JP2006286723A - 半導体装置および同装置におけるヒューズ素子の切断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 半導体基板の表面上に形成されたヒューズ素子を電気パルスにより切断する半導体装置であって、任意の電気エネルギーを持つ電気パルスを生成し、ヒューズ素子に対して任意のインターバルをもって繰り返し印加するパルス発生回路を具備することを特徴とする。
【選択図】 図7
Description
これらのヒューズ素子の切断方法によれば、1度の電気エネルギーの印加によってヒューズ素子を切断するため、電気エネルギーの印加時間はヒューズ素子が切断されたその瞬間で止めることが出来ない。このため、印加時間はかなり長く余裕を持った時間長に設定されている。
このエネルギービームによるヒューズ素子の切断によれば、1回の照射でヒューズ素子が完全に切断されるような十分にマージンを取った大きなエネルギーが加えられている。このため、ヒューズ素子材料が完全に溶融飛散もしくは蒸発することによって切断されるが、溶融物が周辺に飛散し再付着等してしまうという問題がある。
上記したCMOS回路の寄生バイポーラ回路の動作、もしくはMOSトランジスタ(以下、トランジスタTrと略記する)のスナップバックといった非可逆的あるいは破壊的な動作状態において、ヒューズに投入される電気エネルギーは十分にコントロールすることが出来ない。このため、ヒューズを切断するために必要な電気エネルギー以上の極端に大きな電気エネルギーが投入されることも有りえる。さらに大きなエネルギー発散が生じヒューズ素子を取り囲む周辺回路を動作不能とさせてしまうような致命的な破壊も発生する状況が避けられない。
このため、本来ならばヒューズ素子の上部や周辺に覆われている層間絶縁膜やパッシベーション膜、保護樹脂膜等を別プロセス工程をわざわざ付加して除去し、ヒューズ素子の切断時にはその上部や周辺にこれら膜が存在しないような構造としたり、信頼性向上のためヒューズ切断の後にこれら膜を成膜したりするという手間を要している。
Ifuse=Vdd/(Rfuse+Ron)・・・(1)
上記した(1)式で、RonはTrの駆動能力によって決まり、その駆動力が大きければRonが小さくなるという逆の関係にある。ヒューズを切断するための電流:Ifuseを大きくしようとすれば電源電圧Vddはその半導体回路の設計時に決定されているものであり、一般にVddが大きいとLSI回路の消費電力も大きくなる傾向にあるため、ヒューズ切断のためだけにVddを高くすることは難しい。
一方、Rfuseはヒューズ素子の材料と膜厚から決まるシート抵抗幅と、ヒューズ素子の設計デザインから素子幅:Wfとその長さ:Lfとによって決定され、概略は以下の(2)式の様に表される。
Rfuse=pf*Lf/Wf ・・・(2)
ここでシート抵抗pfはLSI製造プロセスの下でどのような導電材料と膜厚を選択するかにより決定されてしまい、普通は他のレイヤーとして利用されているポリシリコン層もしくはポリサイド層をヒューズ素子形成にも流用するためほとんど選択の余地は少ない。ヒューズ素子のデザイン:幅:Wfはその切断の容易性から、LSIの設計時に選択されたデザインルールのミニマム値を用いるので、残るはその長さ:LfによってRfuseが決定されることとなり、このLfが小さいほどRfuseも小さくなる。
Ifuse=A*F(l/Lf、Wg)・・・(3)
但し、Aはプロセス/設計によって決まる定数である。
一般に、ヒューズ素子を切断するための電流エネルギーを通常のMOS−Trを使って取り出すためには、デジタル信号処理に利用されるMOS−Trの数10倍〜数百倍程度のWg幅が必要となる。ヒューズ素子の切断のためにこの様な巨大なサイズのTrをそのヒューズ素子の数だけ用意するのは半導体集積回路チップ上の面積を大幅に必要としチップコストを大幅に増加させることとなる。特に、高集積の半導体メモリチップの冗長回路としては全く利用できないとも言える位のデメリットになる。
J’fuse= (Ifuser2*R’fuse*T)・・・(4)
ここで、tは、切断時間[sec](ヒューズ素子に電流が流れてからヒューズ切断までの時間)を示す。
従って、R’fuse(Rfuse)を小さくすればIftiseは大きくなるが、R’fuseは相対的に小さくなるのでヒューズ切断に必要となる総発熱量:J’fuseも小さくなってしまう。このような相反関係にあるため、R’fuse(Rfuse)を任意に小さくすることは出来ずにある制限が加わることとなる。
また、複数回の電気パルスの印加によってヒューズ素子が切断されたことを検知し、余分な電気パルスの印加が行われないよう配慮し、更に、ヒューズ素子を含む半導体装置を用いて任意の情報を書込みまたはその情報を読み出すことが出来る半導体装置および同装置におけるヒューズ素子の切断方法を提供することも目的とする。
このような条件下で、例えば、あるヒューズ素子を切断するために必要十分且つ最小限の電気エネルギーをE=5.0E−7[J]とすれば、これをn回の電気パルスで切断するためにはE≦E'(1+2+・・・n)となる必要があり、このため各パルス1回当たりの電気エネルギーを5.0E−7/nよりは大きい電気エネルギーになるように設定すればよい。つまり、ヒューズが切断される最後の電気パルスE'(n)は5.0E−7/n程度の電気エネルギーであってもヒューズ素子は切断されるため、この様な電気パルスのエネルギーではヒューズ素子を溶融飛散させるほどのエネルギーを持ち得ないためヒューズ素子周辺への物理的破壊は起こりえない。
すなわち、ヒューズ素子に印加された電気エネルギーによる発熱は周囲へ拡散するが、その時の伝熱量はヒューズ素子の温度に比例しその伝播距離の3乗に逆比例して急激に減少する。ここでn回に分割した電気パルスのパルスサイクルが任意に設定できればパルスの加えられていない空白時間でヒューズ素子そのものの温度が低下し、周囲への熱伝導により伝えられる熱量も減少する。
このようにして1回の電気パルスでヒューズ素子を切断するのに比較して、ヒューズ素子の周囲に伝播される熱的ストレス(パルス状の熱伝播)が緩和されるため、ヒューズ素子を囲む絶縁膜や配線及びその周辺回路に不要に大きな熱ストレスを周囲に与えることなくヒューズ素子を切断することができるため、配線抵抗の変動や回路上の信頼性の低下といった前記問題も軽減されることになる。
上記した複数の電気パルスによる切断方法を最適化して周辺回路への熟的ストレスを軽減すれば、このヒューズ素子を実際のLSI回路に応用することで、例えばヒューズ素子を切断するためのトランジスタを含む回路、配線、さらにはこのヒューズ素子を応用したプログラミング回路、メモリ回路、容量トリミング回路、抵抗トリミング回路等と、ヒューズ素子との間隔をできる限り狭めることでLSI回路の集積度を向上することができ、また、LSIのチップ単価を低下させることができる。さらにはヒューズ素子に隣接・近接、あるいは積層して切断用トランジスタや回路・配線・抵抗素子・容量素子を設けることが可能であり、よりチップサイズを縮小できる。
