JP2007245275A - 金属部材の製造方法及び構造部材 - Google Patents

金属部材の製造方法及び構造部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属材料表面のショットピーニング処理を伴う、航空機や自動車等に用いられる構造部材等の金属部材の製造において、ショットピーニング処理の前後で金属材料の表面粗さをほとんど変化させずに疲労特性を向上させる。
【解決手段】 平均粒径が200μm以下の投射材を用いて金属材料表面に対してショットピーニング処理をおこない、前記金属材料表面の、前記投射工程前の表面粗さに対する前記投射工程後の表面粗さの比を、0.8以上1.5以下とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、疲労特性を向上させた金属部材の製造方法及び構造部材に関するものである。
航空機や自動車等に用いられる構造部材等の金属材料の疲労強度を高めるための表面改質方法として、ショットピーニング処理が知られている(非特許文献1参照)。ショットピーニング処理とは、例えば粒径0.8mm前後の無数の粒子(投射材)を圧縮空気と共に噴射して、金属材料表面にたたきつけることにより、金属材料表面の硬度を上げ、一定の深さで圧縮残留応力を持った層を形成する方法である。
また、金属材料の疲労強度を高める他の方法としては、フラップピーニング、コールドワーク等の技術も用いられている。
ティー・ドール(T. Dorr)、他4名、「インフルエンス オブ ショット ピーニング オン ファティーグ パフォーマンス オブ ハイ−ストレングス アルミニウム アンド マグネシウム アロイズ(Influenceof Shot Peening on Fatigue Performance ofHigh-Strength Aluminium- and Magnesium Alloys)」、第7回インターナショナル コンファレンス オン ショットピーニング(The7th International Conference on Shot Peening)、1999年、インスティテュート オブ プレシジョン メカニクス(Instituteof Precision Mechanics)、ワルシャワ、ポーランド、インターネット<URL:http://www.shotpeening.org/ICSP/icsp-7-20.pdf>
しかし、ショットピーニング処理を行うことにより、部材の表面粗さが増加するため、用途に応じた表面粗さの規定を満足できなくなることがあった。また、表面粗さの増加や、投射材により部材表面に生じた傷の影響により、ショットピーニング処理による疲労特性向上分がある程度減少してしまうことが避けられなかった。従って、部材の表面粗さの増加や傷の発生を抑えつつ、ショットピーニング処理により部材の疲労特性を高める方法は見いだされていなかった。
一方、フラップピーニング法では、高い圧縮残留応力が得られず,その結果十分な疲労特性が得られないという問題があった。また、コールドワーク法は後加工が必要であり、工程が複雑となるという問題があった。
また、ショットピーニングを行うことにより、部材の表面層に塑性変形が起こり、曲がり等の変形が発生する問題があった。そのため、曲がり等の変形や前記表面粗さの増加が問題となる部分に、テープやフィルム状の粘着性マスクを用いてマスキングをしてからショットビーニングを行うことにより、これらの問題を防いでいる。しかし、粘着性マスクの貼付や剥がしには多くの工数がかかり、余分のコストがかかっているという問題があった。
また、ショットピーニングを行った際に、部材の角部に粒子があたると、この角部での塑性変形により、部材から飛び出た部分、すなわち「バリ(カエリ)」ができることがあった。このバリは、部材の疲労特性を損なう要因となる可能性があるため、バリの発生を防止する目的で、ショットピーニング処理前の金属部材の角部の面取り、または角丸めをする必要があった。しかし、角部の面取りや角丸めは、通常手作業で行われており、効率が悪かった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、金属材料表面のショットピーニング処理を伴う、航空機や自動車等に用いられる構造部材等の金属部材の製造において、ショットピーニング処理の前後で金属材料の表面粗さをほとんど変化させずに疲労特性を向上させることを目的とする。
