JP2005186241A - 磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】グラインディング加工において砥石が目詰まりし難く、かつ腐食の恐れのない磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材を安価に製造する方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金素材に熱間圧延、冷間圧延、プレス打ち抜き、加圧焼鈍、グラインディング加工をこの順に施す磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法において、前記冷間圧延後からグラインディング加工前までの間にサンドブラスト処理を施す。
【選択図】なし
【解決手段】アルミニウム合金素材に熱間圧延、冷間圧延、プレス打ち抜き、加圧焼鈍、グラインディング加工をこの順に施す磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法において、前記冷間圧延後からグラインディング加工前までの間にサンドブラスト処理を施す。
【選択図】なし
Description
本発明は、グラインディング加工(研削加工)において砥石が目詰まりし難く、かつ表面品質に優れる磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材を安価に製造する方法に関する。
磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材は、例えば、アルミニウム合金鋳塊に熱間圧延、冷間圧延(中間焼鈍を含む)、プレス打ち抜き、加圧焼鈍をこの順に施し、次いでグラインディング加工して製造される。このブランク材は、その後、Ni−Pメッキ処理→表面研磨→メディア加工(記憶媒体を表面に形成する)の各工程を経て磁気ディスクに加工され、ハードディスクドライブに組み込まれる。前記メディア加工はテクスチャー、スパッタリングなどの方法により行われる。
ところで、前記製造方法では、グラインディング加工時に砥石が目詰まりし易く、そのため砥石の交換回数或いはドレッシング回数が増えて生産性が低下するという問題があった。前記目詰まりは、熱間圧延や焼鈍処理などの加熱工程で生成する酸化皮膜が原因と考えられ、そこでグラインディング加工前に酸化皮膜を除去する改善策が提案された。酸化皮膜の除去には、酸またはアルカリによりエッチング(化学洗浄)する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
しかし、前記エッチング法は、エッチング時にアルミニウム合金に分散していた晶出物や析出物が溶解してその跡にエッチピットが形成され、このエッチピットを除去するためグラインディング加工量が増加して材料歩留まりと生産性の低下を招いた。またブランク材表面の微小欠陥にエッチング液が残留し、これが後に腐食の原因になることがあった。さらにエッチング液や廃水処理設備を要するためコスト高であった。
本発明の目的は、グラインディング加工時に砥石が目詰まりし難く、かつ腐食の恐れのない磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材を安価に製造することにある。
本発明の目的は、グラインディング加工時に砥石が目詰まりし難く、かつ腐食の恐れのない磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材を安価に製造することにある。
請求項1記載発明は、アルミニウム合金素材に熱間圧延、冷間圧延、プレス打ち抜き、加圧焼鈍、グラインディング加工をこの順に施す磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法において、前記冷間圧延後からグラインディング加工前までの間にサンドブラスト処理を施すことを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法である。
請求項2記載発明は、前記サンドブラスト処理を、粒径が200μm以下、新モース硬度2.5以上の粒子を衝突させて施すことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法である。
なお、前記粒径とは粒子の最大径を言う。
なお、前記粒径とは粒子の最大径を言う。
請求項3記載発明は、前記サンドブラスト後のブランク材の表面のL値が70以上であることを特徴とする請求項1または2記載の磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法である。
