JP2008270781A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い演色性を維持しつつ、発光効率を向上させることができ、色温度2850〜5000K、平均演色評価数が80以上となるように発光することが可能な発光装置を提供する。
【解決手段】本発明の発光装置は、青色光を放射する発光素子と;前記発光素子から放射される青色光により励起されて、波長640〜660nmの範囲に発光ピークを有する光を発光する赤色蛍光体と、前記青色光により励起されて緑色光を発光する緑色蛍光体を少なくとも含み、前記青色光との混色により色温度が2850〜5000K、平均演色評価数が80以上となるように発光する蛍光体層と;を具備することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオードなどの発光装置に関する。
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いたLEDランプは、液晶ディスプレイ、携帯電話、情報端末などのバックライト、屋内外広告など、多方面への展開が飛躍的に進んでいる。さらに、LEDランプは、長寿命で信頼性が高く、また低消費電力、耐衝撃性、高純度表示色、軽薄短小化の実現などの特徴を有することから、産業用途のみならず一般照明用途への適用も試みられている。このようなLEDランプを種々の用途に適用する場合、白色発光を得ることが重要となる。
LEDランプで白色発光を実現する代表的な方式としては、(1)青、緑および赤の各色に発光する3つのLEDチップを使用する方式、(2)青色発光のLEDチップと黄色ないし橙色発光の蛍光体とを組合せる方式、(3)紫外線発光のLEDチップと青色、緑色および赤色発光の三色混合蛍光体とを組合せる方式、の3つが挙げられる。これらのうち、一般的には(2)の方式が広く実用化されている。そして、上記した(2)の方式を適用したLEDランプの構造としては、SMDや砲弾型のようなLEDチップを装備したカップ型のフレーム内に蛍光体を混合した透明樹脂を流し込み、これを固化させて蛍光体を含有する樹脂層を形成した構造が一般的であり、また、高輝度化を目的として、基板(ボード)上に搭載された多数のLEDチップの上に、蛍光体を混合した透明樹脂を塗布し蛍光体含有樹脂層を形成したチップオンボード(以下、「COB」とも称する。)構造も開発されている。さらに、蛍光体を混合した透明樹脂をシート状に成形して成る蛍光体含有樹脂シートを、LEDチップが配置されたフレームに固定し、色むらやカップ間の色差を低減する技術も提案されている。
近年、一般照明用としてのLEDランプにおいて、高い発光効率に加え、演色性と呼ばれる色の見え方が重視されている。演色性は、自然光に近い照明を基準光にして光源による色の見え方を評価したものであり、JISに定められている試験色を、試料光源と基準光でそれぞれ照明したときの色ずれの大きさを数値化したものが演色評価数である。演色評価数には、平均演色評価数Raと特殊演色評価数Riがあり、平均演色評価数Raは、試験No.1〜8の演色評価数値の平均値として表される。特殊演色評価数Riは、試験No.9〜15の個々の特殊演色評価数値として表される。平均演色評価数Raは、基準光源である白色光源による色彩を忠実に再現しているかを指数で表したもので、原則として100に近いほど演色性が良い。
一般に、平均演色評価数Raの高いいわゆる高演色タイプのLEDランプは、LEDチップからの青色発光によって、波長540nm〜560nmの光を発光するYAGなどの黄色系蛍光体からの黄色発光と、波長630nmの光を発光する赤色発光体からの赤色発光で演色性にすぐれる白色光を合成する。しかしながら、このような高演色タイプのLEDランプでは、赤色蛍光体が、LEDチップからの460nm付近の青色光を励起に用いるのみならず、黄色系蛍光体から発光される黄色光も吸収して励起に使用するため、光の取り出し効率が約半減と、大幅に低減するという問題があった。
そこで、これに対する対策として、赤色蛍光体(あるいは橙色蛍光体)とともに緑色蛍光体を混合して用いたLEDランプが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、赤色蛍光体の主波長を選択する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。赤色領域は、通常600nm以上で一般に670nmであるが、幅広く主波長780nmまでの領域が選択される。
しかしながら、特許文献1に記載されたLEDランプにおいては、緑色蛍光体からの緑色光も励起光として使用される場合が多いため、発光効率およびRaの十分な向上には繋がらなかった。
また、特許文献2に記載されたLEDランプでは、発光効率の低下を少なくしかつRa向上を考慮した場合、主波長の選定を厳密に行う必要があった。そのうえ、CaSr:Eu、CaAlSiN:Euなどの窒化物系赤色蛍光体は、結晶成長が行われにくく、またその他の窒化物系赤色蛍光体においても、粒径が効率低下に大きく影響するため、幅広い波長範囲の中から最も良好な波長を選定し、さらに蛍光体粒径を厳密に設定する必要があった。蛍光体の粒径が小さいと、発光効率が上がらないばかりでなく、LEDチップからの青色発光とこの青色により励起され発光した黄色系発光の光路がいずれもふさがれ、光取り出し効率が低下することになる。
