JP2005035459A - 操舵角補正方法および装置 - Google Patents

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Toshiki Ezoe
俊樹 江副
Hirokazu Okuyama
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Abstract

【課題】車両の姿勢制御装置に利用する操舵角(δ)の零点補正方法および装置を提供する。簡単な演算論理および装置構成により、短時間で適正に操舵角の零点補正を実行することができる方法および装置を提供する。
【解決手段】操舵系のバックラッシュにより生じる不感帯を観測して操舵角(δ)の零点補正を実行する。操舵角(δ)の零点は、操舵角(δ)に対し観測されるヨーレイト(ω)が表す二次元情報平面上で、操舵角(δ)のヒステリシスにより形成される不感帯のほぼ中央にある、として操舵角の零点補正を実行する。車両走行に伴い二次元平面のヒステリシス特性に相当する観測結果を取得し、簡単なパターン認識の論理を実行することにより不感帯を認識する。そしてその不感帯のほぼ中央のω軸上の位置を操舵角(δ)の零点として設定する。
【選択図】 図3

Description

本発明は自動車の姿勢制御装置に利用する。本発明は、姿勢制御装置の入力情報として利用される操舵角情報の零点補正に関する。本発明は、車両が左右に操舵される場合に、操舵角の零点補正を有効に実行することができる装置に関する。本発明は、ステアリング・ホイールから入力される操舵角に対して、車両に発生するヨーレイトがヒステリシス特性を描くことを利用して操舵角情報の零点補正を行う方法および装置に関する。本発明はヨーレイトを検出することにより姿勢制御を行う装置の改良に関する。
プログラム制御装置を利用して、ヨーレイトを含む車両の走行パラメタを入力信号とする車両の姿勢制御装置が普及している。この姿勢制御装置の原理的な構成例を簡単に説明すると、車両の重心近傍にヨーレイト・センサを設置する。そしてこのヨーレイト・センサにより観測されるヨーレイト(ω)が、車両走行中の車速(V)、操舵角(δ)、その他の要素から演算されるヨーレイトに対して、設定された条件を越えて増大しているときに車両が横転傾向にあるものと判定する。車両が横転傾向にあると判定されると、その度合いに応じて、警報を発生する、あるいはその横転傾向を引き戻すように一部の車輪に自動的にブレーキをかける、その他の制御を自動的に実行するように構成されている。ヨーレイト(ω)はヨーレイト・センサにより観測される構成の他に、左右の車輪回転速度の差から演算される構成のものも知られている。
このような姿勢制御装置の入力情報として、操舵角(δ)の情報は重要な要素である。実用的な装置では、この操舵角(δ)は操舵装置、とくにステアリング・ホイールの回転軸にロータリ・エンコーダを設けて、そのロータリ・エンコーダが発生するディジタル情報を入力する構成のものが広く利用されている。一般に車両の操舵装置は、ステアリング・ホイールと車輪の操舵系との間にバックラッシュが設けられているなど、ステアリング・ホイールの回転角と操舵輪の実効的な操舵角との間には、完全に一対一に対応する関係が成立しない。これは、走行中の操舵の安定性を向上するため、あるいは運転者の疲労を防止するため、その他の理由による。そして、前輪のタイヤの状態や積み荷の状態によっても、あるいは路面状況によっても、ステアリング・ホイールの回転角度と実効的な操舵角との関係は変動する。
姿勢制御装置では、運転操作により入力される実効的な操舵角(δ)を入力情報としなければならない。このためにステアリング・ホイールの回転角度に対して入力操舵角(δ)の零点を正しく認識しなければならない。実用的な姿勢制御装置では、入力する操舵角(δ)の情報は、走行を開始するつど、または所定の周期で、ロータリ・エンコーダの発生する角度情報に対して零点補正を実行するように構成されている。そして多くの従来例姿勢制御装置では、車両が走行を開始して直線的な走行状態に入ったことを自動的に検出して、そのときの操舵角をある時間にわたり取込み、これを平均化して零点とするなどの自動的に操舵角センサの零点補正を実行する装置が利用されている。
