JP2007245234A - 圧縮機の摺動部品の製造方法および圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮機の摺動部品の製造方法は、摺動部品基体製造工程、樹脂コーティング工程、および機械加工工程を備える。摺動部品基体製造工程では、片状黒鉛鋳鉄よりも引張強度および引張弾性率の少なくとも一方が高い鉄製の摺動部品基体25が、所定の型を用いて製造される。樹脂コーティング工程では、摺動部品基体に対して機械加工が施されることなく摺動部品基体上に部分的に又は全体的に樹脂コーティング層25aが設けられる。機械加工工程では、樹脂コーティング層のみが機械加工されて完成摺動部品17,23,24,26,39,60が得られる。
【選択図】図4
Description
(1)ケーシング
ケーシング10は、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とを有する。そして、このケーシング10には、主に、ガス冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構15と、スクロール圧縮機構15の下方に配置される駆動モータ16とが収容されている。このスクロール圧縮機構15と駆動モータ16とは、ケーシング10内を上下方向に延びるように配置される駆動軸17によって連結されている。そして、この結果、スクロール圧縮機構15と駆動モータ16との間には、間隙空間18が生じる。
スクロール圧縮機構15は、図1に示されるように、主に、ハウジング23と、ハウジング23の上方に密着して配置される固定スクロール24と、固定スクロール24に噛合する可動スクロール26とから構成されている。以下、このスクロール圧縮機構15の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
ハウジング23は、その外周面において周方向の全体に亘って胴部ケーシング部11に圧入固定されている。つまり、胴部ケーシング部11とハウジング23とは全周に亘って気密状に密着されている。このため、ケーシング10の内部は、ハウジング23下方の高圧空間28とハウジング23上方の低圧空間29とに区画されていることになる。また、このハウジング23には、上端面が固定スクロール24の下端面と密着するように、固定スクロール24がボルト38により締結固定されている。また、このハウジング23には、上面中央に凹設されたハウジング凹部31と、下面中央から下方に延設された軸受部32とが形成されている。そして、この軸受部32には、上下方向に貫通する軸受孔33が形成されており、この軸受孔33に駆動軸17が軸受34を介して回転自在に嵌入されている。
固定スクロール24は、主に、鏡板24aと、鏡板24aの下面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ24bとから構成されている。なお、本実施の形態において、ラップ24bの角部および隅部は、可動スクロールのラップ26bの角部および隅部にフィットするR形状とされている。また、このラップ24bを設計中心を含む面で切った場合、ラップ24bの形状は、底辺と斜辺とがなす角度が1°である台形となっている。鏡板24aには、圧縮室40(後述)に連通する吐出通路41と、吐出通路41に連通する拡大凹部42とが形成されている。吐出通路41は、鏡板24aの中央部分において上下方向に延びるように形成されている。拡大凹部42は、鏡板24aの上面に凹設された水平方向に広がる凹部により構成されている。そして、固定スクロール24の上面には、この拡大凹部42を塞ぐように蓋体44がボルト44aにより締結固定されている。そして、拡大凹部42に蓋体44が覆い被せられることによりスクロール圧縮機構15の運転音を消音させる膨張室からなるマフラー空間45が形成されている。固定スクロール24と蓋体44とは、図示しないパッキンを介して密着させることによりシールされている。
可動スクロール26は、主に、鏡板26aと、鏡板26aの上面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ26bと、鏡板26aの下面に形成された軸受部26cと、鏡板26aの両端部に形成される溝部26d(図3参照)とから構成されている。なお、本実施の形態において、ラップ26bの角部26eおよび隅部26fは、固定スクロールのラップ24bの角部および隅部にフィットするR形状とされている(図4参照)。また、このラップ26bを設計中心を含む面で切った場合、ラップ26bの形状は、底辺と斜辺とがなす角度が1°である台形となっている(図4参照)。そして、この可動スクロール26は、溝部にオルダムリング39(後述)が嵌め込まれることによりハウジング23に支持される。また、軸受部26cには駆動軸17の上端が嵌入される。可動スクロール26は、このようにスクロール圧縮機構15に組み込まれることによって駆動軸17の回転により自転することなくハウジング23内を公転する。そして、可動スクロール26のラップ26bは固定スクロール24のラップ24bに噛合させられており、両ラップ24b,26bの接触部の間には圧縮室40が形成されている。そして、この圧縮室40では、可動スクロール26の公転に伴い、両ラップ24b,26b間の容積が中心に向かって収縮する。本実施形態に係る高低圧ドーム型圧縮機1では、このようにしてガス冷媒を圧縮するようになっている。
