JP2008088860A - 圧縮機の摺動部品、スクロール部品、クランク軸部品、自転防止部材、およびスイング圧縮機のピストン部品 - Google Patents

圧縮機の摺動部品、スクロール部品、クランク軸部品、自転防止部材、およびスイング圧縮機のピストン部品 Download PDF

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哲 山本
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Abstract

【課題】本発明の課題は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な疲労強度や耐摩耗性を有する圧縮機の摺動部品を提供することにある。
【解決手段】圧縮機の摺動部品17,24,26,39,117,124,126,224は、半溶融ダイキャスト成形法により製造される圧縮機の摺動部品であって、一部17a,17b,39a,39b,39c,39d,SC1,SC2,SC3,SC4,SC5,SC6,SC7に部分熱処理が施されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧縮機の摺動部品、特にスクロール部品、クランク軸部品、自転防止部材、およびスイング圧縮機のピストン部品に関する。
過去に「圧縮機の摺動部品基体をチクソキャスティング法により製造し、その摺動部品基体を超精密仕上げ加工して最終的な摺動部品を得る」という圧縮機の摺動部品の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、この製造方法を採用すれば、砂型鋳造方法を採用するのに比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代を低減することができる上、さらに研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができると言われている。
特開2005−36693号公報
しかし、圧縮機の摺動部品を上記のような方法で製造したとしても、圧縮機の摺動部品に十分な疲労強度や耐摩耗性を付与することは難しい。
本発明の課題は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な疲労強度や耐摩耗性を有する圧縮機の摺動部品を提供することにある。
第1発明に係る圧縮機の摺動部品は、半溶融ダイキャスト成形法により製造される圧縮機の摺動部品であって、一部に部分熱処理が施されている。なお、ここにいう「摺動部品」とは、例えば、スクロール圧縮機の可動スクロール、固定スクロール、軸受、回転軸(クランクシャフト)、自転防止部材、及びスライドブッシュ(スライドブロック)、並びに、スイング圧縮機やロータリー圧縮機のシリンダブロック、フロントヘッド、リアヘッド、ミドルプレート、及び回転軸(クランクシャフト)等である。また、ここにいう「部分熱処理」は、高周波加熱方法やレーザ加熱方法などを利用して行われる。
この圧縮機の摺動部品は、半溶融ダイキャスト成形法により製造される。このため、この圧縮機の摺動部品は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができる。また、半溶融ダイキャスト成形法により摺動部品が製造される場合、その摺動部品を熱処理することによって自由に引張強度を調整することができる。したがって、この圧縮機の摺動部品は、従来の砂型鋳造方法により製造される片状黒鉛鋳鉄のような摺動部品よりも高引張強度を示す。そして、この圧縮機の摺動部品は、一部、例えば、応力集中部や摺動部などに部分熱処理が施されている。このため、この圧縮機の摺動部品の応力集中部や摺動部などに十分な疲労強度や耐摩耗性を付与することができる。ちなみに、このような摺動部品は、高圧冷媒、例えば、二酸化炭素などに対して特に有効となる。また、部分熱処理部分の強度が向上するため、部分熱処理部分の薄肉軽量化を実現することができる。以上、まとめると、この圧縮機の摺動部品は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な疲労強度や耐摩耗性を有することができる。
第2発明に係る圧縮機のスクロール部品は、半溶融ダイキャスト成形法により製造される圧縮機のスクロール部品であって、応力集中部に部分熱処理が施されている。なお、ここにいう「応力集中部」とは、渦巻部の付け根部の周辺部や、板部の第1板面側の中心付近に形成される切欠部、軸受部の付け根部の周辺部などである。
この圧縮機のスクロール部品は、半溶融ダイキャスト成形法により製造されている。このため、この圧縮機のスクロール部品は、砂型鋳造品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができる。また、半溶融ダイキャスト成形法によりスクロール部品が製造される場合、そのスクロール部品を熱処理することによって自由に引張強度を調整することができる。したがって、この圧縮機のスクロール部品は、従来の砂型鋳造方法により製造される片状黒鉛鋳鉄のようなスクロール部品よりも高引張強度を示す。そして、この圧縮機のスクロール部品は、応力集中部に部分熱処理が施されている。このため、この圧縮機のスクロール部品において、摺動性の必要な摺動部に良好ななじみ性を持たせたまま応力集中部に十分な疲労強度を付与することができる。ちなみに、このようなスクロール部品は、高圧冷媒、例えば、二酸化炭素などに対して特に有効となる。以上、まとめると、この圧縮機のスクロール部品は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な疲労強度を有することができる。
第3発明に係る圧縮機のスクロール部品は、第2発明に係る圧縮機のスクロール部品であって、板部および渦巻部を備える。渦巻部は、板部の第1板面から第1板面に垂直な方向に向かって渦巻形状を保持しながら延びる。そして、応力集中部は、渦巻部の付け根部の周辺部である。
この圧縮機のスクロール部品は、渦巻部の付け根部の周辺部に部分熱処理が施されている。このため、この圧縮機のスクロール部品は、渦巻部に少々大きな荷重がかかっても破壊しにくい。
第4発明に係る圧縮機のスクロール部品は、第2発明に係る圧縮機のスクロール部品であって、板部および渦巻部を備える。渦巻部は、板部の第1板面から第1板面に垂直な方向に向かって渦巻形状を保持しながら延びる。そして、応力集中部は、板部の第1板面側の中心付近に形成される切欠部である。
この圧縮機のスクロール部品は、板部の第1板面側の中心付近に形成される切欠部に部分熱処理が施されている。このため、この圧縮機のスクロール部品は、冷媒として高圧冷媒、例えば、二酸化炭素などが採用された場合であっても破壊しにくい。
第5発明に係る圧縮機のスクロール部品は、第2発明に係る圧縮機のスクロール部品であって、板部、渦巻部、および軸受部を備える。渦巻部は、板部の第1板面から第1板面に垂直な方向に向かって渦巻形状を保持しながら延びる。軸受部は、板部の第1板面の裏側の面である第2板面から立設される。そして、応力集中部は、軸受部の付け根部の周辺部である。
この圧縮機のスクロール部品は、軸受部の付け根部の周辺部に部分熱処理が施されている。このため、この圧縮機のスクロール部品は、軸受部に少々大きな荷重がかかっても破壊しにくい。
第6発明に係る圧縮機のクランク軸部品は、半溶融ダイキャスト成形法により製造され、偏心軸部および主軸部に部分熱処理が施されている。
この圧縮機のクランク軸部品は、半溶融ダイキャスト成形法により製造されている。このため、この圧縮機のクランク軸部品は、砂型鋳造品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができる。また、半溶融ダイキャスト成形法によりクランク軸部品が製造される場合、そのクランク軸部品を熱処理することによって自由に引張強度を調整することができる。したがって、この圧縮機のクランク軸部品は、従来の砂型鋳造方法により製造される片状黒鉛鋳鉄のようなクランク軸部品よりも高引張強度を示す。このため、このクランク軸部品は、小型化することができる。そして、この圧縮機のクランク軸部品は、偏心軸部および主軸部に部分熱処理が施されている。このため、この圧縮機のクランク軸部品の偏心軸部および主軸部に十分な耐摩耗性を付与することができる。ちなみに、このようなクランク軸部品は、高圧冷媒、例えば、二酸化炭素などに対して特に有効となる。以上、まとめると、この圧縮機のクランク軸部品は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な耐摩耗性を有することができる。
第7発明に係る圧縮機のクランク軸部品は、半溶融ダイキャスト成形法により製造され、応力集中部に部分熱処理が施されている。
