JP2699147B2 - 体液中のカルシウム測定方法 - Google Patents

体液中のカルシウム測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は体液中のカルシウム測定
方法に関する。さらに詳しくは、α−アミラーゼがカル
シウムによって活性化されることを利用した体液中のカ
ルシウム量の測定方法に関する。
【0002】
【発明の背景】現在、病院の検査室において、種々の体
液(血清、尿等)中のカルシウム量が測定され、疾患の
診断に用いられている。カルシウムは生体内での細胞機
能や、血液の凝固機能に重要な役割を果しているが、ヒ
ト血漿中の量は非常に厳密に調節されていると言われて
おり、異常低値および高値を知ることでの診断価値が高
い。例えば、低カルシウム血症としては、低タンパク血
症、低リン血症、腎炎、ネフローゼ、ビタミンD欠乏
症、副甲状腺機能低下症、クル病等の疾患、高カルシウ
ム血症としては、骨腫瘍、アジソン病、肺気腫、副甲状
腺機能亢進症、腎不全等の疾患の可能性があり、これら
の診断に用いることができる。しかしながら、従来の方
法では正確かつ簡便にカルシウム量を測定することがで
きなかった。
【0003】
【従来の技術およびその問題点】体液中のカルシウム測
定法としては、以下の方法が知られている。 (1) 滴定法 (2) 比色法 (3) 原子吸光法 (4) 炎光分析法 (5) 電極法 (6) 酵素法
【0004】(1) の滴定法は、シュウ酸塩やキレートを
用いて、化学的に滴定する方法であるが煩雑であること
と、実施者により測定値に差異が出るという欠点を有す
る。(2) の比色法のうち、発色剤にo−CPC(オルト
−クレゾールフタレインコンプレクソン)を用いる方法
は、8−ヒドロキシキノリンを添加し、Mg2+イオンの
影響を排除するもので、現在、病院検査室で最も汎用さ
れている。しかしながら、 8−ヒドロキシキノリン
を加えてもなお数%程度のMg2+イオンの影響があるこ
と、 温度、時間により吸光度が変化すること、
発色に至適pH範囲があること、 低濃度(カルシウ
ム)で、測定値がマイナスになる領域があること等の欠
点を有しており、特に用手法で実施する場合に問題が多
い。(3) の原子吸光法は、機器が高価であり、熟練を要
するとともに、検体を希釈する必要がある。
【0005】(4) の炎色分析法も、検体の希釈が必要で
あるとともに、特異性、再現性にも問題がある。(5) の
電極法は、機器が高価であるとともに、pHの影響を受
け、また機器の保守が煩雑である。(6) の酵素法には、
i)カルモジュリンを利用する方法[特開昭62-36199号参
照]、ii)ホスホリパーゼD、コリンオキシダーゼを利
用する方法がある[特開昭62-195297 号参照]。i)カル
モジュリンを用いる方法は、特異性にはすぐれている
が、感度が良過ぎるため、検体の希釈(100 〜1000倍)
が必要となる。ii)ホスホリパーゼD、コリンオキシダ
ーゼを用いる方法は、特異性にすぐれ、また検体の希釈
も不要であるが、反応に時間がかかるため、連続して測
定できないという欠点を有している。以上のように、い
ずれの測定法も欠点を有しており、満足のいく測定法と
いうものはなかった。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、正確か
つ簡便に測定できる、酵素を用いるカルシウムの定量法
を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、α−アミラーゼの
活性がカルシウムの量に比例して高められることを見出
した。種々の起源のα−アミラーゼはカルシウムと結合
した活性型として存在することが知られている(酵素ハ
ンドブック、田宮及び丸尾監修、朝倉書店、493
頁)。しかしながら、その活性強度とカルシウムの濃度
の間に直線的な相関関係があることは全く知られておら
ず、これを利用して体液中のカルシウムが測定できると
いうことは、今回本発明者らによって初めて見出された
ことである。しかしながら、検討を重ねるうちに、用い
