JP2007253689A - 車両用空調装置 - Google Patents

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昌幸 村瀬
Yoshihiro Sekiya
好弘 関谷
Frederick David
フレデリク ダビッド
Toshio Tsubakida
敏雄 椿田
Daisuke Araki
大助 荒木
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Abstract

【課題】サイドベント吹出開口部を常時開放する構成を備えた車両用空調装置において、吹出モードに応じてサイドベント吹出開口部から供給される空気量を制御することが可能な車両用空調装置を提供する。
【解決手段】空調ケース3のサイドベント吹出用開口部16a,16bの常時開放している部分に通じるサイドベント用通路19a,19bを空調ケース内に設けられたガイド壁20a,20bで画成するとともに、サイドベント用通路19a,19bの開度をサイドベント制御ドア23a,23bにより調節する。サイドベント制御ドア23a,23bは、回転軸31に固装された歯車32をメインレバー27に形成されたギア33に噛合させ、モードドア(ベント用ドア21、デフフット用ドア22)と連動させる。
【選択図】 図4

Description

この発明は、車両等に用いられる空調装置にあって、空気流路が形成された空調ケースの最下流側に車室両側の上部空間へ空気を供給するサイドベント吹出用開口部を備え、このサイドベント吹出用開口部を常時開放する構成を備えた車両用空調装置に関する。
従来、車巾方向の中央部に配置される所謂センター置きの空調装置において、サイドベント吹出口に夏季の冷風吹出による冷房作用と、冬季の温風吹出による側面窓ガラスの曇り止め作用を兼務させるために、ベントモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフモード、デフロストモードの5つの吹出モードを2枚のドアを連動操作することにより切替設定すると共に、ベント吹出空気通路をセンタベント吹出口用の通路とサイドベント吹出口用の通路とに分岐し、サイドベント吹出用の通路を全モードにおいて開状態に維持する構成が考えられている(特許文献1参照)。
また、空気通路の下流側に、センターベント開口部、サイドベント開口部、デフ開口部を設け、これら開口部がセンタベントドア、サイドベントドア、デフドアによってそれぞれ開閉される車両用空調装置において、空気通路とサイドベント吹出口とを連通するリーク通路を設け、このリーク通路により、サイドベントドアによってサイドベント開口部を全閉した場合でも、サイドベント吹出口から所定量の空気を吹き出し可能とした構成も考えられている。(特許文献2参照)。
特開平9−263120号公報 特開2003−54242号公報
ところで、上述のようなサイドベント常開機能を備えた空調装置において、昨今においては、インスツルメントパネルのコストダウンを図るために、サイドデフの吹き出しグリルやダクトを無くし、サイドベント吹出しをサイドデフと共用する構成が検討されている。このような構成においては、デフモード時とベントモード時において、サイドベント吹出用開口部から供給される空気量を多くする要請があるが、フットモード時において、温風が乗員の頭部に吹き付けられて乗員に不快感を与えることを抑制するために、サイドベント吹出用開口部から供給される風量を少なくする要請がある。
しかしながら、サイドベント吹出用の通路を全モードにおいて開状態に維持する前者の構成にあっては、ドア巾を空気通路巾より小さくしてドアの両側に通路を形成し、センタベント開口部を閉成状態にした場合においてもサイドベント吹出口に通じる通路を閉塞しないようにしているので、サイドベント吹出用の通路を介して供給される風量はドア巾や通路巾によって決定され、サイドベント風量を吹出モード毎に制御することができず、フットモード時においては乗員の頭部に吹き付けられる温風が過剰となり、乗員に不快感を与える等の不都合が生じる。
