JP2007233771A - 自律移動型の車両誘導システムおよび方法 - Google Patents

自律移動型の車両誘導システムおよび方法 Download PDF

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Naohisa Hashimoto
尚久 橋本
Susumu Kato
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Abstract

【課題】車両を自律的に移動しながら誘導するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態によれば、誘導ロボットが駐車場において車両を自律的に移動しながら誘導する。誘導ロボット100は、誘導する車両110(被誘導車両)を検知し、センサなどにより誘導に必要な車両の外形データを取得する。次に、誘導ロボット100は、駐車場の地形データ130および空きスペース情報などの環境データに基づいて、所定の駐車スペース120(例えば、ドライバによって指定される)までの誘導経路を算出する。そして、誘導ロボット100は、この誘導経路に沿って、車両の動きを確認しながら、車両を遠隔操縦するか、ドライバに対して運転操作に関するガイダンスを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、駐車時などに車両を誘導するシステムおよび方法に関し、より詳しくは、車両を移動しながら誘導するシステムおよび方法に関する。
近年、自動車交通の諸問題に対する解決策として、自動車交通の情報化、知能化に関連して、自動運転システムや運転支援システムの研究開発が進められている。抜本的な解決策である自動車交通の完全自動化には、関連技術の研究開発、インフラ整備、信頼性の確保、さらには関連する法律の整備を待たなければならず、実現までには相当の期間を要するのが現状である。
既に実用化されつつあるシステムの例としては、車両の縦列駐車や車庫入れ、後退時など特定の状況における運転の自動化および支援が挙げられる。このような従来技術には、例えば、車両の後方に向けたカメラにより車両の経路を予想して視覚的に提示するシステム(例えば特許文献1)や、車両に搭載した位置センサにより駐車位置に対して自動操舵を行うシステム(例えば特許文献2)などがある。
特開2005−239048号公報 特開2005−193742号公報
しかしながら、従来の運転支援システムでは、車両に特殊なカメラやセンサを設置する必要がある。また、自動運転システムでは、ハンドル制御および駆動・制動制御などを行うアクチュエータを組み込む必要がある。このように、従来の運転支援システムでは、個々の車両に専用装置を設置する必要があり、システム全体として高価になるという問題があった。
また、駐車場での運転支援システムでは、駐車場の地理的形状などの地形データや駐車場の空きスペースなどのデータを利用するために、駐車場のインフラ側にビーコンやセンサを組み込む必要がある。そのため、既存の駐車場に運転支援システムを構築する場合、互換性や実装の点で柔軟性に欠けるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、車両を自律的に移動しながら誘導するシステムおよび方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、所定の場所で外部から車両を誘導するシステムであって、前記所定の場所の地形データと前記車両の外形データとから前記車両の誘導経路を算出して前記車両を誘導する車両誘導手段と、前記車両の誘導に伴って自律的に移動する自律移動手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシステムであって、前記車両の速度およびヨーレートを検知する車両検知手段をさらに備え、前記車両誘導手段は、前記車両検知手段のから検知データに基づいて前記車両を誘導することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のシステムであって、前記車両の速度およびヨーレートに関するデータを前記車両から受信する受信手段をさらに備え、前記車両誘導手段は、前記受信手段からの受信データに基づいて前記車両を誘導することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のシステムであって、周囲の障害物を検知する障害物検知手段をさらに備え、前記車両誘導手段は、前記障害物検知手段の検知データに基づいて前記車両を誘導することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のシステムであって、前記車両誘導手段は、前記車両を遠隔制御して誘導することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のシステムであって、前記車両誘導手段は、前記車両のドライバに車両の操作情報を提供することによって誘導することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、所定の場所で外部から車両を誘導するシステムにおける方法であって、前記所定の場所の地形データと前記車両の外形データとから前記車両の誘導経路を算出して前記車両を誘導するステップと、前記車両の誘導に伴って自律的に移動するステップとを備えることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の方法であって、前記車両の速度およびヨーレートを検知するステップをさらに備え、前記誘導するステップは、前記検知するステップで得られたデータに基づいて前記車両を誘導することを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の方法であって、前記車両の速度およびヨーレートに関するデータを前記車両から受信するステップをさらに備え、前記誘導するステップは、前記受信するステップで得られたデータに基づいて前記車両を誘導することを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項7ないし9のいずれかに記載の方法であって、周囲の障害物を検知する障害物検知ステップをさらに備え、前記誘導するステップは、前記障害物検知ステップで得られたデータに基づいて前記車両を誘導することを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項7ないし10のいずれかに記載の方法であって、前記誘導するステップは、前記車両を遠隔制御して誘導することを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項7ないし10のいずれかに記載の方法であって、前記誘導するステップは、前記車両のドライバに車両の操作情報を提供することによって誘導することを特徴とする。
本発明によれば、ロボットが移動しながら車両を所定の位置に誘導することができるので、車両自体に特殊なセンサなどを必要としない。また、ロボットが駐車場の地形データや駐車場の空きデータを保持しているので、データを書き換えたり、プログラムし直したりすることで、既存の様々な駐車場で利用することができ、互換性や実装の点で柔軟性がある。また、歩行者や障害物を検知するセンサを設けることにより、車両の安全を確保しつつ、安全に運転操作を支援する自律的なシステムを構築することができる。
図1に、本発明による自律移動型の誘導ロボットが所定の駐車スペースへ車両を誘導している様子を示す。誘導ロボット100は、誘導する車両110(被誘導車両)を検知し、センサなどにより誘導に必要な車両の外形データを取得する。次に、誘導ロボット100は、駐車場の地形データ130および空きスペース情報などの環境データに基づいて、所定の駐車スペース120(例えば、ドライバによって指定される)までの誘導経路を算出する。そして、誘導ロボット100は、この誘導経路に沿って、車両の動きを確認しながら、車両を遠隔操縦するか、ドライバに対して運転操作に関するガイダンスを提供する。
誘導ロボットが必要とする被誘導車両に関するデータには、図2に示すように車体長および車幅、ホイールベースおよびトレッド、重心などの静的な外形データと、車両の位置、向き、速度およびヨーレートなどの動的なデータがある。図2に示すように、車体長は、車両の前端から後端までの全長であり、車幅は、車両の一方の側端から他方の側端までの幅である。ホイールベースは、前輪と後輪の車軸間の距離であり、トレッドは、左右の車輪間の距離である。また、ヨーレートとは、車両の重心の角度変化の割合であり、車両の回転速度として捉えることができる。
誘導ロボット100はこれらのデータを、自身のセンサにより計測するように構成することができる。あるいは、誘導ロボット100はこれらのデータを、被誘導車両110や外部の計測器(図示せず)から所定の通信手段を介して受信するように構成することもできる。なお、ホイールベース、トレッドおよび重心は、車体長、車幅および車の動きなどから推定してもよい。
誘導ロボット100が必要とする駐車場に関する環境データには、駐車場の地形データ130や空きスペースに関する管理データ、駐車場内の人や物などの障害物に関する非管理データがある。地形データは、例えば、あらかじめ誘導ロボットに格納させておくことができる。管理データは、例えば、駐車場の管理センタ(図示せず)から通信手段を介して誘導ロボットに設定または更新するように構成することができる。あるいは、管理データは、誘導ロボットが自律的に情報を収集し、更新するように構成してもよい。非管理データは、随時、誘導ロボットのセンサにより検知するか、センタ側でモニタすることが好ましい。