る基質の種類によっては直線的な相関関係が得られなか
ったり、測定範囲が狭かったりして実用に供せられない
場合もあることが判明した。
【0007】そこで、本発明者らはさらに検討を加え、
(1)カルシウムに、より特異的なキレート剤の存在下
に酵素反応を行なうこと、および/または(2)カルシ
ウムに、より特異的なキレート剤の不存在下において、
基質として、その還元末端グルコースに発色源基を有さ
ないマルトオリゴ糖類と、発色源基を有するマルトオリ
ゴ糖類を組合せて用いて酵素反応を行なうことにより、
これらの欠点が解決されることを見出し、本発明を完成
した。
【0008】キレート剤存在下でα−アミラーゼは酵素
自身が有するカルシウムの大部分を放出し、不活性型の
α−アミラーゼに変化することは以前から知られている
[Eur.J.Biochem., 41, 171(1974) 参照のこと]が、キ
レート剤存在下で初めてカルシウムを定量的に測定する
ことができるようになったり、また測定範囲が広がると
いう事実は、今回初めて見出されたことであり、また先
の公知事実からはまったく予測されないことである。さ
らに、(2) で示した2種類の基質を用いることによって
も同様の効果が得られるという事実も今回初めて見出さ
れたことであり、従来技術からは予測されないことであ
る。
【0009】
【発明の構成】本発明は、上記(1)及び(2)の知見
のうち特に後者に関するものであって、 1)検体に、α−アミラーゼと、α−アミラーゼの基質
として (a)マルトオリゴ糖およびその還元末端グルコースに
非発色源基が結合したマルトオリゴ糖から選ばれる基質
と、 (b)その還元末端グルコースに発色源基が結合したマ
ルトオリゴ糖およびその還元末端グルコースに発色源基
が結合しかつ非還元末端グルコースに置換基が結合した
マルトオリゴ糖から選ばれる基質を組合わせて、カルシ
ウムにより特異的なキレート剤の不存在下に作用させる
ことを特徴とする体液中のカルシウム測定方法、 2)α−アミラーゼの基質として、2,4−ジクロロフ
ェニル−β−D−マルトペンタオシドと2−クロロ−4
−ニトロフェニル−β−D−マルトペンタオシドを組合
せて用いることを特徴とする前記1記載の測定方法、お
よび 3)還元末端グルコースに発色源基が結合したマルトオ
リゴ糖が、2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−
マルトトリオシドであることを特徴とする前記1記載の
測定方法を提供する。
【0010】本発明に用いるα−アミラーゼは、微生
物、植物または動物のうちのいずれを起源とするもので
もよいが、好ましくは動物起源のものであり、例えば市
販のブタ膵由来のα−アミラーゼが用いられる。α−ア
ミラーゼは1000〜1000000 U/l、より好ましくは5000
〜500000U/lの濃度で用いられる。
【0011】本発明に用いるα−アミラーゼの基質とし
ては、デンプンおよびグリコーゲン等の多糖類およびマ
ルトオリゴ糖類が挙げられるが、測定の簡素化、測定時
間の短縮化などの点からマルトオリゴ糖類が有利であ
る。
【0012】そのようなマルトオリゴ糖類としては、
(1) マルトオリゴ糖、例えばマルトペンタオーズ、マル
トヘプタオーズ、(2) その還元末端グルコースに非発色
源基が結合したマルトオリゴ糖、例えば2,4−ジクロ
ロフェニル−α−D−マルトトリオシド、2,4−ジク
ロロフェニル−(αまたはβ)−D−マルトペンタオシ
ド、2,4−ジクロロフェニル−(αまたはβ)−D−
マルトヘプタオシド、
【0013】(3) その還元末端グルコ−スに発色源基が
結合したマルトオリゴ糖、例えば4−ニトロフェニル−
α−D−マルトトリオシド、4−ニトロフェニル−(α
またはβ)−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェ
ニル−(αまたはβ)−D−マルトヘプタオシド、2−
クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシ
