JP2007238839A - ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体を対象とする密封装置に使用されても、密封装置からの透過量を抑え、かつ加工性を損なわないゴム組成物を提供すること。
【解決手段】二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体を密封対象とする密封装置に使用されるゴム組成物において、当該ゴム組成物の主原料として、水素化ニトリルゴムを用い、当該主原料に二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制する化合物として、リン酸エステルまたは亜リン酸エステル化合物を添加してなることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体を密封対象とする密封装置に使用されるゴム組成物において、当該ゴム組成物の主原料として、水素化ニトリルゴムを用い、当該主原料に二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制する化合物として、リン酸エステルまたは亜リン酸エステル化合物を添加してなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体を密封対象とする密封装置に使用されるゴム組成物に係り、特に、冷媒として二酸化炭素を用いた空調システムにおける冷媒の漏れを防止するパッキン、Oリング、オイルシールなどの密封装置に好適なゴム組成物に関する。
一般に、カーエアコンなどの冷凍空調機においては、オゾン層破壊に対する環境問題から冷媒として主としてフロン系冷媒HFC−134aが用いられている。 ところが、HFC−134aに対しても、近年地球温暖化への影響が指摘され、使用が制限されていく方向にある。
従って、地球温暖化係数が低く、かつ自然冷媒である二酸化炭素冷媒が代替候補となっている。
二酸化炭素冷媒を使用した冷凍空調システムにおいては、従来のフロンガス冷媒系と比較して、約7MPa以上の高圧環境条件下において動作可能としなければならない。更に、二酸化炭素冷媒が、密封装置に使用されるゴム組成物に対し与える影響もフロン系冷媒とは異なっている。
このことから二酸化炭素冷媒に適したゴム組成物が種々検討され、例えば、特開2004―175877号公報においては、二酸化炭素冷媒の漏れ防止用としてヨウ素価が15g/100g以下の水素化ニトリルゴムと、SRFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、HAFカーボンブラックの内から選ばれる少なくとも1種のカーボンブラックと、可塑剤として脂肪族二塩基酸エステルを含有するゴム組成物およびそれを成形した成形物が開示されている。
ゴム組成物には、混練り、成型などの加工工程上の必要性から液状成分として可塑剤が添加されている。
しかしながら、ゴム組成物用の可塑剤として従来技術の脂肪族二塩基酸エステルを添加すると加工性は向上するが、冷媒の透過量が大きくなる問題点がある。
更に、可塑剤を用いないとゴムの加工が非常に困難となる問題が発生する。
本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体を対象とする密封装置に使用されても、密封装置からの透過量を抑え、かつ加工性を損なわないゴム組成物を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究し、水素化ニトリルゴムにおいて、特定の化合物を可塑剤として使用することで、二酸化炭素の透過量を低減でき、且つ加工性が保持できることを見いだして、本発明を完成するに至たったものである。
本発明のゴム組成物の第1の態様は、二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体を密封対象とする密封装置に使用されるゴム組成物において、当該ゴム組成物の主原料として、水素化ニトリルゴムを用い、当該主原料に二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制する化合物として、リン酸エステルまたは、亜リン酸エステル化合物を添加してなることを特徴とする。
本発明のゴム組成物の第2の態様は、第1の態様において、前記化合物が、その構造中に芳香族単環炭化水素の置換基を有する化合物であることを特徴とする。
本発明のゴム組成物の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記化合物が、その構造中に有する芳香族単環炭化水素の置換基数が3個以上であることを特徴とする。
本発明のゴム組成物の第4の態様は、第1ないし第3のいずれかの態様において、前記化合物の配合量が、水素化ニトリルゴム100重量部に対して5〜15重量部であることを特徴とする。
以上述べたように、本発明のゴム組成物は構成されるので、加工性を保持しつつ二酸化炭素の透過量を低減することができ、二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体を密封対象とする密封装置において好適に使用されるゴム組成物となる。
本発明のゴム組成物の実施形態は、二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体を密封対象とする密封装置に使用されるゴム組成物において、当該ゴム組成物の主原料として、水素化ニトリルゴムを用い、当該主原料に二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制する化合物として、リン酸エステルまたは、亜リン酸エステル化合物を添加してなることを特徴とする。
一般に、ゴム工業分野において、混練り、成型加工性を向上させる目的で可塑剤が使用されており、可塑剤の作用としては、ポリマー分子鎖の凝集力を弱める効果がある。従来技術の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤は、加工性を向上させる反面、分子鎖の凝集力が弱まるため、透過性を増大させる欠点があると考える。
脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤は、その構成元素が炭素骨格であるのに対して、本発明に用いられているリン酸エステル系化合物は、リン骨格であり、化学構造が異なることから、二酸化炭素との相溶性、分子鎖の凝集力を弱める効果も異なるものと考える。
更に、炭素原子に比べてリン原子はその原子サイズが大きいことから、芳香族単環炭化水素の置換基を1つのリン原子に多数個有することができる。従って、その特性として平面構造を有し、嵩高い分子構造を有する芳香族単環炭化水素から誘導される置換基を有することにより、マトリックス中の分子運動が規制され、かつ二酸化炭素がポリマー分子間を通過する際に遮蔽効果として作用するため、二酸化炭素の透過性を低減できると考える。
このことから、ゴム組成物に使用するリン酸エステルまたは亜リン酸エステル化合物としては芳香族単環炭化水素の置換基を有するものが好ましく、更には、芳香族単環炭化水素の置換基を3個以上有するものがより好ましいと考える。
従って、水素化ニトリルゴムを主原料とするゴム組成物にリン酸エステルまたは、亜リン酸エステル化合物を配合することで、二酸化炭素の透過性を抑制することができる。更に、併せて液状のリン酸エステルまたは、亜リン酸エステル化合物を使用することで加工性においても改善することができる。
ここで用いられるリン酸エステル系化合物としては、リン酸エステル、亜リン酸エステルが用いられる。そのリン酸エステル系化合物の具体例としては、トリフェニル・ホスフェート、トリクレジル・ホスフェート、トリキシレニル・ホスフェート、レゾルシノール ビス(ジフェニル ホスフェート)、ビスフェノールA ビス(ジフェニル ホスフェート)、イソデシルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート等があげられる。その亜リン酸エステルの具体例としては、トリフェニル・ホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ジフェニル・イソデシルホスファイト、ジフェニル・モノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト等があげられる。
また、水素化ニトリルゴム(以下、「HNBR」と略す)とは、アクリロニトリルとブタジエンを共重合させたアクリロニトリルブタジエンゴム(以下、「NBR」と略す)の不飽和部位に水素付加してなる高分子材料である。HNBRは、その耐熱性、耐摩耗性がNBRよりも優れている事で知られており、自動車用ゴム部品として、オイルシール、Oリング、ガスケットとして用いられている。
HNBRの具体例としては、Zetpol 0020(日本ゼオン株式会社製 結合アクリロニトリル量49重量(質量)%)、 Zetpol 1010(日本ゼオン株式会社製 結合アクリロニトリル量44重量%)、Zetpol 1020(日本ゼオン株式会社製 結合アクリロニトリル44重量%)、Zetpol 2020(日本ゼオン株式会社製 結合アクリロニトリル量36重量%)、Therban A4307(バイエル社製 結合アクリロニトリル量43重量%)、Therban A4309(バイエル社製 結合アクリロニトリル量43重量%)、Therban C4367(バイエル社製 結合アクリロニトリル量43重量%)、Therban C4369(バイエル社製 結合アクリロニトリル量43重量%)などがあげられる。
リン酸エステル系化合物としては、HNBR100重量(質量)部に対して、5〜15重量部で用いられる。
配合量が3重量部以下では可塑剤としての効果が乏しく、ゴム組成物のロール混練作業が困難となる。また、20重量部以上となると加硫成型ゴムシートに発泡が見られ、良好な成型物が得られない。
HNBRを架橋するための架橋剤としては有機過酸化物を用いる。具体例としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイト゛、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ・シクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソフ゜ロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカルボナート等があげられる。
有機過酸化物の配合量としては、HNBR100重量部に対して2〜20重量部である。
その他に、本発明の目的を損なわない範囲で、架橋助剤、充填剤、金属酸化物、老化防止剤、滑剤などを適宜配合して用いることができる。
架橋助剤としては、アクリル系架橋助剤、マレイミド系架橋助剤、メタアクリレート系架橋助剤が用いられる。具体例としてアクリル系架橋助剤では、トリアリルイソシアヌレート、マレイミド系架橋助剤では、N,N‘−m−フェニレンジマレイミド、メタアクリレート系架橋助剤では、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートがあげられる。
補強性充填剤としては、カーボンブラックが用いられる。具体例としては、HAFカーボンブラック、MAFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、SRFカーボンブラック、GPFカーボンブラック、FTカーボンブラック、MTカーボンブラックなどが単独または2種以上の組み合わせで用いられる。また、カーボンブラック以外の充填剤もその用途に応じて単独または組み合わせて用いることができる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、水酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどを、単独または2種以上の組み合わせで用いることができる。
老化防止剤としては、4,4‘−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミンなどのジフェニルアミン系、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール亜鉛塩などのベンズイミダゾール系などが用いられる。
滑剤としては、パラフィンおよび炭化水素樹脂系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、脂肪酸エステル系、脂肪族アルコール系などが用いられる。
