JP2007258461A - ヒューズ素子の切断ないし高抵抗化方法 - Google Patents

ヒューズ素子の切断ないし高抵抗化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
切断用トランジスタの寸法の増大を抑制し、ヒューズ素子の切断ないし高抵抗化の際、副次的に生じ得る、半導体装置にとって好ましくない現象を抑制し、ヒューズ素子の電気的な切断ないしは高抵抗化を信頼性高く行なう方法を提供する。
【解決手段】
ヒューズ素子の切断ないし高抵抗化方法は、導電性材料で形成されたヒューズ素子に対し、1回で切断ないし高抵抗化はできないが、複数回で切断ないし高抵抗化できるエネルギを持つ電気的パルスを、繰り返し印加して、前記ヒューズ素子を切断ないし高抵抗化する工程を含む。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ヒューズ素子の切断または高抵抗化方法に関し、特に半導体集積回路中のメモリ回路、トリミング回路や冗長回路として用いられるヒューズ素子の切断または高抵抗化技術に関する。
ヒューズ素子を用いた半導体メモリ回路は、従来色々と提案されてきた。メモリ素子であるヒューズ素子に情報を書き込む方法は、ヒューズ素子に極めて大きな電気エネルギを投入し、ヒューズ素子の抵抗によるジュール熱の急激な発生によりヒューズ素子を溶融破断させる方法が一般的である。
ヒューズ素子を切断する極めて大きな電気的エネルギを供給するため、電流駆動能力の大きなバイポーラ接合トランジスタや、MOSトランジスタのスナップバック動作や、CMOS回路の寄生バイポーラ接合トランジスタ動作などが利用されてきた。電気的エネルギの印加時間は、ヒューズ素子切断直後に止めることができず、必要以上に大きなエネルギの投入が行なわれてしまう可能性が大きい。近年の半導体集積回路は、能動素子としてMOSトランジスタを用いるものが多く、バイポーラトランジスタを形成することは工程上負担が大きい。
特開平7−307389号公報は、その図1に、ヒューズ素子とMOSトランジスタとの直列接続が複数並列に接続されている回路を開示している。ヒューズ素子を切断するための切断電流を得るのに必要な電流駆動能力が切断トランジスタのゲート幅Wの関数として開示されている。
D=μCox(W/L)×(1/2)×(VGS−VT)2
ここで、IDは切断トランジスタの飽和領域でのドレイン電流、μはキャリアの移動度である。Coxは切断トランジスタのゲート容量、Wはゲート幅、Lはゲート長である。また、VGSはゲート−ソース間の電圧であり、VTはしきい値電圧である。
ヒューズ素子を切断するために必要な飽和ドレイン電流の値IDが既知であれば、上記の式を用いることにより、ヒューズ素子を切断することができるトランジスタのサイズWを見積もることができる。
特開平7−307389号公報 ヒューズ素子を切断できる極めて大きな電気的エネルギを供給するためには、切断用のトランジスタの寸法(ゲート幅)を極めて大きくすることが必要となり、チップサイズが大きくなる。
ヒューズ素子を切断するため極めて大きな電気的エネルギを投入すると、ヒューズ素子を瞬間的に溶融・蒸発させ、切断するが、同時に周辺にも影響を及ぼす。ヒューズ素子に接続されている導電回路やヒューズ素子を取り囲む絶縁膜に破壊が生じ得る。また溶融飛散物によるショートも生じ得る。破壊に到らなくても、熱ストレスによる抵抗の変動や信頼性の低下が生じ得る。
半導体集積回路中にトリミング回路や冗長回路が形成されている場合も多い。トリミング回路又は冗長回路にヒューズ素子を含む回路を用いれば、半導体集積回路の製造途中または製造後にトリミング処理などを行うことができ、可能な限り好ましい特性を得ることが可能になる。