本願出願人は、操舵角センサの零点補正について特願2002−363599号(本願出願時において未公開、以下「先願」という)の発明を特許出願した。これを簡単に説明すると、この先願の明細書には、車両が相応の期間にわたりカーブを走行し操舵角が零にならない場合にも、適正に操舵角の零点補正を実行するための方法および装置が説明されている。すなわち、車両のヨーレイト・センサに観測されるヨーレイトおよび車速センサに観測される車速から、操舵角を演算して、これを操舵角センサに観測される値と対比することにより操舵角センサの零点補正を行うものである。すなわちこの先願に開示した発明は、ステアリング・ホイールの操舵角が実質的に零になることがない状況下でも、操舵角センサの零点補正を可能にするものである。
上述したように一般に、ステアリング・ホイールの回転角度について、実効的に操舵角(δ)が零となる点は荷重や車両重心が変更されると変化する。すなわち積み荷や搭乗者の状況によって操舵角センサの出力情報に対して設定すべき零点の位置は変化する。連結車両では被牽引車がつなぎ換えられることによっても変化する。したがって操舵角センサの零点補正は、走行を開始するときに、あるいは走行中にある程度ひんぱんに実行することが必要である。このため簡単な論理で正確な零点補正を実行することができる装置が求められている。
本発明に関連して下記の特許文献が知られている。下記〔特許文献1〕(出願人:ユニシアジェックス)には、零点補正を実行するための制約を少なくして、ひんぱんに零点補正を実行することができるように工夫された発明が開示されている。下記〔特許文献3〕(出願人:マツダ)には、零点補正を迅速に実行するための発明が説明されている。下記〔特許文献2〕(出願人:アイシン精機)には、計測されたヨーレイトを取り込むに際して、操舵角に生じる不感帯が応答遅れの原因にならないように改良する技術が説明されている。
特開2000−346869号公報 特開平7−329810号公報 特開平6−234370号公報
ここで上記「不感帯」を簡単に説明すると、ステアリング・ホイールを正方向(右廻り)に回転させる場合と、負走行(左廻り)に回転させる場合との間には、操舵系にいわゆるバックラッシュが設定されている。このためステアリング・ホイールの回転方向を変更しても、実質的に操舵角(δ)を変更することができない不感の領域が生じる。この領域を不感帯という。入力される操舵角(δ)を横軸にとり、ヨーレイト(ω)を縦軸にとる二次元平面上で考えると、不感帯は平行四辺形で表されるヒステリシス曲線により囲まれた領域である。そしてこの不感帯の幅は、タイヤの状況や車輪にかかる荷重によっても変化する。このような不感帯を設けることは、機械系を連結するに際して必要なものであるとともに、ステアリング・ホイールを長時間にわたり握る運転者にとっても、疲労軽減のために必要なものである。
本願発明者は、このステアリング・ホイールのバックラッシュにより生じる不感帯を利用して、操舵角の零点補正を行うことができることに着目した。出願人が調査した限りでは、ステアリング・ホイールの入力操舵角(δ)と発明するヨーレイトとの間には、不感帯があることが認識されているものの、この不感帯を利用して操舵角の零点補正を行う従来技術の例は発見されない。
すなわち本発明は、車両が走行を開始した後に、その車両の操舵角がほとんど零または小さい状況にあるときに、合理的に操舵角(δ)の零点を補正することができる操舵角補正方法および装置を提供することを目的とする。本発明は、車両の操舵角がほとんど零の状態を継続する状況下でも、操舵角の零点を補正するための操舵角補正方法および装置を提供することを目的とする。本発明は、簡単な論理により正しく操舵角の零点を補正することができる方法および装置を提供することを目的とする。本発明は、簡単な演算論理の追加のみで、ハードウエアを追加することなく実施することができる操舵角の零点補正の方法および装置を提供することを目的とする。
車両がほぼ直線走行をしているとき、ステアリング・ホイールに一方向(例:右方向)の操舵角を入力すると、これに応答して車両にヨーレイトが観測される。ついで、ステアリング・ホイールに反対方向(例:左方向)の操舵角を入力すると、これに応答して車両に反対極性のヨーレイトが観測される。このとき、ステアリング・ホイールを右から左に切り返すとき、あるいはステアリング・ホイールを左から右に切り返すとき、操舵角が実質的に零となる付近に、ステアリング・ホイールを回転させても車両のヨーレイトが変化しない領域がある。これが不感帯である。これは主として、ステアリング・ホイールから車輪にいたる操舵系に設けられた機械系のバックラッシュに起因するものである。本発明は、このバックラッシュにより生じている不感帯を認識するとともに、その不感帯の中央を操舵角(δ)の零点とみなして較正するところに特徴がある。