次に、本発明を表1から表3および、図1に示した実施例および比較例の試験結果を用いて説明する。図1は本発明の実施例に用いる可塑剤1(ビスフェノールA ビス(ジフェニル ホスフェート))、可塑剤2(トリクレジル・ホスフェート)、可塑剤3(2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート)、可塑剤4(イソデシルアシッドホスフェート)、可塑剤5(トリフェニル・ホスファイト)と比較例に用いる可塑剤6(ジ(2−エチルヘキシル)セバケート)の配合量と二酸化炭素透過指数との関係を示す特性図である。
(実施例1)
実施例1は、結合アクリロニトリル量49重量%のHNBRに第1の態様に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物としてリン酸エステル化合物を用いた配合例である。
実施例1は、結合アクリロニトリル量49重量%のHNBRに第1の態様に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物としてリン酸エステル化合物を用いた配合例である。
なお、本実施例に用いたリン酸エステル化合物は、その構造中に芳香族単環炭化水素の置換基を6個有している。
本実施例においては、Zetpol 0020 (日本ゼオン株式会社製 結合アクリロニトリル量49重量%)100重量部に対して、有機過酸化物としてペロキシモンF―40(日本油脂株式会社製)10重量部、FEFカーボンブラック50重量部、可塑剤1として味の素ファインテクノ株式会社製 品名:Reofos BAPP(以下、「BAPP」と略す)を10重量部、架橋助剤としてN,N‘−m−フェニレンジマレイミド5重量部、老化防止剤としてアルキル化ジフェニルアミン1.5重量部、金属酸化物として酸化亜鉛3重量部、滑剤としてステアリン酸1重量部、Luwax OA( BASFジャパン社製)を0.3重量部用いた。
(実施例2)
実施例2は、第1の態様に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物としてリン酸エステル化合物を用いた配合例である。
実施例2は、第1の態様に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物としてリン酸エステル化合物を用いた配合例である。
なお、本実施例2に用いたリン酸エステル化合物は、その構造中に芳香族単環炭化水素の置換基を3個有している。
本実施例2においては、可塑剤2として大八化学工業株式会社製 品名:TCP(以下、「TCP」と略す)を10重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例3)
実施例3は、第1の態様1に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物としてリン酸エステル化合物を用いた配合例である。
実施例3は、第1の態様1に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物としてリン酸エステル化合物を用いた配合例である。
なお、本実施例3に用いたリン酸エステル化合物は、その構造中に芳香族単環炭化水素の置換基を2個有している。
本実施例3においては、可塑剤3として大八化学工業株式会社製 品名:#41(以下、「#41」と略す)を10重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例4)
実施例4は、第1の態様に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物としてリン酸エステル化合物を用いた配合例である。
実施例4は、第1の態様に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物としてリン酸エステル化合物を用いた配合例である。
なお、本実施例4に用いたリン酸エステル化合物は、その構造中に芳香族単環炭化水素の置換基を含まない。
本実施例4においては、可塑剤4として大八化学工業株式会社製 品名:AP−10(以下、「AP−10」と略す)を10重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例5)
実施例5は、第1の態様に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物として亜リン酸エステル化合物を用いた配合例である。
実施例5は、第1の態様に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物として亜リン酸エステル化合物を用いた配合例である。
なお、本実施例5に用いた亜リン酸エステル化合物は、その構造中に芳香族単環炭化水素の置換基を3個有している。
本実施例5においては、可塑剤5として大八化学工業株式会社製 品名:TP―I(以下、「TP―I」と略す)を10重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(比較例1)
比較例1は、結合アクリロニトリル量49重量%であるZetpol 0020を用い、ゴム組成物用可塑剤として従来技術の脂肪族二塩基酸エステルを使用した場合の配合例である。
比較例1は、結合アクリロニトリル量49重量%であるZetpol 0020を用い、ゴム組成物用可塑剤として従来技術の脂肪族二塩基酸エステルを使用した場合の配合例である。
本比較例においては、可塑剤6として大八化学工業株式会社製 品名:DOS(以下、「DOS」と略す)を10重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
次に、実施例6から15は、第1の態様に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物としてリン酸エステルまたは亜リン酸エステル化合物の配合量を変量した配合例である。
(実施例6)
本実施例6においては、可塑剤としてBAPPを5重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本実施例6においては、可塑剤としてBAPPを5重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例7)
