JP2007260688A - 溶融材料の射出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビティ内圧の立ち上がり遅れを招くことなくサージ圧の発生を防ぐ。
【解決手段】緩衝手段20は、駆動手段18とプランジャーロッド16との相対位置の変化に応じて伸縮する平行ばね38及び交差ばね42が、一つのばねの弾性力の減少を、他のばねの弾性力の増加で補う態様で組み合わされている。よって、駆動手段18とプランジャーロッド16との相対位置が変化しても、緩衝手段20は、常時一定の弾性力を発生させることができる。キャビティへの溶融材料の充填完了によりプランジャーロッド16が急停止する際に、プランジャーロッド16を駆動する駆動手段18の慣性重量は、緩衝手段20によって、駆動手段18とプランジャーロッド16との相対位置が変化することにより吸収され、キャビティ内の溶融材料の圧力が異常に上昇する「サージ圧」の発生を回避する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ダイカストマシン等に用いられる溶融材料の射出装置に関するものである。
ダイカスト等に代表される、金型に形成されたキャビティに溶融材料を射出充填する射出成形装置において、プランジャースリーブ内に供給された溶融材料を、プランジャーチップが先端部に設けられたプランジャーロッドにより金型のキャビティへと射出する射出装置が用いられている。
この射出装置は、キャビティへの溶融材料の充填完了によるプランジャーロッドの急停止により、プランジャーロッドを駆動する駆動手段の慣性重量に起因する衝撃力により、キャビティ内の溶融材料の圧力が異常に上昇する「サージ圧」が発生することが知られている。そして、サージ圧が発生すると、キャビティは押し広げられ、それにより生ずる金型の隙間に溶融材料が侵入し、成形品にバリを生じる原因となる。この問題を解決するための一手法として、駆動手段とプランジャーロッドとを分離し、弾性体を介して両者を連結することにより、衝撃力を緩和した例がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−155925号公報
しかしながら、ばねに代表される弾性体は、フックの法則により、伸縮量の増減に応じて発生する弾性力も変化するものである。このため、サージ圧の発生を確実に防ぐためには、弾性体の最大変形時に、キャビティ内圧が設定圧となるように、プランジャーロッドの推力を調整する必要があり、弾性体の諸元もこれらの要請に基づき決定される。すると、キャビティに対する溶融材料の充填完了直後の時点、すなわち、弾性体が未だ伸縮していない時点では、駆動手段からプランジャーロッドへの推力の伝達が不十分となり、弾性体が所定の伸縮状態になるまでキャビティ内圧が設定値に到達しない、圧力の立ち上がり遅れが生じることとなる。この、圧力の立ち上がり遅れは、溶融材料の凝固進行と供にキャビティの隅々まで十分な圧力が伝わらない状態を招き、製品の品質悪化につながるものである。
又、射出速度やキャビティ内圧の設定変更をする場合には、弾性体も、新たな設定条件に合致した諸元のものへと交換する必要があり、迅速かつ柔軟な対応ができないといった問題も指摘されていた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、溶融材料の射出装置において、キャビティ内圧の立ち上がり遅れを招くことなく「サージ圧」の発生を確実に防ぐことにより、高品質の成形品を製造することにある。又、溶融材料の射出装置における射出速度やキャビティ内圧の設定変更を容易とすることにある。
上記課題を解決するための、本発明に係る溶融材料の射出装置は、プランジャースリーブ内に供給された溶融材料を、金型のキャビティへと射出する射出装置であって、プランジャーチップが先端部に設けられたプランジャーロッドと、該プランジャーロッドを駆動する駆動手段との間に、緩衝手段が設けられ、該緩衝手段が、前記駆動手段に対する前記プランジャーロッドの軸心方向の相対位置を変更可能に、前記プランジャーロッドをガイドするガイド手段と、二本の等長アーム及び該二本の等長アームの一端同士を軸着するピボットからなり、該二本の等長アームの各他端が前記プランジャーロッド又は前記駆動手段に各々軸着されたリンクと、所定のプリロードストロークが与えられ、かつ、前記駆動手段と前記プランジャーロッドとが接近することにより弾性力を増大させる第一ばねと、前記二本の等長アームが一直線状に並ぶとき自然長をなすように前記リンクに固定され、なおかつ、前記駆動手段と前記プランジャーロッドとが接近することによる前記リンクの屈折角度の増加に伴い、前記リンクを介して前記駆動手段と前記プランジャーロッドとに対する両者を離間させる方向の分力を減少させる、第二ばねとを備えることを特徴とする