これらの回路選択用ヒューズ素子は、数も相対的に少なく、その切断はレーザビームなどのエネルギビームによって行われる場合が多い。エネルギビームによる切断においても、1回の照射でヒューズ素子が完全に溶融切断されるように、通常ヒューズ素子を露出した状態で、十分マージンを取った極めて大きなエネルギがヒューズ素子に加えられる。ヒューズ素子は大きなエネルギの印加により溶融飛散もしくは蒸発することによって完全に切断されるが、溶融物が周辺に飛散し、再付着等してしまうことがある。
切断ヒューズ素子数が多い場合には、エネルギビームによる切断方法は、エネルギビームをヒューズ素子に正確に位置合わせするのに時間が掛かるので、現実的な方法ではない。また、パッケージング後は、ヒューズ素子への情報書き込みは出来なくなる。
本発明の目的は、切断用トランジスタの寸法の増大を抑制し、ヒューズ素子の電気的な切断ないしは高抵抗化を信頼性高く行なう方法を提供することである。
本発明の他の目的は、ヒューズ素子の切断ないし高抵抗化の際、副次的に生じ得る、半導体装置にとって好ましくない現象を抑制できるヒューズ素子の電気的な切断ないし高抵抗化方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、導電性材料で形成されたヒューズ素子に対し、1回で溶融破断できるエネルギ未満であり、固相のマイグレーションを生じさせるエネルギを持つ電気的パルスを、繰り返し印加して、前記ヒューズ素子を切断ないし高抵抗化する工程を含む、ヒューズ素子の切断ないし高抵抗化方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、導電性材料で形成されたヒューズ素子に対し、1回で切断ないし高抵抗化はできないが、複数回で切断ないし高抵抗化できるエネルギを持つ電気的パルスを、繰り返し印加して、前記ヒューズ素子を切断ないし高抵抗化する工程を含む、ヒューズ素子の切断ないし高抵抗化方法が提供される。
複数の電気的パルスの印加により、ヒューズ素子を切断ないし高抵抗化する。爆発的な溶融・蒸発を生じさせず、電流と熱ストレスによりヒューズ素子内でマイグレーションを生じさせ、ヒューズ素子を切断ないし高抵抗化する。溶融・蒸発を生じないので、溶融・蒸発ないし飛散による副産物は生じない。
本発明者は、ヒューズを溶融切断する代わりに固相切断することを考えた。切断時の溶融・蒸発を避けることにより、切断時の副産物を避けることができるであろう。電気的パルスのエネルギを下げることになるので、切断用トランジスタの寸法増大を抑制できよう。
本明細書では、ヒューズなどの導電体を溶融切断できるような大電流を極めて大きな電流とよび、溶融はしない大きな電流を大電流と呼ぶ。導電体に大電流を流すと、固相の導電体中で、構成原子ないし分子がエレクトロマイグレーションを起こすことが知られている。但し、通常のエレクトロマイグレーションによって配線を切断するには極めて長時間を必要とする。配線を加熱した状態で大電流を流すと、マイグレーションが加速されることが期待される。さらに、大電流によるジュール熱発生により、熱ストレスが生じ、マイグレーションが促進できる可能性もある。
そこで、ヒューズ素子にパルス長(時間長)、ないしパルス高(電流または電圧)を制御した電気パルスエネルギを繰り返し印加した時、どのような現象が生じるかを調べた。
図1Aは、ヒューズ素子と、このヒューズ素子用の切断トランジスタとして用いるn−チャンネルMOS型トランジスタ(MOSFET)と、を含むヒューズ回路の回路図である。図に示すように、ヒューズ回路Aは、ヒューズ素子1と、ヒューズ素子1に直列接続されたMOS型FETにより形成された切断トランジスタ3とを含む。
ヒューズ素子1の一端1aは、例えば、電源電圧VDDに接続されている。ヒューズ素子の他端1bは、切断トランジスタ3のドレイン端子5aと接続されている。切断トランジスタ3のソース端子5bは接地(VSS)に接続されている。切断トランジスタ3のゲート電極5cには、パルス信号波形Vpが印加される。ゲート電極5cにオン電圧が印加されると、切断トランジスタ3がオンとなり、ヒューズ素子1に電流が供給される。ヒューズ素子1に極めて大きな電流が供給されると、ジュール熱の発生によりヒューズ素子の温度は上昇し、やがてヒューズ素子は溶融・蒸発して破断する。
