JP2007238052A - 車両の横転防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な制御及び構成によって横転防止の効果を得る。
【解決手段】横転防止装置1は、パワーステアリング装置2が搭載された車両に設けられ、ロール状態判定部3と、操舵アシスト力低減手段4とを備える。パワーステアリング装置2は、操舵アシスト力を付与することにより操舵操作を補助する。ロール状態判定部3は、車両が横転する可能性が高いか否かを判定し、車両が横転する可能性が高いと判定したときに横転警報信号を出力する。操舵アシスト力低減手段4は、ロール状態判定部3から横転警報信号を受信したとき、パワーステアリング装置2が付与する操舵アシスト力を低減させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の横転防止装置に関する。
特開2004−9812号公報には、ロール角により車両の横転傾向を判断し、横転傾向にあると判断したとき、電動パワーステアリングにより横転を抑制する方向の操舵力を操向車輪に付加する操舵力制御装置が開示されている。
特開2004−9812号公報
しかしながら、上記特許文献1の操舵力制御装置では、車両の横転を抑制する方向の操舵力を付与しているため、横転を抑制する方向の識別や抑制可能となる付加トルクの大きさの演算が必要であり、制御及び構成の複雑化を招く。
そこで、本発明は、横転を抑制する方向の識別や煩雑な演算を要することなく、簡単な制御及び構成によって横転防止の効果を発揮することが可能な車両の横転防止装置の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に係る横転防止装置1は、図1に示すように、パワーステアリング装置2が搭載された車両に設けられ、ロール状態判定部3と、操舵アシスト力低減手段4とを備える。パワーステアリング装置2は、操舵アシスト力を付与することにより操舵操作を補助する。ロール状態判定部3は、車両が横転する可能性が高いか否かを判定し、車両が横転する可能性が高いと判定したときに横転警報信号を出力する。操舵アシスト力低減手段4は、ロール状態判定部3から横転警報信号を受信したとき、パワーステアリング装置2が付与する操舵アシスト力を低減させる。
すなわち、車両が横転する可能性が高いとロール状態判定部3が判定している状態以外の通常の走行時では、ステアリングの操舵操作を行っている運転者は、パワーステアリング装置2からの十分な操舵アシスト力を受けることによって、小さい力で操舵操作を行うことができる。これに対し、車両が横転する可能性が高いとロール状態判定部3が判定しているロール発生時では、操舵アシスト力低減手段4によってパワーステアリング装置2からの操舵アシスト力が低減されるため、運転者が受ける操舵感が通常走行時に比べて重くなり、運転者は通常走行時に比べて大きな力で操舵操作を行う必要が生じる。従って、運転者に対し、車両が横転する可能性が高い状態であることを体感によって認識させることができる。また、危険方向への操舵量の急激な増大が自ずと抑制されるため、車両の横転を確実に防止することができる。
また、パワーステアリング装置2が搭載された従来の車両に対して、ロール状態判定部3と操舵アシスト力低減手段4とを設けるだけで済むため、横転を抑制する方向の識別や煩雑な演算を伴うことがない。従って、簡単な制御及び構成によって横転防止の効果を得ることができる。
また、横転防止装置1は、車速を検出する車速検出手段5を備えてもよい。この場合、ロール状態判定部3は、車速検出手段5が検出した車速が予め設定された所定の車速以下であり、且つ車両が横転する可能性が高いと判定した場合に、横転警報信号を出力する。
一般に、低車速時にロールが発生する場合、徐々に横方向の荷重(横G)が増大するため、運転者が危険を感じることなく車両の横転が進行し易い。これに対し、上記構成では、運転者が危険を感じ難い低車速時のロール発生時において、操舵アシスト力の低減により、運転者に対して車両が横転する可能性が高い状態であることを体感によって認識させると共に、危険方向への操舵量の急激な増大を抑制して車両の横転を確実に防止することができる。
