JPH05214356A - アルミニウムの冷間圧延用潤滑油 - Google Patents
アルミニウムの冷間圧延用潤滑油Info
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- JPH05214356A JPH05214356A JP1757292A JP1757292A JPH05214356A JP H05214356 A JPH05214356 A JP H05214356A JP 1757292 A JP1757292 A JP 1757292A JP 1757292 A JP1757292 A JP 1757292A JP H05214356 A JPH05214356 A JP H05214356A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】特定の動粘度を有する鉱物油と、特定の高級ア
ルコール、および特定の長鎖アルキルカーボネートを有
効成分として含有してなるアルミニウムの冷間圧延用潤
滑油。 【効果】本発明のアルミニウムの冷間圧延用潤滑油は、
アルミニウムの冷間圧延工程において、圧延速度依存性
が小さく圧延安定性に優れるとともに、ワークロールで
アルミニウム板に高圧下率の負荷をかけてもむらの無い
均一な光沢を有するアルミニウム圧延板を生産すること
ができ、したがって、アルミニウム圧延板の生産性を大
幅に上げることができるという効果がある。
ルコール、および特定の長鎖アルキルカーボネートを有
効成分として含有してなるアルミニウムの冷間圧延用潤
滑油。 【効果】本発明のアルミニウムの冷間圧延用潤滑油は、
アルミニウムの冷間圧延工程において、圧延速度依存性
が小さく圧延安定性に優れるとともに、ワークロールで
アルミニウム板に高圧下率の負荷をかけてもむらの無い
均一な光沢を有するアルミニウム圧延板を生産すること
ができ、したがって、アルミニウム圧延板の生産性を大
幅に上げることができるという効果がある。
Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、アルミニウムの冷間圧延
用潤滑油に関し、さらに詳しくは、アルミニウムの冷間
圧延工程における圧延速度の急激に変化する領域におい
ても油膜切れ等を起こさず、圧延安定性に優れ、しか
も、ワークロールでアルミニウム板に高圧下率の負荷を
かけてアルミニウム圧延板の生産性を向上させることが
できるアルミニウムの冷間圧延用潤滑油に関する。
用潤滑油に関し、さらに詳しくは、アルミニウムの冷間
圧延工程における圧延速度の急激に変化する領域におい
ても油膜切れ等を起こさず、圧延安定性に優れ、しか
も、ワークロールでアルミニウム板に高圧下率の負荷を
かけてアルミニウム圧延板の生産性を向上させることが
できるアルミニウムの冷間圧延用潤滑油に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】アルミニウム板をワークロール間
に挿入してさらに薄厚の板に圧延するアルミニウム板
(アルミニウム圧延板)の製造工程は、アルミニウム板
の板厚を専ら薄くする熱間圧延工程と、アルミニウム板
の最終特性、たとえば表面平滑性を考慮しながら所要の
厚さに圧延する冷間圧延工程とに大別される。
に挿入してさらに薄厚の板に圧延するアルミニウム板
(アルミニウム圧延板)の製造工程は、アルミニウム板
の板厚を専ら薄くする熱間圧延工程と、アルミニウム板
の最終特性、たとえば表面平滑性を考慮しながら所要の
厚さに圧延する冷間圧延工程とに大別される。
【0003】ここに言うアルミニウム板は、純アルミニ
ウムからなる板またはアルミニウム合金からなる板であ
り、ホイル、シートなどの形態を有していてもよい。こ
の冷間圧延は特にアルミニウム板の最終特性に大きな影
響を及ぼすので、冷間圧延工程では、アルミニウム板と
ワークロールが互いに圧着し、ワークロールがアルミニ
ウム板の表面を傷つけないように、特に品質に優れた潤
滑油をアルミニウム板表面に塗布してアルミニウム板と
ワークロールとの間に潤滑油を介在させている。
ウムからなる板またはアルミニウム合金からなる板であ
り、ホイル、シートなどの形態を有していてもよい。こ
の冷間圧延は特にアルミニウム板の最終特性に大きな影
響を及ぼすので、冷間圧延工程では、アルミニウム板と
ワークロールが互いに圧着し、ワークロールがアルミニ
ウム板の表面を傷つけないように、特に品質に優れた潤
滑油をアルミニウム板表面に塗布してアルミニウム板と
ワークロールとの間に潤滑油を介在させている。
【0004】上記の冷間圧延工程で用いられる潤滑油と
しては、鉱物油が知られている。しかしながら、粘度の
高い鉱物油を上記潤滑油として用いる場合、アルミニウ
ム板とワークロールの接触弧に存在する油膜の厚みを薄
くすることが困難である。したがって、アルミニウム板
とワークロールとの間の動摩擦係数が小さく、ワークロ
ールによりアルミニウム板に高圧下率で負荷をかけるこ
とができないためアルミニウム圧延板の生産性が悪いと
いう問題がある。また、この場合、アルミニウム板とワ
ークロールの接触弧に存在する油膜に厚みむらが生じる
ため、得られるアルミニウム圧延板は、その表面の平滑
さを失うという問題がある。
