JP2007246698A - プロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体 - Google Patents

プロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】耐衝撃性、透明性、剛性に優れるプロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体。
【解決手段】プロピレン重合体(A)98〜50重量%、エチレンの単独重合体、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン重合体であって、密度が0.89〜0.93g/cm3であるエチレン重合体(B)1〜30重量%、および非晶性α−オレフィン系共重合体(C)1〜20重量%(ただし、(A)、(B)および(C)の合計を100重量%とする)を含有するプロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐衝撃性、透明性、剛性に優れるプロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体に関する。
プロピレン系樹脂は、安価で耐衝撃性、剛性、耐熱性等に優れるため、家電用品、自動車部品、雑貨、フィルム、シート等、種々の産業資材に広く用いられている。プロピレン系樹脂に要求される性能は用途によって異なるが、透明性が要求される用途には、従来、エチレン−プロピレンランダム共重合体が用いられてきた。しかしながら、エチレン−プロピレンランダム共重合体は耐衝撃性が不十分であり、この点を補うため、例えば特許文献1には、プロピレン系重合体と、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物を必須成分として含む触媒下にエチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを(共)重合させることにより得られるエチレン(共)重合体および他のエチレン系重合体からなる樹脂組成物が記載されている。
特開平8−311271号公報
しかしながら、さらに耐衝撃性を付与すべくエチレン(共)重合体の含有量を増やすと、透明性が低下するという問題があり、耐衝撃性および透明性に優れるプロピレン系樹脂組成物が求められていた。
かかる現状において、本発明の解決しようとする課題、即ち、本発明の目的は、耐衝撃性、透明性、剛性に優れるプロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体を提供することにある。
即ち本発明は、プロピレン重合体(A)98〜50重量%、エチレンの単独重合体、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン重合体であって、密度が0.89〜0.93g/cm3であるエチレン重合体(B)1〜30重量%、および非晶性α−オレフィン系共重合体(C)1〜20重量%(ただし、(A)、(B)および(C)の合計を100重量%とする)を含有するプロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体に関するものである。
本発明によれば、耐衝撃性、透明性、剛性に優れるプロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体が提供される。
本発明の(A)とはプロピレン重合体であり、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンとのランダム共重合体またはブロック共重合体が挙げられる。
本発明のプロピレン重合体(A)が、プロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンとのランダム共重合体である場合、該ランダム共重合体に含有されるエチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量は特に限定されないが、プロピレン重合体のべたつきを抑制する観点から、好ましくは40重量%以下であり、より好ましくは30重量%以下である。
本発明のプロピレン重合体(A)が、プロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンとのランダム共重合体またはブロック共重合体の場合、共重合に用いられるα−オレフィンとしては、例えば、炭素原子数4〜20の直鎖状のα−オレフィン、炭素原子数4〜20の分岐状のα−オレフィン等が挙げられる。炭素原子数4〜20の直鎖状のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等が挙げられ、炭素原子数4〜20の分岐状のα−オレフィンとしては、例えば、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等が挙げられる。
本発明のプロピレン重合体(A)としては、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−1−ペンテンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ペンテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体等が挙げられる。プロピレン重合体(A)として好ましくは、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体である。
本発明のプロピレン重合体(A)がプロピレン単独重合体の場合、好ましい立体規則性としては、アイソタクチック構造またはシンジオタクチック構造を主として有する構造である。