また、このスクロール圧縮機構15には、固定スクロール24とハウジング23とに亘り、連絡通路46が形成されている。この連絡通路46は、固定スクロール24に切欠形成されたスクロール側通路47と、ハウジング23に切欠形成されたハウジング側通路48とが連通するように形成されている。そして、連絡通路46の上端、即ちスクロール側通路47の上端は拡大凹部42に開口し、連絡通路46の下端、即ちハウジング側通路48の下端はハウジング23の下端面に開口している。つまり、このハウジング側通路48の下端開口により、連絡通路46の冷媒を間隙空間18に流出させる吐出口49が構成されていることになる。
オルダムリング39は、上述したように、可動スクロールの自転運動を防止するための部材であって、ハウジング23に形成されるオルダム溝(図示せず)に嵌め込まれている。なお、このオルダム溝は、長円形状の溝であって、ハウジング23において互いに対向する位置に配設されている。
駆動モータ16は、本実施の形態において直流モータであって、主に、ケーシング10の内壁面に固定された環状のステータ51と、ステータ51の内側に僅かな隙間(エアギャップ通路)をもって回転自在に収容されたロータ52とから構成されている。そして、この駆動モータ16は、ステータ51の上側に形成されているコイルエンド53の上端がハウジング23の軸受部32の下端とほぼ同じ高さ位置になるように配置されている。
下部主軸受60は、駆動モータ16の下方の下部空間に配設されている。この下部主軸受60は、胴部ケーシング部11に固定されるとともに駆動軸17の下端側軸受を構成し、駆動軸17を支持している。
吸入管19は、冷媒回路の冷媒をスクロール圧縮機構15に導くためのものであって、ケーシング10の上壁部12に気密状に嵌入されている。吸入管19は、低圧空間29を上下方向に貫通すると共に、内端部が固定スクロール24に嵌入されている。
吐出管20は、ケーシング10内の冷媒をケーシング10外に吐出させるためのものであって、ケーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に嵌入されている。そして、この吐出管20は、上下方向に延びる円筒形状に形成されハウジング23の下端部に固定される内端部36を有している。なお、吐出管20の内端開口、即ち流入口は、下方に向かって開口されている。
本実施の形態に係る高低圧ドーム型圧縮機1において、駆動軸17、ハウジング23、固定スクロール24、可動スクロール26、オルダムリング39、および下部主軸受60は摺動部品であり、本実施の形態では、ハウジング23、固定スクロール24、可動スクロール26、および下部主軸受60の摺動部品が下記製造方法により製造される。
a)鉄素材
本実施の形態に係る鉄素材としては、C:2.3〜2.4wt%、Si:1.95〜2.05wt%、Mn:0.6〜0.7wt%、P:<0.035wt%、S:<0.04wt%、Cr:0.00〜0.50wt%、Ni:0.50〜1.00wt%が添加されているビレットが採用される。なお、ここにいう重量割合は全量に対する割合である。また、ここに「ビレット」とは、一端、上記成分の鉄素材が溶融炉において溶融された後に、連続鋳造装置により円柱形状等に成形された最終成形前の素材を意味する。なお、ここで、CおよびSiの含有量は、引張強度および引張弾性率が片状黒鉛鋳鉄より高くなること、および複雑な形状の摺動部品基体を成形するのに適切な流動性を備えていることの両方を満足するように決定される。また、Niの含有量は、金属組織の靭性を向上させて成型時の表面クラックを防止するのに適切な金属組成を構成するように決定されている。
本実施の形態に係る樹脂コーティング液としては、ポリアミドイミド樹脂溶液にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂の粉末が混合されているPAI/PTFEコーティング液が採用される。
本実施の形態に係る摺動部品は、チクソキャスティング工程、表面処理工程、樹脂コーティング工程、および最終仕上げ工程を経て製造される。以下、各工程について詳述する。
チクソキャスティング工程では、先ず、ビレットを高周波加熱することにより半溶融状態とする。次いで、その半溶融状態のビレットを所定の金型に注入する際に、ダイキャストマシンで所定圧力を加えながらビレットを所望の形状に成形し摺動部品基体を得る。そして、摺動部品基体を金型から取り出して急冷させると、その摺動部品基体の金属組織は、全体的に白銑化したものとなる。その後、この摺動部品基体を熱処理すると、この摺動部品基体の金属組織は、白銑化組織からパーライト/フェライト基地、粒状黒鉛から成る金属組織へと変化する。なお、この白銑化組織の黒鉛化、パーライト化については熱処理温度、保持時間、冷却速度などを調節することにより調節することができる。