一般照明用のLEDランプとしては、3波長蛍光ランプの平均演色評価数Ra(80〜85)値が指標となり、高い発光効率を維持しつつ、かつ平均演色評価数Ra80以上、特には高い平均演色評価数Ra90〜95を実現した高演色性の発光装置が求められている。加えて、光色すなわち色温度についても、HIDランプ、電球、蛍光ランプを考慮した場合には、HIDランプや、3波長型蛍光ランプと同レベルの演色性、例えば平均演色評価数Ra83や、さらに高演色性の平均演色評価数Ra90仕様における、各種色温度6700Kから2850Kまでのラインナップが必要とされる。各種色温度の中で、特に、5000Kから2850Kにおける発光効率の向上が求められている。
特開2004−327518公報 特開2005−322674公報
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、高い演色性を維持しつつ、発光効率を向上させることができ、色温度2850〜5000Kにおいて、平均演色評価数が80以上である光を発光することが可能な発光装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発光装置は、青色光を放射する発光素子と;前記発光素子から放射される青色光により励起されて、波長640〜660nmの範囲に発光ピークを有する光を発光する赤色蛍光体と、前記青色光により励起されて緑色光を発光する緑色蛍光体を少なくとも含み、前記青色光との混色により色温度が2850〜5000K、平均演色評価数が80以上となるように発光する蛍光体層と;を具備することを特徴としている。
請求項2記載の発光装置は、請求項1記載の発光装置において、前記蛍光体層は、波長640〜660nmの範囲に発光ピークを有する光を発光する赤色蛍光体と、波長500nm以上540nm未満の範囲に発光ピークを有する光を発光する緑色蛍光体を含有し、前記緑色蛍光体と前記赤色蛍光体との配合比が、重量比で3:1〜5:1であることを特徴としている。
請求項3記載の発光装置は、請求項2記載の発光装置において、前記蛍光体層は、平均粒径が7〜15μmの前記赤色蛍光体と、平均粒径が7〜15μmの前記緑色蛍光体と、樹脂とをそれぞれ含み、前記蛍光体層の厚さが1.0mmのときの前記樹脂に対する前記赤色蛍光体および緑色蛍光体の配合割合が、それぞれ0.8〜2.5重量%および4.0〜10.0重量%であることを特徴としている。
請求項4記載の発光装置は、請求項2または3記載の発光装置において、前記平均演色評価数が90以上であることを特徴としている。
請求項5記載の発光装置は、請求項1記載の発光装置において、前記蛍光体層は、波長640〜660nmの範囲に発光ピークを有する光を発光する赤色蛍光体と、波長500nm以上540nm未満の範囲に発光ピークを有する光を発光する緑色蛍光体と、波長540nm以上580nm未満の範囲に発光ピークを有する光を発光する黄色蛍光体とを含有し、前記緑色蛍光体及び前記黄色蛍光体の合計と、前記赤色蛍光体との配合比が、重量比で3:1〜5:1であることを特徴としている。
請求項6記載の発光装置は、請求項5記載の発光装置において、前記蛍光体層は、平均粒径が7〜15μmの前記赤色蛍光体と、平均粒径が7〜15μmの前記緑色蛍光体と、平均粒径が8〜15μmの前記黄色蛍光体と、樹脂とをそれぞれ含み、前記蛍光体層の厚さが1.0mmのときの前記樹脂に対する前記赤色蛍光体、前記緑色蛍光体および前記黄色蛍光体の配合割合が、それぞれ0.8〜2.5重量%、1.2〜5.0重量%および2.0〜6.0重量%であることを特徴としている。
上記した請求項1ないし請求項6記載の発明において、用語の定義および技術的意味は、特に指定しない限り以下の通りである。青色光を放射する発光素子は、主波長が420〜480nm(例えば460nm)の青色光を放射し、放射した青色光により蛍光体を励起して可視光を発光させるものである。本発明で用いられる青色光を放射する発光素子としては、例えば、青色発光タイプのLEDチップなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
蛍光体は、このような発光素子から放射された青色光により励起されて可視光を発光し、この可視光と発光素子から放射される青色光との混色によって、発光装置として所望の発光色を得るものである。
本発明において蛍光体としては、青色光により励起されて波長640〜660nmの範囲に発光ピークを有する光を発光する赤色蛍光体と、前記青色光により励起されて緑色光を発光する緑色蛍光体の2種類の蛍光体を使用することができる。前記赤色蛍光体および緑色蛍光体は蛍光体層に含まれ、前記青色光との混色により色温度が2850〜5000K、平均演色評価数が80以上となるように発光する。また、上記の平均演色評価数Raが90以上であることがさらに好ましい。
赤色蛍光体のピーク波長が640nm未満である場合には、平均演色評価数Raが80以上の高演色性の発光を得ることが難しい。一方、赤色蛍光体のピーク波長が660nmを超えた場合には、平均演色評価数Raの向上に寄与しない波長範囲の発光成分が増大するばかりでなく、吸収光の波長範囲が広くなり短波長の光をより吸収してしまうため、発光効率が低下する。