しては、鉱物油が知られている。しかしながら、粘度の
高い鉱物油を上記潤滑油として用いる場合、アルミニウ
ム板とワークロールの接触弧に存在する油膜の厚みを薄
くすることが困難である。したがって、アルミニウム板
とワークロールとの間の動摩擦係数が小さく、ワークロ
ールによりアルミニウム板に高圧下率で負荷をかけるこ
とができないためアルミニウム圧延板の生産性が悪いと
いう問題がある。また、この場合、アルミニウム板とワ
ークロールの接触弧に存在する油膜に厚みむらが生じる
ため、得られるアルミニウム圧延板は、その表面の平滑
さを失うという問題がある。
【0005】一方、粘度の低い鉱物油を上記潤滑油とし
て用いる場合、アルミニウム板とワークロールの接触弧
に存在する油膜の厚みを薄くして、ワークロールにより
アルミニウム板に圧下率を高めて負荷をかけることがで
きる。しかしながら、さらに圧下率を高めてアルミニウ
ム板に負荷をかけると、油膜切れを起こし、アルミニウ
ム板とワークロールとが接触して互いに圧着し、アルミ
ニウム板の表面を傷つけるという問題がある。
て用いる場合、アルミニウム板とワークロールの接触弧
に存在する油膜の厚みを薄くして、ワークロールにより
アルミニウム板に圧下率を高めて負荷をかけることがで
きる。しかしながら、さらに圧下率を高めてアルミニウ
ム板に負荷をかけると、油膜切れを起こし、アルミニウ
ム板とワークロールとが接触して互いに圧着し、アルミ
ニウム板の表面を傷つけるという問題がある。
【0006】上記のようなアルミニウム板へのワークロ
ールの圧着を防止する方法として、低粘度の鉱物油に高
級アルコールを添加した潤滑油を用いる方法が従来より
知られている。しかしながら、このような潤滑油は、ア
ルミニウム板へのワークロールの圧着を良好に防止する
ことができるものの、圧延速度の速い高速圧延域ならび
に圧延初期および圧延終期等の圧延速度変化の大きい領
域において油膜の摩擦係数の急激な低下を招き、圧延速
度が変化してしまうなど圧延速度依存性が高い。したが
って、低粘度の鉱物油に高級アルコールを添加した潤滑
油は、圧延安定性がなく、得られるアルミニウム圧延板
は光沢むらを生じるという問題がある。
ールの圧着を防止する方法として、低粘度の鉱物油に高
級アルコールを添加した潤滑油を用いる方法が従来より
知られている。しかしながら、このような潤滑油は、ア
ルミニウム板へのワークロールの圧着を良好に防止する
ことができるものの、圧延速度の速い高速圧延域ならび
に圧延初期および圧延終期等の圧延速度変化の大きい領
域において油膜の摩擦係数の急激な低下を招き、圧延速
度が変化してしまうなど圧延速度依存性が高い。したが
って、低粘度の鉱物油に高級アルコールを添加した潤滑
油は、圧延安定性がなく、得られるアルミニウム圧延板
は光沢むらを生じるという問題がある。
【0007】上記のような圧延速度依存性を低下させる
方法として、低粘度の鉱物油に高級アルコールを添加
し、さらに僅かの量の高級脂肪酸エステルを添加した潤
滑油を用いる方法が知られている。しかしながら、この
ような潤滑油は、上記のような圧延速度依存性を低く抑
えることができるものの、冷間圧延中にアルミニウム板
に熱処理する際に高級脂肪酸エステルが熱分解を起こ
し、アルミニウム圧延板表面にオイルステインが発生す
る。また、高級アルコールおよび高級脂肪酸エステル
は、共に油膜強度を向上させるが、その向上効果は高圧
下率領域では十分でなく、油膜切れ現象を起こす。その
結果、得られるアルミニウム圧延板はその表面に傷が付
き品質を損なうことがあった。
方法として、低粘度の鉱物油に高級アルコールを添加
し、さらに僅かの量の高級脂肪酸エステルを添加した潤
滑油を用いる方法が知られている。しかしながら、この
ような潤滑油は、上記のような圧延速度依存性を低く抑
えることができるものの、冷間圧延中にアルミニウム板
に熱処理する際に高級脂肪酸エステルが熱分解を起こ
し、アルミニウム圧延板表面にオイルステインが発生す
る。また、高級アルコールおよび高級脂肪酸エステル
は、共に油膜強度を向上させるが、その向上効果は高圧
下率領域では十分でなく、油膜切れ現象を起こす。その
結果、得られるアルミニウム圧延板はその表面に傷が付
き品質を損なうことがあった。
【0008】したがって、圧延速度依存性が小さく圧延
安定性に優れるとともに、ワークロールでアルミニウム
板に高圧下率の負荷をかけてもむらのない均一な光沢を
有するアルミニウム圧延板を生産することができ、アル
ミニウム圧延板の生産性を大幅に向上させることができ
る冷間圧延用潤滑油の出現が従来より望まれていた。な
お、特開平2−296,898号公報には、鋼を冷間圧
延するための潤滑流体が記載されている。この潤滑流体
は、一般式RO−CO−OR’で表わされる1以上の有
機カーボネートと、必要であれば各種用途に必要な潤滑
力を有する組成物を提供するに充分な量で鉱油基剤とか
らなっている。ここに、上記式中のRおよびR’は、同
一または異なるものであって、炭素原子数6〜30の直
鎖状または分枝状アルキル基、シクロアルキル基または
シクロアルキル−アルキル基である。
安定性に優れるとともに、ワークロールでアルミニウム
板に高圧下率の負荷をかけてもむらのない均一な光沢を
有するアルミニウム圧延板を生産することができ、アル
