JP4946133B2 - ヒューズ素子切断手順の決定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒューズ素子切断手順の決定方法に関する。
半導体基板上に形成されたヒューズ素子を切断するためには、通常の電子回路の動作電力に比べて大きな電力が必要とされる。MOSFETをヒューズ素子に直列に接続して、ヒューズ素子を溶断するのに必要な大きな電流を流すためには、ゲート幅を広くしなければならない。一般に、ヒューズ素子を切断するために必要な電流をMOSFETで得るためには、そのゲート幅を、通常のディジタル処理に利用されるMOSFETのゲート幅の数十倍〜数百倍にしなければならない。ゲート幅を広くすると、MOSFETの占有面積が大きくなり、高集積化に適さない。特許文献1に、ヒューズ素子に接続されるスイッチング素子として、電流駆動能力の大きなバイポーラトランジスタを用いた回路が開示されている。
特許文献2に、基板上に形成された寄生バイポーラトランジスタのコレクタ電流によりヒューズ素子を溶断する回路が開示されている。特許文献3に、NMOSFETのアバランシェ降伏現象を用いてヒューズ素子を溶断する回路が開示されている。特許文献4に、基板上に形成された寄生サイリスタのラッチアップ現象を利用してヒューズ素子を溶断する回路が開示されている。
特許文献5に、ヒューズ素子をレーザビームで切断する方法が開示されている。レーザビームの入射位置ずれ等により、完全には切断されず、微小な電流が流れ続ける場合がある。特許文献5に開示された方法によると、レーザビーム照射後に切断の良否を検査し、切断不良と判定されたヒューズ素子に電気パルスを印加する。これにより、切断不良箇所が溶断され、切断不良が解消する。
特開平7−307389号公報 特開平10−189741号公報 特開昭63−299139号公報 特開昭59−105354号公報 特開平11−203888号公報
ヒューズ素子を切断するのに十分な電流を流すか、または十分なパワーのレーザビームを照射すると、急激な発熱によりヒューズ素子が溶融し蒸発する。ヒューズ素子を構成する材料の溶融物が飛散し、ヒューズ素子に接続されている他の素子や、ヒューズ素子を覆う絶縁膜が損傷を受ける場合がある。特に、ヒューズ素子の上部を覆っている層間絶縁膜や保護膜の一部が飛散したり、これらの膜にクラックが発生したりすると、半導体装置の信頼性が低下してしまう。また、飛散物がヒューズ素子周辺に付着すると、電気回路が短絡されてしまう場合もある。
層間絶縁膜等の物理的な破壊までには至らない場合であっても、ヒューズ素子を切断する時に発生する熱は、温度の急激な上昇及び下降による熱的ストレス発生の原因になる。この熱的ストレスは、例えば配線抵抗の変動や電子回路の信頼性低下をもたらす。
本発明の目的は、装置の信頼性低下を回避することができるヒューズ素子の切断手順の決定方法を提供することである
本発明の一観点によると、(a)半導体基板上に形成された評価用ヒューズ素子に、該評価用ヒューズ素子が切断されるまで電気パルスを複数回印加する工程と、(b)前記工程aで前記評価用ヒューズ素子に与えられた電気エネルギの総量を求める工程と、(c)前記工程bで求められた電気エネルギの総量に基づいて、前記評価用ヒューズ素子と同一の切断特性を持ったヒューズ素子を切断するための電気エネルギの総量に相当する切断閾値を決定する工程と、(d)切断すべきヒューズ素子に印加する電気パルスの電圧及び電流の少なくとも一方、パルス幅、及びパルス数を、切断すべきヒューズ素子に投入される電気エネルギの総量が前記切断閾値以上になるように決定する工程とを有し、前記複数回印加される電気パルスの間隔は先に印加されたパルスによって上昇した温度が元に戻る時間に設定されるヒューズ素子切断手順の決定方法が提供される。
電気パルスを複数回印加するため、1パルス当たりのエネルギを小さくすることが可能になる。これにより、ヒューズ切断時の温度上昇が緩和され、ヒューズ周辺の素子や絶縁膜に与える影響を軽減することができる。このため、上層のヒューズ素子と下層のヒューズ素子とを重ねて配置することが可能になる。ヒューズ素子に幅の狭い部分を設けることにより、切断しやすくなる。ヒューズ素子に折れ曲がり箇所や渦巻状部分を設けることにより、ヒューズ素子の実効長を長くすることができる。
まず、本発明の実施例によるヒューズ素子の基本的な切断原理について説明する。1度の電気パルスによりヒューズ素子を切断するためには、1パルス当たり大きなパワーが必要とされる。実施例においては、複数の電気パルスを印加して繰り返し熱ストレスを生じさせ、繰り返し熱ストレスによるヒューズ素子構成材料のマイグレート現象を利用してヒューズ素子を切断する。この場合、1度の電気パルスで切断する方法に比べて、1つずつの電気パルスのエネルギは少なくてよいと考えられる。
1度の電気パルスでヒューズ素子を切断するために必要十分な1パルス当たりのエネルギを切断閾値Ethとする。複数の電気パルスを印加してヒューズ素子を切断する場合には、印加される各電気パルスのエネルギの合計Etotalが切断閾値Eth以上であることが切断の条件になると考えられる。例えば、ヒューズ素子を1度の電気パルスで切断するために、5×10−7Jのエネルギが必要である場合、このヒューズ素子を切断するには、2.5×10−7Jの電気パルスを2度印加すればよいと考えられる。また、電気パルスをn回印加して切断する場合には、各電気パルスのエネルギを(5×10−7/n)Jとすればよいと考えられる。
なお、複数回印加される電気パルスのエネルギを等しくする必要はなく、合計が5×10−7J以上になるようにすればよい。例えば、1度目の電気パルスのエネルギを2×10−7Jにし、2度目の電気パルスのエネルギを3×10−7Jにしてもよい。電気パルスをn回印加する場合にも、すべての電気パルスのエネルギを等しくする必要はない。