ものである。
本発明において、射出装置は、駆動手段とプランジャーロッドとを分離して、両者を緩衝手段で連結した構造を有している。そして、緩衝手段のガイド手段によって、駆動手段に対しプランジャーロッドがその軸心方向に正確にガイドされて、駆動手段とプランジャーロッドとは離間接近自在となっている。又、駆動手段とプランジャーロッドとは、二本の等長アームとピボットとからなるリンクにより連結されている。
そして、駆動手段とプランジャーロッドとが接近することにより弾性力を増大させる第一ばねによって、駆動手段とプランジャーロッドとの間に所定のプリロードが与えられた状態で、両者は離間する方向に付勢されている。更に、リンクを介して、第二ばねの弾性力に基づく分力も、駆動手段とプランジャーロッドとを離間させる方向に作用する。ここで、第二ばねに基づく駆動手段とプランジャーロッドとを離間させる方向の分力は、リンクの屈折角度の増加に伴い減少するように付与されるものである。したがって、駆動手段とプランジャーロッドとが接近して、駆動手段とプランジャーロッドとを離間させる方向の第一ばねの弾性力が増大するとき、第二ばねによる弾性力の作用は減少する。又、これとは逆に、駆動手段とプランジャーロッドとが離間して、駆動手段とプランジャーロッドとを離間させる方向の第一ばねの弾性力が減少するとき、第二ばねによる弾性力の作用は増大する。
換言すれば、駆動手段とプランジャーロッドとの相対位置の変化に応じて伸縮する第一ばね及び第二ばねが、一つのばねの弾性力の減少を他のばねの弾性力の増加で補う態様で組み合わされていることから、駆動手段とプランジャーロッドとの相対位置が変化しても、緩衝手段は、常時一定の弾性力を発生させることができる。
又、本発明においては、前記第一ばねは、前記駆動手段と前記プランジャーロッドとの間で、前記プランジャーロッドの軸心方向と平行に配置されていることが望ましい。
この構成により、第一ばねは駆動手段とプランジャーロッドとの相対位置の変化を受けてプランジャーロッドの軸心方向に伸縮し、駆動手段とプランジャーロッドとの間に所定のプリロードを与えることができる。又、第一ばねは、駆動手段とプランジャーロッドとが接近することにより、その弾性力を増大させるものとなる。
又、本発明において、前記第一ばねのプリロードストローク調節機構が設けられていることが望ましい。
この構成により、射出速度やキャビティ内圧の設定変更をする場合に、それに応じて、緩衝手段が発生する弾性力を適宜調整することが可能となる。
なお、前記第一ばねのプリロードストローク調節機構は、前記駆動手段に設けられ、前記第一ばねの一端部を他端部に対し任意に離間接近させるばねホルダを備えるものとすれば、ばねホルダの位置を調整することのみによって、緩衝手段が発生する弾性力を調整することが可能となる。
又、本発明においては、前記リンクは、前記プランジャーロッドの軸心を挟んだ対象位置に少なくとも二組設けられており、前記第二ばねは、前記各リンクのピボット同士を連結するように組み付けられていることが望ましい。
この構成によると、第二ばねの弾性力がリンクのピボットに作用することで、リンクの屈折角度が減少する方向へと付勢される。すなわち、第二ばねの弾性力は、リンクを介して、駆動手段とプランジャーロッドとを離間させる方向へと働くこととなる。ここで、リンクを構成する二本の等長アームから、駆動手段及びプランジャーロッドに対し、両者を離間させる方向へと作用する分力は、駆動手段とプランジャーロッドとが接近することに伴うリンクの屈折角度の増加により減少し、かかる状態において増加する第一ばねの弾性力と相補的な関係となる。したがって、緩衝手段は、駆動手段とプランジャーロッドとの相対位置の如何にかかわらず、常時一定の弾性力を発生させることができる。
又、本発明によれば、前記プランジャーロッドの軸心を挟んで対称構造となることから、各構成部品が受ける力の均衡が得られ、構造の単純化が図られる。
