JP2007231353A - 耐衝撃特性と強度−延性バランスに優れた鋼製高強度加工品およびその製造方法、並びに高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用燃料噴射管およびコモンレールの製造方法 - Google Patents

耐衝撃特性と強度−延性バランスに優れた鋼製高強度加工品およびその製造方法、並びに高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用燃料噴射管およびコモンレールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱温度や加工率に依らず、引張強度:600MPa以上であって、強度−延性バランスに優れると共に耐衝撃特性にも優れた鋼製高強度加工品を提供する。
【解決手段】C:0.1〜0.7%、Si:1.5%以下(0%を含まない)、Mn:0.5〜3%、Al:0.2〜1.5%、Nb、TiおよびVよりなる群から選択される1種以上:合計で0.01〜0.1%、P:0.05%以下(0%を含まない)、S:0.02%以下(0%を含まない)を満たし、残部が鉄および不可避的不純物からなるものであり、金属組織が、フェライト:50%以上を含み、第2相組織が残留オーステナイト、並びにベイナイト及び/又はマルテンサイトからなるものであって、残留オーステナイト:10〜30%、マルテンサイト:5%以下(0%を含む)を満たすことを特徴とする耐衝撃特性と強度−延性バランスに優れた鋼製高強度加工品。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐衝撃特性と強度−延性バランスに優れた鋼製高強度加工品およびその製造方法、並びに高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用燃料噴射管およびコモンレールの製造方法に関し、詳細には、引張強度が600MPa以上の高強度域において、強度−延性バランスに優れると共に耐衝撃特性に優れる鋼製高強度加工品、高圧燃料配管(特に、高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れた、ディーゼルエンジン用燃料噴射管およびディーゼルエンジンに搭載される蓄圧式燃料噴射システム用コモンレール)、並びにこれらの製造方法に関するものである。
尚、本発明の「鍛造品」としては、例えば、ニアネットシェイプ鍛造品等が代表的に挙げられ、一次鍛造品のみならず、一次鍛造品を更に鍛造(冷間、温間鍛造等)して得られる二次鍛造品、三次鍛造品等の精密鍛造品、更に当該鍛造品を複雑な形状に加工して得られる最終製品も全て包含される。
自動車、電機、機械などの産業用技術分野において、鍛造品の使用が増加している。鍛造品は一般に、加熱温度の異なる種々の鍛造(加工)を行った後、焼入れ・焼戻し等の調質処理(熱処理)を行って製造されており、例えば自動車の場合、クランクシャフト、コンロッド、トランスミッションギア、ディーゼルエンジンに搭載される蓄圧式燃料噴射システム用コモンレール等には、熱間鍛造品(加圧温度1100〜1300℃)や温間鍛造品(加圧温度600〜800℃)が夫々汎用されている。また、ピニオンギア、歯車、ステアリングシャフト、バルブリフター等には、冷間鍛造品(常温で加圧)が夫々汎用されている。
近年、自動車の燃費向上を目的として車体の軽量化が積極的に進められているが、一方で、自動車の衝突安全に対する法規制が強化される傾向にあり、鍛造品に対しても高強度化と同時に耐衝撃性能が高いレベルで求められている。そこで、この様な鍛造品に用いられる鋼材としてTRIP(Transformation Induced Plasticity;変態誘起塑性)鋼の適用が検討されている。
本発明者らは、特許文献1にて、概ねフェライトとオーステナイトの2相域温度で焼鈍と鍛造の両方を行った後、所定温度でオーステンパ処理するという独自の熱処理を採用することにより、引張強度が600MPa以上の高強度域において、伸び、及び強度−絞り特性のバランスに優れた高強度鍛造品が得られる旨開示している。
また、特許文献2においても、焼戻しベイナイトまたは焼戻しマルテンサイトを作り分けた後、概ねフェライトとオーステナイトの2相域温度で焼鈍と鍛造の両方を行い、その後、所定温度でオーステンパ処理する方法を採用することにより、伸び、及び強度−絞り特性のバランスに優れた高強度鍛造品が得られる旨開示している。
更に特許文献3では、2相域の温度範囲に加熱した後、該2相域で鍛造加工を行い、その後、規定のオーステンパ処理を行うことで、鍛造加工時の温度を低下できると共に、優れた伸びフランジ性と加工性を備えた高強度鍛造品を製造できる旨開示されている。
特開2004−292876号公報 特開2005−120397号公報 特開2004−285430号公報
上記特許文献1等の方法で得られる鍛造品は、伸び、及び強度−絞り特性のバランスに優れており、引張強度も600MPa以上である。しかしながら、上記鍛造方法で鍛造品を作製する際、以下のような問題が発生する可能性がある。
鍛造品を製造する場合、加工率に応じて発熱するため、加熱温度や加工率が部位間で異なると、部品温度も部位間で異なる場合がある。このとき、高温(Ac3点付近)に加熱したり高温かつ加工率の高い加工(鍛造等)が行われる場合には、発熱量も大きくなり、オーステナイト同士の合体・成長が発生するため、熱処理後に粗大な残留オーステナイトが生成し、衝撃特性を劣化させることが考えられる(高温・高加工率の場合の問題点)。一方、低温(Ac1点付近)に加熱したり低温かつ加工率の低い加工(鍛造等)が行われる場合には、十分な発熱量が確保できないため、不安定な残留オーステナイトが大量に生成し、熱処理後、破壊の起点となる硬質なマルテンサイトが生成して耐衝撃特性を劣化させることが考えられる(低温・低加工率の場合の問題点)。
従って、部品の部位間で温度や加工率が異なると、部分的に上記粗大な残留オーステナイトや不安定な残留オーステナイトが発生し易く、部品全体として安定かつ優れた耐衝撃特性を実現することが難しい。
また、上記ディーゼルエンジン用コモンレールやディーゼルエンジン用燃料噴射管に適用する場合には、高内圧が繰り返しかかるため、耐内圧疲労特性も要求される。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、加熱温度や加工率に依らず、引張強度:600MPa以上であって、強度−延性バランスに優れると共に耐衝撃特性に優れた鋼製高強度加工品、高圧燃料配管(特に、高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れた、ディーゼルエンジン用燃料噴射管およびディーゼルエンジン用コモンレール)、並びにこれらの製造方法を提供することにある。
本発明に係る鋼製高強度加工品とは、
C:0.1〜0.7%(質量%の意味、化学成分について以下同じ)、
Si:1.5%以下(0%を含まない)、
Mn:0.5〜3%、
Al:0.2〜1.5%、
Nb、TiおよびVよりなる群から選択される1種以上:合計で0.01〜0.1%、
P :0.05%以下(0%を含まない)、
S :0.02%以下(0%を含まない)
を満たし、残部が鉄および不可避的不純物からなるものであり、
金属組織が、
フェライト:50%以上(全組織に対する面積%の意味、組織について以下同じ)を含み、第2相組織が残留オーステナイト、並びにベイナイト及び/又はマルテンサイトからなるものであって、
残留オーステナイト:10〜30%、
マルテンサイト:5%以下(0%を含む)
を満たすところに特徴を有する。
前記鋼製高強度加工品は、更に他の元素として、
(1)Cr及び/又はMoを合計で1%以下(0%を含まない)
(2)Ni:0.5%以下(0%を含まない)、及び/又はCu:0.5%以下(0%を含まない)
(3)Ca:0.003%以下(0%を含まない)、及び/又はREM:0.003%以下(0%を含まない)
(4)B:0.003%以下(0%を含まない)
を含んでいてもよい。
前記加工品として鍛造品が挙げられる。また前記加工品として高圧燃料配管が挙げられ、該高圧燃料配管としては、具体的に、ディーゼルエンジン用燃料噴射管、またはディーゼルエンジン用コモンレールが挙げられる。
本発明は、上記鋼製高強度加工品を製造する方法も規定するものであって、該方法は、
(I)上記成分組成を満たす鋼材を使用し、
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で塑性加工(加工c)を行った後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程(工程C1)
を含むところに特徴を有する。また本発明は、
(II)上記成分組成を満たす鋼材を使用し、
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程(工程C2)
を含むところに特徴を有する方法も規定する。
上記方法において、前記工程C1または工程C2よりも前に、熱間塑性加工、温間塑性加工、冷間塑性加工および切削加工よりなる群から選択される1種以上の加工(加工b)を行う工程Bを1工程以上含んでいてもよく、また、前記工程C1または工程C2よりも前に、1200℃以上に加熱する工程Aを含んでいてもよい。
前記加工cとしては、鍛造加工、押出加工、穿孔加工、またはロール成形による伸管加工が挙げられる。また前記加工bにおける塑性加工としては、鍛造加工、押出加工、穿孔加工、またはロール成形による伸管加工が挙げられ、前記加工bにおける切削加工としては、ドリル加工が挙げられる。
本発明は、上記ディーゼルエンジン用燃料噴射管を製造する方法または上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法として以下の方法も規定する。
