JP2007235104A - 発光装置の製造方法および発光装置 - Google Patents

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裕美子 林田
Kiyoko Kawashima
淨子 川島
Masami Iwamoto
正己 岩本
Akiko Nakanishi
晶子 中西
Iwatomo Moriyama
厳與 森山
Masahiro Toda
雅宏 戸田
Hisayo Uetake
久代 植竹
Akiko Saito
明子 斉藤
Mitsuru Shiozaki
満 塩崎
Tomohiro Sanpei
友広 三瓶
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Abstract

【課題】発光素子を収容した凹部に、液状の熱硬化性樹脂を注入し加熱硬化させる際における泡の発生を防止する。
【解決手段】第1の発光装置の製造方法は、発光素子を収容した凹部に、液状の熱硬化性樹脂を注入する工程と;前記熱硬化性樹脂を第1の所定温度で加熱する第1の加熱工程と;前記熱硬化性樹脂を前記第1の所定温度よりも高い第2の所定温度で加熱する第2の加熱工程と;を具備する。第2の方法は、発光素子を収容した凹部に、25℃における粘度が1〜70Pa・sの液状の熱硬化性シリコーン樹脂を注入する工程と;前記熱硬化性シリコーン樹脂を、その硬化開始温度から硬化温度までの間の第1の所定温度で加熱する第1の加熱工程と;前記熱硬化性シリコーン樹脂を前記第1の所定温度よりも高い第2の所定温度で加熱する第2の加熱工程と;を具備する。
【選択図】図3

Description

本発明は、LEDランプ等の発光装置の製造方法および発光装置に関する。
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)の発光を電球色等の白色光に変換し照射するLEDランプは、低電圧駆動や小型軽量化、耐久性、長寿命等の長所を有するため、液晶ディスプレイ、携帯電話、情報端末等のバックライト、屋内外広告等、多方面への展開が飛躍的に進んでいる。
従来、この種のLEDランプにおいて、発光ダイオードの発光を電球色等の白色光に変換する方式としては、(1)青色発光のLEDチップと黄色から橙色間の光を発光する蛍光体とを組合せる方式と、(2)紫外線発光のLEDチップと青色、緑色および赤色の三色混合蛍光体(以下、RGB蛍光体と記す)とを組合せる方式が知られている。これらの方式を適用したLEDランプの構造としては、例えばLEDチップを配置したカップ型のフレーム内に、蛍光体を混合した透明な液状のシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を注入し熱硬化させて、蛍光体を含有する透明な樹脂層を形成した構造、LEDチップを配置したカップ型のフレーム内に蛍光体を含まない透明な液状のシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を注入し熱硬化させてLEDチップを封止し、この封止樹脂層上に蛍光体を混合した透明な樹脂シートを固定させた構造等が提案されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、上記の蛍光体を含有する樹脂層あるいは封止樹脂層の形成にあたっては、従来、材料となる熱硬化性樹脂をディスペンサなどの注入装置によりLEDチップを配置したカップ型のフレーム内に注入した後、熱硬化性樹脂を完全硬化させることができる温度(例えば150℃程度)で所要時間(例えば1時間程度)加熱する、いわゆる一段加熱方式で熱硬化性樹脂を加熱硬化させる方法が用いられている。
特開2001−148516号公報
しかしながら、上述したような従来の加熱硬化方法では、硬化中の樹脂層内に泡(気泡)が発生し、これが硬化後もそのまま樹脂層内に残留することがあった。樹脂層内に泡が残留すると、光透過特性の低下やばらつきの原因となる。すなわち、LEDチップから発せられた光が蛍光体に当たらず励起阻害を起こしたり、あるいは蛍光体から放射された光が泡により拡散されて光取り出し方向への発光が阻害され、輝度むらや色むらが生じることがあった。
また、樹脂層内に泡が残留すると、樹脂が硬化する際の収縮が大きくなるため、外観にしわが生ずることがあり、また、長期間の使用中、特に高温高湿下で使用した場合に、フレームやLEDチップ等との界面や、LEDチップに接続されたボンディングワイヤとの間で、剥離が生ずるおそれがあった。かかる剥離が生ずると、明るさが低下する。なお、上記の泡は、樹脂材料にもともと内包されているミクロな泡が、硬化の際の急激な温度の上昇によって大きな泡に成長したことにより、また、樹脂注入時に巻き込んだ空気(通常、初期には底部の隅に存在し、その位置にとどまる場合には光透過特性に与える影響は非常に小さい。)が、樹脂の急激な温度の上昇により、底部から泡となって浮き上がったことにより、発生したと考えられる。
本発明の目的は、熱硬化性樹脂硬化時の泡の発生を低減することができ、光透過特性に優れた発光装置を製造することができる方法を提供することにある。また、本発明の目的は、熱硬化性樹脂硬化時の収縮を抑制することができ、しわがなく、また、高温高湿下で使用しても、樹脂層とフレームや発光素子等との界面剥離や、樹脂層と発光素子に接続されたボンディングワイヤ間の剥離が生じにくい発光装置を製造することができる方法を提供することにある。
請求項1の発明の発光装置の製造方法は、発光素子を収容した凹部に、液状の熱硬化性樹脂を注入する工程と;前記熱硬化性樹脂を第1の所定温度で加熱する第1の加熱工程と;前記熱硬化性樹脂を前記第1の所定温度よりも高い第2の所定温度で加熱する第2の加熱工程と;を具備することを特徴としている。
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り、用語の定義および技術的意味は以下の通りである。