例えば、Honda R&D Technical Review の Vol.14 No.1 の論文「鉄の半溶融成形技術の研究」にあるように、950℃で60分保持した後に0.05〜0.10℃/secの冷却速度で炉中にて徐冷することにより、500MPa〜700MPa程度の引張強度、150〜200程度のブリネル硬度を有する金属組織を得ることができる。このような金属組織はフェライト中心であるために軟らかく被削性に優れるが、機械加工時に構成刃先を形成して刃具寿命を低下させる可能性がある。また、1000℃で60分保持した後に空冷し、さらに最初の温度より少し低い温度で所定時間保持した後に空冷することにより、600MPa〜900MPa程度の引張強度、200〜250程度のブリネル硬度を有する金属組織を得ることができる。このような金属組織において、片状黒鉛鋳鉄と同等の硬度を有するものは、片状黒鉛鋳鉄と同等の被削性を有し、同等の延性・靭性を有する球状黒鉛鋳鉄と比較すると被削性に優れている。また、1000℃で60分保持した後に油冷し、さらに最初の温度より少し低い温度で所定時間保持した後に空冷することにより、800MPa〜1300MPa程度の引張強度、250〜350程度のブリネル硬度を有する金属組織を得ることができる。このような金属組織はパーライト中心であるために硬く、被削性に劣るが、耐摩耗性に優れている。ただし、硬すぎることによる摺動相手材への攻撃性を有する可能性がある。
表面処理工程では、リン酸亜鉛パーカ処理により摺動部品基体の表面が粗面化される。なお、本実施の形態において、目標表面粗度(Rz)は5〜50μmとされている。
樹脂コーティング工程では、摺動部品基体が設計中心を中心として回転されながら摺動部品基体上にスプレー塗装法によりPAI/PTFEコーティング液が塗布される。なお、このとき、溶剤の除去を行う目的で摺動部品基体を90℃程度で加熱しながら塗装を行い、その後90℃程度での予備乾燥を30分程度行う。1回の塗装で塗布可能な膜厚は、数十μm程度なので、必要な膜厚に応じてこの工程を複数回繰返すことで、摺動部品基体上に多層被膜が形成される。所望の膜厚になったところで、最後に200℃程度の温度で焼成し必要な硬度を確保する。なお、焼成中に、樹脂内に残留した溶剤が発泡して塗装膜が破壊されたり、多層膜の膜間密着度が低下して摩耗やはがれが発生したりすることがある。これらの不具合を防ぐために、摺動部品基体の加熱温度や、予備乾燥時の温度および時間を調整する必要がある。基本的には、温度を上げすぎると層間密着度が悪化するが、下げすぎると発泡が発生する。予備乾燥時間については、短すぎると溶剤が抜け切らずに発泡し、長すぎると溶剤が抜けすぎて膜間の密着度が悪化する。なお、この多層被膜の表面硬度はナノインデンテーション法によって測定され、本実施の形態では、0.1GPa以上のものが合格品とされる。焼成条件は、具体的には段階的なものが好ましく、例えば、120℃x40分→150℃x40分→220℃x40分→280℃x40分の条件が好ましい。
最終仕上げ工程では、摺動部品基体上に形成された多層被膜が機械加工されて摺動部品の完成となる。
ここでは、可動スクロール26および固定スクロール24を例にとって最終的な摺動部品の概要について説明する。
駆動モータ16が駆動されると、駆動軸17が回転し、可動スクロールが自転することなく公転運転を行う。すると、低圧のガス冷媒が、吸入管19を通って圧縮室40の周縁側から圧縮室40に吸引され、圧縮室40の容積変化に伴って圧縮され、高圧のガス冷媒となる。そして、この高圧のガス冷媒は、圧縮室40の中央部から吐出通路41を通ってマフラー空間45へ吐出され、その後、連絡通路46、スクロール側通路47、ハウジング側通路48、吐出口49を通って間隙空間18へ流出し、案内板58と胴部ケーシング部11の内面との間を下側に向かって流れる。そして、このガス冷媒は、案内板58と胴部ケーシング部11の内面との間を下側に向かって流れる際に、一部が分流して案内板58と駆動モータ16との間を円周方向に流れる。なお、このとき、ガス冷媒に混入している潤滑油が分離される。一方、分流したガス冷媒の他部は、モータ冷却通路55を下側に向かって流れ、モータ下部空間にまで流れた後、反転してステータ51とロータ52との間のエアギャップ通路、または連絡通路46に対向する側(図1における左側)のモータ冷却通路55を上方に向かって流れる。その後、案内板58を通過したガス冷媒と、エアギャップ通路又はモータ冷却通路55を流れてきたガス冷媒とは、間隙空間18で合流して吐出管20の内端部36から吐出管20に流入し、ケーシング10外に吐出される。そして、ケーシング10外に吐出されたガス冷媒は、冷媒回路を循環した後、再度吸入管19を通ってスクロール圧縮機構15に吸入されて圧縮される。
(1)
