JP2007235468A - 近接センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被検出物Wに対する距離に応じて発振回路10における発振振幅が変化し、この発振振幅を所定の検出用閾値Dthと比較することにより、被検出物Wの有無を検出する。また、発振回路10における所定の発振振幅を維持するための帰還電流を供給する帰還回路が備えられており、帰還回路から供給される帰還電流の大きさに基づいて被検出物Wの安定検出状態を検知する。
【選択図】図1
Description
この種のものは、例えば、近接センサを被検出物に近づけるにしたがって、発振振幅が減少するようになっており、発振振幅が予め設定されている検出用閾値以下となった場合に、被検出物の検出を判断するようになっている。
かかる安定検知としては、例えば、図7(a)に示すように、検出用閾値よりもやや小さい値を安定検出用閾値とし、発振振幅が安定検出用閾値以下になった場合に、被検出物の検出が安定した精度で行われていることを判断する方法が考えられる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、発振振幅の変動が大きい場合であっても、被検出物の安定検出状態を検知することが可能な近接センサを提供することを目的とする。
前記発振回路の発振振幅に基づいて前記被検出物を検出する検出手段と、
前記発振回路における所定の発振振幅を維持するための帰還電流を供給する帰還回路と、
前記帰還電流の電流量が基準レベル以上のときに前記検出手段による前記被検出物の安定検出状態を検知する安定検知手段と、
前記安定検知手段により前記安定検出状態が検知されたことを報知する報知手段と、を備える構成としたところに特徴を有する。
なお、硬発振方式とは、発振振幅の変動が軟発振方式よりも大きい方式であり、一般に、検出手段により被検出物の検出が行われる距離の近傍で発振振幅が大きく変化する方式である。軟発振方式とは、発振振幅が硬発振方式と比較して緩やかに変化する方式である。
前記帰還回路は、
前記検出用閾値よりも低い持続用閾値と前記発振振幅との比較結果に基づくパルス信号を出力する比較回路と、
前記比較回路から出力されるパルス信号に応じて前記帰還電流の供給が行われる帰還電流供給回路と、を備え、
前記安定検知手段は、前記比較回路から出力されるパルス信号のデューティが所定値以上のときに前記帰還電流の電流量が基準レベル以上であるとして前記被検出物の安定検出状態を検知するところに特徴を有する。
前記報知手段は、前記表示手段により前記安定検出状態が検知されたことを報知するところに特徴を有する。
硬発振方式が用いられた発振回路を用いる構成としたことにより、被検出物に対する発振振幅の変化が比較的緩やかな軟発振方式が用いられた発振回路を用いる構成と比較して、検出手段による検出の際のノイズの影響を低減させることができる。
しかし、このような構成(硬発振方式)とした場合には、検出手段により被検出物の検出が行われる位置よりも被検出物側の位置の発振振幅に基づいて被検出物の安定検出状態を検知することは、発振振幅の変化が大きいため困難である。
一方、本構成によれば、所定の発振振幅を維持するための帰還電流の電流量が基準レベル以上のときに安定検知手段により安定検出状態が検知される。
したがって、安定検出状態についても検出手段による検出と同様に発振振幅に基づいて検知する構成と異なり、硬発振方式が用いられた発振回路のように発振振幅の変動が大きいために、発振振幅に基づいて安定検知を行うことが困難な場合であっても、被検出物の安定検出状態を検知することが可能になる。
被検出物に対する距離に応じて発振状態が停止する構成とすると、発振時の立ち上がりの遅延時間が生じるおそれがあり望ましくない。一方、本構成によれば、発振状態が停止する距離にあるときでも、帰還電流の供給により発振状態を持続すれば、発振時の立ち上がりの遅延時間を低減させることが可能になる。
また、安定検知手段は、比較回路から出力されるパルス信号のデューティが所定値以上のときに前記帰還電流の電流量が基準レベル以上であるとして被検出物の安定検出状態を検知する。したがって、発振状態の持続のために用いられる帰還回路の構成を安定検出状態の検知に利用することができ、簡易な構成で安定検出状態の検知を行うことが可能になる。
本構成によれば、被検出物が安定して検出されているかどうかをユーザが視認することが可能になる。
本構成によれば、検出環境等に応じて、安定検知手段による検知を行うための適切な基準レベルに設定変更することが可能になる。
1.近接センサの電気的構成
本実施形態の近接センサ1は、図1に示すように、被検出物Wの有無を検出するための構成として、硬発振方式(図3参照)が用いられている発振回路10と、発振回路10の発振振幅を積分する積分回路20と、積分回路20にて積分された積分信号のレベルを所定の検出用閾値Dthと比較し、当該比較結果を出力する検出用比較回路30(本発明の「検出手段」に相当)と、を備える。また、発振回路10に発振振幅を維持するための帰還電流を供給するための構成として、積分回路20にて積分された信号レベルを所定の持続用閾値Cthと比較する持続用比較回路40(本発明の「比較回路」に相当)と、持続用比較回路40からの比較結果に基づき発振振幅を維持する(持続させる)ための持続用帰還電流Ic(本発明の「帰還電流」に相当)を制御する帰還制御回路60と、を備える。さらに、持続用比較回路40からの比較結果の信号が入力され、被検出物Wの検出が安定して行われているかを検知するCPU50(本発明の「安定検知手段」に相当)と、検出結果が視認可能に表示される表示部70(本発明の「表示手段,報知手段」に相当)と、検出結果を外部機器(図示しない)に出力する出力回路80と、CPU50による安定検出状態の検知を行うための基準レベルをユーザが設定変更可能な操作部51(本発明の「設定手段」に相当)と、を備えて構成されている。