例えば、n回に分割した電気パルスのパルス長が例えば1(μsec)でありパルスサイクルが3(μsec)、印加パルス回数がプログラム上で7回印加されるように設定されていたとする。実際にヒューズを切断した場合にパルス回数5回で切断された場合には、そのヒューズ素子には2回余分に電気パルスが印加されることとなる。余分に印加されたこの2サイクルの時間は6(μsec)であるが、LSIチップ上に1千個のヒューズ素子が配置されていたとすれば、プログラム処理時間は1チップ当たり6[sec]、1万個のチップをプログラムしたとすると1万[sec]、約2.8時間のロスとなる。LSIチップのプログラム装置、及びそれをコントロールするための作業人員のコストを考慮すれば、このヒューズ素子のプログラムに要する時間は1(μsec)といえども短い方が、コストメリットがより大きくなるのは自明のことである。
n回に分割した電気パルスのエネルギーがヒューズ切断を1回で行うため必要最小限のエネルギー量の1/nであれば、同時にm個のヒューズ素子を切断する場合に必要なエネルギーはm/nになる。例えば、m=n/5とすれば、m個のヒューズ素子をまとめて切断しても、その必要エネルギーは1/5で済むことになる。これは、回路やその電源系への負荷を減少させることを意味し、且つ、ヒューズも一度に多量に切断することができて時間的ロスを少なくすることも出来る。
1度の電気パルスでヒューズ素子を切断するのに必要十分且つ最小限のエネルギーを“E"とすれば、このヒューズ素子に加えられる全ての電気パルスのエネルギーの合計"E'"は、上記した1度の電気パルスの持つ電気エネルギーと同レベルかもしくはそれよりも大きいエネルギーが必要となる。すなわち、E'≧Eと表される。例えば、1つのヒューズ素子を1回の電気パルスで切断するためにE=5.0E−7[I]の電気エネルギーが必要であった場合には、同じヒューズ素子を2回の電気パルスで切断するためには少なくとも1回目+2回目の電気エネルギーの合計E’(1+2)≧5.0E−7[I]となる電気エネルギーに設定すればよい。
さらに、これをn回に均等分割したとすれば、上記と同じヒューズ素子の切断のためには5.0E−7/nよりは大きい電気エネルギーとなるように各パルス1回当たりの電気エネノレギーを設定すれば良いため、各1個ずつの電気パルスの持つエネルギーはかなり小さくできることとなる(n回に分割した場合ではその各1回ずつのパルスのエネルギーはE'(1),E'(2),・・・E'(n)≦Eであり、これら全ての電気パルスのエネルギー総和E'(1+2+・・・+n)≧Eである)。
例えば、電気パルスが持つエネルギーが前記E=5.0E−7[J]の80%(n=1.25)として設定されれば、1回の電気パルスではE'(0)=4.0E−7[I]であり切断されないが、2回の電気パルスでは2つの電気エネルギーの和がE'(1+2) =8.0E−7[J]となり上記したE=5.0E−7[J]を越えることになるため、2回目に加えられた電気パルスで上記したヒューズ素子が確実に切断されることになる。同様に、E=5.0E−7[J]の30%(n=3.333)として設定されれば3回の電気パルスではE'(1+2+3)=4.5E−7[J]となり切断されないが、4回目に加えられた電気パルスではE'(1+2+3+4)=6.0E−7[J]となり、パルス印加回数が4回目で切断されると計算される。
なお、実際のデバイスでは理想状態でヒューズが切断されていないためこの様な理論的なパルス回数で完全に切断はされてはいないため、このパルス印加回数がバラツキ(分布)を持つことになるが、上記した計算方法が目安として基本的な考え方であることを補足しておく。
以下、上記した(A)(B)(C)の具体的方法について説明する。尚、(C)の方法において、ヒューズ素子の切断を行う場合における電気パルスのエネルギーの設定方法は、時間をn回に分割し、エネルギーを1/nに設定し、電流(電圧)は同じくn回に分割し同じく1/mに設定した場合においては、これらのエネルギーの分割回数はnとmの積で表され、n*m回に分割され、同エネルギーは1/(n*m)に設定される。以降では、簡略のため改めて表記しないが、n=n*mと置いて表現している。
(B)同様に、パルス電流(電圧)を小さくコントロールしてn回に分割した場合においても、A≧A'(1)A'(2)・・・A'(n)、且つA≦A'(1)+A'(2)+・・・+A'(n)、複数回に分割された電気パルスのエネルギー:E'(1)=E*A’(1)/AE'(2)=E*A’(2)/A・・・E'(n)=E*A’(n)/Aとおいて、E'(0、E'(2)・・・E'(n)≦E、且つE'(1+2+…n)≧Eが満たされる条件に設定する。ここで、ヒューズ抵抗が一定の場合には、V=A*R(R:ヒューズ抵抗)の関係が成り立っているため、電流:Aをコントロールする場合も、電圧:Vをコントロールする場合も上式は同じことを表している。
ヒューズ素子を切断する時に、パルス時間を短くコントロールしてn回に分割した場合についての結果を図1に示す。
図1から分かるように、電気パルスの時間的長さが短くなればその分切断までに必要とされるパルスの印加回数は増加していくが、このパルス長が短い場合においてもヒューズ素子の切断は可能で、パルスの印加を複数回繰り返すことで100%切断されることが示されている。
また、この図に示された結果をもう少し詳しく触析してみると、1200[nsec]のパルス長であれば全てのヒューズ素子が1回のパルスで100%切断されている。この時の電気パルスのエネルギーをE(1200)とする。
これは、ヒューズ素子自身の出来上がり寸法・膜厚、グレイン形状と大きさ、形状加工のためのエッチング時の側壁形状変化、ヒューズ素子回りの絶縁膜の膜厚・処理温度等々のばらつき、ウェハー上のチップ位置やロット処理時のウェハー位置、ロット間における加工日時の違い、処理・加工装置の違い等々も含む全てにおける製造上のファクターのバラツキによる影響で、ヒューズ素子そのものの切断され易さがばらついてしまうためであると考えられる。
ここで、本実験または以後に説明する全ての実験において、複数回の電気パルスのヒューズ素子への印加のタイミングであるが、電気パルスによる発熱が十分に冷えた段階で次の電気パルスが印加されるように、そのインターバルを数秒〜10数秒取ってから次の電気パスルが印加されるようにした。
一方、インターバルを短くすれば印加された電気パルスによる発熱量が放熱される前に次々と電気パルスが印加されてくるためヒューズ素子に熱量が蓄積されさらにヒュ−ズ素子が切れやすくなるのは自明のことである。従って、本発明における(m−1)回目の電気パルスとm回目の電気パルスのインターバル時間は任意に設定が可能であることを示している(ここで、m:2≦m≦nである)。
さらに短いパルス長を持つE(480)についてはバラツキの裾が広範囲に広がっているが切断されなかったヒューズ素子は見られずパルス回数を増やせば100%切断されていた。E(480)ではその電気パルスのエネルギーは480/1200=0.4となりこの逆数2:5、つまりこれ以上のパルス回数=3回で上記したE’(1+2+・・・+n)≧Eの関係式が成り立ち、パルス回数=3回以上でヒューズ素子が十分に切断されると推測される。