本実施の形態では、ハウジング23、固定スクロール24、可動スクロール26、および下部主軸受60の摺動部品が、チクソキャスティング工程、表面処理工程、樹脂コーティング工程、および最終仕上げ工程を経て製造される。このため、この本実施の形態に係る摺動部品の製造方法では、チクソキャスティング法により製造した高硬度の摺動部品基体を超精密仕上げ加工するよりも短時間で仕上げ加工を行うことできる。したがって、この摺動部品の製造方法を採用すれば、機械加工費を低減することができる。また、この摺動部品の製造方法では、チクソキャスティング法により製造した高硬度の摺動部品基体を機械加工するのではなくそれよりも硬度が小さい樹脂を機械加工することになる。このため、この摺動部品の製造方法を採用すれば、工具消耗品代を低減することができる。この結果、この摺動部品の製造方法を採用すれば、「圧縮機の摺動部品基体をチクソキャスティング法により製造し、その摺動部品基体を超精密仕上げ加工して最終的な摺動部品を得る」という圧縮機の摺動部品の製造方法よりも低コストで圧縮機の摺動部品を製造することができる。また、この摺動部品の製造方法では、チクソキャスティング法により製造した高硬度の摺動部品基体を仕上げ加工するのではなく硬度が低い樹脂部分のみを仕上げ加工する。このため、摺動部品の製造方法を採用すれば、仕上げ加工精度を向上させることができる。
本実施の形態に係る高低圧ドーム型圧縮機1では、固定スクロール24および可動スクロール26が、チクソキャスティング工程、表面処理工程、樹脂コーティング工程、および最終仕上げ工程を経て製造される。また、摺動部品基体の強度は引張強度が600MPa以上とされている。このため、本実施の形態では、固定スクロール24や可動スクロール26の歯厚を薄くして渦巻径を小さくすることができる。したがって、本実施の形態では、可動スクロール26の軸方向に作用するガス圧縮荷重を小さくすることができる。この結果、本実施の形態では、スラスト軸受損失を有効に低減することができる。また、本実施の形態では、同じ外径サイズを維持したままで可動スクロール26および固定スクロール24の歯高を高くして吸込み容積を増大させることができる。このため、本実施の形態では、圧縮機1の大容量化を実現することができる。
本実施の形態に係る摺動部品の製造方法では、表面処理工程で、摺動部品基体の表面粗度(Rz)が5〜50μmとなるように摺動部品基体が化成処理される。このため、この圧縮機の摺動部品の製造方法では、十分なアンカー効果を得ることができるとともに樹脂の使用量を適正に保つことができる。
本実施の形態に係る摺動部品の製造方法では、樹脂コーティング工程で、摺動部品基体が設計中心を中心として回転されながら摺動部品基体上にスプレー塗装法によりPAI/PTFEコーティング液が塗布される。このため、この摺動部品の製造方法では、摺動部品基体上に容易に樹脂コーティング層25aを設けることができる。
本実施の形態に係る摺動部品の製造方法では、樹脂コーティング層25aの形成にポリアミドイミド樹脂およびポリテトラフルオロエチレン樹脂が使用される。このため、本実施の形態に係る高低圧ドーム型圧縮機1では、摺動部品が高温下に曝される場合であっても摺動部品の信頼性を維持することができると同時に、摺動部材に良好な摺動性が付与される。
本実施の形態に係る摺動部品の製造方法では、樹脂コーティング工程において、表面硬度が、ナノインデンテーション法によって測定され、0.1GPa以上のものが合格品とされる。このため、本実施の形態では、最終仕上げ工程に行われる樹脂コーティング層25aの機械加工を容易することができるとともに仕上げ精度をも向上させることができる。
本実施の形態に係る可動スクロール26の溝部26dには、樹脂コーティング層25aが設けられる。このため、この溝部26dとオルダムリング39との摺動性が向上する。
本実施の形態に係る可動スクロール26の軸受部26cには、樹脂コーティング層25aが設けられる。このため、この軸受部26cと駆動軸17との摺動性が向上する。
本実施の形態では、可動スクロール基体25のうち可動スクロール26のラップ26bに相当する部分を設計中心を含む面で切った場合、可動スクロール26のラップ26bと同様に、ラップ26bの形状は、底辺と斜辺とがなす角度が1°である台形となっている。このため、このチクソキャスティング工程では、金型から可動スクロール基体25を抜きやすくなっている。したがって、本実施の形態では、可動スクロール基体25の金型の寿命を長くすることができる。
本実施の形態では、可動スクロール基体25のうち可動スクロール26のラップ26bに相当する部分の角部25bおよび隅部25cがR形状とされている。このため、このチクソキャスティング工程では、金型から可動スクロール基体25を抜きやすくなっている。したがって、本実施の形態では、可動スクロール基体25の金型の寿命を長くすることができる。また、この可動スクロール基体25では、そのRの半径が0.5mmとされている。このため、可動スクロール26の先端部には、肉厚方向に2.2mmの平坦部が確保されることになり、固定スクロール24のスラスト面とのシール性を有効に確保することができ、ガス漏れを有効に防止することができる。
本実施の形態では、固定スクロール基体のうち固定スクロール24のラップ24bに相当する部分の角部および隅部がR形状とされている。このため、このチクソキャスティング工程では、金型から固定スクロール基体を抜きやすくなっている。したがって、本実施の形態では、固定スクロール基体の金型の寿命を長くすることができる。また、この固定スクロール基体では、そのRの半径が0.5mmとされている。このため、固定スクロール24の先端部には、肉厚方向に2.2mmの平坦部が確保されることになり、可動スクロール26のスラスト面とのシール性を有効に確保することができ、ガス漏れを有効に防止することができる。
