JP2007233506A - イメージセンサ及び識別装置及びその補正方法 - Google Patents

イメージセンサ及び識別装置及びその補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イメージセンサ/識別装置の光源劣化に対する補正/キャリブレーションを簡便にすることができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】イメージセンサ10は光源13と識別面22の間に透過状態と反射状態とを切り替えることができる液晶シャッタ17を備える。対象物を識別する直前に液晶シャッタ17を反射状態に切り替えて、液晶シャッタ17からの反射光を読み取り、あらかじめ記憶してある基準時における液晶シャッタ17からの反射光の読み取りデータと比較して補正値を求める。次に液晶シャッタ17を透過状態に切り替えて対象物からの反射光を読み取り、補正値を用いて補正処理を行う。液晶シャッタ17の反射状態/透過状態の切り替えは電気的に容易に行うことができる。
【選択図】図4

Description

本発明は識別装置、特に反射型イメージセンサを備える識別装置に関する。
識別装置のイメージセンサは光源から出た光を対象物に照射し、その透過光あるいはその反射光を検出することにより対象物を識別している。識別装置の光源は一般的には使用とともに経年劣化するため、識別装置の稼働開始直後と稼働後相当期間経過した後とを比較すると、同じ対象物を検出した場合であっても検出値が異なる場合がある。例えば識別装置がATM(Automated Teller Machine)のような紙葉類識別装置に用いられた場合、稼働開始直後と稼働後相当期間経過した後とを比較すると、同じ紙幣を検出した場合であっても検出値が異なる。そのため紙幣の識別精度が低下し、入金業務に支障を来すおそれがある。この問題を防止するためには稼働後相当期間経過した後の検出値に対して補正を行い、補正後のデータを用いて識別を行うことが考えられる。なお、この問題は紙葉類識別装置固有の問題でなく、イメージセンサを備える識別装置の多くが抱える問題であった。
従来の反射型イメージセンサ/識別装置における補正方法としては、原稿面上の対象物を置かない場所、例えば原稿面の端に基準原稿を置き、当該基準原稿の検出値を元に対象物の検出値を補正するものがある(特許文献1)。また、基準となる補正板を移動可能にし、補正板を原稿面上に移動させ、その検出値を元に対象物の検出値を補正するものがある(特許文献2)。原稿面に基準原稿を置き、その検出値を元に対象物の検出値を補正するものがある。原稿面そのものを白色にして基準原稿面とし、当該基準原稿面の検出値を元に対象物の検出値を補正するものがある。
特開2000−232555号公報 特開平7−38751号公報
しかしながら、原稿面上の対象物を置かない場所に基準原稿を置く補正方法では、対象物を置く場所、例えば原稿面のほぼ中央と、基準原稿を置く場所、例えば原稿面の端との間で、場所による光量のムラあるいは受光素子個々の感度のバラツキがあった場合に正しく補正できない。基準となる補正板を移動可能にする補正方法では、移動可能な補正板を新たに設ける必要がある。原稿面に基準原稿を置く方法では、いったん識別装置の稼働を停止しなければならず、稼働ロスが大きい。原稿面そのものを基準原稿面とする方法では、例えばATMでは原稿面上を紙幣が搬送されるため、原稿面にキズがついたり原稿面が汚れたりすることがある。キズがついた原稿面や汚れた原稿面を基準原稿面とするのでは正しい補正ができない。
本発明は上記課題を踏まえ、上記従来の課題を解決し、反射型イメージセンサ/識別装置の補正/キャリブレーションを簡便に行うことを目的とする。
上記課題の少なくとも1つを解決するために本発明は、対象物を識別するイメージセンサを提供する。本発明に係るイメージセンサは、対象物を支持するための支持部と、前記対象物を識別するための光を照射する光源であって、前記支持部に対向して配置された光源と、前記支持部に対して前記光源と同じ側に配置され、受光素子を備える受光部と、前記光源と前記支持部の間に配置され、前記光源から前記支持部への光を透過又は反射させるシャッタ部と、前記受光部のキャリブレーション時に前記光源からの光を反射させるように前記シャッタ部を制御するシャッタ制御部とを備える。
本発明に係るイメージセンサによれば、光源と支持部の間に配置され、光源から支持部への光を透過又は反射させるシャッタ部を備え、このシャッタ部は、受光部のキャリブレーション時に光源からの光を反射させるように制御されるので、イメージセンサの補正/キャリブレーションを簡便に行うことができる。
本発明に係るイメージセンサは、支持部に対し受光部と反対側に第2の光源をさらに備えていてもよい。反射型イメージセンサのみならず透過型イメージセンサも備えるATMのような紙葉類識別装置のイメージセンサについても補正/キャリブレーションを簡便に行うことができる。
本発明に係るイメージセンサは、受光部は2以上の受光素子からなる。例えば、紙葉類識別装置に使用する場合、対象物である紙幣の幅が広いので、受光部は2以上の受光素子を備えることが望ましい。
本発明に係るイメージセンサは、受光部は1以上の受光素子からなり、前記受光部はイメージセンサの主走査方向に移動可能であってもよい。この構成を備えることによって、受光素子そのものによる感度バラツキをなくすことができる。
本発明に係るイメージセンサにおいて、シャッタ部は液晶シャッタであってもよい。液晶シャッタであれば機械的な可動部がなく電気的に容易にシャッタ部の透過状態/反射状態を制御できる。