また、後者の構成においても、リーク通路を介してサイドベント吹出口へ供給される空気量は、リーク通路の大きさによって決定されるので、デフモード時やベントモード時の供給風量に合わせてリーク通路が形成されていると、フットモード時においては、乗員の頭部に吹き付けられる温風が過剰となり、同様の不都合が生じる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、サイドベント吹出用開口部を常時開放する構成を備えた車両用空調装置において、吹出モードに応じてサイドベント吹出用開口部から供給される空気量を制御することが可能な車両用空調装置を提供することを主たる課題としている。また、このようなサイドベント吹出用開口部から供給される風量を制御するにあたり、既存のリンク構成を利用して簡易に構成することが可能な車両用空調装置を提供することをも課題としている。
上記課題を達成するために、この発明に係る車両用空調装置は、空気流路が形成された空調ケースと、この空調ケースの最下流側に前記空気流路を通過した空気を送出するデフロスト吹出用開口部、センタベント吹出用開口部、及びサイドベント吹出用開口部が少なくとも形成され、前記サイドベント吹出用開口部の少なくとも一部を吹出モードに拘わらず常時開放状態としている構成において、前記サイドベント吹出用開口部の常時開放している部分に通じる通路を前記空調ケース内に設けられたガイド壁で画成するとともに、前記通路の開度を開度調節機構を設けて調節可能としたことを特徴としている(請求項1)。
したがって、サイドベント吹出用開口部の常時開放している部分に通じる通路の開度を開度調節機構により調節すれば、吹出モードに応じてサイドベント吹出用開口部から吹き出す風量を調節することが可能となり、デフモード時やベントモード時ではサイドベント吹出用開口部から供給される空気量を多くし、フットモード時においては、サイドベント吹出用開口部から供給される空気量を抑えて乗員の頭部への温風の吹き付けを抑えることが可能となる。
ここで、開度調節機構は、サイドベント吹出用開口部へ通じる通路に配された回転可能な専用ドアによって構成してもよく(請求項2)、このような構成においては、既存の部品を利用して構造の簡素化を図るために、専用ドアを、その回転軸に固装された歯車をモードドアの駆動レバーに形成されたギアに噛合させ、モードドアと連動させる構成にしてもよい(請求項3)。
以上述べたように、本発明によれば、サイドベント吹出用開口部の少なくとも一部が吹出モードに拘わらず常時開放されている車両用空調装置において、サイドベント吹出用開口部の常時開放している部分に通じる通路を前記空調ケース内に設けられたガイド壁で画成するとともに、前記通路の開度を開度調節機構を設けて調節するようにしたので、吹出モードに応じてサイドベント吹出用開口部から供給される空気量を制御することが可能となり、デフモード時とベントモード時はサイドベント吹出用開口部から供給される空気量を多くし、フットモード時においては、サイドベント吹出用開口部から供給される風量を少なくして乗員に不快感を与えることを抑制することが可能となる。
また、開度調節機構をサイドベント吹出用開口部へ通じる通路に配された回転可能な専用ドアによって構成すれば、開度調節を容易に行うことが可能となり、また、回転軸に固装された歯車をモードドアの駆動レバーに形成されたギアに噛合させ、専用ドアとモードドアとを連動させる構成とすれば、既存の構成を利用できるので、専用ドアを駆動させるために大掛かりな機構が不要となり、構造の簡素化を図ることが可能となる。
以下、この発明の最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1において、車両のセンターコンソール部に搭載されるセンター置きタイプの空調装置1が示されている。この空調装置1は、エンジンルームと車室とを区画する仕切板よりも車室側に配されているもので、内部に空気流路2が形成された空調ケース3に、送風機4、エバポレータ5、ヒータコア6等が車幅方向のほぼ同位置に収納されており、送風機4に対峙して設けられたインテーク部7を介して内気や外気を空調ケース内に導入するようになっている。