本発明により製造される発光装置は、発光素子を収容した凹部に、液状の熱硬化性樹脂を注入し熱硬化させて樹脂層を形成するものであれば、特にその構成が限定されるものではない。例えば、発光素子と、発光素子を収容する凹部を形成してなる凹部形成部材と、凹部形成部材に配設されて発光素子に電気的に接続される導電層と、発光素子を収容した凹部に、蛍光体を含有する透明な液状の熱硬化性樹脂を注入し熱硬化させて形成された透明な蛍光体含有樹脂層とを備えたもの、上記の発光素子を収容した凹部に、蛍光体を含有しない透明な液状の熱硬化性樹脂を注入し熱硬化させて形成された透明な蛍光体非含有樹脂層と、この蛍光体非含有樹脂層上に、蛍光体を含有する透明な熱硬化性または熱可塑性樹脂からなるシートを配置することにより形成されたシート状蛍光体含有樹脂層を備えたもの等が例示される。蛍光体含有樹脂層は、蛍光体を樹脂層中に分散させる分散タイプであっても、蛍光体を沈降させる沈降タイプのいずれであってもよい。
発光素子は、放射した光で蛍光体を励起して可視光を発光させるものであり、例えば青色発光のLEDチップや紫外発光のLEDチップ等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではなく、蛍光体を励起して可視光を発光させることが可能な発光素子であれば、発光装置の用途や目的とする発光色等に応じて種々の発光素子を使用することができる。
本発明において、加熱工程は、発光素子を収容した凹部に注入した液状の熱硬化性樹脂を第1の所定温度で加熱する第1の加熱工程と、熱硬化性樹脂を第1の所定温度よりも高い第2の所定温度で加熱する第2の加熱工程を有するが、これらの加熱工程の前、中間もしくは後に、さらに、第3、第4、…の所定温度でそれぞれ加熱する第3、第4、…の加熱工程を具備してもよい。熱硬化性樹脂硬化時の泡の発生を防止し、かつ、硬化後の樹脂層のしわや、樹脂層とフレームや発光素子等との界面剥離、樹脂層と発光素子に接続されたボンディングワイヤ間の剥離を防止する観点からは、熱硬化性樹脂を半硬化させる加熱工程と、熱硬化性樹脂を完全硬化させる加熱工程を含む構成とすることが好ましい。なお、液状の熱硬化性樹脂としては、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明においては、以上の構成を具備していることにより、液状の熱硬化性樹脂が、従来の一段加熱方式による場合のように急激に硬化することがないため、泡の発生が抑えられ、良好な光透過特性を具備させることができる。また、従来に比べ硬化に伴う収縮が低減されるため、硬化後の樹脂層のしわや、樹脂層とフレームや発光素子等との界面剥離、樹脂層と発光素子に接続されたボンディングワイヤ間の剥離が生ずるのを効果的に抑制することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の発光装置の製造方法において、前記第1の所定温度は80〜110℃の温度であり、前記熱硬化性樹脂を半硬化させ、前記第2の加熱工程により完全硬化させることを特徴としている。
本発明は、加熱工程の好ましい構成を規定したものであり、かかる構成の加熱を行うことにより、液状の熱硬化性樹脂の急激な硬化をより効果的に抑制することができ、硬化時の泡の発生をより確実に低減することができる。また、硬化に伴う熱硬化性樹脂の収縮をより効果的に低減することができるため、硬化後の樹脂層のしわや、樹脂層とフレームや発光素子等との界面剥離、樹脂層と発光素子に接続されたボンディングワイヤ間の剥離が生ずるのをより確実に抑制することができる。さらに、第1の加熱工程で熱硬化性樹脂が半硬化状態となるため、樹脂層中に蛍光体を分散させることができ、蛍光体分散タイプの発光装置を製造することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2記載の発光装置の製造方法において、前記第1の加熱工程は、20〜40分間であることを特徴としている。
本発明は、請求項2に係る発明の第1の加熱工程の加熱時間を規定したものであり、この加熱時間を満たすことで、硬化に伴う熱硬化性樹脂の収縮を一層抑制することができ、硬化後の樹脂層のしわや、樹脂層とフレームや発光素子等との界面剥離、樹脂層と発光素子に接続されたボンディングワイヤ間の剥離が生ずるのをより効果的に抑制することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の発光装置の製造方法において、前記樹脂は、シリコーン樹脂およびエポキシ樹脂から選ばれることを特徴としている。
本発明は、熱硬化性樹脂の好ましい種類を規定したものである。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の発光装置の製造方法において、前記凹部における前記熱硬化性樹脂の注入量は、2〜10mgであることを特徴としている。
本発明は、熱硬化性樹脂の注入量を規定したものであり、かかる量が注入された場合に、従来の一段加熱方式による加熱硬化では、泡が発生しやすく、また、硬化の際の収縮も大きいことから、特に顕著な効果が得られる。
請求項6に係る発光装置の製造方法は、発光素子を収容した凹部に、25℃における粘度が1〜70Pa・sの液状の熱硬化性シリコーン樹脂を注入する工程と;前記熱硬化性シリコーン樹脂を、その硬化開始温度から硬化温度までの間の第1の所定温度で加熱する第1の加熱工程と;前記熱硬化性シリコーン樹脂を前記第1の所定温度よりも高い第2の所定温度で加熱する第2の加熱工程と;を具備することを特徴としている。
この発明において、凹部に注入する熱硬化性シリコーン樹脂の粘度は25℃におけるものである。熱硬化性シリコーン樹脂のより好ましい粘度(25℃)は0.5〜5.0Pa・sである。
第1の加熱工程における加熱温度である第1の所定温度は、この熱硬化性シリコーン樹脂の硬化開始温度から硬化温度までの間の温度とする。また、硬化温度は硬化開始温度より約15℃高い温度であるので、第2の加熱工程における加熱温度は、前記第1の所定温度よりも20℃程度高い温度とすることが好ましい。これらの加熱工程の前、中間もしくは後に、さらに、第3、第4、…の所定温度でそれぞれ加熱する第3、第4、…の加熱工程を具備してもよい。