本実施例7においては、可塑剤としてTCPを5重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本実施例7においては、可塑剤としてTCPを5重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例8)
本実施例8においては、可塑剤として#41を5重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本実施例8においては、可塑剤として#41を5重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例9)
本実施例9においては、可塑剤としてAP−10を5重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本実施例9においては、可塑剤としてAP−10を5重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例10)
本実施例10においては、可塑剤としてTP−Iを5重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本実施例10においては、可塑剤としてTP−Iを5重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例11)
本実施例11においては、可塑剤としてBAPPを15重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本実施例11においては、可塑剤としてBAPPを15重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例12)
本実施例12においては、可塑剤としてTCPを15重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本実施例12においては、可塑剤としてTCPを15重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例13)
本実施例13においては、可塑剤として#41を15重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本実施例13においては、可塑剤として#41を15重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例14)
本実施例14においては、可塑剤としてAP−10を15重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本実施例14においては、可塑剤としてAP−10を15重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例15)
本実施例15においては、可塑剤としてTP−Iを15重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本実施例15においては、可塑剤としてTP−Iを15重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
次の比較例2および比較例3は、結合アクリロニトリル量49重量%であるZetpol 0020を用い、ゴム組成物用可塑剤として従来技術の脂肪族二塩基酸エステルの配合量を変量した配合例である。
(比較例2)
本比較例2においては、可塑剤としてDOSを5重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本比較例2においては、可塑剤としてDOSを5重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(比較例3)
本比較例3においては、可塑剤としてDOSを15重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本比較例3においては、可塑剤としてDOSを15重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
次の比較例4および比較例5は、第1の態様に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物としてリン酸エステル化合物の配合量を変量した配合例である。
(比較例4)
本比較例4においては、可塑剤としてBAPPを3重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本比較例4においては、可塑剤としてBAPPを3重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(比較例5)
本比較例5においては、可塑剤としてBAPPを20重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
本比較例5においては、可塑剤としてBAPPを20重量部用いた。それ以外は実施例1と同等の配合である。
(実施例16)
実施例16は、結合アクリロニトリル量44重量%のHNBRに第1の態様に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物としてリン酸エステル化合物を用いた配合例である。
実施例16は、結合アクリロニトリル量44重量%のHNBRに第1の態様に示す二酸化炭素および二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制するリン酸エステル系化合物としてリン酸エステル化合物を用いた配合例である。
本実施例16においては、Zetpol 1020 (日本ゼオン株式会社製 結合アクリロニトリル量44重量%)100重量部に対して、有機過酸化物としてペロキシモンF―40 10重量部、FEFカーボン50重量部、可塑剤としてBAPPを10重量部、架橋助剤としてN,N‘−m−フェニレンジマレイミド5重量部、老化防止剤としてアルキル化ジフェニルアミン1.5重量部、金属酸化物として酸化亜鉛3重量部、滑剤としてステアリン酸1重量部、Luwax OAを0.3重量部用いた。
(比較例6)