本発明のプロピレン重合体(A)の製造方法としては、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒、周期表第4族〜第6族の遷移金属化合物を用いてなる触媒またはメタロセン触媒を用いて、プロピレンを単独重合またはプロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンを共重合する方法が挙げられる。
チーグラー・ナッタ型触媒としては、例えば、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分を組み合わせて用いられる触媒等が挙げられ、メタロセン触媒としては、例えば、シクロペンタジエン形アニオン骨格を少なくとも1個有する周期表第4族〜第6族の遷移金属化合物を用いてなる触媒等が挙げられる。
重合方法としては、例えば、スラリー重合法、気相重合法、バルク重合法、溶液重合法等が挙げられる。また、これらの重合方法を単独で用いる一段重合法またはこれらの重合法を組み合わせた多段重合法が挙げられる。
また、本発明で用いられるプロピレン重合体(A)に該当する市販のプロピレン系重合体を用いてもよい。
本発明のエチレン重合体(B)とは、エチレンの単独重合体、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン重合体である。
炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。
本発明のエチレン重合体(B)のエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体が挙げられる。
本発明のエチレン重合体(B)の密度は0.89〜0.93g/cm3であり、好ましくは0.89〜0.91g/cm3である。密度が0.89g/cm3より小さいと加工条件によっては十分な剛性が得られない場合があり、0.93g/cm3より大きいと加工条件によっては十分な耐衝撃性が得られない場合がある。
本発明のエチレン重合体(B)の製造方法としては、耐衝撃性を高める観点から、メタロセン重合用触媒の存在下に上記の単量体を重合させることが好ましく、重合方法としてはスラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等が挙げられる。
メタロセン重合用触媒としては、例えば、特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報等に記載の触媒等を挙げることができる。
メタロセン重合用触媒としてより具体的には、例えば、式R1 k2 l3 m4 nM(ただし、Mはジルコニウム原子、チタン原子、ハフニウム原子またはバナジウム原子を表し、R1はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表し、R2,R3およびR4は、それぞれシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子または水素原子を表し、kおよびlは1以上の整数を表し、k+l+m+n=4である。)で表されるメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物からなる触媒が挙げられる。該メタロセン化合物としては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルチタニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(インデニル)チタニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジメチルチタニウム、エチレンビス(インデニル)メチルチタニウムクロリド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジメチルチタニウム、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)チタニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)モノクロリドモノハイドライド、ビス(インデニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド等が挙げられ、また、該有機アルミニウムオキシ化合物としては、テトラメチルジアルミノキサン、テトラエチルジアミノキサン、テトラブチルジアルミノキサン、テトラヘキシルジアルミノキサン、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、ヘキシルアルミノキサン等が挙げられる。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体(C)とは、α−オレフィンに由来する単量体単位を含有する共重合体であって、示差走査熱量測定による結晶融解ピークが実質的に観測されない共重合体である。
非晶性α−オレフィン系共重合体(C)の結晶性として好ましくは、プロピレン系樹脂組成物の透明性の観点から、JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、−50℃から200℃の範囲で測定して得られる、結晶融解熱量が1J/g以上のピーク、および、結晶化熱量が1J/g以上のピークのいずれのピークも観測されない共重合体である。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体(C)の分子量分布は、耐衝撃性を高める観点から、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1.5〜3である。分子量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)であり、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンを分子量標準物質として測定される。