JP2003327748A - 二酸化炭素冷媒用ゴム組成物および二酸化炭素冷媒輸送用ホース - Google Patents

二酸化炭素冷媒用ゴム組成物および二酸化炭素冷媒輸送用ホース

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JP2003327748A
JP2003327748A JP2002132273A JP2002132273A JP2003327748A JP 2003327748 A JP2003327748 A JP 2003327748A JP 2002132273 A JP2002132273 A JP 2002132273A JP 2002132273 A JP2002132273 A JP 2002132273A JP 2003327748 A JP2003327748 A JP 2003327748A
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butadiene
carbon dioxide
hydrogenated
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Hideyuki Oishi
英之 大石
Yuuji Kawamori
裕二 河守
Hiroaki Shibano
宏明 柴野
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Yokohama Hydex Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】超臨界状態のCO2 に接触しても膨張しにくく
発泡しない、耐熱性に優れるCO2 冷媒用ゴム組成物お
よび前記ゴム組成物で構成される内管を有するCO2
媒輸送用ホースの提供。 【解決手段】ブタジエン系成分を含む重合体の前記ブタ
ジエン系成分の一部を水素化してなる水素化ブタジエン
系ゴムを含有し、超臨界状態の二酸化炭素に接触しうる
条件下で使用される二酸化炭素冷媒用ゴム組成物、およ
び、前記ゴム組成物で構成される内管を有するCO2
媒輸送用ホース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超臨界状態の二酸
化炭素に接触しうる条件下で使用される二酸化炭素冷媒
用ゴム組成物および該ゴム組成物で構成される内管を有
する二酸化炭素冷媒輸送用ホースに関する。より詳しく
は、超臨界状態の二酸化炭素に接触しても膨張しにくく
発泡しない、耐熱性に優れる二酸化炭素冷媒用ゴム組成
物および該ゴム組成物で構成される内管を有する二酸化
炭素冷媒輸送用ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用のクーラーや家庭用冷蔵庫等の
各種クーラーシステムに使用される冷媒はフロン系や代
替フロン系(例えば、R134a等)が使用されている
が、これらのガスの地球温暖化係数は二酸化炭素(以下
「CO2 」という)の約3100倍と大きく、近年では
次世代冷媒ガスとしてCO2 が注目されている。
【0003】このCO2 冷媒は地球温暖化係数は低いも
のの、そのクーラーシステムにおいては、その作動時
(冷媒加圧時)にCO2 が超臨界状態に至り、従来の冷
媒輸送用ゴムホースを用いると、以下の欠点がある。該
ホースは、超臨界状態のCO2 に接触すると、そのホー
ス内管の構成材料次第では、該接触したホース内管が短
時間に膨張さらには発泡という劇的な変化を受けうるこ
とが知られている。ホース内管がこのような変化を受け
ると、ホースとしての耐圧性能が大きく損なわれるだけ
でなく、ホ−ス管路の縮小または閉塞が起こりうるし、
ホース内管に期待されるホース継手金具との接続部シー
ル性等が損なわれうる。
【0004】これらの欠点を解決する技術として、非極
性ゴムのいずれか一種または二種以上のブレンド材から
なり、かつ、引張り破断伸び(EB)が200%以上で
あることを特徴とするゴム材および該ゴム材を用いたゴ
ム内管層を有することを特徴とするCO2 冷媒用ホース
が、特開2000−239451号公報に記載されてい
る。しかし、CO2 冷媒システムでは、超臨界状態CO
2 に対する耐性の他に、150℃程度の高温における耐
熱性(高温にさらされた後にゴムの伸びが低下しない
「熱老化性」を含む)も要求されるが、該ゴム材のなか
には、充分な耐熱性(優れた熱老化性)を備えていない
ものもあり、イオウで加硫したEPDM等、実用性に乏
しい場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、超臨界状態
のCO2 に接触しても膨張しにくく発泡しない(以下
「超臨界状態のCO2 により変化・変形しない」という
場合がある)、耐熱性に優れるCO2 冷媒用ゴム組成物
を提供することを目的とする。また、該ゴム組成物で構
成される内管を有する、超臨界状態のCO2 により変化
・変形しない、耐熱性に優れるCO2 冷媒輸送用ホース
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記観点
から各種のゴムおよびその組成物について超臨界状態の
CO2 による影響等を鋭意検討した結果、該組成物の主
成分であるゴム成分を特定の重合ゴムとすることによ
り、好ましくは、その不飽和度を特定の範囲とすること
により、該重合ゴムが架橋した後の該組成物が、超臨界