又、本発明においては、前記第一ばねのばね定数と、前記第二ばねのばね定数とがいずれも同一値kに設定され、かつ、前記二本の等長アームの長さL、前記第一ばねのプリロードストロークp、前記駆動手段に対する前記プランジャーロッドの全ストロークS、前記駆動手段の等価慣性重量M、前記プランジャーロッドの移動速度v、及び、前記プランジャーロッドのキャビティ与圧時の推力Fが、k・(2L+p)≒F、かつ、k・(2L+p)・S>Mv/2の関係を満たすものとする。
かかる諸元を満たすことで、駆動手段とプランジャーロッドとの相対位置の如何にかかわらず、緩衝手段は、常時一定の弾性力を発生するものとなる。
又、本発明においては、前記二本の等長アームが一直線状に並ぶことを阻止するストッパーが設けられていることが望ましい。
この構成によれば、リンクを構成する二本の等長アームは、ピボットを挟んで常時屈折角度を持つこととなるので、ピボットの摩擦の影響を受けて、二本の等長アームが一直線状に並んだ状態でロックされ、リンクの屈折が阻害されることを、確実に回避することが可能となる。
又、上記課題を解決するための、溶融材料の射出装置は、プランジャースリーブ内に供給された溶融材料を、金型のキャビティへと射出する射出装置であって、プランジャーチップが先端部に設けられたプランジャーロッドと、該プランジャーロッドを駆動する駆動手段との間に、緩衝手段が設けられ、該緩衝手段が、前記駆動手段に対する前記プランジャーロッドの軸心方向の相対位置を変更可能に、前記プランジャーロッドをガイドするガイド手段と、前記駆動手段と前記プランジャーロッドとの相対位置の変化に応じて伸縮する複数のばねが、一つのばねの弾性力の減少を他のばねの弾性力の増加で補う態様で組み合わされることで、常時一定の弾性力を発生させる推力伝達手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、射出装置は、駆動手段とプランジャーロッドとを分離して、両者を緩衝手段で連結した構造を有している。そして、緩衝手段のガイド手段によって、駆動手段に対しプランジャーロッドがその軸心方向に正確にガイドされて、駆動手段とプランジャーロッドとは離間接近自在となっている。
又、駆動手段とプランジャーロッドとの相対位置の変化に応じて伸縮する第一ばね及び第二ばねが、一つのばねの弾性力の減少を他のばねの弾性力の増加で補う態様で組み合わされていることから、駆動手段とプランジャーロッドとの相対位置が変化しても、緩衝手段は、常時一定の弾性力を発生させることができる。
本発明はこのように構成したので、溶融材料の射出装置において、キャビティ内圧の立ち上がり遅れを招くことなく「サージ圧」の発生を確実に防ぎ、高品質の成形品を製造することが可能となる。又、溶融材料の射出装置における射出速度やキャビティ内圧の設定変更を容易に行うことが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の実施の形態に係る溶融材料の射出装置10は、プランジャースリーブ12内に供給された溶融材料を、金型のキャビティへと射出する射出装置であって、図1に示されるように、プランジャーチップ14が先端部に設けられたプランジャーロッド16と、プランジャーロッド16を駆動する駆動手段18との間に、緩衝手段20が設けられている。なお、図1の例では、駆動手段18は、所定の射出パターンを実現するように、電子計算機等によって構成された制御手段22に制御されるサーボモータ24と、サーボモータ24の回転運動を直進運動に変換するボールねじ26とで構成されている。そして、制御手段22は、キャビティ充填完了によりプランジャーチップ14及びプランジャーロッド16が急停止すると、駆動手段18の急減速を、サーボモータ24の回転数の低下、負荷の増大から検出して、駆動手段18を停止させる。更に、制御手段22は、サーボモータ24の回転数が0に低下したことを検知した時点で、キャビティ与圧のための駆動制御指令を、サーボモータ24に発信するものである。なお、かかる電動式駆動手段に変えて、油圧シリンダを用いた油圧式駆動手段を用いることも可能である。
図2に示されるように、緩衝手段20は、駆動手段18に対するプランジャーロッド16の軸心方向の相対位置を変更可能に、プランジャーロッド16をガイドするガイド手段28を備えている。図2の例では、ガイド手段28は、プランジャーロッド16の中心部に設けられた穴16aに対し、駆動手段18から延びるガイドロッド30が摺動自在に挿入されることで、駆動手段18に対し、プランジャーロッド16がその軸心方向へと正確にガイドされる構造となっている。