すなわち上記のようにステアリング・ホイールの左右方向の操作に対応して、ヨーレイトが正負に変化するとともに、そのステアリング・ホイールの操作範囲内に不感帯が認識できるなら、操舵角(δ)の零点はこの不感帯の中になければならない。そしてこの不感帯を正しく認識できるならば、操舵角(δ)の零点はこの不感帯のほぼ中央にあるはずである。
実用的な車両では、この不感帯はステアリング・ホイールの回転角度として数度ないし数十度である。車両が走行を開始すると、車輪にキャスター角が設けてあるから、実効的な操舵角が零になるまで、ステアリング・ホイールの回転角に対して車輪側から正または負の回転力が作用する。ステアリング・ホイールの回転角に対して回転力が作用しなくなったとき、操舵角は実質的に零である。そして操舵角が実質的に零であるときには、ステアリング・ホイールに生じているバックラッシュのほぼ中央値が、操舵角零の値になっているものとして零点較正を実行することができる。この構成により簡単な論理により零点較正を実行することができる。
試験の結果から、上記方法により実用的に十分に正確なステアリング・ホイールの零点較正を実行することができることがわかった。
すなわち本発明の第一は方法の発明であって、車両の走行中に入力される操舵角(δ)およびその操舵角に応答する車両に検出されるヨーレイト(ω)を二次元情報(δ,ω)として取り込み、この二次元情報がその二次元平面上に描くヒステリシス曲線に囲まれた領域を不感帯として認識し、その不感帯のほぼ中央に操舵角の零点を設定することを特徴とする。
本発明の第二は装置の発明であって、操舵角センサに検出される操舵角(δ)およびその操舵角(δ)に対応して検出されるヨーレイト(ω)を二次元情報(δ,ω)として取り込む手段と、車両が所定範囲の速度で走行するとき、この二次元情報(δ,ω)が二次元平面上に描くヒステリシス曲線に囲まれた不感帯を認識する手段と、その不感帯のほぼ中央に操舵角の零点を設定する手段とを備えたことを特徴とする。
前記不感帯を認識する手段は、(1)前記操舵角(δ)が増大するにしたがい増大するヨーレイト(ω)が前記二次元平面上に描く曲線、(2)前記操舵角(δ)が減少するにしたがい減少するヨーレイト(ω)が前記二次元平面上に描く曲線、(3)+Δω0(ω0は定数)を通るδ軸に平行な直線、および(4)−ω0を通るδ軸に平行な直線により囲まれた部分を不感帯とする手段を含む構成とすることが望ましい。
前記不感帯のほぼ中央に操舵角の零点を設定する手段は、前記不感帯を平行四辺形として認識する手段と、その平行四辺形の頂点(a,b,c,d)の座標を求める手段と、その頂点座標の中心点を求める手段とを含む構成とすることができる。
前記不感帯のほぼ中央に操舵角の零点を設定する手段は、操舵角(δ)が変化する方向に対して検出されるヨーレイト(ω)の極性が反転する二つの点(a,b)の座標を求める手段と、その二つの点(a,b)を結ぶ直線とヨーレイトが零を表す直線(ω=0)との交点を求める手段とを含む構成とすることができる。
本発明により、実用的に十分な精度でステアリング・ホイールの操舵角(δ)について零点較正を実行することができる。本発明の装置はその構成が単純であり簡単である。本発明はこれを実施するためにハードウエアを追加する必要はなく、必要なソフトウエアを追加することにより実施することができる。
車両が走行を開始した直後に、ほとんど直線走行の状態が継続している状況下で、新たに操舵角の零点補正を適切に実行する目的を牽引車について実施して実現した。
はじめに本発明実施例装置のハードウエア構成を説明する。図1は本発明を連結車両に実施する場合の配置構造を説明する図である。トラクタ1にはトレーラ2が連結器3を介して連結される。本発明の実施例装置は、原則的にトラクタ1に装備される。これにより、トレーラ2は運用の都合に応じて、適合する複数の機種のものを任意につなぎ換えて運行することができることになる。本発明の実施例装置の主要部ハードウエアは、トラクタ1の運転席背後に設けられた制御装置4に実装される。この制御装置4は、トラクタ1の車体に、望ましくはその重心付近に固定されたセンサ箱5と電気的に接続される。また、このトラクタ1のステアリング・ホイール6には、その回転軸にその回転角度(絶対値)をディジタル信号として検出するロータリ・エンコーダ7が取付けられ、このロータリ・エンコーダ7の検出出力は配線により制御装置4に接続される。