請求項7に係る発明は、請求項6記載の発光装置の製造方法において、前記第1の所定温度は80〜120℃の温度であり、この温度で20〜40分間加熱して前記熱硬化性シリコーン樹脂を半硬化させ、前記第2の加熱工程により完全に硬化させることを特徴としている。
本発明は、請求項6に係る発明において、第1の加熱工程の好ましい加熱温度および加熱時間を規定したものである。
請求項8に係る発明は、請求項6または7記載の発光装置の製造方法において、前記凹部における前記熱硬化性シリコーン樹脂の注入量は、2〜10mgであることを特徴としている。
本発明は、熱硬化性樹脂の注入量を規定したものである。従来の一段加熱方式による加熱硬化では泡が発生しやすく、また硬化の際の収縮も大きいことから、かかる量が注入された場合に特に顕著な効果が得られる。
請求項9の発明の発光装置は、凹部内に配置された発光素子と;前記発光素子を覆うように前記凹部内に形成された熱硬化性樹脂層と;を備え、請求項1乃至8のいずれか1項記載の製造方法により製造された発光装置であり、前記発光素子の上面より光取り出し方向側の前記熱硬化性樹脂層中に、前記発光素子の上面積の5%以上の投影面積を有する泡が存在しないことを特徴としている。
本発明は、前記した本発明の製造方法により製造された発光装置の構成を、熱硬化性樹脂層中に存在する泡の大きさにより規定したものである。発光素子の上面より光取り出し方向側に泡が存在しても、その泡の大きさ(発光素子の上面への投影面積)は、該発光素子の上面積の5%以上のものではないことを意味する。このように、投影面積が発光素子の上面積の5%以上となるような泡は、光取り出し方向に全く存在しないので、発光効率が高く色むら等のない発光装置を実現することができる。
請求項1に係る発明によれば、熱硬化性樹脂の急激な温度上昇を回避することができ、したがって、熱硬化性樹脂硬化時の泡の発生を抑制することができ、光透過特性を向上させることができる。また、熱硬化性樹脂の硬化に伴う収縮を低減することができ、これにより、樹脂層のしわの発生を抑制することができるとともに、長期間の使用に伴う樹脂層とフレームや発光素子等との界面や、樹脂層と発光素子に接続されたボンディングワイヤ間における剥離を抑制することができ、信頼性に優れた発光装置を製造することができる。
請求項2に係る発明によれば、熱硬化性樹脂硬化時の泡の発生および熱硬化性樹脂硬化時の収縮をより確実に低減することができ、光透過特性および信頼性により優れた発光装置を製造することができる。
請求項3に係る発明によれば、熱硬化性樹脂硬化時の収縮をよりいっそう低減することができるため、樹脂層のしわや、樹脂層とフレームや発光素子等との界面や、樹脂層と発光素子に接続されたボンディングワイヤ間における剥離の発生をいっそう確実に防止して、発光装置の信頼性をさらに向上させることができる発光装置の製造方法を提供することができる。
請求項4に係る発明によれば、発光素子を収容した凹部に注入する熱硬化性樹脂として、シリコーン樹脂およびエポキシ樹脂から選ばれる樹脂を用いた発光装置であって、泡がなく光透過特性に優れ、かつ、樹脂層のしわや、樹脂層とフレームや発光素子等との界面や、樹脂層と発光素子に接続されたボンディングワイヤ間における剥離が生じにくい、信頼性に優れた発光装置を製造することができる。
請求項5に係る発明によれば、従来の一段加熱方式による加熱硬化では、泡が発生しやすく、また、硬化の際の収縮も大きい、熱硬化性樹脂注入量が5〜10mgである発光装置を製造するので、請求項1乃至4に記載された発明の効果をより好ましく発揮することができる。
請求項6に係る発明によれば、熱硬化性シリコーン樹脂の急激な温度上昇を回避することができ、したがって硬化時の泡の発生を抑制することができ、光透過特性を向上させることができる。また、熱硬化性シリコーン樹脂の硬化に伴う収縮を低減することができ、これにより、樹脂層のしわの発生を抑制することができるとともに、長期間の使用に伴う樹脂層とフレームや発光素子等との界面や、樹脂層と発光素子に接続されたボンディングワイヤ間における剥離を抑制することができ、信頼性に優れた発光装置を製造することができる。
請求項7に係る発明によれば、熱硬化性シリコーン樹脂硬化時の泡の発生および収縮をより確実に低減することができ、光透過特性および信頼性により優れた発光装置を製造することができる。
請求項8に係る発明によれば、請求項6および7に記載された発明の効果をより好ましく発揮することができる。
請求項9に係る発明によれば、投影面積が発光素子の上面積の5%以上の泡が光取り出し方向に存在しないので、蛍光体の励起が阻害されたり蛍光体からの発光の取り出しが阻害されたりすることがなく、発光効率が高く輝度むらや色むらのない発光装置を実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に参照する複数の図面において、同一または相当部分には同一符号を付している。
図1は、本発明により製造される発光装置の一例としてのLEDランプの構成を示す断面図、図2は、図1に示すLEDランプを例えば一平面上に3行3列のマトリックス状に複数配置したLEDモジュール21の一例を示す平面図、図3は、図2のIII−III線断面図である。
図1乃至図3に示すLEDランプ1は、発光素子としてLEDチップ2を有している。LEDチップ2には、例えば青色発光タイプのLEDチップや紫外発光タイプのLEDチップ等が用いられている。このLEDチップ2は、基板3上に電気絶縁層4を介して設けられた回路パターン5上に搭載されている。
