JP2007240959A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 下ベルト方式で、加圧ローラとしてスポンジローラを用いた場合に生じる、画像上べた部のスポンジローラの発泡跡をなくすこと。
【解決手段】 上ローラ+下ベルトの構成で、ベルトの裏側からベルトを上ローラに加圧させる加圧部材が、その支持部材の上に、シリコーンゴム発泡体を基層とし、その上層の表層はLTVシリコーンゴムとした2層構成の定着装置とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた記録装置に関し、加熱溶融定着を行う定着装置に関するものである。
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、像担持体上に画像情報に基づいてトナー像を形成し、該トナー像を紙やOHPシート等の記録材上に転写し、トナー像を担持した記録材を定着装置に通して熱と圧力によりトナー像を記録材上に定着することが行われている。定着装置としては、主として定着ローラの内部に熱源(ハロゲンヒータ)を有する熱ローラ方式と、フィルム方式が知られている。
熱ローラ方式の定着装置は、熱源によって加熱される定着ローラと、この定着ローラとの間で定着ニップ部を形成する加圧ローラを有しており、画像を担持した記録材を定着ニップ部に通すことにより、定着ローラの熱によってトナーが溶融し、圧力により定着される。定着ローラは金属製の芯金よりなる構成が一般的であり、加圧ローラは金属製の芯金の表面にゴム等の弾性層を被覆した構成が一般的となっている。
ところが最近では、印刷速度の高速化に対応するため、図4に示すように加圧ローラに変えて、エンドレスベルトを定着ローラに当接する方式(下ベルト方式)が提案されている。かかる装置においては複数の搬送ローラによって、エンドレスベルトが張架されており、エンドレスベルトを定着ローラに所定角度巻き付けて広いニップ部形成されるような構成となっている。また、エンドレスベルトは内側から加圧部材によって、定着ローラ側に図示しないバネによって加圧されている。さらに加圧部材としては図4に示すような円柱状の金属製の芯金にシリコーンゴム発泡体(スポンジ)を被覆させたいわゆるスポンジローラが軽圧で定着ニップが大きくとれることから多く用いられてきた。
又、別の従来例としては、特許文献1をあげることが出来る。
特登録02951384号公報
しかしながら、上記のように下ベルト構成で加圧部材にスポンジローラを用いた定着装置では、特に光沢紙を用いた場合に顕著である、スポンジローラの発泡跡が生じる。これはスポンジローラの表面に存在する発泡によりエンドレスベルトの加圧が、局部的に圧抜けを起こしているのが原因で、特に記録シート上で高い濃度部でかつトナーが一様に載っている箇所に画像ムラとして現れてくる。
従って本発明の目的は、下ベルト方式で加圧部材としてスポンジ部材を用いた場合に生じるスポンジローラの発泡跡をなくすことができる定着装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、
発熱手段を内蔵して回転する加熱定着ローラと、
この加熱定着ローラに当接して回転するエンドレスベルトと、該エンドレスベルト内側に配置され、エンドレスベルトを加熱定着ローラに押圧させる加圧部材と、を具備した定着装置であって、前記エンドレスベルトを前記加熱定着ローラに所定角度巻き付けて、該エンドレスベルトと該加熱定着ローラとの間に記録シートが通過させられるニップ部を形成し、
前記加熱定着部材と加圧部材との間に記録シートを挿通させて未定着トナー像の定着を行う加熱定着装置において、
前記加圧部材は、支持部材の上に、シリコーンゴム発泡体を基層とし、その上層の表層はシリコーンゴムとした2層構成となっている
ことを特徴としている。
本発明によれば、前記加圧部材の構成として、加圧部材の支持部材の上に、シリコーンゴム発泡体(スポンジ)を基層とし、その上層の表層はシリコーンゴムとした2層構成となっているので、スポンジ層の表面に存在する発泡部による、局部的な加圧の圧抜けを、シリコーンゴムを被覆することでなくすことができ、加圧部材によって、エンドレスベルトが加熱定着ローラに、一様でかつ均一な圧力で圧接させることができるようになる。これによって、光沢紙で顕著であった、加圧部材のスポンジ発泡跡をなくすことができる。
以上説明したように本発明によれば、加圧部材の構成として加圧部材の支持部材の上にシリコーンゴム発泡体(スポンジ)を基層とし、その上の表層はシリコーンゴムとした2層構成で形成したので、スポンジ層表面に存在する発泡部による加圧の圧抜けをシリコーンゴムを被覆することでなくすことができ、加圧部材によってエンドレスベルトが加熱定着ローラに、一様でかつ均一な圧力で圧接させることができるようになった。これにより、従来、特に光沢紙で顕著であった加圧部材のスポンジ発泡跡をなくすことができるようになった。