ド、2−クロロ−4−ニトロフェニル−(αまたはβ)
−D−マルトペンタオシド、2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル−(αまたはβ)−D−マルトヘプタオシド、お
よび
【0014】(4) その還元末端グルコースに発色源基が
結合し、かつその非還元末端グルコースに置換基が結合
したマルトオリゴ糖、例えば3−ケトブチリデン−2−
クロロ−4−ニトロフェニル−(αまたはβ)−D−マ
ルトペンタオシド、エチリデン−4−ニトロフェニル−
(αまたはβ)−D−マルトヘプタオシド、ベンジル−
4−ニトロフェニル−(αまたはβ)−D−マルトペン
タオシド、ベンジリデン−4−ニトロフェニル−(αま
たはβ)−D−マルトペンタオシド等が挙げられる。
【0015】(a)前記した(1) および(2) で示されるマ
ルトオリゴ糖およびその還元末端グルコースに非発色源
基が結合したマルゴオリゴ糖から選ばれる基質と、(b)
前記した(3) および(4) で示される、その還元末端グル
コースに発色源基が結合したマルゴオリゴ糖およびその
還元末端グルコースに発色源基が結合しかつ非還元末端
グルコースに置換基が結合したマルトオリゴ糖から選ば
れる基質とを組合せて用いる。
【0016】組合わせて使用することにより、基質に対
する競合性のため、検体中にカルシウムが存在しない場
合の反応(もともと酵素自身がカルシウムを有するの
で、基質さえあれば検体中にカルシウムが存在しなくて
も酵素は活性化され反応は進む。これをブランク反応と
いう。)が抑制され、測定が可能となったり、測定範囲
が広くなるものと考えられる。
【0017】上記の (a)で示される発色源基を有さない
マルトオリゴ糖と、(b) で示される発色源基を有するマ
ルトオリゴ糖は、それぞれ 0.1〜50 mmole/lの濃度
で、100:1〜1:1の比で加えるのが好ましい。
【0018】前記 (b)で示される好ましいα−アミラー
ゼの具体例は、前記(3) の中では4−ニトロフェニル−
α−D−マルトトリオシド、2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル−β−D−マルトペンタオシドであり、前記(4)
の中では3−ケトブチリデン−2−クロロ−4−ニトロ
フェニル−β−D−マルトペンタオシドである。さら
に、好ましい(a) および(b) の組合せとしてはマルトペ
ンタオーズと2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D
−マルトペンタオシドの組合せ、または2,4−ジクロ
ロフェニル−β−D−マルトペンタオシドと2−クロロ
−4−ニトロフェニル−β−D−マルトペンタオシドの
組合せが挙げられる。
【0019】一般に、前記(4)で示される基質群はブ
ランク値の経時的変化が小さい。一方、キレート剤存在
下では、酵素活性を増大させるカルシウム(α−アミラ
ーゼ中および検体中に存在する。)がキレート剤によっ
て食われてしまうため、検体中のカルシウム濃度が実際
には高い場合であっても、酵素活性は低く抑えられ、測
定が可能となり、また測定範囲が広くなると考えられ
る。しかるに、本発明のように2種類の基質群を組合せ
た場合には、キレート剤の不存在下でも十分に広い測定
範囲を得ることが可能である。
【0020】本発明における検出系は、通常のα−アミ
ラーゼ活性測定法のそれが用いられる。例えば、α−ア
ミラーゼの基質として多糖類の一種であるデンプンを用
いた場合には、生成した還元糖量を公知の方法、例えば
ソモジー(Somogyi )法を用いて検量するか、またはブ
ルスターチを用いて生成される色素によって検量するこ
とができる。
【0021】α−グルコシダーゼおよび/またはβ−グ
ルコシダーゼを共役させるか、または該酵素を共役させ
ることなく反応させ、(b) 群の基質より生じた発色源、
例えば4−ニトロフェノールまたは2−クロロ−4−ニ
トロフェノールを直接比色することにより検量すること
ができる。
【0022】本発明による測定は、pH5〜8を維持で
きるような緩衝液中で行なわれる。そのような緩衝液は