状態のCO2 により変化・変形せず、耐熱性に優れるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、1)本発明の第1態様は、ブタ
ジエン系成分を含む重合体の前記ブタジエン系成分の一
部を水素化してなる水素化ブタジエン系ゴムを含有す
る、超臨界状態の二酸化炭素に接触しうる条件下で使用
される二酸化炭素冷媒用ゴム組成物である。ここで、前
記水素化ブタジエン系ゴムが、水素化ブタジエンゴム、
水素化スチレン−ブタジエンゴムまたは水素化アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴムであるのが好ましい。また、
前記水素化ブタジエン系ゴムが、前記ブタジエン系成分
の90%超を水素化(水素化率90%超)してなる水素
化ブタジエン系ゴムであるのが好ましい。なお、本発明
において「ブタジエン系」とは、ブタジエン骨格を有す
るものであればよく、ブタジエンはもちろん、置換基を
有するブタジエン、例えば、イソプレン、クロロプレン
等を含む。また「水素化」とは「水添」を意味し、例え
ば「水素化ニトリルゴム」は「水添ニトリルゴム」とも
いう。
【0008】また、本発明者らは、同様に鋭意検討した
結果、該組成物の主成分であるゴム成分を水素化ニトリ
ルゴムとし、不飽和度および結合アクリロニトリル量を
特定の範囲とすることにより、該ゴムが架橋した後の該
組成物が、該水素化ニトリルゴムの優れた耐熱性を損な
うことなく、超臨界状態のCO2 により変化・変形しな
いことを見出し、本発明を完成した。すなわち、2)本
発明の第2態様は、ブタジエン系成分を含む重合体の前
記ブタジエン系成分の一部を水素化してなる、下記条件
(1)および(2)を満たす水素化ニトリルゴムを含有
する、超臨界状態の二酸化炭素に接触しうる条件下で使
用される二酸化炭素冷媒用ゴム組成物である。 (1)結合アクリロニトリル量が30質量%以下 (2)水素化率が90%超 ここで、前記水素化ニトリルゴムが、アクリロニトリル
−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−イソプレンゴム(NBIR)およびアクリロニ
トリル−ブタジエン−エチレンゴム(NBER)から選
択される1種以上のニトリルゴムのブタジエン系成分の
一部を水素化してなるのが好ましい。
【0009】前記第1および第2態様の二酸化炭素冷媒
用ゴム組成物には、本発明の目的を損わない範囲で、添
加剤として、加硫剤、加硫促進剤、カーボンブラック等
を適宜配合できる。
【0010】さらに、3)本発明の第3態様は、水素化
ブタジエン系ゴム(水素化ニトリルゴムを含む。以下同
様。)を含有する、120℃、10MPaの超臨界CO
2 下に、24時間浸漬後、常温(20℃)まで冷却した
直後の膨潤度が、40%以下である、超臨界状態の二酸
化炭素に接触しうる条件下で使用される二酸化炭素冷媒
用ゴム組成物である。なお、水素化ブタジエン系ゴム、
その性質および添加剤等は、上記第1および第2態様と
同様である。
【0011】4)本発明の第4態様は、1)〜3)のい
ずれかに記載の二酸化炭素冷媒用ゴム組成物で構成され
る内管を有する二酸化炭素冷媒輸送用ホースを提供す
る。前記二酸化炭素冷媒輸送用ホースは、内管、外管お
よびそれらの中間に配する補強層を含む少なくとも3層
からなるホースであって、内管が1)〜3)のいずれか
に記載の二酸化炭素冷媒用ゴム組成物で構成されている
のが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する
が、まず、本発明の二酸化炭素冷媒用ゴム組成物(以下
「本発明の組成物」という)に用いる水素化ブタジエン
系ゴムおよびその性質等について説明する。本発明の第
1態様は、ブタジエン系成分を含む重合体の該ブタジエ
ン系成分の一部を水素化してなる水素化ブタジエン系ゴ
ムを含有する、超臨界状態の二酸化炭素に接触しうる条
件下で使用される二酸化炭素冷媒用ゴム組成物である。
本発明の第1態様では、二酸化炭素冷媒用ゴム組成物の
主成分であるゴム成分に水素化ブタジエン系ゴムを使用
することにより、該組成物が超臨界状態のCO 2 により
変化・変形せず、また、耐熱性に優れることを見出し、
本発明を完成した。
【0013】本発明の第1態様に用いるゴム成分は、ブ
タジエン系成分を含む重合体の該ブタジエン系成分の一
部を水素化してなる水素化ブタジエン系ゴムである。こ
こで、本発明において「ブタジエン系」とは、ブタジエ
ン骨格を有するものであればよく、ブタジエンはもちろ
ん、置換基を有するブタジエン、例えば、イソプレン、
クロロプレン等を含む。したがって、第1態様に用いる
ゴムは、ブタジエン骨格を持つモノマーを含み該ブタジ
エン骨格の一部を水素化してなるゴムであれば、特に限
定されず、例えば、ブタジエンゴム(BR)、イソプレ
ンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)等の単独重
合ブタジエン系ゴム;スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン
−クロロプレンゴム(SCR)等のスチレン−ブタジエ
ン系ゴム;アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、アクリロニトリル−イソプレンゴム(NIR)、
アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレンゴム(NB