この圧縮機のクランク軸部品は、半溶融ダイキャスト成形法により製造されている。このため、この圧縮機のクランク軸部品は、砂型鋳造品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができる。また、半溶融ダイキャスト成形法によりクランク軸部品が製造される場合、そのクランク軸部品を熱処理することによって自由に引張強度を調整することができる。したがって、この圧縮機のクランク軸部品は、従来の砂型鋳造方法により製造される片状黒鉛鋳鉄のようなクランク軸部品よりも高引張強度を示す。このため、このクランク軸部品は、小型化することができる。そして、この圧縮機のクランク軸部品は、応力集中部に部分熱処理が施されている。このため、この圧縮機のクランク軸部品の応力集中部に十分な疲労強度を付与することができる。ちなみに、このようなクランク軸部品は、高圧冷媒、例えば、二酸化炭素などに対して特に有効となる。以上、まとめると、この圧縮機のクランク軸部品は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な疲労強度を有することができる。
第8発明に係る圧縮機のクランク軸部品は、第7発明に係る圧縮機のクランク軸部品であって、主軸部および偏心軸部を備える。偏心軸部は、軸が主軸部の軸とずれるように位置している。そして、応力集中部は、主軸部と偏心軸部との間に設けられる切欠部の周辺部である。なお、ここにいう「偏心軸部」は例えば可動スクロールの軸受部に嵌合され、「主軸部」はハウジングの軸受部に嵌合される。
この圧縮機のクランク軸部品は、主軸部と偏心軸部との間に設けられる切欠部の周辺部に部分熱処理が施されている。このため、この圧縮機のクランク軸部品は、主軸部と偏心軸部とに相対する力が作用したとしても破壊しにくい。
第9発明に係る圧縮機のクランク軸部品は、第6発明から第8発明のいずれかに係る圧縮機のクランク軸部品であって、バランスウェイト部が一体形成されている。
従来、バランスウェイトは、クランク軸とは別に製造された後にクランク軸に取り付けられているものがあった。かかる場合、圧縮機運転中にバランスウェイトがクランク軸から外れて半径方向に飛び出さないようにするため、バランスウェイトにクランク軸の半径とほぼ一致する半径の孔を有するリング部などを設け、そのリング部の孔にクランク軸を挿入してバランスウェイトをクランク軸に焼き嵌めるのが通常であった。しかし、この圧縮機のクランク軸部品にはバランスウェイト部が一体形成されている。このため、バランスウェイトとクランク軸とを一度に成形することができ圧縮機の製造コストを低減することができる。また、このようなクランク軸が採用される場合、バランスウェイトにリング部などを設ける必要がない。したがって、バランスウェイトにかかる材料費を低減することができる。また、従来、バランスウェイト部を一体成形したクランク軸も製造されていたが、かかる場合、クランク軸を大まかな形状に鋳抜いた後、加工してそのバランスを調整する等の工程が必要であったが、本発明に係るクランク軸は半溶融ダイキャスト成形法により製造されるので、最終形状に非常に近い形状まで成形でき、圧縮機の製造工程から上記のような工程を省略することができる。したがって、この圧縮機のクランク軸部品は、圧縮機の製造コストを低減することができる。
第10発明に係るスクロール圧縮機の自転防止部材は、半溶融ダイキャスト成形法により製造され、摺動部に部分熱処理が施されている。なお、ここにいう「自転防止部材」とは、例えば、オルダムリング(オルダムカップリング)等である。
このスクロール圧縮機の自転防止部材は、半溶融ダイキャスト成形法により製造されている。このため、このスクロール圧縮機の自転防止部材は、砂型鋳造品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができる。また、半溶融ダイキャスト成形法によりスクロール圧縮機の自転防止部材が製造される場合、その自転防止部材を熱処理することによって自由に引張強度を調整することができる。したがって、この自転防止部材は、従来のアルミ製の自転防止部材よりも薄肉軽量化することができる。よって、この自転防止部材は、圧縮機の振動低減や攪拌損失低減に寄与することができる。また、半溶融ダイキャスト成形法によりスクロール圧縮機の自転防止部材が製造される場合、その自転防止部材を熱処理することによって、その靭性を向上させることができる。したがって、この自転防止部材は、破壊されにくい。また、半溶融ダイキャスト成形法によりスクロール圧縮機の自転防止部材が製造される場合、その自転防止部材を熱処理することによって、耐焼付性を向上させることができる。したがって、この自転防止部材は、圧縮機運転中の焼付を抑制することができる。そして、このスクロール圧縮機の自転防止部材は、摺動部に部分熱処理が施されている。このため、このスクロール圧縮機の自転防止部材の摺動部分に十分な耐摩耗性を付与することができる。ちなみに、このような自転防止部材は、高圧冷媒、例えば、二酸化炭素などに対して特に有効となる。以上、まとめると、このスクロール圧縮機の自転防止部材は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な耐摩耗性を有することができる。
第11発明に係るスクロール圧縮機の自転防止部材は、第10発明に係るスクロール圧縮機の自転防止部材であって、環状の本体および一対のキー部を備える。一対のキー部は、本体の軸を挟んで対向し本体から軸方向に沿って延びる。そして、摺動部は、キー部である。
このスクロール圧縮機の自転防止部材は、キー部に部分熱処理が施されている。このため、このスクロール圧縮機の自転防止部材は、長寿命化される。
第12発明に係るスイング圧縮機のピストン部品は、半溶融ダイキャスト成形法により製造され、応力集中部に部分熱処理が施されている。なお、ここにいう「応力集中部」とは、ブレード部の付け根部に形成される切欠部の周辺部などである。
このスイング圧縮機のピストン部品は、半溶融ダイキャスト成形法により製造されている。このため、このスイング圧縮機のピストン部品は、砂型鋳造品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができる。また、半溶融ダイキャスト成形法によりスイング圧縮機のピストン部品が製造される場合、そのピストン部品を熱処理することによって自由に引張強度を調整することができる。したがって、このピストン部品は、従来のピストン部品よりも薄肉軽量化することができる。よって、このピストン部品は、圧縮機の振動低減や攪拌損失低減に寄与することができる。また、半溶融ダイキャスト成形法によりスイング圧縮機のピストン部品が製造される場合、そのピストン部品を熱処理することによって、その靭性を向上させることができる。したがって、このピストン部品は、破壊されにくい。また、半溶融ダイキャスト成形法によりスイング圧縮機のピストン部品が製造される場合、そのピストン部品を熱処理することによって、耐焼付性を向上させることができる。したがって、このピストン部品は、圧縮機運転中の焼付を抑制することができる。そして、このスイング圧縮機のピストン部品は、応力集中部に部分熱処理が施されている。このため、このスイング圧縮機のピストン部品の応力集中部に十分な疲労強度を付与することができる。ちなみに、このようなピストン部品は、高圧冷媒、例えば、二酸化炭素などに対して特に有効となる。以上、まとめると、このスイング圧縮機のピストン部品は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な疲労強度を有することができる。
第13発明に係るスイング圧縮機のピストン部品は、第12発明に係るスイング圧縮機のピストン部品であって、ローラー部およびブレード部を備える。ローラー部は、略円筒状の成形体である。ブレード部は、ローラー部の半径方向に沿ってローラー部の外周から延びる。そして、応力集中部は、ブレード部の付け根部の周辺部である。
このスイング圧縮機のピストン部品は、ブレード部の付け根部の周辺部に部分熱処理が施されている。このため、このスイング圧縮機のピストン部品は、ブレード部に少々大きな荷重がかかっても破壊しにくい。
第14発明に係る圧縮機には、第1発明に係る圧縮機の摺動部品が組み込まれる。
このため、この圧縮機は、製造コストが低く、寿命が長い。
第15発明に係る圧縮機は、第14発明に係る圧縮機であって、二酸化炭素を圧縮する。
この圧縮機では、摺動部品が高強度、高疲労強度、高耐摩耗性を有することができる。このため、この圧縮機は、二酸化炭素を冷媒とする場合に特に有効となる。
第16発明に係るスクロール圧縮機には、第2発明から第5発明のいずれかに係る圧縮機のスクロール部品が組み込まれる。
このため、このスクロール圧縮機は、製造コストが低く、スクロール部品の寿命が長い。
第17発明に係るスクロール圧縮機は、第16発明に係るスクロール圧縮機であって、二酸化炭素を圧縮する。
このスクロール圧縮機では、スクロール部品が高強度、高疲労強度、高耐摩耗性を有することができる。このため、このスクロール圧縮機は、二酸化炭素を冷媒とする場合に特に有効となる。
第18発明に係る圧縮機には、第6発明から第9発明のいずれかに係る圧縮機のクランク軸部品が組み込まれる。
このため、この圧縮機は、製造コストが低く、クランク軸部品の寿命が長い。
第19発明に係る圧縮機は、第18発明に係る圧縮機であって、二酸化炭素を圧縮する。
この圧縮機では、クランク軸部品が高強度、高疲労強度、高耐摩耗性を有することができる。このため、この圧縮機は、二酸化炭素を冷媒とする場合に特に有効となる。
第20発明に係るスクロール圧縮機には、第10発明または第11発明に係るスクロール圧縮機の自転防止部材が組み込まれる。