また、本発明は、金属材料表面のショットピーニング処理を伴う、航空機や自動車等に用いられる構造部材等の金属部材の製造において、金属材料の変形や表面粗さの増加を低減することにより、金属材料表面のマスキングを不要とし、低コストで金属部材を製造できるようにすることを目的とする。
さらに、本発明は、金属材料表面のショットピーニング処理を伴う、航空機や自動車等に用いられる構造部材等の金属部材の製造において、ショットピーニング処理前の角部の面取りや角丸めを不要とし、工程及びコストを削減することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる金属部材の製造方法は、軽合金または鉄鋼を含む金属材料の表面に、粒子を投射する投射工程(ショットピーニング処理工程)を有し、この製造方法において、前記粒子の平均粒径は200μm以下であり、前記金属材料表面の、前記投射工程前の算術平均粗さに対する前記投射工程後の算術平均粗さの比は、0.8以上1.5以下である。
この方法によれば、金属材料の表面粗さをほとんど変えずに、疲労特性を向上させた金属部材を製造することができる。
なお、以下の説明においては、算術平均粗さRaで表される表面粗さを、単に「表面粗さ」という。また、本発明において「平均粒径」は、頻度分布曲線におけるピークに対する粒径として求められ、最頻度径(最大頻度径)またはモード径ともよばれる。この他にも、平均粒径は以下の方法でも求められる。
(1)ふるい上曲線から求める方法(R=50%に相当する粒径;中位径、メディアン径または50%粒子径といいdp50で表す)。
(2)ロジン−ムラー分布から求める方法。
(3)その他の方法(個数平均径、長さ平均径、面積平均径、体積平均径、平均表面積径、平均体積径等)。
前記投射工程前における前記金属材料の表面粗さは、0.7μm以上65μm以下とすることが好ましい。
前記投射工程前における前記金属材料の表面粗さが0.7μm未満では、前記金属材料表面に関して、前記投射工程前の表面粗さに対する前記投射工程後の表面粗さの比が過大となり、本発明の疲労特性向上効果が十分ではなくなるので好ましくない。
製造される金属部材が十分な疲労強度を有するためには、前記投射工程後における前記金属材料表面の圧縮残留応力の絶対値を150MPa以上とすることが好ましい。
また、本発明の金属部材の製造方法においては、従来のショットピーニング処理において金属材料の表面粗さの増加や変形を防ぐためにその表面に付着させていたマスクを用いずに、金属材料の表面に前記粒子を投射することとしてもよい。
本発明の金属部材の製造方法によれば、前記投射工程の前後において前記金属材料の表面粗さがほとんど変化しないことに加え、この金属材料に曲がり等の変形がほとんど生じないので、従来のショットピーニング処理のような粘着マスクによるマスキングが不要となり、粘着性マスクの貼付や剥がしの工程も不要となるので、金属部材の製造工数及び製造コストを大幅に低減することができる。
また、本発明の金属部材の製造方法においては、従来のショットピーニング処理においてバリの発生を防止する目的で前記投射工程前に行われていた、前記金属材料の角部の面取りまたは角丸めのいずれの処理も、行わないこととしてもよい。
本発明の金属部材の製造方法によれば、投射材粒子が金属材料の角部に衝突しても、塑性変形によるバリの発生がないので、投射工程前の角部の面取り及び角丸めが不要となる。従って、金属部材の製造工数及び製造コストを大幅に低減することができる。
また本発明の構造部材は、前記いずれかの製造方法により製造された金属部材を有する。
この構造部材は、優れた疲労特性を有すると共に、曲がり等の変形や過大な表面粗さがない。また、粘着マスクによるマスキングや角部の面取り及び角丸めを行わずに製造できるので、低コストで製造できる。この構造部材は、航空機や自動車等の輸送機器の分野や、材料の疲労特性が要求される他の分野において、好適に用いられる。
本発明によれば、金属材料表面のショットピーニング処理を伴う、航空機や自動車等に用いられる構造部材等の金属部材の製造において、ショットピーニング処理の前後で金属材料の表面粗さをほとんど変化させずに疲労特性を向上させることができる。
また、本発明によれば、金属材料表面のショットピーニング処理を伴う、航空機や自動車等に用いられる構造部材等の金属部材の製造において、金属材料の変形や表面粗さの増加を低減することにより、金属材料表面のマスキングを不要とし、低コストで金属部材を提供することができる。