IR)、アクリロニトリル−エチレン−ブタジエンゴム
(NBER)等のニトリルゴム;等のブタジエン系成分
の一部を水素化してなるゴムが挙げられる。ニトリルゴ
ムの詳細な具体例は、後述する本発明の第2態様で挙げ
る。入手の容易性等の点で、ブタジエンゴム(BR)、
スチレン−ブタジエンゴム(SBR)およびアクリロニ
トリル−ブタジエンゴム(NBR)のブタジエン系成分
の一部を水素化してなるゴムが好ましい。なお、第1態
様に用いるゴムとしては、市販品を使用することがで
き、または、対応するモノマーを通常用いられる条件下
で単独重合もしくは共重合した製造品を使用することが
できる。
【0014】本発明の第1態様に用いるゴムは、ブタジ
エン系成分の90%超を水素化(以下「水素化率90%
超」という場合がある)してなる水素化ブタジエン系ゴ
ムであるのがより好ましい。水素化率90%超の水素化
ゴムを用いると、該ゴムを含有する組成物が超臨界状態
のCO2 により変化・変形せず、また、優れた耐熱性を
有し、高温条件下(120〜170℃程度)でも十分に
耐えられ実用性を備える。
【0015】ここで、水素化率とは、ゴムの主鎖中に有
するブタジエン系成分に由来する二重結合量に対する、
水素化によりゴム主鎖中に有する飽和結合へと変化し
た、二重結合量の割合をいう。例えば、後述する実施例
1で用いた水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム
は、水素化率が93%であって、原料のアクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム主鎖中に有する二重結合の93(モ
ル)%が水素化された水素化アクリロニトリル−ブタジ
エンゴムである。本発明において、水素化率は、90%
超であり、好ましくは93%以上、より好ましくは95
%以上であり、100%未満である。この範囲であれ
ば、超臨界状態のCO2 により変化・変形せず、また、
優れた耐熱性を有する組成物が得られる。
【0016】ブタジエン系成分を水素化する方法は特に
限定されず、通常の水素化方法を用いることにより行な
われる。例えば、特公昭36−3895号公報、特公昭
42−8933号公報、特公昭42−25304号公
報、特公昭45−39274号公報、特開平09−15
7442号公報、特開平09−241431号公報、特
許第3069173号明細書等に記載されている方法が
挙げられる。また、水素化に際し使用される触媒として
は、例えば、パラジウム/シリカおよびパラジウム錯体
(特開平3−252405号)等が挙げられる。さら
に、特開昭62−125858号公報、特開昭62−4
2937号公報、特開平1−45402号公報、特開平
1−45403号公報、特開平1−45404号公報、
特開平1−45405号公報等に記載されているような
ロジウムまたはルテニウム化合物を使用することもでき
る。
【0017】水添反応は、一般には重合体を水素または
不活性雰囲気下、所定の温度に保持し、攪拌下または不
攪拌下にて水添触媒を添加し、次いで水素ガスを導入し
て所定圧に加圧することによって実施される。不活性雰
囲気とは、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン等の水添
反応のいかなる関与体とも反応しない雰囲気を意味す
る。空気や酸素は触媒を酸化したりして触媒の失活を招
くので好ましくない。また窒素は水添反応時触媒毒とし
て作用し、水添活性を低下させるので好ましくない。特
に、水添反応器内は水素ガス単独の雰囲気であることが
最も好適である。水添共重合体を得る水添反応プロセス
は、バッチプロセス、連続プロセス、それらの組合せの
いずれでも用いることができる。
【0018】水素化率は、市販の水素化ブタジエン系ゴ
ムを用いる場合にはそのグレードにより容易に知ること
ができ、製造する場合には、例えば、水素化ブタジエン
系ゴムのクロロホルムまたは四塩化炭素溶液にヨウ素と
塩化水銀(II)のアルコール溶液または塩化ヨウ素の
氷酢酸溶液を加えて、放置後反応しないで残ったヨウ素
をチオ硫酸ナトリウム標準液で滴定してヨウ素価を求
め、ヨウ素価と水素化率の対応表を作成して算出するこ
とができる。水素化率は、製造に用いる水素量または水
素化条件の選択により任意の値に調節できる。
【0019】水素化ブタジエン系ゴムの分子量は、特に
限定されない。第1態様の組成物では、水素化ブタジエ
ン系ゴムを1種単独で、または2種以上を併用して使用
してもよく、また、必要により本発明の目的が損われな
い範囲で他のゴムと併用して使用してもよい。
【0020】本発明の第2態様は、ブタジエン系成分を
含む重合体の該ブタジエン系成分の一部を水素化してな
る、下記条件(1)および(2)を満たす水素化ニトリ
ルゴムを含有する、超臨界状態の二酸化炭素に接触しう
る条件下で使用される二酸化炭素冷媒用ゴム組成物であ
る。 (1)結合アクリロニトリル量が30質量%以下 (2)水素化率が90%超 ここで、水素化ニトリルゴムが、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−イソプレ
ン(NIR)、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプ
レン(NBIR)およびアクリロニトリル−ブタジエン
−エチレンゴム(NBER)から選択される1種以上の
