JP2007254254A - フッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法 - Google Patents

フッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な蒸留操作で且つ低コストでフッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法を提供する。
【解決手段】フッ酸及び他の酸を含む混酸廃液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめて蒸留を行うことによって、フッ酸組成比の増大した混酸液を留出させて回収する。
【選択図】なし

Description

この発明は、フッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を蒸留により回収する方法に関する。
この明細書及び特許請求の範囲において、「フッ酸組成比の増大した」の語は、混酸廃液におけるフッ酸組成比よりも留出混酸液におけるフッ酸組成比の方が大きい関係が成立していることを意味する。
また、この明細書及び特許請求の範囲において、「フッ酸組成比」の語は、混酸廃液または留出混酸液における全ての含有酸成分の総モル数に対するフッ酸のモル数の割合を意味するものである。即ち、フッ酸のモル濃度/(フッ酸のモル濃度+他の酸のモル濃度)で算出される値である。
近年飛躍的に成長した半導体製造産業等においては、その製造過程において多様な廃水が出るが、各廃水の種類、性質等に応じてしかるべき処理が施されて排出されている。例えばシリコンウェハーの洗浄工程からは硝酸及びフッ酸(フッ化水素酸)を含む混酸廃液が出る他、シリコンウェハーの化学エッチング処理工程からは酢酸、硝酸及びフッ酸が混合された混酸廃液が出るが、このような混酸廃液から各酸を個別に分離回収して再利用することは現状では技術的に困難である上に、この混酸廃液にはSi、Al、Fe等の各種金属が混在しているので混酸として再利用することもできないことから、この混酸廃液に対して中和処理を施して排水するのが一般的であった。
しかし、前記中和処理によって排水中に酢酸塩、硝酸塩等の塩が生じるので、少なからず環境汚染の原因となることは避けられず、環境保全の観点からするとこの中和処理は決して望ましい手段とは言えない。また、地球環境保全の要請から、近年リサイクル利用の重要性が叫ばれているが、従来の中和処理による排出方法は廃酸を全くリサイクル利用することなく捨ててしまう方法であるので、このような社会的要請にも全く応えることができないものであった。
このような状況の中、炭素数8〜12のアルコール及び炭素数8〜12のアルコールの酢酸エステルを含有してなる抽剤液と、正リン酸エステルをそれぞれ個別に抽剤として用いることによって、酢酸、硝酸及びフッ酸を含む混酸廃液から各酸を個別に分離回収する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−324164号公報
ところで、前述したように、シリコンウェハーの洗浄処理には硝酸とフッ酸の混合液が用いられているし、これ以外にも例えばステンレス鋼板の表面処理には硝酸とフッ酸の混合液が用いられており、このようにフッ酸が使用される場合には他の酸との混酸形態で使用される場合が少なくない。従って、このような混酸形態で使用される用途でリサイクル利用することを前提にすれば、必ずしも混酸廃液から各酸を個別に分離する必要はないと本発明者は考えた。しかして、例えば、フッ酸及び硝酸を含む混酸廃液から金属等の不純物を除去してフッ酸及び硝酸を含む混酸液を回収する場合、リサイクル回収効率を向上させることを考慮すると、回収される混酸液におけるフッ酸濃度及び硝酸濃度の両方ができるだけ高くなっている(濃縮されている)ことが望ましいのであるが、現実的にはこのような混酸液を回収することは困難であった。そこで、本発明者は、硝酸よりもフッ酸の方が高価である点に着目し、回収される混酸液におけるフッ酸組成比を高めることのできる技術を開発すれば、経済的に非常に有利な回収方法を提供できると考えた。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、簡単な蒸留操作で且つ低コストで、フッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明者は鋭意研究の結果、フッ酸を含む混酸廃液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめて蒸留を行うことによって、フッ酸組成比の増大した混酸液を留出液として回収できることを見出すに至り、この発明を完成した。即ち、本発明は以下の手段を提供する。
[1]フッ酸及び他の酸を含む混酸廃液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめて蒸留を行うことによって、フッ酸組成比の増大した混酸液を留出させることを特徴とするフッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法。