また、パワーステアリング装置2は、パワーステアリングユニットと流体圧入力路と流体圧リターン路とを有してもよく、操舵アシスト力低減手段4は、バイパス路と操舵アシスト力低減バルブとを有してもよい。パワーステアリングユニットは、流体圧の供給を受けて操舵アシスト力を付与する。流体圧入力路は、パワーステアリングユニットへ流体圧を供給し、流体圧リターン路は、パワーステアリングユニットから流体を回収して流体圧入力路へ循環させる。バイパス路は、流体圧入力路と流体圧リターン路とを連通する。操舵アシスト力低減バルブは、通常状態でバイパス路を閉止すると共に、横転警報信号の受信に基づいてバイパス路を連通する。
上記構成では、車両が横転する可能性が低いとロール状態判定部3が判定している通常の走行時では、操舵アシスト力低減バルブがバイパス路を閉止しているため、所定の流体圧が流体圧入力路からパワーステアリングユニットへ供給され、パワーステアリングユニットから十分な大きさの操舵アシスト力が付与される。このため、ステアリングの操舵操作を行っている運転者は、パワーステアリングユニットからの十分な操舵アシスト力を受けることができ、小さい力で操舵操作を行うことができる。これに対し、車両が横転する可能性が高いとロール状態判定部3が判定しているロール発生時では、操舵アシスト力低減バルブがバイパス路を連通するので、バイパス路の開度に対応した分だけ流体圧入力路の流体圧がリリースされ、パワーステアリングユニットへ供給される流体圧が上記所定の流体圧よりも低下する。これにより、パワーステアリングユニットからの操舵アシスト力が低減され、運転者に与えられる操舵感が通常走行時に比べて重くなり、運転者は通常走行時に比べて大きな力で操舵操作を行う必要が生じる。従って、運転者に対し、車両が横転する可能性が高い状態であることを体感によって認識させることができる。また、危険方向への操舵量の急激な増大が自ずと抑制されるため、車両の横転を確実に防止することができる。
また、パワーステアリングユニットと流体圧入力路と流体圧リターン路とを有するパワーステアリング装置が搭載された従来の車両に対して、バイパス路と操舵アシスト力低減バルブとを設けるだけで済むため、簡単な制御及び構成によって横転防止の効果を得ることができる。
また、横転防止装置1は、ロール状態判定部3から横転警報信号を受信したとき、車両が横転する可能性が高いことを車室内の乗員に報知する報知手段6を備えてもよい。
上記構成では、操舵感の変化に加えて、車両が横転する可能性が高い状態であることを報知手段6が報知するので、運転者は横転に注意して運転する必要があることを確実に認識することができる。
また、横転防止装置1は、ロール状態判定部3から横転警報信号を受信したとき、車両へ制動力を与える制動手段7を備えてもよい。
上記構成では、ロール発生時に制動手段7が車両を減速させるので、車両の横転を更に確実に防止することができる。
本発明によれば、横転を抑制する方向の識別や煩雑な演算を要することなく、簡単な制御及び構成によって横転防止の効果を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図2は本発明に係る横転防止装置を車両に搭載した一実施形態を模式的に示すブロック図、図3は図2のパワーステアリング装置及び電磁バルブを模式的に示すブロック図側面図、図4は図2のロール状態判定部が実行する横転防止処理と電磁バルブの動作とを示すフローチャートである。
図2及び図3に示すように、本実施形態に係る車両は、横転防止装置1、パワーステアリング装置2、エンジン21、ロール状態判定部3を構成するECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13、制動手段としてのブレーキ装置17、及びトランスミッション(図示省略)を備えている。車室内の運転席前方には、ステアリングホイール22やインパネ(インストルメント・パネル)が配置されている。インパネには、速度計や回転計などの計器類に加えて、後述する報知手段としての警報器16が設けられている。トランスミッションには、車速検出手段としての車速センサ15が設けられ、車速センサ15が検出した車速は、ECU13(ロール状態判定部3)に入力される。
パワーステアリング装置2は、パワーステアリングユニット12、オイルタンク23、油圧ポンプ24、フローコントロールバルブ25、流体圧入力路としてのオイル供給管路26、及び流体圧リターン路としてのオイルリターン管路27を備えている。