ニトリルゴムのブタジエン系成分の一部を水素化してな
るのが好ましい。
【0021】第2態様で用いる水素化ニトリルゴムの結
合アクリロニトリル量は30質量%以下である。ここ
で、結合アクリロニトリル量は、25質量%以下が好ま
しく、20質量%以下が特に好ましい。水素化率は、第
1態様と同様である。
【0022】本発明の第2態様では、結合アクリロニ
トリル量を特定の範囲にすると、主に超臨界状態のCO
2 によるCO2 冷媒用ゴム組成物の発泡を抑える効果が
あること、水素化率を特定の範囲にすると、CO2
媒用ゴム組成物の膨張および発泡を抑える効果があるこ
と、および、結合アクリロニトリル量と水素化率を共
に特定の範囲とすると、相互に影響して該組成物の発泡
と膨張とのバランスが最適化でき、特に超臨界状態のC
2 により変化・変形しないことを見出し、本発明を完
成した。すなわち、水素化ニトリルゴムを主成分として
用いる場合には、その結合アクリロニトリル量および水
素化率を特定の範囲とすることにより、該CO2 冷媒用
ゴム組成物が、該ゴムの優れた耐熱性を損なうことな
く、特に超臨界状態のCO2 により変化・変形しないこ
とを見出し本発明を完成した。
【0023】上記結合アクリロニトリル量は、各種ゴム
に一般的に用いられるパラメータであるが、以下に説明
する。結合アクリロニトリル量は、ニトリルゴム中のア
クリロニトリルの含量であり、水素化率が一定の場合に
は主に超臨界状態のCO2 によるCO2 冷媒用ゴム組成
物の発泡に関与する因子であると考えられる。本発明に
おいて、結合アクリロニトリル量は、ニトリルゴムを水
素化した水素化ニトリルゴムに対して、30質量%以
下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質
量%以下である。結合アクリロニトリル量は、低い数値
の方がゴム組成物の発泡を抑えることができるが、その
下限は、10質量%である。結合アクリロニトリル量
が、30質量%超であると超臨界状態CO2 によるCO
2 冷媒用ゴム組成物の発泡が生じ、10質量%未満であ
ると、ニトリルゴムの特性(耐油性等)が劣るためCO
2 冷媒用ゴム組成物としての特性に劣る場合がある。
【0024】上記したニトリルゴムにおける結合アクリ
ロニトリル量は、市販のニトリルゴムを用いる場合には
そのグレードにより容易に知ることができ、製造する場
合には、共重合によりニトリルゴムを合成するときの全
単量体質量に対する、アクリロニトリルの質量から求め
ることができる。また、ニトリルゴムの結合アクリロニ
トリル量は、JIS K6384−1995に記載のア
クリロニトリル−ブタジエン系ゴムについての測定方法
により求めることもできる。
【0025】水素化率は、第1態様と同様の方法により
求めることができる。なお、本発明の第2態様におい
て、水素化率が90%超であるのは、第1態様と同様で
あるので、説明を省略する。
【0026】本発明では、水素化率を上記特定範囲内に
することでCO2 冷媒用ゴム組成物の発泡および膨張を
抑制することができるが(本発明の第1態様)、さら
に、結合アクリロニトリル量を上記特定範囲内にするこ
とで、相互に影響してCO2 冷媒用ゴム組成物の発泡お
よび膨張を著しく抑制することができる。
【0027】本発明で用いる水素化ニトリルゴムは、ブ
タジエン骨格を有する単量体(ブタジエン系単量体)、
不飽和ニトリル、必要により、不飽和ニトリル以外のエ
チレン性不飽和単量体を含有し、上記(1)および
(2)の条件を満たす、ニトリルゴムのブタジエン系単
量体(成分)の一部を水素化したものである。該水素化
ニトリルゴムの具体例としては、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−イソプレ
ンゴム(NIR)、アクリロニトリル−ブタジエン−イ
ソプレンゴム(NBIR)、アクリロニトリル−ブタジ
エン−エチレンゴム(NBER)等のブタジエン系成分
の一部を水素化したもの;メチルアクリレート−アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム、アクリル酸−アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム等のブタジエン系成分の一部を
水素化したもの;等が挙げられる。これらのなかでも、
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリ
ロニトリル−イソプレンゴム(NIR)、アクリロニト
リル−ブタジエン−イソプレンゴム(NBIR)、アク
リロニトリル−ブタジエン−エチレンゴム(NBER)
等のブタジエン系成分の一部を水素化したものが好まし
く、特にアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
のブタジエン成分の一部を水素化したものが好ましい。
これらの水素化ニトリルゴムは、入手が容易で耐熱性、
耐候性に優れ、超臨界状態のCO2 に接触しても膨張し
にくく発泡しない。水素化ニトリルゴムの分子量は、特
に限定されない。第2態様の組成物では、水素化ニトリ
ルゴムを1種単独で、または2種以上を併用して使用し
てもよく、また、必要により本発明の目的が損われない
範囲で他のゴムと併用して使用してもよい。
【0028】第2態様で用いる水素化ニトリルゴムは、
市販されている中または低ニトリルの水素化ニトリルゴ
ム、例えば、Zetpol3110(ニトリル量24.