このため、このスクロール圧縮機は、製造コストが低く、自転防止部材の寿命が長い。
第21発明に係るスクロール圧縮機は、第20発明に係るスクロール圧縮機であって、二酸化炭素を圧縮する。
このスクロール圧縮機では、自転防止部材が高強度、高疲労強度、高耐摩耗性を有することができる。このため、このスクロール圧縮機は、二酸化炭素を冷媒とする場合に特に有効となる。
第22発明に係るスイング圧縮機には、第12発明または第13発明に係るスイング圧縮機のピストン部品が組み込まれる。
このため、このスイング圧縮機は、製造コストが低く、ピストン部品の寿命が長い。
第23発明に係るスイング圧縮機は、第22発明に係るスイング圧縮機であって、二酸化炭素を圧縮する。
このスイング圧縮機では、ピストン部品が高強度、高疲労強度、高耐摩耗性を有することができる。このため、このスイング圧縮機は、二酸化炭素を冷媒とする場合に特に有効となる。
第1発明に係る圧縮機の摺動部品は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な疲労強度や耐摩耗性を有することができる。
第2発明に係る圧縮機のスクロール部品は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な疲労強度を有することができる。
第3発明に係る圧縮機のスクロール部品は、渦巻部に少々大きな荷重がかかっても破壊しにくい。
第4発明に係る圧縮機のスクロール部品は、冷媒として高圧冷媒、例えば、二酸化炭素などが採用された場合であっても破壊しにくい。
第5発明に係る圧縮機のスクロール部品は、軸受部に少々大きな荷重がかかっても破壊しにくい。
第6発明に係る圧縮機のクランク軸部品は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な耐摩耗性を有することができる。
第7発明に係る圧縮機のクランク軸部品は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な疲労強度を有することができる。
第8発明に係る圧縮機のクランク軸部品は、主軸部と偏心軸部とに相対する力が作用したとしても破壊しにくい。
第9発明に係る圧縮機のクランク軸部品は、圧縮機の製造コストを低減することができる。
第10発明に係るスクロール圧縮機の自転防止部材は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な耐摩耗性を有することができる。
第11発明に係るスクロール圧縮機の自転防止部材は、長寿命化される。
第12発明に係るスイング圧縮機のピストン部品は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な疲労強度を有することができる。
第13発明に係るスイング圧縮機のピストン部品は、ブレード部に少々大きな荷重がかかっても破壊しにくい。
第14発明に係る圧縮機製造コストが低く、寿命が長い。
第15発明に係る圧縮機は、二酸化炭素を冷媒とする場合に特に有効となる。
第16発明に係るスクロール圧縮機は、製造コストが低く、スクロール部品の寿命が長い。
第17発明に係るスクロール圧縮機は、二酸化炭素を冷媒とする場合に特に有効となる。
第18発明に係る圧縮機は、製造コストが低く、クランク軸部品の寿命が長い。
第19発明に係る圧縮機は、二酸化炭素を冷媒とする場合に特に有効となる。
第20発明に係るスクロール圧縮機は、製造コストが低く、自転防止部材の寿命が長い。
第21発明に係るスクロール圧縮機は、二酸化炭素を冷媒とする場合に特に有効となる。
第22発明に係るスイング圧縮機は、製造コストが低く、ピストン部品の寿命が長い。
第23発明に係るスイング圧縮機は、二酸化炭素を冷媒とする場合に特に有効となる。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機1は、蒸発器や、凝縮器、膨張機構などと共に冷媒回路を構成し、その冷媒回路中のガス冷媒を圧縮する役割を担うものであって、図1に示されるように、主に、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング10、スクロール圧縮機構15、オルダムリング39、駆動モータ16、下部主軸受60、吸入管19、および吐出管20から構成されている。以下、この高低圧ドーム型スクロール圧縮機1の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
〔高低圧ドーム型スクロール圧縮機の構成部品の詳細〕
(1)ケーシング
ケーシング10は、主に、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とから構成される。そして、このケーシング10には、主に、ガス冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構15と、スクロール圧縮機構15の下方に配置される駆動モータ16とが収容されている。このスクロール圧縮機構15と駆動モータ16とは、ケーシング10内を上下方向に延びるように配置されるクランク軸17によって連結されている。そして、この結果、スクロール圧縮機構15と駆動モータ16との間には、間隙空間18が生じる。
(2)スクロール圧縮機構
スクロール圧縮機構15は、図1に示されるように、主に、ハウジング23と、ハウジング23の上方に密着して配置される固定スクロール24と、固定スクロール24に噛合する可動スクロール26とから構成されている。以下、このスクロール圧縮機構15の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
a)ハウジング
ハウジング23は、その外周面において周方向の全体に亘って胴部ケーシング部11に圧入固定されている。つまり、胴部ケーシング部11とハウジング23とは全周に亘って気密状に密着されている。このため、ケーシング10の内部は、ハウジング23下方の高圧空間28とハウジング23上方の低圧空間29とに区画されていることになる。また、このハウジング23には、上端面が固定スクロール24の下端面と密着するように、固定スクロール24がボルト38により締結固定されている。また、このハウジング23には、上面中央に凹設されたハウジング凹部31と、下面中央から下方に延設された軸受部32とが形成されている。そして、この軸受部32には、上下方向に貫通する軸受孔33が形成されており、この軸受孔33にクランク軸17の主軸部17b(図7参照)が軸受34を介して回転自在に嵌入されている。
b)固定スクロール
固定スクロール24は、主に、鏡板24aと、鏡板24aの下面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ24bとから構成されている。鏡板24aには、圧縮室40(後述)に連通する吐出通路41と、吐出通路41に連通する拡大凹部42とが形成されている。吐出通路41は、鏡板24aの中央部分において上下方向に延びるように形成されている。拡大凹部42は、鏡板24aの上面に凹設された水平方向に広がる凹部により構成されている。そして、固定スクロール24の上面には、この拡大凹部42を塞ぐように蓋体44がボルト44aにより締結固定されている。そして、拡大凹部42に蓋体44が覆い被せられることによりスクロール圧縮機構15の運転音を消音させる膨張室からなるマフラー空間45が形成されている。固定スクロール24と蓋体44とは、図示しないパッキンを介して密着させることによりシールされている。
なお、本実施の形態において、この固定スクロール24は、新規かつ特殊な製造方法により製造される。この製造方法については、下記「摺動部品の製造方法」の欄で詳述する。
c)可動スクロール
可動スクロール26は、主に、鏡板26aと、鏡板26aの上面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ26bと、鏡板26aの下面に形成された軸受部26cと、鏡板26aの両端部に形成される溝部26d(図6参照)とから構成されている。そして、この可動スクロール26は、溝部26dにオルダムリング39が嵌め込まれることによりハウジング23に支持される。また、軸受部26cにはクランク軸17の偏心軸部17a(図7参照)が嵌入される。可動スクロール26は、このようにスクロール圧縮機構15に組み込まれることによってクランク軸17の回転により自転することなくハウジング23内を公転する。そして、可動スクロール26のラップ26bは固定スクロール24のラップ24bに噛合させられており、両ラップ24b,26bの接触部の間には圧縮室40が形成されている。そして、この圧縮室40では、可動スクロール26の公転に伴い、両ラップ24b,26b間の容積が中心に向かって収縮する。本実施形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機1では、このようにしてガス冷媒を圧縮するようになっている。
なお、本実施の形態において、この可動スクロール26は、新規かつ特殊な製造方法により製造される。この製造方法については、下記「摺動部品の製造方法」の欄で詳述する。
d)その他