前記緑色蛍光体は、波長500nm以上540nm未満の範囲に発光ピークを有する光を発光する緑色蛍光体であることが好ましい。また、色温度2850〜5000Kで平均演色評価数Ra80以上の発光を得るためには、前記緑色蛍光体と640〜660nmの範囲に発光ピークを有する赤色蛍光体との配合比を3:1〜5:1の範囲とすることが好ましい。緑色蛍光体の赤色蛍光体に対する配合比が3未満になると、色温度が低下し、反対に緑色蛍光体の赤色蛍光体に対する配合比が5を超える場合も、色温度が上昇し、いずれの場合も色温度2850〜5000Kの発光を得ることができない。
また、前記赤色蛍光体の平均粒径(D50)は7〜15μmであり、前記緑色蛍光体の平均粒径(D50)は7〜15μmであることが好ましい。これらの蛍光体の平均粒径(D50)が下限値未満である場合には、蛍光体が励起光を吸収する割合よりも散乱する割合が大きくなるため、発光効率が低下する。一方、これらの蛍光体の平均粒径(D50)が上限値を超える大粒径である場合には、蛍光体粒子の沈降が大きくなり、その影響で分散のばらつきや塗布作業性の悪化が生じる。なお、蛍光体の平均粒径(D50)は、例えばレーザー回折法で測定したものであり、低粒子径から積算し全体の蛍光体量の50容積%に至る粒子の大きさ、すなわち積算値50%の粒度を示すものである。
さらに、色温度2850〜5000Kで平均演色評価数Raが80以上であり、かつ発光効率の高い光を得るために、蛍光体層の厚さ(光路長)が1.0mmの場合の樹脂に対する前記赤色蛍光体および緑色蛍光体の配合割合が、それぞれ0.8〜2.5重量%および4.0〜10.0重量%であることがより好ましい。なお、蛍光体層の厚さ(光路長)が1.0mmでない場合には、前記赤色蛍光体および緑色蛍光体の好ましい配合割合は、前記数値範囲を基にしてほぼ逆比例的に算定することができる。すなわち、例えば蛍光体層の厚さ(光路長)が0.5mmと1/2の場合には、発光に関与する蛍光体粒子の数を光路長が1.0mmの場合と同等にするために、前記配合割合の数値を2〜3倍にした数値を好ましい範囲とすることができる。
本発明の蛍光体としては、青色光により励起されて、波長640〜660nmの範囲に発光ピークを有する光を発光する赤色蛍光体および波長500nm以上540nm未満の範囲に発光ピークを有する光を発光する緑色蛍光体とともに、青色光により励起されて波長540nm以上580nm未満の範囲に発光ピークを有する光を発光する黄色蛍光体の計3種類の蛍光体を使用することができる。すなわち、主波長(ピーク波長)が640〜660nmの赤色蛍光体、主波長が500nm以上540nm未満の緑色蛍光体、および主波長が540nm以上580nm未満の黄色蛍光体を混合した蛍光体を使用することができる。
そして、色温度2850〜5000Kで平均演色評価数Raが80以上であり、かつ発光効率の高い発光を得るために、前記緑色蛍光体及び黄色蛍光体の合計と前記赤色蛍光体との配合比が、重量比で3:1〜5:1であることが好ましい。
さらに、前記赤色蛍光体の平均粒径(D50)が7〜15μmであり、前記緑色蛍光体の平均粒径(D50)が7〜15μmであり、前記黄色蛍光体の平均粒径(D50)が8〜15μmであることが好ましい。各色の蛍光体の平均粒径(D50)が下限値未満と小粒径である場合には、蛍光体が励起光を吸収する割合よりも散乱する割合が大きくなるため、発光効率が低下する。一方、蛍光体の平均粒径(D50)が上限値を超える大粒径である場合には、蛍光体粒子の沈降が大きくなり、その影響で分散のばらつきや塗布作業性の悪化が生じる。またさらに、色温度2850〜5000Kで平均演色評価数Raが80以上であり、かつ発光効率の高い光を得るために、蛍光体層の厚さ(光路長)が1.0mmの場合の蛍光体層中の樹脂に対する前記赤色蛍光体、前記緑色蛍光体および前記黄色蛍光体の配合割合は、それぞれ0.8〜2.5重量%、1.2〜5.0重量%および2.0〜6.0重量%であることがより好ましい。
蛍光体を含む蛍光体層は、前記の蛍光体を、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂のような透明樹脂に加えて混合・分散させた層として形成される。蛍光体層は、発光素子の外側を覆うように形成することができるが、発光素子を直接覆うようにして予め透明樹脂層を形成し、その上に前記した蛍光体を含む層を設けることも可能である。
請求項1記載の発光装置によれば、蛍光体からの発光スペクトルが、波長640〜660nmの範囲に発光ピークを有するとともに緑色の範囲に発光ピークを有しているので、エネルギー変換効率が高い。そのため、色温度2850〜5000Kにおいて、高い演色性を維持しつつ発光効率を向上させることができる。
請求項2記載の発光装置によれば、赤色蛍光体と緑色蛍光体との配合比を規定することにより、エネルギー変換効率をより高くできるので、より高い演色性を有し、良好な発光効率を得ることができる。
請求項3記載の発光装置によれば、各種の蛍光体の適切な平均粒径およびそれらの配合量を規定しているので、より高い発光効率を得ることができる。
請求項4記載の発光装置によれば、平均演色評価数の極めて高い光を得ることができる。
請求項5記載の発光装置によれば、赤色蛍光体および緑色蛍光体の他に、黄色蛍光体を使用しているので、より高い発光効率を得ることができる。
