JP2007252392A - 体液中のカルシウムイオン測定用試薬組成物および測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不活性型α−アミラーゼ、2−クロロ−4−ニトロフェニル4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドおよび必要により、マルトオリゴ糖またはその還元末端グルコースに非発色基が結合したマルトオリゴ糖および塩化ナトリウムを含有し、かつ、最終pHが5.5〜6.5に保持されている体液中のカルシムイオン測定用試薬組成物および該試薬組成物を用いて、体液中のカルシウムイオンを測定する方法。
【効果】α−アミラーゼ活性を利用するカルシウムイオンの測定方法において、体液中のカルシムイオンを低い値から高値まで幅広く、正確かつ簡便に測定できる測定方法ならびに該方法に使用する測定用試薬組成物を提供する。
【選択図】なし
【効果】α−アミラーゼ活性を利用するカルシウムイオンの測定方法において、体液中のカルシムイオンを低い値から高値まで幅広く、正確かつ簡便に測定できる測定方法ならびに該方法に使用する測定用試薬組成物を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は体液中のα−アミラーゼがカルシウムイオンによって活性化されることを利用した、体液中のカルシウムイオン測定用試薬組成物ならびに該試薬組成物を使用する測定方法に関する。
現在、臨床検査の分野では、血清または尿中のカルシウムイオン量の測定が頻繁に行われている。血清または尿中のカルシウムイオン量の測定は、各種病態の診断において有用な情報をもたらす。例えば、低カルシウム血症として、低タンパク血症、低リン血症、腎炎、ネフローゼ、ビタミンD欠乏症、副甲状腺機能低下症、クル病等の疾患、高カルシウム血症としては、骨腫瘍、アジソン病、肺気腫、副甲状腺機能亢進症、腎不全等の疾患の診断に用いることができる。
体液中のカルシウムイオン測定法としては、従来から(1)滴定法、(2)比色法、(3)原子吸光法、(4)炎光光度計法、(5)電極法、(6)酵素法などが知られている。しかしながら、従来のこれらの方法では、正確かつ簡便にカルシウム量を測定することができなかった。
上記(1)の滴定法は、シュウ酸塩やキレートを用いて、化学的に滴定する方法であるが、煩雑である、実施者により測定値に差異が出る、多量の試料を短時間に処理できないという欠点を有する。
また、上記(2)の比色法のうち、発色剤にo−CPC(オルトクレゾールフタレインコンプラクソン)を用いる方法は、汎用の自動分析機に適用できる方法であるが、温度・時間により吸光度が変化する、マグネシウムイオンの影響を受ける等の欠点を有する。
さらに、上記(3)の原子吸光法は、試料を希釈することが必要である、手技に熟練を要する等の欠点を有する。
上記(4)の炎光光度計法も特異性・再現性に欠点を有する。
しかも、上記(5)の電極法は、pHの影響を受ける、機器を一定の状態に維持することが煩雑である等の欠点を有する。
また、上記(2)の比色法のうち、発色剤にo−CPC(オルトクレゾールフタレインコンプラクソン)を用いる方法は、汎用の自動分析機に適用できる方法であるが、温度・時間により吸光度が変化する、マグネシウムイオンの影響を受ける等の欠点を有する。
さらに、上記(3)の原子吸光法は、試料を希釈することが必要である、手技に熟練を要する等の欠点を有する。
上記(4)の炎光光度計法も特異性・再現性に欠点を有する。
しかも、上記(5)の電極法は、pHの影響を受ける、機器を一定の状態に維持することが煩雑である等の欠点を有する。
上記(6)の酵素法には、(a)ホスホリパーゼDを利用する方法(特許文献1)、(b)カルモジュリンを利用する方法(特許文献2)、(c)α−アミラーゼを利用する方法(特許文献3)などがある。上記(a)の方法は基質を均一に調製することが困難であり、反応に時間がかかる欠点を有する。また、上記(b)の方法は検体を希釈する(100〜1000倍)ことが必要である。
特開昭62−195297号公報
特開昭62− 36199号公報
特開平 2−276597号公報
さらに、基質として、2,4−ジクロロフェニル−β−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェノル−α−D−マルトトリオシドなどを使用する上記(c)の方法では、他のイオンの影響も少なく、汎用の自動分析機に適用可能ではあるが、内因性のα−グルコシダーゼの影響を受ける、あるいは膵臓由来のP−アミラーゼと唾液由来のS−アミラーゼの基質に対する親和性が異なるため、基質濃度の至適化が困難である、また測定範囲が狭く、非常に低い値から高値まで幅広く、正確に測定することが困難であるという欠点があった。
本発明の課題は、α−アミラーゼ活性を利用する方法において、体液中のカルシウムイオンを正確かつ簡便に測定できる測定方法ならびに該方法に使用する測定用試薬組成物を提供することにある。
すなわち、本発明は不活性型α−アミラーゼおよび非還元末端にβ−D−ガラクトピラノシル基を有し、還元末端に発色基を有するマルトシドを含むことを特徴とする体液中のカルシウムイオン測定用試薬組成物である。本発明の一実施態様は、不活性型α−アミラーゼおよび2−クロロ−4−ニトロフェニル4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドを含むことを特徴とする体液中のカルシウムイオン測定用試薬組成物である。
