JP3860020B2 - 直流安定化電源回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流安定化電源回路に関し、基準電圧回路への電源電圧供給をＯＮ／ＯＦＦする回路を備えた直流安定化電源回路に関する。
【０００２】
【従来の技術】
直流安定化電源回路として用いられる従来の電源ＩＣを図２を参照して説明する。この電源ＩＣは端子として、電源電圧を入力電圧とする入力端子１と、接地端子２と、直流安定化電圧が出力される出力端子３とを有し、直流安定化電圧を生成する内部回路として、入力端子１と出力端子３間に接続されたＰＮＰ型の出力トランジスタＱ１と、出力端子３と接地端子２間に接続された分圧抵抗Ｒ１、Ｒ２と、出力トランジスタＱ１を駆動させる駆動回路１１と、基準電圧を発生させる基準電圧回路１２と、基準電圧回路１２の基準電圧と分圧抵抗Ｒ１、Ｒ２の分圧電圧の差を増幅させ駆動回路１１に出力させる差動増幅器１３と、基準電圧回路１２を起動させる起動回路１４とを有し、さらに、出力トランジスタＱ１の保護回路として、入力端子１と出力トランジスタＱ１間に挿入接続された過電流検出用抵抗Ｒ３と、出力トランジスタＱ１のエミッタ・コレクタ間に接続された安全動作領域制限回路２１と、安全動作領域制限回路２１の出力と制御回路１１の入力間に接続された過電流制限回路２２とを有している。
【０００３】
安全動作領域制限回路２１は、過電流検出用抵抗Ｒ３と出力トランジスタＱ１との接続点に過電流検出設定用抵抗Ｒ４の一端が接続され、抵抗Ｒ４の他端と出力端子３間に逆方向の過電圧検出用ツェナーダイオードＤ１と過電圧保護動作電流設定用抵抗Ｒ５と順方向の過電圧検出用ダイオードＤ２とが直列接続され、抵抗Ｒ４の他端を過電流制限回路２２への出力として構成されている。
【０００４】
上記構成の電源ＩＣについて直流安定化電圧を生成する動作を説明する。入力端子１に電源電圧が供給されると起動回路１４が動作して基準電圧回路１２を起動する。基準電圧回路１２の基準電圧と分圧抵抗の分圧電圧の差が差動増幅器１３で増幅され、駆動回路１１を介して出力トランジスタＱ１のベースに供給されると、入力端子1に供給された電源電圧が出力トランジスタによりスイッチングされて出力端子３から直流安定化電圧が出力される。入力端子１に電源電圧が供給されるのが停止されると、出力端子３の電位は０ｖとなる。
【０００５】
次に、出力トランジスタＱ１の保護動作を説明する。出力トランジスタＱ１ のコレクタ電流が増加すると、抵抗Ｒ３ に発生する電圧が増大し、安全動作領域制限回路２１から過電流制限回路２２への出力電位を下げ、それに伴い駆動回路１１の入力電位が下がり、ドライブ電流が遮断されて出力電流が流れなくなる。しかし出力電流が流れなくなると、今までとは逆の動作となり、出力電流が流れる。この２つの動作のバランスによって結果的に出力電流の最大値はある一定値となる。この値は、出力トランジスタＱ１のエミッタ・コレクタ間に印加される電圧が高くなれば低いときよりもより少ない出力電流で過電流制限回路２２が動作するようになる。この動作は、出力トランジスタＱ１のエミッタ・コレクタ間に印加される電圧が高くなり、安全動作領域制限回路２１を構成しているツェナダイオードＤ１、ダイオードＤ２がオンする電圧以上になると、安全動作領域制限回路２１に電流が流れ、抵抗Ｒ３ 、Ｒ４に発生する電圧が増加して、過電流制限回路２２への出力電位を更に下げ、それに伴い駆動回路１１の入力電位が下がり、ドライブ電流が遮断されて出力電流が流れなくなる。以上の動作によって出力トランジスタがＳＯＡを越えないように出力電流，入力電圧に制限をかけている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の図２に示した電源ＩＣに、入力端子1に電源電圧が供給されている状態で、出力端子３への直流安定化電圧の出力を有効にしたり無効にしたりするON／OFF回路機能として、図３に示すように、ＯＮ／ＯＦＦ信号が供給される制御端子４と、基準電圧回路１２及び起動回路１４への入力端子１からの電圧供給をＯＮ／ＯＦＦさせるスイッチ回路１５と、スイッチ回路１５を制御端子４からの信号により駆動させるスイッチ駆動回路１６とを付加した場合、次のような問題がある。制御端子４にＯＦＦ信号が供給された状態において、出力トランジスタＱ１はＯＦＦ状態であり、出力トランジスタＱ１のエミッタ・コレクタ間に適正な電圧が印加されている状態では、出力端子３の電位は０ｖであるが、ダイオードＤ１，Ｄ２