[2]フッ酸及び硝酸を含む混酸廃液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめて蒸留を行うことによって、フッ酸組成比の増大した混酸液を留出させることを特徴とするフッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法。
[3]フッ酸、硝酸及び酢酸を含む混酸廃液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめて蒸留を行うことによって、フッ酸組成比の増大した混酸液を留出させることを特徴とするフッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法。
[4]前記金属塩としてフッ化マグネシウムを用い、前記混酸廃液に該フッ化マグネシウムを溶解せしめてなる液におけるフッ化マグネシウムの含有割合が5〜15質量%である前項1〜3のいずれか1項に記載のフッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法。
[5]前項1〜4のいずれか1項に記載の回収方法により得られた回収混酸液。
[1]の発明では、フッ酸及び他の酸を含む混酸廃液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめているので、簡単な蒸留操作を行うだけで混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸液を回収できる。また、回収混酸液は蒸留による留出液として得られるので、金属等の不純物の含有もなく、高純度の回収混酸液を得ることができる。また、高価であるフッ酸の組成比が蒸留前よりも増大した混酸液を回収できるので、即ち高価であるフッ酸を十分に回収できるので、経済的に非常に有利である。
[2]の発明では、フッ酸及び硝酸を含む混酸廃液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめているので、簡単な蒸留操作を行うだけで混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸液を回収できる。また、回収混酸液は蒸留による留出液として得られるので、金属等の不純物の含有もなく、高純度の回収混酸液を得ることができる。また、高価であるフッ酸の組成比が蒸留前よりも増大した混酸液を回収できるので、即ち硝酸よりも高価であるフッ酸を十分に回収できるので、経済的に非常に有利である。
[3]の発明では、フッ酸、硝酸及び酢酸を含む混酸廃液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめているので、簡単な蒸留操作を行うだけで混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸液を回収できる。また、回収混酸液は蒸留による留出液として得られるので、金属等の不純物の含有もなく、高純度の回収混酸液を得ることができる。また、高価であるフッ酸の組成比が蒸留前よりも増大した混酸液を回収できるので、即ち硝酸・酢酸よりも高価であるフッ酸を十分に回収できるので、経済的に非常に有利である。
[4]の発明では、金属塩としてフッ化マグネシウムを用いるものとし、フッ化マグネシウムの含有割合が5〜15質量%であるから、混酸廃液からフッ酸組成比をより増大させた混酸液を回収できる利点がある。
[5]の発明では、金属等の不純物の含有のない高純度のフッ酸含有混酸回収液が提供される。このフッ酸含有混酸回収液は、混酸廃液を原料にして再生したものであるから資源の有効利用を図り得る。
この発明に係る、フッ酸(フッ化水素酸)を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法は、フッ酸及び他の酸を含む混酸廃液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめて蒸留を行うことによって、フッ酸組成比の増大した混酸液を留出させることを特徴とする。混酸廃液に上記特定の金属塩を溶解せしめた状態で蒸留することによってフッ酸組成比の増大した混酸液を回収できる。即ち、フッ酸組成比の増大した混酸液が留出液(蒸留液)として得られる。
このように本発明の回収方法では、フッ酸を含む混酸廃液に上記特定の金属塩を溶解せしめているので、簡単な蒸留操作を行うだけで混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸液を回収することができる。また、回収混酸液は蒸留の留出液として得られるので、前記混酸廃液が金属不純物を含有するようなものであっても、回収混酸液は金属等の不純物の含有もなく、従って高純度の回収混酸液を得ることができる。また、回収混酸液は、混酸廃液を原料にして再生したものであるから資源の有効利用を図ることができる。また、高価であるフッ酸の組成比が蒸留前よりも増大した混酸液を回収できるので、即ち高価であるフッ酸を十分に回収できるので、経済的に非常に有利である。