電気パルスの線1は、パルス信号の立ち上がりから急激にある一定値に達しその電位で平衡状態となるが信号の最後で急激にたち下がっている矩形波的な様子を示している。しかしながら、このパルス信号の立ち上がりが鈍っていることがこの図2から分かる。実際には、ノイズ除去のためごく小さいコンデンサも回路上加えられているためさらに立ち上がりが鈍っている。
線2はヒューズ素子が示していた電位を表しているが、電気パルスの信号が立ち上がってからヒューズに電流が流れるためその電位は急激に下がり、ヒューズ抵抗と電流の関係で表される電圧降下のところでいったん平衡状態になるが、ヒューズが切断されるとこの電位が0[V]のところまで急激に低下する。以後ヒューズが切断されてしまったため電位は0[V]がキープされる。
本来ならば上記したE’(1+2+・・・+n)≧Eの関係式から、E(480)の電気パルス長からは3回で切断されるであろうという推測からは随分と異なる度数分布のピーク(7回がセンター)を示すことになった理由と考えている。
このことは、電気パルスの持っているエネルギーが1/7であってなおかつヒューズ素子を切断することが可能であると言え、本発明による電気パルスのエネルギーを複数回:E(480)では7回に分割しても十分にヒューズ素子を切断することが可能であることを裏付ける実証となる。
同様に、E(250)で実際に加えられていたであろう電気パルスが持っていたエネルギーは、E(1200)に対して1/15の大きさであったと推測することができ、電気パルスの持っているエネルギーが1/15であって、なおかつヒューズ素子を切断することが可能である。本発明による電気パルスのエネルギーを複数回:E(250)では15回に分割しても十分にヒューズ素子を切断することが可能であると言える。
上記した結果は、実は上記した(C)を適応しパルス電流(電圧)を小さくコントロールしてn回に分割した場合においても実際に実現可能であることを示している。上記したように、ヒューズ素子に加えられる電気パルスのエネルギーが時間で細分化され減少しただけではなく、さらに電圧(電流)によってもそのエネルギーが減少させられていた。
すなわち、ヒューズ素子必ず100%の確率で間違いなく切断するための必要十分条件はE(1200)であることは上記したが、E(480)では時間細分であれば1/2.5の電気パルスのエネルギーが加えられていたはずであるが、実際にはこの電気パルス持っていたエネルギーは、E(1200)に対して1/7程度の大きさであった訳で、つまりこれが時間細分だけでなく電圧(電流)による電気エネルギーの減少分も含んでいる弱いエネルギーを持つ電気パルスの複数回の印加によってもヒューズ素子を切断可能であることを示している。同様に、E(250)ででは時間細分であれば1/4.8の電気パルスのエネルギーが加えられていたはずであるが、実際には、E(1200)に対して1/15程度の大きさであった訳で、同様に時間細分だけでなく電圧(電流)による電気エネルギーの減少分も含んでいる1/15程度に弱いエネルギーを持つ電気パルスの複数回の印加によりヒューズ素子が切断可能であることを示している。
なお、上記した説明では、2回以上略15回までが実例として示されているが、図1中には電気パルスの印加回数が20回でも切断されるヒューズ素子が実在することが示されている。また、この時に印加される電気パルスの波形形状は矩形波でも良いし、この形が鈍った形状のものでも良い。さらにサイン波や任意の波形形状でも自由に選択可能である。さらにデータでは示さなかったが、電気パルスの持つエネルギーが複数に分割されているような交流波形でも十分にヒューズ素子の切断は可能であり、もちろん交流波形の形状や2相、3相波も可能である。
既にE(480)、E(250)の場合について説明したが、複数回に分割した電気パルスのエネルギーが時間分割だけでなく電流(電圧)の減少によっても設定可能であることは示されているが下記にさらに詳細な実験結果を示す。
図3には、ヒューズ素子に印加される電気パルスの電流量を変化させて、切断されるまでの時間の度数分布を測定した結果が示されている。図3中では、切断までに要した電気パルスの回数ではなく所要の切断時間で示しているが、ヒューズ素子の切断までに要した電気パルスの印加回数とそのパルスの時間長さの積が所要の切断時間である。この様に所要時間の長さで示すほうが、任意のパルス時間を設定する場合には、切断回数で示されているよりも利用が容易となるためである。
つまり、切断に要する電気パルスのエネルギーをそのパルス長で減少させるだけでなく、電流量(ヒューズ素子の抵抗が一定とすればV=A*Rの関係から、電気パルスの電圧でも同意)によっても、その減少量、もしくは印加回数の分割数は任意に選択が可能である。
つまり、ここではヒューズの切断はエネルギーを減少させた複数の電気パルスによって切断が可能で2回以上であればその回数設定は任意であり、その回数の上限も任意である(図3の結果では1回から略40000回までの印加回数の中で任意設定が可能である)。
n回に分割された電気パルスエネルギーは均等分割でなくとも良いということを、以下の実験結果によって確認した。この実験で用いたプログラムの処理を図5にフローチヤートで示した。
このフローチヤートに従えば、電気パルス信号の長さのコントロール方法はパルス長を階級的に変化させるところに特徴がある。ここでは、上記した測定ヒューズの切断条件を設定し(S21)、確認、記憶した後(S22)、ヒューズの初期抵抗値を測定し(S23)、ヒューズ素子が切断されるまで電気パルスの供給を繰り返して抵抗値の変化を確認することでヒューズ素子の切断を確認している(S24〜S30)。この手順に従いヒューズ素子を切断した結果を図6に示した。
図6によれば、パルス時間を階級的に変化させることによってもヒューズ素子は十分に切断されることが確認され、また45mA以上であればほとんどのヒューズ素子が0.1sec以下の短時間で切断されていたので、級数的なパルス時間の増加は不要であったが、それ以下の電気パルスのエネルギー量では級数的にパルス時間を長くしていく手法によっても十分に切断が可能であった。
一般的なヒューズ素子の傾向として、電気パルスによる発熱によりヒューズ素子の抵抗は時間が経つほど上昇していく傾向が見られる。このため定電圧(例えば電源電圧:Vdd=5.0V一定)での電気パルスを印加している条件下では、このヒューズ素子の抵抗上昇により電気パルスの印加回数が増えるほど1回当たりの電気パルスによる電力量が低下してしまうという現象が見られることである。
定電流源を利用した電源ではヒューズ素子の抵抗が上昇しても問題なく一定の電流を流すことができるため電気パルスの1回当たりのエネルギーが減少することは無い(もしくは極少ない)が、電圧電源でのこの対策としてはヒューズ素子の抵抗が上昇する後ろのパルスほど時間を長くして1回当たりの投入電気エネルギーを一定もしくは減少量を小さくする工夫があるとより確実にヒューズ素子の切断が達成されることになる。
また、これらの関係を一定の数式を用いて表すだけでなく、以下の表に示されるテーブルを用意してTpとTintの関係を自由に設定しても良く、必要に応じて任意にその長さとインターバルの調節が可能である。
図7は、最も簡単な複数のパルス入力によるヒューズ素子の切断回路の構成例を示している。