比較例6は、結合アクリロニトリル量44重量%であるZetpol 1020を用い、ゴム組成物用可塑剤としてDOSを10重量部用いた。それ以外は実施例16と同等である。
比較例6は、結合アクリロニトリル量44重量%であるZetpol 1020を用い、ゴム組成物用可塑剤としてDOSを10重量部用いた。それ以外は実施例16と同等である。
測定用の加硫成型ゴムシートの作製は、前記の各ゴム配合物を8インチオープンロールで混練を行い、その混練物をプレスにて180℃、6分間加圧成型し作製した。更に、その後オーブンにて、150℃、4時間のポストキュアーを行った。
実施例1〜16および比較例1〜6の加硫ゴムの物理試験は、以下の測定方法にて実施した。
[常態物性]
加硫ゴムのかたさ測定は、JIS K 6253 加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムのかたさ試験方法に準拠し、引張り強さ、伸び測定は、JIS K 6251加硫ゴムの引張り試験方法に準拠して測定した。
加硫ゴムのかたさ測定は、JIS K 6253 加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムのかたさ試験方法に準拠し、引張り強さ、伸び測定は、JIS K 6251加硫ゴムの引張り試験方法に準拠して測定した。
[二酸化炭素透過性]
加硫ゴムシートより90mm×90mm×2mmの試料を切取り、東洋精機株式会社製 ガス透過試験機を用いて、JIS K 7126 『プラスチックフィルムおよびシートの気体透過度試験方法』 A法の試験方法により温度80℃、圧力0.1MPaの条件で測定した。測定値は可塑剤DOSを使用した比較例1の値を比較基準値(100)とし、その他の測定値を指数にして比較した。
加硫ゴムシートより90mm×90mm×2mmの試料を切取り、東洋精機株式会社製 ガス透過試験機を用いて、JIS K 7126 『プラスチックフィルムおよびシートの気体透過度試験方法』 A法の試験方法により温度80℃、圧力0.1MPaの条件で測定した。測定値は可塑剤DOSを使用した比較例1の値を比較基準値(100)とし、その他の測定値を指数にして比較した。
以上の測定結果を表1〜3に示す。
この結果より次のことが判明した。
HNBRにおいては、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5に示すように、結合アクリロニトリル49重量%であるZetpol 0020を用いて第1の態様のリン酸エステル系化合物、具体的には実施例1、実施例2、実施例3および実施例4のリン酸エステル化合物並びに実施例5の亜リン酸エステル化合物を用いることで、比較例1の従来技術の可塑剤を使用した場合と比較し、二酸化炭素透過指数が73、78、82、85、77と比較例1の100と比較し二酸化炭素の透過性が低減しており、かつ加工性も同様に保持できる。
更に、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5の結果より、その構造中に芳香族単環炭化水素の置換基を有する方が透過性は良好である。なおかつ、実施例1、実施例2および実施例5より芳香族単環炭化水素の置換基数を3個以上有するとより効果的に二酸化炭素の透過量を低減できる。
更に、各リン酸エステル系化合物の配合量を5重量部に変量した実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、実施例10と比較例2を比較しても、二酸化炭素透過指数が70、74、76、77、73と比較例2の89と比較して低減効果が見られる。更に、各リン酸エステル系化合物の配合量を15重量部に変量した実施例11、実施例12、実施例13、実施例14、実施例15と比較例3を比較しても、二酸化炭素透過指数が78、84、91、95、82と比較例3の108と比較して明らかなように、従来技術のゴム組成物用可塑剤である脂肪族二塩基酸エステルのDOSより低減効果が見られる。
比較例4よりリン酸エステル化合物BAPPを3重量部とした場合には、二酸化炭素透過指数は、71と低減しているものの、ゴム組成物の可塑性が劣るため、ロール混練作業時にロール巻付き性が劣り作業が困難となる。
更に、比較例5のようにリン酸エステル化合物BAPPを20重量部とした場合には、加硫成型ゴムシートの作製時にゴムシート表面に発泡が見られ、良好な加硫成型ゴムシートが得られない。
実施例16にて、結合アクリロニトリル44重量%であるZetpol 1020を用いてリン酸エステル化合物BAPPを10重量部配合した場合の二酸化炭素指数167と、比較例6の従来技術のゴム組成物用可塑剤である脂肪族二塩基酸エステルのDOSを10重量部配合した場合の二酸化炭素指数176を比較しても同様に二酸化炭素の透過低減効果が見られる。
しかしながら、結合アクリロニトリル量49重量%のZetpol 0020とリン酸エステル化合物を組み合わせることでより二酸化炭素の透過量を低減することができる。
従って、本発明のゴム組成物においては、第1の態様において、水素化ニトリルゴムのアクリロニトリル量が45重量%以上とするとよい。
なお、本発明は前記各実施例に限定されるものではない。
Claims (4)
- 二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体を密封対象とする密封装置に使用されるゴム組成物において、当該ゴム組成物の主原料として、水素化ニトリルゴムを用い、当該主原料に二酸化炭素または二酸化炭素を含む流体の透過性を抑制する化合物として、リン酸エステルまたは亜リン酸エステル化合物を添加してなることを特徴とするゴム組成物。
- 前記化合物が、その構造中に芳香族単環炭化水素の置換基を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記化合物が、その構造中に有する芳香族単環炭化水素の置換基数が3個以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゴム組成物。
- 前記化合物の配合量が、水素化ニトリルゴム100重量部に対して5〜15重量部であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
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