誘導ロボット100は、センサで取得したデータや与えられたデータに基づいて、目標となる車両の駐車位置120を特定し、そこまでの誘導経路を算定する。そして、誘導ロボットは、算定した経路に沿って車両を誘導するために必要な動的データを取得しながら、被誘導車両の操舵角変化量および制動量または駆動量を計算する。この計算結果に基づいて、誘導ロボットが被誘導車両を直接的に遠隔制御するか、運転支援情報としてスピーカ出力やディスプレイ表示などでドライバに提供することができる。以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態では、誘導ロボットがセンサで被誘導車両の静的および動的なデータを計測および推定し、このデータに基づいて自律的に移動しながら車両を誘導する。図3に、本発明の第1の実施形態による誘導ロボットの機能ブロックの構成例を示す。誘導ロボット100は、被誘導車両や駐車場の環境などの状態を検知する各種のセンサを備えたセンサ部320と、被誘導車両や駐車場の管理センタと通信を行う通信部330と、駐車場の地形データや空きスペースの状況を格納するデータベース340と、駐車場内を自律的に移動するためのアクチュエータ350と、センサ出力およびデータベースからのデータに基づいて自律的に移動しながら車両を誘導するための演算装置210とから構成される。
誘導ロボットのセンサ部320には、例えば、被誘導車両の位置や大きさ、向きなどを検知する被誘導車両用センサ322、誘導ロボット自身の位置や向きなどを検知する自車状態センサ324、駐車場の地形を検知したり、経路上の障害物を検知したりする障害物検知センサ326などが含まれる。
被誘導車両用センサ322には、例えばSick社製のレーザレンジセンサを用いることができる。このレーザレンジセンサは、水平方向180°の範囲内で対象物までの距離を1°や0.5°刻みで計測するように設定することができる。このセンサで被誘導車両110を特定し、異なる位置から被誘導車両までの距離を測定することにより、被誘導車両の車体長および車幅などの外形データを得ることができる。
また、タイヤやホイールまでの距離を計測できる位置にセンサ322を調整することで、ホイールベースおよびトレッドの測定も可能となる。ホイールベースやトレッドは、上述したように車体長および車幅などから推定してもよい。また、これらの測定値から被誘導車両の重心を推定することもできる。重心とは、物体の重力による合力が働く点(質量中心)であり、厳密には人の乗車位置などによって変化する。そのため、被誘導車両の外形データから推定した重心は、こうした変動要因による誤差を含むことになるが、本用途での実使用上は十分に許容可能である。さらに、レーザレンジセンサだけでなく、カメラなどのビジョンセンサを併用することにより、被誘導車両の特定を容易にし、各種測定の精度を向上することができる。
これらの測定値および推定値を取得した後、同一のセンサで被誘導車両の向きおよび距離を所定の時間間隔で計測することで、被誘導車両の速度およびヨーレートを測定することができる。具体的には、被誘導車両の重心の位置変化を速度とし、被誘導車両の重心の角度変化をヨーレートとして捉えることができる。このようにして、誘導ロボット100は、駐車場における被誘導車両110の位置、向き、速度およびヨーレートを知ることができる。
レーザレンジセンサを用いた実験では、被誘導車両の斜め45°の角度で後方1m程度の距離から測定することにより、被測定車両の向きおよび距離を精度よく測定することができた。具体的には、被誘導車両の後部と側部の2面を測定することによって、被誘導車両の向きを精度よく特定することができる。この結果から、誘導ロボット100は、図1に示したように、レーザレンジセンサの180°の測定範囲(図1の一点鎖線)のうち、正面の90°の範囲(図1の点線)に被誘導車両110の後部と側部が入るように移動しながら誘導することが望ましい。
自車状態センサ324は、駐車場における誘導ロボット自身の位置、向き、移動速度およびヨーレートを知るためのセンサであり、自身の移動方向および距離を所定の時間間隔で計測したり、駐車場のランドマークまでの距離を定期的に計測したりすることで自身の状態を把握することができる。あるいは、高精度GPSにより、自車の位置を特定するようにしてもよい。障害物検知センサ326は、誘導ロボットの周辺や誘導経路上の障害物を検知するためのセンサであり、近接センサ、超音波センサ、ビジョンセンサ、レーザレンジセンサなどを使用することができる。