本発明に係るイメージセンサの液晶シャッタに使用される液晶はコレステリック液晶であってもよい。コレステリック液晶であれば液晶を挟む板について偏光板ではなくガラス板を使用できるため液晶シャッタ部を透過する光の光量を多くできる。
本発明に係るイメージセンサは、キャリブレーション時に、前記受光部によって検出された検出値と、あらかじめ用意されている基準値とを用いて補正値を算出する補正値算出部と、前記算出した補正値を用いて、前記受光部によって検出された検出値を補正して出力する補正部とを備える。この構成を備えることにより、イメージセンサの補正/キャリブレーションを簡便に行うことができる。
本発明に係る識別装置は、上述したイメージセンサと、少なくとも前記光源の点灯又は消灯、並びに光量を制御する発光制御部と、前記受光素子によって検出された検出値を処理する画像処理部と、キャリブレーション時に、前記画像処理部で処理された検出値と、あらかじめ用意されている基準値とを用いて補正値を算出する補正値算出部と、前記画像処理部で処理された検出値及び前記補正値算出部で算出された前記補正値を記憶する記憶部と、前記補正値を用いて受光部によって検出された検出値を補正して出力する補正部とを備える。本発明はイメージセンサとしての形態だけでなく、それを用いた識別装置の形態でも実施できる。
本発明に係る識別装置の補正方法は、支持部を照射する光源と、支持部と光源との間に反射状態又は透過状態に切り替え可能なシャッタ部とを備える識別装置の補正方法であって、前記シャッタ部を反射状態に切り替え、前記反射光を検出し、基準値とを比較して補正値を算出し、前記シャッタ部を透過状態に切り替えて対象物を検出し、前記補正値を用いて前記受光部によって検出された検出値を補正して出力するステップを備える。本発明はイメージセンサ、識別装置としての形態だけでなく、識別装置の補正方法の形態でも実施できる。
以下本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.ATM1の構成
B.イメージセンサ10の構成
C.イメージセンサ10の識別動作
D.液晶シャッタ17の構成
E.ATM1の動作
F.変形例
A.ATM1の構成:
図1を参照して、本実施例に係るATM1について説明する。図1は本実施例に係るATM1の機能を示すブロック図である。ATM1は、ATM制御部2と紙幣入出金口3とカードリーダ4とプリンタ5と表示パネル6と紙幣入出金機構部7とを備える。ATM制御部2は、カードリーダ4、プリンタ5、表示パネル6などATM1と利用者とのインターフェースを制御する。ATM制御部2は、例えば、キャッシュカードの認証情報、ATM1への入金額等を中央のホストコンピュータ44に送り、中央のホストコンピュータ44からは認証の可否、預金残高等の情報を受信する。紙幣入出金口3は、ATM1の利用者が紙幣を入金し、紙幣を出金する、入出金口である。カードリーダ4は、ATM1に挿入されたキャッシュカードを読み取る。プリンタ5は、通帳に対する印字あるいは明細書の印刷を行う。表示パネル6は、ATM制御部2から利用者へのメッセージ、例えば入金額、出金額、口座残高、振り込み先等を表示する。また、表示パネル6は、操作パネルも兼ねており、ATM1の利用者は、表示パネルに対して、例えば、入金操作、出金操作を行う。
紙幣入出金機構部7は、紙幣入出金機構制御部8と紙幣鑑別部33と金庫カセット9とを備える。紙幣入出金機構制御部8は、ATM制御部2からの命令を受けて、紙幣入出金機構部7の動作の制御を行うとともに、紙幣鑑別部33で識別した紙幣の額面データをATM制御部2に送る。紙幣鑑別部33は、紙幣の額面及びまたは真贋を識別するところである。金庫カセット9は、入金された紙幣を収納したり、あるいは出金用紙幣をあらかじめ準備して収納する。金庫カセット9は、通常、複数備えられており、出金用紙幣は額面ごとに異なる金庫カセット9に収納されている。
図2を用いて紙幣鑑別部33について説明する。図2は、紙幣鑑別部33の構成を示すブロック図である。紙幣鑑別部33は、センサ群34とセンサ制御部35と中央処理装置(以下「CPU」という。)36と記憶部37と不揮発性記憶部38と通信制御部39と画像処理部20とを備える。
センサ群34には、イメージセンサ10のほか、各種センサが含まれる。センサ制御部35は、イメージセンサ10のほか、紙幣鑑別部33の各種センサを制御する。CPU36は、紙幣鑑別部33の中枢であり、紙幣鑑別部33の動作を制御する。CPU36は、イメージセンサ10が読み出したデータを用いて、補正値を算出し、補正処理後のデータと紙幣データとを比較して識別動作を実行し、必要に応じて補正処理等の各種演算/データ処理を行う。
記憶部37は、補正値を求める際に用いられる比較用データ、補正値、補正処理後のデータなどのデータを一時的に記憶する。不揮発性記憶部38は、書き換え可能な不揮発メモリであり、ATM出荷時の初期データ、紙幣データ等の各種データのほか、センサ制御部35を制御するためのプログラムを記憶する。
通信制御部39は、紙幣入出金機構制御部8とデータの送受信を行ったり、紙幣入出金機構制御部8からの命令を受け、CPU36に伝える。画像処理部20は、イメージセンサ10からの検出データに対して補正処理等を行う。
B.イメージセンサ10の構成:
図3から図6を参照して、本実施例に係るイメージセンサ10とセンサ制御部35と画像処理部20について説明する。図3は、イメージセンサ10とセンサ制御部35と画像処理部20を詳しく説明するブロック図である。図4は本実施例に係るイメージセンサ10の側面を模式的に示す説明図である。図5は本実施例に係るイメージセンサ10の正面を模式的に示す説明図である。図6は本実施例に係るイメージセンサ10の斜視図である。
イメージセンサ10は、紙幣搬送機構11と光源13と受光部15と受光素子16と液晶シャッタ17とを備える。