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体(C)の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]は、耐衝撃性を高める観点から、好ましくは0.01dl/g以上であり、加工時のトルクネックによる加工不良を抑制する観点から、好ましくは10dl/gであり、より好ましくは0.5〜5dl/gである。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体(C)に用いられるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、炭素原子数4〜20のα−オレフィンが挙げられ、炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状のα−オレフィン等が挙げられる。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体(C)として、透明性を高める観点から好ましくは、エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンに由来する単量体単位を有し、下記式(1)を満たす共重合体である。
0≦[x/(x+y)]<0.6 (1)
(ただし、上記式(1)において、xは非晶性α−オレフィン系共重合体中のエチレンに由来する単量体単位の含有量(モル%)を表し、yは非晶性α−オレフィン系共重合体中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、非晶性α−オレフィン系共重合体(C)全体を100モル%とする。)
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体(C)としては、例えば、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−へプテン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ノネン共重合体、プロピレン−1−デセン共重合体、プロピレン−1−ウンデセン共重合体、プロピレン−1−ドデセン共重合体、プロピレン−1−トリデセン共重合体、プロピレン−1−テトラデセン共重合体、プロピレン−1−ペンタデセン共重合体、プロピレン−1−ヘキサデセン共重合体、プロピレン−1−ヘプタデセン共重合体、プロピレン−1−オクタデセン共重合体、プロピレン−1−ナノデセン共重合体、プロピレン−1−エイコセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体等が挙げられ、1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。非晶性α−オレフィン系共重合体(C)として好ましくは、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体等が挙げられ、より好ましくは、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、さらに好ましくはプロピレン−1−ブテン共重合体である。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体(C)は、α−オレフィン以外の単量体に由来する単量体単位を含有していてもよく、α−オレフィン以外の単量体としては、例えば、ポリエン化合物、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物等が挙げられる。α−オレフィン以外の単量体に由来する単量体単位の含有量は、非晶性α−オレフィン系共重合体全体を100モル%としたとき、好ましくは20モル%以下である。
α−オレフィン以外の単量体としてポリエン化合物としては、例えば、共役ポリエン化合物、非共役ポリエン化合物等が挙げられる。共役ポリエン化合物としては、例えば、脂肪族共役ポリエン化合物および脂環式共役ポリエン化合物等が挙げられ、非共役ポリエン化合物としては、例えば、脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環式非共役ポリエン化合物、芳香族非共役ポリエン化合物等が挙げられる。これらは、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基等の置換基によって置換されていてもよい。
α−オレフィン以外の単量体として環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテン等が挙げられる。
α−オレフィン以外の単量体としてビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体(C)の重合方法としては、例えば、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等を採用すること可能であり、所定の単量体をメタロセン触媒によって重合することにより製造することができる。メタロセン触媒としては、例えば、特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報等に記載のメタロセン系触媒を挙げることができる。また、メタロセン触媒を用いた非晶性α−オレフィン系共重合体の製造方法として特に好ましくは、欧州特許出願公開第1211287号明細書に記載の製造方法である。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン重合体(A)98〜50重量%、エチレンの単独重合体、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン重合体であって、密度が0.89〜0.93g/cm3であるエチレン重合体(B)1〜30重量%、および非晶性α−オレフィン系共重合体(C)1〜20重量%(ただし、(A)、(B)および(C)の合計を100重量%とする)である。エチレン重合体(B)の含有量が1重量%より少ないと十分な耐衝撃性が得られない場合があり、30重量%より多いと剛性が低下する場合がある。また、非晶性α−オレフィン系共重合体(C)の含有量が1重量%より少ないと十分な耐衝撃性や透明性が得られない場合があり、20重量%より多いと剛性が低下する場合がある。