ミニウム圧延板の生産性を大幅に向上させることができ
る冷間圧延用潤滑油の出現が従来より望まれていた。な
お、特開平2−296,898号公報には、鋼を冷間圧
延するための潤滑流体が記載されている。この潤滑流体
は、一般式RO−CO−OR’で表わされる1以上の有
機カーボネートと、必要であれば各種用途に必要な潤滑
力を有する組成物を提供するに充分な量で鉱油基剤とか
らなっている。ここに、上記式中のRおよびR’は、同
一または異なるものであって、炭素原子数6〜30の直
鎖状または分枝状アルキル基、シクロアルキル基または
シクロアルキル−アルキル基である。
【0009】
【発明の目的】本発明は、圧延速度依存性が小さく圧延
安定性に優れるとともに、ワークロールでアルミニウム
板に高圧下率の負荷をかけてもむらのない均一な光沢を
有するアルミニウム圧延板を生産することができ、アル
ミニウム圧延板の生産性を大幅に向上させることができ
るアルミニウムの冷間圧延用潤滑油を提供することを目
的としている。
安定性に優れるとともに、ワークロールでアルミニウム
板に高圧下率の負荷をかけてもむらのない均一な光沢を
有するアルミニウム圧延板を生産することができ、アル
ミニウム圧延板の生産性を大幅に向上させることができ
るアルミニウムの冷間圧延用潤滑油を提供することを目
的としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係るアルミニウムの冷間圧延用
潤滑油は、40℃における動粘度が1.5〜9.5cS
tである鉱物油と、炭素原子数が8〜18である直鎖状
または分岐鎖状の高級アルコール、および下記の一般式
[I]で表わされる長鎖アルキルカーボネートを有効成
分として含有してなることを特徴としている。
潤滑油は、40℃における動粘度が1.5〜9.5cS
tである鉱物油と、炭素原子数が8〜18である直鎖状
または分岐鎖状の高級アルコール、および下記の一般式
[I]で表わされる長鎖アルキルカーボネートを有効成
分として含有してなることを特徴としている。
【0011】 RO−CO−OR1 ・・・[I] 上記式中、RおよびR1 は、炭素原子数1〜30の直鎖
状または分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、ま
たは側鎖にアルキル基を有するシクロアルキル基であ
り、RとR1 はともに同一または異なっていてもよい。
本発明に係る冷間圧延用潤滑油では、前記高級アルコー
ルの含有量は、前記鉱物油、高級アルコールおよび長鎖
アルキルカーボネートの合計量100重量部に対して1
〜10重量部であり、かつ、前記長鎖アルキルカーボネ
ートの含有量は、前記鉱物油、高級アルコールおよび長
鎖アルキルカーボネートの合計量100重量部に対して
0.5〜20重量部であることが好ましい。
状または分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、ま
たは側鎖にアルキル基を有するシクロアルキル基であ
り、RとR1 はともに同一または異なっていてもよい。
本発明に係る冷間圧延用潤滑油では、前記高級アルコー
ルの含有量は、前記鉱物油、高級アルコールおよび長鎖
アルキルカーボネートの合計量100重量部に対して1
〜10重量部であり、かつ、前記長鎖アルキルカーボネ
ートの含有量は、前記鉱物油、高級アルコールおよび長
鎖アルキルカーボネートの合計量100重量部に対して
0.5〜20重量部であることが好ましい。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るアルミニウム
の冷間圧延用潤滑油について具体的に説明する。本発明
に係るアルミニウムの冷間圧延用潤滑油は、特定の動粘
度を有する鉱物油と、特定の高級アルコール、および特
定の長鎖アルキルカーボネートを有効成分として含有し
てなる。
の冷間圧延用潤滑油について具体的に説明する。本発明
に係るアルミニウムの冷間圧延用潤滑油は、特定の動粘
度を有する鉱物油と、特定の高級アルコール、および特
定の長鎖アルキルカーボネートを有効成分として含有し
てなる。
【0013】鉱物油 本発明では鉱物油は基油として用いられ、この鉱物油は
低粘度であり、具体的には、40℃における動粘度が好
ましくは1.5〜9.5cSt、さらに好ましくは2〜
6cStの範囲にある鉱物油である。本発明において
は、鉱物油は、アルミニウムの冷間圧延用潤滑油の特性
としてアルミニウム板とワークロールとの間に存在する
油膜の厚さを可及的に薄くしてアルミニウム板とワーク
ロールとの間の動摩擦係数を大きくすることが要求され
るため、低粘度であることが望まれる。鉱物油の40℃
における動粘度が1.5cSt未満になると、アルミニ
ウム板とワークロールの接触弧に存在する油膜の厚みが
薄くなり過ぎて、後述する高級アルコールをこの鉱物油
に添加してもアルミニウム板とワークロールが圧着し易
く、得られるアルミニウム圧延板の表面に損傷が生じる
傾向がある。一方、鉱物油の40℃における動粘度が
9.5cStを超えると、アルミニウム板とワークロー
ルの接触弧に存在する油膜の厚みが厚くなり過ぎて、ア
ルミニウム板とワークロールとの間の動摩擦係数が低下
して空回りし、ワークロールでアルミニウム板に高圧下