紙幣搬送機構11には、紙幣搬送台12及び複数のローラー21を備える。紙幣搬送台12はその上側面に識別面22を有し、識別面22上に搬送された紙幣23の識別が行われる。複数のローラー21は、紙幣搬送台12の上下には識別面22を挟むように対になって設置されている。紙幣23は2組のローラー21に挟まれ、ローラー21が回転することにより紙幣搬送台12上を搬送される。
光源13は紙幣搬送台12の識別面22に対向して配置されている。光源13は、紙幣搬送台12上の識別面22をライン状に照らす。光源13としては、例えば、白色冷陰極蛍光ランプやLEDが使われる。なお、光源の色は白色でなくてもよい。
液晶シャッタ17は識別面22と光源13の間に配置されている。液晶シャッタ17は光を透過する透過状態と光を反射する反射状態のいずれかの状態に切り替えて用いられる。
受光部15は識別面22に対して光源13と同じ側に配置されている。受光部15には2以上の受光素子16がライン状に配置されており、受光素子16は、光源13から紙幣23に対して照射された照射光の反射光を一度に1ラインずつ検出する。受光素子16として、例えば、CCDセンサーのほか、MOSセンサー、フォトダイオードなどが使われる。なお、受光素子16としてMOSセンサーやフォトダイオードを用いた場合には、照射光の反射光を一度に1ライン分検出できないので、例えば、受光素子16の一方の端から順番に検出する。
センサ制御部35は、発光制御部14とシャッタ制御部18と駆動部19とを備える。発光制御部14は光源13に接続されており、光源13の点灯/消灯を制御し、必要に応じて光源13の光量を制御する。シャッタ制御部は18は、液晶シャッタ17の光を透過する透過状態と光を反射する反射状態の切り替えを制御する。駆動部19は受光素子16と接続され、受光素子16の検出動作を駆動する。
画像処理部20は、受光素子16と接続され、受光素子16が検出した検出値に対して画像処理を行う。画像処理部20は、受光素子16によって検出されたアナログデータの検出値をデジタルデータに変換するA/D変換処理を実行するためのA/D変換器41を備える。また、画像処理部20は、受光素子16によって検出され、デジタルデータに変換された検出値に対して補正処理を行う補正部42を備える。より具体的には、補正部42に備えられているDSP(Digital Signal Processor)43によって補正処理が実行される。なお、本実施例では補正部42が補正処理を行っているが、CPU36が補正処理を行ってもよい。また、A/D変換処理は、受光素子16が行ってもよい。
C.イメージセンサ10の識別動作
図4から図6を参照しながら、液晶シャッタ17を透過状態に切り替えるとき、すなわち紙幣23を検出するときのイメージセンサ10の動作について説明する。発光制御部14が光源13を点灯させると、シャッタ制御部18は液晶シャッタ17を透過状態に切り替える。ローラー21の回転により紙幣23が紙幣搬送台12の識別面22上に順に搬送される。光源13からの光は液晶シャッタ17を透過し紙幣23を照射し、紙幣23で反射した反射光が受光部15の受光素子16に到達する。受光素子16は駆動部19により検出状態にされ、反射光を検出する。受光素子16はライン状に配置されているため、1回の検出で1ライン分の反射光を検出することができる。受光素子16が1ライン分の反射光を検出すると、ローラー21が回転し紙幣23を1ライン分搬送する。紙幣23が1ライン分搬送されると、受光素子16は、次の1ライン分の反射光を検出する。このように受光素子16は、紙幣23がローラー21により1ラインずつ搬送されるごとに1ラインずつ紙幣23からの反射光を検出し、最終的には紙幣23全体の反射光を検出する。なお、ローラー21の回転は、反射光の読み取りごとに回転が停止する間欠動作でもよいし、反射光の読み取りごとに回転が停止しない連続回転でもよい。
次に、液晶シャッタ17を反射状態に切り替えるとき、すなわち初期データを取得するとき又は補正値を算出するときのイメージセンサ10の動作について、図4から図6を参照しながら説明する。発光制御部14が光源13を点灯させると、シャッタ制御部18は液晶シャッタ17を反射状態に切り替える。光源13から発光された光は液晶シャッタ17を照射し、反射状態である液晶シャッタ17において反射して受光部15の受光素子16に到達する。受光素子16は駆動部19により検出状態にされ前記反射光を検出する。受光素子16はライン状に配置されているため1回の検出で1ライン分の値を取得する。初期データの取得及び補正値の算出に当たっては、1ライン分の検出値を取得すれば十分であるが、何回か測定し、平均をとってもよい。読み取りバラツキを緩和できるからである。なお、光源13が複数の波長を発光できる場合、あるいは波長ごとに複数の光源13を有している場合には、波長ごとに反射光を検出することが好ましい。
D.液晶シャッタ17の構成
図7を参照して、液晶シャッタ17の構成について説明する。図7は本実施例において用いられる液晶シャッタ17の構成の一例を示す説明図である。図7(a)は液晶シャッタ17に電圧を印加しない場合の説明図、図7(b)は液晶シャッタ17に電圧を印加した場合の説明図である。
液晶シャッタ17は、液晶25を挟んで2枚の偏光板26、27を備えており、偏光板26、27は透過させる光の振動方向が90度ずれるように配置されている。偏光板26、27はそれぞれ透明電極28、29を備えており、液晶25に対して電圧を印加できるようになっている。透明電極28、29の液晶25側には配向膜30、31が配置されている。配向膜30、31は隣り合った液晶分子32を一定の方向に配向させる性質を持っている。配向膜30、31は液晶分子32の配向方向が90度ずれるように配置されている。
