JP2007240704A - 騒音キャンセルヘッドフォン、及びその特性ばらつき調整方法 - Google Patents

騒音キャンセルヘッドフォン、及びその特性ばらつき調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】騒音キャンセルヘッドフォンでは視聴者のヘッドフォン装着状態により、騒音キャンセルフィードバックループの伝達関数が大きく変わってしまいハウリング現象を起こすことがある。従来、補正回路の伝達関数をゲイン変化及びカットオフ周波数の両方で調整し安定化を図っていたが、調整が難しいという問題があった。
【解決手段】本発明の騒音キャンセルヘッドフォンは、音声信号のゲインを補正する補正回路21と、スピーカ13の音声と周囲の騒音をマイク14で集音しフィルタ回路22を通して補正回路の出力と差分を取り該差分信号でスピーカから音声が出力されるように構成されたゲインG11、G22のフィードバック制御回路と、補正回路とフィルタ回路の合成されたゲイン特性がほぼフラットになるように、フィードバック制御回路のゲインG22の変化に対応して補正回路とフィルタ回路のゲインを調整するばらつき調整回路23を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、騒音キャンセルヘッドフォン、及びその特性ばらつき調整方法に係り、特に騒音キャンセル制御ループの伝達関数の特性調整をゲイン特性のみで調整することができる騒音キャンセルヘッドフォン、及びその特性ばらつき調整方法に関する。
近年、周囲の騒音をキャンセルして音楽などを視聴することができる騒音キャンセルヘッドフォンが各社より製品化されている。これらの騒音キャンセルヘッドフォンは、周囲の騒音をマイクから入力し、スピーカから出力される騒音を逆位相で打ち消し、低騒音化を実現するようになっている。騒音キャンセルヘッドフォンに関する従来技術としては、特開平6−343195号公報(特許文献1)、特開平11−196488号公報(特許文献2)などを挙げることができる。
図14は、フィードバック制御により騒音キャンセルを実現するヘッドフォンの従来技術例を示したものである。図14を参照してフィードバック制御による騒音キャンセルについて簡単に説明する。なお、以下の説明では音響を含めて音声として記載する。
騒音キャンセル制御では、騒音をキャンセルする為に、吸音材などを利用した受動騒音制御だけでなく、電気的に制御して騒音と逆位相の信号を音源から発生することにより騒音を直接打ち消す能動騒音制御を行っている。これにより、受動騒音制御だけではキャンセルできない低域分を能動騒音制御によりキャンセルすることができる。以下の図14を参照して、従来の騒音低減制御のうち能動騒音制御について説明する。
図14において、1は騒音キャンセルヘッドフォンの制御回路部である。2は騒音キャンセルヘッドフォンの音声再生部(以下ヘッドフォンという)を示す。また、3は音楽などの音声信号をアナログ音声信号として出力する音声信号再生装置であり、図14ではシリコンプレーヤ(音楽データを記憶する記憶媒体が半導体メモリである携帯型オーディオ装置)となっている。制御回路部1とヘッドフォン2は、一体に構成されたものや別体として構成されたものがある。また、ヘッドフォン2はヘッドフォン型の他にイヤホン型のものもある。
音声信号再生装置3から入力されたアナログ音声信号は、制御回路部1で音声信号処理されてヘッドフォン2に出力され音声Sとして再生される。
制御回路部1は、補正回路4、信号増幅器5、アナログフィルタ6、ヘッドフォンアンプ7、マイクアンプ8などで構成されている。ヘッドフォン2は、スピーカ13、マイク14、ヘッドフォンハウジング12、バンド16などで構成されている。なお、15は視聴者の耳を簡略化して描いたものである。
音声信号再生装置3の出力部は補正回路4の入力部に接続されている。また、補正回路4の出力部は信号増幅器5の正入力端子に接続される。また、信号増幅器5の出力部はアナログフィルタ6の入力部に接続される。アナログフィルタ6の出力部はヘッドフォンアンプ7の入力部に接続されている。また、ヘッドフォンアンプ7の出力部はスピーカ13に接続されている。スピーカ13とマイク14はヘッドフォンハウジング12内に近接して取り付けられている。ユーザがヘッドフォン2を装着した状態で、マイク14はスピーカ13からの音声Sとヘッドフォンハウジング12を介してマイク14に届いた周囲の騒音Nの両方を集音するようになっている。ここで、騒音はヘッドフォンハウジング12を介してヘッドフォンハウジング12内の耳空間に届くので、ヘッドフォンハウジング12の外側の騒音をN’、内側の騒音をNと表現している。
補正回路4は、音声信号再生装置3から入力された音声信号を補正して、スピーカ13から出力される音声Sの可聴周波数範囲での周波数特性がほぼフラットの特性となるように設けられた補正回路である。また、信号増幅器5は、補正回路4から正入力端子に入力された音声信号と、マイクアンプ8から負入力端子に入力されたフィードバック信号の差分を増幅する偏差増幅器となっている。また、アナログフィルタ6は騒音を低減したい周波数帯域でゲインを大きくしたバンドパスフィルタとなっている。また、ヘッドフォンアンプ7は入力された信号を電力増幅してスピーカ13に供給する。マイク14は、スピーカ13から出力された音声S及び騒音Nを集音して電気信号に変換し、マイクアンプ8に供給する。マイクアンプ8はマイク14からの信号を増幅し、信号増幅器5の負入力端子にフィードバック信号として帰還させる。
このように制御回路部1、ヘッドフォン2、音声信号再生装置3で構成された音声再生システムは信号増幅器5、アナログフィルタ6、ヘッドフォンアンプ7、スピーカ13、マイク14、マイクアンプ8により負帰還のフィードバックループを構成する。この負帰還のフィードバックループにより騒音がキャンセルされるようになっている。
いま、騒音キャンセル制御におけるフィードバックループを考える。図14の音声再生システムの制御回路構成を、伝達関数を使ったブロック線図で表現すると図15のようになる。
図15において、101は、騒音キャンセルのフィードバックループにおける前向きの伝達関数G、102は後ろ向きの伝達関数G、103はフィードバック信号加算部を示している。ここで、補正回路4の出力部xからスピーカ13の入力部yまでを前向きの伝達関数をG、スピーカ13の入力部yから信号増幅器5の負入力端子までを後ろ向きの伝達関数をGとしている。
補正回路4の出力部xを入力点としてスピーカ13の入力部yを出力点とする閉ループ伝達関数Hは制御理論から明らかなように次の式で表される。
H1=G1/(1+G1*G2) ・・・・・・・・(1)
次に補正回路4について説明する。
図16は騒音キャンセルフィードバックループの前向きの伝達関数G、後ろ向きの伝達関数G、開ループ伝達関数G*G、及び閉ループ伝達関数Hの各ゲイン特性をボード線図で表したもので、補正回路4が無いとき閉ループ伝達関数H(太い実線で示した)がどうなるかを示している。G*Gは開ループ伝達関数のゲイン特性を表しており、制御帯域において最大約20dBのゲインが得られている例を示している。このときのカットオフ周波数は1kHzのfcaで示される点となっている。図から分かるように、閉ループ伝達関数Hのゲイン特性は視聴範囲の周波数帯域においてフラットな特性にはなっていない。
したがってこのままでは音声信号が歪んで再生されてしまう。そこで、音声信号に対するゲイン特性がほぼフラットになるように補正回路4により補正を行うのである。
図17は、補正回路4の調整により、音声信号に対するゲイン特性をフラットな特性とした場合の特性図を描いたものである。図17は騒音キャンセルフィードバックループの閉ループ伝達関数H、補正回路4の伝達関数GEQ、及び閉ループ伝達関数Hと補正回路4の伝達関数GEQを合成したH*GEQの各ゲイン特性を示している。
図17のように、ゲイン特性がフラットでない閉ループ伝達関数Hを補正回路4の伝達関数GEQで補償し、特性曲線H*GEQで示すようにフラットなゲイン特性とし、歪みのない音声を再生する。
図17から分かるように、閉ループ伝達関数Hが補正回路4の伝達関数GEQで補償され、H*GEQのゲイン特性は20Hz以上の可聴周波数範囲でほぼ1(=0dB)となっている。このとき補正回路4の伝達関数GEQは、カットオフ周波数fca=1kHz以上の周波数領域で閉ループ伝達関数Hの右肩下がりゲイン特性を補償するように右肩上がりのゲイン特性となっている(点線aで示した部分)。