(1)上記ディーゼルエンジン用燃料噴射管を製造する方法であって、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
熱間押出加工を行う工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で温間押出加工を行った後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、ガンドリル加工法による管軸方向の穿孔加工、径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、端末加工、および曲げ加工を順次行うところに特徴を有する方法。
(2)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
熱間押出加工を行う工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で温間押出加工を行った後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、ガンドリル加工法による管軸方向の穿孔加工、径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、機械加工、および組立加工を順次行うところに特徴を有する方法。
(3)上記ディーゼルエンジン用燃料噴射管を製造する方法であって、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
熱間押出加工を行う工程、
ガンドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で温間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工を施した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、冷間で径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、端末加工、および曲げ加工を順次行うところに特徴を有する方法。
(4)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
熱間押出加工を行う工程、
ドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で温間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工を施した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、冷間で径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、機械加工、および組立加工を順次行うところに特徴を有する方法。
(5)上記ディーゼルエンジン用燃料噴射管を製造する方法であって、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
マンネスマン方式の穿孔加工を行う工程、
1200℃以上の温度で熱間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工工程、
冷間で径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、切断加工、端末加工、および曲げ加工を順次行うところに特徴を有する方法。
(6)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
マンネスマン方式の穿孔加工を行う工程、
1200℃以上の温度で熱間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工工程、
冷間で径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、切断加工、機械加工、および組立加工を順次行うところに特徴を有する方法。
(7)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
熱間又は温間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
冷間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
ドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、
1200℃以上の温度で熱間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、切断加工、機械加工、および組立加工を順次行うところに特徴を有する方法。
(8)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
熱間又は温間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
ガンドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、
切断加工工程、
機械加工工程、
1200℃以上に加熱保持する工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、組立加工を行うところに特徴を有する方法。
(9)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
熱間又は温間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
冷間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
ドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、
1200℃以上の温度で熱間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工工程
切断加工工程、
機械加工工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、組立加工を行うところに特徴を有する方法。
(10)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
熱間加工(特には鍛造加工)を行う工程、
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度で10秒以上保持し、該温度域で鍛造した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程、および
ガンドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程
を経た後、機械加工を施すところに特徴を有する方法。
前記ディーゼルエンジン用燃料噴射管の製造において、最終工程である前記曲げ加工後に、更にオートフレッテージ処理を施してもよい。また、前記ディーゼルエンジン用コモンレールの製造において、最終工程である前記組立加工後または最終工程である機械加工後に、更にオートフレッテージ処理を施してもよい。
Nb、TiおよびVよりなる群から選択される1種以上とAlを適量含む鋼材を用い、オーステナイト単相域および概ねフェライトとオーステナイトの2相域温度で焼鈍(更には鍛造等の塑性加工)を行った後、所定温度でオーステンパ処理する熱処理を採用して、規定の組織を確保することにより、加熱温度や、加工率(鍛造加工率や圧延加工率等)に依らず、引張強度が600MPa以上で、強度−伸びバランスに優れると共に耐衝撃特性に優れた鋼製加工品、高圧燃料配管(特に、高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用燃料噴射管およびディーゼルエンジン用コモンレール)を提供できる。
本発明者らは、加熱温度や加工率に依らず、引張強度:600MPa以上であって、強度−延性バランスに優れると共に耐衝撃特性に優れた鋼製高強度加工品、高圧燃料配管(特に、高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用燃料噴射管およびディーゼルエンジン用コモンレール)の実現と、これらの製造方法を確立すべく、高温・高加工率で加工する場合の粗大な残留オーステナイトの生成防止、および低温・低加工率で加工する場合のマルテンサイトの生成防止という観点から検討を行った。
その結果、
(i)高温・高加工率で加工する場合に、オーステナイトの合体・成長が発生してオーステナイトが粗大化することを防止するには、鋼材にNb、TiおよびVよりなる群から選択される1種以上を規定量含有させればよいこと、
(ii)低温・低加工率で加工する場合のマルテンサイト生成を防止するには、適量のAlを含有させればよいこと、
を見出し本発明に想到した。以下、これらの点について詳述する。
まず、本発明では上記(i)の通り、鋼材にNb、TiおよびVよりなる群から選択される1種以上を含有させ、製造過程でこれらの元素の炭化物や炭窒化物を微細析出させれば、該炭化物等により、上記オーステナイトの合体・成長が抑制されて加工品全体の組織が均一・微細となり、熱処理後、残留オーステナイトを均一・微細分散させることができる。上記元素による析出強化は部品の更なる高強度化にも有効である。これらの効果を十分に発揮させるには、Nb、TiおよびVよりなる群から選択される1種以上を合計で0.01%以上含有させる必要があり、好ましくは合計で0.02%以上である。一方、上記元素を過剰に含有させてもその効果は飽和し、経済的に無駄であるため、Nb、TiおよびVよりなる群から選択される1種以上は、合計で0.1%以下とする。