また、このスクロール圧縮機構15には、固定スクロール24とハウジング23とに亘り、連絡通路46が形成されている。この連絡通路46は、固定スクロール24に切欠形成されたスクロール側通路47と、ハウジング23に切欠形成されたハウジング側通路48とが連通するように形成されている。そして、連絡通路46の上端、即ちスクロール側通路47の上端は拡大凹部42に開口し、連絡通路46の下端、即ちハウジング側通路48の下端はハウジング23の下端面に開口している。つまり、このハウジング側通路48の下端開口により、連絡通路46の冷媒を間隙空間18に流出させる吐出口49が構成されていることになる。
(3)オルダムリング
オルダムリング39は、可動スクロール26の自転運動を防止するための部材であって、図8〜10に示されるように、主に、本体39e、可動スクロール側キー部39a,39b、およびハウジング側キー部39c,39dから構成されている。本体39eは、図8および図10に示されるように、略円環状の成形体である。可動スクロール側キー部39a,39bは、本体39eの軸を挟んで対向し本体39eの半径方向外周側に延びる突起部から軸方向に沿って片側に延びる一対の突起である。ハウジング側キー部39c,39dは、本体39eの軸を挟んで対向し本体39eの半径方向外周側に延びる突起部から軸方向に沿って可動スクロール側キー部39a,39cの反対側に延びる一対の突起であり、軸を中心として可動スクロール側キー部39a,39bから略90°傾いた位置に配置されている。そして、可動スクロール側キー部39a,39bは可動スクロール26の溝部26dに嵌め込まれ、ハウジング側キー部39c,39dはハウジング23に形成されるオルダム溝(図示せず)に嵌め込まれる。なお、このオルダム溝は、長円形状の溝であって、ハウジング23において互いに対向する位置に配設されている。
なお、本実施の形態において、このオルダムリング39は、新規かつ特殊な製造方法により製造される。この製造方法については、下記「摺動部品の製造方法」の欄で詳述する。
(4)駆動モータ
駆動モータ16は、本実施の形態において直流モータであって、主に、ケーシング10の内壁面に固定された環状のステータ51と、ステータ51の内側に僅かな隙間(エアギャップ通路)をもって回転自在に収容されたローター52とから構成されている。そして、この駆動モータ16は、ステータ51の上側に形成されているコイルエンド53の上端がハウジング23の軸受部32の下端とほぼ同じ高さ位置になるように配置されている。
ステータ51には、ティース部に銅線が巻回されており、上方および下方にコイルエンド53が形成されている。また、ステータ51の外周面には、ステータ51の上端面から下端面に亘り且つ周方向に所定間隔をおいて複数個所に切欠形成されているコアカット部が設けられている。そして、このコアカット部により、胴部ケーシング部11とステータ51との間に上下方向に延びるモータ冷却通路55が形成されている。
ローター52は、上下方向に延びるように胴部ケーシング部11の軸心に配置されたクランク軸17を介してスクロール圧縮機構15の可動スクロール26に駆動連結されている。また、連絡通路46の吐出口49を流出した冷媒をモータ冷却通路55に案内する案内板58が、間隙空間18に配設されている。
(5)クランク軸
クランク軸17は、図7に示されるように、略円柱状の一体成形部品であって、主に、偏心軸部17a、主軸部17b、バランスウェイト部17c、および副軸部17dを備えている。偏心軸部17aは、可動スクロール26の軸受部26cに収容される。主軸部17bは、ハウジング23の軸受孔33に軸受34を介して収容される。副軸部17dは、下部主軸受60に収容される。
なお、本実施の形態において、このクランク軸17は、新規かつ特殊な製造方法により製造される。この製造方法については、下記「摺動部品の製造方法」の欄で詳述する。
(6)下部主軸受
下部主軸受60は、駆動モータ16の下方の下部空間に配設されている。この下部主軸受60は、胴部ケーシング部11に固定されるとともにクランク軸17の下端側軸受を構成し、クランク軸17の副軸部17dを収容している。
(7)吸入管
吸入管19は、冷媒回路の冷媒をスクロール圧縮機構15に導くためのものであって、ケーシング10の上壁部12に気密状に嵌入されている。吸入管19は、低圧空間29を上下方向に貫通すると共に、内端部が固定スクロール24に嵌入されている。
(8)吐出管
吐出管20は、ケーシング10内の冷媒をケーシング10外に吐出させるためのものであって、ケーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に嵌入されている。そして、この吐出管20は、上下方向に延びる円筒形状に形成されハウジング23の下端部に固定される内端部36を有している。なお、吐出管20の内端開口、即ち流入口は、下方に向かって開口されている。
〔摺動部品の製造方法〕
本実施の形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機1において、クランク軸17、固定スクロール24、可動スクロール26、及びオルダムリング39は摺動部品であり、本実施の形態では、クランク軸17、固定スクロール24、可動スクロール26、及びオルダムリング39が下記製造方法により製造される。
(1)原材料
本実施の形態において上記摺動部品の原材料となる鉄素材としては、C:2.3〜2.4wt%、Si:1.95〜2.05wt%、Mn:0.6〜0.7wt%、P:<0.035wt%、S:<0.04wt%、Cr:0.00〜0.50wt%、Ni:0.50〜1.00wt%が添加されているビレットが採用される。なお、ここにいう重量割合は全量に対する割合である。また、ここに「ビレット」とは、一端、上記成分の鉄素材が溶融炉において溶融された後に、連続鋳造装置により円柱形状等に成形された最終成形前の素材を意味する。なお、ここで、CおよびSiの含有量は、引張強度および引張弾性率が片状黒鉛鋳鉄より高くなること、および複雑な形状の摺動部品基体を成形するのに適切な流動性を備えていることの両方を満足するように決定される。また、Niの含有量は、金属組織の靭性を向上させて成形時の表面クラックを防止するのに適切な金属組成を構成するように決定されている。
(2)製造工程
本実施の形態に係る摺動部品は、半溶融ダイキャスト成形工程、熱処理工程、仕上げ工程、および部分熱処理工程を経て製造される。以下、各工程について詳述する。
a)半溶融ダイキャスト成形工程
半溶融ダイキャスト成形工程では、先ず、ビレットを高周波加熱することにより半溶融状態とする。次いで、その半溶融状態のビレットを所定の金型に注入する際に、ダイキャストマシンで所定圧力を加えながらビレットを所望の形状に成形し摺動部品基体を得る。そして、摺動部品基体を金型から取り出して急冷させると、その摺動部品基体の金属組織は、全体的に白銑化したものとなる。なお、摺動部品基体は最終的に得られる摺動部品よりも若干大きく、この摺動部品基体は、後の仕上げ工程において加工代が取り除かれて最終的な摺動部品となる。
b)熱処理工程
熱処理工程では、半溶融ダイキャスト成形工程後の摺動部品基体が熱処理される。この熱処理工程において、摺動部品基体の金属組織は、白銑化組織からパーライト/フェライト基地、粒状黒鉛から成る金属組織へと変化する。なお、この白銑化組織の黒鉛化、パーライト化については熱処理温度、保持時間、冷却速度などを調節することにより調節することができる。例えば、Honda R&D Technical Review の Vol.14 No.1 の論文「鉄の半溶融成形技術の研究」にあるように、950℃で60分保持した後に0.05〜0.10℃/secの冷却速度で炉中にて徐冷することにより、500MPa〜700MPa程度の引張強度、HB150(HRB81(SAE J 417硬さ換算表からの換算値))〜HB200(HRB96(SAE J 417硬さ換算表からの換算値))程度の硬度を有する金属組織を得ることができる。このような金属組織はフェライト中心であるために軟らかく被削性に優れるが、機械加工時に構成刃先を形成して刃具寿命を低下させる可能性がある。また、1000℃で60分保持した後に空冷し、さらに最初の温度より少し低い温度で所定時間保持した後に空冷することにより、600MPa〜900MPa程度の引張強度、HB200(HRB96(SAE J 417硬さ換算表からの換算値))〜HB250(HRB105,HRC26(SAE J 417硬さ換算表からの換算値、なおHRB105は試験タイプの有効な実用範囲を超えるため参考値である))程度の硬度を有する金属組織を得ることができる。このような金属組織において、片状黒鉛鋳鉄と同等の硬度を有するものは、片状黒鉛鋳鉄と同等の被削性を有し、同等の延性・靭性を有する球状黒鉛鋳鉄と比較すると被削性に優れている。また、1000℃で60分保持した後に油冷し、さらに最初の温度より少し低い温度で所定時間保持した後に空冷することにより、800MPa〜1300MPa程度の引張強度、HB250(HRB105,HRC26(SAE J 417硬さ換算表からの換算値、なおHRB105は試験タイプの有効な実用範囲を超えるため参考値である))〜HB350(HRB122,HRC41(SAE J 417硬さ換算表からの換算値、なおHRB122は試験タイプの有効な実用範囲を超えるため参考値である))程度の硬度を有する金属組織を得ることができる。このような金属組織はパーライト中心であるために硬く、被削性に劣るが、耐摩耗性に優れている。ただし、硬すぎることによる摺動相手材への攻撃性を有する可能性がある。