率の負荷をかけられなくなる傾向がある。
低粘度であり、具体的には、40℃における動粘度が好
ましくは1.5〜9.5cSt、さらに好ましくは2〜
6cStの範囲にある鉱物油である。本発明において
は、鉱物油は、アルミニウムの冷間圧延用潤滑油の特性
としてアルミニウム板とワークロールとの間に存在する
油膜の厚さを可及的に薄くしてアルミニウム板とワーク
ロールとの間の動摩擦係数を大きくすることが要求され
るため、低粘度であることが望まれる。鉱物油の40℃
における動粘度が1.5cSt未満になると、アルミニ
ウム板とワークロールの接触弧に存在する油膜の厚みが
薄くなり過ぎて、後述する高級アルコールをこの鉱物油
に添加してもアルミニウム板とワークロールが圧着し易
く、得られるアルミニウム圧延板の表面に損傷が生じる
傾向がある。一方、鉱物油の40℃における動粘度が
9.5cStを超えると、アルミニウム板とワークロー
ルの接触弧に存在する油膜の厚みが厚くなり過ぎて、ア
ルミニウム板とワークロールとの間の動摩擦係数が低下
して空回りし、ワークロールでアルミニウム板に高圧下
率の負荷をかけられなくなる傾向がある。
【0014】高級アルコール 本発明では、上記高級アルコールとして、炭素原子数が
8〜18、好ましくは11〜18、さらに好ましくは1
2〜16である直鎖状または分岐鎖状の高級アルコール
が用いられる。高級アルコールの炭素原子数が8未満で
あると、アルミニウム板とワークロールの接触弧に存在
する油膜の強度が弱くなって油膜切れが生じる傾向があ
る。一方、高級アルコールの炭素原子数が18を超える
と、鉱物油との相溶性が悪くなって均質の潤滑油が得ら
れなくなる傾向がある。
8〜18、好ましくは11〜18、さらに好ましくは1
2〜16である直鎖状または分岐鎖状の高級アルコール
が用いられる。高級アルコールの炭素原子数が8未満で
あると、アルミニウム板とワークロールの接触弧に存在
する油膜の強度が弱くなって油膜切れが生じる傾向があ
る。一方、高級アルコールの炭素原子数が18を超える
と、鉱物油との相溶性が悪くなって均質の潤滑油が得ら
れなくなる傾向がある。
【0015】上記高級アルコールとしては、具体的に
は、炭素原子数8のオクチルアルコール、炭素原子数9
のノニルアルコール、炭素原子数10のデシルアルコー
ル、炭素原子数11のウンデシルアルコール、炭素原子
数12のラウリルアルコール、炭素原子数13のトリデ
シルアルコール、炭素原子数14のミリスチルアルコー
ル、炭素原子数15のペンタデシルアルコール、炭素原
子数16のセチルアルコール、炭素原子数17のヘプタ
デシルアルコール、炭素原子数18のステアリルアルコ
ールなどの直鎖状高級アルコール;炭素原子数8のイソ
オクチルアルコール、炭素原子数8のカプリルアルコー
ル、炭素原子数10のイソデシルアルコール、炭素原子
数14のイソミリスチルアルコール、炭素原子数18の
イソスチアリルアルコールなどの分岐鎖状高級アルコー
ルが挙げられる。中でも、ラウリルアルコール、セチル
アルコール、ミリスチルアルコールが好ましい。
は、炭素原子数8のオクチルアルコール、炭素原子数9
のノニルアルコール、炭素原子数10のデシルアルコー
ル、炭素原子数11のウンデシルアルコール、炭素原子
数12のラウリルアルコール、炭素原子数13のトリデ
シルアルコール、炭素原子数14のミリスチルアルコー
ル、炭素原子数15のペンタデシルアルコール、炭素原
子数16のセチルアルコール、炭素原子数17のヘプタ
デシルアルコール、炭素原子数18のステアリルアルコ
ールなどの直鎖状高級アルコール;炭素原子数8のイソ
オクチルアルコール、炭素原子数8のカプリルアルコー
ル、炭素原子数10のイソデシルアルコール、炭素原子
数14のイソミリスチルアルコール、炭素原子数18の
イソスチアリルアルコールなどの分岐鎖状高級アルコー
ルが挙げられる。中でも、ラウリルアルコール、セチル
アルコール、ミリスチルアルコールが好ましい。
【0016】本発明では、高級アルコールは、上記鉱物
油、高級アルコールおよび長鎖アルキルカーボネートの
合計量100重量部に対して好ましくは1〜10重量
部、さらに好ましくは3〜8重量部の割合で用いられ
る。上記のような割合で高級アルコールを配合すること
により、アルミニウム板とワークロールとの圧着を防止
して得られるアルミニウム圧延板の表面の美麗さを保た
せることができる。
油、高級アルコールおよび長鎖アルキルカーボネートの
合計量100重量部に対して好ましくは1〜10重量
部、さらに好ましくは3〜8重量部の割合で用いられ
る。上記のような割合で高級アルコールを配合すること
により、アルミニウム板とワークロールとの圧着を防止
して得られるアルミニウム圧延板の表面の美麗さを保た
せることができる。
【0017】長鎖アルキルカーボネート 上記長鎖アルキルカーボネートとしては、下記の一般式
[I]で表わされる長鎖アルキルカーボネートが用いら
れる。 RO−CO−OR1 ・・・[I] 上記式中、RおよびR1 は、炭素原子数1〜30の直鎖
状または分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、ま
たは側鎖にアルキル基を有するシクロアルキル基であ