又、緩衝手段20は、駆動手段18とプランジャーロッド16とを連結するリンク32を備えている。リンク32は、二本の等長アーム34及び二本の等長アーム34の一端同士を軸着するピボット36からなり、二本の等長アーム34の各他端がプランジャーロッド16又は駆動手段18に各々軸着されたリンク構造を有している。そして、図示の例では、二本の等長アーム34が一直線状に並ぶとき、二本の等長アーム34はプランジャーロッド16の軸心方向と平行となるように、プランジャーロッド16及び駆動手段18に軸着されている。又、二本の等長アーム34が一直線状に並んだ状態が、プランジャーロッド16及び駆動手段18との最大離間状態となる。なお、本発明の実施の形態では、図2、図4に示されるように、リンク32は、プランジャーロッド16の軸心を挟んだ対象位置に二組設けられており、いわゆるパンタグラフ状のリンク構造を構成している。
又、緩衝手段20は、駆動手段18とプランジャーロッド16との間に、プランジャーロッド16の軸心方向と平行に配置された平行ばね(第一ばね)38を備えている。平行ばね38は、駆動手段18とプランジャーロッド16とが接近することにより、弾性力を増大させるものであり、常時、プリロードストロークが与えられた状態で組み込まれている。なお、平行ばね38は、並列又は多重に複数組み込まれて構成されたものであってもよい。
又、緩衝手段20は第一ばねのプリロードストローク調節機構を備えている。図2の例では、プリロードストローク調節機構は、前記駆動手段に設けられたばねホルダ40が、平行ばね38の一端部(図2の左端部)を他端部(図2の右端部)に対し任意に離間接近させるものである。なお、ばねホルダ40は、手動又は自動(油圧シリンダ、ステッピングモータ等の動力を利用)により、プランジャーロッド16の軸心方向の位置を、自在に調整することが可能である。
更に、緩衝手段20は、平行ばね38と交差する方向に配置された交差ばね42を備えている。本実施の形態では、図4に示されるように、交差ばね42は二組のリンク32の各ピボット36同士を連結するように、両側に一本づつ合計二本が組み付けられている。そして、駆動手段18とプランジャーロッド16とが接近することによるリンク32の屈折角度θ(図3参照)の増加に伴い、リンク32を介して駆動手段18とプランジャーロッド34とに対し付与する、駆動手段18とプランジャーロッド16とを離間させる方向の分力Fc‘を減少させる構成となっている。なお、二組のリンク32の付け根間隔d(図3参照)と、交差ばね42の自然長とが一致しており、二本の等長アーム34が一直線状に並ぶときに、交差ばね42は自然長をなすものである。ただし、図示の例では、プランジャーロッド16の、二組のリンク32の付け根部分に、二本の等長アーム34が一直線状に並ぶことを阻止するストッパー44が設けられていることから、交差ばね42が自然長へと復帰する状態とはならない。
更に、緩衝手段20は、平行ばね38のばね定数と、交差ばね42のばね定数(二本の交差ばね42の、ばね定数の合計。なお、平行ばね38についても複数用いられている場合には、全ての平行ばねの、ばね定数の合計。)とがいずれも同一値kに設定されている。そして、二本の等長アーム34の長さL、平行ばねのプリロードストロークp、駆動手段18に対するプランジャーロッド16の全ストロークS、駆動手段18の等価慣性重量M、プランジャーロッド16の移動速度v、及び、キャビティ与圧時の推力Fが、
k・(2L+p)≒F、かつ、k・(2L+p)・S>Mv/2 ‥‥(1)
の関係を満たすように、各諸元が決定されている。
さて、上記諸元を有する緩衝手段20において、キャビティ与圧時の推力Fは、以下のように求められる。図3に示されるように、平行ばね38の弾性力をFp、交差ばね42の弾性力をFc、交差ばね42の弾性力がリンク32に作用することにより得られる、プランジャーロッド16の軸心方向の成分をFc’としたとき、リンク32の屈折角度θが0°<θ<90°の範囲内で、
Fp=k・{2L(1−cosθ)+p}
Fc=k・(2Lsinθ)
Fc’=Fc/tanθ=k・(2Lcosθ)
F=Fp+Fc’= k・(2L+p) ‥‥(2)
となる。