従来、補正回路4の伝達関数GEQは、制御帯域(図17に示す20Hz〜1kHz)のゲイン特性と、カットオフ周波数fca以上(1kHz〜)の点線aで示したゲイン特性を調整してフラットなゲイン特性が得られるようにしていた。なお、この補正回路4はイコライザの機能を兼ねて設けられることもある。この場合にはフラットなゲイン特性のみでなく、視聴者の好みのゲイン特性に調整される。
特開平6−343195号公報 特開平11−196488号公報
騒音キャンセルヘッドフォンでは視聴者のヘッドフォン装着状態により、伝達関数Gが大きく変わってしまいハウリング現象を起こすなど制御が不安定になるという問題がある。このため、出荷時に最適に調整されたとしても、視聴者が実際にヘッドフォンを装着したときに、装着状態に合わせて騒音キャンセルフィードバックループの伝達関数のゲイン特性を調整してやる必要がある。従来、視聴者がヘッドフォンを装着したときのこの調整は、アナログフィルタ6のゲインを調整して、開ループ伝達関数G*Gがほぼ同じになるようにしていた。
図18は視聴者がヘッドフォンを装着したときの伝達関数Gのばらつきを調整する従来の制御回路構成を示したものである。図18において、18はばらつき調整回路を示しており、伝達関数Gのばらつきに応じて、アナログフィルタ6のゲインが調整される。
このようにすると開ループ伝達関数G*Gが出荷時に調整された安定な状態に保たれることになる。しかし、伝達関数Gの変化を伝達関数Gで補正するように調整するので、閉ループ伝達関数Hが調整前後で異なった周波数特性となってしまう。そこで、補正回路4の伝達関数GEQも対応して調整される。
図19、図20はこのときの調整の様子を示したものである。
図19は騒音キャンセルフィードバックループの前向きの伝達関数G、後ろ向きの伝達関数G、開ループ伝達関数G*G、及び閉ループ伝達関数Hの各ゲイン特性をボード線図で表したもので、補正回路4が無いとき閉ループ伝達関数H(太い実線で示した)がどうなるかを示している。
図19に示した伝達関数Gのゲインは、図16で示した伝達関数Gのゲインより小さくなった場合を示している。伝達関数Gのゲインは視聴者のヘッドフォン装着状態により変化する。
図19は、例として、図16のものに対して5dB小さくなり、開ループ伝達関数G*Gが約15dBとなった場合を示している。開ループ伝達関数G*Gのカットオフ周波数は、図16の場合fca=1kHzであるのに対し、fcb=800Hzの点に移動している。また、このとき閉ループ伝達関数Hの制御帯域(30Hz〜800Hz)におけるゲインは、伝達関数Gのゲインが小さくなった分大きくなっている((4)式よりH≒1/Gの関係がある)。
図20は、伝達関数Gのゲイン変化により閉ループ伝達関数Hが変化したとき、この変化を補償してフラットな特性にしようとしたときの様子を示したものである。
図20は騒音キャンセルフィードバックループの閉ループ伝達関数H、補正回路4の伝達関数GEQ、及び閉ループ伝達関数Hと補正回路4の伝達関数GEQを合成したH*GEQの各ゲイン特性を示している。
ここで、図20で示した補正回路4の伝達関数GEQをゲインのみ変化させて閉ループ伝達関数Hの特性を補正しようとした場合、太い実線のH*GEQ特性グラフで示されるように、カットオフ周波数fcb(=800Hz)とfca(=1kHz)の間において段差を生じてしまう。これは、閉ループ伝達関数Hのゲイン特性がカットオフ周波数fcb=800Hzの点から周波数の増加に伴ってゲインが下がる特性になっているのに対し、補正回路4の伝達関数GEQのゲイン特性はカットオフ周波数fca=1kHzの点から周波数の増加に伴ってゲインが上がる特性(点線a)になっているためである。
そこで、閉ループ伝達関数Hと補正回路4の伝達関数GEQを合成した伝達関数H*GEQのゲイン特性をフラットにするために、補正回路4の伝達関数GEQのゲイン特性をカットオフ周波数fcb=800Hzの点から右肩上がりになるように設定する(一点鎖線bで示す)。補正回路4のゲイン特性をこのような特性にすると、閉ループ伝達関数Hと補正回路4の伝達関数GEQを合成したゲイン特性として、太い一点鎖線cで示したフラットな特性を得ることができる。
しかしながら、補正回路4の伝達関数GEQをゲイン変化及びカットオフ周波数の変化の両方に合わせて調整するのは、調整が難しいという問題がある。
本発明は上記問題点に鑑み、視聴者がヘッドフォンを装着し騒音キャンセル制御モードで動作させるときに、ヘッドフォンの装着状態に応じてばらつく伝達関数の特性をゲインのみで調整し、最適な騒音低減効果を得ることを目的とする。
本発明の騒音キャンセルヘッドフォンは、音声信号を入力して周囲の騒音がキャンセルされた音声を視聴することができる騒音キャンセルヘッドフォンにおいて、前記音声信号を入力し該音声信号のゲイン特性を補正して出力する補正回路と、スピーカからの音声と周囲の騒音をマイクによって集音し、前記マイクの出力をフィルタ回路を通して前記補正回路の出力と差分を取るようにフィードバックし、該差分に比例した信号を前記スピーカに出力するように構成された騒音キャンセルフィードバック制御回路と、前記補正回路と前記フィルタ回路の合成されたゲイン特性が周波数に対しほぼフラットになるように、前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲインの変化に対応して前記補正回路と前記フィルタ回路のゲイン特性を調整するばらつき調整回路を備えたことを特徴とする。
また、本発明の騒音キャンセルヘッドフォンは、前記ばらつき調整回路は、前記補正回路のゲインを、前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲインが1以上のとき前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲインと同じ値に設定し、1より小さいときは1に設定することを特徴とする。
また、本発明の騒音キャンセルヘッドフォンは、前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の信号を前記フィルタ回路の出力部と前記スピーカの入力部との間において遮断しばらつき調整用開ループを生成する手段と、前記ばらつき調整用開ループが生成された際に騒音キャンセル周波数帯域の特定の周波数の信号を前記スピーカに出力するばらつき調整用信号生成回路と、前記フィルタの出力信号レベルを検出するレベル検出回路と、前記レベル検出回路で検出されたレベル検出値に基づき前記フィルタと前記補正回路のゲインを調整するゲイン調整手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の騒音キャンセルヘッドフォンは、出荷時調整スイッチがONされたとき、前記レベル検出回路で検出した信号レベルを基に第1のゲイン調整値を求めて記憶する第1ゲイン調整値記憶手段と、騒音キャンセルスイッチがONされたとき、前記レベル検出回路で検出した信号レベルを基に第2のゲイン調整値を求めて記憶する第2ゲイン調整値記憶手段と、前記第1ゲイン調整値記憶手段と前記第2ゲイン調整値記憶手段に記憶された第1、第2のゲイン調整値の積の値により前記補正回路のゲインを調整する補正回路ゲイン調整手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の騒音キャンセルヘッドフォンは、前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向きゲインを予め測定して基準ゲイン特性として記憶し、該記憶された前記基準ゲイン特性のゲインを前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向きゲインの変化に対応してシフトして前記補正回路のゲインとして設定する手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の騒音キャンセルヘッドフォンの特性ばらつき調整方法は、音声信号を入力し該音声信号のゲイン特性を補正して出力する補正回路と騒音をキャンセルする騒音キャンセルフィードバック制御回路が設けられ、周囲の騒音がキャンセルされた音声を視聴することができる騒音キャンセルヘッドフォンの特性ばらつき調整方法において、騒音キャンセル周波数帯域の特定の周波数の信号をスピーカに入力し、前記スピーカからの音声をマイクによって集音し、前記マイクの出力をフィルタ回路を通して前記補正回路の出力と差分を取るようにフィードバックし、前記フィルタ回路の出力信号レベルに基づいて前記補正回路のゲイン特性と前記フィルタ回路のゲイン特性を調整し、前記騒音キャンセル周波数帯域の特定の周波数の信号の代わりに前記補正回路の出力と前記フィルタ回路の出力の差分を前記スピーカに入力した際、前記スピーカから出力される音声の周波数特性がほぼフラットになるようにしたことを特徴とする。