基板3は、放熱性と剛性を有するアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、ガラスエポキシ等の平板からなり、また、回路パターン5は、銅(Cu)とニッケル(Ni)の合金、金(Au)等により、陽極側と陰極側の回路パターン5a,5bに形成されている。LEDチップ2は、底面電極を回路パターン5a,5bの一方、例えば陽極側回路パターン5a上に載置して電気的に接続する一方、上面電極を回路パターン5a,5bの他方、例えば陰極側回路パターン5bにボンディングワイヤ6により電気的に接続している。
基板3上には、上方に向けて徐々に拡径する円錐台状の凹部7を形成するフレーム8が設けられており、LEDチップ2はこの凹部7内に配置されている。凹部7は、例えば底面直径が2.0〜4.0mm、上面直径が1.5〜4.5mm、深さが0.5〜1.0mmの円錐台状に形成されており、フレーム8は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート(PC)等により形成されている。
LEDチップ2が配置された凹部7内には、蛍光体を含有する透明な熱硬化性樹脂からなる蛍光体含有樹脂層9が設けられており、LEDチップ2は蛍光体含有樹脂層9で凹部7内に封止されている。蛍光体含有樹脂層9は、蛍光体を混合した透明な液状の熱硬化性樹脂をディスペンサなどの注入装置を用いてLEDチップ2が配置された凹部7内に注入し、後述するような方法で加熱硬化させることにより形成されている。蛍光体を混合した透明な液状の熱硬化性樹脂の注入量は、ほぼ5〜10mgである。なお、図面では、蛍光体含有樹脂層9の上端面が凹部7の上端とほぼ面一に形成されているが、特にこれに限定されるものではない。
この蛍光体含有樹脂層9は、LEDチップ2を凹部7内に封止する機能とともに、発光部としての機能を併せ有している。すなわち、蛍光体含有樹脂層9内に含有されている蛍光体は、LEDチップ2から放射される光、例えば青色光や紫外線により励起されて可視光を発光する。
ここで、蛍光体含有樹脂層9の形成に用いる透明な液状の熱硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。液状のシリコーン樹脂の使用が好ましく、注入の容易さの観点から、25℃における粘度が1〜70Pa・sのシリコーン樹脂の使用が特に好ましい。また、このような熱硬化性樹脂に含有させる蛍光体は、特に限定されるものではなく、目的とするLEDランプ1の発光色などに応じて適宜選択することができる。
例えば、青色発光タイプのLEDチップ2を使用して白色発光を得る場合には、黄色光から橙色光間の光を発光する黄色系蛍光体が主として用いられる。また、演色性等の向上を図るために、黄色系蛍光体に加えて赤色発光蛍光体を使用してもよい。黄色光から橙色光間の光を発光する黄色系蛍光体としては、例えばRE3(Al,Ga)512:Ce蛍光体(REはY、GdおよびLaから選ばれる少なくとも1種を示す。以下同じ)等のYAG蛍光体、AE2SiO4:Eu蛍光体(AEはSr、Ba、Ca等のアルカリ土類元素である。以下同じ)等の珪酸塩蛍光体が用いられる。
また、紫外発光タイプのLEDチップ2を使用して白色発光を得る場合には、RGB蛍光体が主として用いられる。青色発光蛍光体としては、例えばAE10(PO46Cl12:Eu蛍光体のようなハロ燐酸塩蛍光体や(Ba,Mg)Al1017:Eu蛍光体のようなアルミン酸塩蛍光体等が用いられる。緑色発光蛍光体としては、(Ba,Mg)Al1017:Eu,Mn蛍光体のようなアルミン酸塩蛍光体等が用いられる。赤色発光蛍光体としては、La22S:Eu蛍光体のような酸硫化物蛍光体等が用いられる。
さらに、上記したような蛍光体に代えて、組成に応じて種々の発光色が得られる窒化物系蛍光体(例えばAE2Si58:Eu)、酸窒化物系蛍光体(例えばY2Si334:Ce)、サイアロン系蛍光体(例えばAEx(Si,Al)12(N,O)16:Eu)等を適用してもよい。なお、LEDランプ1は白色発光ランプに限られるものではなく、白色以外の発光色を有するLEDランプ1を構成することも可能である。LEDランプ1で白色以外の発光、例えば中間色の発光を得る場合には、目的とする発光色に応じて種々の蛍光体が適宜に使用される。
蛍光体は、分散タイプおよび沈降タイプのいずれの蛍光体であってもよい。
次に、本発明の発光装置の製造方法の一実施形態として、図1乃至図3に示したLEDランプ1の製造方法について説明する。
この実施形態においては、まず、常法により、基板3上に電気絶縁層4を介して回路パターン5を設け、この回路パターン5上にLEDチップ2を搭載して、その底面電極を回路パターン5a,5bの一方、例えば陽極側回路パターン5aに電気的に接続する一方、上面電極を回路パターン5a,5bの他方、例えば陰極側回路パターン5bにボンディングワイヤ6により電気的に接続するとともに、基板3上に凹部7を形成するフレーム8を設けて、その凹部7内部にLEDチップ2を収容させる。
次いで、LEDチップ2を収容した凹部7内に、蛍光体を混合した透明な液状の熱硬化性樹脂をディスペンサなどの注入装置を用いて注入した後、注入した熱硬化性樹脂を加熱硬化させる。
この加熱硬化は第1の所定温度で加熱する第1の加熱工程と、第1の所定温度よりも高い第2の所定温度で加熱する第2の加熱工程を含む多段加熱により行われる。このように熱硬化性樹脂を多段加熱により加熱硬化させることにより、熱硬化性樹脂の急激な温度上昇を回避することができるため、従来に比べて、熱硬化性樹脂の硬化時の泡の発生を抑制することができるとともに、熱硬化性樹脂硬化時の収縮を低減することができ、光透過特性に優れ、また、しわがなく、長期間使用した場合にも、硬化樹脂層とフレームやLEDチップ等との界面や、硬化樹脂層とLEDチップに接続されたボンディングワイヤ間における剥離が生じにくい蛍光体含有樹脂層9が形成され、LEDランプ1が完成する。