また本発明では、低温・低加工率で加工する場合のマルテンサイト生成を防止のために適量のAlを含有させる。上記マルテンサイト生成を防止するには、オーステナイト中のC濃度を向上させることが有効であり、オーステナイト中のC濃度を向上させるには、Siよりもオーステナイト中へのCの固溶限を拡げる作用の強いAlを利用することが有効であることを見出した。AlはSiよりもフェライト安定能が強く、Alを積極的に含有させることにより変態開始がSi添加の場合よりも相対的に速くなり、ごく短時間の加熱保持(鍛造等)でオーステナイト中にCが濃化されやすい。そのため、加熱・加工条件に依らず、オーステナイトをより安定化させることができ、結果としてオーステナイトのC濃度分布が高濃度側にシフトする上、生成する残留オーステナイト量が多くなり、高い耐衝撃特性が得られるものと考えられる。
上記効果を十分に発揮させるには、Alを0.2%以上とする必要があり、好ましくは0.5%以上である。一方、Al量が1.5%を超えると、鋼のAc3変態点を上昇させ、加熱温度を高くする必要があるなど実操業上好ましくないので、上限を1.5%とする。好ましくは1.2%以下である。
以上のように、熱延鋼材作製時にNb、TiおよびVよりなる群から選択される1種以上、および適量のAlを含有させ、後述する通り、オーステナイト単相域および概ねフェライトとオーステナイトの2相域温度で焼鈍(更には鍛造等の塑性加工)の両方を行った後、所定温度でオーステンパ処理するという熱処理を採用することにより、下記に規定する金属組織、ひいては所望の特性を容易に確保することができる。
〈フェライト:全組織に対する占積率(面積%)で50%以上〉
引張強度が600MPa以上の高強度加工品の延性を向上させるには、フェライトの存在が重要であり、フェライトによる延性の向上を図るには、全組織に対するフェライトの占積率を50%以上(好ましくは60%以上)とする必要がある。ただしフェライトが過剰に生成すると、必要な強度の確保が困難となる他、フェライトと後述する第2相組織の界面に多くのボイドが発生し、耐衝撃特性が劣化し易くなるので、その上限を90%とすることが好ましい。より好ましくは80%以下である。尚、本発明における「フェライト」とは、ポリゴナルフェライト、およびベイニティックフェライトをいうものとする。ここで、フェライトは、鍛造等の塑性加工中に生成するもの、オーステンパ中に生成するもの、および冷却過程で生成するものの全てを包括する。
〈第2相組織:残留オーステナイト、並びにベイナイトおよび/又はマルテンサイト
上記残留オーステナイト(γ):全組織に対する占積率(面積%)で10〜30%
上記マルテンサイト:全組織に対する占積率(面積%)で5%以下(0%を含む)〉
本発明の加工品は、前記フェライトと共に、第2相組織として残留オーステナイト、並びにベイナイトおよび/又はマルテンサイトを金属組織として含む。このうち、残留オーステナイトは、全伸びの向上に有効であり、また塑性誘起マルテンサイト変態によるき裂抵抗となることで耐衝撃特性の向上にも有効である。該効果を十分に発揮させるには、残留オーステナイトの占積率を10%以上とすることが必要である。好ましくは15%以上である。他方、残留オーステナイト量が30%を超えると、残留オーステナイト中のC濃度が低くなり、不安定な残留オーステナイトとなるので、前記効果を十分発揮することができない。よって本発明では、残留オーステナイトの占積率を30%以下とする。好ましくは25%以下である。
尚、前記残留オーステナイト中のC濃度(CγR)は、0.8%以上であることが好ましい。即ち、残留オーステナイト中のC濃度は、塑性誘起マルテンサイト変態に大きく影響し、0.8%以上(好ましくは1%以上、より好ましくは1.2%以上)に制御することが、延性の向上および耐衝撃特性の向上に有効である。残留オーステナイト中のC濃度は高い程好ましいが、実操業上、調整可能な上限は概ね1.6%と考えられる。
また、上記の通り、第2相組織としてベイナイトおよび/又はマルテンサイトを含み得るが、これらは本発明の製造過程で必然的に残存し得るものである。このうち、マルテンサイトが存在すると、該マルテンサイトと母相との界面が破壊の起点となるため、全組織に対するマルテンサイトの占積率は5%以下(好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下)とする。
本発明において、上記金属組織を容易に形成すると共に、耐衝撃特性、強度および強度−延性バランスを効率よく高めるには、その他の成分を下記の通り制御する必要がある。
〈C:0.1〜0.7%〉
Cは高強度を確保し、かつ、残留オーステナイトを確保するために必要な元素である。より詳しくは、オーステナイト中のCを確保し、室温でも安定した残留オーステナイトを残存させて、延性および耐衝撃特性を高めるのに有効である。該効果を十分に発揮させるには、C量を0.1%以上とするのがよく、特に0.2%以上とすることで、残留オーステナイト量が増加すると共に、残留オーステナイトにCが濃化し易くなり、高い延性と耐衝撃特性が得られる。しかしC量が0.7%を超えると、その効果が飽和するのみならず、中心偏析等による欠陥等が発生し、耐衝撃特性が劣化するため、C量の上限を0.7%とした。好ましくは0.5%以下である。
〈Si:1.5%以下(0%を含まない)〉
Siは酸化物生成元素であり、過剰に含まれると耐衝撃特性を劣化させるため、Si量を1.5%以下とした。好ましくは1.2%以下である。尚、本発明鋼製品は、Siと同様の作用を発揮するAlの添加を前提としているが、Siの添加による固溶強化、および炭化物の析出抑制による残留オーステナイトの生成量増加という観点からは、0.5%以上含有させてもよい。
〈Mn:0.5〜3%〉
Mnは、オーステナイトを安定化し、規定量の残留オーステナイトを得るために必要な元素である。この様な作用を有効に発揮させるには、Mn量を0.5%以上(好ましくは0.7%以上、より好ましくは1%以上)とする必要がある。しかしMn量が過剰になると、鋳片割れが生じるなど製造上の悪影響が出るので3%以下とする。好ましくは2.5%以下、より好ましくは2%以下である。
〈P:0.05%以下(0%を含まない)〉
〈S:0.02%以下(0%を含まない)〉
PやSは鋼中に不可避的に混入する元素であり、Sはその含有量が高いと介在物(MnS)が増加し、鍛造部品等の塑性加工を伴う鋼材製品の耐衝撃特性を低下させる。本発明では、耐衝撃特性を確保する観点から、Pを0.05%以下、Sを0.02%以下とする。
本発明で規定する含有元素は上記の通りであって、残部は鉄及び不可避的不純物であり、該不可避的不純物として、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる元素の混入が許容される。また、更に下記元素を積極的に含有させることも可能である。
〈Cr及び/又はMoを合計で1%以下(0%を含まない)〉
これらの元素は、鋼の強化元素として有用であると共に、残留オーステナイトの安定化や所定量の確保に有効な元素である。この様な作用を有効に発揮させるには、Cr及び/又はMoを合計で0.05%以上(より好ましくは0.1%以上)含有させることが好ましい。ただし、上記元素を過剰に添加しても前記効果が飽和してしまい、経済的に無駄である。よってCr及び/又はMoは合計で1%以下(より好ましくは0.8%以下)とするのがよい。
〈Ni:0.5%以下(0%を含まない)、及び/又はCu:0.5%以下(0%を含まない)〉
これらの元素も、上記CrやMoと同様に、鋼の強化元素として有用であると共に、残留オーステナイトの安定化や規定量の確保に有効な元素である。この様な作用を有効に発揮させるには、Niを含有させる場合は0.05%以上(より好ましくは0.1%以上)、Cuを含有させる場合は0.05%以上(より好ましくは0.1%以上)とするのがよい。ただし、Ni、Cuのいずれを0.5%超としても前記効果は飽和してしまい、経済的に無駄である。より好ましくは、Ni:0.4%以下、Cu:0.4%以下である。
〈Ca:0.003%以下(0%を含まない)、及び/又はREM:0.003%以下(0%を含まない)〉
Ca、REM(希土類元素)は、鋼中の硫化物の形態を制御し、加工性向上に有効な元素である。ここで、本発明に用いられる希土類元素としては、Sc、Y、ランタノイド系列の元素等が挙げられる。前記作用を有効に発揮させるには、Ca、REMのいずれを含有させる場合も0.0003%以上(より好ましくは0.0005%以上)とすることが望ましい。ただし、Ca、REMのいずれも0.003%を超えて添加しても上記効果が飽和してしまい、経済的に無駄である。より好ましくは0.0025%以下である。
〈B:0.003%以下(0%を含まない)〉
Bは、焼入性を向上し、微量で強度を高める作用がある。この様な作用を有効に発揮させるには、B量を0.0005%以上とすることが好ましい。しかしBを過剰に添加すると、粒界が脆化し、鋳造や圧延等の処理により割れが生じるため、その上限は0.003%とするのがよい。より好ましくは0.002%以下である。
以上のように、鋼材にNb、TiおよびVよりなる群から選択される1種以上を規定量含有させると共に、適量のAlを含有させて、上記金属組織を得るには、下記方法で鋼製高強度加工品を製造する必要がある。
即ち、本発明の製造方法は、上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で塑性加工(加工c)を行った後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程(工程C1)、または