また、本発明は、体液中のカルシウムイオンに、不活性型α−アミラーゼおよび非還元末端にβ−D−ガラクトピラノシル基を有し、還元末端に発色基を有するマルトシドを含むカルシウムイオン測定用試薬組成物を作用させ、生成する発色性化合物を測定することを特徴とする体液中のカルシウムイオンの測定方法である。本発明の一実施態様は体液中のカルシウムイオンに不活性型α−アミラーゼおよび2−クロロ−4−ニトロフェニル4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドを含むカルシウム測定用試薬組成物を作用させ、生成する2−クロロ−4−ニトロフェノールを測定することを特徴とする体液中のカルシウムイオンの測定方法である。
本発明では、体液中のカルシウムイオンを低い値から高値まで幅広く、正確に測定できる。また、α−グルコシダーゼの存在の有無に係わらす、カルシウムイオンを正確に測定することができる。さらに本発明では基質濃度の至適化が容易である。
本発明に用いる体液とは、血清、唾液、膵液などの各種体液を意味する。また、α−アミラーゼとは、微生物、植物または動物のいずれの起源のものも用いることができるが、好適には動物起源のものであり、例えばブタ膵由来のα−アミラーゼが例示される。しかしながら、本発明に用いるα−アミラーゼは脱塩されて、不活性型であることが必要である。不活性型α−アミラーゼは、体液中のカルシウムイオンを得て、活性型α−アミラーゼとなり、α−アミラーゼ基質と反応する。
脱塩方法としては、透析、限外濾過、イオン交換、カラム除去などの方法がある。α−アミラーゼが脱塩されて不活性型でないと、ブランク反応が大きくなるため、体液中のカルシウムイオン測定において、正確性、精密性に欠けることとなる。不活性型α−アミラーゼの使用量は、試薬組成物中、好ましくは1〜1000U/mlである。
脱塩方法としては、透析、限外濾過、イオン交換、カラム除去などの方法がある。α−アミラーゼが脱塩されて不活性型でないと、ブランク反応が大きくなるため、体液中のカルシウムイオン測定において、正確性、精密性に欠けることとなる。不活性型α−アミラーゼの使用量は、試薬組成物中、好ましくは1〜1000U/mlである。
本発明に用いるα−アミラーゼ基質は、非還元末端にβ−D−ガラクトピラノシル基を有し、還元末端に発色基を有するマルトシドであり、β−D−ガラクトピラノシル基は非還元末端グルコースの4位および/または6位に結合するものである。発色基としては、p−ニトロフェニル、2−クロロ−4−ニトロフェニルなどの基が挙げられる。その結合様式は、α−型、β−型があるが、本発明においては、α−型が好ましい。その一例として、2−クロロ−4−ニトロフェニル4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドがある。該化合物の製造法は特開平8−67691号公報、特開平 8−67692号公報などに記載される。
本発明では上記基質の他に、必要により、マルトオリゴ糖またはその還元末端グルコースに非発色基が結合したマルトオリゴ糖を使用する。
マルトオリゴ糖としては、例えばマルトース、マルトペンタース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースなどのグルコース数が2〜7のマルトオリゴ糖が挙げられる。還元末端グルコースに非発色基が結合したマルトオリゴ糖としては、例えば2,4−ジクロロフェニル−α−D−マルトトリオシド、2,4−ジクロロフェニル(αまたはβ)−D−マルトペンタオシド、2,4−ジクロロフェニル−(αまたはβ)−D−マルトヘプタオシドなどが挙げられる。
マルトオリゴ糖としては、例えばマルトース、マルトペンタース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースなどのグルコース数が2〜7のマルトオリゴ糖が挙げられる。還元末端グルコースに非発色基が結合したマルトオリゴ糖としては、例えば2,4−ジクロロフェニル−α−D−マルトトリオシド、2,4−ジクロロフェニル(αまたはβ)−D−マルトペンタオシド、2,4−ジクロロフェニル−(αまたはβ)−D−マルトヘプタオシドなどが挙げられる。
本発明の基質の1つである2−クロロ−4−ニトロフェニル4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドは、従来の基質である2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−マルトペンタオシドに比べて、追随酵素不要であり、また、4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシドと比較して、α−アミラーゼによる糖転移反応が生じないという利点を有する。
さらに本発明の上記基質は内因性のα−グルコシダーゼの影響を受けない、P−アミラーゼ、S−アミラーゼの該基質に対する親和性がほぼ同等であるため、基質濃度の至適化が容易であるという利点も有する。
該基質の濃度は、試薬組成物中、0.1〜50mMで好適に用いられる。
さらに本発明の上記基質は内因性のα−グルコシダーゼの影響を受けない、P−アミラーゼ、S−アミラーゼの該基質に対する親和性がほぼ同等であるため、基質濃度の至適化が容易であるという利点も有する。
該基質の濃度は、試薬組成物中、0.1〜50mMで好適に用いられる。
本発明では試薬組成物の最終pHを5.5〜6.5に保持することによって、α−アミラーゼの糖分解反応速度そのものを制御し、測定範囲を広げることが可能となる。pHが5.5未満あるいは6.5以上の場合は、カルシウムイオンに対する広範囲の定量性を得ることができない。
試薬最終pHを5.5〜6.5に保持する方法は公知の方法であれば、何ら限定されるものではないが、一般的には緩衝剤が用いられる。用いる緩衝剤としては、例えばグッド緩衝剤、トリス緩衝剤、リン酸緩衝剤が挙げられる。緩衝剤は10〜500mMの濃度で好適に用いられる。