オイル供給管路26はオイルタンク23とパワーステアリングユニット12の入力ポートP20とを接続し、オイル供給管路26の途中に油圧ポンプ24及びフローコントロールバルブ25が設けられている。また、オイルリターン管路27は、オイルタンク23とパワーステアリングユニット12の出力ポートP21とを接続する。
油圧ポンプ24は、エンジン21によって駆動され、オイルタンク23内のオイルを、オイル供給管路26を介してフローコントロールバルブ25の入力ポートP10へ送出する。フローコントロールバルブ25は、油圧ポンプ24から送出されたオイルを、オイル供給管路26を介して所定の油圧でパワーステアリングユニット12の入力ポートP20へ供給する。パワーステアリングユニット12に供給されたオイルは、その内部を循環し、出力ポートP21から送出され、オイルリターン管路27を介してオイルタンク23へ戻る。すなわち、オイルタンク23内のオイルは、オイル供給管路26、油圧ポンプ24、フローコントロールバルブ25、パワーステアリングユニット12、及びオイルリターン管路27によって構成される油圧回路内を循環する。なお、フローコントロールバルブ25には、パワーステアリングユニット12へ供給する油圧を調整するための油圧調整用の出力ポートP11が設けられ、この出力ポートP11は油圧調整管路28を介してオイルリターン管路27に接続されている。
ステアリングホイール22と操舵輪29とを連結する操舵リンク機構30は、ステアリングホイール22の回転に連動して回転するピニオン31と、ピニオン31と噛合するラック32とを有する。ラック32は、ピニオン31の正逆方向への回転に連動して往復移動し、これにより操舵輪29の方向が変更される。
パワーステアリングユニット12は、パワーシリンダ33とコントロールバルブ34とを備えている。パワーシリンダ33の内部は、ラック32と連動して往復移動するピストン35によって、2つのシリンダ室36,36に区画されている。コントロールバルブ34は、ステアリングホイール22の回転位置に応じて、入力ポートP20に供給されたオイルを2つのシリンダ室36,36の一方又は双方へ適宜流入させる。例えば、ステアリングホイール22が中立状態の初期位置にあり、操舵輪29が直進方向を向いている場合、コントロールバルブ34は、2つのシリンダー室36,36内の油圧がほぼ等しくなるように、双方のシリンダー室36,36へのオイル流路を開放する。また、運転者がステアリングホイール22を一方向へ回転操作した場合、コントロールバルブ34は、2つのシリンダー室36,36のうちピストン35の移動方向と反対側のシリンダー室36内の油圧が高くなるように、2つのシリンダー室36,36へのオイル流路の開度を変更する。これにより、運転者がステアリングホイール22の操舵操作を行う際に、その操舵操作を補助する操舵アシスト力が付与され、運転者はステアリングホイール22を軽く回すだけで操舵輪29の方向を変更することができる。
横転防止装置1は、ロール状態判定部3とバイパス管路(バイパス路)37と電磁バルブ(操舵アシスト力低減バルブ)14とを有し、バイパス管路37と電磁バルブ14とは、操舵アシスト力低減手段を構成している。
バイパス管路37は、フローコントロールバルブ25とパワーステアリングユニット12との間のオイル供給管路26と、オイルリターン管路27とを接続する。
電磁バルブ14は、バイパス管路37の途中に設けられ、後述するロール状態判定部3からの横転警報信号に応じてバイパス管路37を開閉する。
ロール状態判定部3は、車速センサ15が検出した車速が予め設定された所定の車速以下であるとき、車両が横転する可能性が高いか否かを判定する。そして、車両が横転する可能性が高いと判定したとき、電磁バルブ14と警報器16とブレーキ装置17とに対してそれぞれ横転警報信号を出力する。電磁バルブ14へ出力する横転警報信号の電流値は所定値に設定されており、係る横転警報信号を受信した電磁バルブ14はバイパス管路37を所定開度で連通する。
ここで、車両が横転する可能性が高いか否かの判定する方法の一例として、車両のロール角を検出するジャイロセンサ(図示外)を設け、このロール角が所定値を超えたときに車両が横転する可能性が高いと判定する方法が挙げられる。しかし、本発明は係る方法に限定されるものではなく、例えば、車両の車幅方向両側で車高を検出し、その車高差が所定値を超えたときに車両が横転する可能性が高いと判定したり、単位時間当たりのロール角の変化量(ロール角速度)を算出し、このロール角速度が所定値を超えたときに車両が横転する可能性が高いと判定する等、様々な方法が採用可能である。