よく知られており、例えばグッド緩衝液[例えば、N−
2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−エタンス
ルホン酸(以下、HEPESと略記する。)、ピペラジ
ン−N,N′−ビス(2−エタンスルホン酸)(以下、
PIPESと略記する。)、N−2−ヒドロキシエチル
ピペラジン−N′−2−ヒドロキシプロパン−3−スル
ホン酸(以下、HEPPSOと略記する。)等]、リン
酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液等が挙げられる。緩衝液は
10〜500 mmole/lの濃度で加えるのが好ましい。
【0023】さらに本発明の測定系には、アルカリ金属
のハロゲン化物、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウムを1〜400 m
mole/lの濃度で加えることが好ましい。
【0024】本発明の方法による測定は用手法はもちろ
んのこと、通常の生化学検査用自動分析器によっても行
なうことができる。
【0025】
【実施例】以下の実施例、参考例および比較例により本
発明を詳述するが、本発明はこれらの例により限定され
るものではない。
【0026】実施例1:[基質として発色源基を有する
マルトオリゴ糖と発色源基を有さないマルトオリゴ糖を
組合わせて用いたα−アミラーゼによるカルシウムの測
定] 以下の試薬を混合して試薬溶液を得た。
【0027】
【表1】 フ゛タ 膵α-アミラ-セ゛ 8000U/l×100 μl α-ク゛ルコシタ゛-セ゛ 250000U/l×100 μl β-ク゛ルコシタ゛-セ゛ 20000U/l×100 μl 2,4-シ゛クロロフェニル-β-D-マルトヘ゜ンタオシト゛ 20mmole/l×100 μl 2-クロロ-4-ニトロフェニル-β-D-マルトヘ゜ンタオシト゛ 2mmole/l×100 μl PIPES 緩衝液(pH6.8 ) 500mmole/l×100 μl 塩化ナトリウム 500mmole/l×100 μl 精製水 280μl 計 980μl
【0028】上記で得られた試薬溶液に、カルシウム濃
度0〜10mg/dl相当の酢酸カルシウム水溶液を20μ
l添加し、37℃で反応させた後、400nm(37
℃)での吸光度増加を経時的に測定し、各々の反応速度
を出した。得られた検量線を図1に示す。図から分るよ
うに、検量線はカルシウム濃度7.5 mg/dlまで直線性を
示した。
【0029】参考例1:[基質として発色源基を有する
マルトオリゴ糖を用いた、キレート剤存在下におけるα
−アミラーゼによるカルシウムの測定] 以下の試薬を混合して試薬溶液を得た。
【0030】
【表2】 フ゛タ 膵α-アミラ-セ゛ 8000U/l×100 μl α-ク゛ルコシタ゛-セ゛ 250000U/l×100 μl β-ク゛ルコシタ゛-セ゛ 20000U/l×100 μl 2-クロロ-4-ニトロフェニル-β-D-マルトヘ゜ンタオシト゛ 2mmole/l×100 μl BAPTA 20mmole/l×100 μl リン酸緩衝液(pH6.5 ) 500mmole/l×100 μl 塩化ナトリウム 500mmole/l×100 μl 精製水 280μl 計 980μl
【0031】上記で得られた試薬溶液を用いて実施例1
と同様にして測定を行なった。得られた検量線を図2に
示す。図から分るように、検量線はカルシウム濃度10
mg/dlまで直線性を示した。
【0032】参考例2:[基質として発色源基を有する
マルトオリゴ糖と発色源基を有さないマルトオリゴ糖を
組合わせて用いた、キレート剤存在下におけるα−アミ
ラーゼによるカルシウムの測定] 以下の試薬を混合して試薬溶液を得た。
【0033】
【表3】 フ゛タ 膵α-アミラ-セ゛ 8000U/l×100 μl α-ク゛ルコシタ゛-セ゛ 250000U/l×100 μl β-ク゛ルコシタ゛-セ゛ 20000U/l×100 μl マルトヘ゜ンタオ-ス゛ 20mmole/l×100 μl 2-クロロ-4-ニトロフェニル-β-D-マルトヘ゜ンタオシト゛ 2mmole/l×100 μl BAPTA 20mmole/l×100 μl リン酸緩衝液(pH6.5 ) 500mmole/l×100 μl 塩化ナトリウム 500mmole/l×100 μl 精製水 180μl 計 980μl