さらに、本発明によれば、金属材料表面のショットピーニング処理を伴う、航空機や自動車等に用いられる構造部材等の金属部材の製造において、ショットピーニング処理前の角部の面取りや角丸めを不要とし、製造工数及び製造コストを削減することができる。
以下に、本発明の金属部材の製造方法にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明の金属部材の製造方法においては、軽合金材料又は鉄鋼材料が採用される。軽合金としては、アルミニウム合金、チタン合金等が挙げられる。
本発明の金属部材の製造方法において、前記金属材料のショットピーニング処理に用いられる粒子(投射材)は、金属、セラミックス、ガラス等の硬質粒子であり、好ましくはアルミナ、シリカ粒子等のセラミックス粒子である。
従来のショットピーニング処理では、粒径0.8mm前後の投射材が用いられるが、本発明においては、平均粒径200μm以下の投射材が用いられる。投射材の平均粒径は10μm以上200μm以下が好ましく、30μm以上100μm以下が特に好ましい。投射材粒子の平均粒径が200μmより大きいと、粒子の過大な運動エネルギーにより材料表面が損傷を受けるため、十分な疲労寿命の向上効果が得られない。また、投射材粒子の平均粒径が10μmより小さいと投射材のつまり等によって安定した噴射状態を得ることが困難となる。
投射材の噴射速度は、圧縮空気の噴射圧力により規定される。本発明のショットピーニング処理における噴射圧力は0.1MPa以上1MPa以下が好ましく、0.3MPa以上0.6MPa以下がより好ましい。噴射圧力が1MPaより大きいと粒子の過大な運動エネルギーにより材料表面が損傷を受けるため、十分な疲労寿命の向上効果が得られない。また、噴射圧力が0.1MPaより小さいと安定した噴射状態を得ることが困難となる。
投射材粒子の形状は球形が好ましい。投射材粒子が尖っていると、金属部材の表面に傷がつくことがあるからである。
ショットピーニング処理のカバレージは、好ましくは100%以上1000%以下、より好ましくは100%以上500%以下である。カバレージが100%未満では、十分な疲労強度の向上効果が得られない。また、カバレージが1000%を超えると、材料表面の温度上昇により、最表面の圧縮残留応力が減少し、十分な疲労強度の向上効果が得られないので好ましくない。
上記の条件でショットピーニング処理を行った金属部材は、好ましくは以下の表面特性(表面圧縮残留応力及び表面粗さ)を有する。
[表面圧縮残留応力]
本発明によるショットピーニング処理後の金属部材においては、150MPa以上の高い圧縮残留応力が最表面もしくはその近傍に存在する。その結果として、表面が強化され疲労破壊が表面ではなく材料内部で起こるため、疲労寿命が大きく向上する。
[表面粗さ]
本発明によるショットピーニング処理は、その前後で、表面粗さがほとんど変化しないように行われる。ショットピーニング処理前の表面粗さに対するショットピーニング処理後の表面粗さの比は、0.8以上1.5以下が好ましい。この表面粗さの比が1.5を超えると、ショットピーニング処理後の金属部材の表面は粗い面になり、結果的に表面を損傷させ、疲労寿命低下の一因になるので好ましくない。
こうして金属材料に上記条件でショットピーニング処理を施すことにより、本発明の表面処理が施された金属部材が得られる。
次に、実施例および比較例を用いて、本発明による金属部材の製造方法についてさらに詳述する。
(実施例1及び実施例2)
板状のアルミニウム合金材料(7050−T7451;寸法 19mm×76mm×2.4mm)を供試体として用いて、その片面に、平均粒径(最頻度径)50μm以下のアルミナ/シリカセラミックス粒子からなる投射材を用い、噴射圧力0.4MPa、投射時間30秒でショットピーニング処理を行った。
ショットピーニング処理前のアルミニウム合金材料としては、表面粗さの異なるものを2種類用意した。実施例1ではショットピーニング処理前の表面粗さが1.2μmのアルミニウム合金材料を用い、実施例2ではショットピーニング処理前の表面粗さが2.9μmのアルミニウム合金材料を用いた。
ショットピーニング装置としては、重力式微粒子ショット装置(不二製作所製ニューマブラスター型番P−SGF−4ATCM−401)を用いた。
ショットピーニング処理後に、供試体の表面粗さ、圧縮残留応力及び変形量を測定した。