図1Bは、図1Aのヒューズ回路を含む半導体装置の平面図である。図1Cは、図1BのIC−IC線に沿う半導体装置の断面図である。図1B及び図1Cを参照して、以下、ヒューズ回路の製造工程を簡単に説明する。
図1B及び図1Cに示すように、p型半導体基板11の表面に素子分離領域2a、2b、2cをLOCOS(local oxidation of silicon)により形成する。LOCOSの代わりにSTI(shallow trench isolation)を用いて素子分離領域を形成してもよい。素子分離領域2a、2b、2cが、切断トランジスタを形成するための活性領域を画定する。活性領域にnチャネルトランジスタを形成するためのp型ウェルWpを形成する。その上にヒューズを形成するLOCOS酸化膜2c下方に分離用のn型ウェルWnを形成する。ヒューズ切断時に酸化膜2cにクラックなどが生じても短絡などの事故を防止できる。p型ウェルWpのコンタクト用p型(ウェルコンタクト)領域Wcも形成する。
活性領域上に、例えば熱酸化法により酸化シリコンのゲート絶縁膜15aを形成する。ゲート絶縁膜15a上に、例えばポリシリコン層17a、その上にWシリサイド層17bを積層したポリサイドゲート電極17を形成する。ポリシリコンは、1020cm-3程度のn型不純物をドープしておく。なお、ポリサイドはサリサイドを含む概念とする。ゲート電極をポリシリコンのみで形成することも出来る。
ゲート電極17を形成すると同時に、素子分離領域2c上にヒューズ素子に用いるポリサイド層(または多結晶シリコン層)23を形成する。
尚、ゲート電極17の側壁に、サイドスペーサ絶縁膜15bを形成してもよい。この場合は、ヒューズ素子23の側壁上にもサイドスペーサが形成される。サイドスペーサ形成前に、LDD(lightly doped drain)用イオン注入を行ない、n型不純物濃度1017〜1018cm-3のLDD領域を形成する。
サイドスペーサ形成後、ゲート電極17の両側の半導体基板領域に対して高濃度(1020〜1021cm-3)のn型不純物を添加する。ゲート電極17の両側のp型ウェルWpにソース/ドレイン領域5a/5bを形成するとともに、ゲート電極17、ヒューズ素子23にも不純物が添加され抵抗を低減する。
ゲート電極17上及びポリサイド層23上を覆って半導体基板11上に、例えばPSG,BPSG等の酸化シリコン膜により層間絶縁膜21を形成する。層間絶縁膜21を貫通して、ゲート電極17の両側のソース/ドレイン領域5a/5b、ウェルコンタクト領域Wcにそれぞれ達する開口部18a、18b及び18cを形成するとともに、ポリサイド層23の両端部にそれぞれの上面まで達する開口部25及び27を形成する。
開口部18a、18b、18c、25,27内にTi層、TiN層、TiON層等の密着層をスパッタリングなどで成膜した後、CVDでW層を堆積し、導電性プラグ28を形成する。化学機械研磨(CMP)などにより導電層の不要部を除去した後、層間絶縁膜21上に、TiN/Ti/Al/Ti・TiN積層などにより配線層を堆積し、パターニングして配線31a、31b、31c等を形成する。
配線層31aは、導電性プラグを介してヒューズ層23の一端の上面と接触する。配線層31bは、ヒューズ層23の他端と切断トランジスタ3のドレイン5bを接続する。配線層31cは、切断トランジスタのソース5a及びウェルコンタクト領域Wcを引き出す。なお、ゲート電極17を引き出す配線も形成される。配線を覆って、酸化シリコン層/窒化シリコン層等のパッシベーション層33を堆積する。
以上の工程により、ヒューズ素子1とMOS型FETよりなる切断トランジスタ3とが接続されたヒューズ回路を形成することができる。
図2は、図1Aに示すサンプルの電源電圧VDDとして5Vを印加し、ゲート5cに矩形パルス電圧を印加した時の、ゲート電圧Vとヒューズ1と切断用トランジスタ3との接続点2の電位V(2)とを示すオシログラフである。ゲート電圧Vは、接続した容量、寄生容量などの影響で立ち上がり、立下りの波形がなまっている。
