JP2007246837A - プレコートアルミニウム合金板用のプレス用潤滑油及びそれを用いたプレコートアルミニウム合金板のプレス方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プレコートアルミニウム合金板をプレス加工する際に用いられるプレス用潤滑油である。アルキルスルホン酸塩を0.1〜5.0%(重量%、以下同じ)含有する。残部に、基油を含有する。プレス用潤滑油の動粘度が、1.1〜100cSt(at40℃)である。基油は、ポリイソブチレン、全炭素数が14〜18であるαオレフィン、及び精製鉱油の1種あるいは2種以上からなることが好ましい。プレコートアルミニウム合金板のプレス方法であって、プレコートアルミニウム合金板のプレス加工時に、プレス用潤滑油を用いる。
【選択図】なし
Description
アルキルスルホン酸塩を0.1〜5.0%(重量%、以下同じ)含有し、
残部に、基油を含有し、
上記プレス用潤滑油の動粘度が、1.1〜100cSt(at40℃)であることを特徴とするプレス用潤滑油にある(請求項1)。
本発明のプレコートアルミニウム合金板のプレス方法は、プレコートアルミニウム合金板のプレス加工時に、第1の発明のプレス用潤滑油を用いるため、磨耗粉の分散性が優れ、磨耗粉が金型に堆積付着し難くなり、寸法誤差や、板表面に傷をつけることなくプレス加工を行うことができる。
これにより、磨耗粉を分散させるという分散効果に優れ、磨耗粉が金型に堆積付着し難くなるという効果を得ることができる。
上記アルキルスルホン酸塩のアルキル基の炭素数が3以下である場合には、潤滑油への溶解性が低下し、析出するおそれがあり、一方、上記アルキル基の炭素数が19以上である場合には、温度が低下した場合に、固化、析出するおそれがある。
また、上記基油の含有量は、基本的に、上記添加剤の含有量が確保できる範囲とし、潤滑不足を防ぎ、適正な成形性を確保する。
これにより、洗浄工程にて容易に除去される優れた被洗浄性、及び優れた取り扱い性を得ることができる。
上記動粘度が1.1cSt未満の場合には、油の導入量が少なくなり、焼き付きが発生したり、磨耗粉を除去し難くなるという問題があり、一方、上記動粘度が100cStを超える場合には、取り扱いが困難になるという問題がある。
また、本発明の銅管加工用潤滑油は、上記アルキルスルホン酸塩と上記基油とにより100%になるものであるが、実使用に際して、上述の優れた効果を安定的に操業するために、上記100%の外に、必要に応じて、酸化防止剤、錆止め剤、腐食防止剤、消泡剤等の一種又は二種以上をさらに添加することも勿論可能である。
上記錆止め剤としては、例えば、ジノニルナフタレンスルホン酸バリウム等が挙げられる。
上記腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記消泡剤としては、例えば、シリコン系のものが挙げられる。
上記ポリイソブチレンを使用する場合には、高圧粘度が比較的高くなり、粘度のわりに洗浄性に優れた潤滑油を得ることができる。
上記αオレフィンの全炭素数が14未満である場合には、潤滑性が低下するというおそれがあり、一方、上記αオレフィンの全炭素数が18を超える場合には、冬季に固化し易くなるおそれや、取り扱いが困難になるというおそれがある。
上記基油は、被洗浄性、油導入性、環境を考慮して選択することができる。
本例では、表1及び表2に示すごとく、本発明の実施例として、複数種類のプレス用潤滑油(試料E1〜試料E8)と、比較例として複数種類のプレス用潤滑油(試料C1〜C4)を作製し、各種性能の比較試験を行った。
各試料E1〜E8及び試料C1〜C4のプレス用潤滑油について、基油、アルキルスルホン酸塩、動粘度等を、表1及び表2にそれぞれ示す。
A1:動粘度0.6cSt(at40℃)のパラフィン系鉱油