この発明の回収方法を適用する対象の混酸廃液は、フッ酸及びフッ酸を除く他の酸を含む混酸廃液であり、前記他の酸としては、特に限定されるものではないが、例えば硝酸、酢酸、硫酸等が挙げられる。前記適用対象の混酸廃液としては、具体的には、例えば、フッ酸及び硝酸を含む混酸廃水、フッ酸、硝酸及び酢酸を含む混酸廃水、フッ酸及び硫酸を含む混酸廃水、フッ酸及び酢酸を含む混酸廃水等が挙げられるが、特にこれら例示したものに限定されるものではない。
前記金属塩としては、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を用いる。
前記混酸廃液にフッ化マグネシウムを溶解せしめてなる液における該フッ化マグネシウムの含有割合は5〜15質量%であるのが好ましい。5質量%以上とすることでフッ酸組成比を十分に増大させた混酸液を回収できると共に15質量%以下とすることで液中におけるフッ化マグネシウムの多量の析出を十分に防止できる。中でも、前記混酸廃液にフッ化マグネシウムを溶解せしめてなる液における該フッ化マグネシウムの含有割合は8〜10質量%であるのが特に好ましい。
また、前記混酸廃液に硝酸セシウムを溶解せしめてなる液における該硝酸セシウムの含有割合は20〜55質量%であるのが好ましい。20質量%以上とすることでフッ酸組成比を十分に増大させた混酸液を回収できると共に55質量%以下とすることで液中における硝酸セシウムの多量の析出を十分に防止できる。
また、前記混酸廃液に硝酸カリウムを溶解せしめてなる液における該硝酸カリウムの含有割合は20〜60質量%であるのが好ましい。20質量%以上とすることでフッ酸組成比を十分に増大させた混酸液を回収できると共に60質量%以下とすることで液中における硝酸カリウムの多量の析出を十分に防止できる。
なお、フッ酸及び硝酸を含む混酸廃液に、前記特定の金属塩を溶解せしめて蒸留を行う場合には、蒸留温度(蒸留の際の液の温度)を180〜200℃の範囲に設定するのが好ましい。180℃以上とすることで蒸留効率(生産性)を向上できると共に200℃以下とすることで蒸留に要する熱エネルギーコストを抑制することができる。
また、フッ酸、硝酸及び酢酸を含む混酸廃液に、前記特定の金属塩を溶解せしめて蒸留を行う場合には、蒸留温度(蒸留の際の液の温度)を180〜200℃の範囲に設定するのが好ましい。180℃以上とすることで蒸留効率(生産性)を向上できると共に200℃以下とすることで蒸留に要する熱エネルギーコストを抑制することができる。
上記のようにして得られた回収混酸液は、そのまま使用することもできるし、各種用途に対応して適宜各酸の濃度を調整して使用することもできる。例えば、フッ酸及び硝酸を含む回収混酸液を例に説明すると、フッ酸の濃度を低減する必要がある場合には前記回収混酸液を水で所要濃度まで希釈すれば良いし、また硝酸の濃度を高める必要がある場合には前記回収混酸液に新たに硝酸(市販品や再生品等)を所要濃度になるまで添加混合すれば良い。このように回収混酸液に新たに硝酸を添加する場合でも硝酸はフッ酸よりも格段に安価であるから、フッ酸を新たに添加して調整する場合と比較すれば遙かに経済的である。
なお、上記のようにして得られた回収混酸液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめてさらに蒸留を行うようにしても良い。この場合には、フッ酸組成比をより一層増大させた混酸液を回収できる。このような特定塩を添加した蒸留操作をさらに1ないし複数回繰り返しても良い。
次に、この発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
フッ酸濃度が5.0mol/dm3、硝酸濃度が5.0mol/dm3である混酸廃水(フッ酸及び硝酸を含む混酸廃水)100質量部にフッ化マグネシウム(MgF2)を10質量部溶解せしめて蒸留塔に投入して蒸留温度200℃で真空蒸留を行った。この蒸留操作により蒸留塔の頂部からフッ酸濃度が6.61mol/dm3、硝酸濃度が1.12mol/dm3である留出混酸液を回収した。即ち、フッ酸組成比が蒸留前の0.50から0.86に増大した混酸液を回収した。
<実施例2>
フッ酸濃度が5.0mol/dm3、硝酸濃度が5.0mol/dm3である混酸廃水(フッ酸及び硝酸を含む混酸廃水)100質量部に硝酸セシウムを80質量部溶解せしめて蒸留塔に投入して蒸留温度200℃で真空蒸留を行った。この蒸留操作により蒸留塔の頂部からフッ酸濃度が5.43mol/dm3、硝酸濃度が1.13mol/dm3である留出混酸液を回収した。即ち、フッ酸組成比が蒸留前の0.50から0.83に増大した混酸液を回収した。
<実施例3>