図2は本発明実施例装置のブロック構成図である。センサ箱5には、ヨーレイト・センサ8および横方向加速度センサ9が実装される。このヨーレイト・センサ8の出力、横方向加速度センサ9の出力、およびステアリング・ホイール6の回転角度を検出するロータリ・エンコーダ7からの信号は、この車両の姿勢制御を実行する姿勢制御装置10に入力情報として供給される。この姿勢制御装置10の制御出力は、ブレーキ制御装置15に与えられる。ブレーキ制御装置15には、運転席のブレーキ・ペダルの踏み込み量にしたがって供給するブレーキ圧力を調節する、いわゆるサービス・ブレーキに係る装置が設けられているが、ここでは図面が複雑になるのでこれらの表示を省略する。
ブレーキ制御装置15は、ABS(Antilock Breaking System)用の制御装置であり、前後両輪11、12、13、および14に供給されるブレーキ空気圧を各車輪に設けられた回転センサ16、17、18、および19の検出出力により選択的にかつ断続的に制御することができる。すなわち前輪用の空気圧タンク27の空気圧は、前輪プロポーショナル制御用の電磁弁20を介して、さらに左前輪については電磁弁23を介して、右前輪については電磁弁24を介して、それぞれのブレーキ・シリンダ(図示せず)に供給される。後輪用の空気圧タンク28の空気圧は、後輪プロポーショナル制御用の電磁弁21を介して、さらに左後輪については電磁弁25を介して、右後輪については電磁弁26を介して、それぞれのブレーキ・シリンダに供給される。トレーラ用の空気圧タンク29の空気圧は、トレーラ制御用の電磁弁22を経由し、連結管路30を介して、トレーラのブレーキ・シリンダに供給される。ブレーキ制御装置15はエンジン制御装置(エンジンECU)31と通信バスにより接続されている。
このように構成された装置では、姿勢制御装置10が車両の走行中に、ヨーレイト・センサ8および横方向加速度センサ9の出力を監視しつづけていて、車輪回転情報から得られる車速、およびロータリ・エンコーダ7に得られるその時点のステアリング・ホイール6の回転角に対して、車両姿勢が不安定になる傾向を検出するときに、その車両姿勢を正常な方向に引き戻すように、一部の車輪に断続的にブレーキを作用させる。たとえば、ステアリング・ホイール6が左に操作され、車両が左カーブを走行しているときに、横方向加速度センサ9に検出される左方向の加速度が増大し、ヨーレイト・センサ8に左方向へのヨーが合理的な範囲を越えて増大する状態になると、車両が左方向に横転する傾向にあるものと判定して、選択的に右後輪14のブレーキ・シリンダ(およびトレーラのブレーキ・シリンダ)にブレーキ圧力を供給する。このような制御により、横転傾向にある車両を運転者の操作によらずに自動的に引き戻すことができる。この車両姿勢の制御論理については、すでにさまざまな技術が知られているので、ここでは詳しい説明を省略する。
ここで本発明の特徴とするところは、ステアリング・ホイール6の回転軸に設けられたロータリ・エンコーダ7の出力情報に対する零点補正のプロセスにある。すなわち、車両が直線走行を行うことができるステアリング・ホイール6の零点は、タイヤの状態、積み荷の状態(連結車両からの負荷を含む)、路面の状態(凹凸および勾配を含む)、その他により変動する。したがって、このような装置を合理的に動作させるには、ロータリ・エンコーダ7の出力情報に対する零点補正を状態が変化する毎に実行して、つねにその零点を正しく設定しておくことが必要である。本発明の装置は、この場合に次のような論理を利用して、ステアリング・ホイール6の零点補正を実行する。
図3は上記ハードウエアについて、ステアリング・ホイール6の不感帯について試験を行い、得られた観測結果である。すなわち上記説明の車両を低速度(15〜30km/h)で走行させながら、ステアリング・ホイール6を左右に操作し、そのときヨーレイト・センサ8に観測されるヨーレイトを二次元的に記録したものである。ステアリング・ホイール6に設けられたロータリ・エンコーダの出力値をδとして横軸に表し、対応して観測されるヨーレイトωを縦軸に表す。横軸操舵角(δ)の単位はdeg(度)であり、縦軸ヨーレイト(ω)の単位はdeg/sec(度/秒)である。