液晶25、すなわち透明電極28、29間に対して電圧を印加しない場合には、図7(a)に示すように、液晶分子32は、配向膜30に接するところでは配向膜30の配向方向と平行に並び、配向膜30から遠ざかるにつれて少しずつねじれて向きを変えていく。液晶分子32が反対側の配向膜31に接するところでは、液晶分子32の向きは、配向膜30の配向方向と90度ずれ、配向膜31の配向方向と平行となる。
光が偏光板26に入射すると、一方向の振動成分の光のみが偏光板26を透過する。次に光は液晶25を通過するが、液晶分子32のねじれにより光の振動の向きが少しずつねじれていく。光が偏光板27に達した時には光の振動の向きは、偏光板27を透過する光の振動の向きと一致し、光は振動板27を透過することができる。
一方、液晶25に電圧を印加した場合には、図7(b)に示すように、液晶25の液晶分子32は分子の長い方向が偏光板26、27がなす面と垂直な方向に並び、ねじれは生じない。
この結果、光が偏光板26に入射すると、一方向の振動成分の光のみが偏光板26を透過するのは同じであるが、液晶分子32にねじれが生じていないため、光が液晶25を通過する間に光の振動の向きは変わらない。光が偏光板27に達した時の光の振動の向きは偏光板26を通過した時の光の振動の向きと同じであり、偏光板27が透過させる光の振動の向きとは90度ずれている。したがって、光は偏光板27を透過することができずに反射する。
液晶シャッタ17にはシャッタ制御部18が接続されている。シャッタ制御部18は液晶シャッタ17を透過状態又は反射状態のいずれかに切り替える。すなわち、シャッタ制御部18は、液晶25に電圧を印加しなければ液晶シャッタ17を透過状態とし、液晶25に電圧を印加すれば液晶シャッタ17を反射状態とする。したがって、液晶シャッタ17の透過状態又は反射状態の切り替えは、液晶25への電圧の印加の有無により、電気的に容易に行うことができる。
液晶シャッタ制御部18は、例えば、紙幣23を検出する場合に、液晶シャッタ17を透過状態に切り替える。一方、液晶シャッタ制御部18は、初期データを取得するときは補正値を算出するときに液晶シャッタ17を反射状態に切り替える。
E.ATM1の動作:
図8を参照して、ATM1の製造から稼働まで処理手順について説明する。図8は本実施例に係るイメージセンサを備えるATM1の稼働までの動作を示すフローチャートである。以下フローチャートに従って説明する。
ATM1を製造後、ATM1のCPU36は、初期データを不揮発性記憶部38に記憶する(ステップS100)。出荷時にはATM1をすぐに稼働できるようにあらかじめ初期データを不揮発性記憶部38に記憶しておくことが望ましいからである。なお、ATM1を出荷した後、例えば銀行に設置した後、初期データを不揮発性記憶部38に記憶してもよい。また、出荷後に光源13を交換したときには、初期データを不揮発性記憶部38に記憶する(ステップS110)。光源13を交換したときは、不揮発性記憶部38に記憶されている初期データは使えないからである。なお、初期データを不揮発性記憶部38に記憶する細かい動作については後述する。
図9を参照して、ATM1を稼働させてからの処理手順について説明する。図9は、ATM1を稼働させてから稼働終了までの動作を示すフローチャートである。ATM1は、稼働時間になると起動し、利用者による操作を待つ。ATM1の利用者により、例えば、入金操作が行われると、ATM1内の紙幣鑑別部33にあるCPU36は補正値を算出する(ステップS200)。CPU36は、補正値を算出すると、紙幣23の識別を実行する(ステップS210)。紙幣23の識別が終わると、ATM制御部2は、稼働時間内か否かを判断し(ステップS220)、稼働時間内であれば次の利用者の入金操作(ステップS200)を待つ。一方、稼働時間外の場合には、ATM制御部2は、ATM1の稼働を停止する(ステップS230)。なお、補正値算出及び紙幣識別における詳細な処理については以下で説明する。
図10を参照してATM1の初期データ記憶時の処理手順について説明する。図10は初期データ記憶時(ステップS100またはステップS110)に実行されるフローチャートである。以下フローチャートに従って説明する。
ATM1の製造会社の担当者は、操作パネル6を操作して、不揮発性記憶部38に初期データを記憶させる。担当者が操作パネル6を操作すると、操作内容は、ATM制御部2により解析され、紙幣入出金機構部7に初期データを取得するように命令を出す。紙幣入出金機構部7の紙幣入出金機構制御部8は、紙幣鑑別部33のCPU36に命令を伝える。CPU36は、センサ制御部35の発光制御部14に命令を出して光源13を点灯させるとともに、シャッタ制御部18に命令を出して液晶シャッタ17を反射状態に切り替えさせる(ステップS300)。CPU36は駆動部19に命令を出して受光素子16を検出状態とし、受光素子16に液晶シャッタ17からの反射光を検出させる(ステップS310)。
画像処理部20のA/D変換器41は、受光素子16が検出した検出値(アナログデータ)をデジタルデータに変換する(ステップS320)。CPU36は、あらかじめ不揮発性記憶部38に記憶されている初期値の範囲内に検出値が収まっているか否かを判断する(ステップS330)。CPU36は、検出値が初期値の範囲内に収まっている場合には、検出値を初期データ記憶時(以下「基準時」という。)の初期データとして不揮発性記憶部38に記憶する(ステップS340)。
