JP5778903B2 - 切欠き疲労強度に優れた高強度鋼製加工品の製造方法 - Google Patents

切欠き疲労強度に優れた高強度鋼製加工品の製造方法 Download PDF

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本発明は、切欠き疲労強度に優れた高強度鋼製加工品の製造方法に係り、より詳しくは、残留オーステナイト(γR )の変態誘起性(TRIP)を利用した低合金TRIP型焼鈍マルテンサイト鋼(TAM鋼)からなる高強度鋼製加工、高強度鍛造品の製造方法に関する。
なお、本発明の「高強度鍛造品」としては、例えば、ニアネットシェイプ鍛造品等が代表的に挙げられ、一次鍛造品のみならず、一次鍛造品を更に鍛造(冷間、温間鍛造等)して得られる二次鍛造品、三次鍛造品等の精密鍛造品、更に当該鍛造品を複雑な形状に加工して得られる最終製品、ディーゼルエンジンに搭載される蓄圧式燃料噴射システム用コモンレール、燃料噴射管等も全て包含される。
自動車、電機、機械等の産業用技術分野における鍛造品は一般に、加熱温度が異なる種々の鍛造(加工)を行った後、焼入れ・焼戻し等の調質処理(熱処理)をして製造されており、例えば自動車を例に挙げると、クランクシャフト、コンロッド、トランスミッションギア、ディーゼルエンジンに搭載される蓄圧式燃料噴射システム用コモンレール等には、熱間鍛造品(加圧温度1100〜1300℃)や温間鍛造品(加圧温度600〜800℃)が、ピニオンギア、歯車、ステアリングシャフト、バルブリフター等には、冷間鍛造品(常温で加圧)がそれぞれ汎用されている。
近年、自動車の車体の軽量化と衝突安全性を確保するため、残留オーステナイトの変態誘起塑性を伴う成形可能な超高強度低合金TRIP鋼(TBF鋼)の適用が検討されている。
例えば、特許文献1には、概ねフェライトとオーステナイトの2相域温度にて焼鈍と鍛造の両方を行った後、所定温度でオーステンパ処理するという独自の熱処理を採用することによって、引張強度が600MPa級以上の高強度域において、伸び及び強度−絞り特性のバランスに優れた高強度鍛造品の製造方法に関する技術が、又、特許文献2には、焼戻しベイナイト又はマルテンサイトを作り分けた後、概ねフェライトとオーステナイトの2相域温度で焼鈍と鍛造の両方を行い、その後、所定温度でオーステンパ処理する方法を採用することにより、伸び、及び、強度−絞り特性のバランスに優れた高強度鍛造品を製造し得る技術が、更に、特許文献3には、2相域の温度範囲に加熱した後、該2相域で鍛造加工を行い、その後、規定のオーステンパ処理を施すことで、鍛造加工時の温度を低下できると共に、優れた伸びフランジ性と加工性を備えた高強度鍛造品を製造し得る技術が、開示されている。
しかしながら、これらの方法で得られる鍛造品を製造する場合、以下に記載する問題が発生する可能性がある。
鍛造品は、その加工率に応じて発熱するため、鍛造時の部品温度が部位によって変化する場合がある。例えば、高温(Ac3点付近)で鍛造を行った場合には、加工率が高いと発熱量も大きくなり、オーステナイト同士の合体・成長が発生するため、熱処理後に粗大な残留オーステナイトが生成し、衝撃特性を劣化させることが考えられる(高温鍛造時の問題点)。一方、低温側(Ac1点付近)で鍛造を行った場合には、加工率が低いと十分な発熱量が確保できないので、不安定な残留オーステナイトが大量に生成し、熱処理後、破壊の起点となる硬質なマルテンサイトが生成して衝撃特性を劣化させることが考えられる(低温鍛造時の問題点)。従って、鍛造品の温度や加工率が異なると、部分的に粗大な残留オーステナイトや不安定なオーステナイトが発生し易く、鍛造品全体として安定かつ優れた耐衝撃特性を得ることが難しい。