また、本発明の騒音キャンセルヘッドフォンの特性ばらつき調整方法は、前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の前向き伝達関数のゲインを1に設定し、前記補正回路のゲインを、前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲインが1以上のとき前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向きゲインと同じ値に設定し、1より小さいときは1に設定することを特徴とする。
また、本発明の騒音キャンセルヘッドフォンの特性ばらつき調整方法は、前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の閉ループを前記フィルタ回路の出力部と前記スピーカの入力部との間において信号を遮断し、前記騒音キャンセル周波数帯域の特定の周波数の信号を前記スピーカに出力し、前記フィルタの信号レベルを検出し、前記信号レベルの検出値に基づき前記フィルタと前記補正回路のゲインを調整することを特徴とする。
また、本発明の騒音キャンセルヘッドフォンの特性ばらつき調整方法は、出荷時調整スイッチがONされたとき、前記信号レベルを基に第1のゲイン調整値を求めて記憶し、騒音キャンセルスイッチがONされたとき、前記信号レベルを基に第2のゲイン調整値を求めて記憶し、記憶された前記第1、第2のゲイン調整値の積の値により前記補正回路のゲインを調整することを特徴とする。
また、本発明の騒音キャンセルヘッドフォンの特性ばらつき調整方法は、前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲイン特性を予め測定して基準ゲイン特性として記憶し、記憶された前記基準ゲイン特性のゲインを前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲインの変化に対応してシフトして前記補正回路の伝達関数として設定することを特徴とする。
本発明によれば、ヘッドフォンの装着状態に応じてばらつく伝達関数の特性をゲインのみで調整でき、最適な騒音低減効果を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明による騒音キャンセルヘッドフォンの制御構成の実施の形態を示している。
まず、騒音キャンセルヘッドフォンの制御構成を説明する。
図1において、20は騒音キャンセルヘッドフォンの制御回路部である。2は騒音キャンセルヘッドフォンの音声再生部(以下ヘッドフォンという)を示す。また、3は音楽などの音声信号を出力する音声信号再生装置であり、図1ではシリコンプレーヤ(音楽データを記憶する記憶媒体が半導体メモリである携帯型オーディオ装置)となっている。制御回路部20とヘッドフォン2は、一体あるいは別体として構成することができる。また、ヘッドフォン2はヘッドフォン型の他にイヤホン型とすることができる。
音声信号再生装置3から入力された音声信号は、制御回路部20で音声信号処理されてヘッドフォン2に出力され音声Sとして再生される。
制御回路部20は、補正回路21、信号増幅器5、ヘッドフォンアンプ7、マイクアンプ8、フィルタ22、ばらつき調整回路23などで構成されている。ヘッドフォン2は、スピーカ13、マイク14、ヘッドフォンハウジング12、バンド16などで構成されている。なお、15は視聴者の耳を簡略化して描いたものである。
音声信号再生装置3の出力部は補正回路21の入力部に接続されている。また、補正回路21の出力部は信号増幅器5の正入力端子に接続されている。また、信号増幅器5の出力部はヘッドフォンアンプ7を介してスピーカ13に接続されている。スピーカ13とマイク14はヘッドフォンハウジング12内に近接して取り付けられている。ユーザがヘッドフォン2を装着した状態で、マイク14はスピーカ13からの音声Sとヘッドフォンハウジング12を介してマイク14に届いた周囲の騒音Nの両方を集音するようになっている。
補正回路21は、音声信号再生装置3から入力された音声信号を補正して、スピーカ13から出力される音声Sの可聴周波数範囲での周波数特性がほぼフラットの特性となるように設けられた補正回路である。また、信号増幅器5は、補正回路4から正入力端子に入力された音声信号と、マイクアンプ8から負入力端子に入力されたフィードバック信号の差分を増幅する偏差増幅器となっている。また、フィルタ22は騒音を低減したい周波数帯域でゲインを大きくしたバンドパスフィルタとなっている。また、マイク14は、スピーカ13から出力された音声S及び騒音Nを集音して電気信号に変換し、マイクアンプ8に供給する。マイクアンプ8はマイク14からの信号を増幅し、フィードバック信号として帰還させる。
ばらつき補正回路23は、製品ばらつきを出荷時に調整し、更に視聴者が音声を再生するときの視聴者のヘッドフォン装着状態に依存して変わる伝達関数を補正するために設けられている。
このように制御回路部20、ヘッドフォン2、音声信号再生装置3で構成された音声再生システムは、信号増幅器5、ヘッドフォンアンプ7、スピーカ13、マイク14、マイクアンプ8、フィルタ22により負帰還のフィードバックループを構成する。
ここで、補正回路21の出力部からスピーカ13の入力部までの前向きの伝達関数をG11、スピーカ13の入力から信号増幅器5の負入力端子までの後ろ向きの伝達関数をG22とする。また、視聴者の耳空間部にヘッドフォンハウジング12を介して騒音Nが外乱として入力される。
図1と図18を比較すると分かるように、図18の従来技術によるアナログフィルタ6が前向きの伝達関数Gの経路に設けられているのに対し、本実施の形態ではフィルタ22が後ろ向きの伝達関数G22の経路に設けられている。この点が第1の特徴である。
また、従来技術による図18の補正回路4はゲイン及びカットオフ周波数の両方を補正するのに対し、本実施の形態による図1の補正回路21はゲインのみ補正するようになっている。この点が第2の特徴である。
図1の制御回路部20の制御構成を伝達関数を用いて表すと図2のように表すことができる。図2において、122はフィードバックループの後ろ向きの伝達関数G22、103はフィードバック信号加算部、105は補正回路21の伝達関数G’EQを示している。スピーカ13からの音声Sは、音声信号Iによる音と騒音Nによる音が混合している。また、ヘッドフォンの耳空間部では、スピーカ13からの音声Sと騒音Nが混合している。伝達関数G11のゲインは視聴周波数範囲でほぼ一定で、この値をkと置いてもよいが、簡単化のためk=1(0dB)としている。
補正回路4の出力部xを入力点とし、マイク14の入力部yを出力点とする音声信号に対する閉ループ伝達関数H11は次の式で表される。
H11=1/(1+G22) ・・・・・・・・(2)
また、騒音Nの入力部を入力点とし、マイク14の入力部yを出力点とする騒音に対する閉ループ伝達関数H22は次のようになる。
H22=1/(1+G22) ・・・・・・・・(3)
(3)式は伝達関数G22のゲインを大きくすると騒音が低減されることを表している。
音声信号も、伝達関数G22のゲインを大きくすると閉ループ伝達関数H11の特性により小さな値になる。そこで、音声信号が小さくならないように閉ループ伝達関数H11の特性を補正回路21の特性により補償する。以下の説明で明らかとなるように、補正回路21の伝達関数のゲインは、制御帯域(図3〜図6の図中の記載参照)において伝達関数G22と同じゲインに設定され、制御帯域外において1(0dB)に設定される。
図3は騒音キャンセルフィードバックループの伝達関数G22と、閉ループ伝達関数H11のゲイン特性をボード線図で表したものである。伝達関数G22は20Hzから1kHzの制御帯域において1(0dB)以上のゲインを有し、最大ゲインとして約20dBが得られた例を示している。伝達関数G22はバンドパス特性となっている。
閉ループ伝達関数H11のゲイン特性は(2)式から求めることができ、20Hzから1kHzの制御帯域においてH11≒1/G22であり、下に凸の特性となっている。また(2)式から、20Hzより低い周波数帯域と1kHzより高い周波数帯域ではゲインが約1(0dB)となることが分かる。
図4は、音声信号のゲイン特性が周波数に対してフラットになるように、補正回路21により補正する様子を示したものである。図4に示されるように、補正回路21の伝達関数G’EQのゲインは、20Hzから1kHzの制御帯域において伝達関数G22と同じ値に設定される。また、また20Hzより低い周波数帯域と1kHzより高い周波数帯域ではゲインが1(0dB)に設定される。