電磁バルブ14は、受信する横転警報信号の電流値に応じた開度でバイパス管路37を開放し、信号を受信していない状態ではバイパス管路37を閉止する。すなわち、電磁バルブ14は、ロール状態判定部3からの横転警報信号を受信していない通常走行時にはバイパス管路37を閉止し、横転警報信号を受信しているロール発生時にはバイパス管路37を所定開度で連通する。
警報器16は、ロール状態判定部3から横転警報信号を受信しているロール発生時に、車両が横転する可能性が高いことを車室内の乗員に報知するための警報音を発する。また、ブレーキ装置17は、ロール状態判定部3から横転警報信号を受信しているロール発生時に、車輪に対して所定の制動力を加える。
次に、ロール状態判定部3が実行するロール状態判定処理と、電磁バルブ14の動作とについて、図4のフローチャートに基づいて説明する。
ロール状態判定処理は、エンジン21の駆動に伴って開始され、所定時間毎に繰り返して実行される。
本処理が開始されると、ロール状態判定部3は、車速センサ15が検出した車速を受信し(ステップS1)、この車速が、予め設定された所定の車速以下であるか否かを判断する(ステップS2)。
車速が所定の車速以下の場合には、車両が低速走行中であり、車両が横転する可能性が高いことを運転者が体感によって認識し難しいため、ステップS3の処理へ進む。一方、車速が所定の車速を超えている場合には、車両が横転する可能性が高いことを運転者が容易に体感することができるため、ステップS3以降の処理を実行せずに本処理を終了する。なお、ステップS2から本処理を終了する際に、既に電磁バルブ14が後述する所定開度に設定されている場合には、電磁バルブ14を閉止した後、本処理を終了する。
次に、ステップS3において、ロール状態判定部3は、車両のロール状態を検出し、ステップS4へ進む。ロール状態の検出とは、車両が横転する可能性を判断するための情報(データ)をセンサ等から取得したり、取得した情報に対して所定の演算を実行する処理である。本実施形態では、ジャイロセンサからロール角度を取得しているが、車両の車幅方向両側で車高を検出してその車高差を算出したり、取得したロール角度からロール角速度を算出する等、様々な方法が適用可能である。
ステップS4では、ステップS3で検出したロール状態に基づいて、車両が横転する可能性が高いロール発生時か否かの判定を行う。なお、この判定の方法は、上述のように、ロール角が所定値を超えたときに車両が横転する可能性が高いと判定する等、様々な方法が適用可能である。
ロール発生時であると判断した場合には、車両が横転する可能性が高いことを運転者に認識させる必要があるため、ステップS5の処理へ進む。一方、ロール発生時ではないと判断した場合には、ステップS5以降の処理を実行せずに本処理を終了する。なお、ステップS5から本処理を終了する際に、既に電磁バルブ14が後述する所定開度に設定されている場合には、電磁バルブ14を閉止した後、本処理を終了する。
ステップS5では、ロール状態判定部3が電磁バルブ14に対して横転警報信号を出力し、ステップS6へ進む。
ステップS6では、ロール状態判定部3から横転警報信号を受信した電磁バルブ14が、バイパス管路37を初期状態(閉止状態)から予め定められた所定開度で連通した後、本処理を終了する。
電磁バルブ14がバイパス管路37を所定開度で連通すると、この所定開度に対応した分だけオイル供給管路26の流体圧がリリースされ、パワーステアリングユニット12へ供給される油圧が低下する。これにより、パワーステアリングユニット12からの操舵アシスト力が低減され、運転者に与えられる操舵感が通常走行時に比べて重くなり、運転者は通常走行時に比べて大きな力で操舵操作を行う必要が生じる。
なお、本フローチャートでは図示を省略しているが、ステップS5において、ロール状態判定部3は、警報器16とブレーキ装置17とに対してもそれぞれ横転警報信号を出力する。横転警報信号を受信したとき、警報器16は、車両が横転する可能性が高いことを車室内の乗員に報知するための警報音を発し、ブレーキ装置17は、車輪に対して所定の制動力を加える。