一方、特許文献4には、熱延鋼材作製時にNb、Ti、Vの内の一種類あるいは2種類以上の添加、及び適量のAl添加を行い、概ねフェライトとオーステナイトの2相域温度で焼鈍と鍛造の両方を行った後、所定温度でオーステンパ処理するという熱処理を採用することにより、鍛造温度、及び鍛造加工率に依らず強度−延性バランスに優れると共に、引張強度も600MPa以上の、耐衝撃特性に優れた鋼製高強度加工品、高圧燃料配管(特に、高強度かつ耐衝撃特性に優れた、ディーゼルエンジン用燃料噴射管及びディーゼルエンジン用コモンレール等)を製造し得る技術が開示されている。
この特許文献4に開示されている発明は、前記特許文献1〜3に開示されている技術では得られない格別の効果を奏する点で優れ、その超高強度低合金TRIP鋼(TBF鋼)は自動車の車体の軽量化と衝突安全性の確保により大きく寄与し得ることが期待される。しかしながら、この超高強度低合金TRIP鋼(TBF鋼)は、微粒状ベイナイトフェライトとポリゴナルフェライトが、マトリックスの中で、ベイナイトフェライトのラス構造と共に共存することから、更なる高い降伏強度と引張強度を達成するための完全なTBF鋼を得るためには、高い焼入れ性が必要である。これまで、この高い焼入れ性を有する超高強度低合金TRIP鋼(TBF鋼)は、研究段階の状況にあるのが現状である。
一方、残留オーステナイト(γR)の変態誘起塑性(TRIP)を利用した低合金TRIP型焼鈍マルテンサイト鋼(TAM鋼)は、優れた冷間鍛造性に加え、高い疲労強度を有するため、ディーゼルエンジンに搭載される蓄圧式燃料噴射システム用コモンレール、燃料噴射管等の各種自動車部品への適用が期待できる。しかし、これを可能にするには、TAM鋼の焼入れ性を高めることに加え、切欠き疲労強度を改善することが必要である。しかしながら、この高焼入れ性、高切欠き疲労強度を有するTAM鋼は未開発の状況にある。
特開2004−292876号公報 特開2005−120397号公報 特開2004−285430号公報 特開2007−231353号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、鍛造温度や鍛造加工率等に依らず、化学組成の成分添加量を適性値に設定した鋼材を用い、該鋼材の熱処理条件を制御することによって高焼入れ性、高切欠き疲労強度を有する低合金TRIP型焼鈍マルテンサイト鋼(TAM鋼)からなる高強度鋼製加工品の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鍛造温度や鍛造加工率等に依らず、化学組成の成分添加量及び熱処理条件を制御することによって高焼入れ性、高切欠き疲労強度及び高遅れ破壊強度を有する低合金TRIP型焼鈍マルテンサイト鋼(TAM鋼)からなる高強度鋼製加工品の実現と、これらの製造方法を確立すべく、CrとMoの複合添加又はB添加により焼入れ性を改善したTAM鋼を試作し、その切欠き疲労特性を調査した。
その結果、Si−Mn系TAM鋼において、残留オーステナイトの炭素濃度、及び、修正炭素濃度(炭素当量(Ceq)からC量を除いた値(Ceq))を適正値に保ち、焼鈍後、オーステンパ処理を施すことによって高切欠き疲労強度を有する低合金TRIP型焼鈍マルテンサイト鋼(TAM鋼)が得られることを見出した。