この図3に表れるステアリング・ホイール6の操作をさらに具体的に説明すると、(1)はじめに左方に約50度回転させ、(2)ついで右方に約90度回転させ、(3)さらに左方に約90度回転させ、(4)さらに右方に約60度ほど回転させて、(5)ほぼ最初の位置に戻す操作を行った。そうすると、図3に矢印で表示するように、ステアリング・ホイール6を右方に回転させている場合には、対応するヨーレイト(ω)の軌跡は図の上方に右上がりの曲線として描かれ、ステアリング・ホイール6を左方に回転させている場合には対応するヨーレイト(ω)の軌跡は、図の下方に描かれているような左下がりの曲線として描かれる。これにより、右方に回転させている場合の軌跡と、左方に回転させている場合の軌跡とは互いに重なることはなく上下に分離される。これは操舵系のヒステリシスに起因するものであり、そして、この上下に分離された軌跡により囲まれる空白の部分が本発明でいう「不感帯」となる。
この図3は上記のようにして測定した一つのモデルであるが、一般に車両が走行を開始すると、これに類似するヒステリシス曲線は簡単に得られる。車速が高速になり、あるいは操舵角(δ)が大きくなると、この図3に示す以外の領域にさまざまな曲線が現れる。しかし、そのようなデータについて、例えば操舵角(δ)の範囲を±40degに限り認識することにより図3に相当するヒステリシスに起因する曲線が得られる。そして不感帯を同様に認識することができる。
観測結果としてこの図3が得られると、操舵角(δ)の零点は、ω=0の横軸上であって、この不感帯のほぼ中央にあるはずである。とりあえず人の目視によるパターン認識により、操舵角(δ)の零点となりそうな図3上の点に×印を付して示す。すなわちこの図3の全体を眺めて、操舵角(δ)の零点はδ=−12deg付近にあることを認識することができる。本発明は、これを簡単なパターン認識により同定しようとするものである。
さらに詳しく説明すると、このように操舵角(δ)の零点補正を実行するには、この図3に例示するような二次元特性を得るための観測期間にわたり、(1)ブレーキ・ペダルが踏まれなかった、(2)鉛直方向の加速度センサに所定値を越える値が検出されなかった(悪路でない)、(3)ヨーレイト・センサの零点補正は終了している、(4)ヨーレイト・センサに故障がない、(5)ヨーレイト・センサの出力に所定値を越える大きい変化がなかった、(6)ステアリング・ホイールの回転角速度が所定値を越えなかった、(7)車速が所定範囲(例、15〜60km/h)にある、などの条件が必要である。
この〔実施例1〕についてさらに詳しく説明すると、図4を参照して、前記不感帯を認識する手段は、(1)前記操舵角(δ)が増大するにしたがい増大するヨーレイト(ω)が前記二次元平面上に描く曲線(図4の線分bc)、(2)前記操舵角(δ)が減少するにしたがい減少するヨーレイト(ω)が前記二次元平面上に描く曲線(図4の線分ad)、(3)+Δω0(ω0は定数)を通るδ軸に平行な直線(Δω0=10deg/secとするとき、図4の線分ca)、(4)−ω0を通るδ軸に平行な直線(図4の線分bd)、により囲まれた部分、すなわち点abcdにより囲まれた面積を不感帯として認識し、この不感帯の中央、すなわち直線abとω軸との交点×を操舵角(δ)の零点とするものである。具体的には図4から操舵角(δ)の零点はほぼω=−10degとして設定できる。
図5にこの実施例の演算ソフトウエアについて、その要部フローチャートを示す。
上記〔実施例1〕と同等の手法により図3に相当する二次元図形を得る。そしてこの〔実施例2〕は、操舵角(δ)の零点を求める手法をさらに簡略化するものである。すなわち図6に示すように、左下がりの曲線とω=Δω0(ω0=10deg/sec)との交点a、および右上がりの曲線とω=−Δω0(ω0=−10deg/sec)との交点bを求める。そして点aおよび点bを通る直線を描き、この直線とω軸(ω=0)との交点×を操舵角(δ)の零点とする。この場合にも、図5から操舵角(δ)の零点はほぼω=−11degとして設定できる。