検出値が初期値の範囲内に収まっていない場合、CPU36は、通信制御部39を介して紙幣入出金機構制御部8にその旨を伝える。紙幣入出金機構制御部8は、検出値が初期値の範囲内に収まっていない旨をATM制御部2に伝え、ATM制御部2は、表示パネル6にその旨を表示する。(ステップS350)。CPU36は、センサ制御部35の発光制御部14に命令を出し光源13を消灯させる(ステップS360)。なお、担当者は表示パネル6に検出値が初期値の範囲内でない旨の表示がされている場合には、例えば、光源13を再交換するか、あるいはATM1自体を修理するといった対応をすることができる。
なお、初期データ取得時の処理は、出荷前だけでなく、光源を交換した場合にも行われるが(ステップS110)、処理手順は同じである。
図11を参照して補正値を求める処理手順について説明する。図11は、ATM1の稼働後、紙幣を識別する前の補正値を求めるとき(ステップS200)の処理を詳細に示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。なお、基準時における初期データは既に不揮発性記憶部38に記憶されているものとする。
ATM1の利用者が操作パネル6を操作してATM1に入金操作を行うと(ステップS400)、操作内容はATM制御部2により解析され、操作内容が、紙幣入出金機構部7に伝えられる。紙幣入出金機構部7の紙幣入出金機構制御部8は、紙幣鑑別部33のCPU36に対して補正値を求めるように命令を出す。CPU36は、センサ制御部35の発光制御部14に命令を出して光源13を点灯させ、シャッタ制御部18に命令を出して液晶シャッタ17を反射状態に切り替えさせる(ステップS410)。CPU36は、駆動部19に命令を出して受光素子16を検出状態とし、受光素子16に液晶シャッタ17からの反射光を検出させる(ステップS420)。画像処理部20のA/D変換器41は、受光素子16が検出した検出値(アナログデータ)をデジタルデータに変換する(ステップS430)。
CPU36はあらかじめ不揮発性記憶部38に記憶されている比較用データの値の範囲内に検出値が収まっているか否かを判断する(ステップS440)。検出値が比較用データの値の範囲内に収まっている場合には、CPU36は、検出値を補正値を求めるときの比較用データとして記憶部37に記憶する(ステップS450)。
CPU36は、不揮発性記憶部38から初期データを読み出し、記憶部37から比較用データを読み出して補正値を算出する(ステップS460)。CPU36は、あらかじめ不揮発性記憶部38に記憶されている補正値の範囲内に算出した補正値が収まっているか否か判断する(ステップS470)。算出した補正値が補正値の範囲内に収まっている場合には、CPU36は算出した補正値を記憶部37に記憶し(ステップS480)、紙幣23を識別する動作に移る。
一方、検出値が比較用データの値の範囲内に収まっておらず、あるいは算出した補正値が補正値の範囲内に収まっていない場合には、CPU36は、その旨を通信制御部39を介して紙幣入出金機構部7の紙幣入出金機構制御部8に伝える。紙幣入出金機構制御部8は、ATM1のATM制御部2にその旨を伝え、ATM制御部2は表示パネル6にATM1に障害が発生した旨を表示する。(ステップS490)。ATM1の利用者は、表示パネル6における表示に基づいてATM1に障害が発生したことを知ることが可能となり、銀行の行員を呼ぶなどの対応ができる。なお、ATM制御部2は表示パネル6にATM1に障害が発生した旨を表示する際には、アラームを発し、行員に対してATMに障害が発生したことを知らせてもよい。
また、利用者がATM1を利用するときだけでなく、例えば、利用者と次の利用者との間の時間に、あるいは、例えば1日に1回行われる点検時に、ステップ400からステップ490までの処理手順を実行してもよい。この場合、算出した補正値が補正値の範囲内に収まっている場合であっても、算出した補正値と補正値の範囲内との差が小さい場合には、アラームを発し、行員に対して知らせてもよい。利用者の利用中にATM1に障害が発生すると利用者に迷惑をかけるため、障害が発生する恐れがある場合には、ATM1の利用を停止するなどの措置をとることができる。
図12を参照して紙幣鑑別部33が紙幣23を識別するときの処理手順について説明する。図12は紙幣23を識別する処理を詳細に示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。以下の動作は、CPU36が補正値を記憶部37に記憶した(ステップS480)後、引き続いて行われる。
CPU36は、記憶部37から補正値を読み出して、補正値に基づいて光源13の光量を調整するようにセンサ制御部35の発光制御部14に命令を出すとともに、シャッタ制御部18に命令を出して液晶シャッタ17を透過状態に切り替えさせる(ステップS500)。CPU36は、ローラー21を回転させ、紙幣23を識別面22に搬送する(ステップS510)。CPU36は、駆動部19に命令を出して受光素子16を検出状態とし、受光素子16に紙幣23からの反射光を検出させる(ステップS520)。
画像処理部20のA/D変換器41は、受光素子16が検出した検出値(アナログデータ)をデジタルデータに変換する。CPU36は、補正値を画像処理部20の補正部42に送る。補正部42は、補正値を用いてデジタルデータに対して補正処理を行う(ステップS530)。CPU36は、補正処理後のデータを記憶部37に記憶する(ステップS540)。
CPU36は、記憶部37から補正処理後のデータを読み出し、不揮発性記憶部38からあらかじめ記憶されている紙幣データを読み出し、両者を比較し、補正処理後のデータにより表される紙幣の額面及びまたは真贋を識別し、記憶部37に記憶する(ステップS550)。CPU36は次に識別する紙幣23があるか否か判断し(ステップS560)、次に識別する紙幣23が存在する場合にはステップS510に戻る。