本実施形態では、誘導ロボットの通信部330には、例えば、被誘導車両110との間で必要なデータをやりとりする通信手段332、駐車場の管理センタとの間で必要なデータをやりとりする通信手段334などが含まれる。これら通信手段に要求される通信能力は、実施形態によって異なる。例えば、誘導ロボットが被誘導車両の遠隔制御を行う場合には、通信手段232には高速のリアルタイム双方向通信機能が必要となる。このような用途には、例えば、ETC(Electronic Toll Collection)などに使われているDSRC(Dedicated Short Range Communications)やIEEE802.11などの無線LAN用の送受信装置を用いることができる。また、誘導ロボットが被誘導車両の運転支援のための情報を提供するだけであれば、一方向の通信でよく、VICS(Vehicle Information and Communication System)やFM/AMなどの送信機を誘導ロボットに搭載し、被誘導車両の対応する受信機へ必要な情報を伝達することができる。
また、センタとの通信手段334には、センタが駐車場の利用状況などを集中管理している場合は、誘導ロボットとの間で上りおよび下りのリンクが必要となる。例えば、センタが誘導ロボットに駐車場の空きスペースや誘導する駐車スペースを知らせるための下りのリンクと、誘導ロボットがセンタに誘導済みの駐車スペースを知らせるための上りのリンクが必要となる。誘導ロボットが自律的に駐車場の地形データを収集し、空きスペースの管理を行う場合は、管理センタは必要なく、このような構成は、特に小規模の駐車場に適している。さらに、センタから誘導ロボットを遠隔操作することもでき、この場合は、通信手段334には、リアルタイムの双方向通信が必要となる。
データベース340には、主に駐車場の地形データや空きスペース情報などの管理データといった環境データが格納される。データベース340の環境データは、例えば、センタとの通信手段334を介して更新することができる。あるいは、地形データをあらかじめ格納し、誘導ロボットが空きスペース情報を更新するように構成してもよい。
アクチュエータ350は、誘導ロボットが自律的に移動するためのものであり、例えば、内蔵のモータを制御して、駐車場内を自律的に移動したり、誘導ロボットの向きや姿勢、各種センサや通信手段の方向を調整したりすることができる。
演算装置310は、センサ部320、通信部330およびデータベース340からの情報またはデータに基づいて、誘導ロボットの必要な機能を実現する。これらの機能には、例えば、被誘導車両を駐車スペースまで誘導する経路を算出する経路計算機能312、算出した誘導経路に沿って逐次的に車両を誘導する車両誘導機能314、障害物を検知しながら車両の誘導のために適した位置に移動したり、自車の向きを調整したりする自律制御機能316などが含まれる。
経路計算機能312は、センサ部320、通信部330およびデータベース340からの情報またはデータに基づいて、被誘導車両110の現在位置から目標とする駐車スペース120までの誘導経路を算出する。この場合、測定した被誘導車両のホイールベースおよびトレッドから被誘導車両の可動範囲を推定し、車体長および車幅と、駐車場の地形データとからこの可動範囲内で誘導に適した経路を算定する。
車両誘導機能314は、算定した誘導経路に沿って、車両110を誘導するように被誘導車両の操舵角変化量、制動または駆動量を算定する。具体的には、車両誘導機能314は、被誘導車両用センサ322の情報から、被誘導車両の位置、向き、速度およびヨーレートを測定し、被誘導車両110が誘導経路に沿って移動するように、被誘導車両の操舵角変化量、制動または駆動量を算定する。なお、制動または駆動量については、目標駐車位置までの距離、障害物との位置関係、被誘導車両を安全に制御できる速度、駐車場内での制限速度などを考慮して算定する。この算定結果に基づいて、誘導ロボット100は、通信手段332を介して、被誘導車両を遠隔制御するか、ドライバに運転支援情報を提供する。なお、車両誘導機能314は、被誘導車両が誘導経路から所定量だけ外れたときに、経路計算機能312に対して誘導経路の再計算を指示するように構成してもよい。
自律制御機能316は、被誘導車両の動きに応じて、誘導に適した位置に移動するために自身の移動速度および方向を算出する。この場合、自律制御機能は、誘導ロボットの最終目標地点を考慮して自身の移動速度および方向を算出する。この算出結果に基づいて、自律制御機能316は、アクチュエータ350を介して、誘導ロボットの自律的な制御を行う。また、自律制御機能316は、障害物検知センサ326によって被誘導車両または自身の経路上に障害物を発見した場合は、経路計算機能312に対して当該障害物を考慮して誘導経路の再計算を指示するように構成してもよい。