熱硬化性樹脂の加熱工程は、まず、第1の加熱工程として、熱硬化性樹脂が半硬化状態となる条件で加熱し、次いで、昇温して、熱硬化性樹脂を完全硬化させる第2の加熱工程を行う方法を用いることができる。図4はこのような二段加熱方式で加熱した場合の熱硬化性樹脂の昇温曲線(A)を示したものであり、T1は熱硬化性樹脂が半硬化状態となる温度、T2は熱硬化性樹脂が完全硬化する温度を示している。第1および第2の加熱工程は、必ずしも連続して行う必要はないが、製造効率やエネルギーの無駄をなくす観点からは連続して行うことが好ましい。なお、図4中、点線で示した昇温曲線(B)は、従来の一段加熱方式、すなわち、熱硬化性樹脂が完全硬化する温度T2で熱硬化性樹脂を加熱した場合の昇温曲線を示している。
第1および第2の各加熱工程における加熱条件は、熱硬化性樹脂の種類やその注入量、基板3やフレーム8の材質やその大きさ、フレーム8に形成された凹部7の大きさ等によっても異なるが、通常、第1の加熱工程は、80〜110℃の温度で行われ、第2の加熱工程は、第1の加熱工程の温度よりも高い温度、好ましくは100〜150℃で行われる。特に、熱硬化性樹脂が、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂である場合には、前記温度条件で加熱処理することが好ましい。また、加熱時間は、特に限定されるものではないが、第1の加熱工程においては、あまり長いと、樹脂の硬化に伴う収縮が大きくなって、形成される蛍光体含有樹脂層9にしわが入ったり、蛍光体含有樹脂層9とフレーム8やLEDチップ2等との界面、LEDチップ2に接続されたボンディングワイヤ6との間で剥離が発生しやすくなることから、20〜40分間の範囲が好ましい。
また特に、熱硬化性樹脂として25℃における粘度が1〜70Pa・sの液状の熱硬化性シリコーン樹脂を使用する場合には、第1の加熱工程および第2の加熱工程を、以下に示す加熱条件で行うことが好ましい。
すなわち、第1の加熱工程における加熱温度である第1の所定温度を、樹脂の硬化開始温度から硬化温度までの間の温度とし、この温度で加熱して熱硬化性シリコーン樹脂を半硬化させた後、第2の加熱工程で、第1の所定温度よりも高い第2の所定温度で加熱して、シリコーン樹脂を完全に硬化させる。ここで、示差熱分析(Differential Thermal Analysis:DTA)装置により樹脂の熱流量(示差熱)を測定し、得られたDTA曲線から、樹脂の硬化開始温度および硬化温度(並びに硬化終了温度)を求めることができる。DTA曲線が上昇に転じる温度が硬化開始温度であり、上昇ピーク点の温度が硬化温度となる。因みに、DTA曲線の下降最下点の温度が硬化終了温度である。
粘度(25℃)が1〜70Pa・sの液状の熱硬化性シリコーン樹脂について、こうして求められた第1の所定温度は80〜120℃であり、この温度で20〜40分間加熱し、熱硬化性シリコーン樹脂を蛍光体粒子が沈降しない程度に半硬化状態に移行させた後、第2の加熱工程で、第1の所定温度よりも20℃程度高い第2の所定温度で加熱し、熱硬化性シリコーン樹脂を完全に硬化させることが望ましい。
以上、本発明の発光装置の製造方法を、LEDチップ2を収容した凹部7に、蛍光体を含有する透明な熱硬化性樹脂を注入し熱硬化させて形成された蛍光体含有樹脂層9を備えたLEDランプ1の製造に適用した例について説明したが、本発明はこのような例に限定されるものではなく、例えば、図5に示すような、発光素子を収容した凹部に、蛍光体を含有しない透明な液状の熱硬化性樹脂を注入し熱硬化させて形成された透明な蛍光体非含有樹脂層と、この蛍光体非含有樹脂層上に、蛍光体を含有する透明な熱硬化性または熱可塑性樹脂からなるシートを配置することにより形成されたシート状蛍光体含有樹脂層を備えた発光装置にも適用することができる。
図5は、本発明により製造される発光装置の他の例としてのLEDランプの構成を示す断面図である。
図5に示すように、このLEDランプ11は、凹部7内のLEDチップ2を封止する透明な蛍光体非含有樹脂層12と、この透明な蛍光体非含有樹脂層12の上端に密着されるようにフレーム8に固定された蛍光体シート13を有する点で、図1乃至図3に示したLEDランプ1と異なっている。なお、第1の実施形態に係る発光装置の構成と同一の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を簡略化または省略する。
蛍光体非含有樹脂層12は、蛍光体を含有しない透明な液状の熱硬化性樹脂により形成されている点を除いて、図1乃至図3に示したLEDランプ1の蛍光体含有樹脂層9と同様に形成されている。すなわち、透明な液状の熱硬化性樹脂をディスペンサなどの注入装置を用いてLEDチップ2が配置された凹部7内に注入し、前述したような第1の所定温度で加熱する第1の加熱工程と、熱硬化性樹脂を第1の所定温度よりも高い第2の所定温度で加熱する第2の加熱工程を含む多段加熱で加熱硬化させることにより形成されている。
また、蛍光体シート13は、上記のように蛍光体非含有樹脂層12が形成された凹部7内に、蛍光体非含有樹脂層12上端に密着させた状態で、例えば接着、ハーメチックシール、圧着等の方法によって固定されている。蛍光体シート13は、透明な熱硬化性または熱可塑性樹脂に前述したような蛍光体を添加混合した後、例えばドクターブレード法等により150℃で1時間硬化することにより形成される。
このようなLEDランプ11において、印加された電気エネルギーは、LEDチップ2で例えば青色光や紫外線に変換され、それらの光は蛍光体非含有樹脂層12を透過して、蛍光体シート13中に含有された蛍光体で、より長波長の光に変換される。そして、LEDチップ2から放射される光の色と蛍光体の発光色とに基づく色、例えば白色の光が
LEDランプ11から放出される。
このようなLEDランプ11においても、蛍光体非含有樹脂層12が、凹部7内に注入した透明な液状の熱硬化性樹脂を多段加熱により硬化させているので、前述した実施形態の適用例と同様、熱硬化性樹脂硬化時の泡の発生が抑えられ、良好な光透過特性を具備することができる。また、従来に比べて、硬化に伴う収縮が低減されるため、硬化後の樹脂層のしわや、樹脂層とフレームやLEDチップ等との界面剥離、樹脂層とLEDチップに接続されたボンディングワイヤ間の剥離が生ずるのを抑制することができる。