(実施例1)
以下、添付図面に基づいて本発明の加熱定着装置を詳細に説明する。図1は本発明を適用可能な加熱定着装置の実施例を示すものである。同図に示すように、この加熱定着装置は、ヒータとしてのハロゲンランプ11を内蔵した加熱定着ローラ(加熱定着部材)1と、この加熱定着ローラ1の周面の一部に巻き付くようにして圧接され、かかる加熱定着ローラ1と相俟って記録シート6を挟み込むニップ領域を形成する無端状ベルト(以下エンドレスベルトという)2と、かかるニップ領域の終端部において上記エンドレスベルト2の内側から加熱定着ローラ1に圧接し、加熱定着ローラ1と記録シート6との分離を行う分離ローラ3と、やはり上記ニップ領域内において加熱定着ローラ1に圧接し、定着ニップの一部を形成する加圧ローラ4とから構成され、未定着トナー像5を担持した記録シート6が上記加熱定着ローラ1とエンドレスベルト2の間に挿通されるようになっている。
先ず、上記加熱ローラ1は金属製の芯金12の周囲を弾性体層13で被覆すると共に、かかる芯金12の内部に出力650Wのハロゲンランプ11を収容したものであり、上記芯金12としては肉厚1.5mm程度の熱伝導性に優れたアルミニウム製円筒体が用いられている。上記弾性体層13は耐熱性を備えた下地層13aと溶融したトナーの付着を防止するためのトップコート層13bとからなり、下地層13aには厚さ2.5mmのシリコーンゴムが、トップコート層13bには厚さ30μmのフッ素ゴムが夫々用いられ、下地層13aに対してトップコート層13bをディップコートすることで加熱ローラ1の周面を鏡面に近い表面状態に保たれている。また、この加熱ローラ1には図示外の駆動モータが接続されており、所定の角速度で回転駆動されるようになっている。
この加熱定着ローラ1の表面温度は常に温度センサ8によって検出されており、マイクロコンピュータからなる図示外の制御部は該検出温度に基づいて上記ハロゲンランプ11の点灯を制御し、加熱定着ローラ1の表面温度を常に所定の制御温度に維持するようになっている。
一方、上記エンドレスベルト2は厚さ75μmのポリイミドフィルムからなる基材の上に厚さ170μmの弾性層を設けると共に、かかる弾性層の上に厚さ30μmのフッ素ゴムからなる離型層を設けたものであり、上記分離ローラ3を含む2本のステンレス製ローラ3,22に対して架け回されると共に、加熱ローラ1の回動に連れ回されて自在に回転するように構成されている。
このエンドレスベルト2が架け回された分離ローラ3はコイルスプリング31によって加熱定着ローラ1の中心へ向け付勢されており、これによって分離ローラが当接した加熱定着ローラの弾性体層にはその内径に向かう歪みが生じており、この歪みにより記録シート6が加熱定着ローラ1より分離される。
一方、上記加圧ローラ4は圧力ローラ3よりもニップ領域の始端部側に隣接配設され、エンドレスベルト2の加熱ローラ1に対する圧接力を向上させ、ニップ領域を形成させるべく、かかるエンドレスベルト2の裏面側から加熱ローラ1に圧接している。
この加圧ローラ4はアルミ又はSUS製の円柱状の芯金41の上に、厚さ5〜6mmのシリコーンゴム発泡体(以下スポンジという)からなる弾性層42を基層とし、その上の表層に厚さ1mmのLTV(Low Temperature Vulcanization)シリコーンゴム層43を設けたものであり、やはりコイルスプリング44によって加熱ローラ1の中心に向け付勢されている。
なお、スポンジ層42及びLTVシリコーンゴム層43のゴム硬度は、アスカーC硬度で、それぞれ約30〜40°と約40°である。
そして、以上のように構成された本実施例の画像定着装置においては、上記加熱ローラ1とエンドレスベルト2との圧接によって形成されたニップ領域に対して記録シート6を挿通させると、かかる記録シート6に担持されていた未定着トナー像5が加熱・加圧されて記録シート6に定着され、更にかかるニップ領域の終端部で上記分離ローラ3を加熱ローラ1に圧接させたことにより、剥離爪等の強制的な剥離手段を用いることなく、ニップ領域を通過した記録シート6を加熱ローラ1から自然と剥離させることができるようになっている。