電気パルスの印加回数をn(nは2以上の整数)とし、すべての電気パルスのエネルギを等しくすると、1パルス当たりのエネルギを、切断閾値Ethの1/nに減少させることができる。これにより、ヒューズ素子の溶融による飛散現象が生じにくくなり、ヒューズ素子周辺の素子や絶縁膜への影響を軽減することができる。
すべての電気パルスの電気エネルギを等しくする場合に、1パルス当たりのエネルギを切断閾値Ethの1/nに等しくする必要はなく、Eth/n以上にすればよい。例えば、1パルス当たりのエネルギを切断閾値Ethの60%にした場合には、2回の電気パルスの印加により切断され、切断閾値Ethの30%にした場合には、4回の電気パルスの印加により切断される。
1つの電気パルスのエネルギは、電圧と電流とパルス幅(時間幅)との積であるから、1度の印加でヒューズ素子を切断可能なエネルギを持つ電気パルスを複数の電気パルスに分割する方法として、電気パルスの電圧または電流を小さくする方法、及びパルス幅を短くする方法が考えられる。なお、両者を組み合わせて、電圧または電流を小さくし且つパルス幅を短くしてもよい。
図1を参照して、第1の実施例によるヒューズ素子の切断方法について説明する。第1の実施例では、パルス幅を調節することにより、1パルス当たりのエネルギを変化させた。印加する電気パルスの間隔は、先に印加した電気パルスによる温度上昇の影響を受けないようにするために、ヒューズ素子が十分冷えた状態で次の電気パルスの印加を行った。具体的には、電気パルスの間隔を数秒〜数十秒とした。
図1に、種々のパルス幅について、ヒューズ素子を切断するまでに要したパルス数と、そのパルス数で切断されたヒューズ素子の割合との関係を示す。図1の横軸は、切断までに要したパルス数を表し、縦軸は、切断されたヒューズ素子の割合を表す。なお、ヒューズ素子は、ポリシリコン層と金属シリサイド層との2層構造とし、全数を5000個とした。図中の黒丸、白丸、三角、正方形、及び菱形は、それぞれ印加した電気パルスのパルス幅が1200ns、860ns、600ns、480ns、及び250nsの場合を示す。なお、いずれのパルス幅の場合も、電圧及び電流の条件は同一とした。
パルス幅が1200nsの時、1回の電気パルスの印加ですべてのヒューズ素子が切断された。このときにヒューズ素子に与えられた電気エネルギをE(1200)とする。
パルス幅を860nsにすると、1回の電気パルスの印加で4050個のヒューズ素子が切断され、残りの950個のヒューズ素子は、2回または3回の電気パルスの印加で切断された。切断に要する電気パルス数にばらつきが生ずるのは、ヒューズ素子の幅、膜厚、ヒューズ素子を形成するポリシリコンや金属シリサイドのグレイン形状及び大きさ、ヒューズ素子の側壁の形状、ヒューズ素子周囲の絶縁膜の厚さ等のばらつきにより、切断特性がばらついたためと考えられる。
ヒューズ素子の切断特性のばらつきを考慮すると、本実験で用いた電圧及び電流条件の下で、ヒューズ素子を1回の電気パルスの印加で再現性よく切断するための電気パルスのパルス幅は、約1200nsであると推定できる。すなわち、ヒューズ素子の切断閾値Ethは、パルス幅1200nsの電気パルスの持つエネルギに等しいと推定できる。ヒューズ素子を切断するための必要十分なパルス幅は、統計的に十分なサンプル数のヒューズ素子に種々のパルス幅の電気パルスを印加して切断実験を行うことにより推定することができる。
パルス幅が600nsの場合には、1回の電気パルスの印加で切断されるものが全体の約15%である。2回の電気パルスの印加で切断されるものが最も多く、その数は全体の約70%である。パルス幅が600nsの電気パルスのエネルギは、パルス幅が1200nsの電気パルスのエネルギの1/2である。従って、パルス幅600nsの電気パルスを2回印加すると、ヒューズ素子に投入される合計のエネルギが、切断閾値Ethに等しくなる。すなわち、合計の投入エネルギが切断閾値Ethとなるように2回の電気パルスを印加すると、約85%のヒューズ素子を切断することができる。残りの15%のヒューズ素子は、3回の電気パルスの印加により切断された。2回の電気パルスの印加で切断されなかった理由は、製造上のばらつきであると考えられる。
パルス幅を480nsにした場合について考察する。パルス幅を480nsにすると、理想的には、3回の電気パルスの印加により、投入されたエネルギの合計が切断閾値Ethを超える。すなわち、3回の電気パルスの印加により、ほとんどのヒューズ素子が切断されると予測される。ところが、実際には、3回の電気パルスの印加では切断されず、80%以上のヒューズ素子が切断されるまでに7回の電気パルスの印加が必要であった。10回の電気パルスの印加により、すべてのヒューズ素子が切断された。このように、切断に必要なパルス数が、切断閾値Ethに基づいて予測したパルス数よりも多かった。同様に、パルス幅を250nsにした場合にも、切断に必要なパルス数が、予測値よりも多かった。
図2を参照して、切断に必要なパルス数が予測値よりも多くなった理由について説明する。
図2(B)に、ヒューズ素子及びその切断回路の等価回路図を示す。ヒューズ素子FuとNチャネルMOSトランジスタTrとの直列回路のヒューズ素子Fu側の端子に5Vの電源電圧が印加され、MOSトランジスタTrのソース端子が接地されている。MOSトランジスタTrのゲート電極に印加される電圧をV、ヒューズ素子FuとMOSトランジスタTrとの相互接続点の電位をVとする。MOSトランジスタTrのゲート電極に電気パルスを印加するとMOSトランジスタTrが導通し、ヒューズ素子Fuに電流が流れる。ヒューズ素子Fuに投入されたエネルギが切断閾値Eth以上になるとヒューズ素子Fuが切断される。