がオンする高い電圧が出力トランジスタＱ１のエミッタ・コレクタ間に印加されると、安全動作領域制限回路２１に電流が流れ、出力端子３に電圧が発生する。従って、本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、制御端子からのＯＦＦ信号によるＯＦＦ制御の状態で、安全動作領域制限回路が動作しないようにした直流安定化電源回路を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる直流安定化電源回路は、基準電圧回路からの基準電圧と検出された出力電圧との差に基づいて、入力端子に供給された電源電圧を出力トランジスタによりスイッチングして所定出力電圧を出力するとともに、安全動作領域制限回路により出力トランジスタが安全動作領域を越えないように出力トランジスタのコレクタ・エミッタ間の電圧および電流を制限する直流安定化電源回路において、前記基準電圧回路と入力端子間にＯＮ／ＯＦＦするスイッチ回路が付加され、前記安全動作領域制限回路が過電圧検出用トランジスタを有し、前記スイッチ回路がＯＦＦのとき、前記過電圧検出用トランジスタがＯＦＦして前記安全動作領域制限回路が過電圧を検出しないようにしたことを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に基づく一実施例の電源ＩＣを図１を参照して説明する。尚、図３と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
図３の回路と異なるのは、安全動作領域制限回路２１の替りに安全動作領域制限回路３１とした点である。この安全動作領域制限回路３１は、過電流検出設定用抵抗Ｒ４と、過電圧保護動作電流設定用抵抗Ｒ５と、ＮＰＮ型トランジスタＱ２と、ツェナダイオードＤ１とで構成されている。抵抗Ｒ４は、一端が過電流検出用抵抗Ｒ３と出力トランジスタＱ１との接続点に接続され、他端がＮＰＮ型トランジスタＱ２のコレクタに接続されるとともに、過電流制限回路２２への出力となっている。ＮＰＮ型トランジスタＱ２のエミッタは抵抗Ｒ５を介してツェナダイオードＤ１のカソードに接続され、そのベースはスイッチ回路１５出力端に接続されている。ツェナダイオードＤ１のアノードは、出力端子３に接続されている。
【０００９】
上記構成の電源ＩＣの動作を説明する。入力端子１に電源電圧が供給された状態で、制御端子４にＯＮ信号が供給されると、スイッチ回路１５のＯＮ動作により入力端子１からの電源電圧が基準電圧回路１２及び起動回路１４と、安全動作領域制限回路３１のトランジスタＱ２のベースに供給され、図２の電源ＩＣと同様に、出力端子３から直流安定化電圧が出力される。また、このとき、電源電圧がトランジスタＱ２のベースに供給されているので、トランジスタＱ２はON状態であり、出力トランジスタＱ１のエミッタ・コレクタ間に印加される電圧が高くなり、安全動作領域制限回路３１を構成しているツェナダイオードＤ１がON状態のトランジスタＱ２のコレクタ・エミッタ間電圧による電圧降下を介してオンする電圧以上になると、安全動作領域制限回路３１に電流が流れ、図２の電源ＩＣと同様に、過電流制限回路２２が動作して出力トランジスタがＳＯＡを越えないように出力電流、入力電圧に制限をかけている。
【００１０】
入力端子１に電源電圧が供給された状態で、制御端子４にＯＦＦ信号が供給されると、スイッチ回路１５のＯＦＦ動作により入力端子１からの電源電圧が基準電圧回路１２及び起動回路１４と、安全動作領域制限回路３１のトランジスタＱ２のベースに供給されなくなり、出力端子３の電位は０ｖとなる。また、このとき、電源電圧がトランジスタＱ２のベースに供給されていないので、トランジスタＱ２はＯＦＦ状態であり、出力トランジスタＱ１のエミッタ・コレクタ間に高い電圧印加があっても、安全動作領域制限回路３１に電流が流れず、出力端子３の電位は０ｖとなる。
【００１１】
以上に説明したように、スイッチ回路がＯＦＦ状態のとき、安全動作領域制限回路３１の過電圧検出用トランジスタをＯＦＦ状態に制御する構成としたので、スイッチ回路がＯＦＦ状態のときに、出力トランジスタＱ１のエミッタ・コレクタ間に高い電圧印加があっても、出力端子３に電圧が発生することはない。
【００１２】
【発明の効果】
本発明に係わる直流安定化電源回路によれば、出力トランジスタが制御端子からのＯＦＦ信号によるＯＦＦ制御時に、出力トランジスタのエミッタ・コレクタ間に適正値以上の高い電圧印加があっても、出力端子に電圧が発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施例の電源ＩＣのブロック図。
【図２】 従来の電源ＩＣのブロック図。
【図３】 図２の電源ＩＣにＯＮ／ＯＦＦ回路機能を付加した場合のブロック図。
【符号の説明】
１ 入力端子
３ 出力端子
１２ 基準電圧回路
１５ スイッチ回路
３１ 安全動作領域制限回路
Ｑ１ 出力トランジスタ
Ｑ２ 過電圧検出用トランジスタ
Claims (1)
- 基準電圧回路からの基準電圧と検出された出力電圧との差に基づいて、入力端子に供給された電源電圧を出力トランジスタによりスイッチングして所定出力電圧を出力するとともに、安全動作領域制限回路により出力トランジスタが安全動作領域を越えないように出力トランジスタのコレクタ・エミッタ間の電圧および電流を制限する直流安定化電源回路において、
前記基準電圧回路と入力端子間にＯＮ／ＯＦＦするスイッチ回路が付加され、前記安全動作領域制限回路が過電圧検出用トランジスタを有し、
前記スイッチ回路がＯＦＦのとき、前記過電圧検出用トランジスタがＯＦＦして前記安全動作領域制限回路が過電圧を検出しないようにしたことを特徴とする直流安定化電源回路。
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