9cが開放されることで、真空ポンプ11による減圧力と大気圧との差圧によって樹脂が注入される仕組みである。このとき、プリフォームへの樹脂の拡散を効率化するため、樹脂拡散媒体5を配置したり、スティフナの倒れ込み防止治具27に樹脂流動経路26を形成してもよい。注入されるマトリックス樹脂12の種類は限定されず、成形後のFRP構造体に期待される機械的物性を満たすものであれば任意に設定可能である。たとえば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、さらにはこれらの混合樹脂等を使用できる。なお、本発明に係る繊維強化プラスチック構造体の製造方法において、プリフォームに注入した樹脂を硬化させる工程を設けることが一般的であるが、本発明において、硬化工程とは、用いられる樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、熱硬化性樹脂を硬化反応させる工程、用いられる樹脂が熱可塑性樹脂の場合は、加熱された熱可塑性樹脂を冷却する工程、または、注入される熱可塑性樹脂として、そのモノマーやオリゴマーが用いられる場合は、当該モノマーやオリゴマーを重合し、冷却する工程を意味するものとする。ブリード工程では、バルブ9b、9cが閉じられて樹脂の注入が中断された後、バルブ9dが開放され、真空ポンプ11の吸引力と、大気圧によるバッグフィルム6表面への加圧力によってマトリックス樹脂12がプリフォーム中から任意の分量だけ吸引除去される。なお、図8、9はチャンネル材8b、8cを介して樹脂が注入され、チャンネル材8a、8b、8cを介して樹脂が吸引される構成であるが、樹脂注入とブリード工程が機能し、かつプリフォーム全体への樹脂含浸が可能であるという前提のもと、各チャンネル材の配置、本数、および各チャンネル材における注入・吸引の役割分担を任意に設定しても、本発明の効果は発揮できる。スティフナの倒れ込み防止治具27もしくはスティフナの位置決め治具24に樹脂拡散経路を形成してチャンネル材の代替としても、本発明の実施には支障ない。最後に、上記の構成部品全体が金型上に配置されたシール材7を介してバッグフィルム6で覆われ、内部が真空密封される。すなわち、バッグフィルム6を貫通して治具を配置しない構造であるため、バッグフィルム6に穴を空けることによるフィルム内部への気泡混入リスクを発生させることなくスティフナの位置決めが可能であるという利点を有する。また、バッグフィルム6に不必要な穴を空けないためシール面を最小限に抑え、真空バッグ作業の低コスト化が図れるという利点を有する。
図11は、図10の状態を起点として、スキンパネルのプリフォーム22とスティフナのプリフォーム23に対して樹脂を注入する工程におけるプリフォームおよび治具の挙動を示した模式図である。注入の進行とともに樹脂含浸したプリフォーム29が増えるにしたがって、該部位の内圧と大気圧との差圧は減少し、そこに樹脂が供給され続けることによって該部位が膨潤する。本発明の構成によれば、スティフナの倒れ込み防止治具27はスティフナの位置決め治具に対して独立して稼働可能であるため、上記膨潤に伴うプリフォームの肉厚変更に追従した移動方向30の向きにスティフナの倒れ込み防止治具27が稼働することで、該治具がプリフォームへの樹脂の含浸を不必要に阻害しないという利点を有する。
図12は、プリフォームに対する樹脂注入完了後のブリード工程におけるプリフォームおよび治具の挙動を示した模式図である。樹脂含浸したプリフォーム29に対し、チャンネル材8a、8b、8cの全てから余剰樹脂が吸引除去されることにより、該プリフォームの肉厚が減少する。肉厚の減少に追従して、移動方向31に沿ってスティフナの倒れ込み防止治具27が稼働する。そして、最終的に図13に示されるような、スティフナの位置決め治具との嵌合が行われるまで稼働が継続された後、樹脂が硬化される。本発明の構成によれば、嵌合部33が嵌合面32aおよび32bの2面で嵌合する構造であるため、嵌合の形態が唯一通りに定まり、スティフナの倒れ込み防止治具27がどのような傾きで稼働したとしても、必ずスティフナの突起部が所望の形状となる位置で治具の嵌合が行われる。これにより、従来技術で問題となっていたスティフナ全体の倒れ込みが抑止できる。