本発明のプロピレン系樹脂組成物の試験温度230℃、試験荷重21.2Nにおけるメルトフローレイトは、加工時のトルクネックによる加工不良を抑制する観点から、好ましくは0.5g/10分以上であり、加工条件によっては加工不良を抑制する観点から、200g/10分未満であり、より好ましくは1〜150g/10分である。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、成形体の透明性、剛性の向上のために造核剤(D)を含有することが好ましい。造核剤(D)としては、例えば、ソルビトール化合物、カルボン酸の金属塩、芳香族リン酸エステル系化合物、無機化合物のシリカ、タルク等が挙げられる。
造核剤(D)としてソルビトール化合物としては、例えば、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ−(メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−(エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−(メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−(エトキシベンジリデン)ソルビトール等が挙げられる。
造核剤(D)としてカルボン酸の金属塩としては、例えば、アジピン酸ナトリウム、アジピン酸カリウム、アジピン酸アルミニウム、セバシン酸ナトリウム、セバシン酸カリウム、セバシン酸アルミニウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸アルミニウム、ジ−パラ−t−ブチル安息香酸アルミニウム、ジ−パラ−t−ブチル安息香酸チタン、ジ−パラ−t−ブチル安息香酸クロム、ヒドロキシ−ジ−t−ブチル安息香酸アルミニウム等が挙げられる。
造核剤(D)として芳香族リン酸エステル系化合物の市販されているものの代表例としては、旭電化工業(株)の商品名「MARK NA−10」、「MARK NA−11」、「MARK NA−21」等が挙げられる。
造核剤(D)の含有量は、(A)、(B)および(C)の合計100重量部に対し、透明性を改良する観点から、好ましくは0.01重量部以上であり、経済性の観点から、好ましくは3重量部である。より好ましくは0.02〜2重量部である。
本発明においては、発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、変性ポリオレフィン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂等の他の樹脂をプロピレン系樹脂組成物に配合することができる。
変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、アクリル酸、メタクリル酸、テトラヒドロフタル酸、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の変性用化合物で変性されたポリオレフィンが挙げられる。ここで用いられるポリオレフィン系樹脂は、公知のポリオレフィンでよいが、例えば、エチレン系樹脂、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、コモノマーを含むランダムタイプポリプロピレン、多段重合によるブロックタイプポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)等が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、例えば、天然ロジン、重合ロジン、部分水添ロジン、完全水添ロジン、これらロジンのエステル化物(例えば、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、エチレングリコールエステル、メチルエステル)、ロジン誘導体(例えば、不均化ロジン、フマル化ロジン、ライム化ロジン)が挙げられる。
ポリテルペン系樹脂としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン等の環状テルペンの単独重合体、環状テルペンの共重合体、環状テルペンと、フェノール、ビスフェノール等のフェノール系化合物との共重合体(例えば、α−ピネン−フェノール樹脂、ジペンテン−フェノール樹脂、テルペン−ビスフェノール樹脂等のテルペン−フェノール系樹脂)、環状テルペンと芳香族モノマーとの共重合体である芳香族変性テルペン樹脂が挙げられる。
合成石油樹脂としては、例えば、ナフサ分解油のC5留分、C6〜C11留分およびその他オレフィン系留分の単独重合体や共重合体、これらの単独重合体や共重合体の水添物である脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、脂肪族−脂環式共重合体が挙げられる。合成石油樹脂として、さらに、上記のナフサ分解油と上記のテルペンとの共重合体や、該共重合体の水添物である共重合系石油樹脂が挙げられる。
ナフサ分解油の好ましいC5留分としては、例えば、イソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン等のメチルブテン類、1−ペンテン、2−ペンテン等のペンテン類、ジシクロペンタジエンが挙げられる。C6〜C11留分として好ましくは、インデン、スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン等のメチルスチレン類、メチルインデン、エチルインデン、ビニルキシレン、プロペニルベンゼンである。その他オレフィン系留分として好ましくは、ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ブタジエン、オクタジエンである。