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程(工程C2)、
を含むところに特徴があるが、該条件を規定した理由は以下の通りである。
〈(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持〉
上記の通り、加熱温度を概ね2相域〜オーステナイト単相域温度とすることによりフェライトが生成し、かつ微細な第2相組織を得ることができる。一般に、鍛造温度や熱間加工温度が低い方が微細な第2相組織が生成され易いことから、その下限を(Ac1点−30℃)と定めた。一方、加熱温度が(Ac3点+100℃)を超えた場合、特に加工率が高いと、Nb、Ti、Vによるオーステナイト同士の合体・成長の防止効果が十分発生されず、オーステナイトが粗大化するので上限を規定した。
また、上記温度域での加熱時間を10秒以上(好ましくは30秒以上)とする。これにより均一な組織が得られる。その上限は特に限定されないが、生産性を考慮すると約3600秒である。
尚、Ac3点以上の温度で均熱した後、冷却する過程で(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域を経由することにより所望のフェライトを生成させてもよい。
工程C1における加工cの加工温度は、上記保持温度と全く同じである必要はなく、(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域であれば変更可能である。
上記加工cとしては、鍛造加工、押出加工、穿孔加工、またはロール成形による伸管加工が挙げられ、具体的に、上記範囲の温度に加熱した金型、ロール等で鍛造加工、押出加工またはロール成形による伸管加工等が挙げられるが、これらの加工における条件は、特に限定されず、通常行われている方法で行えばよい。
上記加工cの加工率(鍛造量または圧延量)の下限は10%とすることが好ましい。加工cの加工率を10%以上とすることで、第2相組織を微細化でき特性をより高めることができるからである。好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上である。尚、その上限は特に限定されないが、加工率が大きくなると加工性が低下する他、プレス機や圧延機の容量を大きくする必要があり、製造規模が大きくなりすぎる。更に部品に加工した時に割れが生じ易い等の不具合が発生する。これらの点を考慮すれば、加工cの加工率の上限は概ね150%であり、より好ましくは120%以下とするのがよい。
〈3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持〉
本発明において、上記の通り(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、平均冷却速度を3℃/s以上とするのは、パーライトの生成を抑制するためである。好ましくは5℃/s以上、より好ましくは10℃/s以上である。尚、前記平均冷却速度の上限は特に限定されず、大きければ大きい程よいが、実操業レベルとの関係で、適宜適切に制御する。
本発明の場合、上記の通り、特に上記オーステナイト状態の温度まで加熱後、400℃前後まで3℃/s以上の平均冷却速度で冷却することにより、従来のTRIP鋼に比べて、残留オーステナイトが微細かつ分散されるが、この様に残留オーステナイトが微細かつ分散された鋼製加工品とすることで、優れた耐内圧疲労特性を確保することができる。その理由としては次の様に考えられる。
即ち、得られる鋼製加工品に荷重が作用し、それに伴い内部に発生する引張り応力が局部的に強くなる場合、いわゆる応力集中が発生するが、応力集中がある限度を超えると、その応力集中部に存在する微細な残留オーステナイトが、微細で硬質なマルテンサイトに変態(誘起マルテンサイト変態)する。この様に引張り応力の作用する場所が突然マルテンサイト変態すると、該場所が膨張するため、その付近に発生する圧縮応力により引張り応力が相殺され、引張り応力が緩和されることにより、優れた耐内圧疲労特性を確保できると考えられる。
本発明では、上記平均冷却速度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持(オーステンパ処理)する。上記の通り、オーステンパ温度を300〜500℃とするのは、該温度が300℃未満ではCの拡散が遅く、規定量の残留オーステナイトが得られないからである。好ましくは350℃以上とするのがよい。一方、500℃を超えると、セメンタイトが析出するのでオーステナイト中へのC濃化が生じず、規定量の残留オーステナイトが得られないためである。好ましくは450℃以下とするのがよい。
また、オーステンパ処理時間を60〜3600秒としたのは、60秒未満ではCの濃化が不十分で規定量の残留オーステナイトが生成せず、不安定な残留オーステナイトがマルテンサイトへと変態するからである。好ましくは100秒以上とするのがよい。一方、3600秒を超えると生成した残留オーステナイトが分解するためである。好ましくは3000秒以下とするのがよい。
オーステンパ処理後の冷却は、残留オーステナイトの分解を避ける為、オーステンパ温度以上に加熱しないように留意しつつ、速やかに冷却することが望ましい。
本発明の製造方法では、前記工程C1または工程C2よりも前に、熱間塑性加工、温間塑性加工、冷間塑性加工および切削加工よりなる群から選択される1種以上の加工(加工b)を行う工程Bを1工程以上含んでいてもよい。該加工bにおける塑性加工としては、鍛造加工、押出加工、穿孔加工、またはロール成形による伸管加工が挙げられ、また、前記加工bにおける切削加工としては、ドリル加工が挙げられるが、これらの加工における条件は、特に限定されず、通常行われている方法で行えばよい。
また、前記工程C1または工程C2よりも前に、1200℃以上に加熱する工程Aを含むことが推奨される。該温度で加熱することにより、溶製過程で析出したTi、Nb、Vの炭化物や炭窒化物を十分再固溶させ、その後の冷却時に微細な炭化物や炭窒化物、窒化物を析出させることができる。そしてその結果、工程B等においてオーステナイトの粗大化を十分抑制することができる。一方、加熱保持温度は高ければ高いほど好ましいので、特に上限は定めないが、実操業レベルとの関係で、適宜適切に制御することが望ましい。
本発明の方法としては、ビレット等の鋼材を用いて、
・工程A−工程C1または工程C2(工程C1または工程C2よりも後の工程については記載を省略。以下同じ)
・工程B−工程C1または工程C2
・工程A−工程B−工程C1または工程C2
・工程B−工程A−工程C1または工程C2
・工程B−工程A−工程B(この工程Bでは、最初の工程Bと同じ加工を行ってもよいし、異なる加工を行ってもよい)−工程C1または工程C2
等の方法が挙げられる。ここで、前記工程Bが熱間加工である場合には、該工程が工程Aを兼ねる場合がある。
前記製造条件を採用して、ディーゼルエンジン用燃料噴射管またはディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法も規定する。
(1)ディーゼルエンジン用燃料噴射管を製造する方法として、
規定の成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
熱間押出加工を行う工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で温間押出加工を行った後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、ガンドリル加工による管軸方向の穿孔加工、径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、端末加工、および曲げ加工を順次行う方法が挙げられる。
(2)ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法として、上記ディーゼルエンジン用燃料噴射管の製造方法と同様の条件を採用し、
規定の成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
熱間押出加工を行う工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で温間押出加工を行った後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、ガンドリル加工法による管軸方向の穿孔加工、径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、機械加工、および組立加工を順次行う方法が挙げられる。
上記(1)(2)の方法において、熱間押出加工を行った後、(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域まで冷却する場合があるが、該冷却方法は特に限定されない。また60〜3600秒保持する工程を経た後、常温までの冷却は、上述の通り速やかに冷却することが望ましい。
(3)上記ディーゼルエンジン用燃料噴射管を製造する方法として、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
熱間押出加工を行う工程、
ガンドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で温間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工を施した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、冷間で径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、端末加工、および曲げ加工を順次行う方法が挙げられる。