試薬最終pHを5.5〜6.5に保持する方法は公知の方法であれば、何ら限定されるものではないが、一般的には緩衝剤が用いられる。用いる緩衝剤としては、例えばグッド緩衝剤、トリス緩衝剤、リン酸緩衝剤が挙げられる。緩衝剤は10〜500mMの濃度で好適に用いられる。
さらに、本発明の測定試薬組成物には、マルトオリゴ糖またはその還元末端グルコースに非発色基が結合したマルトオリゴ糖から選ばれる基質を100〜250mM含有させ、α−アミラーゼのこれらの基質に対する糖分解反応を競合させることによっても、カルシウムイオンに対する広範囲の定量性を得ることが可能となる。
また、カルシウムキレート剤を用いてα−アミラーゼとカルシウムイオンの結合反応を制御することによってもカルシウムイオンに対する広範囲の定量性を得ることが可能となる。カルシウムキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸およびその塩(EDTAなど)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)エタン−四酢酸4カリウム(BAPTA)などが挙げられ、特に1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)エタン−四酢酸4カリウム(BAPTA)が好ましい。カルシウムキレート剤の濃度は、0.1〜10mMで、好適に用いられる。
これらカルシウムイオンに対する広範囲の定量性を得る方法としては、(1) 試薬pHの調節、(2) マルトオリゴ糖の添加、(3) カルシウムキレート剤の添加の3つの方法を単独あるいは組み合わせて用いることができる。
これらカルシウムイオンに対する広範囲の定量性を得る方法としては、(1) 試薬pHの調節、(2) マルトオリゴ糖の添加、(3) カルシウムキレート剤の添加の3つの方法を単独あるいは組み合わせて用いることができる。
さらに、本発明の測定用試薬組成物には、アルカリ金属のハロゲン化物、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウムなどを3〜300mMの濃度で添加することが好ましい。また、必要に応じて、防腐剤、界面活性剤等をカルシウムの定量性に影響を及ぼさない範囲で使用することもできる。防腐剤としてはカルシウムを含有しないものであれば、特に限定されないが、好適にはアジ化ナトリウム、抗生物質等が用いられる。界面活性剤としては非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤などを単独であるいは組み合わせて使用することができる。
本発明では、体液中のカルシウムイオンに不活性型α−アミラーゼおよび非還元末端にβ−D−ガラクトピラノシル基を有し、還元末端に発色基を有するマルトシド、例えば2−クロロ−4−ニトロフェニル4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドを含むカルシウム測定用試薬組成物を作用させ、生成する2−クロロ−4−ニトロフェノールを吸光度測定する。
以下、実施例でもって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
下記組成の試薬溶液0.3mlに、カルシウム濃度0〜30mg/dl相当の酢酸カルシウム水溶液0.02mlを添加し、37℃で10分間反応させ、400nmの吸光度の1分間あたり増加速度を求めた。
試薬:PIPES緩衝液(pH6.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ(予め透析したもの) 40U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−
ガラクトピラノシル−α−マルトシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
1,2−ビス(O−アミノフェノキシ)−
エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
得られた検量線を図1に示す。
実施例1
下記組成の試薬溶液0.3mlに、カルシウム濃度0〜30mg/dl相当の酢酸カルシウム水溶液0.02mlを添加し、37℃で10分間反応させ、400nmの吸光度の1分間あたり増加速度を求めた。
試薬:PIPES緩衝液(pH6.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ(予め透析したもの) 40U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−
ガラクトピラノシル−α−マルトシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
1,2−ビス(O−アミノフェノキシ)−
エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
得られた検量線を図1に示す。
実施例2
下記組成の試薬溶液0.3mlに、カルシウム濃度0〜50mg/dl相当の酢酸カルシウム水溶液0.02mlを添加し、37℃で10分間反応させ、400nmの吸光度の1分間あたり増加速度を求めた。
試薬:PIPES緩衝液(pH6.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ(予め透析したもの) 40U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−
ガラクトピラノシル−α−マルトシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
マルトース 150mM