クロマン系樹脂としては、例えば、クロマンの単独重合体またはクロマンとインデンの共重合体等が挙げられる。
フェノール系樹脂としては、例えば、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノールとアセチレンとの縮合によるアルキルフェノール−アセチレン樹脂およびこれら樹脂の変性物が挙げられる。ここで、これらフェノール系樹脂としては、フェノールを酸触媒でメチロール化したノボラック型樹脂や、アルカリ触媒でメチロール化したレゾール型樹脂のいずれであってもよい。
キシレン系樹脂としては、例えば、m−キシレンとホルムアルデヒドとからなるキシレン−ホルムアルデヒド樹脂や、これに第3成分を添加して反応させた変性樹脂が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレンの低分子量重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合体、スチレンとアクリロニトリルとインデンとの共重合体、スチレンとブタジエンの共重合体、スチレンとエチレンブチレンの共重合体が挙げられる。
イソプレン系樹脂としては、例えば、イソプレンの二量化体であるC10脂環式化合物とC10鎖状化合物とを共重合して得られる樹脂が挙げられる。
本発明においては、発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、紫外線吸収剤等の公知の添加剤を添加することができる。
本発明におけるプロピレン系樹脂組成物からなる成形体とは、本願明細書記載のプロピレン系樹脂組成物を成形して得られる成形体である。成形方法としては、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、インフレーション成形、モールドスタンピング成形等の公知の成形方法が挙げられるが、透明性の観点から射出成形が好ましい。成形体の形状および製品種類は特には限定されないが、例えば、シート、フィルム、輸液ボトル、パイプ、ホース、電線被覆、フィラメント、玩具や文具等の雑貨、インスツルメントパネル等の内装材、バンパー等の外装材、その他自動車用部品等の自動車材料、洗濯機、掃除機等の家電材料等が挙げられる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
[I]測定方法
物性測定は、下記のとおりに行った。
(1)プロピレン系重合体中のエチレンに由来する単量体単位の含有量(重量%)
エチレンに由来する単量体単位の含有量はIRスペクトル測定を行い、「高分子ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている(i)ランダム共重合体に関する方法に従って求めた。
(2)密度(単位:kg/m3
JIS K 7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。
なお、試料には、JIS K 6760に記載のアニーリングを行った。
(3)メルトフローレイト(単位:g/10分)
エチレンまたはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとのエチレン(共)重合体のメルトフローレイトは、JIS K 7210に従って、試験温度190℃、試験荷重21.2Nで測定した。プロピレン系樹脂組成物のメルトフローレイトは、JIS K 7210に従って、試験温度230℃、試験荷重21.2Nで測定した。
(4)非晶性α−オレフィン系共重合体に含有される各単量体に由来する単量体単位の含有量(単位:モル%)
プロピレン−1−ブテン重合体中の各単量体単位の含有量は、核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、13C NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。具体的には、13C NMRスペクトルのプロピレンに由来する単量体単位に由来するメチル炭素のスペクトル強度と1−ブテンに由来する単量体単位に由来するメチル炭素のスペクトル強度の比からプロピレンに由来する単量体単位と1−ブテンに由来する単量体単位の組成比を算出した。
(5)結晶融解ピークおよび結晶化ピーク
JIS K 7121に従い、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)社製DSC220C:入力補償DSC)によって測定を行った。具体的には、状態調整として、試料重合体を室温から200℃まで30℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した。次に、10℃/分で−50℃まで降温し、−50℃で5分間保持した後、−50℃から200℃まで10℃/分で昇温し、結晶融解ピークおよび結晶化ピークの測定を行った。
(6)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法によって測定した。測定装置としてはWaters社製150C/GPCを用い、測定溶媒としてはo−ジクロロベンゼンを用い、カラムとしては昭和電工(株)社製Sodex Packed ColumnA−80M(2本)を用い、分子量標準物質としては標準ポリスチレン(東ソー(株)社製、分子量68〜8,400,000)を用い、溶出温度140℃、溶出溶媒流速1.0ml/分の条件で、試料重合体約5mgを5mlのo−ジクロロベンゼンに溶解したものを400μl注入し、示差屈折検出器にてポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、両者の比である分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(7)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ粘度計を用いて、135℃のテトラリン溶媒中で測定を行った。非晶性α−オレフィン系共重合体の濃度(c)が、0.6、1.0、1.5mg/mlであるテトラリン溶液を調製し、試料溶液の液面が標線間を流過する時間を3回測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度における比粘度(ηsp)とし、ηsp/cのcをゼロ外挿した値を極限粘度([η])として求めた。