図2(A)にパルス電圧V及び電位Vの波形を示す。横軸は経過時間を表し、縦軸は電位を表す。ゲート電極に印加されるパルス電圧Vは、方形波のように急峻に立ち上がるのではなく、実際にはある時定数で立ち上がり、その後定常状態になる。パルス電圧Vが立ち上がると、ヒューズ素子Fuに電流が流れ始めるため、電位Vが急激に低下する。電位Vは、電源電圧から、ヒューズ素子Fuによる電圧降下分だけ低下したところで一旦平衡状態になる。ヒューズ素子Fuが切断されると、電位Vは接地電位まで急激に低下し、その後接地電位を維持する。
パルス幅が、パルスの立ち上がり時間に比べて十分長い場合には、立ち上がり部分の影響を無視することができる。ところが、パルス幅が480ns及び250ns程度まで短くなると、立ち上がり部分の影響を無視できなくなると考えられる。例えば、パルス電圧が立ち上がった後、定常状態になる前に立ち下がってしまう。このため、ヒューズ素子Fuに流れる電流も、定常状態になる前に減少してしまう。これにより、当初予測されたパルス数よりも多くの電気パルスを印加しなければならなくなったと考えられる。
パルス幅を250nsにした場合、電気パルスの印加回数を15〜20回にすると、ヒューズ素子を切断することができる。これは、パルス幅250nsの電気パルスは、切断閾値Ethの1/15〜1/20程度のエネルギを持っていると考えられる。このように、1パルス当たりのエネルギが切断閾値Ethにくらべて1桁程度低い場合であっても、電気パルスの印加回数を多くすることにより、ヒューズ素子を切断することが可能である。
図1において、パルス幅を480ns以下にした場合は、電圧が定常状態に到達する前に立ち下がるのであるから、パルス幅の短縮化と同時に、パルス電圧を低くしたとも考えられる。すなわち、ヒューズ素子に印加する電圧を低くしても、印加するパルス数を増加させることにより、ヒューズ素子を切断できることがわかる。
次に、図3を参照して、第2の実施例について説明する。第2の実施例では、パルス幅を一定にし、ヒューズ素子に流す電流の大きさを変えて、切断に至るまでの実効時間を評価した。図3の横軸は、切断に至るまでの実効時間を、単位「ms」で表し、縦軸は、切断されたヒューズ素子の割合を、単位「%」で表す。ここで、「切断に至るまでの実効時間」は、電気パルスの印加回数とパルス幅との積で定義される。図中の丸、三角、正方形、及び菱形は、それぞれヒューズ素子に流す電流が70mA、60mA、50mA、及び40mAの場合を示す。いずれの場合も、パルス幅は1×10−3msである。
電流を70mAとすると、切断までの実効時間が1×10−3msのものが約90%であり、残りの10%のヒューズ素子は、実効時間1×10−2msまでにすべて切断された。電流を60mAにすると、実効時間1×10−3msまでに切断されたものは無かったが、実効時間1×10−2msまでに100%のヒューズ素子が切断された。電流を少なくすると、切断までの実効時間が長くなる。
例えば、電流を40mAにすると、実効時間1000msまでに約90%のヒューズ素子が切断される。例えば、パルス幅1200ns、電流40mAの電気パルスを印加する場合には、切断に要するパルス数が834回になると推測される。また、図3から、電流を40mAにしてすべてのヒューズ素子を切断するためには、実効時間を10000msにしなければならないことがわかる。パルス幅を250nsにし、実効時間を10000msにするためには、印加すべきパルス数が40000回になる。
以下、第1及び第2の実施例によるヒューズ素子の切断方法をまとめる。まず、評価用のヒューズ素子に、切断されるまで電気パルスを複数回印加する。ヒューズ素子が切断されるまでに投入された電気エネルギの総量から切断閾値Ethを決定する。ヒューズ素子に与えられる電気エネルギの総量が切断閾値以上になるように、電気パルスの電圧または電流、パルス幅、及びパルス数を決定する。決定された条件で、実際に切断すべきヒューズ素子に電気パルスを印加し、切断の処理を行う。
次に、図4〜図6を参照して、第3の実施例について説明する。上記第1の実施例では、ヒューズ素子が切断されるまでに印加する電気パルスのパルス幅を一定にしたが、第3の実施例では、時間の経過と共にパルス幅を変化させる。
図4に、第3の実施例によるヒューズ切断方法のフローチャートを示す。まず、ステップS1で、切断すべきヒューズ素子の初期抵抗値を測定する。抵抗値測定のためにヒューズ素子に流すパルス電流の大きさは1mA以下、パルス幅は1ms以下である。ステップS2において、ヒューズ素子の初期抵抗値と目標抵抗値とを比較する。初期抵抗値が目標抵抗値の2倍以下であれば、ステップS3に進み、初期抵抗値が目標抵抗値の2倍よりも大きい場合には、ステップS4でエラーコメントを出力して、ステップS3に進む。ここで、初期抵抗値が目標抵抗値の2倍としたのは、初期不良による歩留まりの低下を防止するためであり、「2倍」の代わりに、任意の適当な値に設定することが可能である。
ステップS3で、変数mに1を代入する。変数mは、ヒューズ素子に印加する電気パルスが何回目のパルスであるかを示す。ステップS5において、ヒューズ素子に第m回目の切断パルスを印加する。
図5に、第m回目の切断パルスのパルス幅、及び第m回目のパルスを印加した時までの通電時間の累積値を示す。電気パルスの印加回数が増えるに従って、パルス幅が長くなるように決められている。ここでは、m=1であるため、パルス幅0.1msの電気パルスをヒューズ素子に印加する。ステップS6において、ヒューズ素子の抵抗値を測定する。抵抗値の測定条件は、ステップS1で初期抵抗値を測定した条件と同一である。