補正回路21の伝達関数G’EQのゲインがこのように設定されているので、補正回路21の伝達関数G’EQと閉ループ伝達関数H11を合成した伝達関数H11*G’EQのゲイン特性は、20Hzから1kHzの制御帯域において、H11*G’EQ≒1/G22*G22=1(=0dB)となる。
また、20Hzより低い周波数帯域と1kHzより高い周波数帯域では、H11*G’EQ≒1/1*1=1(=0dB)となる。
このように、補正回路21の伝達関数G’EQと閉ループ伝達関数H11を合成した伝達関数H11*G’EQのゲイン特性は全周波数範囲において1(0dB)となり、フラットな特性が得られる。
次に、視聴者のヘッドフォン装着状態により伝達関数G22が変化した場合の調整について説明する。
図5は視聴者のヘッドフォン装着状態により伝達関数G22が図3で示したものより5dBほど小さくなった例を示している。
図5において、伝達関数G22は30Hzから800Hzの制御帯域において1以上(0dB以上)のゲインを有し、最大ゲインとして15dBとなっている。
閉ループ伝達関数H11のゲイン特性は図3のときと同様に(2)式から求めることができ、30Hzから800Hzの制御帯域においてH11≒1/G22であり、下に凸の特性となっている。また、30Hzより低い周波数帯域と800Hzより高い周波数帯域ではゲインが1(0dB)となる。
図6は、音声信号のゲイン特性が周波数に対してフラットな特性になるように、補正回路21により補正する様子を示したものである。図6に示されるように、補正回路21の伝達関数G’EQのゲインは、30Hzから800Hzの制御帯域において伝達関数G22と同じ値に設定される。また、30Hzより低い周波数帯域と800Hzより高い周波数帯域ではゲインが1(0dB)に設定される。
補正回路21の伝達関数G’EQのゲインがこのように設定されるので、補正回路21の伝達関数G’EQと閉ループ伝達関数H11を合成した伝達関数H11*G’EQのゲイン特性は、30Hzから800Hz制御帯域において、H11*G’EQ≒1/G22*G22=1(=0dB)となる。
また、30Hzより低い周波数帯域と800Hzより高い周波数帯域では、H11*G’EQ≒1/1*1=1(=0dB)となる。
このように、補正回路21の伝達関数G’EQと閉ループ伝達関数H11を合成した伝達関数H11*G’EQのゲイン特性は全周波数範囲において1(0dB)となり、周波数に対してフラットなゲイン特性が得られる。
上記図4、図6の説明から分かるように、補正回路21の伝達関数G’EQのゲイン特性は、伝達関数G22のゲイン特性が1(0dB)以上の場合にはG’EQ=G22として設定され、また、伝達関数G22のゲイン特性が1(0dB)より小さい場合には1(0dB)として設定される。
ここで、補正回路21の伝達関数G’EQのゲイン特性の設定について更に説明する。
まず、伝達関数G22のゲイン特性は予め実測して求められる。これは、ダミー人形などにヘッドフォンを装着して求められる。この実測された伝達関数G22のゲイン特性を基準ゲイン特性ということにする。基準ゲイン特性の一例を図7に示す。
これに対し、視聴者のヘッドフォン装着状態に応じて変化する伝達関数G22は、近似的に基準ゲイン特性がゲイン軸方向に上下にシフトする特性になっていると考えて良い。したがって、上記実測して求められた基準ゲイン特性を記憶手段に記憶しておき、例えば、視聴者のヘッドフォン装着状態における伝達関数G22の最大ゲインの変化を調べ、このゲイン変化分で基準ゲイン特性を上下にシフトするだけで、実際の伝達関数G22のゲイン特性を近似的に得ることができる。
したがって、補正回路21の伝達関数G’EQのゲイン特性を設定する場合には、伝達関数G22の基準ゲイン特性を視聴者のヘッドフォン装着状態のゲイン変化分だけ上下にシフトし、この上下にシフトして求めた特性のゲインの値が1(0dB)以下の部分を1(0dB)、1(0dB)以上の部分を(基準ゲイン特性のゲイン)+(ヘッドフォン装着状態のゲイン変化分)として設定すれば良い。
視聴者のヘッドフォン装着状態のゲイン変化分は、後述するように、実際に視聴者がヘッドフォンを装着した状態で騒音キャンセルスイッチをON操作したとき求められる。
次に、本実施の形態を更に詳細な制御構成として示した図8を参照して説明する。本実施の形態はΔΣ変調器による1ビット信号によりデジタル信号処理される(ΔΣ変調器による1ビット信号については、例えば特開2003−318665号公報、特開2005−151589号公報などを参照)。
図8において、31は騒音キャンセルヘッドフォンの制御回路部である。なお、ステレオ音声の場合、制御回路部31と同じ構成をした左右の制御回路部があるが、左右における一方のみを示し、他方は図示及び説明を省略している。64はイヤホン型の音声再生部である。64はイヤホン型に限定されず、ヘッドフォン型であってもよい。以下64をヘッドフォンという。また、ヘッドフォン64と制御回路部31は、一体に構成、或いは別体として構成することができる。
32、33はシリコンプレーヤであるが、シリコンプレーヤ32はPCMのデジタル音声信号が出力される。また、シリコンプレーヤ33はアナログの音声信号が出力される。
34はシリコンプレーヤ32からPCMのデジタル音声信号を取り込んで1ビット信号に変換するPCM/1bit変換器である。また、35はシリコンプレーヤ33からアナログ音声信号を取り込んで1ビット信号に変換するアナログ/1bit変換器である。
36はセレクタであり、入力された信号のいずれかを選択して出力する。セレクト信号は図示を省略しているが、シリコンプレーヤ32、33の接続状態によってセレクト信号を発生して切り替えるようにすればよい。
37乃至39はセレクタであり、入力された信号のいずれかを選択して出力する。セレクト信号は切替信号生成回路68と騒音キャンセルスイッチ62から出力される。
40は補正回路であり、セレクタ36で選択されたPCM/1bit変換器34からの1ビット信号、或いはアナログ/1bit変換器35からの1ビット信号を補正して、スピーカ13から出力される音声の可聴周波数範囲での周波数特性が所望の特性となるように設けられた補正回路である。以下で説明する騒音キャンセル用のフィードバックループ制御回路の存在によりゲイン特性が可聴範囲で周波数に対してフラットな特性でなくなるため、これを補正回路40により補償して可聴範囲でフラットな特性とする。補正回路40はイコライザ機能を兼ねることも可能で、そのときは補正回路40により視聴者の所望の特性になるように調整することができる。
なお、補正回路40はデジタルフィルタとして構成されている。補正回路40は、デジタルフィルタのフィルタ係数を変えることにより、フィルタの特性が変えられるようになっている。補正回路40には予めフィードバックループの伝達関数G22の基準ゲイン特性が実測され記憶されている。そして、この基準ゲイン特性を、ばらつき調整によりゲイン軸方向にゲイン調整値だけ上下にシフトさせて、その結果、ゲインが1(0dB)以上となったときはそのゲインが設定され、1(0dB)より小さくなったときは1(0dB)が設定される。
42はスイッチングアンプであり、1ビットパルスの波高値を揃え、またスピーカ46で音声を出力するための電力増幅を行うために設けられている。
また、43はローパスフィルタであり、スイッチングアンプ42で波高値が揃えられた1ビットパルスのパルス列の高周波分を濾波するために設けられている。ローパスフィルタ43を通過した1ビット信号はパルス列の粗密に応じたアナログ信号となる。そして、ローパスフィルタ43のアナログ音声信号がスピーカ44に供給されることにより音声が再生される。スイッチングアンプ42とローパスフィルタ43は、1ビット信号をアナログ信号に変換する1ビット信号D/A変換部を構成する。
46はマイクであり、スピーカ44からの音声信号と周囲の騒音を集音して電気信号に変換する。48、49は信号線である。また、66は視聴者の耳を表している。
52はマイクアンプであり、マイク46からの電気信号を増幅して出力する。53はマイクアンプ52からのアナログ信号を1ビット信号のデジタル信号に変換する1ビット信号AD変換器である。