り、RとR1 はともに同一または異なっていてもよい。
[I]で表わされる長鎖アルキルカーボネートが用いら
れる。 RO−CO−OR1 ・・・[I] 上記式中、RおよびR1 は、炭素原子数1〜30の直鎖
状または分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、ま
たは側鎖にアルキル基を有するシクロアルキル基であ
り、RとR1 はともに同一または異なっていてもよい。
【0018】本発明においては、RおよびR1 は、炭素
原子数1〜30の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が
好ましく、特に炭素原子数8〜20の直鎖状または分岐
鎖状のアルキル基が好ましい。上記一般式[I]で表わ
される長鎖アルキルカーボネートは、公知の化合物であ
り、たとえば以下のような方法で製造される。
原子数1〜30の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が
好ましく、特に炭素原子数8〜20の直鎖状または分岐
鎖状のアルキル基が好ましい。上記一般式[I]で表わ
される長鎖アルキルカーボネートは、公知の化合物であ
り、たとえば以下のような方法で製造される。
【0019】(1)触媒の存在下に、ジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネートなどの低級アルキルカーボ
ネートと高級アルコールとを、エステル交換反応をさせ
て上記長鎖アルキルカーボネートを製造する方法。 (2)有機塩基または無機塩基の存在下に、高級アルコ
ールとホスゲンとを反応させて上記長鎖アルキルカーボ
ネートを製造する方法。
ート、ジエチルカーボネートなどの低級アルキルカーボ
ネートと高級アルコールとを、エステル交換反応をさせ
て上記長鎖アルキルカーボネートを製造する方法。 (2)有機塩基または無機塩基の存在下に、高級アルコ
ールとホスゲンとを反応させて上記長鎖アルキルカーボ
ネートを製造する方法。
【0020】本発明では、長鎖アルキルカーボネート
は、上記鉱物油、高級アルコールおよび長鎖アルキルカ
ーボネートの合計量100重量部に対して好ましくは
0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部
の割合で用いられる。上記のような割合で長鎖アルキル
カーボネートを配合することにより、アルミニウム板と
ワークロールの接触弧に存在する油膜の強度を高め、か
つ、鉱物油の低粘度化を促進させることができる。すな
わち、アルミニウム板とワークロールの接触弧に存在す
る油膜の厚さを鉱物油の低粘度化によって薄くすること
ができる。したがって、低圧下率でアルミニウム板を圧
延しているときの油膜厚と高圧下率でアルミニウム板を
圧延しているときの油膜厚とは大きな差がないので、得
られるアルミニウム圧延板の表面光沢むらを防止するこ
とができる。また、この厚さの薄い油膜は強度が高いの
で、圧延の高速度域および圧延初期もしくは圧延終期の
正または負の加速域における油膜切れを防止することが
できる。したがって、得られるアルミニウム圧延板の表
面に、むらの無い均整な光沢を付与することができる。
は、上記鉱物油、高級アルコールおよび長鎖アルキルカ
ーボネートの合計量100重量部に対して好ましくは
0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部
の割合で用いられる。上記のような割合で長鎖アルキル
カーボネートを配合することにより、アルミニウム板と
ワークロールの接触弧に存在する油膜の強度を高め、か
つ、鉱物油の低粘度化を促進させることができる。すな
わち、アルミニウム板とワークロールの接触弧に存在す
る油膜の厚さを鉱物油の低粘度化によって薄くすること
ができる。したがって、低圧下率でアルミニウム板を圧
延しているときの油膜厚と高圧下率でアルミニウム板を
圧延しているときの油膜厚とは大きな差がないので、得
られるアルミニウム圧延板の表面光沢むらを防止するこ
とができる。また、この厚さの薄い油膜は強度が高いの
で、圧延の高速度域および圧延初期もしくは圧延終期の
正または負の加速域における油膜切れを防止することが
できる。したがって、得られるアルミニウム圧延板の表
面に、むらの無い均整な光沢を付与することができる。
【0021】他の添加剤 本発明に係るアルミニウムの冷間圧延用潤滑油中に、上
記の鉱物油、高級アルコールおよび長鎖アルキルカーボ
ネートのほかに、ラウリン酸のような高級脂肪酸、界面
活性剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合するこ
とができる。上記冷間圧延用潤滑油中に、高級脂肪酸お
よび/または界面活性剤を配合すると、圧延に際してア
ルミニウムの摩耗粉の発生を抑えることができるととも
に、発生したアルミニウムの摩耗粉を分散させて潤滑油
を精製する際の濾過性能を高めることができる。
記の鉱物油、高級アルコールおよび長鎖アルキルカーボ
ネートのほかに、ラウリン酸のような高級脂肪酸、界面
活性剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合するこ