なお、本実施の形態において、この熱処理工程では、摺動部品基体の硬度がHRB90(HB176(SAE J 417硬さ換算表からの換算値))よりも高くHRB100(HB219(SAE J 417硬さ換算表からの換算値))よりも低くなるような条件下で熱処理される。なお、摺動部品基体が半溶融ダイキャスト成形法により製造される場合、摺動部品基体の硬度はその摺動部品基体の引張強度と比例関係になることが明らかとなっているので、このときの摺動部品基体の引張強度は600MPaから900MPaの範囲にほぼ相当する。
c)仕上げ工程
仕上げ工程では、摺動部品基体が機械加工されて摺動部品の完成となる。なお、摺動部品基体が可動スクロール基体や固定スクロール基体である場合、渦巻部はエンドミル加工される。
d)部分熱処理工程
部分熱処理工程では、摺動部品の特定部位にレーザ加熱処理あるいは高周波加熱処理が行われ、その特定部位の疲労強度や耐摩耗性が向上させられる。具体的に述べると、固定スクロール24の場合は、圧縮機1の運転中に応力が集中するラップ24bの付け根部の周辺部SC1にレーザ加熱処理が施され、ラップ24bの最内部SC2に高周波加熱処理が施される(図2および図3参照)。可動スクロール26の場合は、圧縮機1の運転中に応力が集中するラップ26bの付け根部の周辺部SC3および軸受部26cの付け根部の周辺部SC4にレーザ加熱処理が施され、鏡板26aの設計中心付近に形成される切欠部SC5およびラップ26bの最内部SC6に高周波加熱処理が施される(図4および図6参照)。クランク軸17の場合は、耐摩耗性が求められる偏心軸部17aおよび主軸部17bに高周波加熱処理が施され、圧縮機の運転中に応力が集中する偏心軸部17aと主軸部17bとの間に存在する切欠部の周辺部SC7にレーザ加熱処理が施される(図7参照)。オルダムリング39の場合は、耐摩耗性が求められる可動スクロール側キー部39a,39bおよびハウジング側キー部39c,39dに高周波加熱処理が施される(図8、図9、および図10参照)。なお、上記レーザ加熱処理および高周波加熱処理では、加熱部分の表面硬度がHRC50〜HRC65となるようにレーザ光や高周波が照射される。
〔高低圧ドーム型スクロール圧縮機の運転動作〕
駆動モータ16が駆動されると、クランク軸17が回転し、可動スクロール26が自転することなく公転運転を行う。すると、低圧のガス冷媒が、吸入管19を通って圧縮室40の周縁側から圧縮室40に吸引され、圧縮室40の容積変化に伴って圧縮され、高圧のガス冷媒となる。そして、この高圧のガス冷媒は、圧縮室40の中央部から吐出通路41を通ってマフラー空間45へ吐出され、その後、連絡通路46、スクロール側通路47、ハウジング側通路48、吐出口49を通って間隙空間18へ流出し、案内板58と胴部ケーシング部11の内面との間を下側に向かって流れる。そして、このガス冷媒は、案内板58と胴部ケーシング部11の内面との間を下側に向かって流れる際に、一部が分流して案内板58と駆動モータ16との間を円周方向に流れる。なお、このとき、ガス冷媒に混入している潤滑油が分離される。一方、分流したガス冷媒の他部は、モータ冷却通路55を下側に向かって流れ、モータ下部空間にまで流れた後、反転してステータ51とローター52との間のエアギャップ通路、または連絡通路46に対向する側(図1における左側)のモータ冷却通路55を上方に向かって流れる。その後、案内板58を通過したガス冷媒と、エアギャップ通路又はモータ冷却通路55を流れてきたガス冷媒とは、間隙空間18で合流して吐出管20の内端部36から吐出管20に流入し、ケーシング10外に吐出される。そして、ケーシング10外に吐出されたガス冷媒は、冷媒回路を循環した後、再度吸入管19を通ってスクロール圧縮機構15に吸入されて圧縮される。
〔高低圧ドーム型スクロール圧縮機の特徴〕
(1)
第1実施形態では、クランク軸17、可動スクロール26、固定スクロール24、及びオルダムリング39が半溶融ダイキャスト成形工程および熱処理工程を経て製造される。このため、従来の砂型鋳造方法などに比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く抑えることができると共に研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができる。また、従来の砂型鋳造方法などにより製造される片状黒鉛鋳鉄製のクランク軸17、可動スクロール26、固定スクロール24、およびオルダムリング39よりも高引張強度かつ高硬度のクランク軸17、可動スクロール24、固定スクロール26、及びオルダムリング39を容易に得ることができる。
(2)
第1実施形態では、クランク軸基体、可動スクロール基体、固定スクロール基体、及びオルダムリング基体が半溶融ダイキャスト成形工程および熱処理工程を経て製造され、その硬度がHRB90よりも高くHRB100よりも小さくなるように調整される。そして、このとき、クランク軸基体、可動スクロール基体、固定スクロール基体、及びオルダムリング基体の引張強度は、600MPaから900MPaの範囲にほぼ相当する。このため、この圧縮機の摺動部品の製造方法を採用すれば、可動スクロール26および固定スクロール24の鏡板24a,26aや渦巻部24b,26bを薄肉化したり、オルダムリング39を薄肉化したりすることができる。また、クランク軸17を小径化することもできる。したがって、スクロール圧縮機1を小径化することができ、引いてはスラスト損失の低減や大容量化が可能となる。また、アンローダピストンによる容量制御機においても、高圧縮比運転時に容量制御を行った場合には、渦巻に発生する応力が通常運転時(フルロード時)よりも大きくなるが、強度が高くなっている上、靭性に富むため、渦巻に損傷などが発生する可能性を小さくすることができる。また、このようなクランク軸17や、可動スクロール26、固定スクロール24、オルダムリング39は、FC材と比較すると靭性に優れているため、突発的な内圧上昇や異物噛み込みに対して損傷が発生しにくい。仮に損傷しても細かいゴミができにくく配管の洗浄が不要になる。また、砂型鋳造方法により製造される片状黒鉛鋳鉄のようなクランク軸基体や、可動スクロール基体、固定スクロール基体、オルダムリング基体を機械加工して最終的なクランク軸17や、可動スクロール26、固定スクロール24、オルダムリング39とする場合、通常、加工による歪みを除去するため、クランク軸基体や、可動スクロール基体、固定スクロール基体、オルダムリング基体を何度か掴み代えている。しかし、このような引張強度が高いクランク軸基体や、可動スクロール基体、固定スクロール基体、オルダムリング基体を機械加工する場合、加工による歪みを心配する必要がない。したがって、本製造方法を採用すれば、この掴み代えにかかっているコストを削減することができる。
(3)
半溶融ダイキャスト成形法により製造された摺動部品が熱処理される場合、その摺動部品の引張強度はその硬度と比例関係にあることが判明している。したがって、本発明の実施の形態に係る摺動部品については、硬度を測定するだけで引張強度を保証することができる。
(4)
第1実施形態の熱処理工程では、クランク軸基体、可動スクロール基体、固定スクロール基体、及びオルダムリング基体の硬度がHRB90よりも高くHRB100よりも低くなるように熱処理が行われる。このため、この圧縮機の摺動部品の製造方法を採用すると、圧縮機運転時において十分な耐久性を発現することができ、かつ、可及的早い時期に「なじみ」が起こりやすく、かつ、異常運転時において焼付きが生じることがないクランク軸17、可動スクロール26、固定スクロール24、及びオルダムリング39を製造することができる。また、硬度がこの範囲である場合、クランク軸基体、可動スクロール基体、固定スクロール基体、及びオルダムリング基体の被削性が良好になるとともにクランク軸基体、可動スクロール基体、固定スクロール基体、及びオルダムリング基体にキズが入りにくく取り扱いが楽になる。このため、工具摩耗や工具の欠けが発生しにくくなって工具寿命が延び、かつ、構成刃先ができにくくなり切り粉の処理性が良好となるともに加工時間を短縮できるため加工コストが低減する。ちなみに、同引張強度のFCDに対して、硬度が低い(同じ硬度であれば引張強度が高い)ため、工具摩耗や加工時間に優れるにもかかわらず、高引張強度化できるとも言える。また、FC材と比べると表面粗度がでやすいので、可動スクロール26が、オルダムリング39やシールリング(図示せず)等を攻撃するおそれがなくなる。
(5)
第1実施形態の部分熱処理工程では、固定スクロール24の応力集中部(ラップ24bの付け根部の周辺部SC1及びラップ24bの最内部SC2)に部分熱処理が施される。このため、この固定スクロール24において、摺動性の必要な摺動部に良好ななじみ性を持たせたまま応力集中部に十分な疲労強度を付与することができる。
(6)
第1実施形態の部分熱処理工程では、可動スクロール26の応力集中部(ラップ26bの付け根部の周辺部SC3、鏡板26aの設計中心付近に形成される切欠部SC5、軸受部26cの付け根部の周辺部SC4、及びラップ26bの最内部SC6)に部分熱処理が施される。このため、この可動スクロール26において、摺動性の必要な摺動部に良好ななじみ性を持たせたまま応力集中部に十分な疲労強度を付与することができる。