この例において、エバポレータ5は送風機4の下流側となる下方に配置され、空調ケース3内に導入される全ての空気を通過させるように立設させ、また、ヒータコア6は、エバポレータ5よりも下流側(車室側)において空調ケース3の下部に立設されている。尚、図中において、前方とは、車両前方側のことであり、エンジンルーム側を指す。また、後方とは、車両後方側のことであり、車室側を指す。
ヒータコア6の上方には、エバポレータ5を通過した空気をヒータコア6をバイパスして下流側へ導く冷風通路8が形成されている。また、ヒータコア6を通過した空気を下流側へ導く温風通路9がヒータコア6の後方から上方に向かって形成されている。
ヒータコア6の前方上部には、冷風通路8を流れる空気と温風通路9を流れる空気との割合を調節するエアミックスドア10が配置されている。このエアミックスドア10は例えば板ドアによって構成されているもので、冷風通路8を全閉にする位置から温風通路9を全閉にする位置にかけて回動するようになっており、冷風通路8を全閉にする場合には温風通路9が全開となり、温風通路9を全閉にする場合には、冷風通路8が全開となるようになっている。
そして、ヒータコア6の下流側となる上方には、冷風通路8を通過した空気と温風通路9を通過した空気とを混合させる混合エリア11が形成され、また、混合エリア11の下流側となる空調ケース3の上部には、ベント吹出用開口部12、デフロスト吹出用開口部13、及びフット吹出用開口部14が設けられている。
この例において、ベント吹出用開口部12は、空調ケース3の上端部の車両後方側寄りに設けられ、デフロスト吹出用開口部13及びフット吹出用開口部14は、前記空気流路2の最下流端に位置する空調ケース3の上端部の車両前方寄りの部分に設けられている。
ベント吹出用開口部12は、空調ケース3の車幅方向略中央に形成されたセンタベント吹出用開口部15と、このセンタベント吹出用開口部15の左右両側に形成されたサイドベント吹出用開口部16a,16bとによって構成され、左右両側に設けられたそれぞれのサイドベント吹出用開口部16a,16bは、前後に二分され、前方のサイドベント吹出用開口部17a,17bは空調ケース3に形成された孔として形成され、後方のサイドベント吹出用開口部18a,18bは、空調ケース内に形成されたサイドベント用通路19a,19bの端部に形成されている。このサイドベント用通路19a,19bは、空調ケース3に一体に形成されたガイド壁20a,20bによって画成されているもので、空調ケース3の上端部の角部を覆うように左右方向及び前後方向に添ったガイド壁20a,20bを空調ケース3の上端部から下方に向かって延設して構成され、下方から導かれる空気をサイドベント吹出用開口部18a,18bへ直接導くようにしている。
そして、前記センタベント吹出用開口部15と前方側のサイドベント吹出用開口部17a,17bとのそれぞれの開度を開口部の前方に軸支されたベント用ドア21によって同時に調節し、デフロスト吹出用開口部13とフット吹出用開口部14とのそれぞれの開度をそれぞれの開口部間に軸支されたデフフット用ドア22によって調節するようにしている。また、後方側のサイドベント吹出用開口部18a,18bの開度をサイドベント用通路19a,19bに設けられた専用のサイドベント制御ドア23a,23bにより該通路の開度を可変させることで調節するようにしている。
ここで、ベント用ドア21とデフフット用ドア22は、片持ち式の板ドアによって構成され、それぞれの軸の一端部を空調ケース3の外側に突設させてその端部にレバー(ベントドアレバー25、デフフットドアレバー26)を固装し、ベントドアレバー25にあっては、空調ケース3の外壁に軸支されたメインレバー27と連動し、デフフットドアレバー26にあっては、空調ケース3の外壁に軸支されたデフフットサブレバー28と連動するようにしている。