【0034】上記で得られた試薬溶液を用いて実施例1
と同様にして(ただし、カルシウム濃度0〜30mg/dl
相当の酢酸カルシウム水溶液を用いた。)測定を行なっ
た。得られた検量線を図3に示す。図から分るように、
検量線はカルシウム濃度30mg/dlまでほぼ直線性を示
した。
【0035】参考例3:[基質として発色源基を有する
マルトオリゴ糖を用いた、キレート剤存在下におけるα
−アミラーゼによるカルシウムの測定] 以下の試薬を混合して試薬溶液を得た。
【0036】
【表4】 フ゛タ 膵α-アミラ-セ゛ 200000U/l×100 μl 4-ニトロフェニル-α-D-マルトトリオシト゛ 5mmole/l×100 μl BAPTA 1mmole/l×100 μl GEDTA 1.75mmole/l×100 μl HEPPSO緩衝液(pH8.0 ) 500mmole/l×100 μl 塩化ナトリウム 500mmole/l×100 μl 精製水 390μl 計 990μl
【0037】上記で得られた試薬溶液に、カルシウム濃
度0〜50mg/dl相当の酢酸カルシウム水溶液を10μ
l添加し、37℃で反応させた後、400nm(37
℃)での吸光度増加を経時的に測定し、各々の反応速度
を出した。得られた検量線を図4に示す。図から分るよ
うに、検量線はカルシウム濃度50mg/dlまで直線性を
示した。
【0038】参考例4:[基質として、その還元末端グ
ルコースに発色源基が結合し、かつその非還元末端グル
コースに置換基が結合したマルトオリゴ糖を用いた、キ
レート剤存在下におけるα−アミラーゼによるカルシウ
ムの測定] 以下の試薬を混合して試薬溶液を得た。
【0039】
【表5】 フ゛タ 膵α-アミラ-セ゛ 8000U/l×100 μl α-ク゛ルコシタ゛-セ゛ 250000U/l×100 μl β-ク゛ルコシタ゛-セ゛ 20000U/l×100 μl 3-ケトフ゛チリテ゛ン-2-クロロ-4-ニトロフェニル- β-D-マルトヘ゜ンタオシト゛ 20mmole/l×100 μl BAPTA 20mmole/l×100 μl リン酸緩衝液(pH6.5 ) 500mmole/l×100 μl 塩化ナトリウム 500mmole/l×100 μl 精製水 280μl 計 980μl
【0040】上記で得られた試薬溶液を用いて実施例1
と同様にして(ただし、カルシウム濃度0〜100mg/
dl相当の酢酸カルシウム水溶液を用いた。)測定を行な
った。得られた検量線を図5に示す。図から分るよう
に、検量線はカルシウム濃度100mg/dlまで直線性を
示した。
【0041】比較例1:[参考例2の方法とo−CPC
法(従来法)におけるマグネシウムの影響] 検体として、血清900μlとマグネシウム濃度0〜1
00mg/dlに相当する酢酸マグネシウム溶液100μl
の混合液を用いて、参考例2に記載の方法によりカルシ
ウムの測定を行なった。一方、o−CPC法の測定キッ
ト[Calcium II-HA Test Wako (和光純薬社製)]を用
いて自動分析器(日立705型)で同一の検体のカルシ
ウムを測定した。ふたつの測定方法におけるマグネシウ
ムの影響を図6に示す。図から分るように、参考例2の
方法では検体中のマグネシウムの影響をほとんど受けず
に測定できているが、o−CPC法ではマグネシウムの
影響を抑える工夫がしてあるにもかかわらず、かなりの
影響を受けている。
【0042】比較例2:[参考例2の方法による測定値
とo−CPC法(従来法)による測定値との相関関係] 血清検体25例につき、参考例2に記載の方法とo−C
PC法(比較例1に記載の測定用キットを用いた。)に
よってカルシウム量を測定した。両者の相関関係を図7
に示す。図から分るように、相関の回帰直線はn=2
5、r=0.944 、y=0.985 χ+1.552 となり、両者は