ステップS7において、ヒューズ素子への通電時間の合計が2000ms以下か否かを判定する。通電時間の合計は、図5に示した変数mと通電時間の累積値との関係から容易に算出することができる。通電時間の合計が2000ms以上のとき、ステップS10に進み、2000ms未満のとき、ステップS8に進む。ステップS8で、ヒューズ素子の抵抗値が1MΩ以上か否かを判定する。ヒューズ素子の抵抗値が1MΩ以上のとき、ヒューズ素子が切断されたと判断され、ステップS10に進む。ステップS10において、ヒューズ素子の抵抗値の測定結果を記録して、切断処理を終了する。
ステップS8において、ヒューズ素子の抵抗値が1MΩ未満であった場合、すなわち、ヒューズ素子が未だ切断されていないと判断された場合、ステップS9で変数mに1を加算して、ステップS5に戻る。このようにして、通電時間の合計が2000ms以上になるか、またはヒューズ素子が切断されたと判定されるまで、電気パルスの印加と抵抗値の測定とを繰り返す。印加する電気パルスのパルス幅は、図5に示したように、印加回数が増加するに従って長くなる。
図4及び図5に示した切断処理を、多数のヒューズ素子について実行した。その結果を図6に示す。
図6は、ヒューズ素子に流したパルス電流の大きさと、切断に至るまでの累積時間との関係を示す。横軸はパルス電流を単位「mA」で表し、縦軸は、切断に至るまでの累積時間を単位「ms」で表す。図6においては、多数の評価用試料を、印加したパルス電圧によってグループ分けしている。ヒューズ素子に印加したパルス電圧は、2.1V、2.3V、2.5V、2.7V、3.0V、及び3.5Vの中から選択した。各グループ内でパルス電流の大きさがばらついているのは、評価用ヒューズ素子の初期抵抗値がばらついているためである。
パルス電流の大きさが45mA以上であれば、パルス幅0.1msの電気パルスを1回印加することにより、ヒューズ素子が切断されることがわかる。パルス電流を小さくすると、切断に至るまでの累積時間が長くなる。特に、パルス電流が42mAよりも小さくなると、切断に至るまでの累積時間が急激に長くなっている。電気パルスのパルス幅を一定にする場合、急激に長くなった累積時間分の電気パルスを印加するには、パルス数を急激に増加させなければならない。パルス数の急激な増加により、ヒューズ素子を切断するための処理時間が極端に長くなる。例えば、パルス幅を0.25msにし、パルス間隔を0.25msにした場合、2000msの累積時間を達成するには、4000msの処理時間が必要とされる。
図5に示したように、パルス幅を段階的に長くしていくと、2000msの累積時間を達成するまでの処理時間は、2003.5msになる。このように、電気パルスの印加回数の増加に従って、パルス幅を長くすることにより、処理時間を短くすることが可能になる。
電気パルスのパルス幅は、図5に示した例に限らず、種々の数列にすることができる。例えば、第m番目の電気パルスのパルス幅をA×2にしてもよいし、より一般的にA×iにしてもよい。そのほかに、第m番目の電気パルスのパルス幅をA×mにしてもよい。ここで、A及びiは、任意の定数である。
また、パルス間隔を一定にしてもよいし、パルス幅が長くなるに従って、パルス間隔を長くしてもよい。ただし、パルス間隔をパルス幅と同程度まで長くしてしまうと、処理時間の短縮化という効果が得られなくなってしまう。例えば、パルス間隔は、先に印加された電気パルスによって上昇した温度が元に戻るまでの時間に設定してもよい。
第3の実施例では、図4に示したステップS8においてヒューズ素子が切断されたか否かが判定される。判定の基準となる抵抗値は、図4にて1MΩとしているが、実質的に切断されたと判断される程度に高抵抗であればよい。例えば、数百kΩであっても、読み出し回路にとって十分な高インピーダンスであれば、実質的にヒューズは切断されたと判断される。数十Ωから数百Ω程度のトリミング回路のときは、ヒューズ抵抗が数kΩ〜数十kΩであれば実質的に切断されたと判断される。切断されたと判定された場合には、その後の電気パルスの印加が行われない。このため、不要な電気パルスの印加を防止することができる。これにより、切断に要する時間の短縮化を図ることが可能になる。
次に、実際の半導体装置に組み込まれるヒューズ素子とそれを切断するための回路について説明する。基本的な回路構成は、図2(B)に示した等価回路と同じである。なお、電源電圧は5Vである必要はない。ヒューズ素子Fuに流れる電流は、ヒューズ素子Fuの抵抗値、MOSトランジスタTrの導通状態における抵抗値、及び電源電圧に依存する。ヒューズ素子Fuが切断されると、MOSトランジスタTrのゲート電極にパルス電圧が印加されても、ドレイン電流は流れない。
図2(B)では、ヒューズ素子FuとMOSトランジスタTrとを直列接続したひと組のヒューズ回路を示しているが、ひとつの半導体集積回路装置に複数組のヒューズ回路を形成してヒューズアレイを構成してもよい。また、複数個のヒューズ素子に1個の切断用トランジスタを用意してもよい。この構成では、1つのヒューズ素子に投入される1パルス当たりのエネルギが小さくなるが、電気パルスを複数回印加することにより、複数のヒューズ素子をほぼ同時に切断することができる。
一つのヒューズ素子に対して複数個の切断用トランジスタを配して、大きな切断用電流を流すことも可能である。また、切断用トランジスタをCMOS構成としてもよいし、バイポーラトランジスタで構成してもよい。そのほかに、ラッチ回路を用いて、切断用トランジスタのゲート電圧を高電圧状態に保つ時間を長くし、切断電流が流れるパルス長を長くするようにして、複数回に分けて切断電流が流れるようにしてもよい。