とができる。上記冷間圧延用潤滑油中に、高級脂肪酸お
よび/または界面活性剤を配合すると、圧延に際してア
ルミニウムの摩耗粉の発生を抑えることができるととも
に、発生したアルミニウムの摩耗粉を分散させて潤滑油
を精製する際の濾過性能を高めることができる。
【0022】また、本発明に係るアルミニウムの冷間圧
延用潤滑油中に、圧延安定性を向上させると言われてい
るブチルステアレート、メチルラウレート、n- ブチル
パルミテート等の高級脂肪酸エステルなどの添加剤を、
本発明の目的を損なわない範囲で配合することができ
る。上記の高級脂肪酸、界面活性剤および高級脂肪酸エ
ステルは、本発明の潤滑油の特性、すなわち冷間圧延工
程における限界圧下率、圧延安定性および得られるアル
ミニウム圧延板の表面性状の向上のためには特に必要な
く、少ない方が好ましい。本発明では、これらの添加剤
は、上記鉱物油、高級アルコールおよび長鎖アルキルカ
ーボネートの合計量100重量部に対して、好ましくは
3重量部以下、さらに好ましくは1重量部以下の割合で
用いられる。
延用潤滑油中に、圧延安定性を向上させると言われてい
るブチルステアレート、メチルラウレート、n- ブチル
パルミテート等の高級脂肪酸エステルなどの添加剤を、
本発明の目的を損なわない範囲で配合することができ
る。上記の高級脂肪酸、界面活性剤および高級脂肪酸エ
ステルは、本発明の潤滑油の特性、すなわち冷間圧延工
程における限界圧下率、圧延安定性および得られるアル
ミニウム圧延板の表面性状の向上のためには特に必要な
く、少ない方が好ましい。本発明では、これらの添加剤
は、上記鉱物油、高級アルコールおよび長鎖アルキルカ
ーボネートの合計量100重量部に対して、好ましくは
3重量部以下、さらに好ましくは1重量部以下の割合で
用いられる。
【0023】
【発明の効果】本発明に係るアルミニウムの冷間圧延用
潤滑油は、特定の低粘度の鉱物油と、特定の高級アルコ
ール、および特定の長鎖アルキルカーボネートを有効成
分として含有してなるので、アルミニウムの冷間圧延工
程において、圧延速度依存性が小さく圧延安定性に優れ
るとともに、ワークロールでアルミニウム板に高圧下率
の負荷をかけてもむらの無い均一な光沢を有するアルミ
ニウム圧延板を生産することができ、したがって、アル
ミニウム圧延板の生産性を大幅に上げることができると
いう効果がある。
潤滑油は、特定の低粘度の鉱物油と、特定の高級アルコ
ール、および特定の長鎖アルキルカーボネートを有効成
分として含有してなるので、アルミニウムの冷間圧延工
程において、圧延速度依存性が小さく圧延安定性に優れ
るとともに、ワークロールでアルミニウム板に高圧下率
の負荷をかけてもむらの無い均一な光沢を有するアルミ
ニウム圧延板を生産することができ、したがって、アル
ミニウム圧延板の生産性を大幅に上げることができると
いう効果がある。
【0024】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例および比較例における潤滑油の性能を限界圧
下率、アルミニウム圧延板表面のオイルステン発生状
況、圧延安定性、およびアルミニウム圧延板の表面光沢
性で評価することとし、これらの評価は下記の方法に従
って行なった。また、アルミニウム板としてJIS 1
000系アルミニウム合金板とJIS5000系アルミ
ニウム合金板を用いた。 [評価方法] (1)限界圧下率 1mm厚×150mm幅のコイル状のアルミニウム板を
進行させながらその板面に潤滑油を吹き付けて塗布し、
次いで、このアルミニウム板を、非可逆2段冷間圧延機
を用いて段階的に圧下率を増加させていき、ヘリングボ
ーン(油膜切れによってアルミニウム圧延板表面に生じ
る周期的な光沢むら)が発生した圧下率の1パス前の圧
下率を限界圧下率とした。 (2)アルミニウム圧延板表面のオイルステイン発生状
況 アルミニウム板表面に潤滑油を塗布した後、これを無酸
素状態で350℃に加熱してアルミニウム板表面のブラ
ウン度(色の濃さ)を目視により評価した。 (3)圧延安定性 1mm厚×150mm幅のコイル状のアルミニウム板を
進行させながらその板面に潤滑油を吹き付けて塗布し、
次いで、このアルミニウム板を、非可逆2段冷間圧延機
を用いてワークロールの回転速度(Rv )を一定にして
冷間圧延を行ない、ワークロール通過直後のアルミニウ
ム圧延板の速度(Av )を連続的に測定し、それぞれの
アルミニウム圧延板の先進率[(Av )/(Rv )]を
求め、その変動の大小で圧延安定性を評価した。評価の
表示方法は下記のようにした。
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例および比較例における潤滑油の性能を限界圧
下率、アルミニウム圧延板表面のオイルステン発生状
況、圧延安定性、およびアルミニウム圧延板の表面光沢
性で評価することとし、これらの評価は下記の方法に従
って行なった。また、アルミニウム板としてJIS 1
000系アルミニウム合金板とJIS5000系アルミ
ニウム合金板を用いた。 [評価方法] (1)限界圧下率 1mm厚×150mm幅のコイル状のアルミニウム板を
進行させながらその板面に潤滑油を吹き付けて塗布し、
次いで、このアルミニウム板を、非可逆2段冷間圧延機