良好な相関を示した。このことから、参考例2の方法は
日常検査用として十分利用できることが分る。
【0043】比較例3:[参考例3の方法による測定値
とo−CPC法(従来法)による測定値との相関関係] 血清検体36例につき、参考例3に記載の方法とo−C
PC法(比較例1に記載の測定用キットを用いた。)に
よってカルシウム量を測定した。両者の相関関係を図8
に示す。図から分るように、相関の回帰直線はn=3
6、r=0.923 、y=1.017 χ+0.102 となり、両者は
良好な相関を示した。このことから、参考例3の方法は
日常検査用として十分利用できることが分る。
【0044】比較例4:[参考例3の方法による測定値
とo−CPC法(従来法)による測定値との相関関係] 尿検体40例につき、参考例3に記載の方法とo−CP
C法(比較例1に記載の測定用キットを用いた。)によ
ってカルシウム量を測定した。両者の相関関係を図9に
示す。図から分るように、相関の回帰直線はn=40、
r=0.994 、y=0.845 χ+0.32となり、両者は良好な
相関を示した。このことから、参考例3の方法は日常検
査用として十分利用できることが分る。
【0045】
【発明の効果】本発明は、酵素を用いた方法であるた
め、他の方法に比し特異性が高く、また従来の酵素を用
いた方法に比べて長い反応時間を必要としない、正確か
つ簡便なカルシウムの測定方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカルシウム測定法による検量線であ
る。
【図2】 参考例1のカルシウム測定法による検量線で
ある。
【図3】 参考例2のカルシウム測定法による検量線で
ある。
【図4】 参考例3のカルシウム測定法による検量線で
ある。
【図5】 参考例4のカルシウム測定法による検量線で
ある。
【図6】 参考例2の方法とo−CPC法(従来法)に
おける検体中のマグネシウムの影響を比較したグラフで
ある。
【図7】 参考例2の方法による測定値とo−CPC法
(従来法)による測定値との相関関係を示すグラフであ
る。
【図8】 血清検体について、参考例3の方法による測
定値とo−CPC法(従来法)による測定値との相関関
係を示すグラフである。
【図9】 尿検体について、参考例3の方法による測定
値とo−CPC法(従来法)による測定値との相関関係
を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 清水 浩 大阪府三島郡島本町桜井3−1−1 小 野薬品工業株式会社水無瀬研究所内 (56)参考文献 特開 平2−276597(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体に、α−アミラーゼと、α−アミラ
    ーゼの基質として (a)マルトオリゴ糖およびその還元末端グルコースに
    非発色源基が結合したマルトオリゴ糖から選ばれる基質
    と、 (b)その還元末端グルコースに発色源基が結合したマ
    ルトオリゴ糖およびその還元末端グルコースに発色源基
    が結合しかつ非還元末端グルコースに置換基が結合した
    マルトオリゴ糖から選ばれる基質を組合わせて、カルシ
    ウムにより特異的なキレート剤の不存在下に作用させる
    ことを特徴とする体液中のカルシウム測定方法。
  2. 【請求項2】 α−アミラーゼの基質として、2,4−
    ジクロロフェニル−β−D−マルトペンタオシドと2−
    クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−マルトペンタオ
    シドを組合せて用いることを特徴とする請求項1記載の
    測定方法。
  3. 【請求項3】 還元末端グルコースに発色源基が結合し
    たマルトオリゴ糖が、2−クロロ−4−ニトロフェニル
    −α−D−マルトトリオシドであることを特徴とする請
    求項1記載の測定方法。
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