具体的には、ベントドアレバー25に所定の形状の係合溝25aを設け、メインレバー27のアームの先端部に設けられたピン27aを係合溝25aに係合させることでベントドアレバ25とメインレバ27とを連動させ、また、デフフットドアレバ26に所定の形状の係合溝26aを設け、デフフットサブレバー28のアームの先端部に設けられたピン28aを係合溝26aに係合させることでデフフットドアレバ26とデフフットサブレバ28とを連動させている。そして、メインレバー27とデフフットサブレバー28とをロッド29を介して連結し、メインレバー27の他のアームの先端部に形成されたピン27bに動力源からの動力を伝達するワイヤ30が取り付けられている。
したがって、ワイヤ30を進退させてメインレバー27を回動させると、ベントドアレバー25が回動し、ベント用ドア21がこれに伴って回動することとなる。また、メインレバー27の回動によりロッド29を介してデフフットサブレバー28が回動し、これによりデフフットドアレバー26が回動してデフフット用ドア22がこれに伴って回動する。
これに対して、サイドベント制御ドア23a,23bは、共通する回転軸31に固設されたバタフライ式の板ドアによって構成されている。この回転軸31の一端部は空調ケース3の外側に突設され、その先端部に歯車32が固装されている。前記メインレバ27の周縁には、回転中心と同心をなすギア33がアームと干渉しない範囲で形成され、前記歯車32を前記ギア33に噛合してメインレバー27の回動に伴って回転軸31(サイドベント制御ドア23a,23b)を回転させるようにしている。特にこの例においては、メインレバー27の可動範囲で回転軸31(サイドベント制御ドア23a,23b)を180度回転させることができるようになっている。
したがって、サイドベント制御ドア23a,23bは、ベント用ドア21やデフフット用ドア22と連動して回動し、吹出モードに応じてサイドベント用通路19a,19bの開度を調整するようになっている。
以上の構成において、次に吹出モード毎にリンクの作動状態、各ドアの位置、及び空気の流れを説明すると、ベント吹出モード時においては、図5に示される状態に設定される。即ち、ベント用ドア21を全開位置に設定してセンタベント吹出用開口部15とサイドベント吹出用開口部17a,17bを全開にし、また、サイドベントからの風量を多くするためにサイドベント制御ドア23a,23bをサイドベント用通路19a,19bの形成方向と略平行となる位置に設定する。
したがって、ベントモード時においてはサイドベント吹出用開口部18a,18bから供給される空気量を多くすることが可能となり、空調ケース3の下方から上方へ供給される空気は、センタベント吹出用開口部15及びサイドベント吹出用開口部17a,17bから吹き出されると共に、サイドベント用通路19a,19bを介してサイドベント吹出用開口部18a,18bから多量に吹き出され、図示しないベントダクトを介してセンタベント吹き出しグリル及びサイドベント吹き出しグリルから車室に供給される。
この状態からワイヤ30を動かしてメインレバ−27を回動させ、バイレベル吹出モードに設定すると、図6に示されるような状態となる。即ち、ベント用ドア21を中間位置に設定してセンタベント吹出用開口部15とサイドベント吹出用開口部17a,17bとを半開きの状態とし、デフフット用ドア22をデフ吹出用開口部13を閉、フット吹出用開口部14を開とする位置に設定し、また、サイドベント制御ドア23a,23bをサイドベント用通路19a,19bの形成方向と略平行となる位置から略45度回転させる。
すると、空調ケース3の下方から上方へ供給される空気は、センタベント吹出用開口部15及びサイドベント吹出用開口部17a,17bから吹き出されると共に、幾分絞られたサイドベント用通路19a,19bを介してサイドベント吹出用開口部18a,18bから吹き出され、図示しないベントダクトを介してセンタベント吹き出しグリル及びサイドベント吹き出しグリルから車室へ供給される。また、残りの空気は、フット吹出用開口部14からフットダクト40(図1(b)参照)を介して車室の足元に供給される。
この状態からワイヤ30を動かしてメインレバ−27を回動させ、フット吹出モードに設定すると、図7に示されるような状態となる。即ち、ベント用ドア21を全閉位置に設定してセンタベント吹出用開口部15とサイドベント吹出用開口部17a,17bを閉塞し、デフフット用ドア22をデフ吹出用開口部13を閉、フット吹出用開口部14を開とする位置に設定し、また、サイドベント制御ドア23a,23bをさらに略45度回転させてサイドベント用通路19a,19bの形成方向と略垂直となる位置に設定し、サイドベント用通路19a,19bの開度を最小にする。