本発明では、グラインディング砥石の目詰まりの原因になる酸化皮膜をサンドブラスト処理により除去するので、エッチングにより除去する従来法と較べて、(1)エッチピットが生じないためグラインディング加工量が少なくなり、材料歩留まりおよび生産性に優れる。(2)エッチング液の残渣による腐食が起きない。(3)エッチング液や廃水処理設備を要さないため製造コストが安いなどの利点が得られる。前記噴射粒子に、粒径が200μm以下、新モース硬度が2.5以上のものを用いると酸化皮膜がより良好に除去できる。またサンドブラスト処理を前記アルミニウム合金板の表面のL値(明度)が70以上になるまで施すと、酸化皮膜が略完全に除去され、グラインディング砥石の目詰まりが大幅に低減する。
本発明は、前記砥石の目詰まりの原因になる酸化皮膜をサンドブラスト処理により除去して、前記従来のエッチング法による弊害を回避した磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法である。
本発明において、前記サンドブラスト処理とは、アルミニウム合金板に、砂、Al2O3、ガラスビーズ、クルミ、コーンなどの粒子を噴射して前記合金板の酸化皮膜を除去する処理である。前記粒子は、粒径が200μm以下、新モース硬度が2.5以上のものが酸化皮膜の除去がより良好に行えて望ましい。前記粒子の噴射圧力は、粒子の硬さ、大きさ、アルミニウム合金板の材質などに応じて、適宜、0.2〜1.0MPaの範囲で選定される。
本発明者等は、前記サンドブラスト処理を、前記アルミニウム合金板の表面のL値が70以上になるまで行うと、酸化皮膜が略完全に除去され、グラインディング砥石の目詰まりが大幅に改善されることを実験により確認した。
前記L値とは、国際照明委員会(CIE)が定めた、明度(Lightness)を表す数値であり、L=0が最も暗い(黒色)状態を表し、L=100が最も明るい(白色)状態を表す。
前記L値は〔L=10Y1/2〕の式で示される。
前記YはJIS Z 8701により求められる。
前記L値は〔L=10Y1/2〕の式で示される。
前記YはJIS Z 8701により求められる。
本発明において、アルミニウム合金には、主に、Al−Mg系合金(JIS5000系合金)が使用される。冷間圧延板は、DC法などにより鋳造されるアルミニウム合金鋳塊に、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延(中間焼鈍含む)をこの順に施す常法により製造される。前記ドーナツ状板は前記冷間圧延板をプレス打抜きして製造される。
本発明において、サンドブラスト処理は、前記冷間圧延後からグラインディング加工前までの任意の工程間で施すことができる。
前記サンドブラスト処理を冷間圧延後から加圧焼鈍前までの間に行う場合は、冷間圧延や打ち抜き加工に連続して行えるので生産性に優れる。また加圧焼鈍後に行う場合は加圧焼鈍時に生成する薄い酸化皮膜も除去できるので目詰まりがより起き難くなる。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
前記サンドブラスト処理を冷間圧延後から加圧焼鈍前までの間に行う場合は、冷間圧延や打ち抜き加工に連続して行えるので生産性に優れる。また加圧焼鈍後に行う場合は加圧焼鈍時に生成する薄い酸化皮膜も除去できるので目詰まりがより起き難くなる。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
Al−Mg系合金(古河電気工業(株)製のFP−3)をDC法により溶解鋳造して鋳塊とし、これに面削、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延(中間焼鈍)をこの順に施し、次いで最終冷間圧延とサンドブラスト処理をこの順に連続して施し、次いでこのアルミニウム合金板からドーナツ状板をプレス打抜きし、このドーナツ状板の内外端面を面取り加工したのち、これらを複数枚積層し、この積層体を治具により締め付けて加圧焼鈍し、次いでこのドーナツ状板の両面をグラインディング加工して所定厚さ範囲のブランク材を製造した。
前記サンドブラストは、不二製作所社製の噴射機を用いて行った。噴射粒子(研削材)には、ガラスビーズなどの硬さおよび粒径が異なる種々の粒子を用いた。噴射機の噴射ノズルは内径6.0mmのものを用い、噴射圧力は0.5MPaまたは0.25MPaとし、噴射時間は一定とした。
またグラインディング加工は、システム精工社製の11.5B研削機を用い、砥石には日本特殊研砥社製の4000番PVA砥石を用いて行った。
またグラインディング加工は、システム精工社製の11.5B研削機を用い、砥石には日本特殊研砥社製の4000番PVA砥石を用いて行った。
得られた各々のブランク材について、グラインディング加工前の表面L値、研削速度(グラインディング加工速度)、および高温多湿環境下に1週間放置後の腐食発生有無を調べた。前記表面L値はスガ試験機社製の光電色彩計を用いて測定した。
研削速度が大きいほど規定の厚さまで研磨する所要時間が短くなるため、砥石の目詰まりが少なくなり、ドレッシングを要するまでの間隔が長くなる。従って研削速度が大きいほどサンドブラストによる効果が大きいといえる。
研削速度が大きいほど規定の厚さまで研磨する所要時間が短くなるため、砥石の目詰まりが少なくなり、ドレッシングを要するまでの間隔が長くなる。従って研削速度が大きいほどサンドブラストによる効果が大きいといえる。