6%、水素化率93%)、Zetpol4110(ニト
リル量16.7%、水素化率93%)(いずれも日本ゼ
オン株式会社製)等を用いるか、あるいは、ブタジエン
系単量体および不飽和ニトリル単量体を通常用いられる
方法で共重合して、ニトリルゴムを製造し、または、市
販のニトリルゴムを用いて、さらに、これらのニトリル
ゴムを水素化して得られる。水素化は、第1態様で説明
した方法と同様の方法で行うことができる。結合アクリ
ロニトリル量は、製造に用いる不飽和ニトリル量により
調節できる。
【0029】以上、本発明の二酸化炭素冷媒用ゴム組成
物(以下「本発明の組成物」という)のゴム成分および
その性質等について説明したが、以下本発明の組成物に
ついて説明する。なお、第1態様および第2態様の組成
物は、ゴム成分以外は同じである。本発明の組成物は、
上記した水素化ブタジエン系ゴム(水素化ニトリルゴム
を含む。以下「本発明のゴム」という)の他に、本発明
の目的を損なわない範囲で、添加剤を必要に応じて配合
することができ、添加剤としては、例えば、カーボンブ
ラック、クレー等の充填剤、プロセスオイル等の軟化
剤、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、可塑剤、加工助
剤、老化防止剤、顔料等が挙げられる。
【0030】各種添加剤等を配合することにより、本発
明のCO2 冷媒用ゴム組成物は、超臨界状態のCO2
より変化・変形せず、耐熱性に優れる性質を損なうこと
なく、各種添加剤による効果(例えば、カーボンブラッ
ク配合による組成物の強度向上等)が得られる。
【0031】本発明の組成物は、上記本発明のゴムに、
必要に応じてカーボンブラック、プロセスオイル等の上
記添加剤等を加えて混合し、例えば140〜200℃
(通常140〜170℃)で約5〜200分間、加熱加
硫してゴム組成物とする。
【0032】このようにして得られた本発明の組成物
は、該ゴムが架橋した後の組成物が超臨界状態のCO2
に接触しても膨張しにくく発泡せず、耐熱性に優れる。
そのため、本発明の組成物は、超臨界状態のCO2 に接
触しうる条件下で使用されるゴム組成物に好適に用いる
ことができ、その用途は特に限定されないが、より好ま
しくは、冷媒にCO2 を用いた各種クーラーシステム等
の冷媒輸送用ホース、シール部材(Oリング)等に用い
ることができ、具体的には、自動車用のクーラー、家庭
用冷蔵庫等の冷媒輸送用ホース、シール部材(Oリン
グ)等に用いることができる。
【0033】本発明の第3態様は、水素化ブタジエン系
ゴムを含有する、120℃、10MPaの超臨界CO2
下に、24時間浸漬後、常温(20℃)まで冷却した直
後の膨潤度が、40%以下である、超臨界状態の二酸化
炭素に接触しうる条件下で使用される二酸化炭素冷媒用
ゴム組成物である。膨潤度試験は、JIS K6258
−1993に準拠して測定する。具体的には、試験片を
耐圧容器(例えば、オートクレーブ等)に入れ、その内
部に液化CO2 を充填させ、耐圧容器内を昇温させてC
2 の臨界点(31°C以上/7.39MPa以上)を
超える条件、具体的には温度120°C、圧力10MP
aの条件でCO2 を超臨界状態とし、この状態でゴム組
成物試験片を24時間処理した。その後、減圧して常温
常圧に戻した後試験片を取り出して、その時点(開放直
後)における膨潤度を測定する。なお、本発明において
「膨潤度」とは、上記したようにJIS K6258−
1993に記載されている「浸せき試験」による測定値
を意味し、体積変化率により評価する。
【0034】第3態様の組成物は、ゴムに水素化ブタジ
エン系ゴムを使用することにより、第1態様、第2態様
と同様に組成物の発泡を抑えることができる。また、該
ゴムによりその膨張も抑えることができるが、上記条件
における膨潤度が40%以下であれば、超臨界状態のC
2 が該組成物に透過(浸透)しにくいと考えられ、十
分に膨張を抑えることができる。組成物の膨潤度が40
%超の場合は、超臨界状態のCO2 が該組成物に透過
(浸透)しやすいと考えられ、超臨界状態のCO2 に接
触直後の膨張が大きく、ホ−ス管路の縮小または閉塞が
起こる可能性がある。第3態様における水素化ブタジエ
ン系ゴム、その性質、組成物の効果および用途等は、第
1および第2態様と同様である。
【0035】本発明の第4態様は、本発明の第1〜3態
様のCO2 冷媒用ゴム組成物で構成される内管を有する
CO2 冷媒輸送用ホースであり、上記CO2 冷媒輸送用
ホースは、内管、外管およびそれらの中間に配する補強
層を含む少なくとも3層からなるホースであって、内管
が本発明の第1〜3態様のCO2 冷媒用ゴム組成物で構
成されているのが好ましい。以下、第4態様のCO2
媒輸送用ホース(以下「本発明のホース」という)につ
いて説明する。
【0036】本発明のホースは、上記CO2 冷媒用ゴム
組成物(以下、単に「上記ゴム組成物」という場合があ
る)で構成される内管を有するホースであればよく、ま
た、内管は一層または複数層としてもよく、その際少な
くとも内管の一層(超臨界状態CO2 と接触しうる最内