(4)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法として、上記ディーゼルエンジン用燃料噴射管の製造方法と同様の条件を採用し、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
熱間押出加工を行う工程、
ドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で温間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工を施した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、冷間で径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、機械加工、および組立加工を順次行う方法が挙げられる。
上記(3)(4)の方法において、熱間押出加工を行った後、冷却してからドリル(ガンドリル)加工法により管軸方向に穿孔するが、該冷却方法は特に限定されない。
(5)上記ディーゼルエンジン用燃料噴射管を製造する方法として、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
マンネスマン方式の穿孔加工を行う工程、
1200℃以上の温度で熱間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工工程、
冷間で径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、切断加工、端末加工、および曲げ加工を順次行う方法が挙げられる。
(6)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法として、上記ディーゼルエンジン用燃料噴射管の製造方法と同様の条件を採用し、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
マンネスマン方式の穿孔加工を行う工程、
1200℃以上の温度で熱間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工工程、
冷間で径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、切断加工、機械加工、および組立加工を順次行う方法が挙げられる。
上記(5)(6)の方法において、熱間ロール成形により伸管加工を施した後、常温まで冷却するが、該冷却方法については特に限定されない。
(7)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法として、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
熱間又は温間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
冷間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
ドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、
1200℃以上の温度で熱間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、切断加工、機械加工、および組立加工を順次行う方法が挙げられる。
(8)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法として、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
熱間又は温間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
ガンドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、
切断加工工程、
機械加工工程、
1200℃以上に加熱保持する工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、組立加工を行う方法が挙げられる。
(9)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法として、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
熱間又は温間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
冷間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
ドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、
1200℃以上の温度で熱間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工工程、
切断加工工程、
機械加工工程、および
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
を経た後、常温まで冷却し、その後、組立加工を行う方法が挙げられる。
(10)上記ディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法として、
上記成分組成を満たす鋼材を用いて、
1200℃以上に加熱保持する工程、
熱間加工(特には鍛造加工)を行う工程、
(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度で10秒以上保持し、該温度域で鍛造した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程、および
ガンドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程
を経た後、機械加工を施すところに特徴を有する方法が挙げられる。
上記(10)の方法において、熱間加工を行った後、冷却してから(Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域に加熱するが、該冷却方法については特に限定されない。
前記ディーゼルエンジン用燃料噴射管の製造において、最終工程である前記曲げ加工後に、更にオートフレッテージ処理を施してもよい。また、前記ディーゼルエンジン用コモンレールの製造において、最終工程である前記組立加工後または最終工程である機械加工後に、更にオートフレッテージ処理を施してもよい。このオートフレッテージ処理は、内圧をかけて内周表面のみ塑性加工させる方法であり、このオートフレッテージ処理により耐内圧疲労特性を高めることができる。
上記方法に用いる鋼材としては、ビレットや熱延鋼板等が挙げられるが、これらは、常法通りに目的成分を満足する鋼を溶製し、スラブとした後、熱間のまま加工するか、または一旦室温まで冷却したものを再度加熱した後に熱間加工を行って得られたものを用いればよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
[実施例1]
まず、表1に記載の成分組成からなる鋼種記号A〜Yの供試鋼スラブ(表中の単位は質量%であり、残部:鉄及び不可避的不純物)を連続鋳造により製造し、それぞれ、1250℃の温度域まで再加熱後(工程A)、板厚13mmとなるまで熱間圧延(加工b)を行なった(工程B)。その後、酸洗してから機械加工を行い、10mm×10mm×80mmの鍛造用試験片を作製した。
次に、上記試験片を表2に示す鍛造温度で20分間加熱し、それぞれの試験片の加熱温度と同じ温度に加熱した金型を用いて鍛造加工(加工c)を行い、5〜180%の圧縮鍛造ひずみ(表2の加工率と同じ)を付与した。
その後、表2に示すオーステンパ温度まで10℃/sの平均冷却速度で冷却し、該温度で表2に示す時間保持するオーステンパ処理を行った。
この様にして得られた各鍛造材につき、引張強度(TS:MPa)、伸び(El:%)、シャルピー衝撃値(CIV:J/cm)、および各組織の占積率(面積率)を下記要領でそれぞれ測定した。
〈引張強度および伸びの測定〉
上記鍛造材の鍛造方向に対して1/4厚さより採取したJIS4号試験片(ゲージ長さ20mm、平行部長さ22mm、幅6mm、厚さ1.2mm)を用いて、引張強度(TS)、伸び(El)を測定した。なお試験条件は、クロスヘッド速度:1mm/min、測定温度:RTである。
〈シャルピー衝撃試験〉
上記鍛造材の鍛造方向に対して1/4厚さより採取した深さ2mmのVノッチを有するJIS4号シャルピー衝撃試験片(長さ55mm、高さ10mm、幅2.5mm)を用いて、シャルピー衝撃値CIVを測定した。なお試験条件は、5m/s、測定温度:RTである。
そして上記CIVが、100J/cm超の場合を「耐衝撃特性に大変優れる(◎)」、80J/cm以上100J/cm以下の場合を「耐衝撃特性に優れる(○)」、80J/cm未満の場合を「耐衝撃特性に劣る(×)」と評価した。
〈金属組織の観察〉
上記鍛造材の鍛造方向に対して1/4厚さより試験片を切り出し、該試験片にナイタール腐食、及びレペラ腐食を施し、
・光学顕微鏡(倍率:400倍または1000倍)による観察、及び
・走査型電子顕微鏡(SEM,倍率:1000倍または4000倍)による観察、
・飽和磁化法(熱処理, Voll.136, (1996), P.322)による残留オーステナイト量の測定、
・透過型電子顕微鏡(TEM:倍率10000倍)、ステップ間隔100nmによるFE/SEM−EBSPによる組織解析