一方、CPU36は、次に識別する紙幣23が存在しない場合には、識別した紙幣23の合計金額を記憶部37から読み出し、通信制御部39を介して、紙幣入出金機構7の紙幣入出金機構制御部8に伝える。紙幣入出金機構制御部8は、識別した紙幣の合計金額をATM1のATM制御部2に伝える。ATM制御部2は、識別した紙幣の合計金額を入金額として表示パネル6表示するとともに、中央のホストコンピュータ44に入金データを送る(ステップS570)。CPU36は、発光制御部14に命令を出し光源13を消灯させて(ステップS580)、本処理ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施例に係るATM1によれば、紙幣鑑別部33に、光源13と識別面22の間に、液晶25への電圧の印加の有無により電気的に透過状態と反射状態との切り替えを行うことができる液晶シャッタ17を備えているため、補正値を算出するときの動作(液晶シャッタ17を反射状態に切替え)と紙幣23を識別するときの動作(液晶シャッタ17を透過状態に切替え)を極めて容易に切り替えることができる。その結果、イメージセンサの読み取りデータの補正を簡便に行うことができる。
また、本実施例に係るATM1によれば、紙幣鑑別部33は、紙幣23を識別する直前に補正値を算出し、連続して紙幣23を識別する動作を実行するため、補正値の精度が高くなり、結果として、紙幣23の識別精度も高くなる。さらに、紙幣23を識別する直前に補正値を算出し、連続して紙幣23を識別する動作を実行するため、補正値算出のために、ATM1の稼働を停止する必要がなく、稼働ロスもない。なお、補正値を算出するときは、受光素子16は1ライン分だけ反射光を検出すればよいため、紙幣23を識別する時間と比較すると、極めて短時間で補正値を算出できる。したがって、ATM1の利用者からみれば、入金操作に要する時間はほとんど変わらない。
さらに、本実施例に係るATM1によれば、紙幣鑑別部33の液晶シャッタ17は、光源13と識別面22の間にあるため、紙幣23の搬送によりキズがついたり汚れたりすることはない。したがって、液晶シャッタ17を補正値を求めるときの基準面として安定して使用することができる。
F.変形例:
(1)変形例1
本実施例に係るイメージセンサでは、受光素子16を2以上にしてライン状に配置しているが、受光素子16を1素子以上にして主走査方向に移動可能としてもよい。この場合には、受光素子16の個々の受光感度のバラツキをなくすことができる。
(2)変形例2
本実施例では、イメージセンサとしては反射型イメージセンサのみを用いたが、原稿面22に対して光源13と反対側に第2の光源62を備えてもよい。すなわち、反射型イメージセンサの機能のみならず透過型イメージセンサの機能を備えていてもよい。紙幣には「すかし」があり、例えば「すかし」を検出するため、反射型イメージセンサの機能に加えて透過型イメージセンサの機能も備えているATMが多い。
図13から図15を参照して変形例2に係るイメージセンサの構成について説明する。図13は変形例2に係るイメージセンサの側面を模式的に示す説明図であり、図14は変形例2に係るイメージセンサの正面図であり、図15は変形例2に係るイメージセンサの斜視図である。変形例2の構成は本実施例のATM1のイメージセンサ10の構成とほぼ同じ構成であるが、原稿面22に対して光源13と反対側に第2の光源62を備えている点が異なる。変形例2の場合、反射型イメージセンサとして動作させる場合には、光源62を消灯して動作させる。したがって、反射型イメージセンサとして動作させる場合、補正値算出時及び紙幣識別時の動作は、本実施例と全く同じになるため、変形例2の動作については説明を省略する。
反射型イメージセンサの光源13からの反射光を全面補正するための基準板を識別面の下に配する必要があるが、反射型イメージセンサの機能に加え、透過型イメージセンサの機能を備えている場合、透過型イメージセンサ用の第2の光源62からの光を透過させる必要があるため、反射型イメージセンサ用の光源13の反射光を全面補正するための基準板を識別面の下に配することができなかった。しかし、変形例2によれば、反射型イメージセンサの光源13からの反射光を全面補正するための基準板は、液晶シャッタ17となるため、透過型イメージセンサ用の第2の光源62を配し、かつ、動作毎に反射型イメージセンサ用の光源13の反射光の全面補正を両立して実施できる。
(3)変形例3
液晶シャッタ17の液晶材料としてコレステリック液晶63を用いてもよい。コレステリック液晶63は、電圧印加を解除しても配向を維持する性質を有しているため、電子ペーパーの材料として盛んに研究が進められているものであるが、液晶シャッタの材料としても使用ができる。
図16を参照して変形例3に係る液晶シャッタ64について説明する。図16はコレステリック液晶63を用いた液晶シャッタ64を示す説明図である。ここで図16(a)はコレステリック液晶63に電圧を印加しないとき、図16(b)はコレステリック液晶63に弱い電圧を印加したとき、図16(c)はコレステリック液晶63に強い電圧を印加したときの説明図である。以下、その構成を説明する。液晶シャッタ64はコレステリック液晶63を挟んで2枚のガラス板65、66より構成される。ガラス板65、66はコレステリック液晶63に電圧をかけるための透明電極67、68を備える。なお、液晶シャッタ64に配向膜を用いてもよいが、コレステリック液晶63では高分子を少量添加することにより配向膜を使わなくても電気的に双安定状態になる特徴がある。したがって、配向膜を用いなくてもよい。以下その動作について説明する。
(a)コレステリック液晶63に電圧を印加しないとき
コレステリック液晶63は図16(a)に示すようにプレーナ配向になる。液晶シャッタ64に光が入射した場合、コレステリック液晶63のらせんピッチ69に応じた色光を選択反射する。