図4に、本発明の第1の実施形態に従って誘導ロボットが被誘導車両を誘導するフローの一例を示す。なお、図中の点線の矢印は、被誘導車両と誘導ロボット間の通信を示している。誘導ロボットの動作が開始され(S400)、必要に応じて駐車場の地形データや空きスペースなどの環境データがデータベース340上で設定または更新される(S402)。誘導ロボットは次に、センサ322を介して被誘導車両のトレッド/ホイールベース、車体長/車幅などの外形データを取得する(S404)。そして、ドライバの指定などにより誘導すべき駐車スペースを特定した後、経路誘導機能312により環境データおよび外形データに基づいて被誘導車両の誘導経路を算定する(S406)。
誘導ロボットは、算定した誘導経路に基づいて、車両誘導機能314により被誘導車両の操舵角変化量、制動/駆動量を算出し、通信手段332を介して被誘導車両に通知する(S408)。被誘導車両は、通知された操舵角変化量および制動/駆動量を音声または視覚情報としてドライバに提供する(S410)。ドライバが提供された情報に従って車両を操作すると(S412)、誘導ロボットは、被誘導車両用センサ322により被誘導車両の動きを検知し、被誘導車両の位置、向き、速度、ヨーレートを推定する(S414)。この推定情報に基づいて、誘導ロボットは、自律制御機能316によりアクチュエータ350を介して被誘導車両に対する自身の相対位置とセンサ角度を自律的に調整する(S416)。
誘導が完了していなければ(S418)、誘導ロボットは、上記の推定情報に基づいて、経路計算機能310により被誘導車両の誘導経路を算定し直し(S406)、上記のステップ(S406〜S418)を繰り返す。誘導が完了していると判定されると(S418)、誘導ロボットは、誘導完了の情報を通信手段322を介して被誘導車両に提供する(S420)。被誘導車両は、この情報を受けて、ドライバに誘導完了を音声または視覚情報として知らせる(S422)。これにより、誘導ロボットの誘導動作が終了する(S424)。
以上のように、誘導ロボットが被誘導車両をセンサで検知しながら、誘導することで、特殊なセンサを持たない既存の車両に対しても駐車場での運転支援を有効に行うことができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、被誘導車両が速度センサやヨーレートセンサを備え、誘導ロボットがこれらセンサによる計測値の提供を受けて、車両を誘導する。例えば、現在のカーナビゲーションには、速度センサやヨーレートセンサが搭載され、さらにはDSRCなどの通信機能が搭載されている場合がある。このように、本発明の第2の実施形態は、速度センサやヨーレートセンサを備えた高機能車両を誘導する場合に適した誘導システムである。そのため、本実施形態では、図3に示す誘導ロボットには、被誘導車両の位置、向き、速度およびヨーレートを推定する機能を持ったセンサ322ではなく、被誘導車両の位置および向きを測定する機能を持ったセンサ322でも十分に誘導が可能となる。
本実施形態では、誘導ロボットは、被誘導車両用センサ322を介して被誘導車両の位置および向きを測定し、被誘導車両との通信手段332を介して、車体長および車幅、ホイールベースおよびトレッド、重心などの被誘導車両の外形データを得て、経路計算機能310により被誘導車両の誘導経路を算定する。次に、誘導ロボットは、通信手段332を介して、被誘導車両の速度やヨーレートに関する動的データをリアルタイムで受信し、これらのデータから被誘導車両が誘導経路に沿って誘導されるように、車両誘導機能314により被誘導車両の操舵角変化量、制動または駆動量を算定する。この算定結果に基づいて、誘導ロボットは、通信手段332を介して、被誘導車両を遠隔制御するか、ドライバに運転支援情報を提供する。
図5に、本発明の第2の実施形態による被誘導車両の機能ブロックの構成例を示す。被誘導車両110は、車両の動きを検知する各種のセンサを備えたセンサ部520と、誘導ロボットと通信を行う通信手段530と、車両の外形データなどの必要なデータを格納した車両データ540と、誘導ロボットからの指示に従って車両を制御するためのアクチュエータ550と、ドライバに対して音声または視覚情報を提供する情報提供手段560と、誘導ロボットの指示に従って車両を制御したり、ドライバに情報を提供したりするための演算装置510とから構成される。
被誘導車両のセンサ部520には、例えば、速度を検知する速度センサ522、ヨーレートを検知するヨーレートセンサなどが含まれる。被誘導車両は、これらセンサで検知した情報を、通信手段530を介して誘導ロボットに提供することで、誘導ロボットが被誘導車両の動的なデータを計測または推定する必要がなくなる。
本実施形態では、被誘導車両がセンサで検知した情報を誘導ロボットに提供するので、通信手段530には双方向の通信機能が必要となる。また、誘導ロボットが被誘導車両の遠隔制御を行う場合には、通信手段530には第1の実施形態の場合と同様にDSRCやIEEE802.11など、高速のリアルタイム双方向通信機能が必要となる。