を実施して組織中の、フェライト、残留γ、マルテンサイトおよびベイナイトの占積率(面積%)を求めた。
これらの測定結果を表2に併記する。
Figure 2007231353
Figure 2007231353
表1,2から次の様に考察することができる(尚、下記のアルファベットは表1及び2中の鋼種記号、下記No.は、表2中の材料No.を示す)。
まず、No.2、4〜6、9〜10、13〜14、17〜18、21〜22、24〜25、28〜36は、いずれも規定の成分組成を満たし、本発明で規定する方法により得られたものであり、規定の組織を有していることから、引張強度及び伸び特性に優れ、かつ、耐衝撃特性にも優れている。
この内、No.4〜6は、本発明で規定する成分組成を満たす鋼種Cを用い、鍛造温度を700〜900℃、鍛造時の加工率を20〜100%の範囲で種々変化させて鍛造を行った例あるが、上記いずれの加工率で鍛造を行った場合も、引張強度および伸び特性に優れ、かつ耐衝撃特性にも優れた鍛造品が得られている。
No.9〜10は、本発明で規定する成分組成を満たす鋼種Cを用い、鍛造後のオーステンパ温度を350〜450℃の範囲で変化させた例であるが、上記いずれの温度でオーステンパ処理を行った場合も、引張強度及び伸び特性に優れ、かつ耐衝撃特性に優れた鍛造品が得られている。
No.13〜14は、本発明で規定する成分組成を満たす鋼種Cを用い、鍛造後のオーステンパ時間を60〜3000secの範囲で変化させた例であるが、上記いずれの時間でオーステンパ処理を行った場合も、引張強度及び伸び特性に優れ、かつ耐衝撃特性に優れた鍛造品が得られている。
No.24は、本発明で規定する成分組成を満たす鋼種Lを用い、オーステナイト単相域(Ac3点+100℃)で鍛造した例であるが、この様にオーステナイト単相域で鍛造した場合にも、引張強度及び伸び特性に優れ、かつ耐衝撃特性に優れた鍛造品が得られることがわかる。
これに対し、本発明で規定する要件のいずれかを満足しない下記例は夫々、以下の不具合を有している。
まず、No.1はC量の少ない鋼種Aを使用した例であり、規定量の残留γを確保できておらず、強度と耐衝撃特性に劣っている。
No.3は、本発明で規定する成分組成を満たす鋼種Cを用いているが、鍛造温度が(Ac1点−30℃)を下回っており、かつ加工率が少ないため、残留γを十分確保できず、強度と耐衝撃特性に劣っている。
No.7は、本発明で規定する成分組成を満たす鋼種Cを用いているが、鍛造温度が(Ac3+100℃)を上回っており、かつ加工率が高すぎるため、マルテンサイトが多量に生成し耐衝撃特性が低下した。
No.8は、本発明で規定する成分組成を満たす鋼種Cを用いているが、オーステンパ温度が低すぎるため、マルテンサイトが多量に生成し耐衝撃特性が低下した。
No.11は、本発明で規定する成分組成を満たす鋼種Cを用いているが、オーステンパ温度が高すぎるため、残留γを十分確保できず、強度と耐衝撃特性に劣っている。
No.12は、本発明で規定する成分組成を満たす鋼種Cを用いているが、オーステンパ時間が短すぎるため、残留γを十分確保できず、強度と耐衝撃特性に劣っている。
No.15は、本発明で規定する成分組成を満たす鋼種Cを用いているが、オーステンパ時間が長すぎるため、残留γを確保できず、耐衝撃特性に劣っている。
No.16は、C量が過剰である鋼種Dを使用しているため、残留γおよびマルテンサイトがどちらも過剰となり、耐衝撃特性に劣っている。
No.19は、Si量が過剰である鋼種Gを使用しているため、マルテンサイトが過剰に生成し、耐衝撃特性が低下した。
No.20は、Mn量が不足している鋼種Hを使用しているため、マルテンサイトが過剰に生成し、耐衝撃特性が低下した。
No.23は、Mn量が過剰である鋼種Kを使用しているため、Mnの偏析が発生し、耐衝撃特性が低下した。
No.26は、Al量が過剰である鋼種Nを使用しているため、残留γを十分確保できず、耐衝撃特性が低下した。
No.27はTi、Nb、及びVのいずれも含まない鋼種Oを使用し、またNo.37は、Nb、TiおよびVよりなる群から選択される1種以上の合計が不足しているため、結晶粒の粗大な残留γが生成し、耐衝撃特性に劣る結果となった。
[実施例2]
鋼種Bからなるビレットを1250℃に加熱保持し(工程A)、熱間押出加工を施した(工程B)後、950℃まで冷却し、当該温度で10秒間以上保持した後、温間押出加工を施して丸棒とし、該丸棒を10℃/sの冷却速度で300℃まで冷却し、該温度で240秒以上保持(工程C1)した後、常温まで冷却した。その後、ガンドリル加工法により管軸方向に穿孔し、次いで、伸管加工を施して製品寸法が外径8.0mm、肉厚2.5mm、内径3.0mmのものとした後、これを所望長さに切断加工し、次でナット等のねじ部品を挿入した後に接続頭部をプレス成形する端末加工を施し、更に曲げ加工を施して燃料噴射管を得た。
[実施例3]
鋼種Cからなるビレットを1250℃に加熱保持し(工程A)、熱間押出加工を施した(工程B)後、常温まで冷却した。その後、ガンドリル加工法により管軸方向に穿孔し(工程B’)、次いで、950℃で10秒以上保持してから熱間ロール成形加工を施し、次いで5℃/sの平均冷却速度で400℃まで冷却し、該温度で120秒間保持するオーステンパ処理を施した(工程C1)。その後、冷間で伸管加工を施して製品寸法が外径8.0mm、肉厚2.5mm、内径3.0mmのものとした後、これに切断加工、端末加工及び曲げ加工を施して燃料噴射管を得た。
[実施例4]
鋼種Cからなるビレットを1250℃に加熱保持し(工程A)、マンネスマン方式による穿孔加工を施した(工程B)後、950℃で10秒以上保持してから熱間ロール成形加工を行い、次いで10℃/sの平均冷却速度で500℃まで冷却し、該温度で180秒間保持するオーステンパ処理を施した(工程C1)。更に、冷間で伸管加工を施して外径8.0mm、肉厚2.5mm、内径3.0mmとした後、これに切断加工、端末加工及び曲げ加工を施して燃料噴射管を得た。
[実施例5]
鋼種Cからなるビレットを1250℃に加熱保持し(工程A)、マンネスマン方式による穿孔加工を施した(工程B)後、1200℃以上の温度で熱間ロール成形し(工程A、B’)、その後、冷間で伸管加工を施した(工程B”)。次に、950℃で10秒以上加熱保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で400℃まで冷却し、該温度で70秒間保持するオーステンパ処理を施した(工程C2)。更に、冷間で伸管加工を施して外径32mm、内径10mm、肉厚11mmとした後、これに切断加工、外周面に円錐状のシート面及びφ3mmの分岐孔を穿孔する等の機械加工、および分岐孔の周縁にねじスリーブを溶接する等の組立加工等を施してコモンレールを得た。
[実施例6]
鋼種Cからなるビレットを用いて熱間押出加工を行った後(工程B)、冷間でガンドリル加工法により管軸方向に穿孔し(工程B’)、1200℃以上で熱間ロール成形(加工b)してから(工程A、B”)、950℃で10秒以上保持し、その後、該素管を3℃/s以上の平均冷却温度で400℃まで冷却してから、該温度で70秒間保持するオーステンパ処理を施した(工程C2)。更に、冷間で伸管加工を施して外径30mm、内径9mm、肉厚10.5mmとし、これに切断加工、外周面に円錐状のシート面及びφ3mmの分岐孔の穿孔等の機械加工、分岐孔の周縁にねじスリーブを有するリテーナーの組立加工等を施してコモンレールを得た。
[実施例7]
鋼種Cからなるビレットに冷間圧延を施し、その後ガンドリル加工法による管軸方向に穿孔した(工程B)。それから、1200℃以上で熱間ロール成形を行った(工程A、B’)後、950℃で10秒以上保持して、該管を3℃/s以上の平均冷却温度で400℃まで冷却した後、該温度で120秒間保持するオーステンパ処理を施した(工程C2)。更に、冷間で伸管加工を施して外径32mm、内径10mm、肉厚11mmとし、これに切断加工、機械加工、および組立加工を順次施してコモンレールを得た。
[実施例8]
鋼種Cからなるビレットに熱間または温間で押出加工を施し、次いで冷間でガンドリル加工法により管軸方向に穿孔し、その後冷間で伸管加工を施して外径32mm、内径10mm、肉厚11mmとし(工程B)、該管を切断し、機械加工を施した。次いで該管を1200℃以上に加熱(工程A)し、950℃で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で400℃まで冷却し、該温度で120秒間保持するオーステンパ処理を施した(工程C2)。更にこれに組立加工を施してコモンレールを得た。
[実施例9]
鋼種Cからなる鋼素材を1200℃以上に加熱後(工程A)、熱間押出加工を行ってから(工程B)所望長さに切断し、次いで950℃で10秒以上保持してから、本体部の外径32mm、φ18mmのボス部を多数有する形状に熱間鍛造した後、3℃/s以上の平均冷却温度で400℃まで冷却し、その後、該温度で120秒間保持するオーステンパ処理を施した(工程C1)。次いで、常温に冷却してガンドリル加工法により内径10mmの管孔を管軸方向に穿孔した。その後、ボス部外周にM16の外ねじ、ボス部頂部に円錐状のシート面、φ3mmの分岐孔を穿孔する等の機械加工を施してコモンレールを得た。
[実施例10]
鋼種Cからなる鋼素材を1200℃以上に加熱後(工程A)鍛造加工を施し(工程B)、次いで950℃で10秒以上保持した後、本体部の外径32mm、φ18mmのボス部を多数有する形状に熱間鍛造した後、3℃/s以上の平均冷却温度で400℃まで冷却してから、該温度で120秒間保持するオーステンパ処理を施した(工程C1)。次いで、常温に冷却してロングドリル加工法により内径10mmの管孔を管軸方向に穿孔した。その後、ボス部外周にM16の外ねじ、ボス部頂部に円錐状のシート面、φ3mmの分岐孔を穿孔する等の機械加工を施してコモンレールを得た。