本実施の形態では、可動スクロール基体25のうち可動スクロール26の鏡板26aに相当する部分の厚みおよび固定スクロール基体のうち固定スクロール24の鏡板24aに相当する部分の厚みが8mmとされている。このため、可動スクロール基体25および固定スクロール基体では、鏡板24a,26aに凝固収縮によるピンホールが生じるのを有効に防止することができる。
本実施の形態では、可動スクロール基体25および固定スクロール基体において、鏡板24a,26aに相当する部分の厚みに対するラップ24b,26bに相当する部分の肉厚の比が0.4とされている。このため、可動スクロール基体25および固定スクロール基体のチクソキャスティング工程において空気の巻き込みを有効に防止することができる。
本実施の形態では、鏡板26aに相当する部分の厚みに対する軸受部26cに相当する部分の肉厚の比が0.5とされている。このため、可動スクロール基体25のチクソキャスティング工程において空気の巻き込みを有効に防止することができる。
(A)
先の実施の形態では密閉型の高低圧ドーム型圧縮機1が採用されたが、圧縮機は、高圧ドーム型の圧縮機であっても低圧ドーム型の圧縮機であってもよい。また、半密閉形や開放型の圧縮機であってもよい。
先の実施の形態に係る圧縮機1ではスクロール圧縮機構15が採用されたが、圧縮機構は、ロータリー圧縮機構や、レシプロ圧縮機構、スクリュー圧縮機構などであってもよい。また、スクロール圧縮機構15は、両歯や共回りタイプのスクロールであってもよい。
先の実施の形態では摺動部品基体がチクソキャスティング法により製造されたが、摺動部品基体は、パーライト可鍛鋳鉄から成っていてもよい。
先の実施の形態では摺動部品基体がチクソキャスティング法により製造されたが、摺動部品基体は、レオキャスティング法(半凝固成形法)によって製造されてもよい。
先の実施の形態では摺動部品基体がチクソキャスティング法により製造されたが、摺動部品基体は、球状黒鉛鋳鉄から成っていてもよい。
先の実施の形態では摺動部品基体がチクソキャスティング法により製造されたが、摺動部品基体は、球状炭化バナジウム鋳鉄などの球状炭化物鋳鉄から成っていてもよい。ただし、球状炭化バナジウム鋳鉄は、片状黒鉛鋳鉄に比べて被削性に劣る。したがって、このように摺動部品基体を球状炭化バナジウム鋳鉄とする場合、湯口部や湯溜り部等を除去する以外は摺動部品基体全面に樹脂コーティングを施して摺動部品基体の機械加工部位を一切なくすようにするのが好ましい。
先の実施の形態では摺動部品基体がチクソキャスティング法により製造されたが、摺動部品基体は、ロストワックス法により製造されてもよい。
先の実施の形態では摺動部品基体の表面がリン酸亜鉛パーカ処理により粗面化されたが、摺動部品基体の表面は、ブラスト処理により粗面化されてもよい。
先の実施の形態では、スプレー塗装法により摺動部品基体上に樹脂コーティング層25aが形成されたが、射出成形法により摺動部品基体上に樹脂コーティング層25aが設けられてもよい。
先の実施の形態では、スプレー塗装法により摺動部品基体上に樹脂コーティング層25aが形成されたが、ディスペンサー塗装やロールコート法により摺動部品基体上に樹脂コーティング層25aが設けられてもよい。
先の実施の形態では、コーティング樹脂として、ポリアミドイミド樹脂およびポリテトラフルオロエチレンが採用されたが、これに代えて、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、強化ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマー、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、およびエポキシ樹脂などが採用されてもかまわない。なお、これらは単独で採用されてもよいしブレンド物の一成分として採用されてもよい。
先の実施の形態では、コーティング樹脂中のフッ素樹脂として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂が採用されたが、これに代えて、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などが採用されてもかまわない。なお、これらは単独で採用されてもよいしブレンド物の一成分として採用されてもよい。
先の実施の形態ではハウジング23および下部主軸受60の全部に樹脂コーティング層25aが設けられたが、ハウジング23の軸受孔33の孔壁および下部主軸受60の下部軸受部62の壁のみに樹脂コーティング層25aが設けられるようにしてもかまわない。
先の実施の形態では固定スクロール24および可動スクロール24の両方に樹脂コーティング層25aが設けられたが、いずれか一方のみに樹脂コーティング層25aが付与されてもよい。
