JP2007259604A - ワイヤーハーネス用固定構造及び固定方法 - Google Patents

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円博 山村
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Abstract

【課題】本発明は、テープ巻き作業を不要にし、所望のオフセット量に調整でき、作業効率の向上、製品品質の安定化、製品コストの低下、作業時間の短縮化を図ることができるワイヤーハーネス用固定構造及び固定方法を提供する。
【解決手段】本発明のワイヤーハーネス用固定構造は、被固定部材1に係止される係止部材3と、係止部材3を保持し、熱収縮フィルムによって作られた固定用フィルム4とを有し、固定用フィルム4同士が互いに重ね合わされて固定され、ワイヤーハーネス2に固定用フィルム4が熱収縮した状態で固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤーハーネスを被固定部材に固定するためのワイヤーハーネス用固定構造及び固定方法に関し、特に、熱収縮フィルムからなる固定用フィルムを用いたワイヤーハーネス用固定構造及び固定方法に関する。
従来、車両のボディ、各種機器、パネルなどにワイヤーハーネスを取り付けるために、種々のワイヤーハーネス用固定具が用いられている。
例えば、特許文献1には、取付部の中央から立設したアーム部の上端に、係止頭を有するオフセット型ワイヤハーネス用クランプにおいて、アーム部の上下方向の中間に、アーム部を折り曲げ可能な折曲部を設け、アーム部の伸直による大オフセット量と、アーム部の折り曲げによる小オフセット量のいずれかを択一することができるワイヤハーネス用クランプが開示されている。
このワイヤハーネス用クランプによれば、1つのクランプで2種類のオフセット量を設定できるので、2つのクランプを用意する必要がなくなり、部品点数を減らして、部品管理性の向上とコスト低減を図ることができる、としている(以下、この技術を従来例という)。
特開平8−205358号公報
従来例では、ワイヤーハーネス用クランプの取付部をワイヤハーネスの表面にテープで巻いて固定する必要があり、そのテープ巻き作業が煩雑で時間がかかり、作業効率が悪いという課題があった。
また、テープ巻き作業は人手により行われるので、品質の良否のバラツキが生じ、製品の品質を安定化することが困難であるという課題があった。
また、テープ巻き作業の場合、ワイヤーハーネスの径の大きさにより、テープの使用量が異なるため、テープを過剰に使用しやすく、製品コストが高くなるという課題があった。
また、ワイヤーハーネスと係止頭との間のオフセット量は2種類しか選択できないため、所望のオフセット量に調整することは困難であるという課題があった。
さらに、クランプのワイヤーハーネスへの固定作業と、ワイヤーハーネスと係止頭との間のオフセット量の調整作業との2つの作業を別々に行うため、作業時間を要するという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、テープ巻き作業を不要にし、所望のオフセット量に調整でき、作業効率の向上、製品品質の安定化、製品コストの低下、作業時間の短縮化を図ることができるワイヤーハーネス用固定構造及び固定方法を提供することを目的とする。
本発明のワイヤーハーネス用固定構造は、ワイヤーハーネスを被固定部材に固定するためのワイヤーハーネス用固定構造において、前記被固定部材に係止される係止部材と、前記係止部材を保持し、熱収縮フィルムによって作られた固定用フィルムとを有し、前記固定用フィルム同士が互いに重ね合わされて固定され、前記ワイヤーハーネスに固定用フィルムが熱収縮した状態で固定されていることを特徴とするものである。
前記係止部材は、先端部に形成され、被固定部材の係止孔に係止されるアンカー部と、基端部に形成され、水平方向に延びて形成された当接部とを備えており、前記固定用フィルムは、前記係止部材のアンカー部が挿入される挿入部が形成され、前記係止部材は、前記アンカー部が前記固定用フィルムの挿入部に挿入され、前記当接部が前記固定用フィルム上に当接された状態で保持されるものでもよい。
前記係止部材は、前記ワイヤーハーネスと間隔を隔てて配置されていてもよく、ワイヤーハーネス上に配置されていてもよい。
本発明のワイヤーハーネス用固定方法は、ワイヤーハーネスを被固定部材に固定するためのワイヤーハーネス用固定方法において、前記被固定部材の係止孔に係止される係止部材を、熱収縮フィルムによって作られた固定用フィルムに保持する工程と、前記固定用フィルムを前記ワイヤーハーネスに被覆する工程と、前記固定用フィルム同士を互いに重ね合わせて固定する工程と、前記固定用フィルムを加熱、収縮させて、前記ワイヤーハーネスに固定する工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明のワイヤーハーネス用固定構造によれば、固定用フィルムの収縮によりワイヤーハーネスを自動的に固定するので、品質の良否のバラツキがなくなり、製品の品質を安定化することができる。