ヒューズの電位V(2)は、切断トランジスタがオフの時は、ヒューズ1によって電源電圧Vddに接続され、高電位Vddにあるが、トランジスタがオンすると急激に低下し、ヒューズの抵抗R(f)とトランジスタのオン抵抗R(ON)とで電圧分割された電位となる。電位V(2)は、ヒューズの抵抗の増加を示すように徐々に低下し、ある時点で急激に0まで低下する。ヒューズが溶断され、電流が遮断されたと考えられる。
ヒューズが切断される前にも、V(2)は徐々に減少している。ヒューズの抵抗値が増加していると考えられる。ヒューズ抵抗の増加として温度の影響が考えられる。電流が流れ始めるとジュール熱によりヒューズの温度は上昇するであろう。温度上昇によりヒューズの抵抗が増加することが考えられる。電流が流れるとともにヒューズ内でマイグレーション等が生じ、一部断面積が減少すること等により抵抗が増大することも考えられる。
図3は、定電流電源を用いてヒューズ素子に繰り返し電気パルスを印加した時、ヒューズがどの程度切断されたかの実験結果を示す。横軸はヒューズが切断されるまで何回のパルスを印加したかのパルス回数を示し、縦軸は何%のヒューズが切断されたかの度数を示す。サンプル数はそれぞれ5000個とした。電気パルスは、電流値で60mAとし、電流パルス時間を1200nsec、860nsec、600nsec、480nsec、250nsecと変化させた。パルス間の時間長は電流印加による発熱が十分冷えた後次のパルスが印加されるように数秒から十数秒とした。
パルス長が1200nsecの場合、100%のヒューズが1回のパルスで切断された。従来同様、ヒューズが溶断されたと考えられる。パルス長が860nsecの場合、1回のパルス印加で4050個のヒューズが切断されたが、残り950個のヒューズは1回のパルスでは切断されなかった。2回目のパルスで約8%のヒューズが切断され、3回目のパルスで残りのヒューズは切断された。パルス長が600nsecの場合は、1回目のパルスでは20%未満のヒューズしか切断されない。しかし、2回目のパルスで60%を越えるヒューズが切断され、3回目のパルスで残りのヒューズが切断された。最初のパルス印加でヒューズが切断されなくても、その影響が残り、繰り返しパルスを印加することにヒューズを切断できることがわかる。
パルス長が480nsec以下の場合、1回目、2回目、3回目のパルスでは切断されたヒューズはなかった。ところが、パルス印加回数を増加していくと切断されるヒューズが発生した。パルス長480nsecでは、7回のパルスで最大の50%程度が切断され、約10回のパルスで全ヒューズが切断された。パルス長250nsecの場合は、約15回のパルスで最大60%のヒューズが切断され、約20回のパルスで全ヒューズが切断された。これらのサンプルでは、ヒューズは溶融していないことは確実と考えられる。それでも、複数回のパルス印加で全ヒューズを切断できることがわかる。切断の原因としてはマイグレーション等によると考えるのが妥当であろう。
ヒューズが切断される位置を確認すると、溶断された場合はヒューズ素子の断面積が狭くされた抵抗部分のほぼ中央で切断されている。両端から放熱することを考慮すると温度分布は中央が最も高温に達すると考えられ、切断位置と符合する。複数回のパルス印加で切断されたヒューズの切断位置は中央より負極側に近い位置であり、溶断されたのではないとの解釈と符合する。
図4は、電気パルスの電流を70mA,60mA,50mA,40mAに設定し、繰り返し電気パルスを印加して、切断されるまでの累積パルス時間長と度数の関係を調べた結果である。横軸は切断に至るまでの時間長を切断時間として単位(msec)で示し、縦軸は切断されたヒューズの数を度数(%)で示す。切断時間は、パルス数とパルス幅の積で定義される。パルス幅は、全て1×10−3msecとした。