先の実施の形態では可動スクロール26の全部に樹脂コーティング層25aが設けられたが、樹脂コーティング層25aは、可動スクロール基体25の鏡板26aに相当する部分のラップ形成面と可動スクロール基体25のラップ26bに相当する部分とにのみ設けられてもよい。なお、かかる場合、可動スクロール基体25は可動スクロール26と相似形の関係になく、鏡板26aに相当する部分の軸受部形成側、軸受部26cに相当する部分、溝部26dに相当する部分等は最終仕上げ形状にほぼ近い形状に成形される。また、かかる場合、軸受部26cや溝部26dには機械加工が施される。また、かかる場合、駆動軸17の上部に樹脂コーティング層25aを設けるのが望ましい。
先の実施の形態では可動スクロール26の全部に樹脂コーティング層25aが設けられたが、樹脂コーティング層25aは、可動スクロール26のラップ26bに相当する部分の側面にのみ設けられてもよい。なお、かかる場合、可動スクロール基体25は可動スクロール26と相似形の関係になく、鏡板26aに相当する部分、軸受部26cに相当する部分、溝部26dに相当する部分等は最終仕上げ形状にほぼ近い形状に成形される。また、かかる場合、軸受部26cや溝部26dには機械加工が施される。また、かかる場合、駆動軸17の上部に樹脂コーティング層25aを設けるのが望ましい。
先の実施の形態では固定スクロール24の全部に樹脂コーティング層25aが設けられたが、樹脂コーティング層25aは、固定スクロール24の鏡板24aのラップ24b形成面とラップ24bとにのみ設けられてもよい。
先の実施の形態では固定スクロール24の全部に樹脂コーティング層25aが設けられたが、樹脂コーティング層25aは、固定スクロール24のラップ24bの側面にのみ設けられてもよい。
先の実施の形態ではハウジング23、固定スクロール24、可動スクロール26、および下部主軸受60の摺動部品がチクソキャスティング工程、表面処理工程、樹脂コーティング工程、および最終仕上げ工程を経て製造されたが、駆動軸17やオルダムリング39などを同様の工程を経て製造してもよい。
先の実施の形態に係る可動スクロール26ではラップ26bを設計中心を含む面で切った場合、ラップ26bの形状が底辺と斜辺とがなす角度が1°である台形となっていたが、その形状は、底辺と斜辺とがなす角度が0.5〜2°である台形となっていてもよい。
先の実施の形態に係る固定スクロール24ではラップ24bを設計中心を含む面で切った場合、ラップ24bの形状が底辺と斜辺とがなす角度が1°である台形となっていたが、その形状は、底辺と斜辺とがなす角度が0.5〜2°である台形となっていてもよい。
先の実施の形態ではハウジング23、固定スクロール24、可動スクロール26、および下部主軸受60の摺動部品がチクソキャスティング工程、表面処理工程、樹脂コーティング工程、および最終仕上げ工程を経て製造されたが、駆動軸17、ハウジング23、固定スクロール24、可動スクロール26、オルダムリング39、および下部主軸受60のうち少なくとも1つが同工程を経て製造されてもよい。
先の実施の形態では鉄素材としてC:2.3〜2.4wt%、Si:1.95〜2.05wt%、Mn:0.6〜0.7wt%、P:<0.035wt%、S:<0.04wt%、Cr:0.00〜0.50wt%、Ni:0.50〜1.00wt%が添加されているビレットが採用されたが、鉄素材の元素割合は、本発明の趣旨を損ねない限り、任意に決定することができる。
先の実施形態では自転防止機構としてオルダムリングが採用されているが、自転防止機構としてピン、ボールカップリング、クランク等、いかなる機構が採用されてもよい。
先の実施の形態では圧縮機1が冷媒回路内で用いられる場合を例に挙げたが、用途に付いては空調用に限定するものではなく、単体もしくはシステムに組込まれて用いられる圧縮機や送風機、過給機、ポンプなどであってもよい。
先の実施の形態に係る圧縮機1には潤滑油が存在したが、オイルレス若しくはオイルフリー(油があってもなくてもよい)タイプの圧縮機、送風機、過給機、ポンプであってもよい。
先の実施の形態に係る可動スクロール基体25では、鏡板26aに相当する部分の厚みが8mmとされていたが、鏡板26aに相当する部分の厚みは、要求される強度から導き出される厚み以上10mm以下であればよい。
先の実施の形態に係る固定スクロール基体では、鏡板24aに相当する部分の厚みが8mmとされていたが、鏡板24aに相当する部分の厚みは要求される強度から導き出される厚み以上10mm以下であればよい。
先の実施の形態に係る可動スクロール基体25では、Rの半径が0.5mmとされていたが、Rの半径は0.3mmよりも大きくラップ26bに相当する部分の肉厚の半分(つまり、1.6mm)未満であればよい。
先の実施の形態に係る固定スクロール基体では、Rの半径が0.5mmとされていたが、Rの半径は0.3mmよりも大きくラップ24bに相当する部分の肉厚の半分(つまり、1.6mm)未満であればよい。
先の実施の形態に係る可動スクロール基体25では、鏡板26aに相当する部分の厚みに対するラップ26bに相当する部分の肉厚の比が0.4とされていたが、この比は、0.2以上0.6以下であればよい。
先の実施の形態に係る固定スクロール基体では、鏡板24aに相当する部分の厚みに対するラップ24bに相当する部分の肉厚の比が0.4とされていたが、この比は、0.2以上0.6以下であればよい。