また、図6および図7は、本発明により製造される発光装置のさらに別の例であるLEDパッケージを形成する発光装置を示している。図6は、この発光装置の平面図であり、図7は、図6に示す発光装置をF−F線に沿って切断した縦断面図である。なお、図6および図7おいて、第1の実施形態に係る発光装置の構成と同一の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を簡略化または省略する。
図6および図7に示す発光装置(LEDランプ)1は、パッケージ基板例えば装置基板3と、反射層31と、回路パターン5と、複数好ましくは多数の半導体発光素子例えばLEDチップ2と、接着層32と、リフレクタ34と、蛍光体含有樹脂層9と、光拡散部材33とを備えて形成されている。蛍光体含有樹脂層9は封止部材としても機能する。
装置基板3は、金属または絶縁材、例えば合成樹脂製の平板からなり、発光装置1に必要とされる発光面積を得るために、所定形状例えば長方形状をなしている。装置基板3を合成樹脂製とする場合、例えば、ガラス粉末入りのエポキシ樹脂などで形成することができる。装置基板3を金属製とする場合は、この装置基板3の裏面からの放熱性が向上し、装置基板3の各部温度を均一にすることができ、同じ波長域の光を発する半導体発光素子2の発光色のばらつきを抑制することができる。なお、このような作用効果を奏する金属材料としては、10W/m・K以上の熱伝導性に優れた材料、具体的にはアルミニウムまたはその合金を例示することができる。
反射層31は、所定数の半導体発光素子2を配設し得る大きさであって、例えば、装置基板3の表面全体に被着されている。反射層31は、400〜740nmの波長領域で85%以上の反射率を有する白色の絶縁材料により構成することができる。このような白色絶縁材料としては、接着シートからなるプリプレグ(pre-preg)を使用することができる。このようなプリプレグは、例えば、酸化アルミニウムなどの白色粉末が混入された熱硬化性樹脂をシート基材に含浸させて形成することができる。反射層31はそれ自体の接着性により、装置基板3の表面となる一面に接着される。
回路パターン5は、各半導体発光素子2への通電要素として、反射層31の装置基板3が接着された面とは反対側の面に接着されている。この回路パターン5は、例えば各半導体発光素子2を直列に接続するために、装置基板3および反射層31の長手方向に所定間隔ごとに点在して2列に形成されている。一方の回路パターン5の列の一端側に位置する端側回路パターン5aには、給電パターン部5cが一体に連続して形成され、同様に他方の回路パターン5の列の一端側に位置する端側回路パターン5aには、給電パターン部5dが一体に連続して形成されている。
給電パターン部5c,5dは反射層31の長手方向一端部に並べて設けられ、互いに離間して反射層31により絶縁されている。これらの給電パターン部5c,5dのそれぞれに、電源に至る図示しない電線が個別に半田付けなどで接続されるようになっている。
回路パターン5は以下に説明する手順で形成される。まず、未硬化の前記熱硬化性樹脂が含浸されたプリプレグからなる反射層31を装置基板3上に貼付けた後、反射層31上にこれと同じ大きさの銅箔を貼付ける。次に、こうして得た積層体を加熱するとともに加圧して、熱硬化性樹脂を硬化させることによって、装置基板3と銅箔を反射層31に圧着し接着を完了させる。次いで、銅箔上にレジスト層を設けて、銅箔をエッチング処理した後に、残ったレジスト層を除去することによって、回路パターン5を形成する。銅箔からなる回路パターン5の厚みは例えば35μmである。
各半導体発光素子2は、例えば窒化物半導体を用いてなるダブルワイヤ型のLEDチップからなり、透光性を有する素子基板2b一面に半導体発光層2aを積層して形成されている。素子基板2bは、例えばサファイア基板で作られている。この素子基板2bの厚みは、回路パターン5より厚く、例えば90μmとする。
半導体発光層2aは、素子基板2bの主面上に、バッファ層、n型半導体層、発光層、p型クラッド層、p型半導体層を順次積層して形成されている。発光層は、バリア層とウェル層を交互に積層した量子井戸構造をなしている。n型半導体層にはn側電極が設けられ、p型半導体層上にはp側電極が設けられている。この半導体発光層2aは、反射膜を有しておらず、厚み方向の双方に光を放射できる。
各半導体発光素子2は、装置基板3の長手方向に隣接した回路パターン5間にそれぞれ配置され、白色の反射層31の同一面上に接着層32により接着されている。具体的には、半導体発光層2aが積層された素子基板2bの一面と平行な他面が、接着層32により反射層31に接着されている。この接着により、回路パターン5および半導体発光素子2は反射層31の同一面上で直線状に並べられるので、この並び方向に位置した半導体発光素子2の側面と回路パターン5とは、近接して対向するように設けられている。
接着層32の厚みは、例えば5μm以下とすることができる。接着層32には、例えば5μm以下の厚みで光透過率が70%以上の透光性を有した接着剤、例えばシリコーン樹脂系の接着剤を好適に使用できる。
図6および図7に示すように、各半導体発光素子2の電極と半導体発光素子2の両側に近接配置された回路パターン5とは、ボンディングワイヤ6で接続されている。さらに、前記2列の回路パターン5列の他端側に位置された端側回路パターン5b同士も、ボンディングワイヤ6で接続されている。したがって、この実施形態の場合、各半導体発光素子2は直列に接続されている。
以上の装置基板3、反射層31、回路パターン5、各半導体発光素子2、接着層32、およびボンディングワイヤ6により、発光装置1の面発光源が形成されている。
リフレクタ34は、一個一個または数個の半導体発光素子2ごとに個別に設けられるものではなく、反射層31上の全ての半導体発光素子2を包囲する単一のものであり、例えば図6に示すように、長方形の枠で形成されており、半導体発光素子2は前記枠で形成された凹部7内に配置されている。リフレクタ34は反射層31に接着止めされていて、その内部に複数の半導体発光素子2および回路パターン5が収められているとともに、前記一対の給電パターン部5c、5dはリフレクタ34の外部に位置されている。