図7に示す構成では、ヒューズ素子1が切断されるまでは切断信号として入力される電気パルス信号がヒューズ素子切断用Tr2のゲートに入力され、この信号に対応してヒューズ素子切断用Tr2がONし、Trのドレインを通じて電流パルスがヒューズ素子1に流れる。ニのパルス信号を繰り返すことによって電流パルスが繰り返しヒューズ素子1に流れ、このヒューズ素子1を切断することができる。
この切断信号の発生にあたっては、任意の時間長さとインターバルを持つパルス信号(以後これをTp/Tint略記)を発生すパルス発生器(図示せず)を通してAND回路の入力端子に信号が加えられるような工夫を施しても良い。
Ifuse=A*f(1/Lf、Wg)の式で関係付けられるトランジスタのゲート幅:Wg、ヒューズの長さ:Lf、上記した式でRonはTrの駆動能力と逆の関係に有り、駆動能力が大きくなればRonは下がる。ヒューズを切断するための電流:Ifuseを大きくしようとすればRonを小さくする必要がある。このRonはTrの設計時にほぼ決定されており、Trのゲートサイズ(デザインルール):lとゲート幅:Wによって決められる。
ヒューズ素子が切断されると、その後にいくら切断信号が入力されてもヒューズ切断用Trのドレイン電流は流れることがない。
また、ここでは、Trは1つのMOS−FETで示したが、複数のトランジスタを用いて切断電流を大きくしても良く、CMOS構成にしても良く、ラッチ回路を用いて複数回に分割した切断電流が流れるように工夫しても良い。更に、電流駆動能力の高いバイポーラ型のTrを用いてももちろん良い。
更に、ここに示した回路的工夫以外にも、同じようなパルス的信号を複数回ヒューズ素子1に加えられるような内容の電気回路であれば任意に選択できることは明らかである。さらには、複数のパルス入力によるヒューズ素子の切断において、切断/非切断のどちらの状態であるか、また何回目のパルス入力でヒューズ素子1が切断されたのかを確認するための回路を付加しても良い。この切断の成否を確認する回路からの信号をフィードバックして、それ以上ヒューズズ素子にパルス入力が行われないような回路構成、もしくはプログラムを組み込んでも良い。
この様な構成とした場合には、ヒューズ素子1を切断するための切断信号を切断用Tr2のゲートに繰り返し入力しなくても、切断信号がONしている期間中ずっとクロック信号のhigh/Lowに同期させた形のパルス信号が切断用Tr2のゲートに入力されこの、Tr2のON電流がパルス的に繰り返しヒューズ素子に入力されることとなり、図7に示す実施形態同様、最終的にヒューズ素子1を切断することができる。
なお、ここでは、AND回路3を付加した例を示したが、例えばインバータ回路、NAND回路,OR回路,NOR回路等、任意の論理回路の組み合わせで、切断用Tr2のゲートに色々な形式でのパルス信号が加えられるように工夫することが可能である。また、切断信号にも複雑なパルス信号が発生できるようなプログラミング回路からの信号コントロールを行い、上記した種々の基本回路に組み合わせて用いることも可能である。
上記構成とした場合には、ヒューズ素子1が切断されるまでは、切断用Tr2とヒューズ素子1間の電位がhighとなる。このため、切断信号として入力されるパルス信号に応じた信号がAND回路3の出力からヒューズ素子切断用Tr2のゲートに入力され、これに対応した電流パルスがTr2のドレインを通じて繰り返しヒューズ素子1に入力され、最終的にヒューズ素子が切断される。こうしてヒューズ素子1が切断されると、ヒューズ素子切断用Tr2とヒューズ素子1間の電位がLowになるため、その電位がAND回路3の1個の入力端子にフィードバックされ、従って、その後にいくら切断信号が入力(high)されてもAND回路3の出力からヒューズ切断用Tr2のゲートヘの入力信号は常にLowレベルのままである。
なお、ここでは、2値入力のAND回路3の一つの入力端子にヒューズ素子1の切断/非切断によるLow/highレベル信号をフィードバックするようにしたが、このヒューズ素子1の切断/非切断状態に応じたLow/highの電位を安定化させる安定化回路を付加し、あるいは、これを判断する判定回路を付加してここからAND回路3へフィードバックを行うようにして回路動作の安定化を図っても良い。また、この信号を切断信号の発生回路側にフィードバックして、切断信号自身を発生させないような回路的工夫を施しても良い。
上記構成とした場合には、ヒューズ素子1が切断されるまではヒューズ切断用Tr2のドレインとヒューズ素子1間の電位がhighとなるため、切断信号の入力及びクロック信号に応じた信号がAND回路3の出力からヒューズ素子切断用Tr2のゲートに入力され、これに対応した電流パルスがヒューズ素子切断用Tr2のドレインを通じて繰り返しヒューズ素子1に入力され、最終的にヒューズ素子1が切断される。
こうしてヒューズ素子1が切断されると、ヒューズ素子切断用Tr2とヒューズ素子1間の電位がLowになる。そしてその電位がAND回路3の1つの入力端子にフィードバックされ、そのAND回路3の入力レベルがLowになるため、その後にいくら切断信号が入力されてもAND回路3の出力からヒューズ切断用Tr2のゲートヘの入力信号は常にLowレベルのままである。
また、ここに示したヒューズ素子に加えられるパルス信号は入力側のクロック信号に同期して加えられることになっているが、このクロック信号はシステムクロックと同じでも良いし、分周器等を用いてクロック周波数を変換(周波数を高く、あるいは低く)しても良く、遅延回路を付加して同期をずらしても良い。更に、ここでは、2値入力のAND回路3の一つの入力端子にヒューズ素子1の切断/非切断によるLow/highのレベル信号をフィードバックするようにしたが、このヒューズ素子1の切断/非切断状態に応じたLow/highの電位を安定化させる安定化回路を付加し、あるいは、これを判断する判定回路を付加してここからAND回路3へフィードバックを行うようにして回路動作の安定化を図っても良い。また、この信号を切断信号の発生回路側にフィードバックして、切断信号自身を発生させないような回路的工夫を施しても良い。
すなわち、ヒューズ素子切断用Tr2のドレインとヒューズ素子1(11〜13)間の電位がhigh/Lowのいずれであるかにより、上記した簡単な回路を付加するだけでヒューズ素子1が切断きれたか否かを判断することができる。ヒューズ素子1を切断するまでの動作については図7〜図9に示す実施形態と同様であるため、重複を回避する意味で説明を省略する。ここでは、ヒューズ素子1が切断/非切断のどちらの状態にあるかを確認する方法についてのみ説明する。
これに対して、ヒューズ素子1が切断状態にあった場合、ヒューズ素子1によってVdd電圧が切断されているため、AND回路32に接続されている他方の端子の電位レベルはLowとなり、AND回路32にはLow信号が入力される。この状態では、情報読み出し信号の入力端子に読み出し信号(high)とクロック回路の入力(high)がAND回路32に入力されたとしても、情報出力信号端子には切断状態の情報として信号:Lowが出力される。