[実施例11]
鋼種Bからなるビレットを1200℃以上に加熱保持した後(工程A)、常温まで冷却した。これにガンドリル加工法により管軸方向に穿孔し(工程B)、次いで950℃まで加熱し、当該温度で10秒間以上保持した後、熱間ロール成形加工を施し、10℃/sの冷却速度で300℃まで冷却した後、該温度で240秒以上保持(工程C1)し、その後常温まで冷却した。次いで、伸管加工を施して製品寸法が外径8.0mm、肉厚2.5mm、内径3.0mmのものとした後、これに切断加工、端末加工、更に曲げ加工を施して燃料噴射管を得た。
[実施例12]
鋼種Bからなるビレットを1200℃以上に加熱保持した後(工程A)、常温まで冷却した。これにガンドリル加工法により管軸方向に穿孔し(工程B)、次いで950℃まで加熱し、当該温度で10秒間以上保持した後、10℃/sの冷却速度で300℃まで冷却し、該温度で240秒以上保持(工程C2)した後、常温まで冷却した。その後、伸管加工を施して製品寸法が外径8.0mm、肉厚2.5mm、内径3.0mmのものとした後、これに切断加工、端末加工、更に曲げ加工を施して燃料噴射管を得た。
[実施例13]
鋼種Cからなる鋼素材を所望長さに切断後、温間にて粗型鍛造し(工程B)、これを1200℃以上に加熱後(工程A)、950℃で10秒以上保持してから、本体部の外径32mm、φ18mmのボス部を多数有する形状に熱間鍛造し、その後3℃/s以上の平均冷却温度で400℃まで冷却してから、該温度で120秒間保持するオーステンパ処理を施した(工程C1)。次いで、常温に冷却してロングドリル加工法により内径9mmの管孔を管軸方向に穿孔した。その後、ボス部外周にM16の外ねじ、ボス部頂部に円錐状のシート面、φ3mmの分岐孔を穿孔する等の機械加工を施してコモンレールを得た。
[実施例14]
鋼種Cからなる鋼管に温間ロール成形加工を施した後(工程B)、これを1250℃に加熱保持し(工程A)、次いで950℃で10秒以上保持してから、熱間押出加工を施し、その後10℃/sの冷却速度で300℃まで冷却してから、該温度で240秒以上保持(工程C1)した後、常温まで冷却した。その後、伸管加工を施して製品寸法が外径8.0mm、肉厚2.5mm、内径3.0mmのものとした後、これに切断加工、端末加工及び曲げ加工を施して燃料噴射管を得た。
[実施例15]
鋼種Bからなる棒鋼を用いてガンドリル加工法により管軸方向に穿孔した後(工程B)、950℃まで加熱し、当該温度で10秒間以上保持してから、10℃/sの冷却速度で300℃まで冷却し、該温度で240秒以上保持し(工程C2)、次いで常温まで冷却した。その後、伸管加工を施して製品寸法が外径8.0mm、肉厚2.5mm、内径3.0mmのものとした後、これに切断加工、端末加工、更に曲げ加工を施して燃料噴射管を得た。
[実施例16]
鋼種Cからなる棒鋼を用いて温間でマンネスマン方式により管軸方向に穿孔した後(工程B)、950℃まで加熱し、当該温度で10秒間以上保持してから、熱間押出成形を行い、その後10℃/sの冷却速度で300℃まで冷却してから、該温度で240秒以上保持し(工程C1)、次いで常温まで冷却した。その後、伸管加工を施して製品寸法が外径6.35mm、肉厚2mm、内径2.35mのものとした後、これに切断加工、端末加工、更に曲げ加工を施して燃料噴射管を得た。
上記実施例2〜4、11、12、14〜16の各燃料噴射管と、実施例5〜10、13の各コモンレールをそれぞれ内圧繰返し疲労試験機にかけて内圧疲労限界を調べた結果、全ての燃料噴射管及びコモンレールは共に、2500Barを超える内圧を1000万回以上繰返して加えても破損することがなく、優れた耐内圧疲労特性を示した。
尚、上記実施例2〜4、11、12、14〜16の各燃料噴射管と、実施例5〜10、13の各コモンレールは、最終工程実施後に高圧水または高圧油を封入してオートフレッテージ処理工程を実施することにより耐内圧疲労特性は更に向上した。

Claims (28)

  1. C:0.1〜0.7%(質量%の意味、化学成分について以下同じ)、
    Si:1.5%以下(0%を含まない)、
    Mn:0.5〜3%、
    Al:0.2〜1.5%、
    Nb、TiおよびVよりなる群から選択される1種以上:合計で0.01〜0.1%、
    P :0.05%以下(0%を含まない)、
    S :0.02%以下(0%を含まない)
    を満たし、残部が鉄および不可避的不純物からなるものであり、
    金属組織が、
    フェライト:50%以上(全組織に対する面積%の意味、組織について以下同じ)を含み、第2相組織が残留オーステナイト、並びにベイナイト及び/又はマルテンサイトからなるものであって、
    残留オーステナイト:10〜30%、
    マルテンサイト:5%以下(0%を含む)
    を満たすことを特徴とする耐衝撃特性と強度−延性バランスに優れた鋼製高強度加工品。
  2. 更に、Cr及び/又はMoを合計で1%以下(0%を含まない)を含む請求項1に記載の鋼製高強度加工品。
  3. 更に、
    Ni:0.5%以下(0%を含まない)、及び/又は
    Cu:0.5%以下(0%を含まない)
    を含む請求項1または2に記載の鋼製高強度加工品。
  4. 更に、
    Ca:0.003%以下(0%を含まない)、及び/又は
    REM:0.003%以下(0%を含まない)
    を含む請求項1〜3のいずれかに記載の鋼製高強度加工品。
  5. 更に、B:0.003%以下(0%を含まない)を含む請求項1〜4のいずれかに記載の鋼製高強度加工品。
  6. 前記加工品が鍛造品である請求項1〜5のいずれかに記載の鋼製高強度加工品。
  7. 前記加工品が高圧燃料配管である請求項1〜5のいずれかに記載の鋼製高強度加工品。
  8. 前記高圧燃料配管が、高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用燃料噴射管、または高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用コモンレールである請求項7に記載の鋼製高強度加工品。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の鋼製高強度加工品を製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を満たす鋼材を使用し、
    (Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で塑性加工(加工c)を行った後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程(工程C1)
    を含むことを特徴とする耐衝撃特性と強度−延性バランスに優れた鋼製高強度加工品の製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の鋼製高強度加工品を製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を満たす鋼材を使用し、
    (Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程(工程C2)
    を含むことを特徴とする耐衝撃特性と強度−延性バランスに優れた鋼製高強度加工品の製造方法。
  11. 前記工程C1または工程C2よりも前に、熱間塑性加工、温間塑性加工、冷間塑性加工および切削加工よりなる群から選択される1種以上の加工(加工b)を行う工程Bを1工程以上含む請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 前記工程C1または工程C2よりも前に、1200℃以上に加熱する工程Aを含む請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記加工cが、鍛造加工、押出加工、穿孔加工、またはロール成形による伸管加工である請求項9、11または12に記載の製造方法。
  14. 前記加工bにおける塑性加工が、鍛造加工、押出加工、穿孔加工、またはロール成形による伸管加工である請求項11〜13のいずれかに記載の製造方法。
  15. 前記加工bにおける切削加工が、ドリル加工である請求項11〜13のいずれかに記載の製造方法。
  16. 請求項8に記載のディーゼルエンジン用燃料噴射管を製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を満たす鋼材を用いて、
    1200℃以上に加熱保持する工程、
    熱間押出加工を行う工程、および
    (Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で温間押出加工を行った後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
    を経た後、常温まで冷却し、その後、ガンドリル加工法による管軸方向の穿孔加工、径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、端末加工、および曲げ加工を順次行うことを特徴とする高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用燃料噴射管の製造方法。
  17. 請求項8に記載のディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を満たす鋼材を用いて、
    1200℃以上に加熱保持する工程、
    熱間押出加工を行う工程、および