図10〜13では、スティフナのプリフォーム23の断面形状がT型の場合について例示したが、該プリフォームの形態がT型以外の断面形状でも、本発明を好適に使用することができる。図14〜19は、それぞれL形、C形、I形、J形、Z形、ハット形断面のスティフナを用いて、本発明を実施した場合の治具構成を例示した模式図である。なお、それぞれの図中に示したL形、C形、I形、J形、Z形、ハット形のスティフナ断面形状は一例であり、寸法や詳細な形状は図面に記載された態様に限定されない。本発明における治具構成は、図15および18のように、治具の嵌合が完了した後、スティフナの位置決め治具24、金型3、およびスティフナの倒れ込み防止治具27が一つの固定されたキャビティ形状を形成するものであってもよい。これに対して、図10〜13、14、16、17、19のように、治具の嵌合が完了した後、すべての治具が一体化することなく、スティフナ突起部を挟むように互いに分断して配置された組み合わせ治具となり、該組み合わせ治具同士の位置関係が嵌合により確定される構成であってもよい。さらに、図15、16、17のように、スティフナの倒れ込み防止治具27同士が嵌合するなど、複数の嵌合部33を有する構造であってもよい。これらの治具構成を備えることにより、種々の複雑な断面形状を有するパネルに対しても、本発明の効果が一貫して実現可能となる。
嵌合面32bは、スティフナ突起部の二等分面35に平行な形状を有することが望ましい。なお、ここで説明される「平行」とは、幾何学的な意味で厳密に平行な状態を指すものではなく、スティフナ突起部の二等分面35と嵌合面32bとの平行度を、スティフナ突起部の傾き誤差の許容範囲(たとえば、スティフナ突起部の金型に対する直角度)以下となるように決定すると良い。これにより、嵌合面32bの加工精度のみによってスティフナ突起部の位置決め精度を保証することが可能となり、本発明の実施が容易且つ高信頼となる。また、スティフナの突起部を意図的に傾斜させた成形品を製造する際にも、嵌合面32bを傾斜して加工するだけで、容易にスティフナの位置決めが可能となる。
嵌合面32aは、該面直下の金型表面34の相似形状であることが望ましい。なお、ここで説明される「相似形状」は、対応する任意の二点を結ぶ直線の比(相似比)が常に一定値である必要はなく、本要件を具備することで奏される効果を損なわない実質的に相似な形状であれば良い。これは、図20に示すような、曲面形状を有するスキンパネルに対する本発明の実施の際に有効である。図20において、スティフナの倒れ込み防止治具27の嵌合面32aは、金型表面34の形状と相似な曲面形状に加工されている。スティフナの位置決め治具24は、スキンパネルの形状を規定するために金型表面34に相似な曲面形状となっているため、上記のように嵌合面32aを定義することで、スティフナの位置決め治具24の表面を複雑に加工する必要が無く、位置決めの精度を維持したまま治具加工コストだけを低減できるため、本発明の効果が高まる。
以下、本発明を実施例に基づいて、図21を参照しながら説明する。
[スティフナの形成]
炭素繊維(東レ株式会社製、T800SC)からなる一方向織物の表面に、ポリエーテルスルフォン(PES)とエポキシ樹脂からなる高靭性化粒子を散布した強化繊維基材を用意し、125mm×400mmのサイズに切断した。21枚の該強化繊維基材を、アルミ平板の上に0°:90°:45°:―45°=10:2:5:4の構成比で疑似等方性配向となるように積層し、該積層された基材全体をナイロン製バッグフィルムで密閉して真空引きした後、75℃の熱風で1時間加熱して一体化し、平板状プリフォーム134を形成した。強化繊維の配向は、400mmの辺に平行な方向を0°と定義した。
次に、該平板状プリフォーム134と同種類、同枚数の強化繊維基材を、同じ積層構成としたプリフォームを形成し、屈曲部の内側半径が5mmのL型形状となるように屈曲させた状態で、ナイロン製バッグフィルムで密閉して真空引きした後、75℃の熱風で1時間加熱して一体化したL型プリフォーム135を2個用意し、各々が合体した形状が逆T型の形状になるように背中合わせで配置し、平板状プリフォーム134の上に配置した。
平板状プリフォーム134およびその上に配置した2個のL型プリフォーム135全体をナイロン製バッグフィルムで密閉して真空引きした後、75℃の熱風で1時間加熱して一体化することで、図21に記したようなスティフナのプリフォーム123を作成した。スティフナのプリフォーム123の端面は、スティフナの突起部を中心として幅125±1mmとなるよう、別たち刃にてトリミングした。このとき、ノギスを用いた実測によって、該スティフナの突起部の位置精度は、設計寸法から1mmの誤差を有することが確認された。
