JP2007237994A - ガーニッシュ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガーニッシュ2には、車体の車室内側を覆うと共に、上下方向の中間部にシートベルト装置5のウェビング51が挿通される挿通孔2aが形成されている。ガーニッシュ2には、挿通孔2aから上部にガーニッシュ2の車室内側から車室外側に向けて凹陥3aを凹設して、ウェビング51の脇に立壁部3bが形成される。挿通孔2aは、ガーニッシュ2に、車室外側へ突設された凸部4aと、凹陥3aとによって形成されている。
【選択図】図2
Description
すると、シートベルト装置100のウェビング110は、巻き込み風の流れによって、矢印d方向に自励振動しピラーガーニッシュ320を叩いて、「バタバタ」となるいわゆるバタつき音が発生するという問題点がある。
さらに、凸部は、挿通孔において、ガーニッシュから車室外側へ突設されていることにより、凸部の先端の位置を調整して挿通孔の開口面積を小さくすれば、挿通孔内からの気流の流れを減少させることができる。その結果、挿通孔内からの異音を抑制することができる。また、挿通孔は、凸部によって開口面積を小さくすれば、挿通孔内に小物などを落とす虞がなくなる。
ガーニッシュは、ウェビングの脇に立壁部を凹設したことにより、バタつき音を防止する箇所がガーニッシュから車室内側に突出していないため、外観を損ねることがない。
凸部は、先端が立壁部の車室内側の縁よりも車室外側へ延出していることにより、ウェビングを挿通する挿通孔が小さく見え難く、その挿通孔が立壁部によって隠れるため、見栄えがよく、外観を損ねることがない。
また、凸部は、ウェビングを押さえることによって、ウェビングが振動したときに、波長を短く変えて共振を防止すると共に、バタつきを低減させることができる。
その結果、下側ガーニッシュを車体に取り付ける際には、この上側ガーニッシュの凹陥に凸部を挿入することにより、下側ガーニッシュの位置合わせができるため、下側ガーニッシュを容易に組み付けることができる。
シートベルト装置のウェビングをガーニッシュの挿通孔から車室内に引き出して取り付ける作業を行う際にも、ウェビングを上側ガーニッシュの凹陥に入れて、下側ガーニッシュの凸部を凹陥に係合させればよいので、ウェビングの設置作業が容易となる。
図1は、本発明の実施形態に係るガーニッシュの設置状態を示す車両の要部概略断面図である。図2は、本発明の実施形態に係るガーニッシュを示す要部拡大斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係るガーニッシュを示す要部拡大分解斜視図である。
なお、本発明の実施形態では、「前」は車両のフロント側、「後」は車両のリア側、「上」は鉛直上方側、「下」は鉛直下方側とする。
図1〜図3に示すように、ガーニッシュ2は、車体1の車室内側を覆う部材であり、例えば、ピラー11を覆うピラーガーニッシュ3と、このピラーガーニッシュ3の下側に配設されたサイドライニング4とから構成されている。ガーニッシュ2は、上下方向の中間部に、シートベルト装置5のウェビング51が挿通される挿通孔2aが形成されている。
ガーニッシュ2を構成するピラーガーニッシュ3およびサイドライニング4は、例えば、合成樹脂製の板部材や、緩衝性および断熱性を備えた板部材等によって形成されている。
図1〜図3に示すように、挿通孔2aは、一端がサイドライニング4内に固定されたウェビング51の他端側を車室内側に引き出すと共に、ウェビング51を摺動自在に案内するためのガイド孔である。この挿通孔2aは、ピラーガーニッシュ3の凹陥3aの下端部と、凹陥3a内の奥壁に所定間隔を介在するように係合されたサイドライニング4の凸部4aとによって形成されている。すなわち、挿通孔2aは、ピラーガーニッシュ3に形成された凹陥3aに、サイドライニング4に設けられた平板形状の凸部4aが挿入されることによって、前後方向に細長い孔に形成されてなる。
以下、ピラーガーニッシュ3とサイドライニング4とが別体のガーニッシュ2の場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、ピラーガーニッシュ3は、車体1のピラー11の車室内側の上部を覆う内装用板部材である。このピラーガーニッシュ3の下端部には、ガーニッシュ2の車室内側の表面から下側斜めの方向に傾斜して形成された凹陥3aが形成されている。
なお、ピラーガーニッシュ3は、特許請求の範囲に記載の「ガーニッシュ」を構成すると共に、「上側ガーニッシュ」に相当する。