ヒューズ素子に印加される切断用の電気パルスを、パルス信号発生器で形成するようにしてもよい。パルス信号発生器で生成される電気パルスを、半導体集積回路装置のクロック信号に同期させてもよい。また、分周期等を用いてクロック信号の周波数を変換し、変換された信号に、切断用の電気パルスを同期させてもよい。遅延回路を設けて、切断用の電気パルスをクロック信号から遅延させてもよい。
また、ヒューズ素子が切断されたか否かを確認する導通状態確認回路を付加してもよい。導通状態確認回路からの信号をフィードバックして、ヒューズ素子が切断された後には、切断用の電気パルスがヒューズ素子に印加されないような回路構成としてもよい。また、この制御をプログラムで行ってもよい。
図7に、第4の実施例によるヒューズ素子及び切断用トランジスタを含む半導体装置の平面図を示す。ウェルタップ3、MOSトランジスタ2、及びヒューズ素子1が、半導体基板上に配置されている。MOSトランジスタ2は、ゲート電極2G、及びその両側のソース領域2Sとドレイン領域2Dとを含んで構成される。ヒューズ素子1の一端が、コンタクトホールCH1を介して上層の電源線6に接続される。ヒューズ素子1の他端とドレイン領域2Dとが、コンタクトホールCH2、上層の相互接続配線5、及び複数のコンタクトホールCH3を介して、相互に接続される。
ソース領域2S及びウェルタップ3が、それぞれ複数のコンタクトホールCH4及び複数のコンタクトホールCH5を介して、上層の接地線4に接続される。ゲート電極2Gが、コンタクトホールCH6を介して、上層の配線7に接続される。
図8に、図7の一点鎖線A8−A8における断面図を示す。p型シリコンからなる半導体基板10の表面に、素子分離絶縁膜11が形成され、複数の活性領域が画定されている。半導体基板10の表層部に、p型ウェル12及びn型ウェル13が形成されている。p型ウェル12内に、2つの活性領域が配置される。n型ウェル13は、素子分離絶縁膜11の下方に配置される。
p型ウェル12内の一つの活性領域の表層部にp型のウェルタップ3が形成されている。もう一方の活性領域内に、NチャネルMOSトランジスタ2が形成されている。MOSトランジスタ2は、ソース領域2S、ドレイン領域2D、及びゲート電極2Gを含んで構成される。素子分離絶縁膜11の上に、ヒューズ素子1が形成されている。基板の法線に平行な視線で見たとき、n型ウェル13は、ヒューズ素子1を内包するように配置される。ゲート電極2G及びヒューズ素子1は、ポリシリコン層と高融点金属シリサイド層とが積層された2層構造を有する。
ヒューズ素子1、MOSトランジスタ2、及びウェルタップ3を覆うように、層間絶縁膜20が形成されている。層間絶縁膜20は、リンケイ酸ガラス(PSG)層とボロンリンケイ酸ガラス(BPSG)層との2層構造を有し、その合計の厚さは0.6〜0.8μmである。層間絶縁膜20に、コンタクトホールCH1〜CH5が形成されている。コンタクトホールCH1及びCH2は、それぞれヒューズ素子1の両端の端子上に配置されている。コンタクトホールCH3、CH4、及びCH5は、それぞれ基板の法線に平行な視線で見たとき、ドレイン領域2D、ソース領域2S、及びウェルタップ3の内部に位置する。これらのコンタクトホールCH1〜CH5内に、導電プラグが充填されている。導電プラグは、例えばタングステンで形成される。なお、コンタクトホールCH1〜CH5の内面上に、TiN、TiON等からなる密着層を形成してもよい。
層間絶縁膜20の上に、接地線4、相互接続配線5、及び電源線6が形成されている。これらの配線は、Al、AlSi合金、AlSiCu合金等で形成される。その他に、Cu、CuCr合金、CuZr合金、CuPd合金等で形成してもよい。これらの配線の下に、Ti、TiN、TiON等のバリア層を配置してもよい。さらに、配線の上に、Ti、TiN等のキャップ層を配置してもよい。
接地線4は、コンタクトホールCH4内の導電プラグを介してソース領域2Sに接続されると共に、コンタクトホールCH5内の導電プラグを介してウェルタップ3に接続されている。相互接続配線5は、コンタクトホールCH2及びCH3内の導電プラグを介して、ヒューズ素子1の一方の端子とドレイン領域2Dとを接続する。電源線6は、コンタクトホールCH1内の導電プラグを介して、ヒューズ素子1の他方の端子に接続されている。保護膜25が、接地線4、相互接続配線5、及び電源線6を覆う。保護膜25は、例えば酸化シリコン層と窒化シリコン層との2層構造を有し、その合計の厚さは0.8〜1.4μmである。
次に、図9(A)〜図9(E)を参照して、上記第4の実施例による半導体装置の製造方法について説明する。
図9(A)に示すように、p型シリコンからなる半導体基板1の表面の一部の領域に、酸化シリコンからなる厚さ500nmの素子分離絶縁膜11を形成する。素子分離絶縁膜11は、例えばLOCOS法により形成される。なお、シャロートレンチアイソレーション(STI)法によって形成してもよい。イオン注入により、p型ウェル12及びn型ウェル13を形成する。素子分離絶縁膜11を形成するときに用いた耐酸化性マスクを除去して活性領域に半導体基板10の表面を露出させる。熱酸化することにより、活性領域の表面に酸化シリコン膜15を形成する。MOSトランジスタが形成される活性領域の酸化シリコン膜15は、ゲート絶縁膜になる。
なお、酸化シリコン膜15の代わりに、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との2層構造、酸化タンタル膜と酸化シリコン膜との2層構造、または2層の酸化シリコン膜の間に窒化シリコン膜が挟まれた3層構造の膜を用いてもよい。また、これらの積層膜中の窒化シリコン膜の代わりに、酸窒化シリコン膜を用いてもよい。窒化シリコン膜は、例えば、熱酸化により形成された酸化シリコン膜を、NガスまたはNOガス中で熱処理して窒化することにより形成される。その他に、原料ガスとしてテトラエチルオルソシリケート(TEOS)、酸素(O)またはオゾン(O)、及びNOを用いたプラズマ励起型CVDやECRプラズマを用いたCVDにより形成することも可能である。窒化シリコン膜の表層のみを、酸化性雰囲気中で熱酸化することにより、2層の酸化シリコン膜の間に窒化シリコン膜が挟まれた3層構造を形成することも可能である。