なお、本実施形態によれば、クロック信号に同期させてヒューズ素子1の切断のためのパルス信号を入力し、また同じクロック信号でヒューズ素子1の切断/非切断の情報を読み出しているが、切断側については任意の時間長とインターバルを持つパルス信号(以後これをTp/Tintと略記)の信号発生器を通してこのAND回路31の入力端子にパルス信号が加えられるようにして、切断情報の読み出し回路とは完全に分離制御しても良い。さらに回路的工夫として、AND回路ではなくNAND回路を用いればヒューズ素子1が切断状態にある時のみ情報出力信号端子にLowを出力するようにもできる。ままた、読み出し回路に限らず、書込み回路においても、インバータ、AND、OR、NAND、NOR等の任意の回路を用い、または組み合わせて、システム側に最適のヒューズ素子1への情報書込み・読み出し回路を構成することは、同業者であれば容易に応用が可能であることは明らかである。
特に、パラレルでm個のヒューズ素子1への情報の書込みの場合に効果が大きいと考えられるが、電気パルスの分割数をn回とすれば、1/n程度の電気エネルギーに小さくした電気パルスをm個のヒューズ素子1に同時に印加し切断することになるが、この場合、m≦nとすれば、回路上必要な電気エネルギーを小さくすることが出来るため、電源系の負荷が小さく、また回路設計も容易になると共に、同時に情報書込みのために必要となる全パルスの印加時間は1/m短くなる。
例えば、M=n/5とすれば、m個のヒューズ素子1をまとめて切断しても、その時に1回のパルスで必要なエネルギーは1度の電気パルスでヒューズ素子1を切断する場合に対して1/5で済むこととなる。したがって回路やその電源系への負荷を減少させることが出来、且つ、ヒューズも一度に多量に切断することができ、時間的ロスは1/m少なくすることが出来る。
さらに、ヒューズ切断用Tr2については、図7〜図10で示した構成と同様にどのようなトランジスタ構造であっても任意に選択が可能である。また、情報の読み出しは、切断情報に同期させて行っても良く、書込みとは別の制御信号を送り、別途情報の読み出しをコントロールしても良い。これはシステムの要求に合わせ任意に選択が可能である。なお、ここ示した回路的工夫以外にも同様にパルス的信号を複数回ヒューズ素子に加え切断する構成と、その情報の読み出し結果が得られるような内容の電気回路については同業者であれば容易に応用・選択できることは明らかである。
図13は、以下に説明する工程により作製されたヒューズ素子を同時形成したCMOS集積回路の構成を示す平面図である。ここには、半導体基板上に形成された活性領域、MOSFETのゲート電極G、ヒューズ素子F、コンタクトホール、配線Mが例示されている。
また、図14、図15は、図13に示す各素子が各工程a〜fの実施により順次形成されていく様子を示した図であり、図14に示す一点鎖線A−A'における断面図に対応している。
この形成方法は半導体プロセスにおける通常のLOCOS法等を用いる事が出来る。例えば、全面に50nm程度の薄い熱酸化膜を形成した半導体基板上全面を覆うように厚さ150nm程度のSiN膜等からなるマスク膜(図示せず)を形成する。このマスク膜を選択的に除去しMOSFETなどが形成される活性領域に対応する領域にマスク膜を残す。このマスク膜は、半導体基板の表面上への酸化膜の形成を妨げるので、高温熱酸化処理を行いマスク膜の除去された領域のみ基板を酸化して、例えば厚さ500nm程度の厚いフィールド酸化膜を形成することができる。フィールド酸化膜の形成後、マスク膜を除去すると、SiNマスク膜で覆われていた活性領域では酸化膜が形成されず、薄い酸化膜のみが形成された状態のままで残る。
ここでゲート酸化膜は、シリコン酸化膜の単層で構成しても良く、より誘電率の高い材料を選択しシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造、または酸化タンタル膜とシリコン酸化膜との積層構造としてもよい。また、ゲート酸化膜を、2層のシリコン酸化膜の間にシリコン窒化膜が挟まれた3層構造としてもよい。シリコン窒化膜の代わりにシリコン酸化窒化膜を用いてもよい。
シリコン窒化膜の形成方法としては、先に形成された酸化膜を、窒素ガス中もしくは窒素ガスにNOXを含む混合ガスを用いて熱窒化して形成することが可能である。また、ゲート酸化膜を、2層のシリコン酸化膜の間にシリコン窒化膜が挟まれた3層構造とする場合の窒化膜の形成やシリコン酸化窒化膜の形成に関しては、シリコン窒化膜原料ガスとしてテトラエチルオルソシリケート(TEOS)と酸素(O2)やオゾン(O3)、にNOXを含む混合ガスを用いたプラズマ励起型CVDにより、またはエレクトロンサイクロトロン共鳴(ECR)プラズマを用いたCVDにより形成してもよい。
ここで形成方法については示していないが、ヒューズ素子Fが形成される領域のp型基板中には図14(a)に示したように半導体基板の導電型とは逆導電型のwell (p型基板を用いた場合であればn−wellとなる)をあらかじめ形成しておく。このn−wellを形成しておくことで、例えばヒューズ素子Fの切断時の発熱により基板へのダメージが残った場合にも不要な基板リーク電流が流れることを防止することが可能となる。またヒューズ素子とフィールド酸化膜を容量誘電膜とし半導体基板との間で極小さな容量を持つこととなるが、このn−wellを形成しておくことでヒューズ素子下にある基板領域への基板側の電荷の不要な移動を防止することが出来る。
逆にn型基板を用いる場合には、基板と逆導電型のP−wellが有効である。
またnチャネルMOSFETとpチャネルMOSFETのそれぞれのゲート電極は、ポリサイドエッチング工程までの工程と同一の工程で同時に形成されるので全ての説明図中からは省略している。これら2つの導電型のMOSFETを作り分けるためには、ここで説明したウェルの導電型以外にもLDD形成のための低濃度領域とソース・ドレインの高濃度領域の形成のためのイオン注入における不純物イオンの種類等が異なる。
なお、所望の閾値電圧を得るために、図14(a)に示す工程において活性領域を画定した後、チャネル領域に所定濃度の不純物を添加してもよいし、nチャネルMOSFETもしくはpチャネルMOSFETのゲート電極となる領域にそれぞれ適当な不純物を添加してゲート電極の仕事関数を変化させてもよい。これらの不純物の添加はイオン注入法によるのが一般である。
またこれらの応用として、図14(b)に示す第1ポリシリコン層を形成後、同上のnチャネルMOSFETもしくはpチャネルMOSFETゲート電極となる領域にそれぞれ適当な不純物を添加する方法を取ってもよい。
また、半導体基板についてもSi基板に限られるものではなくSiGeなどのIV−IVイヒ合物、GaAsなどのIV−IVイヒ合物を用いていも良く、また、能動素子がMOSFETに限定されるものでも無く、HEMT型、バイポーラ型、SIT型等のいかなる能動素子でもよく、これらが形成可能な半導体基板であれば任意に選択が可能である。
また、必要により、これら機能素子の一部が削除され、任意の素子のみの組み合わせによる半導体装置への利用が可能なこともまた同業者によっては明らかなことである。