このように本実施形態によれば、車両が横転する可能性が低いとロール状態判定部3が判定している通常の走行時では、電磁バルブ14がバイパス管路37を閉止しているため、所定の油圧がオイル供給管路26からパワーステアリングユニット12へ供給され、運転者によるステアリングホイール22の操舵操作に対してパワーステアリングユニット12から十分な大きさの操舵アシスト力が付与される。このため、ステアリングホイール22の操舵操作を行っている運転者は、パワーステアリングユニット12からの十分な操舵アシスト力を受けることができ、小さい力で操舵操作を行うことができる。
一方、低速走行中で車両が横転する可能性が高いとロール状態判定部3が判定しているロール発生時では、電磁バルブ14がバイパス管路37を所定開度で連通するので、この所定開度に対応した分だけオイル供給管路26の油圧がリリースされ、パワーステアリングユニット12へ供給される油圧が上記所定の油圧よりも低下する。これにより、パワーステアリングユニット12からの操舵アシスト力が低減され、運転者に与えられる操舵感が通常走行時に比べて重くなり、運転者は通常走行時に比べて大きな力で操舵操作を行う必要が生じる。なお、電磁バルブ14によるバイパス管路37の開度を大きく設定しすぎると、横転を回避する方向へのステアリングホイール22の操舵操作をも妨げてしまう可能性が生じるため、係る開度は横転を回避する操舵操作を極度に妨げない程度に設定することが好ましい。
これにより、ECU13によって横転を抑制する方向の識別や煩雑な演算を行うことなく、簡単な制御及び構成によって、運転者に対して、車両が横転する可能性が高い状態であることを体感によって認識させることができる。また、危険方向への操舵量の急激な増大が自ずと抑制されるため、車両の横転を確実に防止することができる。
また、パワーステアリングユニット12とオイル供給管路26とオイルリターン管路27とを有するパワーステアリング装置2が搭載された従来の車両に対して、バイパス管路37と電磁バルブ14とを設けるだけで済むため、簡単な制御及び構成によって横転防止の効果を得ることができる。
また、ロール状態判定部3は、車速センサ15が検出した車速が予め設定された所定の車速以下であり、且つ車両が横転する可能性が高いと判定した場合に、横転警報信号を出力する。
ここで、一般に、低車速時にロールが発生する場合、徐々に横方向の荷重(横G)が増大するため、運転者が危険を感じることなく車両の横転が進行し易い。これに対し、本実施形態では、運転者が危険を感じ難い低車速時のロール発生時において、操舵アシスト力の低減により、運転者に対して車両が横転する可能性が高い状態であることを体感によって認識させると共に、危険方向への操舵量の急激な増大を抑制して車両の横転を確実に防止することができる。
また、警報器16は、ロール状態判定部3から横転警報信号を受信したとき、車両が横転する可能性が高いことを警報音によって車室内の乗員に報知する。従って、運転者は、操舵感の変化に加えて、警報器16からの警報音によっても車両が横転する可能性が高い状態であること認識することができる。
また、ブレーキ装置17は、ロール状態判定部3から横転警報信号を受信したとき、車両へ制動力を与える。すなわち、ロール発生時にブレーキ装置17が車両を減速させるので、車両の横転を更に確実に防止することができる。
なお、本実施形態では、ロール状態判定部3を、低速走行中に限定して車両が横転する可能性が高いか否かを判定し、その判定結果に応じて電磁バルブ14を所定開度に設定させる所定の電流値の横転警報信号を出力するように構成したが、これに代えて、電磁バルブ14を車速と車両が横転する可能性の程度とに応じた開度に設定させる横転警報信号を出力するように構成してもよい。
例えば、車速に関しては、低速であるほど電磁バルブ14の開度が大きく設定され、反対に高速であるほど電磁バルブ14の開度が小さく設定されるように、また、車両の横転の可能性に関しては、横転の可能性が高いほど電磁バルブ14の開度が大きく設定され、反対に横転の可能性が低いほど電磁バルブ14の開度が小さく設定されるように、横転警報信号の電流値を無段階又は段階的に変更して出力してもよい。
なお、この場合、警報器16は、ロール状態判定部3から受信する横転警報信号の出力に応じて、警報音の大きさを変更してもよい。また、ブレーキ装置17は、ロール状態判定部3から受信する横転警報信号の出力に応じた制動力を車両へ与えてもよい。