具体的には、PNP型トランジスタ23のコレクタは、NPN型トランジスタ13のコレクタ・ベース共通接続端に接続されている。NPN型トランジスタ13は、NPN型トランジスタ14と共に、電流ミラー回路CM2を構成しており、他方のNPN型トランジスタ14のコレクタは、マルチコレクタトランジスタ15のベース・コレクタ共通接続端に接続されている。マルチコレクタトランジスタ15の他のコレクタ端子はLC共振回路11に直列接続されている。NPN型トランジスタ13のベース及びコレクタは、スイッチング用トランジスタ16のコレクタ端子に接続される。スイッチング用トランジスタ16は、帰還制御回路60からのパルス信号により、オンオフが切り替えられるものであって、この切り替えによりカレントミラー回路CM2の動作が制御され、LC共振回路11に供給される持続用帰還電流Icが制御されるようになっている。
検出用比較回路30は、積分回路20から出力される積分信号のレベルを予め設定されている所定の検出用閾値Dthと比較し、積分信号のレベルが検出用閾値Dth以下であれば、被検出物Wが検出されたことを示すハイレベル、積分信号のレベルが検出用閾値Dthよりも大きければ、被検出物Wが検出されなかったことを示すローレベルとなるパルス信号(デジタル信号)を表示部70及び出力回路80に出力する。
したがって、LC共振回路11に供給される持続用帰還電流Icは、図3に示すように、振幅持続範囲(X−C間)において被検出物への距離が近くなるほど増加するようになっている。
発振回路10において発振が持続されているとき、検出コイルLに金属製の被検出物Wが接近すると、そのコンダクタンスが変化するために発振振幅 が小さくなる。そして、検出位置Xの近傍まで近づくと、硬発振方式を用いる発振回路10の特性により発振振幅が急激に低下することで積分回路20の積分信号レベルも急激に低下する。
次に、CPUの処理について説明する。被検出物の検出が安定して行われているかの安定検出処理を繰り返し行っている。
CPU50は、図6に示すように、持続用比較回路40からのパルス信号のハイレベルの時間及びローレベル時間を求め、かかるハイレベルの時間に対するローレベル時間の比(割合)であるデューティを算出する(S11)。
デューティがMより小さいと判断した場合には(S12で「N」)、安定検出処理が終了する。
(1)本実施形態によれば、硬発振方式が用いられた発振回路10を用いる構成としたことにより、被検出物Wに対する発振振幅の変化が比較的緩やかな軟発振方式が用いられた発振回路10を用いる構成と比較して、検出用比較回路30(検出手段)による検出の際のノイズの影響を低減させることができる。
しかし、このような構成とした場合には、検出用比較回路30により被検出物Wの検出が行われる距離の近傍の位置における発振振幅に基づいて被検出物Wの安定検出状態を検知することは、発振振幅の変化が大きいため困難である。
一方、本実施形態によれば、所定の発振振幅を維持するための帰還電流の大きさに基づいて安定検知手段により安定検出状態が検知され、表示部70(報知手段)によりCPU50(安定検知手段)による検知に応じた報知が行われる。
したがって、安定検出状態についても検出用比較回路30による検出と同様に発振振幅に基づいて検知する構成と異なり、硬発振方式が用いられた発振回路10のように発振振幅の変動が大きいために、発振振幅に基づいて安定検知を行うことが困難な場合であっても、被検出物Wの安定検出状態を検知することが可能になる。
また、CPU50(安定検知手段)は、持続用比較回路40から出力されるパルス信号のデューティに応じて被検出物Wの安定検出状態を検知する。したがって、発振状態の持続のために用いられる帰還回路の構成を安定検出状態の検知に利用することができ、簡易な構成で安定検出状態の検知を行うことが可能になる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
20…積分回路
25…帰還電流供給回路
30…検出用比較回路(検出手段)
40…持続用比較回路
50…CPU(安定検知手段)
60…帰還制御回路
70…表示部(表示手段,報知手段)
80…出力回路(報知手段)
W…被検出物
Claims (4)
- 被検出物に対する距離に応じて発振振幅が硬発振方式で変化する発振回路と、
前記発振回路の発振振幅に基づいて前記被検出物を検出する検出手段と、
前記発振回路における所定の発振振幅を維持するための帰還電流を供給する帰還回路と、
前記帰還電流の電流量が基準レベル以上のときに前記検出手段による前記被検出物の安定検出状態を検知する安定検知手段と、
前記安定検知手段により前記安定検出状態が検知されたことを報知する報知手段と、を備える近接センサ。 - 前記検出手段は、所定の検出用閾値と前記発振振幅との比較結果に基づき被検出物の検出を行うものであり、
前記帰還回路は、
前記検出用閾値よりも低い持続用閾値と前記発振振幅との比較結果に基づくパルス信号を出力する比較回路と、
前記比較回路から出力されるパルス信号に応じて前記帰還電流の供給が行われる帰還電流供給回路と、を備え、
前記安定検知手段は、前記比較回路から出力されるパルス信号のデューティが所定値以上のときに前記帰還電流の電流量が基準レベル以上であるとして前記被検出物の安定検出状態を検知することを特徴とする請求項1記載の近接センサ。 - 視認可能な表示手段を備え、
前記報知手段は、前記表示手段により前記安定検出状態が検知されたことを報知することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近接センサ。 - 前記安定検知手段による安定検出状態の検知を行うための前記基準レベルを設定変更可能な設定手段を備える請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の近接センサ。
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