図9(B)に示すように、基板の最表面上に、シラン(SiH)と窒素(N)とを用いた化学気相成長(CVD)によりポリシリコン層16を形成する。成長条件は、下記の通りである。
シランと窒素との流量比:20:80
ガス流量:200sccm
圧力:30Pa
基板温度:600℃
成長時の基板温度を上記温度よりも低くすると、アモルファスシリコンが堆積する。アモルファスシリコンが堆積した後に基板を加熱して、多結晶化させてもよい。また、アモルファスシリコン層をそのまま用いてもよい。ポリシリコン層16の厚さの好適な範囲は20〜1000nmであり、より好適な範囲は80〜200nmである。ポリシリコン層16に、不純物濃度が1×1020cm−3になるように、リン(P)を一様に拡散させる。拡散温度は、例えば800〜900℃とする。なお、拡散工程前に、ポリシリコン層16の表面に形成されている自然酸化膜をバッファードフッ酸等で除去することが好ましい。
ポリシリコン層16の上に、タングステンシリサイド(WSi)等からなる高融点金属シリサイド層17を形成する。高融点金属シリサイド層17の厚さの好適な範囲は25〜500nmであり、より好適な範囲は80〜200nmである。高融点金属シリサイド層17は、例えば、スパッタリングまたはCVDにより形成することができる。高融点金属シリサイド層17を、WSi以外に、MoSi、TiSi、TaSi等で形成してもよい。高融点金属シリサイド層17の代わりに、金属の層を形成してもよい。用いることができる金属の例として、Mo、Ti、Ta、W等の高融点金属、Co、Cr、Hf、Ir、Nb、Pt、Zr、Ni等の遷移金属等、及びこれらの金属の合金が挙げられる。
1100℃で10秒間のラピッドサーマルアニール(RTA)を行い、ポリシリコン層16及び高融点金属シリサイド層17の低抵抗化を図る。この熱処理により、ポリシリコン層16の高融点金属シリサイド層17との界面での剥離を防止することができる。アニール時間の好適な範囲は、1〜120秒であり、より好適な範囲は5〜30秒である。アニール温度の好適な範囲は800〜1150℃であり、より好適な範囲は900〜1100℃である。RTAの代わりに、電気炉を用いて熱処理を行ってもよい。この場合の熱処理時間の好適な範囲は5〜90分であり、より好適な範囲は15〜30分である。
図9(C)に示すように、ポリシリコン層16及び高融点金属シリサイド層17をパターニングし、この2層からなるゲート電極2G及びヒューズ素子1を残す。この2層のエッチングは、例えばECRプラズマエッチング装置を用いて行うことができる。エッチングガスとして、例えば塩素(Cl)と酸素(O)との混合ガスを用いる。
図9(D)に示すように、ゲート電極2Gをマスクとして、その両側の基板表層部にリンイオンを注入し、低濃度ドレイン(LDD)構造の低濃度領域2Sa及び2Daを形成する。p型ウェル12内のもう一つの活性領域の表層部にボロンイオンを注入することにより、ウェルタップ3を形成する。ウェルタップ3へのボロンの注入は、PチャネルMOSトランジスタ(図示せず)のLDD構造の低濃度領域へのイオン注入と同時に行われる。
図9(E)に示すように、ゲート電極2G及びヒューズ素子1の側面上に、酸化シリコンからなるサイドウォールスペーサ18を形成する。ゲート電極2G及びその側面上のサイドウォールスペーサ18をマスクとして、その両側の基板表層部にリンイオンを注入し、ソース及びドレインの高濃度領域を形成する。これにより、LDD構造を有するソース領域2S及びドレイン領域2Dが形成される。
PチャネルMOSトランジスタのソース及びドレインの高濃度領域へのボロンイオン注入時に、ウェルタップ3にもさらにボロンイオンを注入する。イオン注入後、活性化アニールを行う。
その後、層間絶縁膜の形成、コンタクトホールの形成、コンタクトホールへの導電プラグの充填、配線の形成等の周知の工程を経て、図8に示した半導体装置が得られる。
なお、図9(E)に示した状態で、自己整合シリサイドプロセスを適用して、ソース領域2S、ドレイン領域2D、及びウェルタップ3の表面に、金属シリサイド膜を形成してもよい。このとき、ゲート電極2G及びヒューズ素子1の上面には、すでに高融点金属シリサイド層が露出しているため、その上面ではほとんどシリサイド反応が進まない。図9(B)に示した工程で高融点金属シリサイド層17を形成せず、図9(E)の工程でソース及びドレイン領域へのイオン注入を行った後に、通常の自己整合シリサイドプロセスを適用して、ゲート電極2G及びヒューズ素子1の上面に高融点金属シリサイド膜を形成してもよい。
上記第4の実施例において、ヒューズ素子1の下方に形成されているn型ウェル13は、ヒューズ素子1と半導体基板10との間の寄生容量を低減させる機能を有する。
図10に、第5の実施例による半導体装置の断面図を示す。以下、図8に示した第4の実施例による半導体装置との相違点について説明する。第4の実施例では、MOSトランジスタ2に接続されたヒューズ素子1が、素子分離絶縁膜11の表面に接するように配置されていた。第5の実施例では、第4の実施例のヒューズ素子1に対応するヒューズ素子30が、第1層目の層間絶縁膜20の上に配置されている。ヒューズ素子30の一方の端子が、層間絶縁膜20を貫通するコンタクトホールCH3内に充填された導電プラグを介して、MOSトランジスタ2のドレイン領域2Dに接続されている。第2層目の層間絶縁膜22が、ヒューズ素子30を覆う。