フッ酸濃度が5.0mol/dm3、硝酸濃度が5.0mol/dm3である混酸廃水(フッ酸及び硝酸を含む混酸廃水)100質量部に硝酸カリウムを100質量部溶解せしめて蒸留塔に投入して蒸留温度200℃で真空蒸留を行った。この蒸留操作により蒸留塔の頂部からフッ酸濃度が6.43mol/dm3、硝酸濃度が1.52mol/dm3である留出混酸液を回収した。即ち、フッ酸組成比が蒸留前の0.50から0.81に増大した混酸液を回収した。
<比較例1>
フッ酸濃度が5.0mol/dm3、硝酸濃度が5.0mol/dm3である混酸廃水(フッ酸及び硝酸を含む混酸廃水)を蒸留塔に投入して蒸留温度200℃で真空蒸留を行った。この蒸留操作により蒸留塔の頂部からフッ酸濃度が5.72mol/dm3、硝酸濃度が4.85mol/dm3である留出混酸液を回収した。フッ酸組成比は蒸留操作の前後で殆ど変化がなかった。
Figure 2007254254
<実施例4>
フッ酸濃度が5.0mol/dm3、硝酸濃度が5.0mol/dm3、酢酸濃度が1.0mol/dm3である混酸廃水(フッ酸、硝酸及び酢酸を含む混酸廃水)100質量部にフッ化マグネシウム(MgF2)を10質量部溶解せしめて蒸留塔に投入して蒸留温度200℃で真空蒸留を行った。この蒸留操作により蒸留塔の頂部からフッ酸濃度が7.0mol/dm3、硝酸濃度が1.5mol/dm3、酢酸濃度が1.2mol/dm3である留出混酸液を回収した。即ち、フッ酸組成比が蒸留前の0.45から0.72に増大した混酸液を回収した。
<実施例5>
フッ酸濃度が5.0mol/dm3、硝酸濃度が5.0mol/dm3、酢酸濃度が1.0mol/dm3である混酸廃水(フッ酸、硝酸及び酢酸を含む混酸廃水)100質量部に硝酸セシウムを80質量部溶解せしめて蒸留塔に投入して蒸留温度200℃で真空蒸留を行った。この蒸留操作により蒸留塔の頂部からフッ酸濃度が6.8mol/dm3、硝酸濃度が1.5mol/dm3、酢酸濃度が1.2mol/dm3である留出混酸液を回収した。即ち、フッ酸組成比が蒸留前の0.45から0.72に増大した混酸液を回収した。
<実施例6>
フッ酸濃度が5.0mol/dm3、硝酸濃度が5.0mol/dm3、酢酸濃度が0.5mol/dm3である混酸廃水(フッ酸、硝酸及び酢酸を含む混酸廃水)100質量部に硝酸カリウムを100質量部溶解せしめて蒸留塔に投入して蒸留温度200℃で真空蒸留を行った。この蒸留操作により蒸留塔の頂部からフッ酸濃度が7.0mol/dm3、硝酸濃度が1.5mol/dm3、酢酸濃度が0.6mol/dm3である留出混酸液を回収した。即ち、フッ酸組成比が蒸留前の0.48から0.77に増大した混酸液を回収した。
Figure 2007254254
表1、2から明らかなように、この発明の回収方法を適用した実施例1〜6では、混酸廃液からフッ酸組成比が顕著に増大した回収混酸液を得ることができた。これに対し、混酸廃液に特定の金属塩を添加することなく蒸留操作を行った比較例1では、蒸留操作を行ってもフッ酸組成比は殆ど変化がなかった。

Claims (5)

  1. フッ酸及び他の酸を含む混酸廃液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめて蒸留を行うことによって、フッ酸組成比の増大した混酸液を留出させることを特徴とするフッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法。
  2. フッ酸及び硝酸を含む混酸廃液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめて蒸留を行うことによって、フッ酸組成比の増大した混酸液を留出させることを特徴とするフッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法。
  3. フッ酸、硝酸及び酢酸を含む混酸廃液に、硝酸セシウム、硝酸カリウム及びフッ化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩を溶解せしめて蒸留を行うことによって、フッ酸組成比の増大した混酸液を留出させることを特徴とするフッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法。
  4. 前記金属塩としてフッ化マグネシウムを用い、前記混酸廃液に該フッ化マグネシウムを溶解せしめてなる液におけるフッ化マグネシウムの含有割合が5〜15質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフッ酸を含む混酸廃液からフッ酸組成比の増大した混酸を回収する方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の回収方法により得られた回収混酸液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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