請求項6記載の発光装置によれば、各種の蛍光体の適切な平均粒径およびそれらの配合量を規定しているので、より高い発光効率を得ることができる。
したがって、本発明によれば、従来に比べて、高い演色性を維持しつつ、発光効率をより向上させることが可能であり、色温度2850〜5000K、平均演色評価数が80以上となるように発光することが可能な発光装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1および図2は、本発明の第1の実施形態に係わるLEDパッケージを形成する発光装置を示している。図1は、この発光装置の平面図であり、図2は、図1に示す発光装置をF−F線に沿って切断した縦断面図である。
図1および図2に示す発光装置(LEDランプ)1は、パッケージ基板例えば装置基板4と、反射層31と、回路パターン3と、複数好ましくは多数の半導体発光素子(例えば青色LEDチップ)と、接着層32と、リフレクタ34と、蛍光体含有樹脂層9と、光拡散部材33とを備えて形成されている。蛍光体含有樹脂層9は封止部材としても機能する。装置基板4は、金属または絶縁材、例えば合成樹脂製の平板からなり、発光装置1に必要とされる発光面積を得るために、所定形状例えば長方形状をなしている。装置基板4を合成樹脂製とする場合、例えば、ガラス粉末入りのエポキシ樹脂等で形成することができる。装置基板4を金属製とする場合は、この装置基板4の裏面からの放熱性が向上し、装置基板4の各部温度を均一にすることができ、同じ波長域の光を発する半導体発光素子2の発光色のばらつきを抑制することができる。なお、このような作用効果を奏する金属材料としては、10W/m・K以上の熱伝導性に優れた材料、具体的にはアルミニウムまたはその合金を例示することができる。
反射層31は、所定数の半導体発光素子2を配設し得る大きさであって、例えば、装置基板4の表面全体に被着されている。反射層31は、400〜740nmの波長領域で85%以上の反射率を有する白色の絶縁材料により構成することができる。このような白色絶縁材料としては、接着シートからなるプリプレグ(pre-preg)を使用することができる。このようなプリプレグは、例えば、酸化アルミニウム等の白色粉末が混入された熱硬化性樹脂をシート基材に含浸させて形成することができる。反射層31はそれ自体の接着性により、装置基板4の表面となる一面に接着される。
回路パターン3は、各半導体発光素子2への通電要素として、反射層31の装置基板4が接着された面とは反対側の面に接着されている。この回路パターン3は、例えば各半導体発光素子2を直列に接続するために、装置基板4および反射層31の長手方向に所定間隔ごとに点在して2列に形成されている。一方の回路パターン3の列の一端側に位置する端側回路パターン3aには、給電パターン部3cが一体に連続して形成され、同様に他方の回路パターン3の列の一端側に位置する端側回路パターン3aには、給電パターン部3dが一体に連続して形成されている。給電パターン部3c,3dは反射層31の長手方向一端部に並べて設けられ、互いに離間して反射層31により絶縁されている。これらの給電パターン部3c,3dのそれぞれに、電源に至る図示しない電線が個別に半田付け等で接続されるようになっている。
回路パターン3は以下に説明する手順で形成される。まず、未硬化の前記熱硬化性樹脂が含浸されたプリプレグからなる反射層31を装置基板4上に貼付けた後、反射層31上にこれと同じ大きさの銅箔を貼付ける。次に、こうして得た積層体を加熱するとともに加圧して、熱硬化性樹脂を硬化させることによって、装置基板4と銅箔を反射層31に圧着し接着を完了させる。次いで、銅箔上にレジスト層を設けて、銅箔をエッチング処理した後に、残ったレジスト層を除去することによって、回路パターン3を形成する。銅箔からなる回路パターン3の厚みは例えば35μmである。
図2に示すように、半導体発光素子2は、例えば窒化物半導体を用いてなるダブルワイヤー型のLEDチップからなり、透光性を有する素子基板2b一面に半導体発光層2aを積層して形成されている。素子基板2bは、例えばサファイア基板で作られている。この素子基板2bの厚みは、回路パタ−ン3より厚く、例えば90μmとする。
半導体発光層2aは、素子基板2bの主面上に、バッファ層、n型半導体層、発光層、p型クラッド層、p型半導体層を順次積層して形成されている。発光層は、バリア層とウェル層を交互に積層した量子井戸構造をなしている。n型半導体層にはn側電極が設けられ、p型半導体層上にはp側電極が設けられている。この半導体発光層2aは、反射膜を有しておらず、厚み方向の双方に光を放射できる。
各半導体発光素子2は、装置基板4の長手方向に隣接した回路パターン3間にそれぞれ配置され、白色の反射層31の同一面上に接着層32により接着されている。具体的には、半導体発光層2aが積層された素子基板2bの一面と平行な他面が、接着層32により反射層31に接着されている。この接着により、回路パターン3および半導体発光素子2は反射層31の同一面上で直線状に並べられるので、この並び方向に位置した半導体発光素子2の側面と回路パターン3とは、近接して対向するように設けられている。接着層32の厚みは、例えば5μm以下とすることができる。接着層32には、例えば5μm以下の厚みで光透過率が70%以上の透光性を有した接着剤、例えばシリコーン樹脂系の接着剤を好適に使用できる。