上記加圧ローラ4は、上述のようにスポンジ層42の上にLTVシリコーンゴム層43を被覆させた構成となっているが、このように構成したことで、スポンジ層42表面に存在する発泡の影響をなくすことができた。つまり、従来は、スポンジ層42の表面に存在する発泡により、加圧ローラ4の加圧が、表面に存在する発泡部で局部的な圧抜けを起こし、それが画像に出ていたが、本発明のようにスポンジ層42の上にLTVシリコーンゴム層43を被覆させた構成とすることにより、スポンジ層42表面に存在する発泡部での局部的な圧抜け現象をなくすことができ、加圧ローラ4により、エンドレスベルト2が加熱ローラ1側に、一様に均一な圧力で圧接させることができるようになった。これにより、従来、特に光沢紙で顕著であった、加圧ローラ4のスポンジ発泡の跡をなくすことができるようになった。
(実施例2)
実施例1では、定着ニップ領域の始端部で、エンドレスベルト2を加熱定着ローラ1に対して圧接させる加圧部材として、加圧ローラ4を用いたが図2に示すように加圧パッド51を用いてもよい。
この加圧パッド51は、分離ローラ3よりもニップ領域の始端部側に隣接配設されエンドレスベルト2の加熱ローラ1に対する圧接力を向上させるべく、かかるエンドレスベルトの裏側から加熱ローラ1に圧接している。この加圧パッド51は、ステンレス製の支持部材(ホルダー)52の上に、厚さ3mmのスポンジゴム層からなる弾性層53を基層とし、その上の表層に厚さ1mmのLTVシリコーンゴム層54を設けたものであり、コイルスプリング55によって加熱ローラ1の中心に向け付勢されている。
本実施例では、加圧パッド51を分離ローラ3に隣接して配設することができるので、実施例1の図1に示すようにニップ領域で圧がかかっていない領域Xを少なくすることができる。よって本実施例では実施例1で述べた効果の他に実施例1のように加圧ローラ4を用いた場合に比べ、特に厚紙で顕著であった画像がずれてしまう現象(以下「画ずれ」という)をなくすことができた。
(実施例3)
実施例1及び2ではエンドレスベルト2は2本及び3本のローラによって張架されていたが、図3に示すようにベルト走行ガイド61によってエンドレスベルト2がスムーズに摺動回転させるように構成したフリーベルト方式の定着装置にも本発明は適用できる。この場合加圧部材は、図3に示すように実施例2と同様に加圧パッドを用いる。また、エンドレスベルト2は加熱定着ローラ1の回転に伴い従動回転する。
本実施例では、エンドレスベルト2を複数のローラによって張架した場合に比べてエンドレスベルト部を小型化することができるので、定着装置全体として小型化・省スペースに適した構成となる。
本発明の第1の実施例に係る加熱定着装置の概略構成を示す図である。 本発明の第2の実施例に係る加熱定着装置の概略構成を示す図である。 本発明の第3の実施例に係る加熱定着装置の概略構成を示す図である。 従来の定着装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
1 加熱ローラ
2 エンドレスベルト
3 分離ローラ
4 加圧ローラ
5 トナー像
6 記録シート
11 ハロゲンランプ
51 加圧パッド
61 ベルト走行ガイド

Claims (4)

  1. 発熱手段を内蔵して回転する加熱定着ローラと、
    この加熱定着ローラに当接して回転するエンドレスベルトと、該エンドレスベルト内側に配置され、エンドレスベルトを加熱定着ローラに押圧させる加圧部材と、を具備した定着装置であって、前記エンドレスベルトを前記加熱定着ローラに所定角度巻き付けて、該エンドレスベルトと該加熱定着ローラとの間に記録シートが通過させられるニップ部を形成し、
    前記加熱定着部材と加圧部材との間に記録シートを挿通させて未定着トナー像の定着を行う加熱定着装置において、
    前記加圧部材は、支持部材の上に、シリコーンゴム発泡体を基層とし、その上層の表層はシリコーンゴムとした2層構成となっている
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記加圧部材はローラ状であり、該支持部材は金属性の円筒状又は円柱状の芯金であり、その上の層構成が、シリコーンゴム発泡体を基層とし、その上層の表層はシリコーンゴムとした2層構成となっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加圧部材は加圧パッドであり、該支持部材は金属性の板状のホルダーであり、その上の層構成が、シリコーンゴム発泡体を基層とし、その上層の表層はシリコーンゴムとした2層構成となっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記加圧部材における表層のシリコーンゴムは、LTV(Low Temperature Vulcanizing)シリコーンゴムを用いていることを特徴とする請求項1〜3に記載の定着装置。
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