立壁部3bは、ウェビング51が前後方向に移動するのを阻止して、リトラクタ52による引き込みや、乗員による引き出しのときのウェビング51の移動をガイドすると共に、ウェビング51が車室内に入って来る気流に当たらないように設けられている。
図1に示すように、サイドライニング4は、車体1のピラー11の車室内側の下部および窓枠部12(図2参照)の下方部位を覆う内装用板部材である。このサイドライニング4の上端部には、前記凸部4aが一体に、車室外側に向けてほぼ直角に折り曲げて形成されている。
なお、サイドライニング4は、特許請求の範囲に記載の「ガーニッシュ」を構成すると共に、「下側ガーニッシュ」に相当する。
図1に示すように、シートベルト装置5は、例えば、シート6に着座した乗員の上半身をウェビング51によって拘束するものであり、例えば、このウェビング51によって固定するアンカーポイントが3つあるいわゆる3点式シートベルトからなる。
このシートベルト装置5は、乗員を拘束するためのウェビング51と、サイドライニング4内に設置されウェビング51の一端側を巻き上げるためのリトラクタ52と、ウェビング51の他端を車体1に固定するアンカ53と、ピラー11の上部に設けられ前記ウェビング51が挿通されるスルーアンカ54と、このスルーアンカ54とアンカ53との間に配置されてウェビング51が挿通されるタング55と、このタング55が着脱されシート6等に固定されるバックル56とを備えている。
次に、図1〜図4を参照して、ガーニッシュ2の作用を説明する。
例えば、車両の走行中に窓を開放すると、図2に示すように、気流が、矢印A方向から車室内に入り込んで、ウェビング51の車室内側を矢印Bの後方向に流れる。このとき、挿通孔2a内から車室内に引き出されて配置されたウェビング51は、ピラーガーニッシュ3の凹陥3a内に配置されると共に、その前後側に立壁部3bが配置され、さらに、車室内側から凸部4aによって押圧された状態に配置されている。
さらに、ウェビング51は、ウェビング51の車室内側に配置された凸部4aによって、常に、凹陥3a内の車室外側に向けて押圧されていることにより、凹陥3aの奥壁に近い奥まった位置に配置されるため、気流による影響が抑制される。また、ウェビング51の脇を流れる気流は、立壁部3bに遮られることにより、ウェビング51に当たったとしても巻き込み風とならず、整風となって室内の後方向に流れる。
また、凸部4aが凹陥3aに入り込んだ状態に配設されていることにより、凸部4aが凹陥3aに入り込んだ分だけ、挿通孔2aを小さくできるため、挿通孔2a内から車室内に流れる気流を減少させて、その気流の流れる音を低減できる。
さらに、挿通孔2aを小さくできるため、挿通孔2a内に小物が入り込むことを防止することができる。
すると、走行時に窓から車室内に気流が入り込んで後方向に流れた際に、その気流によってウェビング51が自励振動したとしても、スルーアンカ54と凸部4aの間の長さL2を波長として自励振動する。
次に、図5〜図10を参照して、本発明の各変形例を説明する。
なお、各変形例において、図1〜図4に示した前記実施形態に係るガーニッシュ2と同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、図5を参照して、本発明の第1変形例を説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るガーニッシュの第1変形例を示す凸部の拡大断面図である。
前記実施形態のサイドライニング4に設けた凸部4a(図1〜図4参照)は、図5に示す第1変形例のように、先端部に丸み4bを付けて形成して、立壁部3bの車室内側の縁3cよりも車室外側へ延出させてもよい。
次に、図6(a)、(b)、(c)を参照して、本発明の第2変形例を説明する。
図6は、本発明の実施形態に係るガーニッシュの第2変形例を示す図であり、(a)は要部斜視図、(b)はガーニッシュの要部縦断面図、(c)は凹陥に係合される凸部の拡大平面図である。
このため、ウェビング51は、挿通孔2aからスルーアンカ54までの間において、挿通孔2aよりも上方に位置する部分の長さの略半分以上が、凹陥3aの前後の内壁を形成する立壁部3b間に配置されることになる。
さらに、その間のウェビング51からピラーガーニッシュ3までの距離D3も短いため、ウェビング51が、立壁部3bによって気流が遮られて、自励振動したり、バタつくことが解消される。
次に、図7(a)、(b)、(c)を参照して、本発明の第3変形例を説明する。