[スキンパネルの形成]
炭素繊維(東レ株式会社製、T800SC)からなる一方向織物の表面に、PESとエポキシ樹脂からなる高靭性化粒子を散布した強化繊維基材を用意し、400mm×400mmのサイズに切断した。32枚の該強化繊維基材を、アルミ平板の上に0°:90°:45°:―45°=12:8:6:6の構成比で疑似等方性配向となるように積層し、該積層された基材全体をバッグフィルムで密閉して真空引きした後、熱風による70℃加熱環境下でビスフェノールA型エポキシ樹脂を含浸させ、130℃で2時間加熱硬化して、スキンパネル129を作成した。
[成形型への配置工程]
該スキンパネル129の上に、断面長さ5mmの嵌合面133を持つアルミ製のスティフナの位置決め治具124を2個数配置し、該スティフナの位置決め治具124同士の間隙に、スティフナのプリフォーム123を逆T形状の向きに配置し、該スティフナのプリフォーム123とスキンパネル129の間にエポキシ系接着剤136を塗布した。また、スティフナの位置決め治具124は、直径10mmのピンを用いてアルミ製ツール板103と連結固定した。
次に、スティフナのプリフォーム123の上に、ピールプライ105(60001Natural)とレジンパスメディア137(スペーサネット TSX−400P)を順番に積層し、その上に、断面長さ8mmの嵌合面132を持った2個数のスティフナの倒れこみ防止治具127を、スティフナのプリフォーム123の突起部を挟むように配置した。そして、計2個数のスティフナの倒れこみ防止治具127の間隙において、該スティフナの倒れこみ防止治具127の双方に接するようにチャンネル材108aを配置し、スキンパネル129の上に、ピールプライ105およびチャンネル材108bを、上記の順番で配置した。該チャンネル材108a、108bは、いずれも真空ポンプに連結し、チャンネル材108aのみ、樹脂注入経路に連結した。
その後、スティフナのプリフォーム123、スティフナの倒れこみ防止治具127、スキンパネル129、およびスティフナの位置決め治具124のすべてをバッグフィルム106で覆い、周囲をシール材107で密閉して、内部を真空ポンプで真空引きした。この時点では、該スティフナのプリフォーム123に樹脂が含浸される前の状態であるため、嵌合面132と嵌合面133は両者とも嵌合が行われていないことを確認した。
[マトリックス樹脂の含浸・硬化工程]
続いて、熱風による70℃加熱環境下において、スティフナのプリフォーム123に対し、チャンネル材108aと真空ポンプを繋ぐ経路を閉じた状態で、チャンネル材108aに連結された樹脂注入経路を介してビスフェノールA型エポキシ樹脂を含浸させた。該スティフナのプリフォーム123の全体にエポキシ樹脂の含浸が完了した後、チャンネル材108aと連結した樹脂注入経路を閉じてからチャンネル材108aと真空ポンプを繋ぐ経路を開放することで、チャンネル材108aおよび108bの両方を介してエポキシ樹脂を吸引除去するブリード工程へと移行した。その後、ブリード工程を開始してから1時間後に、チャンネル材108aおよび108bが真空ポンプと連結する経路を両方とも閉じてブリード工程を終了させた。最後に、熱風によりスティフナのプリフォーム123を130℃まで加熱し、2時間保持してエポキシ樹脂を硬化させることで、スキン−スティフナパネルを作成した。
エポキシ樹脂が硬化した後、バッグフィルム106を剥がして嵌合面132および133を観察したところ、両者とも嵌合していることを確認した。また、該スキン−スティフナパネルを、スキン−スティフナ接着面に対して垂直な断面で切断し、スティフナ突起部の位置を測定したところ、スティフナ全域にわたって該突起部の位置精度は設計寸法から±0.5mm以内に収まっており、上記トリミング直後の実測結果と比較して寸法精度が向上していることを確認した。
本発明は、軽量で高い曲げ剛性が要求される大型の板状構造部材を必要とする産業分野において、補強材の高い位置決め精度を有しながらも低コストな製品製造を実現することにより、メーカーの技術的競争力の向上に貢献するものである。具体的な用途は、航空機の翼部材をはじめ、風力発電のローターブレード、船体の構造部材などが例示される。
1 スキンパネル
2 スティフナ
3 金型
4 プリフォーム
5 樹脂拡散媒体
6 バッグフィルム
7 シール材
8、8a、8b、8c チャンネル材
9、9a、9b、9c、9d バルブ
10 樹脂容器
11 真空ポンプ