車両データ540には、主に車体長および車幅、ホイールベースおよびトレッド、重心などの車両の外形データが格納される。この情報を、通信手段530を介して誘導ロボットに提供することで、誘導ロボットは被誘導車両の静的なデータを計測または推定する必要がなくなる。あるいは、予め誘導ロボットのデータベース340に様々な車種の外形データを格納しておき、被誘導車両の車種を通信手段332または被誘導車両用センサ322などで特定することによって被誘導車両の静的なデータを取得するようにしてもよい。
アクチュエータ550は、被誘導車両を遠隔制御するためのものであり、例えば、内蔵のモータを制御して、被誘導車両のハンドルを操作したり、制動または駆動量を制御したりすることができる。これにより、誘導ロボットは、通信手段530を介して被誘導車両の操舵角変化量や制動または駆動量を指示することで、被誘導車両を遠隔制御できるようになる。
被誘導車両の演算装置510は、センサ部520、通信手段530および車両データ540からの情報またはデータに基づいて、被誘導車両の被遠隔制御機能512やドライバへの情報提供機能514を実現する。被遠隔制御機能512は、通信手段530を介して得られた誘導ロボットからの操舵角変化量や制動または駆動量に基づいて、被誘導車両を遠隔制御するようアクチュエータ550を制御する。
情報提供機能514は、通信手段530を介して得られた誘導ロボットからの操舵角変化量や制動または駆動量をスピーカ562に音声で出力したり、誘導経路情報を表示装置564に描画したりする。この場合、誘導経路情報と共に、駐車場の地形を表示装置564に表示できるようにするために、駐車場の地形データを誘導ロボット(またはセンタ)から通信手段530を介して被誘導車両に提供するように構成してもよい。
図6に、本発明の第2の実施形態に従って誘導ロボットが被誘導車両を誘導するフローの一例を示す。なお、図中の点線の矢印は、被誘導車両と誘導ロボット間の通信を示している。誘導ロボットの動作が開始され(S600)、必要に応じて駐車場の地形データや空きスペースなど環境データがデータベース340上で設定または更新される(S602)。誘導ロボットは次に、通信手段332を介して被誘導車両からトレッド/ホイールベース、車体長/車幅などの外形データを取得する(S604)。そして、ドライバの指定などにより誘導すべき駐車スペースを特定した後、経路誘導機能312により環境データおよび外形データに基づいて被誘導車両の誘導経路を算定する(S606)。
誘導ロボットは、算定した誘導経路に基づいて、車両誘導機能314により被誘導車両の操舵角変化量、制動/駆動量を算出し、通信手段332を介して被誘導車両に通知する(S608)。被誘導車両は、通知された操舵角変化量および制動/駆動量に基づいて、自動運転制御機能512によりアクチュエータ550を介して自車の位置、向き、および速度を制御することができる(S610)。あるいは、情報提供機能514により自動運転の誘導情報を情報提供手段560を介してドライバに提供してもよい(S612)。
自動運転と同時に、被誘導車両は、センサ部520により自車の動きを検知し、速度およびヨーレートを測定し、通信手段530を介して誘導ロボットに提供する(S614)。誘導ロボットは、この提供された測定情報と自車の最終目標地点に基づいて、自律制御機能316によりアクチュエータ350を介して被誘導車両に対する自身の相対位置とセンサ角度を自律的に調整する(S616)。
誘導が完了していなければ(S618)、誘導ロボットは、上記の測定情報に基づいて、経路計算機能310により被誘導車両の誘導経路を算定し直し(S606)、上記のステップ(S604〜S618)を繰り返す。誘導が完了していると判定されると(S618)、誘導ロボットは、誘導完了の情報を通信手段322を介して被誘導車両に提供する(S620)。被誘導車両は、この情報を受けて、ドライバに誘導完了を音声または視覚情報として知らせる(S622)。これにより、誘導ロボットの誘導動作が終了する(S624)。
以上、本発明について、具体的にいくつかの実施形態について説明したが、本発明の原理を適用できる多くの実施可能な形態に鑑みて、ここに記載した実施形態は、単に例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、本発明は、車両の駐車時の運転支援に限らず、倉庫や工場内における車両を誘導するシステムに提供することもできる。このように、ここに例示した実施形態は、用途に応じて本発明の趣旨から逸脱することなくその構成と詳細を変更することができる。さらに、説明のための構成要素および手順は、本発明の趣旨から逸脱することなく変更、補足、またはその順序を変えてもよい。