を用いて段階的に圧下率を増加させていき、ヘリングボ
ーン(油膜切れによってアルミニウム圧延板表面に生じ
る周期的な光沢むら)が発生した圧下率の1パス前の圧
下率を限界圧下率とした。 (2)アルミニウム圧延板表面のオイルステイン発生状
況 アルミニウム板表面に潤滑油を塗布した後、これを無酸
素状態で350℃に加熱してアルミニウム板表面のブラ
ウン度(色の濃さ)を目視により評価した。 (3)圧延安定性 1mm厚×150mm幅のコイル状のアルミニウム板を
進行させながらその板面に潤滑油を吹き付けて塗布し、
次いで、このアルミニウム板を、非可逆2段冷間圧延機
を用いてワークロールの回転速度(Rv )を一定にして
冷間圧延を行ない、ワークロール通過直後のアルミニウ
ム圧延板の速度(Av )を連続的に測定し、それぞれの
アルミニウム圧延板の先進率[(Av )/(Rv )]を
求め、その変動の大小で圧延安定性を評価した。評価の
表示方法は下記のようにした。
【0025】アルミニウム圧延板の先進率の変動が小さ
く圧延安定性がよい場合には◎で表示し、この変動が大
きくなるに従って○、△、×で表示した。 (4)アルミニウム圧延板の表面光沢性 上記(2)における冷間圧延後のアルミニウム圧延板の
表面光沢の均一さを目視により評価した。
く圧延安定性がよい場合には◎で表示し、この変動が大
きくなるに従って○、△、×で表示した。 (4)アルミニウム圧延板の表面光沢性 上記(2)における冷間圧延後のアルミニウム圧延板の
表面光沢の均一さを目視により評価した。
【0026】
【実施例1】鉱物油として40℃における動粘度が3.
0cStの鉱物油93.5重量部と、高級アルコールと
してラウリルアルコール5.5重量部と、長鎖アルキル
カーボネートとしてエニケムシンセシス(Eni Ch
em Synthesis SpA)社製の「LIALC
ARB SR−1000」(炭素原子数12〜16のア
ルコール混合物を反応させて得られたカーボネート)1
重量部とを混合して潤滑油を調製した。
0cStの鉱物油93.5重量部と、高級アルコールと
してラウリルアルコール5.5重量部と、長鎖アルキル
カーボネートとしてエニケムシンセシス(Eni Ch
em Synthesis SpA)社製の「LIALC
ARB SR−1000」(炭素原子数12〜16のア
ルコール混合物を反応させて得られたカーボネート)1
重量部とを混合して潤滑油を調製した。
【0027】この潤滑油の性能を限界圧下率、アルミニ
ウム圧延板表面のオイルステイン発生状況、圧延安定
性、およびアルミニウム圧延板の表面光沢性で評価し
た。その結果を表1に示す。
ウム圧延板表面のオイルステイン発生状況、圧延安定
性、およびアルミニウム圧延板の表面光沢性で評価し
た。その結果を表1に示す。
【0028】
【実施例2】鉱物油として実施例1の鉱物油87重量部
と、高級アルコールとしてセチルアルコール8.0重量
部と、長鎖アルキルカーボネートとして実施例1のカー
ボネート5重量部とを混合して潤滑油を調製した。この
潤滑油の性能を実施例1と同様にして評価した。
と、高級アルコールとしてセチルアルコール8.0重量
部と、長鎖アルキルカーボネートとして実施例1のカー
ボネート5重量部とを混合して潤滑油を調製した。この
潤滑油の性能を実施例1と同様にして評価した。
【0029】その結果を表1に示す。
【0030】
【実施例3】鉱物油として40℃における動粘度が5.
0cStの鉱物油94重量部と、高級アルコールとして
ラウリルアルコール2.0重量部と、長鎖アルキルカー
ボネートとして実施例1のカーボネート4重量部とを混
合して潤滑油を調製した。この潤滑油の性能を実施例1
と同様にして評価した。
0cStの鉱物油94重量部と、高級アルコールとして
ラウリルアルコール2.0重量部と、長鎖アルキルカー
ボネートとして実施例1のカーボネート4重量部とを混
合して潤滑油を調製した。この潤滑油の性能を実施例1
と同様にして評価した。
【0031】その結果を表1に示す。
【0032】
【実施例4】鉱物油として実施例3の鉱物油85重量部
と、高級アルコールとしてセチルアルコール7.0重量
部と、長鎖アルキルカーボネートとして実施例1のカー
ボネート8重量部とを混合して潤滑油を調製した。この
潤滑油の性能を実施例1と同様にして評価した。
と、高級アルコールとしてセチルアルコール7.0重量
部と、長鎖アルキルカーボネートとして実施例1のカー
ボネート8重量部とを混合して潤滑油を調製した。この
潤滑油の性能を実施例1と同様にして評価した。
【0033】その結果を表1に示す。
【0034】
【比較例1】鉱物油として実施例1の鉱物油94重量部
と、高級アルコールとしてラウリルアルコール6.0重
量部とを混合して潤滑油を調製した。この潤滑油の性能
を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示
す。
と、高級アルコールとしてラウリルアルコール6.0重
量部とを混合して潤滑油を調製した。この潤滑油の性能
を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示
す。
【0035】
【比較例2】鉱物油として実施例3の鉱物油94.5重
量部と、高級アルコールとしてラウリルアルコール5.