実施例1及び実施例2のショットピーニング処理の条件、ショットピーニング処理前後の供試体の表面粗さ、並びにショットピーニング処理後の圧縮残留応力、表面粗さ、及び変形量を表1に示す。また、実施例1のショットピーニング処理前後の表面形状(プロファイル)を図1(a)及び図1(b)に、実施例2のショットピーニング処理前後の表面形状を図2(a)及び図2(b)に、それぞれ示す。
(比較例1及び比較例2)
投射材を、従来から用いられている平均粒径(最頻度径)250μmのジルコニア粒子に代えた以外は、実施例1及び実施例2とそれぞれ同様にして、比較例1及び比較例2のショットピーニング処理を行った。
比較例1及び比較例2のショットピーニング処理の条件、ショットピーニング処理前後の供試体の表面粗さ、並びにショットピーニング処理後の圧縮残留応力、表面粗さ、変形量、及び疲労寿命を表1に示す。
(比較例3及び比較例4)
投射材を、従来から用いられている平均粒径(最頻度径)500μm〜800μmの鋳鋼粒子に代えた以外は、実施例1及び実施例2とそれぞれ同様にして、比較例3及び比較例4のショットピーニング処理を行った。
比較例3及び比較例4のショットピーニング処理の条件、ショットピーニング処理前後の供試体の表面粗さ、並びにショットピーニング処理後の圧縮残留応力、表面粗さ、変形量、及び疲労寿命を表1に示す。また、比較例3のショットピーニング処理前後の表面形状を図1(c)に、比較例4のショットピーニング処理前後の表面形状を図2(c)に、それぞれ示す。
(実施例3及び実施例4)
供試材を、板状のチタン合金材料(Ti−6Al−4V(アニール材);寸法 19mm×76mm×2.4mm)に代えた以外は、実施例1及び実施例2と同様にして、実施例3及び実施例4のショットピーニング処理を行った。
ショットピーニング処理前のチタン合金材料としては、表面粗さの異なるものを2種類用意した。実施例3ではショットピーニング処理前の表面粗さが1.64μmのチタン合金材料を用い、実施例2ではショットピーニング処理前の表面粗さが3.2μmのチタン合金材料を用いた。
実施例3及び実施例4のショットピーニング処理の条件、ショットピーニング処理前後の供試体の表面粗さ、並びにショットピーニング処理後の圧縮残留応力、表面粗さ、変形量、及び疲労寿命を表1に示す。なお、疲労寿命は、長さ135mm、評点部直径6.35mmの丸棒平滑試験片について、引張−引張疲労試験(応力比R=0.1;最大応力345MPa)を行い評価した。また、実施例3のショットピーニング処理前後の表面形状を図3(a)及び図3(b)に、実施例2のショットピーニング処理前後の表面形状を図4(a)及び図4(b)に、それぞれ示す。
表1及び図1から図4に示した結果から、微粒子投射材を用いた実施例1から実施例4のショットピーニング処理では、従来の投射材を用いた比較例1から比較例4のショットピーニング処理と比べて、ショット前後の表面粗さの変化が少ないことが分かる。従って、実施例1から実施例4のショットピーニング処理では、材料の表面の損傷が少ないと考えられる。また、実施例1及び実施例2のショットピーニング処理では、比較例1から比較例4のショットピーニング処理と比べて、より大きい圧縮残留応力がショットピーニング処理後の材料に認められる。従って、実施例1から実施例4のショットピーニング処理によれば、優れた疲労特性を有する合金部材が得られる。
また、実施例1から実施例4のショットピーニング処理では、比較例3及び比較例4のショットピーニング処理と比べて、供試体の変形量が少ない。従って、実施例1から実施例4のショットピーニング処理を採用すれば、曲がりや表面粗さの増加が不都合となる部位にマスキングを行う必要がなく、マスクの貼付や剥がしのための工程が不要となるので、余分なコストをかけずにショットピーニング処理を行うことが可能となる。
(参考例)
規格上の表面粗さが8マイクロインチ(0.2μm)、63マイクロインチ(1.6μm)、及び125マイクロインチ(3.2μm)のアルミニウム合金材料(7050−T7451)の表面にショットピーニング処理を施したときの投射材の平均粒径(メディア径)(最頻度径)と表面粗さの関係を図5に示す。図5に示すように、平均粒径と表面粗さとの間には線形関係が成立し、平均粒径の増大とともに表面粗さも増大することが分かる。またその傾向は初期の表面粗さが小さいほど、平均粒径の違いによる表面粗さ変化は大きく、平均粒径が通常のショットピーニング処理に使用される投射材粒子の平均粒径(0.8mm前後)に近づくと、初期の表面粗さの影響はほとんどなく、ショットピーニング処理後の表面粗さはいずれの規格のアルミニウム合金材料でも同程度となる。
(実施例5)