(b)コレステリック液晶63に弱い電圧を印加したとき
コレステリック液晶63に弱い電圧を印加するとその配向は図16(b)に示すようにフォーカルニック配向に変化し、液晶シャッタ64に入射した光は液晶シャッタ64を透過する。この状態で電圧印加を解除してもフォーカルニック配向を維持し、光を透過する。
(c)コレステリック液晶63に強い電圧を印加したとき
コレステリック液晶63に強い電圧を印加するとその配向は図16(c)に示すようにホメオトロピック配向に変化する。この場合フォーカルニック配向よりもさらに透明度を増した状態で、液晶シャッタ64に入射した光を透過させる。この状態で電圧印加を解除すると、ホメオトロピック配向からプレーナ配向に変化し、光を反射するようになる。
なお、コレステリック液晶63を用いた場合には液晶シャッタ64に電圧を印加すると液晶シャッタ64は透過状態、電圧を印加しないと液晶シャッタ64は反射状態となる。したがって、本実施例で説明した液晶シャッタ17と比較すると電圧印加の有無と液晶シャッタの透過状態/反射状態の関係が逆になる。
コレステリック液晶63を液晶シャッタとして用いた場合には、液晶を挟む板として、偏光板ではなくガラス板を使用できるので、本実施例で説明した偏光板を使用した液晶シャッタ17に比べシャッタ部を透過する光量を多くすることができる。また、弱い電圧を印加した後で電圧印加を解除しても配向を維持するため省エネルギーの観点から優れている。
(4)変形例4
コレステリック液晶63による液晶シャッタ64は青色を反射する層、緑色を反射する層、赤色を反射する層の3層構造にすることが好ましい。光源が複数種類の波長の光を発光できる場合あるいは波長ごとに複数の光源がある場合であっても1つの液晶シャッタで光源が発するどの波長の光も反射できる。
図17を参照して変形例4に係る液晶シャッタ64について説明する。図17は液晶シャッタ64を3層構造にしたときの概略図である。光源13の側から青色を反射する層70、緑色を反射する層71、赤色を反射する層72の3層で構成される。反射する光の色はコレステリック液晶63のらせんピッチを変えることにより容易に変えることができる。コレステリック液晶63に電圧が印加されていない状態で、光源13から光が入射すると、上の層から青色、緑色、赤色の順に各色の光が反射する。その結果、白色光を反射できる。
シャッタ部として液晶シャッタ17、64を用いた例について説明したが、シャッタ部の構成はこれに限られない。液晶シャッタ以外であっても光の透過状態及び反射状態を切り替えることができるものであればシャッタ部として使用することができる。すなわち、光の透過状態及び反射状態を切り替えることができるシャッタ部を光源13と識別面22の間に備えていればよい。
(5)変形例5
例えば、シャッタ部として電気泳動を利用したシャッタ80が考えられる。図18から図20を参照して電気泳動を利用したシャッタ80について説明する。図18は、電気泳動を利用したシャッタ80の側面を模式的に示す説明図である。図19は、電気泳動を利用したシャッタ80の上面を模式的に示す説明図である。図20は電気泳動を利用したシャッタ80の上面を模式的に示す説明図である。
シャッタ80は、上面及び下面の一部に開口部81、82を有するセル83が1列あるいは複数列に並んで構成されている。開口部81、82にはそれぞれ透明電極84、85が設けられている。セル83の開口部81、82以外の上面及び下面には、それぞれ電極86、87が設けられている。透明電極84、85及び電極86、87には、電圧を印加するための駆動部88が接続されている。セル83内には泳動粒子89を分散させた液体90が封入されている。2つのセル83の間には隔壁91が設けられている。セル83を一列に並べて各セル83の間には隔壁91を設けているが、図20に示すように、全体で1つのセル92とし、隔壁91を設けないようにしてもよい。
駆動部88が、2つ透明電極84、85間に電圧を印加し、2つの電極86、87間の電圧印加を停止すると、図18(a)のように泳動粒子89は2つの透明電極84、85の間に移動し、開口部81の上から照射される光を反射する。逆に、2つの電極86、87間に電圧を印加し、2つの透明電極84、85間の電圧印可を停止すると、図18(b)のように泳動粒子89は2つの電極86、87間に移動し、透明電極84、85の間には泳動粒子が存在しなくなる。その結果、開口部81の上から照射される光は、反対側の開口部82に透過する。
(6)変形例6
本実施例のATM1では連続して紙幣を識別するときには1枚の紙幣の識別が終わるごとに次ぎに識別すべき紙幣があるか否か検知して、あれば次の紙幣を識別し、なければその紙幣で識別を終了する構成であったが、はじめに識別する紙幣の枚数をカウントしてから、1枚識別するごとに識別数をカウントアップしたり、あるいは、1枚識別するごとに残数からカウントダウンして識別すべき紙幣の残り枚数を管理する構成にしてもよい。
(7)変形例7
本実施例では、入金時の動作について説明したが、本イメージセンサ10は、入金時だけでなく、出金時にも使用される。金庫カセット9には、紙幣の額面ごとに金庫カセット9を分けて紙幣がセットされるが、お札をセットするのは人が行うため、金庫カセット9に誤った額面の紙幣をセットする恐れがある。したがって、出金時にも紙幣の額面をチェックし、誤った額面の紙幣が出金されないようにしている。
本発明に係るイメージセンサ/識別装置の実施例としてATMを例に取り説明したが、ATMのほか、例えば有価証券、切手、入場券、乗車券、定期券等を識別するイメージセンサ/識別装置に用いることも可能である。
以上、幾つかの実施例に基づき本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