また、本実施形態では、油圧を用いたパワーステアリング装置2に本発明を適用した例を説明したが、ステアバイワイヤを用いた車両のような電動パワーステアリング装置などの様々なパワーステアリング装置に対しても本発明を適用することができる。例えば、電動パワーステアリング装置に対して本発明を適用する場合、ロール状態判定部は、電動パワーステアリングを制御するコントローラへ横転警報信号を出力し、横転警報信号を受信したコントローラは、電動パワーステアリングを制御して操舵アシスト力を低減させるように構成すればよい。
さらに、本実施形態の警報器6に代えて、警報ランプなどの他の警報装置を設けてもよい。また、ブレーキ装置17により車輪へ制動力を加える構成に代えて、エンジン21のシリンダ内への燃料噴射を制御することによって制動力を加える構成としてもよい。
本発明に係る横転防止装置は、パワーステアリング装置が搭載された様々な車両に適用することができる。
本発明に係る横転防止装置のブロック図である。 本発明に係る横転防止装置を車両に搭載した一実施形態を模式的に示すブロック図である。 図2のパワーステアリング装置及び電磁バルブを模式的に示すブロック図側面図である。 図2のロール状態判定部が実行する横転防止処理と電磁バルブの動作とを示すフローチャートである。
符号の説明
1:横転防止装置
2:パワーステアリング装置
3:ロール状態判定部
4:操舵アシスト力低減手段
5:車速検出手段
6:報知手段
7:制動手段
12:パワーステアリングユニット
13:ECU
14:電磁バルブ(操舵アシスト力低減バルブ)
16:警報器
17:ブレーキ装置
21:エンジン
22:ステアリングホイール
23:オイルタンク
24:油圧ポンプ
25:フローコントロールバルブ
26:オイル供給管路
27:オイルリターン管路

Claims (5)

  1. 操舵アシスト力を付与することにより操舵操作を補助するパワーステアリング装置が搭載された車両の横転防止装置であって、
    車両が横転する可能性が高いか否かを判定し、車両が横転する可能性が高いと判定したときに横転警報信号を出力するロール状態判定部と、
    前記ロール状態判定部から横転警報信号を受信したとき、前記パワーステアリング装置が付与する操舵アシスト力を低減させる操舵アシスト力低減手段と、
    を備えたことを特徴とする車両の横転防止装置。
  2. 請求項1に記載の横転防止装置であって、
    車速を検出する車速検出手段を備え、
    前記ロール状態判定部は、前記車速検出手段が検出した車速が予め設定された所定の車速以下であり、且つ車両が横転する可能性が高いと判定した場合に、前記横転警報信号を出力する
    ことを特徴とする車両の横転防止装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の横転防止装置であって、
    前記パワーステアリング装置は、流体圧の供給を受けて操舵アシスト力を付与するパワーステアリングユニットと、このパワーステアリングユニットへ流体圧を供給する流体圧入力路と、前記パワーステアリングユニットから流体を回収して前記流体圧入力路へ循環させる流体圧リターン路とを有し、
    前記操舵アシスト低減手段は、前記流体圧入力路と前記流体圧リターン路とを連通するバイパス路と、このバイパス路を開閉する操舵アシスト力低減バルブとを有し、
    前記操舵アシスト力低減バルブは、通常状態で前記バイパス路を閉止すると共に、前記横転警報信号の受信に基づいて前記バイパス路を連通する
    ことを特徴とする車両の横転防止装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載の横転防止装置であって、
    前記ロール状態判定部から横転警報信号を受信したとき、車両が横転する可能性が高いことを車室内の乗員に報知する報知手段を備えた
    ことを特徴とする車両の横転防止装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の横転防止装置であって、
    前記ロール状態判定部から横転警報信号を受信したとき、車両へ制動力を与える制動手段を備えた
    ことを特徴とする車両の横転防止装置。
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