電流を70mAとすると、90%のヒューズが1回のlパルスで切断され、残りのヒューズが1×10−2msecまでに切断された。電流を60mAとすると、1回のパルスで切断されたヒューズはなかったが、全てのヒューズが1×10−2msecまでに切断された。電流を50mAとすると、1回のパルスで切断されたヒューズはなかったが、全てのヒューズが1msecまでに切断された。電流を40mAとすると、10msecまでに切断されたヒューズはなかったが、全てのヒューズが10msecまでに切断された。電流値が低下すると短い累積時間長ではヒューズが切断されないが、累積時間長を増加すると全ヒューズが切断されることがわかる。
これらの実験結果に基づき、実際のヒューズ切断工程において、電気パルスをどのように設定するかの例を説明する。まず、ヒューズが切断されるまで、評価用のヒューズに電気パルスを複数回繰り返し印加する。ヒューズが切断されるまでに投入された、実効エネルギを見積り、ターゲット切断エネルギを設定する。複数パルスでターゲット切断エネルギを越えられるように、パルスの電流値または電圧値、及びパルス幅を決定する。
複数の電気的パルスは、同一のものである必要はない。電気的パルスの繰り返し印加により、ヒューズ素子の抵抗が次第に増加することを考慮すると、電流は流れにくくなるのであり、徐々に強いパルスを与えるようにした方が、安全であろう。電圧、電流を調整することも可能であるが、現実的にはパルス長を調整することが最も簡単である。
図5は、パルス長の変化の例を示す表である。1回目から14回目のパルスまで、パルス長は0.1msec、0.15msec、0.25msec、0.5msec、1msec、3msec、5msec、10msec、30msec、50msec、100msec、300msec、500msec、1000msecと単調に増大変化させている。後のパルスほどエネルギが高いと考えられる。
図5は、単なる1例であり、パルス強度の変化は様々に選択できる。パルス強度の増大は、段階的でも、線形でも、2乗、3乗等、n乗でも指数関数的でも単調増大するものであればよい。初めの方のパルスは、初めて印加されてもヒューズ素子を溶融しないように選択するのが溶融・蒸発を避ける上で好ましい。後の方のパルスは、ヒューズ素子を溶融できるものであっても使用可能な場合もある。例えば、ヒューズの断面積が十分減少した後であれば、爆発的な溶融・蒸発は生じにくいので、溶融しても害がないことが考えられる。
図6は、ヒューズ素子の切断プログラムを示す。印加するパルスとして,図5に示すパルス列を用いる場合を例にとって、説明する。
ステップS1で、測定準備及び確認を行う。すなわち、測定ヒューズの初期番号を設定し、ヒューズの切断条件を確認する。最初のヒューズをn=1とする。次のステップS2において、測定ヒューズの切断条件を確認し、記憶する。測定ヒューズの番号nを付し、初期抵抗のねらい値を定める。又、ヒューズの切断条件を調整する。ステップS3において、ヒューズの初期抵抗を測定する。この測定は、例えば1mA、1msec以下のパルス条件で行う。
次のステップS4において、測定したヒューズの抵抗がねらい抵抗値の2倍以下であるか否かを確認する。ここでねらい抵抗値の「2倍」としたのは、製造上の歩留まりによる初期不良のヒューズを除くためであり、初期不良のヒューズを測定対象から外す目的を満たせるものであれば、どのような値を設定してもよい。ねらい抵抗値の2倍以下であれば、yesの矢印に従ってパルス回数としてmを、m=1として次のステップS6に進む。測定したヒューズ抵抗がねらい抵抗値の2倍以下でない場合は、noの矢印に従ってステップS5に進み、エラーコメントを記録した後パルス回数mを設定してステップS6に進む。
ステップS6では、図5に示したようなパルス列の条件に従い、印加するパルスの通電時間、電流を設定する。なお、図5の設定では、パルスは14回印加し、14回目のパルスまで印加した時、通電時間の累算は2000msecとなる。各パルスにおいて印加する電流値は、例えば40nA〜100mAの範囲から選択する。ヒューズの条件によっては、選定する電流値はこれより小さい値の場合もある。