41はデジタルフィルタであり、騒音を低減するために設けられている。デジタルフィルタ41は、フィルタ係数を変えることにより、フィルタの特性が変えられるようになっている。デジタルフィルタ41には、デジタルフィルタ41のゲインを決めるデフォルト値αが記憶されており、電源が投入されると、まずこのデフォルト値αによりフィルタ係数が決められフィルタ係数レジスタが設定されるようになっている。また、フィルタ係数レジスタに設定された値は、外部から入力されるゲイン調整値により更新されるようになっている。なお、デフォルト値αは、デジタルフィルタ41内に設けたROMに記憶してもよいし、ハード的に設定する(例えば電源電圧と接地電位を使って1、0の信号を設定する)ようにしてもよい。
54は補正回路40の1ビット信号とデジタルフィルタ41からフィードバックされてきた1ビット信号をデジタル的に引き算して、その差分として1ビット信号の偏差信号を出力するデジタル加算器である。
55はデジタルフィルタ41の出力から音声信号のレベルをデジタル的に検出するレベル検出器である。このレベル検出器55は、アップダウンカウンタを使って信号レベルを検出する。レベル検出器55の動作は後述する。
56はレベル決め回路(出荷時)であり、出荷時の信号レベル調整作業において、レベル検出器55の出力信号(ばらつき調整用のレベル検出値)を入力し、EEPROM58にデジタルフィルタ41のゲイン調整値を出力する。
なお、後で詳述するが、騒音キャンセル機能を動作させるときに形成される閉ループ回路は、このばらつき調整用のレベル検出を行う際にはセレクタ38で信号が遮断されるので開ループとなる(この開ループをばらつき調整用開ループと呼ぶことにする)。レベル決め回路(出荷時)56には、出荷時調整の際に形成されるこのばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値A(具体的には例えば15dB)が記憶されている。
EEPROM58は書き換え可能な不揮発性メモリである。EEPROM58には出荷時のばらつき調整作業において、レベル決め回路(出荷時)56から送られてきたデジタルフィルタ41のゲイン調整値が記憶される。
また、57はレベル決め回路(装着時)であり、視聴者がヘッドフォンを装着し騒音キャンセル制御モードで動作させたときのレベル検出器55の出力信号(ばらつき調整用のレベル検出値)を入力し、このレベル検出値を基にデジタルフィルタ41のゲイン調整値を求めてセレクタ37に出力する。これも後で詳述するが、出荷時調整と同様、ばらつき調整用開ループが形成される。レベル決め回路(出荷時)57には、装着時調整の際に形成されるばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値A(具体的には例えば20dB)が記憶されている。
60は電池63からの制御電源を入り切りする電源スイッチである。また、61は出荷時ばらつき調整用の出荷時調整スイッチである。また、62は騒音キャンセルモードに切り替える騒音キャンセルスイッチである。68は切替信号生成回路であり、電源スイッチ60、出荷時調整スイッチ61、騒音キャンセルスイッチ62からのON、OFF信号を入力して、セレクタ37、38を切り替えるための信号、及びデジタルフィルタ41への書き込み信号を生成する。
出荷時調整スイッチ61がONすると、出荷時調整スイッチ61がONしている間、セレクタ37は切替信号生成回路68からの切替信号を受けてEEPROM58の出力データを通過させる。また、騒音キャンセルスイッチ62がONすると、セレクタ37は切替信号生成回路68からの切替信号を受けて、騒音キャンセルスイッチ62がONしたときから所定時間だけレベル決め回路(装着)57の出力データを通過させる。
切替信号生成回路68は出荷時調整スイッチ61がONすると、出荷時調整スイッチ61がONしている間、セレクタ38を200Hz生成回路59側に切り替える信号を出力する。
また、切替信号生成回路68は騒音キャンセルスイッチ62がONすると、騒音キャンセルスイッチ62がONしたときから所定時間だけセレクタ38を200Hz生成回路59側に切り替える信号を出力する。セレクタ38は200Hz生成回路59側に切り替えられると、200Hz信号を通過させる。
また、セレクタ39は騒音キャンセルスイッチ62がONすると、騒音キャンセルスイッチ62がONしている間、セレクタ38からの信号を選択して通過させる。
デジタルフィルタ41は、切替信号生成回路68からの書き込み信号によりフィルタ係数を決めるレジスタの値を更新する。
これにより製品出荷時のゲイン調整値、あるいは騒音キャンセル制御モードで視聴するごとにデジタルフィルタ41のゲインが自動的に更新され、デジタルフィルタ41のゲインは常に最適な値となる。
次に、レベル検出器55の動作について説明する。
図9はレベル検出回路55の構成例を示している。図9において、71は1ビット信号をカウントするアップダウンカウンタである。CK端子にクロック信号clockが入力され、このクロック信号clockが入力されるごとにU/Dの入力端子に接続された1ビット信号をカウントし、出力端子Qに出力する。72は最大値検出回路であり、アップダウンカウンタ71の出力Qの最大値を検出する。73は最大値出力部であり、最大値検出回路72の値を次の最大値検出タイミングまでホールドして、レベル決め回路(出荷時)56、及びレベル決め回路(装着時)57にばらつき調整用のレベル検出値として出力する。
図10はレベル検出回路55の動作を説明する図である。図10の(a)はアップダウンカウンタ71に入力される1ビット信号のパルス列を示している。図10の(b)はアップダウンカウンタ71に入力されるリセット信号resetを示している。このリセット信号resetは、クロック信号clockを基に1024クロックごとにリセット信号発生器74からアップダウンカウンタ71のRES端子に出力される。図10の(c)は、アップダウンカウンタ71のサンプリング期間ごとの最終カウント値を示している。図10の(d)における実線(信号a)はアップダウンカウンタ71のカウント値を仮想的にアナログ的に表現したものである。また、図10の(d)における点線(信号b)は1ビット信号が表す値を仮想的にアナログ値で表現したものである。
1ビット信号は信号レベル”1”と信号レベル”0”で表現されたものとなっているが、1ビット信号(例えば、ΔΣ変調器による1ビット信号)の特性として、信号のレベルが大きいときにはそのレベルに対応して信号レベル”1”の数が多く、信号のレベルが小さいときにはそのレベルに対応して信号レベル”0”の数が多くなっている。したがって、1ビット信号をアップダウンカウンタ71でカウントすることにより、信号bに比例した信号aが得られ、この信号の最大値を検出することにより1ビット信号の信号レベルが検出できる。図10の例では、仮想的に信号bとして示した−6dBのアナログ信号に対し、(c)に示されたアップダウンカウンタ71のカウント値の最終値560が最大値として最大値検出回路72で検出される。予めアップダウンカウンタ71のカウント値と1ビット信号が表す信号レベル(dB)を対応付けておけば、最大値検出回路72の出力をレベル検出値とすることができ、ばらつき調整用のレベル検出値とすることができる。
ばらつき調整用のレベルを検出するときには、セレクタ38で200Hz生成回路59からの200Hz信号を選択し、デジタルフィルタ41の出力をレベル検出回路55で検出する。200Hz信号は騒音キャンセルしようとしている騒音の周波数帯域20Hz〜30Hz乃至1KHz〜2kHzの中で代表的な周波数を選定すればよい。後述するように50Hz〜500Hzの範囲の任意の値に選ぶことができるが、100Hz〜300Hzの範囲の値に選ぶと調整が容易になる。本実施の形態では200Hzとしている。
次に、ばらつき調整作業時のデジタルフィルタ41及び補正回路21のゲイン調整について説明する。
ばらつき調整は出荷時におけるばらつき調整と、視聴者がヘッドフォンを装着し騒音キャンセル機能を動作させたときのばらつき調整がある。出荷時におけるばらつき調整はヘッドフォン固有の制御ループゲインのばらつきを調整することを目的とし、視聴者がヘッドフォンを装着した状態で行うばらつき調整は、視聴者のヘッドフォン装着状態に起因する制御ループゲインのばらつきを調整することを目的とする。
まず、出荷時のばらつき調整について説明する。
出荷時の調整を行うときはヘッドフォンをHATS(Head and Torso Simulator)と呼ばれるダミー人形に装着する。そしてセレクタ38で200Hz生成回路59からの200Hz信号を選択する。この200Hz信号はスイッチングアンプ42、ローパスフィルタ43を介してスピーカ44に入力され音声Sとして再生される。この音声Sはマイク46で集音されるが、同時に騒音Nも集音される。マイク46で集音された音声Sと騒音Nはアナログの電気信号に変えられてマイクアンプ52に出力される。マイクアンプ52で増幅された信号は1ビットA/D変換器53で1ビット信号に変換され、デジタルフィルタ41に出力される。またデジタルフィルタ41の出力は、加算器54に出力される。加算器54では補正回路40からの1ビット信号とデジタルフィルタ41からの1ビット信号の差分を取りセレクタ38に出力される。なお、出荷時の調整を行うときは補正回路40からの1ビット信号の値は、音声信号による影響を排除するため無信号の状態とされる。これにより、デジタルフィルタ41からの1ビット信号を極性反転した値の信号がそのままセレクタ38に出力される。