また、固定用フィルムの挿入部の位置を変えることにより、係止部材とワイヤーハーネスとの間のオフセット量の調整が容易にでき、所望のオフセット量に調整できる。
また、固定具をワイヤーハーネスに固定するために巻くテープが不要であるので、部材(テープ)の過剰使用を防止でき、製品コストを抑えることができる。
また、異なる径のワイヤーハーネスに対応する場合には、固定用フィルムのサイズを変更すればよいので、材料費の無駄をなくすことができる。
本発明のワイヤーハーネス用固定方法によれば、係止部材のワイヤーハーネスへの固定作業と、ワイヤーハーネスと係止部材との間のオフセット量の調整作業との2つの作業を一緒に行うことができるため、作業時間の短縮化を図ることができる。
また、テープ巻き作業が不要であるので、作業が簡単になり、作業効率が向上する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1(A)〜(B)は
本発明の第1の実施形態例に係るワイヤーハーネス用固定方法を説明するための斜視図、(C)は、本発明の第1の実施形態例に係るワイヤーハーネス用固定構造を示す斜視図である。
本発明の第1の実施形態例に係るワイヤーハーネス用固定構造は、例えば車両のボディ、各種機器、パネルなどの被固定部材1にワイヤーハーネス2を取り付けるためのものであり、図1(A)〜(C)に示すように、被固定部材1の係止孔1aに係止される係止部材3と、係止部材3を保持し、熱収縮フィルムによって作られた固定用フィルム4とを有する。
係止部材3は、弾性変形可能な合成樹脂などで作られ、先端部に形成され、被固定部材1の係止孔に係止されるアンカー部3aと、基端部に形成され、水平方向に延びて形成された当接部3bとを備えている。
アンカー部3aの先端には、互いに反対側に張り出して形成された第1の係止片3c及び第2の係止片3dを有する。係止部材3を被固定部材1の係止孔1aに挿入することにより、第1の係止片3c及び第2の係止片3dが弾性変形して縮み、係止孔1aを通過すると、復元して係止孔1aの周縁部に係止される。
固定用フィルム4は、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などで作られた略短形の熱収縮フィルム(シュリンクフィルム)により作られている。
固定用フィルム4には、係止部材3のアンカー部3aが挿入される円形又は楕円形の挿入孔4a(挿入部)が形成されている。なお、図2に示すように、固定用フィルム4の挿入部は、切欠部4bに形成されていてもよい。
次に、本発明の第1の実施形態例に係るワイヤーハーネス用固定方法を説明する。
まず、係止部材3のアンカー部3aを固定用フィルム4の挿入孔4aに挿入し、当接部3bが固定用フィルム4上に当接された状態で係止部材3を固定用フィルム4に保持する。
次いで、係止部材3とワイヤーハーネス2とのオフセット量を調整しながら、固定用フィルム4の中間部上にワイヤーハーネス2を配置して(図1(B)参照)、固定用フィルム4を、ワイヤーハーネス2を包み込んだ状態に手前に巻回して折り返す。
次いで、固定用フィルム4の重ねられた部分を接着、溶着又は熱圧着して、ワイヤーハーネス2を被覆する。
その後、固定用フィルム4を加熱、収縮させて、ワイヤーハーネス2を固定する(図1(C)参照)。
なお、固定用フィルム4の重ねられた部分を接着、溶着又は熱圧着する作業や固定用フィルム4を加熱、収縮させる作業は、係止部材3のアンカー部3aを図示しない整列治具の係止孔に挿入して保持した状態で行われる。
本発明の第1の実施形態例に係るワイヤーハーネス用固定構造によれば、固定用フィルム4の収縮によりワイヤーハーネス2を自動的に固定するので、品質の良否のバラツキがなくなり、製品の品質を安定化することができる。
また、固定用フィルム4の挿入孔4aの位置を変えることにより、係止部材3とワイヤーハーネス2との間のオフセット量の調整が容易にでき、所望のオフセット量に調整できる。
また、固定具をワイヤーハーネス2に固定するために巻くテープが不要であるので、部材(テープ)の過剰使用を防止でき、製品コストを抑えることができる。
また、異なる径のワイヤーハーネス2に対応する場合には、固定用フィルム4のサイズを変更すればよいので、材料費の無駄をなくすことができる。
また、1枚の固定用フィルム4を折り返して用いるので、部品点数削減に寄与する。