1,2−ビス(O−アミノフェノキシ)−
エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
得られた検量線を図2に示す。
下記組成の試薬溶液0.3mlに、カルシウム濃度0〜50mg/dl相当の酢酸カルシウム水溶液0.02mlを添加し、37℃で10分間反応させ、400nmの吸光度の1分間あたり増加速度を求めた。
試薬:PIPES緩衝液(pH6.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ(予め透析したもの) 40U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−
ガラクトピラノシル−α−マルトシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
マルトース 150mM
1,2−ビス(O−アミノフェノキシ)−
エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
得られた検量線を図2に示す。
比較例1
下記組成の試薬溶液0.3mlに、カルシウム濃度0〜50mg/dl相当の酢酸カルシウム水溶液0.02mlを添加し、37℃で10分間反応させ、400nmの吸光度の1分間あたり増加速度を求めた。
試薬:PIPES緩衝液(pH6.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ 40U/ml
α−グルコシダーゼ(東洋紡績製 AGH−211) 40U/ml
β−グルコシダーゼ(東洋紡績製 BGH−101) 100U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−マルトペンタオシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
1,2−ビス(O−アミノフェノキシ)エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
得られた検量線を図2に示す。図2中、●印は本発明の試薬を用いた場合を示し、○印は比較例の試薬を用いた場合を示す。
図2から明らかなように、2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドを基質とする本発明では、50mg/dlまで検量線が直線性を示したのに対し、2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−マルトペンタオシドを基質とする比較例では、検量線が約15mg/dlまでしか直線性は認められなかった。
実施例3
試薬1(比較例):
PIPES緩衝液(pH6.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ(予め透析したもの) 40U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−
マルトトリオシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
マルトース 150mM
1,2−ビス(O−アミノフェノキシ)−
エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
試薬2(本発明):
PIPES緩衝液(pH6.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ(予め透析したもの) 40U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−
ガラクトピラノシル−α−マルトシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
マルトース 150mM
1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)
エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
試薬1(比較例):
PIPES緩衝液(pH6.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ(予め透析したもの) 40U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−
マルトトリオシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
マルトース 150mM
1,2−ビス(O−アミノフェノキシ)−
エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
試薬2(本発明):
PIPES緩衝液(pH6.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ(予め透析したもの) 40U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−
ガラクトピラノシル−α−マルトシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
マルトース 150mM
1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)
エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
上記組成で得られた試薬を実施例2と同様にして測定を行った。測定試料を以下に示す。
1.生理食塩水
2.管理用血清
3.管理用血清+100IU/l α−グルコシダーゼ