層)を上記ゴム組成物で構成すればよい。また、内管、
外管およびそれらの中間に配する補強層を含む少なくと
も3層からなるホースが好ましい。なお、内管および/
または外管の一部の層に、ホースの柔軟性、振動吸収性
を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラスト
マー等またはそれらの組成物を使用してもよい。さら
に、内管の外周の全部にCO2 ガス不透過層として、金
属箔層、金属蒸着層または樹脂層をさらに有するのが好
ましい。
【0037】以下、本発明のホースを図1に記載の一実
施形態例に基づいて説明するが、本発明のホースはこれ
に限定されない。図1は、本発明のホースの一実施形態
例であるホースの各層(各管)を切り欠いて示す斜視図
である。該ホースは、内管と補強層と外管とを有する3
層からなるホースである。本発明のホース1は、上記ゴ
ム組成物で構成される内管2を有し、その上層に補強層
3、さらにその上層に外管4を備えている。
【0038】内管2は、上記ゴム組成物で構成される一
層からなり、ホースの最内層をなすものである。該内管
の厚さは、必要に応じて任意に設計すればよいが、例え
ば、0.5〜5.0mm程度がよく、0.8〜3.0m
mが好ましい。
【0039】また、本発明のホースは補強層3を必ずし
も有している必要はないが、補強層を備えていると、ホ
ースの引張り破断強度、使用可能圧力範囲および金具装
着性が向上するので好ましい。補強層としては、補強糸
や補強鋼線で形成されるブレード状、スパイラル状、補
強糸で形成されるネット状、さらにはフィルム状の構造
が例示される。補強糸としては、例えば、アラミド繊
維、ナイロン、レーヨン、ビニロン、ポリエステル等の
糸が例示される。補強鋼線としては、防錆および接着性
付与のためにブラスメッキあるいは亜鉛メッキされた鋼
線が例示される。振動吸収性の点からは、補強糸がより
好ましい。
【0040】一層からなる外管4はホースの最外層とな
るものであって、ホースの耐候性、耐熱性、耐透水性等
を保持する層であり、かかる観点からブチルゴム、ハロ
ゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、臭素化イ
ソブチレン−p−メチルスチレン共重合ゴム(BIM
S)、エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム(AE
M)等が好ましいが、これらに限定されるものではな
い。外管の厚さは、必要に応じて任意に設計すればよい
が、0.5〜3mmの厚さが好ましく、0.8〜2mm
の厚さがより好ましい。
【0041】CO2 ガス不透過層を設ける場合は、内管
の外周の全部に設けるのがよく、その構成および材料
は、特に限定されないが、例えば、特開2000−23
9451号公報に記載のものを用いることができる。
【0042】本発明のホースは、例えば、マンドレル等
の外周に円筒状に形成された未加硫状態の上記ゴム組成
物の外周に、補強糸または補強ワイヤ等を複数本ひきそ
ろえてスパイラル状あるいはブレード状に編み組みして
補強層を形成し、さらにその外周に外管を押出し成形に
より形成する。続いて、ホース全体を加熱する。加熱温
度は、ゴムが加硫する温度であればよく、好ましくは1
20℃以上、より好ましくは140〜170℃である。
十分冷却した後は、マンドレルから抜き取ることによ
り、本発明のホースが得られる。
【0043】このようにして得られる本発明のホース
は、超臨界状態のCO2 に接触しても膨張しにくく発泡
せず、耐熱性に優れる。そのため、本発明のホースは、
超臨界状態のCO2 に接触しうる条件下で使用されるホ
ースに好適に用いることができ、より好ましくは、冷媒
にCO2 を用いた各種クーラーシステム等の冷媒輸送用
等に用いることができ、具体的には、自動車用のクーラ
ー、家庭用冷蔵庫等の冷媒輸送に用いることができる。
【0044】
【実施例】本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明
する。 <CO2 冷媒用ゴム組成物>第1表に示す各ゴムにつ
き、第1表の「添加剤」の欄に示すように、それぞれの
未加硫ゴム(第1表中「ゴム」として表示)100質量
部に対して各種の添加剤を表記の数値の質量部だけ添加
し、常法に従って混練した。
【0045】各組成物に用いた添加剤を以下に記載す
る。 カーボンブラック(SRF):旭カーボン社製、旭#5
0 亜鉛華(ZnO):正同化学工業社製、亜鉛華3号 ステアリン酸:花王社製、ルナックYA トリアリルイソシアヌレート:日本化成社製、タイク 2−メルカプトベンツイミダゾール:大内新興化学社
製、ノクラックMB ジアリルフタレート:ダイソー社製、DAP ジ−t−ブチルペルオキシジイソプロピルベンゼン:化
薬アクゾ社製、パーカドックス14/40 パラフィンオイル:昭和シェル石油社製、マシン油22 イオウ:軽井沢精錬所社製、粉末イオウ TT:三新化学工業社製、サンセルラーTT−PO CZ:三新化学工業社製、サンセルラーCM−PO