デジタルフィルタ41は200Hzを中心とするバンドパスフィルタ特性とされている。したがって入力された信号の低域成分と高域成分は遮断されて出力される。このデジタルフィルタ41のバンドパスフィルタ特性により、200Hz信号は通過され、その低域側と高域側の騒音信号は減衰し遮断される。このようにデジタルフィルタ41は200Hz信号を通過させ、それ以外の帯域の騒音信号を減衰させものとなるので、200Hz信号の信号レベルをレベル検出回路55で検出する際に、騒音Nの影響を小さくできる効果を奏する。
なお、騒音キャンセル機能を動作させるときに形成される閉ループ回路は、このレベル検出を行う際にはセレクタ38で信号が遮断されるので開ループとなる。この開ループをばらつき調整用開ループと呼ぶことにする。
レベル検出回路55で検出されたばらつき調整用のレベル検出値Bがレベル決め回路(出荷)56に入力される。レベル決め回路(出荷時)56は入力されたばらつき調整用検出レベルBの値が所定の範囲に入っていない場合には不良品と判断する。
図11に出荷時のばらつき調整におけるレベル調整値のレベル決めの動作フローを示す。
まず、ステップS1として、例えば出荷時のばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値をA(具体的には例えば15dB)として、予めレベル決め回路(出荷時)56内に記憶しておく。また、ばらつき調整用開ループの開ループゲインがこの開ループゲイン調整目標値Aになるためのデジタルフィルタ41のゲインは、設計値として予め求めることができるから、この設計値をデフォルト値αとしてデジタルフィルタ41内に記憶しておく。
なお、出荷後の使用状態が不明なので、出荷時のばらつき調整用開ループゲインの開ループゲイン調整目標値Aはハウリング防止の観点から安定限界のゲインより多少低めに設定するのがよい。また、上記開ループゲイン調整目標値Aを15dBとしたのは一例であって、この目標値は制御回路の構成によってかわり、より詳しくはゲイン余裕が安定限界内に有るように設定される。
ステップS2において、出荷時調整スイッチ61がONされる。すると、ステップS3において、出荷時調整スイッチ61からの信号を受けたセレクタ38は200Hz信号生成回路59からの信号を選択する。
200Hz信号生成回路59から発した200Hz信号は、ばらつき調整用開ループを一巡し、ステップS4においてその信号レベルがレベル検出回路55で検出される。この検出された信号レベルをばらつき調整用のレベル検出値Bとする(例えば10dBが検出されたとする)。
レベル検出回路55で検出されたレベル検出値Bはレベル決め回路(出荷時)56に入力され、ステップS5において、その大きさBが許容範囲(例えば10dB〜20dBの範囲)にあるか否かが判定される。この判定はレベル決め回路(出荷時)56で行われる。10dB〜20dBの許容範囲にあると判定された場合には開ループゲイン調整目標値A(15dB)との比率A/Bが求められ、レベル決め回路(出荷時)56はこの比率A/Bをゲイン調整値としてEEPROM58に出力する。
ステップS7において、レベル決め回路(出荷時)56から出力されたゲイン調整値A/Bは、EEPROM58に記憶される。例えばA=15dBに対しB=10dBであればA/B=1.5として記憶される。このEEPROM58に記憶された値は電源がOFFされてもその内容が保持され、出荷後に視聴者が電源ONしたときにデジタルフィルタ41及び補正回路40のゲイン調整値としてデジタルフィルタ41及び補正回路40のレジスタに設定されるものである。
また、ステップS5において、レベル検出回路55で検出されたレベルBが10dB〜20dBの範囲にないと判定された場合には、調整不可の不良品とする。不良品と判断されたとき、不良品であることをブザーを鳴らして知らせる。あるいは不良品と判断したことを外部に出力し、自動的に不良品として仕分けされるようにしておいてもよい。このようにして出荷時のレベル調整が行われたものは、ばらつき調整用開ループの開ループゲインが開ループゲイン調整目標値のAに揃えられたことになる。
次に、視聴者がヘッドフォンを装着したときのばらつき調整について説明する。
実際に視聴者がヘッドフォンを装着した状態では、スピーカ44、マイク46、視聴者の耳66との関係が個人により異なるので、ばらつき調整用開ループの開ループゲインの大きさが異なってくる。したがって、視聴者がヘッドフォンを装着したときのばらつき調整用開ループの開ループゲインは開ループゲイン調整目標値Aを中心にばらつくことになる。
視聴者がヘッドフォンを装着したときのレベル調整に対する基本的な考えは出荷時のレベル調整と同じであるが、具体的な調整の仕方が異なっている。
例えばヘッドフォン装着時のばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値としてA(具体的には例えば20dB)を予めレベル決め回路(装着時)57内に記憶しておく。そして、電源スイッチ60がONになるとデジタルフィルタ41のフィルタ係数の値はデフォルト値αで決められる値に初期設定される。電源スイッチ60がONの信号を受けて、切替信号生成回路68は、所定時間後にEEPROM58を選択する信号をセレクタ37に送る。これによりEEPROM58に記憶されていた出荷時のゲイン調整値A/Bがデジタルフィルタ41、及び補正回路40に出力される。これにより、デジタルフィルタ41のゲインはA/Bによって更新され、補正回路40にゲイン調整値A/Bが記憶される。この状態からヘッドフォン装着時のばらつき調整が行われる。
視聴者がヘッドフォンを装着したときのばらつき調整の開始は、騒音キャンセルスイッチ62がONとなったときである。騒音キャンセルスイッチ62がONになると、切替信号生成回路68は所定時間の間、セレクタ38が200Hz生成回路59を選択する信号を出力する。
したがって、出荷時調整と同様にセレクタ38で200Hz生成回路59からの200Hz信号が選択されるが、セレクタ38で200Hz生成回路59からの200Hz信号が選択されるタイミングは、出荷時調整と異なり、騒音キャンセルスイッチがONになってから所定時間の間に限られる。そして、所定時間の間はばらつき調整用開ループが形成されてデジタルフィルタのゲイン調整が行われ、この所定時間が経過した後は騒音キャンセルモードで視聴できるように騒音キャンセル制御のフィードバック回路が形成される。
ばらつき調整用開ループが形成されている間は、200Hz生成回路59からの200Hz信号はスイッチングアンプ42、ローパスフィルタ43を介してスピーカ44に入力され音声Sとして再生される。この音声Sはマイク46で集音されるが、同時に騒音Nも集音される。マイク46で音声Sと騒音Nはアナログの電気信号に変えられてマイクアンプ52に出力される。マイクアンプ52で増幅された信号は1ビットA/D変換器53で1ビット信号に変換され、デジタルフィルタ41に出力される。また、デジタルフィルタ41の出力は加算器54に出力される。加算器54では補正回路40からの1ビット信号とデジタルフィルタ41からの1ビット信号の差分を取りセレクタ38に出力される。但し、セレクタ38は200Hz生成回路59を選択しているので、加算器54からの信号はセレクタ39には伝わらない。なお、出荷時の調整と同様に、補正回路40からの1ビット信号の値は、音声信号による影響を排除するため無信号の状態とされる。これにより、デジタルフィルタ41からの1ビット信号を極性反転した値の信号がそのまま加算器54から出力される。
デジタルフィルタ41はその特性にしたがって1ビットA/D変換器53の出力信号(1ビット信号)を濾波して出力する。デジタルフィルタ41の出力信号はレベル検出回路55によりレベル検出値Bとして検出される。レベル検出回路55により検出されたレベル検出値Bはレベル決め回路(装着時)57に入力される。