(8)アイゾット衝撃強さ(単位:kJ/m2
ASTM D256に準拠し、厚さ6.4mmの試験片を使用して23℃におけるノッチ付きのアイゾット衝撃強さを測定した。この値が大きいほど、耐衝撃性が高い。
(9)透明性(%)
射出成形によって得られた厚さ2mmの試験片を使用して、ヘイズ値をJIS K 7105に従って測定した。この値が小さいほど、透明性が高い。
(10)曲げ弾性率(単位:MPa)
ASTM D790に準拠し、射出成形によって得られた厚さ6.4mmの試験片を使用して、23℃における曲げ弾性率を測定した。この値が大きいほど、剛性が高い。
実施例1
[非晶性α−オレフィン系共重合体(C)の製造]
攪拌器を備えた100LのSUS製反応器中で、プロピレンおよび1−ブテンを、分子量調節剤として水素を用い、以下の方法で連続的に重合させて、非晶性α−オレフィン系共重合体(C)に相当するプロピレン−1−ブテン共重合体を得た。
反応器の下部から、重合溶媒としてヘキサンを100L/時間の供給速度で、プロピレンを24.00kg/時間の供給速度で、1−ブテンを1.81kg/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
また同様に、重合用触媒として、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間の供給速度で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間の供給速度で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
反応器内部の反応液の容量が常に100Lを維持するように、反応器の上部から反応液を連続的に抜き出した。
重合反応は、反応器の外部に取り付けられたジャケットに冷却水を循環させることによって、45℃で行った。
反応器の上部から連続的に抜き出された反応液に、少量のエタノールを添加して重合反応を停止させた後、未反応の単量体を除去し、次いで、反応液に含まれる重合用触媒の残渣を除去するため水洗浄し、最後に大量の水中でスチームによって重合溶媒を除去することによって、プロピレン−1−ブテン共重合体(以下、重合体(C1)と称する。)を得、これを80℃で1昼夜減圧乾燥した。重合体(C1)のプロピレンに由来する単量体単位の含有量は94.5モル%、1−ブテンに由来する単量体単位の含有量は5.5モル%であった。また、重合体(C1)の[η]は2.3dl/gであり、分子量分布(Mw/Mn)は2.2であり(Mw=420000、Mn=191000)、結晶融解ピークまたは結晶化ピークのいずれも観測されなかった。
[プロピレン系樹脂組成物の作成]
造核剤(D)として、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール(商品名:「ゲルオールMD」、新日本理化(株)製)0.30重量部をあらかじめ含有する、本発明のプロピレン重合体(A)に相当するエチレン−プロピレンランダム共重合体(住友化学(株)製「ノーブレンRR120EG」)を88重量%(これに伴い、造核剤(D)の含有量は0.26重量部となる)、本発明のエチレン重合体(B)に相当するメタロセン触媒で重合されたエチレン−1−ヘキセン共重合体(住友化学(株)製「エクセレンFX CX5016」、MFR=16g/10分、密度=0.895g/cm3)を10重量%、本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体(C)に相当する重合体(C1)を2重量%で配合し、ヘンシェルミキサーで混合後、65mm径の単軸押出機(田辺プラスチックス機械(株)製 V−65−PASC21.A型)を用いて、設定温度200℃で溶融混練してペレットを得た。得られたペレットをエアーオーブン中で80℃、24時間乾燥した。
[プロピレン系樹脂組成物からなる成形体の作成]
上記(8)および(9)の物性評価用の射出成形体である試験片は、次の方法に従って作成した。溶融混練したプロピレン系樹脂組成物を東芝機械製IS100EN射出成形機を用いて、成形温度220℃、金型冷却温度50℃、射出時間15秒、冷却時間30秒で射出成形を行い、試験片を得た。
また、上記(10)の物性評価用の射出成形体である試験片は、次の方法に従って作成した。本発明のプロピレン系樹脂組成物を東芝機械製IS100EN−3A射出成形機を用いて、成形温度220℃、金型冷却温度50℃、射出時間15秒、冷却時間30秒で射出成形を行い、試験片を得た。各測定方法にて得られた物性値を表1に示す。
実施例2
実施例1において、エチレン−プロピレンランダム共重合体(本発明(A))の含有量を88重量%から85重量%に変更し(これに伴い、造核剤(D)の含有量は0.25重量部となる)、重合体(C1)(本発明(C))の含有量をを2重量%から5重量%に変更した以外は、実施例1と同様に行った。得られた物性値を表1に示す。
実施例3
実施例1において、エチレン−プロピレンランダム共重合体(本発明(A))の含有量を88重量%から80重量%に変更し(これに伴い、造核剤(D)の含有量は0.24重量部となる)、重合体(C1)(本発明(C))を2重量%から10重量%に変更した以外は、実施例1と同様に行った。得られた物性値を表1に示す。
比較例1