測定結果を表1に示す。表1から明らかなように、2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドを使用する場合、試料へのα−グルコシダーゼ添加の有無で測定値に影響は認められなかったが、2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−マルトトリオシドを使用する比較例では、α−グルコシダーゼの添加によって測定値の上昇が認められた。
1.生理食塩水
2.管理用血清
3.管理用血清+100IU/l α−グルコシダーゼ
測定結果を表1に示す。表1から明らかなように、2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドを使用する場合、試料へのα−グルコシダーゼ添加の有無で測定値に影響は認められなかったが、2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−マルトトリオシドを使用する比較例では、α−グルコシダーゼの添加によって測定値の上昇が認められた。
実施例4
(比較例)
試薬:PIPES緩衝液(pH7.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ(予め透析したもの) 40U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−
ガラクトピラノシル−α−マルトシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
マルトース 150mM
1,2−ビス(O−アミノフェノキシ)−
エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
(比較例)
試薬:PIPES緩衝液(pH7.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ(予め透析したもの) 40U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−
ガラクトピラノシル−α−マルトシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
マルトース 150mM
1,2−ビス(O−アミノフェノキシ)−
エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
(本発明)
試薬:PIPES緩衝液(pH6.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ(予め透析したもの) 40U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−
ガラクトピラノシル−α−マルトシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
マルトース 150mM
1,2−ビス(O−アミノフェノキシ)−
エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
上記組成で得られた試薬を実施例1と同様にして測定を行った。
得られた検量線を図3および図4に示す。
図3および図4から明らかなように、pH6.0の緩衝液を使用する本発明では、30mg/dlまで検量線が直線性を示したのに対し、pH7.0の緩衝液を使用する比較例では、検量線が約10mg/dlまでしか直線性は認められなかった。
試薬:PIPES緩衝液(pH6.0) 50mM
ブタ膵α−アミラーゼ(予め透析したもの) 40U/ml
2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−
ガラクトピラノシル−α−マルトシド 2mM
塩化ナトリウム 5mM
トリトンX−100 0.1%
マルトース 150mM
1,2−ビス(O−アミノフェノキシ)−
エタン−4酢酸4カリウム(BAPTA) 0.5mM
上記組成で得られた試薬を実施例1と同様にして測定を行った。
得られた検量線を図3および図4に示す。
図3および図4から明らかなように、pH6.0の緩衝液を使用する本発明では、30mg/dlまで検量線が直線性を示したのに対し、pH7.0の緩衝液を使用する比較例では、検量線が約10mg/dlまでしか直線性は認められなかった。
本発明では、体液中のカルシウムイオンを低い値から高値まで幅広く、正確に測定できる。また、α−グルコシダーゼの存在の有無に係わらす、カルシウムイオンを正確に測定することができる。
Claims (2)
- 下記の(1)〜(5)の構成をすべて含む、体液中のカルシウムイオン測定用試薬組成物。
(1)カルシウムイオンと結合していないα−アミラーゼ、
(2)0.1〜50mMの、2−クロロ−4−ニトロフェニル4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシド、
(3)100〜250mMの、マルトオリゴ糖またはその還元末端グルコースに非発色基が結合したマルトオリゴ糖、
(4)0.1〜10mMの、1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)エタン−四酢酸4カリウム(BAPTA)、および、
(5)塩化ナトリウム、
を含有し、かつ、
(6)最終pHが5.5〜6.5に保持されている。 - 請求項1に記載のカルシウムイオン測定用試薬組成物を作用させ、生成する発色性化合物を測定することを特徴とする体液中のカルシウムイオンの測定方法。
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