すると、空調ケース3の下方から上方へ供給される空気は、センタベント吹出用開口部15及びサイドベント吹出用開口部17a,17bから吹き出されることなくフット吹出用開口部14へ導かれ、フットダクト40(図1(b)参照)を介して車室に供給される。この状態においては、サイドベント用通路19a,19bの開度が最小となっているので、少量の空気がサイドベント吹出用開口部18a,18bから供給されて図示しないサイドベント吹き出しグリルから車室へ吹き出されるが、サイドベント吹出用開口部18a,18bへ導かれる空気は最小の状態であり、温風が乗員の頭部に吹き付けられて乗員に不快感を与えることが抑制される。
この状態からワイヤ30を動かしてメインレバ−27を回動させ、デフフット吹出モードに設定すると、図8に示されるような状態となる。即ち、ベント用ドア21を全閉位置に設定してセンタベント吹出用開口部15とサイドベント吹出用開口部17a,17bを閉塞し、デフフット用ドア22を中間位置に設定してデフ吹出用開口部13とフット吹出用開口部14を半開きの状態に設定し、また、サイドベント制御ドア23a,23bをさらに略45度回転させてサイドベント用通路19a,19bと略平行となる位置から略45度回転させた位置に設定し、サイドベント用通路19a,19bの開度を幾分開く。
すると、空調ケース3の下方から上方へ供給される空気は、センタベント吹出用開口部15及びサイドベント吹出用開口部17a,17bから吹き出されることなくデフ吹出用開口部13およびフット吹出用開口部14へ導かれ、図示しないデフダクトやフットダクト40を介して車室に供給される。この状態においては、サイドベント用通路19a,19bが幾分開いた状態となっているので、この幾分絞られたサイドベント用通路19a,19bを介して空気がサイドベント吹出用開口部18a,18bから吹き出され、図示しないサイドベント吹き出しグリルから車室へ供給される。
この状態からワイヤ30を動かしてメインレバ−27を回動させ、デフ吹出モードに設定すると、図9に示されるような状態となる。即ち、ベント用ドア21を全閉位置に設定してセンタベント吹出用開口部15とサイドベント吹出用開口部17a,17bを閉塞し、デフフット用ドア22をデフ吹出用開口部13を開、フット吹出用開口部14を閉とする位置に設定し、また、サイドベント制御ドア23a,23bをさらに略45度回転させてサイドベント用通路19a,19bの形成方向と略平行となる位置に設定し、サイドベント用通路19a,19bの開度を最大にする。
すると、空調ケース3の下方から上方へ供給される空気は、センタベント吹出用開口部15及びサイドベント吹出用開口部17a,17bから吹き出されることなくデフ吹出用開口部13へ導かれ、図示しないデフダクトを介して車室に吹き出される。この状態においては、サイドベント用通路19a,19bの開度が全開状態となっているので、多量の空気がサイドベント用通路19a,19bを介してサイドベント吹出用開口部18a,18bへ導かれ、図示しないサイドベント吹き出しグリルから車室に供給される。したがって、デフ吹出モード時においてはサイドベント吹出用開口部18a,18bから供給される空気量を多くすることが可能となる。
以上のように、ガイド壁20a,20bによって画成されたサイドベント用通路19a,19bをサイドベント制御ドア23a,23bによって開度調整したので、吹出モードに応じてサイドベント吹出用開口部18a,18bから供給される空気量を制御することが可能となり、デフモード時とベントモード時はサイドベント吹出用開口部18a,18bから供給される空気量を多くし、フットモード時においては、サイドベント吹出用開口部18a,18bから供給される風量を少なくして乗員に不快感を与えることを抑制することが可能となる。