実施例3において、本発明(B)に相当する成分を、エチレン−1−ヘキセン共重合体(住友化学(株)製「エクセレンFX CX5016」、MFR=16g/10分、密度=0.895g/cm3)10重量%からエチレン−1−ヘキセン共重合体(住友化学(株)製「スミカセンα CS8030」、MFR=2.3g/10分、密度=0.940g/cm3)15重量%に変更し、重合体(C1)(本発明(C))の含有量を0重量%から5重量%に変更した以外は、実施例3と同様に行った。得られた物性値を表2に示す。
比較例2
実施例1において、エチレン−プロピレンランダム共重合体(本発明(A))の含有量を88重量%から100重量%に変更し(これに伴い、造核剤(D)の含有量は0.30重量部となる)、本発明(B)および本発明(C)に相当する成分をいずれも用いなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。得られた物性値を表2に示す。
比較例3
比較例2において、エチレン−プロピレンランダム共重合体(本発明(A))の含有量を100重量%から90重量%に変更し(これに伴い、造核剤(D)の含有量は0.27重量部となる)、エチレン−1−ヘキセン共重合体(住友化学(株)製「エクセレンFX CX5016」、MFR=16g/10分、密度=0.895g/cm3)の含有量を0重量%から10重量%に変更した以外は、比較例2と同様に行った。得られた物性値を表2に示す。
比較例4
比較例2において、エチレン−プロピレンランダム共重合体(本発明(A))の含有量を100重量%から90重量%に変更し(これに伴い、造核剤(D)の含有量は0.27重量部となる)、重合体(C1)(本発明(C))の含有量を0重量%から10重量%に変更した以外は、比較例2と同様に行った。得られた物性値を表2に示す。
比較例5
比較例2において、エチレン−プロピレンランダム共重合体(本発明(A))の含有量を100重量%から90重量%に変更し(これに伴い、造核剤(D)の含有量は0.27重量部となる)、エチレン−1−ヘキセン共重合体(住友化学(株)製「スミカセンα CS8030」、MFR=2.3g/10分、密度=0.940g/cm3)の含有量を0重量%から10重量%に変更した以外は、比較例2と同様に行った。得られた物性値を表2に示す。
Figure 2007246698
Figure 2007246698
本発明の要件を満足する実施例1〜3のプロピレン系樹脂組成物からなる成形体は、耐衝撃性、透明性、剛性に優れた成形体である。





Claims (6)

  1. プロピレン重合体(A)98〜50重量%、エチレンの単独重合体、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン重合体であって、密度が0.89〜0.93g/cm3であるエチレン重合体(B)1〜30重量%、および非晶性α−オレフィン系共重合体(C)1〜20重量%(ただし、(A)、(B)および(C)の合計を100重量%とする)を含有するプロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体。
  2. エチレンの単独重合体、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン重合体(B)が、下記要件(b1)を満たす重合体である請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体。
    (b1):メタロセン重合用触媒の存在下に重合させることにより得られること。
  3. 非晶性α−オレフィン系共重合体(C)が、下記要件(c1)、(c2)および(c3)を満たす共重合体である請求項1または2に記載のプロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体。
    (c1):JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、−50℃から200℃の範囲で測定して得られる、結晶融解熱量が1J/g以上のピーク、および、結晶化熱量が1J/g以上のピークのいずれのピークも観測されないこと。
    (c2):分子量分布が1〜4であること。
    (c3):極限粘度[η]が0.01〜10dl/gであること。
  4. 請求項3に記載の非晶性α−オレフィン系共重合体(C)が、更に下記要件(c4)を満たす共重合体である請求項3に記載のプロピレン樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体。
    (c4):エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンに由来する単量体単位を含有すること。
  5. (A)、(B)および(C)の合計100重量部に対し、造核剤(D)0.01〜3重量部を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物および該組成物からなる成形体。
  6. 請求項4に記載の非晶性α−オレフィン系共重合体(C)が、下記式(1)を満たす共重合体である請求項4または5に記載のプロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体。
    0≦[x/(x+y)]<0.6 (1)
    (ただし、上記式(1)において、xは非晶性α−オレフィン系共重合体中のエチレンに由来する単量体単位の含有量(モル%)を表し、yは非晶性α−オレフィン系共重合体中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、非晶性α−オレフィン系共重合体(C)全体を100モル%とする。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016098338A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 大日精化工業株式会社 ポリオレフィン樹脂組成物及び該組成物によって成形された成形体

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