    (Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で温間押出加工を行った後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
    を経た後、常温まで冷却し、その後、ガンドリル加工法による管軸方向の穿孔加工、径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、機械加工、および組立加工を順次行うことを特徴とする高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用コモンレールの製造方法。
  18. 請求項8に記載のディーゼルエンジン用燃料噴射管を製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を満たす鋼材を用いて、
    1200℃以上に加熱保持する工程、
    熱間押出加工を行う工程、
    ガンドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、および
    (Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で温間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工を施した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
    を経た後、常温まで冷却し、その後、冷間で径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、端末加工、および曲げ加工を順次行うことを特徴とする高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用燃料噴射管の製造方法。
  19. 請求項8に記載のディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を満たす鋼材を用いて、
    1200℃以上に加熱保持する工程、
    熱間押出加工を行う工程、
    ドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、および
    (Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持し、該温度域で温間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工を施した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
    を経た後、常温まで冷却し、その後、冷間で径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、機械加工、および組立加工を順次行うことを特徴とする高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用コモンレールの製造方法。
  20. 請求項8に記載のディーゼルエンジン用燃料噴射管を製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を満たす鋼材を用いて、
    1200℃以上に加熱保持する工程、
    マンネスマン方式の穿孔加工を行う工程、
    1200℃以上の温度で熱間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工工程、
    冷間で径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工工程、および
    (Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
    を経た後、常温まで冷却し、その後、切断加工、端末加工、および曲げ加工を順次行うことを特徴とする高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用燃料噴射管の製造方法。
  21. 請求項8に記載のディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を満たす鋼材を用いて、
    1200℃以上に加熱保持する工程、
    マンネスマン方式の穿孔加工を行う工程、
    1200℃以上の温度で熱間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工工程、
    冷間で径方向及び/又は管軸方向に圧延する伸管加工工程、および
    (Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
    を経た後、常温まで冷却し、その後、切断加工、機械加工、および組立加工を順次行うことを特徴とする高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用コモンレールの製造方法。
  22. 請求項8に記載のディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を満たす鋼材を用いて、
    熱間又は温間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
    冷間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
    ドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、
    1200℃以上の温度で熱間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工工程、および
    (Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
    を経た後、常温まで冷却し、その後、切断加工、機械加工、および組立加工を順次行うことを特徴とする高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用コモンレールの製造方法。
  23. 請求項8に記載のディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を満たす鋼材を用いて、
    熱間又は温間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
    ガンドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、
    切断加工工程、
    機械加工工程、
    1200℃以上に加熱保持する工程、および
    (Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
    を経た後、常温まで冷却し、その後、組立加工を行うことを特徴とする高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用コモンレールの製造方法。
  24. 請求項8に記載のディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を満たす鋼材を用いて、
    熱間又は温間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
    冷間で径方向及び軸方向に圧延する工程、
    ドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程、
    1200℃以上の温度で熱間ロール成形(ロールレデュース)により径方向及び管軸方向に圧延する伸管加工工程、
    切断加工工程、
    機械加工工程、および
    (Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度域で10秒以上保持した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程
    を経た後、常温まで冷却し、その後、組立加工を行うことを特徴とする高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用コモンレールの製造方法。
  25. 請求項8に記載のディーゼルエンジン用コモンレールを製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を満たす鋼材を用いて、
    1200℃以上に加熱保持する工程、
    熱間加工を行う工程、
    (Ac1点−30℃)〜(Ac3点+100℃)の温度で10秒以上保持し、該温度域で鍛造した後、3℃/s以上の平均冷却温度で300〜500℃まで冷却し、該温度域で60〜3600秒保持する工程、および
    ガンドリル加工法により管軸方向に穿孔する工程
    を経た後、機械加工を施すことを特徴とする高強度かつ耐衝撃特性および耐内圧疲労特性に優れたディーゼルエンジン用コモンレールの製造方法。
  26. 前記熱間加工が鍛造加工である請求項25に記載の製造方法。
  27. 最終工程である前記曲げ加工後に、更にオートフレッテージ処理を施す請求項16、18または20に記載の製造方法。
  28. 最終工程である前記組立加工後または最終工程である機械加工後に、更にオートフレッテージ処理を施す請求項17、19および21〜26のいずれかに記載の製造方法。
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