先の実施の形態に係る可動スクロール基体25では、鏡板26aに相当する部分の厚みに対する軸受部26cに相当する部分の肉厚の比が0.5とされていたが、この比は、0.3以上1.0未満であればよい。
23 ハウジング(完成摺動部品)
24 固定スクロール(完成摺動部品)
25 可動スクロール基体(摺動部品基体)
25a 樹脂コーティング層
25b 角部
25c 隅部(付け根部)
26 可動スクロール(完成摺動部品)
39 オルダムリング(完成摺動部品)
60 下部主軸受(完成摺動部品)
24a,26a 鏡板(平板部)
24b,26b ラップ(薄肉渦巻部)
26c 軸受部(円筒部)
26d 溝部
Claims (39)
- 片状黒鉛鋳鉄よりも引張強度および引張弾性率の少なくとも一方が高い鉄製の摺動部品基体(25)を所定の型を用いて製造する摺動部品基体製造工程と、
前記摺動部品基体の一部または全部に対して機械加工を施すことなく前記摺動部品基体上に部分的に又は全体的に樹脂コーティング層(25a)を設ける樹脂コーティング工程と、
前記樹脂コーティング層のみを機械加工して完成摺動部品(17,23,24,26,39,60)を得る機械加工工程と、
を備える、圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体製造工程では、チクソキャスティング法(半溶融成形法)により前記摺動部品基体が製造される、
請求項1に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体製造工程では、レオキャスティング法(半凝固成形法)により前記摺動部品基体が製造される、
請求項1に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体製造工程では、前記摺動部品基体がパーライト可鍛鋳鉄から成る、
請求項1に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体製造工程では、前記摺動部品基体が球状黒鉛鋳鉄から成る、
請求項1に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体製造工程では、前記摺動部品基体が球状炭化物鋳鉄から成る、
請求項1に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体製造工程では、前記球状炭化物鋳鉄は、球状炭化バナジウム鋳鉄である、
請求項6に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体製造工程では、ロストワックス法により前記摺動部品基体が製造される、
請求項4から7のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体製造工程では、前記摺動部品基体が鍛造により製造される、
請求項1に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体は、引張強度が600MPa以上である、
請求項1から9のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体の表面を粗面化する表面処理工程をさらに備える、
請求項1から10のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記表面処理工程では、前記摺動部品基体の表面粗度(Rz)が5〜50μmとなるように前記摺動部品基体が表面処理される、
請求項11に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記表面処理工程では、化成処理により前記摺動部品基体の表面が粗面化される、
請求項11または12に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記表面処理工程では、ブラスト処理により前記摺動部品基体の表面が粗面化される、
請求項11または12に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記樹脂コーティング工程では、スプレー塗装法により前記摺動部品基体上に樹脂コーティング層が設けられる、
請求項1から14のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記樹脂コーティング工程では、前記摺動部品基体が加熱されながら前記摺動部品基体上に樹脂コーティング層が設けられる、
請求項15に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記樹脂コーティング工程では、前記摺動部品基体が回転させられながら前記摺動部品基体上に樹脂コーティング層が設けられる、
請求項15または16に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記樹脂コーティング工程では、射出成形法により前記摺動部品基体上に樹脂コーティング層が設けられる、