なお、後記する本発明の第3変形例(図7)〜第6変形例(図10)は、肉盛り部3e,3f,3h,3iによって、気流がウェビング31に当たることを減らし、ウェビング51がバタつくことを減少させるものである。
図7は、本発明の実施形態に係るガーニッシュの第3変形例を示す図であり、(a)は要部斜視図、(b)はガーニッシュの要部縦断面図、(c)は(a)の矢視W−W線方向断面図である。
肉盛り部3eは、図7(b)に示すように、中央部の厚みを最も厚くし、この中央部から上下方向に向かって徐々に厚さが薄くなるように形成されている。このため、肉盛り部3eの上端部および下端部は、正面視してピラーガーニッシュ3に対して段差がない状態に設置されている。
このため、ウェビング51は、肉盛り部3eによって気流の流れの向きが変えられることによって、当たる気流が減るため、自励振動したり、バタつくことが抑制される。
次に、図8(a)、(b)、(c)を参照して、本発明の第4変形例を説明する。
図8は、本発明の実施形態に係るガーニッシュの第4変形例を示す図であり、(a)は要部斜視図、(b)はガーニッシュの要部縦断面図、(c)は(a)の矢視X−X線方向断面図である。
この場合の肉盛り部3fおよび立壁部3gは、ウェビング51に対して、前記第3変形例の肉盛り部3eと対称に配置されて形成されている。
このため、ウェビング51は、肉盛り部3fおよび立壁部3gによって、気流の流れがガイドされて変えられることによって、気流がウェビング51のピラーガーニッシュ3側に巻き込む気流の渦が発生しなくなるので、当たる気流の渦が減るため、自励振動したり、バタつくことが抑制される。
次に、図9(a)、(b)を参照して、本発明の第5変形例を説明する。
図9は、本発明の実施形態に係るガーニッシュの第5変形例を示す図であり、(a)は要部斜視図、(b)は(a)の矢視Y−Y線方向断面図である。
このように肉盛り部3hを配設しても、ウェビング51が気流によって自励振動した場合には、ウェビング51は、ピラーガーニッシュ3の車室内側の内壁面から突出した肉盛り部3eによって、ピラーガーニッシュ3に当接することが阻止されるため、バタつくことが抑制される。
次に、図10(a)、(b)を参照して、本発明の第6変形例を説明する。
図10は、本発明の実施形態に係るガーニッシュの第6変形例を示す図であり、(a)は要部斜視図、(b)は(a)の矢視Z−Z線方向断面図である。
この場合、肉盛り部3iは、図10(a)に示すように、上端部における前後方向の幅が広く、その上端部から下方の挿通孔2aに向かってその幅が徐々に狭くなるように形成している。
また、肉盛り部3iは、図10(b)に示すように、平面視して、車室内側の先端部が平らな山形状をしている。
2 ガーニッシュ
2a 挿通孔
3 ピラーガーニッシュ(上側ガーニッシュ)(ガーニッシュ)
3a 凹陥
3b,3g 立壁部
3c 縁
3e,3f,3h,3i 肉盛り部
4 サイドライニング(下側ガーニッシュ)(ガーニッシュ)
4a 凸部
4b 丸み
4c 補強リブ
5 シートベルト装置
11 ピラー
51 ウェビング
54 スルーアンカ
Claims (4)
- 車体の車室内側を覆うと共に、上下方向の中間部にシートベルト装置のウェビングが挿通される挿通孔を形成したガーニッシュであって、
前記ガーニッシュには、前記挿通孔から上部に当該ガーニッシュの車室内側から車室外側へ向けて凹陥を凹設して前記ウェビングの脇に立壁部が形成されると共に、
前記挿通孔は、前記ガーニッシュに、車室外側へ突設された凸部と、前記凹陥とによって形成されていることを特徴とするガーニッシュ。 - 前記凸部の先端は、丸みを付けて形成されると共に、前記立壁部の車室内側の縁よりも車室外側へ延出されていることを特徴とする請求項1に記載のガーニッシュ。
- 前記ウェビングは、前記挿通孔からスルーアンカまでの間の長さの略半分、または、半分以上が、前記立壁部間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガーニッシュ。
- 前記ガーニッシュは、上側ガーニッシュと、この上側ガーニッシュの下側に配設された下側ガーニッシュとから構成され、
前記挿通孔は、前記上側ガーニッシュに形成された前記凹陥に、前記下側ガーニッシュに設けられた前記凸部が挿入されることによって形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガーニッシュ。
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