また、サイドベント制御ドア23a,23bをサイドベント吹出用開口部18a,18bへ通じるサイドベント用通路19a,19bに配された専用のドアによって構成したので、開度調節を容易に行うことが可能となり、また、回転軸31に固装された歯車32をモードドアを駆動するメインレバー27の周縁に形成されたギア33に噛合させ、サイドベント制御ドア23a,23bとモードドア(ベント用ドア21、デフフット用ドア22)とを連動させる構成としたので、既存のリンク構成を利用することが可能となり、サイドベント制御ドア23a,23bを駆動させるために大掛かりな機構が不要となり、構造の簡素化を図ることが可能となる。また、サイドベント制御ドア23a,23bを備えた回転軸31の脱着だけでサイドベント吹出用開口部18a,18bからの吹出風量を制御する機構の脱着が可能となるので、仕様の異なる空調ユニットに容易に対応することが可能となる。
尚、以上の各構成においては、サイドベント吹出用開口部16a,16bをセンタベント吹出用開口部15の両側に形成した車両用空調装置について説明したが、サイドベント吹出用開口部16a,16bを車幅方向の略中央に配置し、センタベント吹出用開口部15をその両側に形成する車両用空調装置においても、サイドベント制御用ドアを回転軸31の略中央に設けることで同様の作用効果を得ることが可能となる。
図1は、本発明に係る車両用空調装置の全体構成を示す図であり、(a)はその断面図、(b)はその斜視図である。 図2は、図1の車両用空調装置の吹出用開口部付近を示す側面図である。 図3は、本発明に係る車両用空調装置のモードドアとリンク機構を示す斜視図である。 図4は、図1に係る車両用空調装置の吹出用開口部付近を示す斜視図である。 図5は、ベントモード時の状態を示す図であり、(a)はリンクの作動状態を示す図、(b)は、各モードドアの位置と風の流れを示す図である。 図6は、バイレベルモード時の状態を示す図であり、(a)はリンクの作動状態を示す図、(b)は、各モードドアの位置と風の流れを示す図である。 図7は、フットモード時の状態を示す図であり、(a)はリンクの作動状態を示す図、(b)は、各モードドアの位置と風の流れを示す図である。 図8は、デフフットモード時の状態を示す図であり、(a)はリンクの作動状態を示す図、(b)は、各モードドアの位置と風の流れを示す図である。 図9は、デフモード時の状態を示す図であり、(a)はリンクの作動状態を示す図、(b)は、各モードドアの位置と風の流れを示す図である。
符号の説明
1 空調装置
2 空気流路
3 空調ケース
13 デフロスト吹出用開口部
15 センタベント吹出用開口部
16a,16b,17a,17b,18a,18b サイドベント吹出用開口部
19a,19b サイドベント用通路
20a,20b ガイド壁
21
23a,23b サイドベント制御ドア
27 メインレバー
31 回転軸
32 歯車
33 ギア

Claims (3)

  1. 空気流路が形成された空調ケースと、この空調ケースの最下流側に前記空気流路を通過した空気を送出するデフロスト吹出用開口部、センタベント吹出用開口部、及びサイドベント吹出用開口部が少なくとも形成され、前記サイドベント吹出用開口部の少なくとも一部を吹出モードに拘わらず常時開放状態としている車両用空調装置において、
    前記サイドベント吹出用開口部の常時開放している部分に通じる通路を前記空調ケース内に設けられたガイド壁で画成するとともに、前記通路の開度を開度調節機構を設けて調節可能としたことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記開度調節機構は、前記サイドベント吹出用開口部へ通じる通路に配された回転可能な専用ドアによって構成されることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 前記専用ドアは、その回転軸に固装された歯車をモードドアの駆動レバーに形成されたギアに噛合させ、前記モードドアと連動させたことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
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