(7)
第1実施形態の部分熱処理工程では、クランク軸17の偏心軸部17aおよび主軸部17bに高周波加熱処理が施される。このため、偏心軸部17aおよび主軸部17bに十分な耐摩耗性を付与することができる。したがって、クランク軸17を長寿命化することができる。
(8)
第1実施形態の部分熱処理工程では、クランク軸17の偏心軸部17aと主軸部17bとの間に存在する切欠部の周辺部SC7にレーザ加熱処理が施される。このため、クランク軸17の応力集中部に十分な疲労強度を付与することができる。
(9)
第1実施形態の半溶融ダイキャスト成形では、バランスウェイト部がクランク軸17と一体に成形されている。このため、バランスウェイトにリング部などを設ける必要がない。したがって、バランスウェイトにかかる材料費を低減することができる。また、従来、バランスウェイトの製造では、バランスウェイトを大まかな形状に鋳抜いた後、加工してそのバランスを調整する等の工程が必要があったが、本発明に係るクランク軸17は半溶融ダイキャスト成形法により製造されるので、最終形状に非常に近い形状まで成形でき、圧縮機製造の工程数を低減することができる。したがって、この圧縮機のクランク軸17は、圧縮機の製造コストを低減することができる。
(10)
第1実施形態の部分熱処理工程では、オルダムリング39の可動スクロール側キー部39a,39bおよびハウジング側キー部39c,39dに高周波加熱処理が施される。このため、可動スクロール側キー部39a,39bおよびハウジング側キー部39c,39dに十分な体摩耗性を付与することができる。したがって、オルダムリング39を長寿命化することができる。
〔変形例〕
(A)
第1実施形態では密閉型の高低圧ドーム型スクロール圧縮機1が採用されたが、圧縮機は、高圧ドーム型の圧縮機であっても低圧ドーム型の圧縮機であってもよい。また、半密閉形や開放型の圧縮機であってもよい。
(B)
第1実施形態に係るスクロール圧縮機1ではスクロール圧縮機構15が採用されたが、圧縮機構は、ロータリー圧縮機構や、レシプロ圧縮機構、スクリュー圧縮機構などであってもよい。また、スクロール圧縮機構15は、両歯や共回りタイプのスクロールであってもよい。
(C)
第1実施形態では鉄素材としてC:2.3〜2.4wt%、Si:1.95〜2.05wt%、Mn:0.6〜0.7wt%、P:<0.035wt%、S:<0.04wt%、Cr:0.00〜0.50wt%、Ni:0.50〜1.00wt%が添加されているビレットが採用されたが、鉄素材の元素割合は、本発明の趣旨を損ねない限り、任意に決定することができる。
(D)
第1実施形態では自転防止機構としてオルダムリング39が採用されているが、自転防止機構としてピン、ボールカップリング、クランク等、いかなる機構が採用されてもよい。
(E)
第1実施形態ではスクロール圧縮機1が冷媒回路内で用いられる場合を例に挙げたが、用途に付いては空調用に限定するものではなく、単体もしくはシステムに組込まれて用いられる圧縮機や送風機、過給機、ポンプなどであってもよい。
(F)
第1実施形態に係るスクロール圧縮機1には潤滑油が存在したが、オイルレス若しくはオイルフリー(油があってもなくてもよい)タイプの圧縮機、送風機、過給機、ポンプであってもよい。
(G)
第1実施形態では、摺動部品基体が仕上げ工程を経て最終的な摺動部品とされたが、半溶融ダイキャスト成形工程においてほぼ完成品に近いニアネットシェイプ化が可能な場合は、仕上げ工程を省略してもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態に係るスイング圧縮機101は、図11に示されるように、2シリンダタイプのスイング圧縮機であって、主に、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング110、スイング圧縮機構115、駆動モータ116、吸入管119、吐出管120、およびマフラー160から構成されている。なお、このスイング圧縮機101には、ケーシング110にアキュームレータ(気液分離器)210が取り付けられている。以下、このスイング圧縮機101の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
〔スイング圧縮機の構成部品の詳細〕
(1)ケーシング
ケーシング110は、略円筒状の胴部ケーシング部111と、胴部ケーシング部111の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部112と、胴部ケーシング部111の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部113とを有する。そして、このケーシング110には、主に、ガス冷媒を圧縮するスイング圧縮機構115と、スイング圧縮機構115の上方に配置される駆動モータ116とが収容されている。このスイング圧縮機構115と駆動モータ116とは、ケーシング110内を上下方向に延びるように配置されるクランク軸117によって連結されている。
(2)スイング圧縮機構
スイング圧縮機構115は、図11および図12に示されるように、主に、クランク軸117と、ピストン121と、ブッシュ122と、フロントヘッド123と、第1シリンダブロック124と、ミドルプレート125と、第2シリンダブロック126と、リアヘッド127とから構成されている。なお、本実施の形態において、フロントヘッド123、第1シリンダブロック124、ミドルプレート125、第2シリンダブロック126、及びリヤヘッド127は、複数本のボルト190によって一体に締結されている。また、本実施の形態において、このスイング圧縮機構115はケーシング110の底部に貯められている潤滑油Lに浸漬されており、スイング圧縮機構115には、潤滑油Lが差圧給油されるようになっている。以下、このスイング圧縮機構115の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
a)第1シリンダブロック
第1シリンダブロック124には、図13に示されるように、シリンダ孔124a、吸入孔124b、吐出路124c、ブッシュ収容孔124d、およびブレード収容孔124eが形成されている。シリンダ孔124aは、図11および図13に示されるように、板厚方向に沿って貫通する円柱状の孔である。吸入孔124bは、外周壁面からシリンダ孔124aに貫通している。吐出路124cは、シリンダ孔124aを形作る円筒部の内周側の一部が切り欠かれることによって形成されている。ブッシュ収容孔124dは、板厚方向に沿って貫通する孔であって、板厚方向に沿って見た場合において吸入孔124bと吐出路124cとの間に配置されている。ブレード収容孔124eは、板厚方向に沿って貫通する孔であって、ブッシュ収容孔124dと連通している。
そして、この第1シリンダブロック124は、シリンダ孔124aにクランク軸117の偏心軸部117aおよびピストン121のローラー部121aが収容され、ブッシュ収容孔124dにピストン121のブレード部121bおよびブッシュ122が収容され、ブレード収容孔124eにピストン121のブレード部121bが収容された状態で吐出路124cがフロントヘッド123側を向くようにしてフロントヘッド123とミドルプレート125とに嵌合される(図12参照)。この結果、スイング圧縮機構115には第1シリンダ室Rc1が形成され、この第1シリンダ室Rc1はピストン121によって吸入孔124bと連通する吸入室と、吐出路124cと連通する吐出室とに区画されることになる。
b)第2シリンダブロック
第2シリンダブロック126には、第1シリンダブロック124と同様、図13に示されるように、シリンダ孔126a、吸入孔126b、吐出路126c、ブッシュ収容孔126d、およびブレード収容孔126eが形成されている。シリンダ孔126aは、図11および図13に示されるように、板厚方向に沿って貫通する円柱状の孔である。吸入孔126bは、外周壁面からシリンダ孔126aに貫通している。吐出路126cは、シリンダ孔126aを形作る円筒部の内周側の一部が切り欠かれることによって形成されている。ブッシュ収容孔126dは、板厚方向に沿って貫通する孔であって、板厚方向に沿って見た場合において吸入孔126bと吐出路126cとの間に配置されている。ブレード収容孔126eは、板厚方向に沿って貫通する孔であって、ブッシュ収容孔126dと連通している。
そして、この第2シリンダブロック126は、シリンダ孔126aにクランク軸117の偏心軸部117bおよびピストン121のローラー部121aが収容され、ブッシュ収容孔126dにピストン121のブレード部121bおよびブッシュ122が収容され、ブレード収容孔126eにピストン121のブレード部121bが収容された状態で吐出路126cがリアヘッド127側を向くようにしてリアヘッド127とミドルプレート125とに嵌合される(図12参照)。この結果、スイング圧縮機構115には第2シリンダ室Rc2が形成され、この第2シリンダ室Rc2はピストン121によって吸入孔126bと連通する吸入室と、吐出路126cと連通する吐出室とに区画されることになる。
c)クランク軸