【0046】(実施例1)ゴムに、結合アクリロニトリ
ル量24.6質量%、水素化率93%の水素化アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム(以下「HNBR」という)
(日本ゼオン社製、Zetpol3110)を用いた。 (実施例2)ゴムに、結合アクリロニトリル量16.7
質量%、水素化率93%のHNBR(日本ゼオン社製、
Zetpol4110)を用いた。
【0047】(比較例1)ゴムに、EPDM(三井化学
社製、三井EPT4070)を用いた。 (参考例1)ゴムに、結合アクリロニトリル量36.2
質量%、水素化率97.5%のHNBR(日本ゼオン社
製、Zetpol2000)を用いた。 (参考例2)ゴムに、結合アクリロニトリル量36.2
質量%、水素化率96%のHNBR(日本ゼオン社製、
Zetpol2010)を用いた。 (参考例3)ゴムに、結合アクリロニトリル量16.7
質量%、水素化率90%のHNBR(日本ゼオン社製、
Zetpol4120)を用いた。
【0048】
【表1】
【0049】実施例1、2、比較例1および参考例1〜
3で得られたゴム組成物を、温度150℃、1.5時間
加熱し、厚さ2mmのシート状に加硫成形した。この各
シート状の加硫成形物を(縦)20×(横)30mm×
(厚さ)2mmの方形(膨潤度試験用の寸法)にカット
して各ゴム組成物試験片とし、以下の試験に供した。試
験結果を第1表に示す。
【0050】(膨潤度試験(浸せき試験))各ゴム組成
物の膨張の評価は、以下の膨潤度(体積変化率)試験に
より行った。実施例および比較例のゴム組成物試験片
を、それぞれステンレス製のオートクレーブ中に投入し
て蓋をボルトで締めつけた。次いでその内部に液化CO
2 を充填させ、オートクレーブ内を昇温させてCO2
臨界点(31°C以上/7.39MPa以上)を超える
条件、具体的には温度120°C、圧力10MPaの条
件でCO2 を超臨界状態とし、この状態でゴム組成物試
験片を24時間処理した。なお、上記条件は、クーラー
システムにおいて本発明のゴム組成物(本発明のホー
ス)が実際に使用される条件である。
【0051】その後、オートクレーブ内を緩やかに減圧
して常温常圧に戻した後、ゴム組成物試験片を取り出し
て、その時点(開放直後)における膨潤度の測定を行っ
た。膨潤度は処理前後の寸法変化率を測定し、体積変化
を求め、増大率を%で表した。具体的な方法は、JIS
K6258−1993に記載の浸せき試験方法に従っ
た。なお、膨潤度は、40%以下であれば、超臨界状態
のCO2 に接触しうる条件下で十分に使用できる。
【0052】(発泡試験)上記膨潤度試験において、超
臨界状態のCO2 に浸せきした後の各ゴム組成物試験片
の表面を目視により観察した。発泡が確認できる場合を
「×」とし、発泡していないがわずかに表面が変化(発
泡破裂疵、隆起等の発生)した場合を「△」、発泡およ
び表面の変化を確認できない場合を「◎」とした。
「◎」であれば、超臨界状態のCO2 に接触しうる条件
下で十分に使用できる。
【0053】(耐熱性試験(熱老化試験))JIS K
6257−1993に準拠し、150℃、72時間後の
伸びを、加熱前の伸びに対する変化率として求めた。評
価は、伸び変化率が20%以下で充分に使用できる場合
を「◎」、伸び変化率が40%以下で使用できる場合を
「△」、伸び変化率が40%超で使用できない場合を
「×」とした。
【0054】比較例1では、ゴムにEPDMを用いてお
り、その組成物は発泡が認められないものの膨潤度が高
い。また、熱老化試験において、伸びの変化率が高く、
耐熱性(熱老化性)に劣る。対して、結合アクリロニト
リル量および水素化率ともに本発明の範囲内にあるHN
BRを用いた実施例1および2では、その組成物は発泡
が認められず、かつ、膨潤度も低く、超臨界状態のCO
2 に接触しうる条件下で十分に使用できる。特に実施例
2のように、結合アクリロニトリル量が低く水素化率が
高い値を持つHNBRをゴム成分として用いた組成物
は、未発泡かつ低膨潤度にすることができ超臨界状態の
CO2 に接触しうる条件下で好適に使用できる。また、
HNBRをゴム成分として用いた組成物(実施例1、2
および参考例1〜3)は、耐熱性(熱老化性)にも優
れ、実用性を有した。さらに、実施例2のゴム組成物
を、超臨界状態のCO2 に繰返し浸せきしても内管の膨
張、収縮の繰返しによる劣化もみられなかった。
【0055】<CO2 冷媒輸送用ホース>実施例2で得
られたCO2 冷媒用ゴム組成物を、ゴム用クロスヘッド
ダイ型の押出機で、直径6mmのマンドレルの外周に押
出し、厚さ1.5mmの内管を形成した。内管の上に、
アラミド糸からなる補強材を編み組みして(1680d
tex、60本)、補強層を形成した。補強層の上に、
EDPMゴム組成物を、ゴム用クロスヘッドダイ型の押
出機を用いて押出し、厚さ1.2mmの外管を形成し
た。その後、ホース全体を160℃で90分間加熱し
た。十分冷却するのを確認した後、マンドレルを抜き取
り、本発明のCO2 冷媒輸送用ホースを得た。