A2:動粘度1.3cSt(at40℃)のパラフィン系鉱油
A3:動粘度39.8cSt(at40℃)のパラフィン系鉱油
A4:動粘度99.7cSt(at40℃)のパラフィン系鉱油
A5:動粘度140cSt(at40℃)のパラフィン系鉱油
B1:動粘度2.7cSt(at40℃)のポリイソブチレン
B2:動粘度95cSt(at40℃)のポリイソブチレン
B3:動粘度205cSt(at40℃)のポリイソブチレン
C1:直鎖オレフィン(炭素数16及び18の等量混合物)
<成形高さ評価>
供試材として、住友軽金属工業製プレコートアルミニウム板TY−ライトシルバー(板厚1mm、φ50mm)を用い、φ50mm、R=25の球頭ポンチ、成形速度2.0mm/sにて張出成形を行い、材料に割れが生じた高さを成形高さとした。上記供試油は、600mg/m2を供試材表面に均一に供給した。
(評価基準)
成形高さが16mm以上の場合を合格、成形高さが16mm未満の場合を不合格とした。
供試材として、住友軽金属工業製プレコートアルミニウム板TY−ライトシルバー(板厚1mm、φ50mm)を用い、ピンオンディスク型試験機において、回転数400rpmでA1070アルミニウムピン(5mmL×φ5.0mm、3本をφ23mmに配列)と、摩擦試験を5min間実施した。得られた磨耗粉を回収し、10mLの供試油を入れた試験管内に10mLの供試油と回収した磨耗粉とを混合し、スターラーにて5分間攪拌した後に、室温にて5分間静置し、外管を観察し、分散性を評価した。
(評価基準)
○:供試油の透明度が低い場合
×:磨耗粉の大部分が神殿している場合
評価結果が○を合格とし、×を不合格とした。
供試材として、住友軽金属工業製プレコートアルミニウム板TY−ライトシルバー(板厚1mm、φ50mm)を用い、供試材の片面に供試油200mg/m2を塗布し、脱脂試験に供した。脱脂試験は、ガラス製5Lビーカーに純水を入れ、60℃に加温した状態でスターラーにて攪拌し、供試材を5min浸漬した後、エアーブローにて乾燥後の供試油残留重量を測定した。
(評価基準)
供試油残留重量が多くなるほど、被洗浄性が低下し、180g/m2以下を合格、180g/m2を超える場合を不合格とした。
供試材として、住友軽金属工業製プレコートアルミニウム板TY−ライトシルバー(板厚1mm、φ50mm)を使用し、供試油を50mg/m2塗布した供試板を2枚重ね合わせて、室温で、1°/secの速度にて、圧延方向を軸として回転させ、板同士がずれはじめた角度を計測し、供試油の取り扱い性を評価した。
(評価基準)
ずれ始めた角度が大きくなるほど、取り扱い性が低下し、90°を下回る場合を合格、90°以上を不合格とした。
また、本発明の比較例である試料C2は、潤滑油全体の動粘度が本発明の下限を下回るため、潤滑油の導入量が減少し、成形高さが不合格であった。
また、本発明の比較例である試料C3及び試料C4は、潤滑油全体の動粘度が本発明の上限を上回るため、取り扱いが困難になり、被洗浄性及び取り扱い性が不合格であった。
Claims (3)
- プレコートアルミニウム合金板をプレス加工する際に用いられるプレス用潤滑油であって、
アルキルスルホン酸塩を0.1〜5.0%(重量%、以下同じ)含有し、
残部に、基油を含有し、
上記プレス用潤滑油の動粘度が、1.1〜100cSt(at40℃)であることを特徴とするプレス用潤滑油。 - 請求項1において、上記基油は、ポリイソブチレン、全炭素数が14〜18であるαオレフィン、及び精製鉱油の1種あるいは2種以上からなることを特徴とするプレス用潤滑油。
- プレコートアルミニウム合金板のプレス加工時に、請求項1又は2に記載のプレス用潤滑油を用いることを特徴とするプレコートアルミニウム合金板のプレス方法。
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