要するに、上記(2)式から明らかなように、平行バネ38の弾性力Fpと、交差ばね42の、プランジャーロッド16の軸心方向成分Fc’との合計が、キャビティ与圧時のプランジャーロッド16の推力Fであり、この推力Fは、駆動手段18とプランジャーロッド16との距離の如何に関わらず、常に一定となる。又、推力Fは、平行ばねのプリロードストロークpを変えることによって、自由に変更することが可能である。実用上は、推力Fの変動をどの程度許容するかによって、平行ばね38のばね定数(複数在る場合は全数の合計)と、交差ばね42のばね定数(複数在る場合は全数の合計)の、一致精度が定まるものである。
上記構成を有する本発明の実施の形態により得られる作用効果は、以下の通りである。
本発明の実施の形態に係る溶融材料の射出装置10は、駆動手段18とプランジャーロッド16とを分離して、両者を緩衝手段20で連結した構造を有している。そして、緩衝手段20のガイド手段28によって、駆動手段18に対しプランジャーロッド16がその軸心方向に正確にガイドされて、駆動手段18とプランジャーロッド16とは離間接近自在となっている。しかも、駆動手段18とプランジャーロッド16とは、二本の等長アーム34及びピボット36からなるリンク32により連結されている。
そして、駆動手段18とプランジャーロッド16とが接近することにより弾性力を増大させる平行ばね38によって、駆動手段18とプランジャーロッド16との間に所定のプリロードが与えられた状態で、駆動手段18とプランジャーロッド16とは離間する方向(図2の矢印A)に付勢されている。更に、交差ばね42の弾性力も、リンク34を介して、駆動手段18とプランジャーロッドとを離間させる方向(図2の矢印A)に作用する。ここで、交差ばね42の弾性力Fcは、リンク32の屈折角度θ(図3)の増加に伴い、駆動手段18とプランジャーロッド16とを離間させる方向の分力Fc’を減少させるように付与されるものである。したがって、駆動手段18とプランジャーロッド16とが接近して、駆動手段18とプランジャーロッド16とを離間させる方向の平行ばね38の弾性力Fpが増大するとき、交差ばねによる弾性力Fc(分力Fc’)は減少する。又、これとは逆に、駆動手段18とプランジャーロッド16とが離間して、駆動手段18とプランジャーロッド16とを離間させる方向の平行ばね38の弾性力が減少するとき、交差ばね42による弾性力は増大する。
換言すれば、本発明の実施の形態に係る緩衝手段20は、駆動手段18とプランジャーロッド16との相対位置の変化に応じて伸縮する平行ばね38及び交差ばね42が、一つのばねの弾性力の減少を他のばねの弾性力の増加で補う態様で組み合わされていることから、駆動手段18とプランジャーロッド16との相対位置が変化しても、緩衝手段20は、常時一定の弾性力を発生させることができる。すなわち、緩衝手段20は、リンク32、平行ばね38、交差ばね42とで構成された、常時一定の弾性力を発生させる推力伝達手段を具備するものである。
そして、キャビティへの溶融材料の充填完了によりプランジャーロッド16が急停止する際に、プランジャーロッド16を駆動する駆動手段18の慣性重量(等価慣性重量M)は、緩衝手段20によって、駆動手段18とプランジャーロッド16との相対位置が変化することにより吸収される。その結果として、駆動手段18の慣性重量に起因する衝撃力により、キャビティ内の溶融材料の圧力が異常に上昇する「サージ圧」が発生することを、回避することができる。
しかも、緩衝手段20は、駆動手段18とプランジャーロッド16との相対位置の如何に関わらず、常時一定の弾性力(Fp+Fc’)を発生させるものであることから、この一定の弾性力により、プランジャーロッド16に要求される一定の推力Fが維持され、キャビティに対する溶融材料の充填完了時点で、キャビティ内圧は確実に設定値に到達し、キャビティ内圧の立ち上がり遅れを生じない。よって、本発明の実施の形態によれば、キャビティ内圧の立ち上がり遅れを招くことなく「サージ圧」の発生を確実に防ぐことにより、高品質の成形品を製造することが可能となる。
一例として、サーボモータ24、ボールねじ26の慣性モーメントを等価慣性重量換算して加えた駆動手段18全体の等価慣性重量M=430kg、キャビティ充填完了直前に到達するプランジャーロッド16の移動速度(射出速度)v=2m/s、鋳造圧P=20MPa、プランジャースリーブ12の内径φ=40mmであるとき、鋳造圧からキャビティ与圧時出力を計算すると、25kNとなる。又、キャビティ充填完了直前の駆動手段18の運動エネルギーを計算すると860Jとなる。これらの条件から、緩衝手段20に要求される諸元を求めると、上記(1)式から、
k・(2L+p)≒25(kN)、かつ、k・(2L+p)・S>860(J)