レベル決め回路(装着時)57には装着時調整の際に形成されるばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値Aが記憶されているので、レベル決め(装着時)57は、開ループゲイン調整目標値Aとレベル検出回路55により検出されたレベル検出値Bとの比率A/Bを求めて、セレクタ37及び補正回路40にゲイン調整値として出力する。したがって、デジタルフィルタ41のフィルタ係数の値はゲイン調整値A/Bにより更新される。結局、騒音キャンセルモードでのデジタルフィルタ41の最終的なゲインは、α*(A/B)*(A/B)となる。
また、補正回路40には、電源投入時にEEPROM58から入力されたゲイン調整値(A/B)が先に記憶されており、更に、騒音キャンセルスイッチ62がON操作されたときに求められたゲイン調整値(A/B)がレベル決め回路(装着時)57から入力されて記憶されることになる。補正回路40はこれらのゲイン調整値を使って最終的なゲイン調整値(A/B)*(A/B)とし、予め記憶されている伝達関数G22の基準ゲイン特性を(A/B)*(A/B)倍し、その結果、ゲインが1(0dB)以上となった周波数帯域ではゲインが(A/B)*(A/B)倍されるようにフィルタ係数を設定し、ゲインが1(0dB)より小さい周波数帯域ではゲインが1(0dB)となるようにフィルタ係数が設定される。
以下、図12のフローチャートを参照して、視聴者がヘッドフォンを装着したときのばらつき調整の動作を説明する。
まず、ステップS11として、レベル決め回路(装着時)57に、予めばらつき調整用開ループの開ループゲイン調整目標値Aを記憶させる。例えば具体的には例えば20dBを記憶させておく。なお、上記開ループゲイン調整目標値Aを20dBとしたのは一例であって、ゲイン余裕が安定限界内に有る範囲で任意に選ぶことができる。
次に、ステップS12において、電源スイッチ60をONさせる。電源スイッチ60がONすると、ステップS13に進み、デジタルフィルタ41には、ゲイン設定値としてデフォルト値αが設定される。また、電源スイッチ60のON信号を受けて、切替信号生成回路68は、所定時間後にEEPROM58を選択する信号をセレクタ37に送る。これによりEEPROM58に記憶されていた出荷時のレベル調整値A/Bがデジタルフィルタ41及び補正回路21に出力され、デジタルフィルタ41のゲインはA/Bによって更新される。このときデジタルフィルタ41のゲインはαのA/B倍に更新される。また、補正回路40にレベル調整値A/Bが記憶される。
ステップS14においてヘッドフォンが視聴者に装着される。騒音キャンセルモードのレベル調整は、視聴者の装着状態によるばらつきを補正するものであるから、必ずヘッドフォンが装着された状態でレベル調整を行うようにする。
ステップS15において、騒音キャンセルスイッチ62がONされると、ステップS16において、騒音キャンセルスイッチ62からの信号を受けたセレクタ38は200Hz信号生成回路からの信号を選択する。
ステップS17において、レベル検出回路55で200Hz信号のレベルをレベル検出値Bとして検出する。レベル検出回路55で検出されたレベル検出値Bはレベル決め回路(装着時)57に入力される。
ステップS18において、予め記憶して置いた開ループゲイン調整目標値A(20dB)との比率A/Bを求め、この比率A/Bをゲイン調整値としてレベル決め回路(装着時)57からセレクタ37及び補正回路40に出力する。
騒音キャンセルスイッチ62がONされると、ステップS19において、切替信号生成回路68はセレクタ37に対して所定時間だけレベル決め回路(装着時)57を選択する信号を出力している。この間に、レベル決め回路(装着時)57から出力されたゲイン調整値A/Bはセレクタ37を介してデジタルフィルタ41及び補正回路40に入力される。デジタルフィルタ41は入力されたゲイン調整値A/Bを基にゲインを更新する。このときデジタルフィルタ41のゲインはα*A/B*A/Bとなる。その結果、ばらつき調整用開ループの開ループゲインは開ループゲイン調整目標値のAになる。
また、補正回路40には電源投入時に記憶されたゲイン調整値(A/B)と騒音キャンセルスイッチ62がON操作されたときに求められたゲイン調整値(A/B)が記憶されることになる。補正回路40はこれらのゲイン調整値を使って最終的なゲイン調整値は(A/B)*(A/B)とし、予め記憶されている伝達関数G22の基準ゲイン特性を(A/B)*(A/B)倍し、その結果、ゲインが1(0dB)以上となった周波数帯域ではゲインが(A/B)*(A/B)倍されるようにフィルタ係数を設定し、ゲインが1(0dB)より小さい周波数帯域ではゲインが1(0dB)となるようにフィルタ係数が設定する。
その結果、補正回路40と騒音キャンセルフィードバックの閉ループ伝達関数を総合した伝達関数GEQ*H11はフラットな周波数特性になる。
ステップS20において、騒音キャンセル制御ループが形成され、視聴者は騒音キャンセルモードとして騒音が抑制された音声を聞くことができる。
騒音キャンセル制御ループが形成されるタイミングは、スイッチ62がONされてから上記処理が済んで開ループゲイン調整目標値Aが設定された以後の所定時間にすることができるが、開ループゲイン調整目標値Aされるまでの処理は短時間に終了する。
ここで、視聴者はこの調整中に200Hzの音声を聞くことになる。この200Hzの音声は騒音キャンセルモードになってばらつき調整が行われている間に聞くことができる。したがって、この200Hzの音声を騒音キャンセルモードになったことと、ばらつき調整が開始されたことを視聴者に知らせるためのビープ音として利用することができる。このビープ音を視聴者に効果的に認識させるためにはある程度長い時間、例えば200ms程度の間にするとよい。この時間は視聴者がビープ音を効果的に認識する時間として200msに限らず任意の値に設定することができる。
以上の実施の形態における説明では、補正回路21、40の周波数特性を、20〜30Hz以下の周波数帯域においてゲインを1(0dB)になるように設定したが、この周波数帯域は可聴周波数範囲を外れるので、図13(c)のG”EQで示した特性のように、20〜30Hz以下の周波数帯域において伝達関数G22と同じゲインとなるように設定しても良い。
また、上記実施の形態では騒音キャンセルフィードバックループの前向きの伝達関数G11を簡単化のために1と置いたが、kと置いて一般化して同様に実施できる。この場合は、前記補正回路のゲインを、前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲインが1/k(-20logk(dB))以上のとき騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲインと同じ値に設定し、1/kより小さいときは1/k(-20logk(dB))に設定する
以上、具体的な実施の形態によって本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することができることは言うまでもない。
本発明は、騒音キャンセルヘッドフォンに限らず、騒音を抑制しようとする装置に広く利用できる。例えば高速道路などの騒音対策用の装置などにも応用が可能である。
本発明による、騒音キャンセルヘッドフォンの実施の形態を示す制御回路構成図である。 本発明による、実施の形態の制御回路を伝達関数のブロック線図で表した図である。 本発明による、実施の形態の騒音キャンセルフィードバック制御をボード線図により説明する図である。 本発明による、実施の形態の補正回路の制御をボード線図により説明する図である。 本発明による、実施の形態の騒音キャンセルフィードバック制御をボード線図により説明する図である。 本発明による、実施の形態の補正回路の制御をボード線図により説明する図である。 本発明による、騒音キャンセルヘッドフォンの実施の形態を示すより詳細な制御回路構成図である。 本発明による実施の形態のレベル検出回路の詳細構成図である。 本発明による、ばらつき調整用開ループのゲイン特性の一例を示す。 本発明による、実施の形態のレベル検出回路の動作説明図である。 本発明による、実施の形態の出荷時のばらつき調整のフローチャートである。 本発明による、実施の形態のヘッドフォン装着時のばらつき調整のフローチャートである。 本発明による、補正回路の伝達関数の他の実施の形態を示す図である。 従来技術の騒音キャンセルヘッドフォンの制御回路構成例を示す図である。 従来技術の騒音キャンセルヘッドフォンの制御回路を伝達関数のブロック線図で表した図である。 従来技術の騒音キャンセルフィードバック制御をボード線図により説明す 従来技術の補正回路の制御をボード線図により説明する図である。 従来技術のばらつき制御回路を備えた騒音キャンセルヘッドフォンの制御回路構成例を示す図である。 従来技術のばらつき制御回路を備えた騒音キャンセルヘッドフォンの騒音キャンセルフィードバック制御をボード線図により説明する図である。 従来技術のばらつき制御回路を備えた騒音キャンセルヘッドフォンの補正回路の制御をボード線図により説明する図である。