すなわち、本発明に係る切欠き疲労強度に優れた高強度鋼製加工品の製造方法は、C:0.1〜0.7%(質量%の意味、以下同じ)、Si:2.5%以下(0%を含まない)、Mn:0.5〜2%、Al:1.5%以下、Nb、Ti、Vの内1種類又は2種類以上を合計で0.01〜0.3%、Cr:2.0%以下、Mo:0.5%以下、Ni:1.0%以下、Cr、Mo、Niを合計で2.0%以下、B:0.005%以下、を含有し、母相組織が焼戻しラス状マルテンサイト(AM)を75vol%以上と、第2相組織が残留オーステナイト(RA)を5〜25vol%、フェライト、焼鈍ベイナイト、マルテンサイトを合計で5vol%以下、かつ残留オーステナイトの炭素濃度が0.7〜1.5mass%であり、さらに、下記式により規定される、炭素当量(Ceq)からC量を除いた値(Ceq*)が0.3%以上0.6%未満で、残部Fe及び不可避的不純物からなる切欠き疲労強度に優れた高強度鋼製加工品の製造方法であって、前記の成分組成を満たす鋼材を使用し、該鋼材をAc3点以上の温度域で1秒以上保持し、該温度域で塑性加工を施した後、10〜50℃/sの平均冷却速度でMf点以下まで冷却し、次いで該鋼材を760〜820℃に加熱し、該温度域で500〜2000秒保持し、さらに2〜20℃/sの平均冷却速度で350〜400℃まで冷却し、該温度域で100〜5000秒保持する工程を含むことを特徴とするものである。
[式1]
Ceq=Ceq−C=Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
本発明に係る前記高強度鋼製加工品としては、ニアネットシェイプ鍛造品等の一次鍛造品のみならず、一次鍛造品を更に鍛造(冷間、温間鍛造等)して得られる二次鍛造品、三次鍛造品等の精密鍛造品、更に当該鍛造品を複雑な形状に加工して得られる最終製品の他、ディーゼルエンジンに搭載される蓄圧式燃料噴射システム用コモンレール、燃料噴射管等の高圧燃料配管が挙げられる。
本発明に係る高強度鋼製加工品を製造する方法は、前記成分組成を満たす鋼材を使用し、該鋼材をAc3点以上の温度域で所定時間保持し、該温度域で塑性加工を施した後、所定の平均冷却速度(10〜50℃/s)でMf点以下まで冷却し、次いで該鋼材を760〜820℃に加熱し、該温度域で500〜2000秒(好ましくは750〜1500秒)保持し、さらに所定の平均冷却速度(2〜20℃/s)で350〜400℃まで冷却し、該温度域で100〜5000秒(好ましくは500〜1500秒)保持する工程を含むことを特徴とするものである。
又、本発明は、前記高圧燃料配管を製造する方法として、前記成分組成を満たす鋼材を使用し、該鋼材をAc3点以上の温度域で所定時間保持し、該温度域で塑性加工を施した後、所定の平均冷却速度(10〜50℃/s)でMf点以下まで冷却し、次いで該鋼材を760〜820℃に加熱し、該温度域で500〜2000秒(好ましくは750〜1500秒)保持し、さらに所定の平均冷却速度(2〜20℃/s)で350〜400℃まで冷却し、該温度域で100〜5000秒(好ましくは500〜1500秒)保持する工程を経た後、常温まで冷却し、その後、ガンドリル加工方法による管軸方向の穿孔加工、管軸方向に圧延する伸管加工、切断加工、端末加工、及び、機械加工を行うことを特徴とするものである。
本発明は、CrとMoの複合添加又はB添加により焼入れ性を改善し、かつ残留オーステナイトの炭素濃度を0.7〜1.5mass%に保ち、C量を除いた炭素当量を適正値に設定した鋼材を用い、焼鈍後、オーステンパ処理を施すことにより、加熱温度や、加工率(鍛造加工率や圧延加工率等)等によらず、高温鍛造時や低温鍛造時の問題がなく、高切欠き疲労強度を有する低合金TRIP型焼鈍マルテンサイト鋼(TAM鋼)からなる高強度鋼製加工品を提供できる。