クランク軸117には、一方の端部に2つの偏心軸部117a,117bが設けられている。なお、この2つの偏心軸部117a,117bは、互いの偏心軸がクランク軸117の中心軸を挟んで対向するように形成されている。また、このクランク軸117は、偏心軸部117a,117bが設けられていない側が駆動モータ116のローター152に固定されている。
d)ピストン
ピストン121は、略円筒状のローラー部121aと、ローラー部121aの径方向外側に突出するブレード部121bとを有する。なお、ローラー部121aは、クランク軸117の偏心軸部117a,117bに嵌合された状態でシリンダブロック124,126のシリンダ孔124a,126aに挿入される。これにより、ローラー部121aは、クランク軸117が回転すると、クランク軸117の回転軸を中心とした公転運動を行う。また、ブレード部121bは、ブッシュ収容孔124d、126dおよびブレード収容孔124e,126eに収容される。これによりブレード部121bは、揺動すると同時に長手方向に沿って進退運動を行うことになる。
e)ブッシュ
ブッシュ122は、略半円柱状の部材であって、ピストン121のブレード部121bを挟み込むようにしてブッシュ収容孔124d,126dに収容される。
f)フロントヘッド
フロントヘッド123は、第1シリンダブロック124の吐出路124c側を覆う部材であって、ケーシング110に嵌合されている。このフロントヘッド123には軸受部123aが形成されており、この軸受部123aにはクランク軸117が挿入される。また、このフロントヘッド123には、第1シリンダブロック124に形成された吐出路124cを通って流れてくる冷媒ガスを吐出管120に導くための開口123bが形成されている。そして、この開口123bは、冷媒ガスの逆流を防止するための吐出弁(図示せず)により閉塞されたり開放されたりする。
g)リアヘッド
リアヘッド127は、第2シリンダブロック126の吐出路126c側を覆う。このリアヘッド127には軸受部127aが形成されており、この軸受部127aにはクランク軸117が挿入される。また、このリアヘッド127には、第2シリンダブロック126に形成された吐出路126cを通って流れてくる冷媒ガスを吐出管120に導くための開口(図示せず)が形成されている。そして、この開口は、冷媒ガスの逆流を防止するための吐出弁(図示せず)により閉塞されたり開放されたりする。
h)ミドルプレート
ミドルプレート125は、第1シリンダブロック124と第2シリンダブロック126との間に配置され、第1シリンダ室Rc1と第2シリンダ室Rc2とを区画する。
(3)駆動モータ
駆動モータ116は、本実施の形態において直流モータであって、主に、ケーシング110の内壁面に固定された環状のステータ151と、ステータ151の内側に僅かな隙間(エアギャップ通路)をもって回転自在に収容されたローター152とから構成されている。
ステータ151には、ティース部(図示せず)に銅線が巻回されており、上方および下方にコイルエンド153が形成されている。また、ステータ151の外周面には、ステータ151の上端面から下端面に亘り且つ周方向に所定間隔をおいて複数個所に切欠形成されているコアカット部(図示せず)が設けられている。
ローター152には、回転軸に沿うようにクランク軸117が固定されている。
(4)吸入管
吸入管119は、ケーシング110を貫通するように設けられており、一端が第1シリンダブロック124および第2シリンダブロック126に形成される吸入孔124b,126bに嵌め込まれており、他端がアキュームレータ210に嵌め込まれている。
(5)吐出管
吐出管120は、ケーシング110の上壁部112を貫通するように設けられている。
(6)マフラー
マフラー160は、冷媒ガスの吐出音を消音するためのものであって、フロントヘッド123に取り付けられている。
〔摺動部品の製造方法〕
本実施の形態に係るスイング圧縮機101において、ピストン121及びクランク軸117は、第1実施形態の摺動部品の製造方法と同様の製造方法で製造される。なお、このとき、熱処理工程では、ピストン121及びクランク軸117は、硬度がHRB90よりも高くHRB100よりも低くなるような条件下で熱処理される。
また、本実施の形態に係るスイング圧縮機101において、仕上げ工程後、シリンダブロック124,126のブッシュ収容孔124d,126dに高周波加熱器が挿入され、ブッシュ収容孔124d,126d周辺の部分の硬度がHRC50よりも高くHRC65よりも低くなるようにシリンダブロック124,126に高周波加熱処理が施される。なお、高周波加熱処理前のシリンダブロック124,126は、硬度がHRB90よりも高くHRB100よりも低くなるような条件下で熱処理される。また、クランク軸117は、仕上げ工程後、フロントヘッド123およびリアヘッド127に収容される主軸部および副軸部の部分に高周波加熱処理が施される。
〔スイング圧縮機の運転動作〕
駆動モータ116が駆動されると、偏心軸部117a,117bがクランク軸117周りに偏心回転して、この偏心軸部117a,117bに嵌合されたローラー部121aが、外周面をシリンダ室Rc1,Rc2の内周面に接して揺動する。そして、ローラー部121aがシリンダ室Rc1,Rc2内で揺動するに伴って、ブレード部121bは両側面をブッシュ122によって保持されながら進退動する。そうすると、吸入口119から低圧の冷媒ガスが吸入室に吸入されて、吐出室で圧縮されて高圧にされた後、吐出路124c,126cから高圧の冷媒ガスが吐出される。
〔スイング圧縮機の特徴〕
(1)
第2実施形態では、シリンダブロック124,126およびピストン121が半溶融ダイキャスト成形工程および熱処理工程を経て製造される。このため、従来の砂型鋳造方法により製造される片状黒鉛鋳鉄製のシリンダブロックやピストンよりも高引張強度かつ高剛性のシリンダブロックやピストンを容易に得ることができる(熱処理を施すことによりFC250より高強度・高剛性となるため)。
(2)
第2実施形態では、シリンダブロック124,126およびピストン121が半溶融ダイキャスト成形工程および熱処理工程を経て製造され、その硬度がHRB90よりも高くHRB100よりも小さくなるように調整される。そして、このとき、シリンダブロック124,126およびピストン121は、600MPaから900MPaの範囲にほぼ相当する。このため、この圧縮機の摺動部品の製造方法を採用すれば、シリンダブロック124,126およびピストン121を薄肉化することができる。したがって、スイング圧縮機101を小径化することができ、引いてはシリンダブロック124,126やピストン121の摩耗の低減や圧縮容量の大容量化が可能となる。
(3)
第2実施形態の熱処理工程では、シリンダブロック基体およびピストン基体の硬度がHRB90よりも高くHRB100よりも低くなるような熱処理が行われる。このため、この圧縮機の摺動部品の製造方法を採用すると、圧縮機運転時において十分な耐久性を発現することができ、かつ、可及的早い時期に「なじみ」が起こりやすく、かつ、異常運転時において焼付きが生じることがないシリンダブロック124,126およびピストン121を製造することができる。また、硬度がこの範囲である場合、シリンダブロック基体およびピストン基体の被削性が良好になるとともにシリンダブロック基体およびピストン基体にキズが入りにくく取り扱いが楽になる。このため、工具摩耗や工具の欠けが発生しにくくなって工具寿命が延び、かつ、構成刃先ができにくくなり切り粉の処理性が良好となるともに加工時間を短縮できるため加工コストが低減する。ちなみに、同引張強度のFCDに対して、硬度が低い(同じ硬度であれば引張強度が高い)ため、工具摩耗や加工時間に優れるにもかかわらず、高引張強度化できるとも言える。
(4)
第2実施形態では、シリンダブロック124,126が半溶融ダイキャスト成形工程および熱処理工程を経て製造された後、さらにブッシュ収容孔124d,126dに高周波加熱器が挿入され、ブッシュ収容孔124d,126d周辺の部分の硬度がHRC50よりも高くHRC65よりも低くなるように焼入れ処理が施される。このため、CO2等の自然冷媒が吸入されてもブッシュ収容孔124d,126d周辺の部分の摩耗が抑制される。
(5)
第2実施形態では、クランク軸117のうちフロントヘッド123およびリアヘッド127に収容される主軸部、副軸部、およびピストン121が嵌合される偏心軸部の部分に高周波加熱処理が施される。このため、主軸部、副軸部、および偏心軸部の部分に十分な耐摩耗性を付与することができる。したがって、クランク軸117を長寿命化することができる。
〔変形例〕
(A)