符号の説明
1、20、31・・・制御回路部
2、64・・・ヘッドフォン(音声再生部)
3、32、33・・・シリコンプレーヤ(音声信号再生装置)
4、21、40・・・補正回路
5・・・信号増幅器
6・・・アナログフィルタ
7・・・ヘッドフォンアンプ
8、52・・・マイクアンプ
62・・・騒音キャンセルスイッチ
63・・・電池
12・・・ヘッドフォンハウジング
13、44・・・スピーカ
14、46・・・マイク
15、66・・・耳
16・・・バンド
22・・・フィルタ
23・・・ばらつき調整回路
34・・・PCM/1bit変換器
35・・・アナログ/1bit変換器
36〜39・・・セレクタ
41・・・デジタルフィルタ
42・・・スイッチングアンプ
43・・・ローパスフィルタ
48〜49・・・信号線
53・・・1ビット信号AD変換器
54・・・デジタル加算器
55・・・レベル検出器
56・・・レベル決め回路(出荷時)
57・・・レベル決め回路(装着時)
58・・・EEPROM
59・・・200Hz生成回路
60・・・電源スイッチ
61・・・出荷時調整スイッチ
68・・・切替信号生成回路
71・・・アップダウンカウンタ
72・・・最大値検出回路
73・・・最大値出力部
74・・・リセット信号発生器
101・・・伝達関数G
102・・・伝達関数G
103・・・フィードバック信号加算部
104・・・伝達関数GEQ
105・・・伝達関数G’EQ
122・・・伝達関数G22

Claims (10)

  1. 音声信号を入力して周囲の騒音がキャンセルされた音声を視聴することができる騒音キャンセルヘッドフォンにおいて、
    前記音声信号を入力し該音声信号のゲイン特性を補正して出力する補正回路と、
    スピーカからの音声と周囲の騒音をマイクによって集音し、前記マイクの出力をフィルタ回路を通して前記補正回路の出力と差分を取るようにフィードバックし、該差分に比例した信号を前記スピーカに出力するように構成された騒音キャンセルフィードバック制御回路と、
    前記補正回路と前記フィルタ回路の合成されたゲイン特性が周波数に対しほぼフラットになるように、前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲインの変化に対応して前記補正回路と前記フィルタ回路のゲイン特性を調整するばらつき調整回路を備えたことを特徴とする騒音キャンセルヘッドフォン。
  2. 前記ばらつき調整回路は、前記補正回路のゲインを、前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲインが1以上のとき前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲインと同じ値に設定し、1より小さいときは1に設定することを特徴とする請求項1に記載の騒音キャンセルヘッドフォン。
  3. 前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の信号を前記フィルタ回路の出力部と前記スピーカの入力部との間において遮断しばらつき調整用開ループを生成する手段と、
    前記ばらつき調整用開ループが生成された際に騒音キャンセル周波数帯域の特定の周波数の信号を前記スピーカに出力するばらつき調整用信号生成回路と、
    前記フィルタの出力信号レベルを検出するレベル検出回路と、
    前記レベル検出回路で検出されたレベル検出値に基づき前記フィルタと前記補正回路のゲインを調整するゲイン調整手段を備えたことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の騒音キャンセルヘッドフォン。
  4. 出荷時調整スイッチがONされたとき、前記レベル検出回路で検出した信号レベルを基に第1のゲイン調整値を求めて記憶する第1ゲイン調整値記憶手段と、
    騒音キャンセルスイッチがONされたとき、前記レベル検出回路で検出した信号レベルを基に第2のゲイン調整値を求めて記憶する第2ゲイン調整値記憶手段と、
    前記第1ゲイン調整値記憶手段と前記第2ゲイン調整値記憶手段に記憶された第1、第2のゲイン調整値の積の値により前記補正回路のゲインを調整する補正回路ゲイン調整手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の騒音キャンセルヘッドフォン。
  5. 前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向きゲインを予め測定して基準ゲイン特性として記憶し、該記憶された前記基準ゲイン特性のゲインを前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向きゲインの変化に対応してシフトして前記補正回路のゲインとして設定する手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の騒音キャンセルヘッドフォン。
  6. 音声信号を入力し該音声信号のゲイン特性を補正して出力する補正回路と騒音をキャンセルする騒音キャンセルフィードバック制御回路が設けられ、周囲の騒音がキャンセルされた音声を視聴することができる騒音キャンセルヘッドフォンの特性ばらつき調整方法において、
    騒音キャンセル周波数帯域の特定の周波数の信号をスピーカに入力し、
    前記スピーカからの音声をマイクによって集音し、
    前記マイクの出力をフィルタ回路を通して前記補正回路の出力と差分を取るようにフィードバックし、
    前記フィルタ回路の出力信号レベルに基づいて前記補正回路のゲイン特性と前記フィルタ回路のゲイン特性を調整し、
    前記騒音キャンセル周波数帯域の特定の周波数の信号の代わりに前記補正回路の出力と前記フィルタ回路の出力の差分を前記スピーカに入力した際、前記スピーカから出力される音声の周波数特性がほぼフラットになるようにしたことを特徴とする騒音キャンセルヘッドフォンの特性ばらつき調整方法。
  7. 前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の前向き伝達関数のゲインを1に設定し、
    前記補正回路のゲインを、前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲインが1以上のとき前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向きゲインと同じ値に設定し、1より小さいときは1に設定することを特徴とする請求項6に記載の騒音キャンセルヘッドフォンの特性ばらつき調整方法。
  8. 前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の閉ループを前記フィルタ回路の出力部と前記スピーカの入力部との間において信号を遮断し、
    前記騒音キャンセル周波数帯域の特定の周波数の信号を前記スピーカに出力し、
    前記フィルタの信号レベルを検出し、
    前記信号レベルの検出値に基づき前記フィルタと前記補正回路のゲインを調整することを特徴とする請求項6、又は請求項7に記載の騒音キャンセルヘッドフォンの特性ばらつき調整方法。
  9. 出荷時調整スイッチがONされたとき、前記信号レベルを基に第1のゲイン調整値を求めて記憶し、
    騒音キャンセルスイッチがONされたとき、前記信号レベルを基に第2のゲイン調整値を求めて記憶し、
    記憶された前記第1、第2のゲイン調整値の積の値により前記補正回路のゲインを調整することを特徴とする請求項8に記載の騒音キャンセルヘッドフォンの特性ばらつき調整方法。
  10. 前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲイン特性を予め測定して基準ゲイン特性として記憶し、
    記憶された前記基準ゲイン特性のゲインを前記騒音キャンセルフィードバック制御回路の後ろ向き伝達関数のゲインの変化に対応してシフトして前記補正回路の伝達関数として設定することを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載の騒音キャンセルヘッドフォンの騒音キャンセルヘッドフォンの特性ばらつき調整方法。
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