チタン合金(Ti−6Al−4V(アニール材))製の有孔平板からなる供試体の穴部に、実施例3と同様のショットピーニング処理を行った。ショットピーニング処理の前に、穴角部の面取りまたは角丸め等の処理は行わなかった。疲労試験後、電子顕微鏡により疲労破面を観察した。図6は、実施例5の供試体の疲労破面の電子顕微鏡写真である。図中、矢印は疲労破壊の起点を表す。
図6の電子顕微鏡写真から、実施例5においては供試体の穴内面から数十μm程度内部に疲労破壊の起点があることが分かる。
なお,上記有効平板を用いて疲労試験(引張−引張疲労試験,応力比R=0.1)を行った結果を表2に示す。穴角部の面取りまたは角丸め等の処理を実施していないにもかかわらず、穴角部の面取りまたは角丸め等の処理を行った通常ショット材(下記比較例5参照)よりも、微粒子ショットにより疲労寿命が大幅に向上していることが分かる。
(比較例5)
チタン合金(Ti−6Al−4V(アニール材))製の有孔平板からなる供試体の穴角部を面取り後、この穴部に、比較例3及び比較例4と同様のショットピーニング処理を行った。疲労試験後、電子顕微鏡により疲労破面を観察した。図7は、比較例5の供試体の疲労破面の電子顕微鏡写真である。図中、矢印は疲労破壊の起点を表す。
図7の電子顕微鏡写真から、比較例5においては穴角部の面取り部分に疲労破壊の起点があることが分かる。
実施例5及び比較例5の対比から、微粒子ショットピーニングでは角面取りをしていないにもかかわらず角部が疲労破壊の起点となっていないことが分かる。同様の結果はアルミ合金製及び鉄鋼製の供試体でも見られた。このことから、本発明のショットピーニング処理をすることで、角部の塑性変形によるバリの発生が防止されるだけでなく、角部を含めた表面全体が強化され、疲労特性が向上したといえる。
また、本発明のショットピーニング処理では塑性変形量が少ないことも活かして、これまでショットピーニングをすることができないためマスキングをしていた精密穴部へもショットピーニングをすることが可能となる。
表面粗さ1.2μmのアルミニウム合金のショットピーニング処理前後の表面形状を表す図であり、(a)はショットピーニング処理前、(b)は実施例1のショットピーニング処理後、(c)は比較例3のショットピーニング処理後の表面形状をそれぞれ表す。 表面粗さ2.9μmのアルミニウム合金のショットピーニング処理前後の表面形状を表す図であり、(a)はショットピーニング処理前、(b)は実施例2のショットピーニング処理後、(c)は比較例4のショットピーニング処理後の表面形状をそれぞれ表す。 表面粗さ1.64μmのチタン合金のショットピーニング処理前後の表面形状を表す図であり、(a)はショットピーニング処理前、(b)は実施例3のショットピーニング処理後の表面形状をそれぞれ表す。 表面粗さ3.2μmのチタン合金のショットピーニング処理前後の表面形状を表す図であり、(a)はショットピーニング処理前、(b)は実施例4のショットピーニング処理後の表面形状をそれぞれ表す。 投射材平均粒径と表面粗さの関係を表すグラフである。 実施例5の供試体の疲労破面の電子顕微鏡写真である。 比較例5の供試体の疲労破面の電子顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. 軽合金または鉄鋼を含む金属材料の表面に、粒子を投射する投射工程を有する金属部材の製造方法であって、
    前記粒子の平均粒径が200μm以下であり、
    前記金属材料表面の、前記投射工程前の算術平均粗さに対する前記投射工程後の算術平均粗さの比が、0.8以上1.5以下である金属部材の製造方法。
  2. 前記投射工程前における前記金属材料表面の算術平均粗さが0.7μm以上65μm以下である、請求項1に記載の金属部材の製造方法。
  3. 前記投射工程後における前記金属材料表面の圧縮残留応力の絶対値が150MPa以上である、請求項1又は2に記載の金属部材の製造方法。
  4. 前記金属材料の表面を覆うマスクを用いずに、該金属材料の表面に前記粒子を投射する請求項1から請求項3のいずれかに記載の金属部材の製造方法。
  5. 前記投射工程前に、前記金属材料の角部の面取りまたは角丸めのいずれも行わない請求項1から請求項4のいずれかに記載の金属部材の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の製造方法により製造された金属部材を有する構造部材。
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