本実施例に用いられるATMの機能ブロックを示す説明図。 紙幣鑑別部の機能を示すブロック図。 イメージセンサとセンサ制御部と画像処理部を詳しく説明するブロック図。 本実施例に係るイメージセンサの側面を模式的に示す説明図。 本実施例に係るイメージセンサの正面を模式的に示す説明図。 本実施例に係るイメージセンサの斜視図。 本実施例において用いられる液晶シャッタの構成の一例を示す説明図。 本実施例に係るイメージセンサを備えるATMの稼働までの動作を示すフローチャート。 ATMを稼働させてから稼働終了までの動作を示すフローチャート。 初期データ記憶時に実行されるフローチャート。 紙幣を識別する前の補正値を求めるときの処理を詳細に示すフローチャート。 紙幣を識別する処理を詳細に示すフローチャート。 変形例2に係るイメージセンサの側面を模式的に示す説明図。 変形例2に係るイメージセンサの正面図。 変形例2に係るイメージセンサの斜視図。 コレステリック液晶を用いた液晶シャッタを示す説明図。 液晶シャッタを3層構造にしたときの概略図。 電気泳動を用いたシャッタの側面を模式的に示す説明図。 電気泳動を用いたシャッタの上面を模式的に示す説明図。 電気泳動を用いたシャッタの上面を模式的に示す説明図。
符号の説明
1…ATM
2…ATM制御部
3…紙幣入出金口
4…カードリーダ
5…プリンタ
6…表示パネル
7…紙幣入出金機構部
8…紙幣入出金機構制御部
9…金庫カセット
10…イメージセンサ
11…紙幣搬送機構
12…紙幣搬送台
13…光源
14…発光制御部
15…受光部
16…受光素子
17…液晶シャッタ
18…シャッタ制御部
19…駆動部
20…画像処理部
21…ローラー
22…識別面
23…紙幣
25…液晶
26、27…偏光板
28、29…透明電極
30、31…配向膜
32…液晶分子
33…紙幣鑑別部
34…センサ群
35…センサ制御部
36…中央処理装置(CPU)
37…記憶部
38…不揮発性記憶部
39…通信制御部
41…A/D変換器
42…補正部
43…DSP
44…ホストコンピュータ
62…第2の光源
63…コレステリック液晶
64…液晶シャッタ
65、66…ガラス板
67、68…透明電極
69…コレステリック液晶のらせんピッチ
70…青色を反射する層
71…緑色を反射する層
72…赤色を反射する層
80…電気泳動を用いたシャッタ
81、82…開口部
83…セル
84、85…透明電極
86、87…電極
88…駆動部
89…泳動粒子
90…液体
91…隔壁
92…セル

Claims (9)

  1. 対象物を識別するためのイメージセンサであって、
    前記対象物を支持するための支持部と、
    前記対象物を識別するための光を照射する光源であって、前記支持部に対向して配置された光源と、
    前記支持部に対して前記光源と同じ側に配置され、受光素子を備える受光部と、
    前記光源と前記支持部との間に配置され、前記光源から前記支持部への光を透過又は反射させるシャッタ部と、
    前記受光部のキャリブレーション時に前記光源からの光を反射させるように前記シャッタ部を制御するシャッタ制御部とを備えるイメージセンサ。
  2. 請求項1に記載のイメージセンサであって、
    前記支持部に対し前記受光部と反対側に第2の光源をさらに備えるイメージセンサ。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のイメージセンサにおいて
    前記受光部は2以上の受光素子からなるイメージセンサ。
  4. 請求項1または請求項2に記載のイメージセンサにおいて
    前記受光部は1以上の受光素子からなり、前記受光部はイメージセンサの主走査方向に移動可能であるイメージセンサ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のイメージセンサにおいて、
    前記シャッタ部は液晶シャッタであるイメージセンサ。
  6. 請求項5に記載のイメージセンサにおいて、
    前記液晶シャッタの液晶はコレステリック液晶であるイメージセンサ。
  7. 請求項1に記載のイメージセンサはさらに、
    キャリブレーション時に、前記受光部によって検出された検出値と、あらかじめ用意されている基準値とを用いて補正値を算出する補正値算出部と、
    前記算出した補正値を用いて、前記受光部によって検出された検出値を補正して出力する補正部とを備えるイメージセンサ。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のイメージセンサと、
    少なくとも前記光源の点灯又は消灯、並びに光量を制御する発光制御部と、
    前記受光部によって検出された検出値を処理する画像処理部と、
    キャリブレーション時に、前記画像処理部で処理された検出値と、あらかじめ用意されている基準値とを用いて補正値を算出する補正値算出部と、
    前記画像処理部で処理された前記検出値及び前記補正値算出部で算出された前記補正値を記憶する記憶部と、
    前記補正値を用いて、前記受光部によって検出された検出値を補正して出力する補正部とを備える識別装置。
  9. 支持部を照射する光源と、支持部と光源との間に反射状態または透過状態に切り替え可能なシャッタ部とを備える識別装置の補正方法であって、
    前記シャッタ部を反射状態に切り替え、前記反射光を検出し、基準値と比較して補正値を算出し、
    前記シャッタ部を透過状態に切り替えて対象物を検出し、前記補正値を用いて、前記受光部によって検出された検出値を補正して出力する識別装置の補正方法。
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