12 マトリックス樹脂
T1 樹脂注入前のプリフォーム肉厚
T2 プリフォームに樹脂が含浸した後の最大肉厚
T3 ブリード工程後のプリフォーム肉厚
13a、13b 樹脂注入口
14 倒れ込み防止付き成形治具(従来技術の例)
15 スティフナ位置決め治具
16 スティフナ中央線の設計位置
17 予め成形したスキンパネル
18 位置決め機構付き成形治具(従来技術の例)
19 滑り止め部分
20 スティフナのプリフォーム外形線(樹脂注入前)
21 ブリード工程終了後におけるスティフナのプリフォーム形状
22 スキンパネルのプリフォーム
23 スティフナのプリフォーム
24 スティフナの位置決め治具
25 固定ピン
26 樹脂流動経路
27 スティフナの倒れ込み防止治具
28 樹脂含浸していないプリフォーム
29 樹脂含浸したプリフォーム
30 樹脂注入中のスティフナ治具移動方向
31 ブリード工程のスティフナ治具移動方向
32a、32b 嵌合面
33 嵌合部
34 金型表面
35 スティフナ突起部の二等分面
103 アルミ製ツール板
105 ピールプライ
106 バッグフィルム
107 シール材
108a、108b チャンネル材
123 スティフナのプリフォーム
124 スティフナの位置決め治具
127 スティフナの倒れ込み防止治具
129 スキンパネル
132,133 嵌合面
134 平板状プリフォーム
135 L型プリフォーム
136 接着剤
137 レジンパスメディア

Claims (5)

  1. 強化繊維からなる基材を用いて突起を有する形状のプリフォームを形成し、該プリフォームを成形型上に配置した後、少なくとも2つの面で互いに嵌合する構造を有した複数の治具を該プリフォームの少なくとも一部の面に接触するように配置し、該治具の少なくとも1つを前記成形型と連結し、かつ、該治具同士を嵌合させない状態を保ちつつ、該プリフォームと該治具とをバッグフィルムで覆い、バッグフィルムと成形型とで形成されるキャビティを真空減圧した状態で、該キャビティ内に液状の樹脂を注入後、該樹脂を硬化させる繊維強化プラスチックの製造方法において、該樹脂が該プリフォームの全体に含浸された後、余分な樹脂を吸引除去する工程を含み、かつ、該吸引除去する工程が開始してから樹脂の硬化が完了するまでの間に、該治具同士の嵌合を行うことにより該治具と成形型とで形成されるキャビティの形状を固定させることを特徴とする、繊維強化プラスチックの製造方法。
  2. 強化繊維からなる基材を用いて突起を有する形状のプリフォームを形成し、該プリフォームを成形型上に配置した後、少なくとも2つの面で互いに嵌合する構造を有した複数の治具からなる組み合わせ治具を、該プリフォームの少なくとも一部の面に接触するように、かつ、該プリフォームの突起部を挟むように分断して配置し、該治具の少なくとも1つを前記成形型と連結し、かつ、該治具同士を嵌合させない状態を保ちつつ、該プリフォームと該組み合わせ治具をバッグフィルムで覆い、バッグフィルムと成形型とで形成されるキャビティを真空減圧した状態で、該キャビティ内に液状の樹脂を注入後、該樹脂を硬化させる繊維強化プラスチックの製造方法において、該樹脂が該プリフォームの全体に含浸された後、余分な樹脂を吸引除去する工程を含み、かつ、該吸引除去する工程が開始してから樹脂の硬化が完了するまでの間に、該組み合わせ治具を嵌合一体化させることにより、互いに分断配置された該組み合わせ治具同士の位置関係を確定させることを特徴とする、繊維強化プラスチックの製造方法。
  3. 前記嵌合される構造を有する治具の嵌合部が、前記プリフォームが持つ突起の二等分面と平行な面を有しており、該平行な面上で嵌合を行う、請求項1または2に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  4. 前記嵌合される構造を有する治具の嵌合部が、さらに、前記成形型の表面に相似な形状の面を有しており、該相似な形状の面上で嵌合を行う、請求項3に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  5. 前記突起を有するプリフォームの断面形状が、L形、T形、C形、I形、J形、Z形、ハット形のいずれかである、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
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