この〔実施例1〕および〔実施例2〕のほかにも、図3に相当する二次元特性が得られれば、その操舵角(δ)の零点(×)を認識する方法はさまざまに設定することができる。この論理はパターン認識の論理としてもきわめて簡単な論理により構成することができる。その演算時間は実用的なプログラム演算回路の動作の中で無視できる程度の短い時間である。
上記発明の実施の形態として説明した装置は、大型車両、あるいは牽引車に実施したものであったが、本発明は広く一般車両の姿勢制御装置あるいは横転防止制御装置に実施することができる。本発明の装置は、その演算論理が単純であり、その演算に要する時間は短いから、装置の価格を小さくすることができる。本発明は、広く普及する可能性の高い各種のSUV(Sports Utility Vehicle)に実施してきわめて有用である。
本発明実施例装置の車両における配置構造を説明する図。 本発明実施例装置のブロック構成図。 二次元情報についてヒステリシス特性の実測図。 本発明第一実施例装置による零点補正の動作説明図。 本発明実施例装置の動作を説明する要部フローチャート。 本発明第二実施例装置による零点補正の動作説明図。
符号の説明
1 トラクタ
2 トレーラ
3 連結器
4 制御装置
5 センサ箱
6 ステアリング・ホイール
7 ロータリ・エンコーダ
8 ヨ−レイト・センサ
9 横方向加速度センサ
10 姿勢制御装置
11 左前輪
12 右前輪
13 左後輪
14 右後輪
15 ブレーキ制御装置
16 回転センサ(左前輪)
17 回転センサ(右前輪)
18 回転センサ(左後輪)
19 回転センサ(右後輪)
20 電磁弁(前輪プロポーショナル制御)
21 電磁弁(後輪プロポーショナル制御)
22 電磁弁(トレーラ制御)
23 電磁弁(左前輪制御)
24 電磁弁(右前輪制御)
25 電磁弁(左後輪制御)
26 電磁弁(右後輪制御)
27 空気圧タンク(前輪用)
28 空気圧タンク(後輪用)
29 空気圧タンク(トレーラ用)
30 連結管路
31 エンジン制御装置

Claims (7)

  1. 車両の走行中に入力される操舵角(δ)およびその操舵角に応答する車両に検出されるヨーレイト(ω)を二次元情報(δ,ω)として取り込み、この二次元情報がその二次元平面上に描くヒステリシス曲線に囲まれた領域を不感帯として認識し、その不感帯のほぼ中央に操舵角の零点を設定することを特徴とする操舵角補正方法。
  2. 操舵角センサに検出される操舵角(δ)およびその操舵角(δ)に対応して検出されるヨーレイト(ω)を二次元情報(δ,ω)として取り込む手段と、
    車両が所定範囲の速度で走行するとき、この二次元情報(δ,ω)が二次元平面上に描くヒステリシス曲線に囲まれた不感帯を認識する手段と、
    その不感帯のほぼ中央に操舵角の零点を設定する手段と
    を備えたことを特徴とする操舵角補正装置。
  3. 前記不感帯を認識する手段は、(1)前記操舵角(δ)が増大するにしたがい増大するヨーレイト(ω)が前記二次元平面上に描く曲線、(2)前記操舵角(δ)が減少するにしたがい減少するヨーレイト(ω)が前記二次元平面上に描く曲線、(3)+Δω0(ω0は定数)を通るδ軸に平行な直線、および(4)−ω0を通るδ軸に平行な直線により囲まれた部分を不感帯とする手段を含む
    請求項2記載の操舵角補正装置。
  4. 前記不感帯のほぼ中央に操舵角の零点を設定する手段は、
    前記不感帯を平行四辺形として認識する手段と、その平行四辺形の頂点(a,b,c,d)の座標を求める手段と、その頂点座標の中心点を求める手段とを含む請求項2記載の操舵角補正装置。
  5. 前記不感帯のほぼ中央に操舵角の零点を設定する手段は、
    操舵角(δ)が変化する方向に対して検出されるヨーレイト(ω)の極性が反転する二つの点(a,b)の座標を求める手段と、その二つの点(a,b)を結ぶ直線とヨーレイトが零を表す直線(ω=0)との交点を求める手段とを含む請求項1記載の操舵角補正装置。
  6. 前記ヨーレイト(ω)はヨーレイト・センサにより観測される値を利用する請求項2記載の操舵角補正装置。
  7. 前記ヨーレイト(ω)は両輪の車輪速センサにより観測された速度から演算される値を利用する請求項2記載の操舵角補正装置。
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