本発明の第1の実施形態例に係るワイヤーハーネス用固定方法によれば、係止部材3のワイヤーハーネス2への固定作業と、ワイヤーハーネス2と係止部材3との間のオフセット量の調整作業との2つの作業を一緒に行うことができるため、作業時間の短縮化を図ることができる。
また、テープ巻き作業が不要であるので、作業が簡単になり、作業効率が向上する。
なお、第1の実施形態例では、1枚の固定用フィルム4を折り返して重なった部分を接着、溶着又は熱圧着しているが、2枚の固定用フィルム4を重ね合わせて、接着、溶着又は熱圧着してもよい。
図3は、本発明の第2の実施形態例に係るワイヤーハーネス用固定構造を示す斜視図である。
図3に示すように、本発明の第2の実施形態例に係るワイヤーハーネス用固定構造は、係止部材3は、ワイヤーハーネス2上に配置されていることを特徴とするものである。
本発明の第2の実施形態例に係るワイヤーハーネス用固定方法では、まず、係止部材3のアンカー部3aを固定用フィルム4の挿入孔4aに挿入し、当接部3bが固定用フィルム4上に当接された状態で係止部材3を固定用フィルム4に保持する。
次いで、係止部材3をワイヤーハーネス2上に載置した状態で、固定用フィルム4を折り返し、固定用フィルム4の重ねられた部分を接着、溶着又は熱圧着して、ワイヤーハーネス2を被覆する。
その後、固定用フィルム4を加熱、収縮させて、ワイヤーハーネス2を固定する(図3参照)。
本発明の第2の実施形態例によれば、係止部材3がワイヤーハーネス2上に配置されているので、被固定部材1上にワイヤーハーネス2を配置することが可能となる。
本発明は、上記実施の形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内において、種々の変更が可能である。例えば、固定用フィルム4に形成される挿入部である挿入孔4aや切欠部4bは複数形成されていてもよい。また、各部材の形状や材質は例示であり、これに限定されるものではない。
本発明は、ワイヤーハーネスを車両のボディなどの被固定部材に固定するために用いられる。
(A)〜(B)は 本発明の第1の実施形態例に係るワイヤーハーネス用固定方法を説明するための斜視図、(C)は、本発明の第1の実施形態例に係るワイヤーハーネス用固定構造を示す斜視図である。 固定フィルムの変形例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態例に係るワイヤーハーネス用固定構造を示す斜視図である。
符号の説明
1:被固定部材
2:ワイヤーハーネス
3:係止部材
3a:アンカー部
3b:当接部
4:固定用フィルム
4a:挿入孔
4b:切欠部

Claims (5)

  1. ワイヤーハーネスを被固定部材に固定するためのワイヤーハーネス用固定構造において、
    前記被固定部材に係止される係止部材と、
    前記係止部材を保持し、熱収縮フィルムによって作られた固定用フィルムとを有し、
    前記固定用フィルム同士が互いに重ね合わされて固定され、
    前記ワイヤーハーネスに固定用フィルムが熱収縮した状態で固定されている、
    ことを特徴とするワイヤーハーネス用固定構造。
  2. 前記係止部材は、先端部に形成され、被固定部材の係止孔に係止されるアンカー部と、基端部に形成され、水平方向に延びて形成された当接部とを備えており、
    前記固定用フィルムは、前記係止部材のアンカー部が挿入される挿入部が形成され、
    前記係止部材は、前記アンカー部が前記固定用フィルムの挿入部に挿入され、前記当接部が前記固定用フィルム上に当接された状態で保持されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネス用固定構造。
  3. 前記係止部材は、前記ワイヤーハーネスと間隔を隔てて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤーハーネス用固定構造。
  4. 前記係止部材は、前記ワイヤーハーネス上に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤーハーネス用固定構造。
  5. ワイヤーハーネスを被固定部材に固定するためのワイヤーハーネス用固定方法において、
    前記被固定部材の係止孔に係止される係止部材を、熱収縮フィルムによって作られた固定用フィルムに保持する工程と、
    前記固定用フィルムを前記ワイヤーハーネスに被覆する工程と、
    前記固定用フィルム同士を互いに重ね合わせて固定する工程と、
    前記固定用フィルムを加熱、収縮させて、前記ワイヤーハーネスに固定する工程と、
    を有することを特徴とするワイヤーハーネス用固定方法。
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