第2実施形態では、スイング圧縮機101のシリンダブロック124,126およびピストン121の硬度がHRB90よりも大きくHRB100よりも小さくなるようにシリンダブロック124,126およびピストン121が熱処理された後、ブッシュ収容孔124d,126dに高周波加熱器が挿入され、ブッシュ収容孔124d,126d周辺の部分の硬度がHRC50よりも高くHRC65よりも低くなるように焼入れ処理が施された。また、クランク軸117のうちフロントヘッド123およびリアヘッド127に収容される主軸部および副軸部の部分に高周波加熱処理が施された。ここで、このような硬度調節技術を図14に示されるようなロータリー圧縮機201のシリンダブロック224や、ローラー221、クランク軸に適用してもよい。つまり、ロータリー圧縮機201のシリンダブロック224、ローラー221、及びクランク軸の硬度がHRB90よりも大きくHRB100よりも小さくなるようにシリンダブロック224、ローラー221、及びクランク軸が熱処理された後、ベーン収容孔224dに高周波加熱器が挿入され、ベーン収容孔224d周辺の部分の硬度がHRC50よりも高くHRC65よりも低くなるようにシリンダブロック224に焼入れ処理が施されたり、クランク軸のうちフロントヘッドおよびリアヘッドに収容される主軸部および副軸部の部分に高周波加熱処理が施されたりしてもよいということである(図15参照)。また、ベーン222が同様の方法で製造されてもよい。なお、図14および図15において、符号224aはシリンダ孔を示し、符号224cは吐出路を示し、符号224bは吸入孔を示し、符号217はクランク軸を示し、符号217aはクランク軸の偏心軸部を示し、符号223はスプリングを示し、符号Rc3はシリンダ室を示している。
(B)
第2実施形態に係るスイング圧縮機101は2シリンダタイプのスイング圧縮機であったが、1シリンダタイプのスイング圧縮機であってもよい。
(C)
第2実施形態では特に言及しなかったが、図16に示されるように、応力が集中しやすいブレード部121bの付け根部の周辺部SC8に部分熱処理を行ってもよい。このようにすれば、ブレード部121bに少々大きな荷重がかかってもピストン121が破壊しにくい。
本発明に係る圧縮機の摺動部品は、砂型鋳造部品に比べて原材料費や、機械加工費、工具消耗品代が低く且つ研削廃材や加工廃液などの破棄物を低減することができ、しかも十分な疲労強度や耐摩耗性を有するという特徴を有するので、更新需要向けの圧縮機として有用である。
第1実施形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機の縦断面図である。 第1実施形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機に組み込まれる固定スクロールを設計中心線を含む面で切った時の縦断面図である。 第1実施形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機に組み込まれる固定スクロールの下面図である。 第1実施形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機に組み込まれる可動スクロールを設計中心線を含む面で切った時の縦断面図である。 第1実施形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機に組み込まれる可動スクロールの上面図である。 第1実施形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機に組み込まれる可動スクロールの下面図である。 第1実施形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機に組み込まれるクランク軸の縦断面図である。 第1実施形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機に組み込まれるオルダムリングの上面図である。 第1実施形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機に組み込まれるオルダムリングの側面図である。 第1実施形態に係る高低圧ドーム型スクロール圧縮機に組み込まれるオルダムリングの下面図である。 第2実施形態に係るスイング圧縮機の縦断面図である。 第2実施形態に係るスイング圧縮機のシリンダ室の横断面図である。 第2実施形態に係るのシリンダブロックの上面図である。 第2実施形態の変形例(A)に係るロータリー圧縮機のシリンダ室の横断面図である。 第2実施形態の変形例(A)に係るロータリー圧縮機のシリンダブロックの上面図である。 第2実施形態の変形例(C)に係るスイング圧縮機のピストンの上面図である。
符号の説明
17,117 クランク軸(摺動部品,クランク軸部品)
17a 偏心軸部
17b 主軸部
17c バランスウェイト部
24 固定スクロール(摺動部品,スクロール部品)
24a,26a 鏡板(板部)
24b,26b ラップ(渦巻部)
26 可動スクロール(摺動部品,スクロール部品)
26c 軸受部
39 オルダムリング(摺動部品,自転防止部材)
39a,39b 可動スクロール側キー部(キー部)
39c,39d ハウジング側キー部(キー部)
121 ピストン(ピストン部品)
121a ローラー部
121b ブレード部
124,126,224 シリンダブロック(摺動部品)
SC1,SC2,SC3,SC4,SC5,SC6,SC7,SC8 応力集中部

Claims (23)

  1. 半溶融ダイキャスト成形法により製造される圧縮機の摺動部品であって、
    一部(17a,17b,39a,39b,39c,39d,SC1,SC2,SC3,SC4,SC5,SC6,SC7)に部分熱処理が施されている、
    圧縮機の摺動部品(17,24,26,39,117,124,126,224)。
  2. 半溶融ダイキャスト成形法により製造される圧縮機のスクロール部品であって、
    応力集中部(SC1,SC2,SC3,SC4,SC5,SC6)に部分熱処理が施されている、
    圧縮機のスクロール部品(24,26)。
  3. 板部(24a,26a)と、前記板部の第1板面から前記第1板面に垂直な方向に向かって渦巻形状を保持しながら延びる渦巻部(24b,26b)とを備え、
    前記応力集中部は、前記渦巻部の付け根部の周辺部(SC1,SC3)である、
    請求項2に記載の圧縮機のスクロール部品。
  4. 板部(26a)と、前記板部の第1板面から前記第1板面に垂直な方向に向かって渦巻形状を保持しながら延びる渦巻部(26b)とを備え、
    前記応力集中部は、前記板部の前記第1板面側の中心付近に形成される切欠部(SC5)である、
    請求項2に記載の圧縮機のスクロール部品。
  5. 板部(26a)と、前記板部の第1板面から前記第1板面に垂直な方向に向かって渦巻形状を保持しながら延びる渦巻部(26b)と、前記板部の前記第1板面の裏側の面である第2板面から立設される軸受部(26c)とを備え、
    前記応力集中部は、前記軸受部の付け根部の周辺部(SC4)である、
    請求項2に記載の圧縮機のスクロール部品。
  6. 半溶融ダイキャスト成形法により製造され、偏心軸部(17a)および主軸部(17b)に部分熱処理が施されている、
    圧縮機のクランク軸部品(17,117)。
  7. 半溶融ダイキャスト成形法により製造され、応力集中部(SC7)に部分熱処理が施されている、
    圧縮機のクランク軸部品(17)。
  8. 主軸部(17b)と、軸が前記主軸部の軸とずれるように位置している偏心軸部(17a)とを備え、
    前記応力集中部は、前記主軸部と前記偏心軸部との間に設けられる切欠部の周辺部である、
    請求項7に記載の圧縮機のクランク軸部品。
  9. バランスウェイト部(17c)が一体形成されている、
    請求項6から8のいずれかに記載の圧縮機のクランク軸部品。
  10. 半溶融ダイキャスト成形法により製造され、摺動部(39a,39b,39c,39d)に部分熱処理が施されている、
    スクロール圧縮機の自転防止部材(39)。
  11. 環状の本体(39e)と、
    前記本体の軸を挟んで対向し前記本体から軸方向に沿って延びる一対のキー部と、
    を備え、
    前記摺動部は、キー部である、
    請求項10に記載のスクロール圧縮機の自転防止部材。
  12. 半溶融ダイキャスト成形法により製造され、応力集中部(SC8)に部分熱処理が施されている、
    スイング圧縮機のピストン部品(121)。
  13. 略円筒状のローラー部(121a)と、
    前記ローラー部の半径方向に沿って前記ローラー部の外周から延びるブレード部(121b)と、
    を備え、
    前記応力集中部は、前記ブレード部の付け根部の周辺部である、
    請求項12に記載のスイング圧縮機のピストン部品。
  14. 請求項1に記載の圧縮機の摺動部品が組み込まれる圧縮機。
  15. 二酸化炭素を圧縮する、
    請求項14に記載の圧縮機。
  16. 請求項2から5のいずれかに記載の圧縮機のスクロール部品が組み込まれるスクロール圧縮機。
  17. 二酸化炭素を圧縮する、
    請求項16に記載のスクロール圧縮機。
  18. 請求項6から9のいずれかに記載の圧縮機のクランク軸部品が組み込まれる圧縮機。
  19. 二酸化炭素を圧縮する、
    請求項18に記載の圧縮機。
  20. 請求項10または11に記載のスクロール圧縮機の自転防止部材が組み込まれるスクロール圧縮機。
  21. 二酸化炭素を圧縮する、
    請求項20に記載のスクロール圧縮機。
  22. 請求項12または13に記載のスイング圧縮機のピストン部品が組み込まれるスイング圧縮機。
  23. 二酸化炭素を圧縮する、
    請求項22に記載のスイング圧縮機。
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