第1ポリシリコン層の堆積膜厚は任意に選択が可能であるが、望ましくは20nmから1000nmの間、さらに望ましくは800nmから200nmの間で選択される。
引き続き、不純物拡散工程においてこのポリシリコン層に不純物濃度が約1020cm−3になるようにリン等の不純物を一様に拡散させる。この時の拡散温度は800度〜900度程度の温度で達成される。この拡散工程では高濃度にリンがドープされたシリコン酸化膜が形成されてしまうのでこの酸化膜はバッツアードフッ酸等により除去し表面をクリーニングしておく。
この高融点金属シリサイド層または金属層もしくは金属合金層の堆積工程においては、例えば高融点金属シリサイド層の堆積については、タングステンシリサイド(WSix)などの高融点金属シリサイドを選択し、ポリシリコン層及び誘電体膜をコンフオーマルに覆う。このWSix膜等は、スパッタリング法またはCVD法により形成される。
スパッタリングにより形成する場合には、例えばターゲットとしてWSixを用いるが、この組成は任意に選択が可能であり形成されるシリサイド膜の特性から組成:xは1.5≦x≦3.5、望ましくは2.0≦x≦3.0の中から選択するのが適当である。ここでは、例えばWSi2.7の組成を持つものを用い、堆積条件は例えば、DCマグネトロンスパッタリング装置を使用した場合には圧力3mTorr、Arガス流量30Sccm、基板温度200度、投入電力1150Wの条件下で行った。堆積膜厚は任意に選択が可能であるが、望ましくは25nmから500nmの間、さらに望ましくは80nmからに00nmの間で選択される。
WF6+2SiH4→WSi2+6HF+H2
この高融点金属シリサイド層は、MoSix、TiSix、TaSixなどにより形成されてもよい。この場合のスパッタリングクーゲットは各金属シリサイド・その組成を任意に用いることで形成が可能である。また、上記した高融点金属シリサイド層の代わりに金属や金属の合金で形成してもよい。またこれら金属や金属の合金については上述の高融点金属シリサイドとして用いた高融点金属:Mo、Ti、Ta、Wがそのまま利用できる他、Co、Cr、Hf、Ir、Nb、Pt、Zr、Niなどの遷移金属やこれらの任意な選択による合金も利用できる。
成膜後の熱処理によりポリシリコン層と反応させて金属シリサイドとしてもよい。また金属シリサイドを形成する方法では通常シリサイドプロセスと呼ばれるプロセスを利用して金属シリサイドを形成する方法を用いてもよい。
なお、本明細書中で単に「金属」と表記した場合、金属シリサイドをも含む場合がある。
この熱処理は通常の拡散炉を用いても良いし、RTAによる加熱でもよい。この熱処理温度は800度〜1150度の間で選択され、望ましくは900度〜1100度での熱処理を行う。拡散炉の場合には熱処理時間は5min〜90minの間で任意に選択が可能であるが、望ましくは15min〜30min程度である。RTAを用いた場合には熱処理時間は、1sec〜120secの間で任意に選択が可能であるが、望ましくは5sec〜30sec程度である。ここでは、RTA法を用いて、1100度で10secの熱処理を行った。
この熱処理工程は、後述のゲート電極のパターニング後に行っても良いし、サイドスペーサの形成と同時に行っても良い。
例えば、TiNもしくはTiOXN(O元素の組成xは5〜30atm%程度、望ましくは10〜15atm%)を、膜厚10nm〜100nm程度、望ましくは30nm〜60nmを堆積する。成膜方法はターゲットにTiを用いたDCマグネトロンスパッタ装置を用い、スパッタガスとしてAr、N2、O2の混合ガスを用いる反応性スパッタ法により成膜する。この成膜によりゲート電極及びヒューズ素子の表面のシリサイドからの反射光が減少し、フオトリソ工程での微細加工が可能となる。この反射防止膜の成膜は前記熱処理の前に行っても良いし、熱処理工程は次工程での微細ゲート電極及びヒューズ素子の加工後にこの反射防止膜を除去した後で行っても良い。
ここでは、まず、最初に高融点金属シリサイド層の表面上にフオトレジストを塗布する。フオトレジストを選択的に露光及び除去しMOSFETのゲート電極G、ヒューズ素子F、(図中に表記の無い配線M)が形成される領域にフォトレジストパターンを残す。ここでは、残されたフオトレジストパターンをエッチングマスクとし、通常のポリサイドエッチングを行う。ポリサイドのエッチング装置としては、例えば、住友金属工業株式会社のECRプラズマエッチング装置を用いてエッチングに利用できる。エッチングガスは、Ci+02ガスであり、それぞれのガス流量が25Sccmと11Sccmである。また、例えば、圧力約2mTorr、RF電力40W、RF周波数13.56MHz、マイクロ波パワー1400W、マイクロ波周波数2.45GHz、電極温度15〜20度の条件下でエッチングを行う。
ポリサイド及びポリシリコンのエッチング工程の後、高融点金属シリサイド層上のフオトレジストパターンを除去する。図14(c)に示されるように、MOSFETのゲート電極G、ヒューズ素子F、配線Mに対応する部分ではポリシリコン層の上に金属シリサイド層が形成されたパターンが得られる。一般に、この構造はポリサイドと総称されるため、以下、ポリサイド層もしくはポリサイド電極と省略して呼ぶ。
活性化領域では、ここで形成されたポリサイド層を持つMOSFETのゲート電極をマスクとして、自己整合的にLDD構造を形成するためのn型イオンの注入を行う。図中に、nチャネル型のMOSFETのLDD構造の製造方法のみ図示しているが、pチャネル型のMOSFETの製造ももちろん可能で、フオトリソ工程でのレジストをマスクとしてn型イオンの注入とp型イオンの注入をそれぞれ別領域に打ち分けることが可能である。
しかし、この場合のp型イオンの注入においてはpチャネル型のMOSFETが形成される活性化領域以外の各種素子や配線へのp型イオンの注入は避けられるべきである。MOSFETのゲート電極G、ヒューズ素子Fのポリサイド層のシート抵抗が、そこにあらかじめドーピングされているn型イオン(一般にリン)とは逆導電型のp型イオン(一般にボロン)の注入によって微妙に変化するためである。
この様に、P型イオンの注入はマスク層を用いて限定的に行われるため、Pチャネル型のMOSFETのLDD部分では事前に打ち込まれたn型イオンの注入量を打ち消すようにp型イオンの注入量を設定すればよい。
サイドウオールスペーサは、CVDによる絶縁膜の堆積と活性イオンエッチング(RIE)を用いて形成するが、このLDD構造を形成するためのCVD層のエッチバック工程(サイドウオールスペーサ形成)がある場合には、抵抗素子として作用するポリシリコン層の表面がわずかに削られ、抵抗値にばらつきが生ずる場合がある。
しかし、反射防止膜の膜材料・膜厚を適切に選択することにより、反射防止膜をエッチング保護膜として活用することができ、高精度の抵抗素子を容易に形成することが可能になる。エッチング保護膜として用いた反射防止膜はサイドウオールスペーサを形成後は選択的エッチングによって除去される。特に除去しなければならないものではなく、シリサイド膜厚に比較して十分薄いためこの一部として残しても以後の半導体製造工程に支障が生ずることはない。