ステップS7において、m回目のパルスを印加した後のヒューズ抵抗を測定する。抵抗の測定は、前述同様例えば1mA、1msec以下の条件で行い、切断工程に影響を与えないようにする。ステップS8においてパルス印加回数mが14に達したか、または通電時間の全合計が2000msecに達したか、否かを判断する。印加回数が14未満、または通電時間が20000msec未満であれば、最終パルスは未だ印加されていないので、yesの矢印に従ってステップS9に進む。mが14に達しているか、通電時間が2000msecに達している時は、最終パルスまで印加済みなので、ステップS9をバイパスしてステップS10に進む。
ステップS9においては抵抗値が1MΩ以上か否かを判定する。この抵抗値はヒューズが実質的に切断されたと判断できる程度の高抵抗であればよい。例えば、数100kΩであってもヒューズ切断状態の読出回路にとって十分に高抵抗であればよい。抵抗値が1MΩに達しない時は、ヒューズは切断されておらず、十分高抵抗化もしていないので、さらにパルスを印加するため、noの矢印に従い、パルス数mを1インクリメントしてステップS6に戻り,S7,S8を繰り返させる。
抵抗値が1MΩ以上であれば、高抵抗化ないし切断されたと考えられ、それ以上のパルス印加は不要と判断する。yesの矢印に従ってステップS10に進む。このようにして、プログラムされた一連のパルス印加の途中でヒューズが切断された時は、その後のパルス印加は停止される。
ステップS10においては、測定結果を記憶し、打ち出す。すなわち、測定ヒューズ番号、初期抵抗値(エラーコメントがある場合はエラーコメントも記憶する。)、m回の通電時間及び合計通電時間、m回の電圧または電流、及び抵抗の変化等を記憶する。
ステップS11においてヒューズ番号nが最終ヒューズ番号nMAXに達したか否かを判断する。最終サンプルnMAXに達している時は、処理が終了したことになるのでyesの矢印に従って終了する。サンプル番号nが最終サンプル番号nMAXに達していない時は、noの矢印に従ってステップS2に戻り、nを1インクリメントして、次のヒューズ素子の処理を開始させる。
図7は、図6に示すプログラムに従ってヒューズ素子を切断した時の結果を示すグラフである。横軸はパルス電流値を示し、縦軸は切断に至るまでの累積通電時間を示す。電流値を大きく選択すると、1回目のパルスでヒューズ素子は切断されているが、パルス電流を低く選択しても、複数回のパルス印加によりヒューズ素子は切断されている。
図8Aは、ヒューズ素子を用いたメモリ回路の構成例を示す。このメモリ回路では、ヒューズ素子Fと切断用トランジスタT1に加え、シフトレジスタSRで切断を制御している。シフト信号と切断信号を入力されるフリップフロップFFと、情報読み出し信号の結果によって、フリップフロップFFの出力もしくはトランジスタT1のON/OFF結果のうちいずれかの信号を出力する選択回路SELが設けられる。さらに、ヒューズ素子Fの抵抗測定用トランジスタT2が設けられている。切断用トランジスタT1は、電源電圧と接地電圧間に接続され、ヒューズ素子Fと直列に接続されており、クロック信号と切断信号の結果に応じて作動するようになっている。抵抗測定用のトランジスタT2は、ヒューズ素子Fの初期抵抗や抵抗変化などを測定するための通電に使用し、ヒューズ素子Fが切断されないような微弱電流を流すことができる。
図8Bは、選択回路SELの真理値表である。入力Sが0の時は、入力Aが出力Oに表われ、入力Sが1の時は入力Bが出力Oに現れる。情報読み出し信号として選択回路SELの入力Sにローの電圧を印加した状態では、シフト信号に従ってフリップフロップFFの出力が次段に伝えられ、シフトレジスタ接続となる。そのため、切断信号に基づき、シフト信号に同期してヒューズの抵抗値を表す情報信号を、n回送ることができる。