5重量部と、高級脂肪酸エステルとしてブチルステアレ
ート2重量部とを混合して潤滑油を調製した。この潤滑
油の性能を実施例1と同様にして評価した。
量部と、高級アルコールとしてラウリルアルコール5.
5重量部と、高級脂肪酸エステルとしてブチルステアレ
ート2重量部とを混合して潤滑油を調製した。この潤滑
油の性能を実施例1と同様にして評価した。
【0036】その結果を表1に示す。
【0037】
【比較例3】実施例1の鉱物油単独を潤滑油とし、その
潤滑油の性能を実施例1と同様にして評価した。その結
果を表1に示す。
潤滑油の性能を実施例1と同様にして評価した。その結
果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1より明らかなように、実施例1〜4の
潤滑油は、ワークロールでアルミニウム板に高圧下率の
負荷をかけることができ、しかも、むらの無い均一な表
面光沢を有し、オイルステインのないアルミニウム圧延
板を提供することができ、圧延安定性に優れている。一
方、比較例1および2の潤滑油は、表1より明らかなよ
うに、限界圧下率が低く、しかも、オイルステイン、圧
延安定性、表面光沢性のいずれの特性も劣り、好ましく
ない。また、比較例3の鉱物油単独からなる潤滑油は、
圧延用潤滑油としては、全く劣っている。
潤滑油は、ワークロールでアルミニウム板に高圧下率の
負荷をかけることができ、しかも、むらの無い均一な表
面光沢を有し、オイルステインのないアルミニウム圧延
板を提供することができ、圧延安定性に優れている。一
方、比較例1および2の潤滑油は、表1より明らかなよ
うに、限界圧下率が低く、しかも、オイルステイン、圧
延安定性、表面光沢性のいずれの特性も劣り、好ましく
ない。また、比較例3の鉱物油単独からなる潤滑油は、
圧延用潤滑油としては、全く劣っている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 20:02 30:06 40:24 A 8217−4H (72)発明者 堀 田 仁 愛知県稲沢市小池1丁目11番1号 日本軽 金属株式会社名古屋工場内 (72)発明者 草 野 裕 愛知県稲沢市小池1丁目11番1号 日本軽 金属株式会社名古屋工場内 (72)発明者 藤 井 堅 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 ミ テックス株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】40℃における動粘度が1.5〜9.5c
Stである鉱物油と、炭素原子数が8〜18である直鎖
状または分岐鎖状の高級アルコール、および下記の一般
式[I]で表わされる長鎖アルキルカーボネートを有効
成分として含有してなることを特徴とするアルミニウム
の冷間圧延用潤滑油; RO−CO−OR1 ・・・[I] [式中、RおよびR1 は、炭素原子数1〜30の直鎖状
または分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、また
は側鎖にアルキル基を有するシクロアルキル基であり、
RとR1 はともに同一または異なっていてもよい]。 - 【請求項2】前記高級アルコールの含有量が前記鉱物
油、高級アルコールおよび長鎖アルキルカーボネートの
合計量100重量部に対して1〜10重量部であり、か
つ、前記長鎖アルキルカーボネートの含有量が前記鉱物
油、高級アルコールおよび長鎖アルキルカーボネートの
合計量100重量部に対して0.5〜20重量部である
ことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウムの冷間
圧延用潤滑油。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1757292A JPH05214356A (ja) | 1992-02-03 | 1992-02-03 | アルミニウムの冷間圧延用潤滑油 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1757292A JPH05214356A (ja) | 1992-02-03 | 1992-02-03 | アルミニウムの冷間圧延用潤滑油 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05214356A true JPH05214356A (ja) | 1993-08-24 |
Family
ID=11947631
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1757292A Pending JPH05214356A (ja) | 1992-02-03 | 1992-02-03 | アルミニウムの冷間圧延用潤滑油 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05214356A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006225595A (ja) * | 2005-02-21 | 2006-08-31 | Nippon Oil Corp | 潤滑油組成物 |
JP2007070674A (ja) * | 2005-09-06 | 2007-03-22 | Fujifilm Holdings Corp | 平版印刷版用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
JP2007092170A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-04-12 | Fujifilm Corp | 平版印刷版用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
JP2007246837A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-09-27 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | プレコートアルミニウム合金板用のプレス用潤滑油及びそれを用いたプレコートアルミニウム合金板のプレス方法 |
CN114317083A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-04-12 | 上海恩坤工业技术有限公司 | 一种润滑组合物、制备方法及润滑方法 |
-
1992
- 1992-02-03 JP JP1757292A patent/JPH05214356A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006225595A (ja) * | 2005-02-21 | 2006-08-31 | Nippon Oil Corp | 潤滑油組成物 |
JP2007092170A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-04-12 | Fujifilm Corp | 平版印刷版用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
JP2007070674A (ja) * | 2005-09-06 | 2007-03-22 | Fujifilm Holdings Corp | 平版印刷版用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
JP2007246837A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-09-27 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | プレコートアルミニウム合金板用のプレス用潤滑油及びそれを用いたプレコートアルミニウム合金板のプレス方法 |
CN114317083A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-04-12 | 上海恩坤工业技术有限公司 | 一种润滑组合物、制备方法及润滑方法 |
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