リフレクタ34は、例えば合成樹脂で成形することができ、その内周面は反射面となっている。リフレクタ34の反射面は、AlやNiなどの反射率の高い金属材料を蒸着またはメッキして形成することができる他、可視光の反射率の高い白色塗料を塗布して形成することができる。あるいは、リフレクタ34の成形材料中に白色粉末を混入して、リフレクタ34自体を可視光の反射率が高い白色にすることもできる。前記白色粉末としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、硫酸バリウムなどの白色フイラーを用いることができる。なお、リフレクタ34の反射面は、発光装置1の照射方向に次第に開くように形成することが望ましい。
蛍光体含有樹脂層9は、前記第1の実施形態と同様に、蛍光体を混合した液状の熱硬化性樹脂をディスペンサなどの注入装置を用いて、反射層31表面および一直線上に配列された各半導体発光素子2およびボンディングワイヤ6などを満遍なく埋めるようにして充填し、前述したような第1の所定温度で加熱する第1の加熱工程と、第1の所定温度よりも高い第2の所定温度で加熱する第2の加熱工程を含む多段加熱により、熱硬化性樹脂を硬化させることにより形成されている。
反射層31表面とボンディングワイヤ6との間に流れ込んだ液状の透明樹脂は、毛細管現象などにより各半導体発光素子2およびボンディングワイヤ6に行きわたり、その膜厚などがほぼ均一になっており、蛍光体も透明樹脂にほぼ均一に分散しているものと考えられる。なお、蛍光体含有樹脂層9を形成するために用いられる液状透明樹脂の粘度は、1Pa・S以上70Pa・S以下であればよく、1〜3Pa・Sの範囲がより好ましい。液状透明樹脂は2種以上の樹脂から成るものでも良い。
このように構成される実施形態においても、凹部内に注入した液状の熱硬化性樹脂を多段加熱で硬化させることにより蛍光体含有樹脂層9が形成されているので、前述した実施形態の適用例と同様に、熱硬化性樹脂硬化時の泡の発生が抑えられ、良好な光透過特性を具備することができる。また、従来に比べて硬化に伴う収縮が低減されるため、硬化後の樹脂層のしわや、樹脂層とフレームや半導体発光素子2等との界面剥離、樹脂層と半導体発光素子2に接続されたボンディングワイヤ6間の剥離が生ずるのを抑制することができる。
次に、本発明の実施例およびその評価結果について記載する。
実施例1
図1に示す構成のLEDランプ1の蛍光体含有樹脂層9を、以下に示すようにして形成した。すなわち、黄色系蛍光体を15重量%含有させたシリコーン樹脂を、ディスペンサで凹部7内に注入し、100℃で60分間および120℃で60分間の二段加熱処理により加熱硬化させて形成し、LEDランプ1を作製した。なお、蛍光体含有シリコーン樹脂は、底面直径2.5mm、上面直径3.5mm、深さ1mmの円錐台状の凹部7に対し、約7mg注入した。
実施例2,3、比較例1
シリコーン樹脂の加熱硬化を、100℃で30分間および120℃で60分間の二段加熱処理(実施例2)、100℃で30分間および120℃で30分間の二段加熱処理(実施例3)、150℃で60分間の一段加熱処理(比較例1)により行った以外は、実施例1と同様にしてLEDランプを作製した。
得られた各LEDランプについて、過負荷試験(IF=40mA点灯)を行い、光出力が初期の70%に低下するまでの時間を測定した。結果を加熱硬化条件とともに表1に示す。
Figure 2007235104
表1から明らかなように、二段加熱によりシリコーン樹脂を加熱硬化させた実施例1〜3では、従来方法の一段加熱によりシリコーン樹脂を加熱硬化させた比較例に比べ、光出力の低下が遅くなっている。これは、シリコーン樹脂を二段加熱により加熱硬化したことにより、樹脂の収縮が抑制され、その結果、点灯中のヒートサイクルによる樹脂層の凹部やボンディングワイヤとの剥離が生じにくくなったからと考えられる。そして、光出力の低下は、第一段の加熱時間を20〜40分間とした実施例2、3で特に遅くなっており、このような条件を採用することにより、樹脂の収縮をより抑制し、樹脂層の凹部やボンディングワイヤとの剥離をより生じ難くすることができることがわかる。
実施例4、比較例2
まず、使用する液状熱硬化性シリコーン樹脂の硬化開始温度と硬化温度とを、示差熱分析装置により測定した。
すなわち、主剤と硬化剤とを1:1の割合で混合してなる液状熱硬化性シリコーン樹脂(25℃の粘度3Pa・s)を、真空脱泡装置にかけて泡を除去した後、その50mgを示差熱分析装置の測定部に入れた。そして、大気雰囲気で20℃/min.の昇温速度で300℃まで温度を上げ、DTAを行った。こうして得られたDTA曲線を図8に示す。
DTA曲線から、使用する熱硬化性シリコーン樹脂の硬化開始温度が102℃であり、上昇ピーク点の温度である硬化温度が117℃であることがわかった。
次いで、このシリコーン樹脂を用いて、図1に示す構成のLEDランプ1の蛍光体含有樹脂層9を形成した。すなわち、この液状熱硬化性シリコーン樹脂に粒径10〜15μmの蛍光体を10重量%含有させたものを、ディスペンサで凹部7内に注入した。なお、発光素子としては、1辺が100μm(上面の面積0.01mm)で発光の主波長460nmの青色LEDチップを使用し、蛍光体としては、主波長540nmの黄色蛍光体と主波長585nmの黄色蛍光体および主波長650nmの赤色蛍光体を、樹脂に対する重量比(%)で4.0:3.5:2.5の割合で混合して使用した。そして、この蛍光体含有シリコーン樹脂を、開口径3.0mm、リクレクタ角度63度、深さ1mmの円錐台状の凹部7内に、光路長1mmになるように約7mg注入した。
次いで、実施例4では、105℃で30分間および120℃で60分間の二段加熱処理により、熱硬化性シリコーン樹脂を加熱硬化させ、LEDランプ1を作製した。また比較例2では、150℃で60分間の一段加熱処理により行った以外は、実施例4と同様にしてLEDランプ1を作製した。