また、図15(e)におけるソース及びドレイン領域形成のためのイオン注入前、もしくは、後に通称シリサイドプロセスと呼ばれる半導体製造プロセスを用いた金属シリサイド゛の形成工程を導入することも可能である。この場合は、図14(b)におけるポリサイド成膜プロセスではそのままでも変形シリサイドプロセスとして利用が可能であるし、ポリサイド成膜上のシリサイド膜厚を薄くしても良いし、通常のシリサイドプロセスの様にポリシリコンのみの成膜としてももちろん良い。
この方法でシリサイドプロセスを用いるメリットは、拡散層のシート抵抗が小さくなるためMOSトランジスタの駆動能力が大きくなり、同じサイズのトランジスタから同じ抵抗のヒューズ素子に対してより大きな電気パルスが印加できるようになることである。
もちろんこれらの反応前の成膜厚や反応温度で調整してヒューズ素子に用いるシリサイド層のシート抵抗を合わせ込むことも可能であり、また、異なったシート抵抗であっても切断側トランジスタの駆動能力の調節やヒューズ素子の抵抗に合わせた電気パルスの持っているパワーの調節で問題なく適応が可能である。
図15(e)に示したサイドスペーサ形成、拡散層形成に続き、ここでは、通常のCMOS集積回路装置の製造方法による配線工程の形成を次のように順次実行し、第1層間絶縁膜、コンタクトホール、コンタクトホールの埋め込み(W-プラグ形成)、金属配線の形成を行い、最後に半導体表面に形成された電気回路の保護のためパッシベーション(Passivation)膜を成膜する。
ここでは、MOS型トランジスタ、ヒューズ素子等を覆って、第1層間絶縁膜としてPSG(リンケイ酸ガラス)及びBPSG(ボロン・リンケイ酸ガラス)を順次に堆積して0.6μm〜0.8μm程度の厚さを有する層間絶縁膜を形成する。そして、周知のホトリソグラフィ及びドライエッチング処理によりこの層間絶縁膜にコンタクトホールをそれぞれソース領域及びドレイン領域、等の基板上の拡散領域及びMOSトランジスタのゲート電極、ヒューズ素子、ポリサイド配線(図示しない)の各部分に沿するように形成する。
Ti膜は、スパッタ法により堆積することができ、成膜条件は、一例として、基板温度:150°C、Ar流量:30sccm圧力:3mTorr、スパッタリングパワー:1150Wとすることができる。Ti膜の堆積には、コリメートスパッタ法またはロングスロースパッタ法を用いるのが好ましい。このような方法を用いると、微細なコンタクトホールの底部で十分なTi膜厚を得ることができる。また、CVD法を用いれば理想的な被覆性を持ったTi膜を形成可能である。
密着層を形成した後、密着層の耐熱性及びバリア性を向上させるために、N2雰囲気中で500−800度の基板温度にて10−60秒間の高速熱処理(ランプアニールのようなRapidThermal Anneal[RTA]処理)を行ってもよい。
この後、コンタクトホールの内部及び密着層を覆ってW等のプラグ材料からなる導電材層をCVD法で形成する。導電材層の厚さは、コンタクトホールが導電材で埋まるように選択される。すなわち、理めたいコンクトホールの直径の1/2以上の膜厚が選定され、一例としてコンタクトホール直径が0. 50μm程度の場合にはその半径の1.2〜2.0倍程度の膜厚が選択され成膜厚=300〜500nm(好ましくは同1.4倍〜1.6倍:同350〜400nm)が選定される。導電材層の厚さが薄いほど成膜装置及びその後のエッチバックの負荷が少なくて済む。
導電材層の異方性エッチバック処理により導電材層をエッチングして、コンタクトホール内にのみ導電材層を残す。このエッチバック処理は、密着層が露呈するまで導電材層を次に示す異方性エッチング条件にてドライエッチングする。このときのドライエッチングをRIE(反応性イオンエッチング)法で行う場合、エッチング条件は、一例として、ガス流量:SF6 /Ar=30−140/40−140(好ましくは110/90)sccm高周波パワー:450W圧力:32Paとすることができる。Wのエッチング終点の検出は、F+の発光強度(波長704nm)をモニターし、F+の発光強度が増大してくる所(発光強度の微分が大きくなる時点)を検出することにより行うことができる。なお、このエッチングは、層間絶縁膜上で密着層が除去されて絶縁膜が露呈するまで行うようにしてもよい。
配線材層として、Al層またはAl−Si、 Al−SとCuなどのAl合金層をスパッタ法で100〜1000(好ましくは500)nmの厚さに形成することができる。このときの成膜条件は、一例として、基板温度:200Car、流量:33sccm圧力:2mTorrスパックリングパワー:9000Wとすることができる。このようにして配線材層を形成した後、基板を真空中に保持して400〜550度に加熱しリフロー処理を行う。配線材層としては、Al又はAl合金層の代りに、Cu又はCu合金(Cu−cr、Cu−Zr、Cu−Pdなど)を用いてもよく、この場合にはスパッタリング時のターゲットをCu又はCu合金に置き換えるだけである。Cuのような配線材層の成膜に先立ってコンタクトプラグ及び密着層を直接的に覆って導電性のバリア層を形成した後、バリア層の上に配線材層を形成する方法を用いても良い。
このバリア層は、前述した密着層と同様にしてTi層及びTiN層(又はTiON層)を順次にスパッタ法等で堆積することにより形成することができる。バリア層の材料としては、上記したものに限らず、TiW等の高融点金属の合金、金属シリサイド、金属シリサイドとTiN等の金属窒化物との積層、タンタル・タンタルナイトライド等の高融点金属とその窒化物(又はホウ化物)との積層等を用いてもよい。
キャップ層には、ホトリソグラフィ処理時に光反射を防止したり、配線材層の酸化を防止したり、配線材層からのAlなどの拡散を阻止したりする作用がある。
周知のホトリソグラフィ及びドライエッチング処理により配線材層をパターニングしてそれぞれコンタクトプラグや図示しない接続端子につながるように残存させる。バリア層及び/又はキャップ層を形成したときは、いずれの層も配線材層と共にパターニングして同様の部分のみを残存させることで配線パターンが形成できる。
本実施形態に従う製造方法を用いて作製した半導体装置では、ヒューズ素子がMOSトランジスタのゲート電極の材料、厚さに等しいポリシリコン層とこのポリシリコン層上に同じく等しい厚さの金属シリサイドが積層されたポリサイド構造を有するという特徴を持っている。(図示しない配線Mとも同一である)
上記したようなプロセス工程や条件の任意の選択意外にも、半導体プロセスや製造方法として周知の事実は任意に選択が可能であることは同業者であれば自明のことである。
図16で示した第2ポリシリコン層、もしくは第2ポリサイド層でヒューズ素子を形成する方法については、図14、図15で詳細に説明したプロセス工程や製造条件と略同一であるので、以下ではその製造方法の違いのみをまとめる。
すなわち、ヒューズ素子を第2ポリシリコン層の単独、もしくは第2ポリシリコン層と第2金属シリサイド層の2層構造で第2ポリサイド層を構成するためには図14、図15を用いで説明したプロセス工程に対して第1層間絶縁膜上に、図1(b)(c)で詳しく説明した製造方法と略同じ方法にて成膜とパターニングが可能である。ここで若干異なっているのは、熱処理温度と不純物のイオン注入工程についてである。