図1および図2に示すように、各半導体発光素子2の電極と半導体発光素子2の両側に近接配置された回路パターン3とは、ボンディングワイヤ6で接続されている。さらに、前記2列の回路パターン3列の他端側に位置された端側回路パターン3b同士も、ボンディングワイヤ6で接続されている。したがって、この実施形態の場合、各半導体発光素子2は直列に接続されている。以上の装置基板4、反射層31、回路パターン3、各半導体発光素子2、接着層32、およびボンディングワイヤ6により、発光装置1の面発光源が形成されている。
リフレクタ34は、一個一個または数個の半導体発光素子2ごとに個別に設けられるものではなく、反射層31上の全ての半導体発光素子2を包囲する単一のものであり、例えば長方形の枠で形成されており、半導体発光素子2は前記枠で形成された凹部7内に配置されている。リフレクタ34は反射層31に接着止めされていて、その内部に複数の半導体発光素子2および回路パターン3が収められているとともに、前記一対の給電パターン部3c、3dはリフレクタ34の外部に位置されている。リフレクタ34は、例えば合成樹脂で成形することができ、その内周面は反射面となっている。リフレクタ34の反射面は、Al、Ni、Ag,Pd等の反射率の高い金属材料を蒸着またはメッキして形成することができる他、可視光の反射率の高い白色塗料を塗布して形成することができる。あるいは、リフレクタ34の成形材料中に白色粉末を混入して、リフレクタ34自体を可視光の反射率が高い白色にすることもできる。前記白色粉末としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、硫酸バリウム等の白色フィラーを用いることができる。なお、リフレクタ34の反射面は、発光装置1の照射方向に次第に開くように形成することが望ましい。
蛍光体含有樹脂層9は、例えば2種類または3種類の蛍光体を混合した液状の熱硬化性樹脂を、ディスペンサ等の注入装置を用いて、反射層31表面および一直線上に配列された各半導体発光素子2およびボンディングワイヤ6等を満遍なく埋めるようにして充填し、加熱により熱硬化性樹脂を硬化させることにより形成されている。蛍光体樹脂層9の厚さ(光路長さ)は適宜決めることができる。
赤色蛍光体としては、LaS:Eu蛍光体のような酸硫化物蛍光体、窒化物系蛍光体(例えば、AESi:Eu2+やCaAlSiN:Eu2+)、AESiO:Eu蛍光体(AEは、Sr、Ba、Ca、Mg、Znなどのアルカリ土類元素を示す。)やこれらの共付活性の蛍光体、SrSi:Eu2+蛍光体などのケイ酸塩蛍光体(シリケート系蛍光体)、サイアロン系蛍光体(例えば、CaSiAlON)、酸化物系蛍光体などを用途に応じて用いることができる。赤色蛍光体は、青色光により励起されて波長640〜660nmの範囲に発光ピークを有する光を発光する。上記の波長が640nm未満の場合には高い演色性を得ることができず、波長が660nmを超える場合には十分な発光効率が得られない。赤色蛍光体からの波長640〜660nmの範囲の発光ピークは、100〜130nmの範囲の半値幅を有することが好ましい。半値幅が100nm未満のシャープな発光ピークを有する蛍光体を使用した場合には平均演色評価数Raが低くなるおそれがある。また、半値幅が130nmを超えるブロードな発光ピークとした場合には、発光効率が低くなるおそれがある。なお、蛍光体の発光ピークにおける半値幅は、発光ピークの強度の1/2強度におけるスペクトルの広がり幅(波長)をいう。
緑色蛍光体は、例えばRE(Al,Ga)12:Ce蛍光体(REは、Y、GおよびLaから選ばれる少なくとも1種を示す。)などのYAG蛍光体、AESiO:Eu蛍光体(AEは、Sr、Ba、Caなどのアルカリ土類元素を示す。)やCaScSi12:Ce蛍光体などのケイ酸塩蛍光体、サイアロン系蛍光体(例えば、CaXSiAlZON:Eu2+)、およびCaSc:Ce蛍光体などの中から選択される。
黄色系蛍光体は、例えばRE(Al,Ga)12:Ce蛍光体(REは、Y、GdおよびLaから選ばれる少なくとも1種を示す。)などのYAG蛍光体、(Tb,Al)12:Ce蛍光体などのTAG蛍光体、サイアロン系蛍光体(例えば、CaSiAlON:Eu2+)、AESiO:Eu蛍光体(AEは、Sr、Ba、Caなどのアルカリ土類元素を示す。)やSrSi:Eu2+蛍光体などのケイ酸塩蛍光体などの中から、蛍光体の特性や用途に応じて選択される。
赤色蛍光体の平均粒径(D50)は、7〜15μmが好ましい。緑色蛍光体の平均粒径(D50)は、7〜15μmが好ましい。黄色蛍光体の平均粒径(D50)は、8〜15μmが好ましい。これらの各種の蛍光体のそれぞれの平均粒径が上記の下限値(μm)未満であると、蛍光体が励起光を吸収する割合よりも散乱する割合が大きくなるため、発光効率が低下する。一方、蛍光体の平均粒径(D50)が上限値を超える大粒径である場合には、蛍光体粒子の沈降が大きくなり、その影響で分散のばらつきや塗布作業性の悪化が生じる。