サンドブラスト処理を加圧焼鈍後に施した他は、実施例1と同じ方法によりブランク材を製造した。得られた各々のブランク材について実施例1と同じ調査を行った。
比較例1として、酸化皮膜をエッチングにより除去した他は、実施例1と同じ方法によりブランク材を製造した。前記エッチングは加圧焼鈍後に行った。
エッチング後のブランク材についてエッチピットの深さを測定し、グラインディング加工は前記エッチピットが無くなるまで行った。得られたブランク材について実施例1と同じ調査を行った。
比較例2として、酸化皮膜を除去しなかった他は、実施例1と同じ方法によりブランク材を製造した。得られたブランク材について実施例1と同じ調査を行った。
結果を表1に示す。比較例1についてはエッチピット深さを併記した。
結果を表1に示す。比較例1についてはエッチピット深さを併記した。
表1から明らかなように、本発明のNo.1〜12はいずれも研削速度が大きかった。即ち、砥石の目詰まりが起き難かった。中でも表面L値が70以上のものは特に研削速度が大きかった。これは酸化皮膜が略完全に除去されたためである。またサンドブラスト処理条件が同じ場合、加圧焼鈍後にサンドブラスト処理したもの(実施例2)は、加圧焼鈍前にサンドブラスト処理したもの(実施例1)より研削速度が若干大きかった。これは、前者(実施例2)は加圧焼鈍時の酸化皮膜も除去できたためである。
一方、酸化皮膜を除去しなかったNo.13は研削速度が極めて小さかった。酸化皮膜をエッチングにより除去したNo.14はエッチピットが生じた。また1週間放置後に腐食が生じた。またエッチピットを除去するためグラインディング加工量が増加した。
Claims (3)
- アルミニウム合金素材に熱間圧延、冷間圧延、プレス打ち抜き、加圧焼鈍、グラインディング加工をこの順に施す磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法において、前記冷間圧延後からグラインディング加工前までの間にサンドブラスト処理を施すことを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法。
- 前記サンドブラスト処理を、粒径が200μm以下、新モース硬度2.5以上の粒子を衝突させて施すことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法。
- 前記サンドブラスト後のブランク材の表面のL値(明度)が70以上であることを特徴とする請求項1または2記載の磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法。
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JP2003433458A JP2005186241A (ja) | 2003-12-26 | 2003-12-26 | 磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法 |
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JP2003433458A Pending JP2005186241A (ja) | 2003-12-26 | 2003-12-26 | 磁気ディスク用アルミニウム合金製ブランク材の製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007245275A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-09-27 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 金属部材の製造方法及び構造部材 |
CN102626904A (zh) * | 2011-05-09 | 2012-08-08 | 北京市电加工研究所 | 超硬材料砂轮喷砂修锐方法及装置 |
CN111069855A (zh) * | 2019-12-27 | 2020-04-28 | 秦皇岛艾科晟科技有限公司 | 一种轮毂表面处理工艺 |
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2003
- 2003-12-26 JP JP2003433458A patent/JP2005186241A/ja active Pending
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CN102626904B (zh) * | 2011-05-09 | 2014-11-26 | 北京市电加工研究所 | 超硬材料砂轮喷砂修锐方法及装置 |
CN111069855A (zh) * | 2019-12-27 | 2020-04-28 | 秦皇岛艾科晟科技有限公司 | 一种轮毂表面处理工艺 |
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