本発明による自律移動型の誘導ロボットが被誘導車両を駐車スペースに誘導している様子を表した図である。 被誘導車両の外形データを説明するための図である。 本発明の第1の実施形態による誘導ロボットの構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に従って誘導ロボットが被誘導車両を誘導する一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態による被誘導車両の構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第2の実施形態に従って誘導ロボットが被誘導車両を誘導する一例を示すフローチャートである。
符号の説明
100 誘導ロボット
110 被誘導車両
120 駐車スペース
130 地形
310 演算装置
312 経路計算機能
314 車両誘導機能
316 自律制御機能
320 センサ部
322 被誘導車両用センサ
324 自車状態センサ
326 障害物検出センサ
330 通信部
332 被誘導車両との通信手段
334 センタとの通信手段
340 データベース
350 アクチュエータ
510 演算装置
512 被遠隔制御機能
514 情報提供機能
520 センサ部
522 速度センサ
524 ヨーレートセンサ
530 誘導ロボットとの通信手段
540 車両データ
550 アクチュエータ
560 情報提供手段
562 スピーカ
564 表示装置

Claims (12)

  1. 所定の場所で外部から車両を誘導するシステムであって、
    前記所定の場所の地形データと前記車両の外形データとから前記車両の誘導経路を算出して前記車両を誘導する車両誘導手段と、
    前記車両の誘導に伴って自律的に移動する自律移動手段と
    を備えたことを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記車両の速度およびヨーレートを検知する車両検知手段をさらに備え、前記車両誘導手段は、前記車両検知手段のから検知データに基づいて前記車両を誘導することを特徴とするシステム。
  3. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記車両の速度およびヨーレートに関するデータを前記車両から受信する受信手段をさらに備え、前記車両誘導手段は、前記受信手段からの受信データに基づいて前記車両を誘導することを特徴とするシステム。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のシステムであって、
    周囲の障害物を検知する障害物検知手段をさらに備え、前記車両誘導手段は、前記障害物検知手段の検知データに基づいて前記車両を誘導することを特徴とするシステム。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のシステムであって、
    前記車両誘導手段は、前記車両を遠隔制御して誘導することを特徴とするシステム。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載のシステムであって、
    前記車両誘導手段は、前記車両のドライバに車両の操作情報を提供することによって誘導することを特徴とするシステム。
  7. 所定の場所で外部から車両を誘導するシステムにおける方法であって、
    前記所定の場所の地形データと前記車両の外形データとから前記車両の誘導経路を算出して前記車両を誘導するステップと、
    前記車両の誘導に伴って自律的に移動するステップと
    を備えることを特徴とする方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、
    前記車両の速度およびヨーレートを検知するステップをさらに備え、前記誘導するステップは、前記検知するステップで得られたデータに基づいて前記車両を誘導することを特徴とする方法。
  9. 請求項7に記載の方法であって、
    前記車両の速度およびヨーレートに関するデータを前記車両から受信するステップをさらに備え、前記誘導するステップは、前記受信するステップで得られたデータに基づいて前記車両を誘導することを特徴とする方法。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載の方法であって、
    周囲の障害物を検知する障害物検知ステップをさらに備え、前記誘導するステップは、前記障害物検知ステップで得られたデータに基づいて前記車両を誘導することを特徴とする方法。
  11. 請求項7ないし10のいずれかに記載の方法であって、
    前記誘導するステップは、前記車両を遠隔制御して誘導することを特徴とする方法。
  12. 請求項7ないし10のいずれかに記載の方法であって、
    前記誘導するステップは、前記車両のドライバに車両の操作情報を提供することによって誘導することを特徴とする方法。
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