となる。そして、かかる二式を満たす設定値として、平行ばね38のばね定数及び二本の交差ばね42のばね定数の合計が、いずれも、k=104N/mm、L=120mm、d=250mm、S=200mm、p=0mmを与える。
この条件において、プランジャーチップ14が2m/sで射出され、キャビティ充填完了によりプランジャーチップ14及びプランジャーロッド16が急停止すると、駆動手段18も急減速を受ける。この際、緩衝手段20が34.5mmほど縮むことで、駆動手段の減速度が58m/sに抑えられ、駆動手段18の発生する慣性力は25kNとなり、設定鋳造圧20MPaを超えてサージ圧がキャビティ内に発生することは無い。
又、本発明の実施の形態では、平行ばね38は、その名の通り、駆動手段18とプランジャーロッド16との間で、プランジャーロッド16の軸心方向と平行に配置されている。従って、平行ばね38は駆動手段18とプランジャーロッド16との相対位置の変化を受けてプランジャーロッド16の軸心方向に伸縮し、駆動手段18とプランジャーロッド16との間に所定のプリロード(k・p)を与えることができる。又、平行ばね38は、駆動手段18とプランジャーロッド16とが接近することにより、その弾性力Fpを増大させるものとなる。なお、本実施の形態では、平行ばね38を圧縮コイルばねとしているが、これと同一の機能を、引っ張りばねその他の弾性体により確保することとしても良い。
又、本発明の実施の形態では、平行ばね38のプリロードストローク調節機構が設けられていることから、射出速度やキャビティ内圧の設定変更をする場合に、それに応じて、緩衝手段20が発生する弾性力を適宜調整することが可能となる。本発明の実施の形態では、平行ばね38のプリロードストローク調節機構は、駆動手段18に設けられ、平行ばね38の一端部を他端部に対し任意に離間接近させるばねホルダ40を備えるものであることから、ばねホルダ40の位置を、手動又は自動調整することのみによって、緩衝手段20が発生する弾性力を調整することが可能となる。
又、本発明の実施の形態では、リンク32は、プランジャーロッド16の軸心を挟んだ対象位置に二組設けられており、交差ばね42は、各リンク32のピボット36同士を連結するように組み付けられていることから、交差ばね42の弾性力Fcがリンク32のピボット36に作用し、リンク36の屈折角度θが減少する方向へと付勢される。よって、交差ばね42の弾性力は、リンク32を介して、駆動手段18とプランジャーロッド16とを離間させる方向(図1の矢印A)へと働くこととなる。ここで、リンク32を構成する二本の等長アーム34から、駆動手段18及びプランジャーロッド16に対し、両者を離間させる方向へと作用する分力Fc’は、駆動手段18とプランジャーロッド16とが接近することに伴うリンク32の屈折角度θの増加により減少し、かかる状態において増加する平行ばね38の弾性力Fpと相補的な関係となる。したがって、緩衝手段20は、駆動手段18とプランジャーロッド16との相対位置の如何にかかわらず、常時一定の弾性力を発生させることができる。
なお、かかる構造を採用することにより、緩衝手段20の各構成部品は、プランジャーロッド16の軸心を挟んで対称構造となるので、各構成部品が受ける力の均衡が得られ、構造の単純化が図られる。しかしながら、必要に応じリンク32を更に複数対設けることも可能であり、それとは逆に、構造上は非対称となるが、一つのリンク32によって上記機能を担持することも可能である。
又、本発明の実施の形態においては、二本の等長アーム34が一直線状に並ぶことを阻止するストッパー44が設けられていることから、リンク32を構成する二本の等長アーム34は、ピボット36を挟んで常時屈折角度を持つこととなる。よって、ピボット36の摩擦の影響を受けて、二本の等長アーム34が一直線状に並んだ状態でロックされ、リンク32の屈折が阻害されることを、確実に回避することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態では、リンク32と、緩衝手段20の他の構成部品との干渉を避けるために、リンク32は外側へと屈折するように構成されており、交差ばね42は引っ張りばねの態様で用いられているが、本発明が原理上上記(1)、(2)式に基づくものであることから、リンク32の屈折方向、及び、交差ばね42の伸縮方向は問題とならない。従って、各部品の干渉を回避可能であれば、リンク32が内側へと屈折する構造も採用可能である。