次に、これらの蛍光体の配合比および配合量について説明する。まず、上記の赤色蛍光体および緑色蛍光体の2種類の蛍光体を使用する場合(2成分系)について説明する。緑色蛍光体と赤色蛍光体との配合比は、重量比で3:1〜5:1の範囲が好ましい。緑色蛍光体と赤色蛍光体との配合比が前記範囲内である場合には、赤色蛍光体の使用による演色性の向上と、緑色蛍光体の使用による発光効率の向上のバランスを図ることができるので、エネルギー変換効率をより高めることができる。赤色蛍光体と緑色蛍光体の配合量は、各種の蛍光体の平均粒径、蛍光体層の厚さ(光路長)などに依存する。各種の蛍光体が上記の平均粒径(赤色蛍光体の平均粒径:7〜15μm、緑色蛍光体の平均粒径:7〜15μm)であって、蛍光体層の厚さ(光路長)が1.0mmの場合には、赤色蛍光体と緑色蛍光体の配合量は、樹脂に対してそれぞれ0.8〜2.5重量%および4.0〜10.0重量%の範囲が好ましい。2種類の蛍光体の平均粒径および配合量が上記の範囲内である場合には、演色性の向上と、発光効率の向上のバランスを図ることができるので、エネルギー変換効率をより高めることができる。
次に、上記の赤色蛍光体、緑色蛍光体および黄色蛍光体の3種類の蛍光体を使用する場合(3成分系)について説明する。緑色蛍光体および黄色蛍光体の合計と赤色蛍光体との配合比は、重量比で3:1〜5:1の範囲が好ましい。赤色蛍光体、緑色蛍光体および黄色蛍光体の配合比がこれらの範囲内である場合には、赤色蛍光体の使用による演色性の向上と、緑色蛍光体および黄色蛍光体の使用による発光効率の向上のバランスを図ることができるので、エネルギー変換効率をより高めることができる。特に、比視感度が良好な波長(例えば555nm)の光を含む発光を有する黄色蛍光体の配合比を規定する場合には、エネルギー変換効率をより高くすることができる。赤色蛍光体、緑色蛍光体および黄色蛍光体の配合量は、各種の蛍光体の平均粒径、蛍光体層の厚さ(光路長)などに依存する。各種の蛍光体が上記の平均粒径(赤色蛍光体の平均粒径:7〜15μm、緑色蛍光体の平均粒径:7〜15μm、黄色蛍光体の平均粒径:8〜15μm)であって、蛍光体層の厚さ(光路長)が1.0mmの場合には、赤色蛍光体、緑色蛍光体および黄色蛍光体の配合量は、樹脂に対して、それぞれ0.8〜2.5重量%、1.2〜5.0重量%および2.0〜6.0重量%の範囲が好ましい。上記の3種類の蛍光体の平均粒径および配合量が上記の範囲内である場合には、演色性の向上と、発光効率の向上のバランスを図ることができるので、エネルギー変換効率をより高めることができる。
実施形態のLEDランプ1では、印加された電気エネルギーがLEDチップ2で主波長が420〜480nm(例えば460nm)の青色光に変換されて放射され、放射された青色光は、蛍光体含有樹脂層9中に含有された赤色蛍光体と緑色蛍光体の2種類、または赤色蛍光体、緑色蛍光体および黄色蛍光体の3種類からなる蛍光体で、より長波長の光に変換される。そして、LEDチップ2から放射される青色光とこれらの蛍光体の発光色とに基づく色である白色光がLEDランプ1から放出される。
反射層31表面とボンディングワイヤ6との間に流れ込んだ液状の透明樹脂は、毛細管現象等により各半導体発光素子2およびボンディングワイヤ6に行きわたり、その膜厚等がほぼ均一になっており、蛍光体も透明樹脂にほぼ均一に分散している。そして、この実施形態のLEDランプ1においては、蛍光体からの発光スペクトルが、波長640〜660の範囲の発光ピークおよび緑色の発光ピークを有しているので、エネルギー変換効率が高いため、高い演色性を維持しつつ、発光効率をより向上させることが可能であり、色温度2850〜5000K、平均演色評価数が80以上となるように発光することができる。また、波長640〜660nmの範囲の発光ピークを有しているので、特殊演色評価数R9(赤色)についても良好な光を得ることができる。
また、本発明のLED装置は、いわゆる砲弾型やSMD型の発光装置として使用しても、同様に高い演色性を維持しつつ、発光効率をより向上させることが可能であり、色温度2850〜5000K、平均演色評価数が80以上となるような光を発光することができる。
次に、本発明の実施例およびその評価結果について記載する。
実施例1,2、比較例1(2成分系)
実施例1では、半値幅が110nmであり波長650nmに発光ピークを有し、粒径が7〜15μmであり、レーザー回折式粒度分布計により測定した平均粒径(D50)が10.2μmであり、組成がCaAlSiN:Eu2+である赤色シリケート系蛍光体と、半値幅が70nmであり波長520nmに発光ピークを有し、同様に粒径が5〜45μm、平均粒径が11.2μmである緑色蛍光体とを、それぞれシリコーン樹脂中に表1に示す配合比(シリコーン樹脂に対する配合割合;重量%)で混合し、分散させた。実施例2では、さらに高い平均演色評価数(Ra=95)を得るため、上記赤色蛍光体および緑色蛍光体の配合量を増加させ、それぞれシリコーン樹脂中に表1に示す配合比(シリコーン樹脂に対する配合割合;重量%)で混合し、分散させた。また、比較例1では、上記の赤色蛍光体の代わりに、半値幅が100nmであり波長630nmに発光ピークを有し、同様に粒径が5〜45μm、平均粒径が10.5μmであり、組成がCaAlSiN:Eu2+である赤色シリケート系蛍光体を使用し、この赤色蛍光体と上記の緑色蛍光体と、表1に示す配合比でそれぞれシリコーン樹脂中に混合して、分散させた。
次に、こうして得られた蛍光体含有シリコーン樹脂を、開口径3mmの凹部7内に充填した後、シリコーン樹脂を硬化させて蛍光体含有樹脂層を形成し、図1に示す構成を有するLEDランプ1を作成した。なお、蛍光体含有樹脂層9の光路長は1.0mmとした。光路長は、LEDチップの上面より光取り出し側の蛍光体含有樹脂層の厚さをいう。