層間絶縁膜22の上に、接地線4及び電源線6が形成されている。ウェルタップ3が、層間絶縁膜20を貫通するコンタクトホールCH5内に充填された導電プラグ、層間絶縁膜20の上に形成された中間導電部材31、及び層間絶縁膜22を貫通するコンタクトホールCH5a内に充填された導電プラグを介して接地線4に接続されている。MOSトランジスタ2のソース領域2Sが、層間絶縁膜20を貫通するコンタクトホールCH4内に充填された導電プラグ、層間絶縁膜20の上に形成された中間導電部材32、及び層間絶縁膜22を貫通するコンタクトホールCH4a内に充填された導電プラグを介して接地線4に接続されている。
ヒューズ素子30の、MOSトランジスタ2に接続されていない方の端子が、層間絶縁膜22を貫通するコンタクトホールCH10内に充填された導電プラグを介して、電源線6に接続されている。
素子分離絶縁膜11の表面に接するように、他のヒューズ素子35が配置されている。このヒューズ素子35の両端は、それぞれ、層間絶縁膜22の上に形成された配線36及び37に接続されている。接地線4、電源線6、及び配線36、37を、保護膜25が覆う。
層間絶縁膜20の表面上に配置されたヒューズ素子30、中間接続部材31、32等は、ポリシリコン層と高融点金属シリサイド層とが積層された2層構造を有する。以下、この2層構造の形成方法について説明する。
CVDによりポリシリコン層を形成し、このポリシリコン層にリン等の不純物を拡散させる。ポリシリコン層の上に、CVD等により高融点金属シリサイド層を形成する。この2層を形成した後、850℃で10秒間のRTAを行う。なお、熱処理の好適な温度は500〜1000℃であり、より好適な温度は700〜950℃である。この熱処理温度の上限は、MOSトランジスタ2のソース及びドレイン領域の不純物の分布が崩れず、かつ第1層目の層間絶縁膜20のリフローによる表面形状の変化が生じない程度に設定される。熱処理時間の好適な範囲は1〜120秒であり、より好適な範囲は5〜30秒である。
RTAの代わりに、電気炉を用いて熱処理を行ってもよい。この場合の熱処理時間の好適な範囲は5〜90分であり、より好適な範囲は10〜30分である。熱処理後、高融点金属シリサイド層とポリシリコン層とをパターニングして、ヒューズ素子30、及び中間接続部材31、32等を残す。
ヒューズ素子30や中間接続部材31、32を、ポリシリコンの単層で形成してもよい。この場合には、層間絶縁膜20の上に、ポリシリコンの単層で構成された抵抗素子を配置することも可能になる。
第1の実施例で説明したように、複数回の電気パルスを印加してヒューズ素子を切断する方法を採用すると、ヒューズ素子の溶断による周辺への影響が小さいため、第5の実施例のようにヒューズ素子30をMOSトランジスタ2の近傍に配置することが可能になる。特に、MOSトランジスタ2の配置された活性領域とヒューズ素子30とを、基板面内に関して少なくとも部分的に重ねて配置することができる。これにより、ヒューズ回路の占有面積を小さくすることができる。
図11に、第6の実施例による半導体装置の断面図を示す。シリコンからなる半導体基板10の表面の一部の領域に素子分離尾絶縁膜11が形成されている。素子分離絶縁膜11に囲まれた活性領域内にMOSトランジスタ2が形成されている。素子分離絶縁膜11の表面に接するように、複数のヒューズ素子40が形成されており、ヒューズアレイを構成している。ヒューズ素子40及びMOSトランジスタ2を、第1層目の層間絶縁膜41が覆う。
第1層目の層間絶縁膜41の上に、複数のヒューズ素子42が形成され、ヒューズアレイを構成している。ヒューズ素子42を、第2層目の層間絶縁膜43が覆う。第2層目の層間絶縁膜43の上に、複数のヒューズ素子44が形成され、ヒューズアレイを構成している。ヒューズ素子44を、第3層目の層間絶縁膜45が覆う。第3層目の層間絶縁膜45の上に、配線50が形成されている。配線50を、保護膜51が覆う。
図11に示すように、複数の配線層にヒューズ素子を配置することができる。各ヒューズ素子は、ポリシリコン層と高融点金属シリサイド層との2層構造、ポリシリコンの単層構造等を有する。
第1の実施例による切断方法を採用すると、1つのヒューズ素子を切断する際に、その近傍の素子に与える影響が軽減される。このため、下層のヒューズ素子と上層のヒューズ素子とが、基板面内方向に関して少なくとも部分的に重なるように、複数のヒューズ素子を配置することが可能になる。
図12(A)〜(G)に、ヒューズ素子の平面形状の例を示す。図12(A)に示すヒューズ素子は、正方形状の一対の端子と、両者を接続する幅W、長さLの直線部分とを有する。直線部分の幅は、一端から他端まで一定である。正方形状の端子のひとつの辺の中央において、当該端子に接続されている。図12(B)に示すように、直線部分を、端子の頂点に接続してもよい。
図12(C)に示すヒューズ素子は、一方の端子から他方の端子に向かって、幅が一定値Wの等幅部分、それよりも幅の狭い狭幅部分、及び幅が一定値Wのもうひとつの等幅部分がこの順番に連続した形状を有する。狭幅部分は、一方の縁から内側に向かって三角形状に窪んだ縁により画定される。窪んだ部分の縁は、例えば直角二等辺三角形の直角を挟む一対の辺に対応する。等幅部分は、端子のひとつの辺のほぼ中央において、当該端子に接続されている。図12(D)に示すように、等幅部分を、端子の頂点に接続してもよい。