本発明の実施の形態に係る溶融材料の射出装置の概略図である。 図1に示される溶融材料の射出装置の要部拡大図である。 図2に示される緩衝手段の拡大図である。 図3に示される緩衝手段の正面図である。
符号の説明
10:溶融材料の射出装置、12:プランジャースリーブ、14:プランジャーチップ、 16:プランジャーロッド、18:駆動手段、20:緩衝手段、28:ガイド手段、32:リンク、34:等長アーム、36:ピボット、38:平行ばね、40:ばねホルダ、42:交差ばね、44:ストッパー

Claims (8)

  1. プランジャースリーブ内に供給された溶融材料を、金型のキャビティへと射出する射出装置であって、プランジャーチップが先端部に設けられたプランジャーロッドと、該プランジャーロッドを駆動する駆動手段との間に、緩衝手段が設けられ、
    該緩衝手段が、前記駆動手段に対する前記プランジャーロッドの軸心方向の相対位置を変更可能に、前記プランジャーロッドをガイドするガイド手段と、
    二本の等長アーム及び該二本の等長アームの一端同士を軸着するピボットからなり、該二本の等長アームの各他端が前記プランジャーロッド又は前記駆動手段に各々軸着されたリンクと、
    所定のプリロードストロークが与えられ、かつ、前記駆動手段と前記プランジャーロッドとが接近することにより弾性力を増大させる第一ばねと、
    前記二本の等長アームが一直線状に並ぶとき自然長をなすように前記リンクに固定され、なおかつ、前記駆動手段と前記プランジャーロッドとが接近することによる前記リンクの屈折角度の増加に伴い、前記リンクを介して前記駆動手段と前記プランジャーロッドとに対する両者を離間させる方向の分力を減少させる、第二ばねとを備えることを特徴とする溶融材料の射出装置。
  2. 前記第一ばねは、前記駆動手段と前記プランジャーロッドとの間で、前記プランジャーロッドの軸心方向と平行に配置されていることを特徴とする請求項1記載の溶融材料の射出装置。
  3. 前記第一ばねのプリロードストローク調節機構が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の溶融材料の射出装置。
  4. 前記第一ばねのプリロードストローク調節機構は、前記駆動手段に設けられ、前記第一ばねの一端部を他端部に対し任意に離間接近させるばねホルダを備えることを特徴とする請求項3記載の溶融材料の射出装置。
  5. 前記リンクは、前記プランジャーロッドの軸心を挟んだ対象位置に少なくとも二組設けられており、前記第二ばねは、前記各リンクのピボット同士を連結するように組み付けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の溶融材料の射出装置。
  6. 前記第一ばねのばね定数と、前記第二ばねのばね定数とがいずれも同一値kに設定され、かつ、前記二本の等長アームの長さL、前記第一ばねのプリロードストロークp、前記駆動手段に対する前記プランジャーロッドの全ストロークS、前記駆動手段の等価慣性重量M、前記プランジャーロッドの移動速度v、及び、前記プランジャーロッドのキャビティ与圧時の推力Fが、
    k・(2L+p)≒F、かつ、k・(2L+p)・S>Mv/2
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の溶融材料の射出装置。
  7. 前記二本の等長アームが一直線状に並ぶことを阻止するストッパーが設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の溶融材料の射出装置。
  8. プランジャースリーブ内に供給された溶融材料を、金型のキャビティへと射出する射出装置であって、プランジャーチップが先端部に設けられたプランジャーロッドと、該プランジャーロッドを駆動する駆動手段との間に、緩衝手段が設けられ、
    該緩衝手段が、前記駆動手段に対する前記プランジャーロッドの軸心方向の相対位置を変更可能に、前記プランジャーロッドをガイドするガイド手段と、
    前記駆動手段と前記プランジャーロッドとの相対位置の変化に応じて伸縮する複数のばねが、一つのばねの弾性力の減少を他のばねの弾性力の増加で補う態様で組み合わされることで、常時一定の弾性力を発生させる推力伝達手段とを備えることを特徴とする溶融材料の射出装置。
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