こうして実施例1,2および比較例1で得られたLEDランプを発光させ、発光の色温度、色の偏差(duv)、平均演色評価数Ra、特殊演色評価数R9(赤色)および発光効率をそれぞれ測定した。色温度、色の偏差、平均演色評価数Raおよび特殊演色評価数R9(赤色)は分光光度計(大塚電子製の瞬間分光光度計MCPD−7000)を用いて測定し、発光効率はゴニオメーター(富士光電工業株式会社製GMT−1)を用いて測定した。これらの測定結果を表1に示す。なお、発光効率は表1の参考例の発光特性を有するLEDランプの発光効率を100%としたときの相対値である。また、上記の分光光度計を用いて測定されたこれらのLEDランプの発光スペクトルのうち、実施例1で得られたLEDランプの発光スペクトルを図3に、実施例2および比較例1で得られたLEDランプの発光スペクトルを図4に示す。
Figure 2008270781
実施例1,2および比較例1は、一般照明として3波長型蛍光ランプと同レベルの平均演色評価数Ra83よりもさらに高輝度のタイプである平均演色評価数Ra90、特にRa95を目標(指標)として、色温度5000Kおよび3000Kで作成したものである。実施例1,2では、色温度5000Kおよび3000Kにおいて、それぞれ平均演色評価数Raが90以上の非常に高い演色性を維持しつつ、良好な発光効率が得られることが確認された。また特殊演色評価数R9(赤色)についても良好な値が得られることが確認された。これに対し、比較例1は、色温度3000Kにおいて平均演色評価数Ra90を達成することができないことが確認され、その発光効率も低かった。また、特殊演色評価数R9(赤色)についても低いことが確認された。
なお、実施例1,2の赤色シリケート系蛍光体としては、(Ba,Ca)SiO:Euや共付括のもの、その他MgやZnなどのシリケート系蛍光体、サイアロン系蛍光体や酸化物蛍光体でも波長変更が可能なものも同様に色温度5000Kおよび3000Kにおいて、高い平均演色評価数Raおよび特殊演色評価数R9(赤色)を維持しつつ、高い発光効率を得ることができた。
実施例3ないし5、比較例2ないし5(3成分系)
実施例3では、色温度5000Kにおいて、平均演色評価数Raが90を得るために、表2に示すように実施例1で使用した上記の赤色蛍光体および緑色蛍光体の配合量を全体として減少させ、さらに半値幅が110nmであり波長565nmに発光ピークを有す、組成がCaAlSiN:Euである黄色窒化物蛍光体を使用した。比較例2においても、同様に比較例1で使用した上記の赤色蛍光体および緑色蛍光体の配合量を全体として減少させ、さらに上記の黄色窒化物蛍光体を使用した。実施例4および比較例3では、実施例3および比較例2に対し、同じ色温度5000Kで平均演色評価数Ra80を得るために、赤色蛍光体および緑色蛍光体の配合量を全体として減少させ、黄色蛍光体の量を増加させた。さらに、実施例5および比較例4,5では、色温度3000Kで平均演色評価数Ra80を達成するために、実施例4および比較例3に対し、緑色蛍光体、赤色蛍光体および黄色蛍光体の量を増加させた。そして、これらの蛍光体をそれぞれシリコーン樹脂中に配合し、表2に示す配合比(シリコーン樹脂に対する配合割合;重量%)で混合し、分散させた。次に、こうして得られた蛍光体含有シリコーン樹脂を、実施例1と同様に、開口径3mmの凹部7内に充填した後、シリコーン樹脂を硬化させて蛍光体含有樹脂層9を形成し、図1に示す構成を有するLEDランプ1を作成した。
こうして実施例3ないし5および比較例2ないし5で得られたLEDランプを実施例1と同様に発光させ、発光の色温度、色の偏差(duv)、平均演色評価数Ra、特殊演色評価数R9(赤色)および発光効率をそれぞれ測定した。これらの測定結果を表2に示す。なお、発光効率は表1の参考例のLEDランプの発光効率を100%としたときの相対値である。また、上記の分光光度計を用いて測定されたこれらのLEDランプの発光スペクトルのうち、実施例4および比較例2で得られたLEDランプの発光スペクトルを図5に、実施例5および比較例4で得られたLEDランプの発光スペクトルを図6に示す。
Figure 2008270781
実施例3では、赤色蛍光体、緑色蛍光体および黄色蛍光体を使用しても、色温度5000Kで、高い平均演色評価数Ra89を維持しつつ良好な発光効率が得られることが確認された。また、特殊演色評価数R9(赤色)も良好であった。これに対し、比較例2では、色温度5000Kを得ることができず、また、平均演色評価数Ra90も得ることができず、さらに発光効率も低かった。
実施例4では、色温度5000Kで、高い平均演色評価数Ra80を維持しつつ極めて高い発光効率90%が得られることが確認された。また、特殊演色評価数R9(赤色)も良好であった。これに対し、比較例3は、色温度4750Kで、平均演色評価数Ra80の条件では、発光効率が81.1%であった。よって比較例3は実施例4と比較して発光効率が約10%低下することが確認された。さらに、実施例5は、色温度3000K、平均演色評価数Ra80で良好な発光効率約75%を達成できるが、比較例5では、実施例5と同じ平均演色評価数Raで発光効率が約12%低下することが確認された。また、実施例5は、特殊演色評価数R9(赤色)も良好であった。