この熱処理は通常の拡散炉を用いても良く、また、RTAによる加熱でもよい。この熱処理温度は500度〜1000度の間で選択され、望ましくは700度〜950度での熱処理を行う。拡散炉の場合には熱処理時間は5min〜90minの間で任意に選択が可能であるが、望ましくは10min〜30min程度である。RTAを用いた場合、熱処理時間は1sec〜120secの間で任意に選択が可能であるが、望ましくは5sec〜30sec程度である。ここではRTA法を用い、850度で10sec間熱処理を行った。
上記理由から、加熱方法は短時間で熱処理が行えて温度分布の管理も正確に可能なRTA処理が望ましい。さらには第2ポリサイド層のシート抵抗は増加するが、この熱処理を省略することも可能である。また、ポリサイドのパターニング後に、LDDやソース、ドレイン形成用の不純物のイオン注入処理も省略が可能であり、この場合、ポリサイドのシート抵抗が、イオン注入がされる場合よりも若干高めになる。従って、トランジスタの駆動能力、電気パルスのエネルギー、ヒューズ素子の抵抗等の調節が必要であるが、この場合でもヒューズ素子の切断は上記の通りに行うことが可能である。
さらに、図示しないが、第1ポリサイド膜(ポリシリコン膜)とその上の第2ポリサイド膜(ポリシリコン膜)との間で容量を形成しても良いし、この第2ヒューズ素子をポリシリコン層のみで形成する場合には、同じ層で抵抗素子も形成できる。ヒューズ素子はこの製造方法の他にも、複数のポリシリコン層を用いるアナログLSIやDRAM等の製造方法による、抵抗素子や容量素子で製造される第n層目のポリシリコン層を単独で用いて形成されても良いし、
なお、図16中では、第2ヒューズ素子はMOSトランジスタのドレイン側のコンククトプラグに下層のポリシリコン層側に直結で図示されているが、これに限らず上方からのビアプラグによってMOSトランジスタのドレイン側に接続されていても良い。さらには、ダマシン法を用いて第2ヒューズ素子を形成しても良いし、デュアルダマシン法を用いて、上方のビアプラグと配線を同時形成しても良い。また、第1ヒューズ素子と第2ヒューズ素子を直結、もしくは両者の一端のみを接続しても利用することが出来る。さらにはそれらの間で切断特性が異なるように設定しておけば2値の情報を書き込むことが出来るメモリ回路として利用することも可能である。
本実施形態によれば、先に説明された方法によって形成されるSTIによって素子が分離され、トランジスタは先に説明済みの方法によってシリサイドプロセスにより形成されているものとする。
特に、この様に第nポリシリコン層もしくはポリサイド層で構成するヒューズ素子アレイは、上記した図12、図13に示したようなヒューズ素子を複数用いた情報の書込み読み出し方式の回路構成に用いて好適である。
本発明によれば、複数の電気パルスでヒューズ素子を切断することにより、ヒューズ素子切断時の物理的、熱的ダメージを低減することができる。また、ヒューズ素子と周辺回路との間隔を狭め空間サイズを極力小さく出来、あるいは、これを無くし、また、ヒューズ素子と周辺回路との積層を可能とする。
上記した複数の電気パルスによる切断方法を最適化して周辺回路への熟的ストレスを軽減すれば、このヒューズ素子を実際のLSI回路に応用することで、例えばヒューズ素子を切断するためのトランジスタを含む回路、配線、さらにはこのヒューズ素子を応用したプログラミング回路、メモリ回路、容量トリミング回路、抵抗トリミング回路等と、ヒューズ素子との間隔をできる限り狭めることでLSI回路の集積度を向上することができ、また、LSIのチップ単価を低下させることができる。さらにはヒューズ素子に隣接・近接、あるいは積層して切断用トランジスタや回路・配線・抵抗素子・容量素子を設けることが可能であり、よりチップサイズを縮小できる。
更に、本発明によれば、1/n程度の電気エネルギーに減少した電気パルスをm個のヒューズ素子に印加して切断することができるため、複数のヒューズ素子を同時に切断することが可能となる。この場合、m≦nとすれば、回路上必要な電気エネルギーを小さくすることが出来るため、電源系の負荷が小さく、また回路設計も容易となる。
Claims (11)
- 半導体基板の表面上に形成されたヒューズ素子を電気パルスにより切断する半導体装置であって、
任意の電気エネルギーを持つ前記電気パルスを生成し、前記ヒューズ素子に対して任意のインターバルをもって繰り返し印加するパルス発生回路を具備することを特徴とする半導体装置。 - 前記パルス発生回路は、
前記ヒューズ素子の切断が、1回の電気パルスで切断される必要十分でかつ最小のエネルギーより小さな電気エネルギーを持つ電気パルスを生成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 前記パルス発生回路から供給されるパルスを入力として得、当該パルスを前記ヒューズ素子に供給する切断用トランジスタと、前記ヒューズ素子の抵抗を測定して前記ヒューズ素子の切断の成否を判断する切断判定回路と、
を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。 - 前記切断判定回路により切断されたことを検知して以降の前記パルスの供給を禁止する電気回路と、
を具備することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。 - 半導体基板の表面上に形成されたヒューズ素子を電気パルスにより切断する半導体装置であって、
前記ヒューズ素子の切断の成否による電気抵抗の変化を検知して情報のリードライトを行う前記ヒューズ素子を記憶素子として用いたメモリ回路を具備することを特徴とする半導体装置。 - 前記ヒューズ素子を前記切断用トランジスタ近傍に配置して成ることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 複数の前記ヒューズ素子を異なる層に積層して成る請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記ヒューズ素子を、当該ヒューズ素子の上方もしくは近傍の異なる層に積層して成る請求項7に記載の半導体装置。
- 前記切断用トランジスタや活性領域の上方もしくは近傍に前記ヒューズ素子を形成して成る請求項3〜8のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記切断用トランジスタや活性領域の上方もしくは近傍に複数の前記ヒューズ素子を形成して成る請求項3〜9のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 半導体基板の表面上に形成されたヒューズ素子を電気パルスにより切断する半導体装置におけるヒューズ素子の切断方法であって、
任意の電気エネルギーを持つ前記電気パルスを生成するステップと、
前記電気パルスを、ヒューズ素子に対して任意のインターバルをもって繰り返し印加するステップと、
を有することを特徴とする半導体装置におけるヒューズ素子の切断方法。
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