【0056】このようにして得られたホースを、超臨界
状態のCO2 に接触しうる条件下、具体的には、自動車
用のクーラーシステムにCO2 冷媒輸送用ホースとして
使用した。クーラーシステムの電源のオン/オフを繰返
し、CO2 が超臨界状態になる条件で、96時間(CO
2 の温度約120℃、圧力約10MPa)試験し評価し
た。
【0057】試験中ホース(内管)は膨張しにくく、ま
た試験後のホースの内管は変化なく、発泡も膨張も認め
られなかった。また、高温条件下でも耐熱性(熱老化
性)にも優れ、実用性を有する。さらに、内管の膨張、
収縮の繰返しによる劣化もみられなかった。
【0058】
【発明の効果】本発明により、超臨界状態のCO2 に接
触しても膨張しにくく発泡しない、耐熱性に優れるCO
2 冷媒用ゴム組成物を提供できる。また、該ゴム組成物
で構成される内管を有する、超臨界状態のCO2 に接触
しても膨張しにくく発泡しない、耐熱性に優れるCO2
冷媒輸送用ホースを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のCO2 冷媒輸送用ホースの好ましい
一実施形態であるホースの各層(各管)を切り欠いて示
した斜視図である。
【符号の説明】
1 本発明のCO2 冷媒輸送用ホース 2 内管 3 補強層 4 外管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河守 裕二 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 柴野 宏明 神奈川県平塚市東八幡4−6−40 横浜ハ イデックス株式会社平塚事業所内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA12 BA13 BA25 BA29 BA34 CA53 CB04 CB14 CC03 CC18 CC19 DA11 DB02 DB09 EA04 EA12 4J002 AC021 AC071 AC081 GM00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブタジエン系成分を含む重合体の前記ブタ
    ジエン系成分の一部を水素化してなる水素化ブタジエン
    系ゴムを含有する、超臨界状態の二酸化炭素に接触しう
    る条件下で使用される二酸化炭素冷媒用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】前記水素化ブタジエン系ゴムが、水素化ブ
    タジエンゴム、水素化スチレン−ブタジエンゴムまたは
    水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴムである、請求
    項1に記載の二酸化炭素冷媒用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】前記水素化ブタジエン系ゴムが、前記ブタ
    ジエン系成分の90%超を水素化してなる、請求項1ま
    たは2に記載の二酸化炭素冷媒用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】ブタジエン系成分を含む重合体の前記ブタ
    ジエン系成分の一部を水素化してなる、下記条件(1)
    および(2)を満たす水素化ニトリルゴムを含有する、
    超臨界状態の二酸化炭素に接触しうる条件下で使用され
    る二酸化炭素冷媒用ゴム組成物。 (1)結合アクリロニトリル量が30質量%以下 (2)水素化率が90%超
  5. 【請求項5】前記水素化ニトリルゴムが、アクリロニト
    リル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−
    ブタジエン−イソプレンゴム(NBIR)およびアクリ
    ロニトリル−ブタジエン−エチレンゴム(NBER)か
    ら選択される1種以上のニトリルゴムのブタジエン系成
    分の一部を水素化してなる、請求項4に記載の二酸化炭
    素冷媒用ゴム組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の二酸化炭
    素冷媒用ゴム組成物で構成される内管を有する二酸化炭
    素冷媒輸送用ホース。
  7. 【請求項7】内管、外管およびそれらの中間に配する補
    強層を含む少なくとも3層からなるホースであって、内
    管が、請求項1〜5のいずれかに記載の二酸化炭素冷媒
    用ゴム組成物で構成されている二酸化炭素冷媒輸送用ホ
    ース。
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JP2007238839A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Arai Pump Mfg Co Ltd ゴム組成物
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