図12(E)及び(F)に示すように、両側の縁から内側に向かって三角形状に窪んだ縁により、狭幅部分を画定してもよい。窪んだ部分の縁は、直角二等辺三角形の直角を挟む一対の辺に対応し、両側の縁を画定する直角二等辺三角形の頂点同士が対向するような形状とされている。図12(E)のヒューズ素子においては、等幅部分が、端子のひとつの辺の中央において、当該端子に接続されており、図12(F)のヒューズ素子においては、等幅部分が、端子の頂点に接続されている。
図12(G)に示すヒューズ素子においては、狭幅部分の縁が、直角二等辺三角形の斜辺ともう一つの辺に対応する。一方の縁を画定する直角二等辺三角形の斜辺と、他方の縁を画定する直角二等辺三角形の斜辺とが、相互に平行になるような形状とされている。
図12(C)〜(G)のように、狭幅部分を設けることにより、より少ないエネルギでヒューズ素子を切断することが可能になる。
図13(A)〜(E)に、ヒューズ素子の平面形状の他の例を示す。図13(A)〜(C)に示すヒューズ素子は、90°の折れ曲がり箇所をそれぞれ2箇所、4箇所、及び6箇所有する。一方の端子から他方の端子に進むとき、右折と左折とが交互に現れる。2つの折れ曲がった箇所の間の直線部分は、一対の端子間を接続する最短の直線と平行であるかまたは直交する。図13(D)に示すヒューズ素子は、1箇所の折れ曲がり箇所を有する。折れ曲がり箇所と端子との間の直線部分は、一対の端子間を接続する最短の直線と45°の角度をなす。このように、折れ曲がり箇所を設けることにより、ヒューズ素子の実効長を長くすることができる。
図13(E)に示すヒューズ素子は、一方の端部から他方の端部に向かって、狭幅部分、幅広部分、及びもう一つの狭幅部分がこの順番に配列した形状を有する。
図14(A)〜(C)に、ヒューズ素子の平面形状のさらに他の例を示す。図14(A)のヒューズ素子においては、一端から他端に進むとき、90°の右折が2回現れ、その後90°の左折が2回現れる。図14(B)及び(C)のヒューズ素子は、渦巻状の部分を有する。いずれのヒューズ素子も、第1の渦巻部分と、それとは反対向きに渦巻く第2の渦巻部分とを含み、第1の渦巻部分の内側の端部が、第2の渦巻部分の内側の端部に接続されている。第1及び第2の渦巻部分の外側の端部が、それぞれ端子に接続されている。図14(B)のヒューズ素子においては、一対の端子を結ぶ直線の一方の側に渦巻部分が配置され、図14(C)のヒューズ素子においては、一対の端子の間に渦巻部分が配置されている。このように渦巻部分を設けることにより、ヒューズ素子の実効長を長くすることができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
ヒューズ素子の切断までに要したパルス数と、切断されたヒューズ素子の割合との関係を示すグラフである。 (A)は、ヒューズ切断回路に印加するパルス電圧と、ヒューズ素子とトランジスタとの相互接続点の電位の波形とを示すグラフであり、(B)は、ヒューズ素子切断回路の等価回路図である。 ヒューズ素子切断までの実効時間と、切断されたヒューズ素子の割合との関係を示すグラフである。 第3の実施例による切断方法を示すフローチャートである。 第3の実施例による切断方法において、第m回目に印加するパルスのパルス幅を示す図表である。 パルス電流と、ヒューズ素子が切断に至るまでの累積時間との関係を示すグラフである。 第4の実施例による半導体装置の平面図である。 第4の実施例による半導体装置の断面図である。 第4の実施例による半導体装置の製造方法を説明するための製造途中の装置の断面図(その1)である。 第4の実施例による半導体装置の製造方法を説明するための製造途中の装置の断面図(その2)である。 第4の実施例による半導体装置の製造方法を説明するための製造途中の装置の断面図(その3)である。 第4の実施例による半導体装置の製造方法を説明するための製造途中の装置の断面図(その4)である。 第4の実施例による半導体装置の製造方法を説明するための製造途中の装置の断面図(その5)である。 第5の実施例による半導体装置の断面図である。 第6の実施例による半導体装置の断面図である。 ヒューズ素子の平面形状の例を示す平面図である。 ヒューズ素子の平面形状の例を示す平面図である。 ヒューズ素子の平面形状の例を示す平面図である。
符号の説明
1、30、35、40、42、44 ヒューズ素子、 2 MOSトランジスタ、 3 ウェルタップ、 4 接地線、 5 相互接続配線、 6 電源線、 7、36、37、50 配線、 10 半導体基板、 11 素子分離絶縁膜、 12 p型ウェル、 13 n型ウェル、 15 酸化シリコン膜、 16 ポリシリコン層、 17 高融点金属シリサイド層、 18 サイドウォールスペーサ、 20、22、41、43、45 層間絶縁膜、 25、51 保護膜、 31、32 中間接続部材

Claims (1)

  1. (a)半導体基板上に形成された評価用ヒューズ素子に、該評価用ヒューズ素子が切断されるまで電気パルスを複数回印加する工程と、
    (b)前記工程aで前記評価用ヒューズ素子に与えられた電気エネルギの総量を求める工程と、
    (c)前記工程bで求められた電気エネルギの総量に基づいて、前記評価用ヒューズ素子と同一の切断特性を持ったヒューズ素子を切断するための電気エネルギの総量に相当する切断閾値を決定する工程と、
    (d)切断すべきヒューズ素子に印加する電気パルスの電圧及び電流の少なくとも一方、パルス幅、及びパルス数を、切断すべきヒューズ素子に投入される電気エネルギの総量が前記切断閾値以上になるように決定する工程と
    を有し、前記複数回印加される電気パルスの間隔は先に印加されたパルスによって上昇した温度が元に戻る時間に設定されるヒューズ素子切断手順の決定方法。
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