また、これらの結果に関しては以下のことが考えられる。実施例の波長650nmに発光ピークを有する赤色蛍光体は、比較例の波長630nmに発光ピークを有する赤色蛍光体と対比すると、実施例の赤色蛍光体の方が発光の主波長が短波長側にあるため、一般的にはストークスシフトの原理により単色の発光強度が低くなると推測される。ここで、ストークスシフトとは、一般に励起波長に対し発光の主波長が長波長側にシフトすることであり、ストークスシフトが大きくなると発光波長域はブロードになって半値幅が大きくなり発光強度が低下する。
しかしながら、比較例の赤色蛍光体を使用する場合には、色温度、特に2850〜5000Kにおいて、高い演色性を得るために配合量を多く配合する必要がある。特に、比較例1の赤色蛍光体の配合量を低下させると、特殊演色評価数R9(赤色)の低下が激しく、所定の特殊演色評価数R9(赤色)値を得るために、赤色蛍光体の配合比は下げることができない。そのため、主として発光効率の上昇への寄与が大きい緑色蛍光体および黄色蛍光体の配合比率を低く抑えなければならない。これに対し、実施例の赤色蛍光体は、上記のような配合量の低下による演色性、特に特殊演色評価数R9(赤色)の低下がそれほど激しくないので、緑色蛍光体および黄色蛍光体の配合比率を上げることができる。したがって、全体としては実施例の赤色蛍光体を使用する方が、色温度5000Kおよび3000Kにおいて高い平均演色評価数Raおよび特殊演色評価数R9(赤色)を維持しつつ、高い発光効率を得ることができる。
したがって、赤色蛍光体および緑色蛍光体の2色系においては、色温度5000K、3000Kにおいて、非常に高い平均演色評価数Ra90以上を維持しつつ、良好な発光効率を達成できることがわかる。また、赤色蛍光体、緑色蛍光体および黄色蛍光体の3色系においては、色温度5000Kおよび平均演色評価数Ra80〜90、および色温度3000Kおよび平均演色評価数Ra80において、高い発光効率を達成できることがわかる。また、特殊演色評価数R9(赤色)についてもそれぞれ良好な値を得ることができ、色温度2850〜5000Kにおいて、平均演色評価数Ra80以上であって、高い発光効率を達成できる発光装置を提供できる。
本発明の発光装置の第1の実施形態に係わる発光装置の平面図である。 図1のF−F´線断面図である。 本発明の実施例1で得られたLEDランプの発光スペクトルを示すグラフである。 本発明の実施例2,比較例1で得られたLEDランプの発光スペクトルを示すグラフである。 本発明の実施例4および比較例2で得られたLEDランプの発光スペクトルを示すグラフである。 本発明の実施例5および比較4で得られたLEDランプの発光スペクトルを示すグラフである。
符号の説明
1…LEDランプ、2…LEDチップ、3…回路パターン、4…基板、6…ボンディングワイヤ、7…凹部、8…フレーム、9…蛍光体含有樹脂層。

Claims (6)

  1. 青色光を放射する発光素子と;
    前記発光素子から放射される青色光により励起されて、波長640〜660nmの範囲に発光ピークを有する光を発光する赤色蛍光体と、前記青色光により励起されて緑色光を発光する緑色蛍光体を少なくとも含み、前記青色光との混色により色温度が2850〜5000K、平均演色評価数が80以上となるように発光する蛍光体層と;
    を具備することを特徴とする発光装置。
  2. 前記蛍光体層は、波長640〜660nmの範囲に発光ピークを有する光を発光する赤色蛍光体と、波長500nm以上540nm未満の範囲に発光ピークを有する光を発光する緑色蛍光体を含有し、前記緑色蛍光体と前記赤色蛍光体との配合比が、重量比で3:1〜5:1であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 前記蛍光体層は、平均粒径が7〜15μmの前記赤色蛍光体と、平均粒径が7〜15μmの前記緑色蛍光体と、樹脂とをそれぞれ含み、前記蛍光体層の厚さが1.0mmのときの前記樹脂に対する前記赤色蛍光体および緑色蛍光体の配合割合が、それぞれ0.8〜2.5重量%および4.0〜10.0重量%であることを特徴とする請求項2記載の発光装置。
  4. 前記平均演色評価数が90以上であることを特徴とする請求項2または3に記載の発光装置。
  5. 前記蛍光体層は、波長640〜660nmの範囲に発光ピークを有する光を発光する赤色蛍光体と、波長500nm以上540nm未満の範囲に発光ピークを有する光を発光する緑色蛍光体と、波長540nm以上580nm未満の範囲に発光ピークを有する光を発光する黄色蛍光体とを含有し、前記緑色蛍光体及び前記黄色蛍光体の合計と、前記赤色蛍光体との配合比が、重量比で3:1〜5:1であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  6. 前記蛍光体層は、平均粒径が7〜15μmの前記赤色蛍光体と、平均粒径が7〜15μmの前記緑色蛍光体と、平均粒径が8〜15μmの前記黄色蛍光体と、樹脂とをそれぞれ含み、前記蛍光体層の厚さが1.0mmのときの前記樹脂に対する前記赤色蛍光体、前記緑色蛍光体および前記黄色蛍光体の配合割合が、それぞれ0.8〜2.5重量%、1.2〜5.0重量%および2.0〜6.0重量%であることを特徴とする請求項5記載の発光装置。
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