こうして実施例4および比較例2で得られたLEDランプ1において、蛍光体含有樹脂層9中の泡の有無、およびその大きさを以下に示すようにして測定した。すなわち、蛍光体含有樹脂層9をLEDチップより上側(光取り出し方向)で切断し、切断面を金属顕微鏡またはSEMにより1000倍に拡大し、切断面に存在する泡の直径を測定した。その結果、実施例4で得られたLEDランプ1では、投影面積がLEDチップの上面積(0.01mm)の5%以上の泡、すなわち半径0.0126mm(12.6μm)以上の泡は全く存在しなかった。これに対して、比較例2で得られたLEDランプ1では、投影面積がLEDチップの上面積(0.01mm)の10%に相当する半径0.0178mm(17.8μm)の泡が存在することがわかった。
次いで、実施例4および比較例2で得られたLEDランプ1をそれぞれ発光させ、瞬間分光光計MCPD−7000(大塚電子(株)社製)で発光スペクトルを測定した。そして、発光スペクトルから色温度(Tc)を算出した。また、観察角度70度における発光スペクトルから、角度色差(Δuv)を算出した。さらに、ゴニオ法を用いて発光効率を測定した。これらの測定結果を表2に示す。発光効率は、実施例4のLEDランプの効率を100%としたときの相対値である。
なお、角度色差は、観察角度ごとの色の差を示す。観察角度とは、蛍光体含有樹脂層9の上面の中心を通りかつ層上面に垂直な線を軸線(0度)として、観察点と蛍光体含有樹脂層9の上面の中心とを結ぶ線と軸線とのなす角度θをいい、観察角度θ度における角度色差(Δuv)は、CIE 1976 UCS系色度図のu値,v値から、次式(1)により求めることができる。
Δuv={(uθ−u+(vθ−v1/2 ………(1)
ここでuθ,vθは、観察角度θ度において、波長380〜780nmの発光スペクトルを測定したときのu値,v値であり、u,vは、観察角度0度において、波長380〜780nmの発光スペクトルを測定したときのu値,v値である。角度色差(Δuv)が大きくなると、観察角度に応じて白色光の色温度が変化するようになる。
Figure 2007235104
表2から明らかなように、二段加熱によりシリコーン樹脂を加熱硬化させた実施例4では、LEDチップの上面より光取り出し方向側のシリコーン樹脂層中に、LEDチップの上面積の5%以上の投影面積を有する泡が存在しないので、発光効率が高く、かつ角度色差(Δuv)が小さく(0.012以下)なっており、色むら(ばらつき)の少ないLEDランプを実現することができることがわかる。
本発明により製造される発光装置の一例のLEDランプを示す断面図である。 図1に示すLEDランプを複数配置したLEDモジュールの一例を示す平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 本発明による熱硬化性樹脂の昇温曲線の一例を示す図である。 本発明により製造される発光装置の他の例のLEDランプを示す断面図である。 本発明により製造される発光装置の第3の例のLEDランプを示す平面図である。 図6のF−F線断面図である。 実施例4に使用する熱硬化性シリコーン樹脂のDTA曲線を示す図である。
符号の説明
1,11…LEDランプ、2…LEDチップ、3…基板、4…電気絶縁層、5…回路パターン、6…ボンディングワイヤ、7…凹部、8…フレーム、9…蛍光体含有樹脂層、21…LEDモジュール、12…蛍光体非含有樹脂層、13…蛍光体シート。

Claims (9)

  1. 発光素子を収容した凹部に、液状の熱硬化性樹脂を注入する工程と;
    前記熱硬化性樹脂を第1の所定温度で加熱する第1の加熱工程と;
    前記熱硬化性樹脂を前記第1の所定温度よりも高い第2の所定温度で加熱する第2の加熱工程と;
    を具備することを特徴とする発光装置の製造方法。
  2. 前記第1の所定温度は80〜110℃の温度であり、前記熱硬化性樹脂を半硬化させ、前記第2の加熱工程により完全硬化させることを特徴とする請求項1記載の発光装置の製造方法。
  3. 前記第1の加熱工程は、20〜40分間であることを特徴とする請求項1または2記載の発光装置の製造方法。
  4. 前記樹脂は、シリコーン樹脂およびエポキシ樹脂の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の発光装置の製造方法。
  5. 前記凹部における前記熱硬化性樹脂の注入量は、2〜10mgであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の発光装置の製造方法。
  6. 発光素子を収容した凹部に、25℃における粘度が1〜70Pa・sの液状の熱硬化性シリコーン樹脂を注入する工程と;
    前記熱硬化性シリコーン樹脂を、その硬化開始温度から硬化温度までの間の第1の所定温度で加熱する第1の加熱工程と;
    前記熱硬化性シリコーン樹脂を前記第1の所定温度よりも高い第2の所定温度で加熱する第2の加熱工程と;
    を具備することを特徴とする発光装置の製造方法。
  7. 前記第1の所定温度は80〜120℃の温度であり、この温度で20〜40分間加熱して前記熱硬化性シリコーン樹脂を半硬化させ、次いで前記第2の加熱工程により完全に硬化させることを特徴とする請求項6記載の発光装置の製造方法。
  8. 前記凹部における前記熱硬化性シリコーン樹脂の注入量は、2〜10mgであることを特徴とする請求項6または7記載の発光装置の製造方法。
  9. 凹部内に配置された発光素子と;
    前記発光素子を覆うように前記凹部内に形成された熱硬化性樹脂層と;
    を備え、請求項1乃至8のいずれか1項記載の製造方法により製造された発光装置であり、
    前記発光素子の上面より光取り出し方向側の前記熱硬化性樹脂層中に、前記発光素子の上面積の5%以上の投影面積を有する泡が存在しないことを特徴とする発光装置。
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