図8Cは、切断時の動作を示すタイミングチャートである。シフト信号にn回パルスを与えた結果、各ビットのフリップフロップの出力Qには各ビットのヒューズの切断/非切断の情報が表われる。クロック信号が複数回の通電時以外は0となっているので、NAND回路により切断トランジスタT1を駆動する。そしてヒューズに通電される。これを繰り返すことで、ヒューズを切断することができる。この動作をm回繰り返し、m度のパルス電流を流して切断をすることができる。また、シフト信号の時間長で切断パルス長をコントロールすることもできる。
m回繰り返すと、クロック信号がONになる。すると、NAND回路により、次回は切断用トランジスタは駆動されないので、連続パルスは中断される。
図8Dは、ヒューズの切断/非切断を確認する時の動作時のタイミングチャートである。情報読み出し信号は当初ハイにし、1回パルスを与えると各ビットのヒューズの切断/非切断情報が、次段のフリップフロップに書き込まれる。最終ビットは情報信号として表れる。その後、情報読み出し信号はローに変換される。フリップフロップはシフトレジスタ接続となる。シフト信号にn−1回のパルスを与えると、それに同期して各ビットのヒューズの切断/非切断の情報が情報信号に現れる。
以上、実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組合せ等が可能なことは当業者に自明であろう。
ヒューズ回路の構成を示す等価透過回路図である。 ヒューズ回路の構成を示す平面図及び断面図である。 ヒューズ切断時のゲートの電位及びヒューズの電位を示すオシログラフの写真である。 複数回の電気的パルスを印可した時のヒューズ切断の度数を示すグラフである。 複数回のパルスを印加してヒューズを切断した時の切断時間に対する度数の変化を示すグラフである。 複数回のパルスをどのように印加するかの例を示す表である。 ヒューズ切断プログラムを示すフローチャートである。 図6のプログラムに従ってヒューズを切断した時のパルス電流と切断に至るまでの累積時間の関係を示すグラフである。 メモリ回路の構成例を示す等価回路図、セレクタの動作を示す真理値表である。 メモリ回路の動作のタイミングチャートである。
符号の説明
A ヒューズ回路、1 ヒューズ素子、3 切断トランジスタ、5a ドレイン端子、5b ソース端子、5c ゲート端子5c、Vp パルス電圧、SR シフトレジスタ、
DD 電源電圧、

Claims (6)

  1. 導電性材料で形成されたヒューズ素子に対し、1回で溶融破断できるエネルギ未満であり、固相のマイグレーションを生じさせるエネルギを持つ電気的パルスを、繰り返し印加して、前記ヒューズ素子を切断ないし高抵抗化する工程を含む、ヒューズ素子の切断ないし高抵抗化方法。
  2. 前記電気的パルスのエネルギが、パルス回数とともに単調増大するように設定されている請求項1記載のヒューズ素子の切断ないし高抵抗化方法。
  3. 前記電気的パルスのエネルギは、パルス長によって調整されている請求項2記載のヒューズ素子の切断ないし高抵抗化方法。
  4. 前記電気的パルスは、繰り返し印加しても前記ヒューズ素子を溶融しないようにパルス間隔が設定されている請求項1〜3のいずれか1項記載のヒューズ素子の切断ないし高抵抗化方法。
  5. さらに、予め種々のエネルギの電気的パルスを繰り返し印加し、ヒューズ素子の切断ないし高抵抗化のための電気的パルスの条件を検出する工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載のヒューズ素子の切断ないし高抵抗化方法。
  6. 前記電気的パルスは、前記ヒューズ素子に接続されたトランジスタを、シフトレジスタにより所定回数駆動させ、その後当該トランジスタをオフすることで、印加する請求項5記載のヒューズ素子の切断ないし高抵抗化方法。
JP2006081166A 2006-03-23 2006-03-23 ヒューズ素子の切断ないし高抵抗化方法 Expired - Fee Related JP4893050B2 (ja)

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