請求項1から14のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記樹脂コーティング工程では、前記樹脂コーティング層の厚みが前記摺動部品基体の輪郭精度に加工代を足した値になるように前記樹脂コーティング層が設けられる、
請求項1から18のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記樹脂コーティング層は、エンジニアリングプラスチックから成る、
請求項1から19のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記エンジニアリングプラスチックは、フッ素樹脂である、
請求項20に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記エンジニアリングプラスチックは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂である、
請求項20に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記エンジニアリングプラスチックは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂である、
請求項20に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記樹脂コーティング層は、ナノインデンテーション法によって測定される硬度が0.1GPa以上である、
請求項1から23に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体は、平板部(24a,26a)と、平板部の片側の板面である第1板面から前記第1板面と垂直な方向に向かって薄肉の渦巻き形状を保持しながら延びる薄肉渦巻部(24b,26b)とを有する、
請求項1から24のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記樹脂コーティング工程では、前記第1板面および前記薄肉渦巻部にのみ樹脂コーティング層が設けられる、
請求項25に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記樹脂コーティング工程では、前記薄肉渦巻部のうち前記第1板面と交差する曲面にのみ樹脂コーティング層が設けられる、
請求項25に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体は、前記平板部に設けられる溝部(26d)をさらに有し、
前記樹脂コーティング工程では、少なくとも前記溝部に樹脂コーティング層が設けられる、
請求項25に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記摺動部品基体は、前記第1板面の裏側の板面である第2板面から前記第2板面に垂直な方向に向かって円筒状に延びる円筒部(26c)をさらに有し、
前記樹脂コーティング工程では、少なくとも円筒部の内面に樹脂コーティング層が設けられる、
請求項25に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記薄肉渦巻部は、中心線を含み第1板面と直交する平面で切った時の歯の切断面が台形形状を呈する、
請求項25から29のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記台形の底辺と斜辺となす角度は、0.5°以上2°以下である、
請求項30に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記薄肉渦巻部は、角部(25b)がR形状を呈する、
請求項25から31のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記薄肉渦巻部は、付け根部(25c)がR形状を呈する、
請求項25から32のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記R形状の半径は、0.3mmよりも大きく前記薄肉渦巻部の角部側の先端の幅の半分未満である、
請求項32または33に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記平板部は、厚みが10mm以下である、
請求項25から34のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記平板部の厚みに対する前記薄肉渦巻部の肉厚の比は、0.2以上0.6以下である、
請求項25から35のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 前記平板部の厚みに対する前記円筒部の肉厚の比は、0.3以上1.0未満である、
請求項29に記載の圧縮機の摺動部品の製造方法。 - 請求項1から37のいずれかに記載の圧縮機の摺動部品の製造方法により製造された摺動部品が組み込まれる圧縮機。
- 二酸化炭素を圧縮する、
請求項38に記載の圧縮機。
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