本発明の実施例1におけるTAM鋼とTBF鋼のそれぞれの降伏強度と、平滑材及び切欠き材の疲労強度の関係を示す図である。 同じく本発明の実施例1におけるTAM鋼とTBF鋼のそれぞれの降伏強度と、切欠き疲労強度比(FL/FL)及び切欠き感受性qの関係を示す図である。 同じく本発明の実施例1におけるTAM鋼とTBF鋼のそれぞれの硬度と、平滑材及び切欠き材の疲労強度の関係を示す図である。
本発明において、残留オーステナイトの炭素濃度を0.7〜1.5mass%に規定したのは、0.7mass%未満では安定性が低く、疲労変形の初期に残留オーステナイトが変態してしまい、他方、1.5mass%を超えることは化学組成の点で困難であるためである。
又、本発明において、前記式1により規定されるC量を除いた炭素当量の値(Ceq)を、0.3%以上0.6%未満(好ましくは0.3%以上0.4%未満)に限定したのは、焼入れ性を高めるためである。即ち、C量を除いた炭素当量の値(Ceq)が0.3%未満では結晶粒の微細化を十分にはかることができず、他方、0.6%以上では、焼入れ性が過大となって、降伏応力と引張強さが過度に高くなり、靭性の改善効果が得られないためである。なおここで、炭素当量として、C量を除いた炭素当量の値(Ceq)としたのは、残留オーステナイトの炭素濃度にはCが影響しないためである。
本発明において、前記焼入れ性及び切欠き疲労強度を改善するためには、その他の成分を下記の通り制御する必要がある。
・C:0.1〜0.7%
Cは高強度を確保し、かつ、残留オーステナイトを確保するために必須の元素である。より詳しくは、オーステナイト中のCを確保し、室温でも安定した残留オーステナイトを残存させて、延性及び耐衝撃特性を高めるのに有効であるが、0.1%未満ではその効果が十分に得られず、他方、添加量を増すと残留オーステナイト量が増加して高い延性及び耐衝撃特性が得られる。しかし、0.7%を超えると、その効果が飽和するのみならず、中心偏析等による欠陥等が発生し、耐衝撃特性を劣化するため、上限を0.7%に限定した。
・Si:2.5%以下(0%を含まない)
Siは酸化物生成元素であるので、過剰に含まれると耐衝撃特性を劣化させるため添加量を2.5%以下とした。
・Mn:0.5〜2%
Mnは、オーステナイトを安定化し、規定量の残留オーステナイトを得るために必要な元素である。この様な作用を有効に発揮させるためには、0.5%以上(好ましくは0.7%以上、より好ましくは1%以上)添加することが必要である。しかし、過剰に添加すると、鋳片割れが生じるなどの悪影響が出るので、2%以下とした。
・Al:1.5%以下
AlはSiと同様に炭化物の析出を抑制する元素であるが、AlはSiよりもフェライト安定能が強いので、Al添加の場合には変態開始がSi添加の場合よりも速くなり、極短時間の保持(鍛造等)においてもオーステナイト中にCが濃化されやすい。そのため、Al添加を行った場合には、オーステナイトをより安定化させることができ、結果として生成したオーステナイトのC濃度分布が高濃度側にシフトする上、生成する残留オーステナイト量が多くなって、高い衝撃特性を示すようになる。しかしながら、1.5%を超える添加は、鋼のAc3変態点を上昇させ、実操業上好ましくないので、上限を1.5%に規定した。
又、Cr、Mo、Niは、鋼の強化元素として有用であると共に、残留オーステナイト(γR)の安定化や所定量の確保に有効な元素であるのみならず、鋼の焼入れ性の向上にも有効な元素であるが、焼入れ性の向上効果を十分に発揮させるためにはCr:2.0%以下、Mo:0.5%以下、Ni:1.0%以下を合計で2.0%以下含有させる必要がある。その理由は、Cr、Mo、Niの合計含有量が2.0%を超えると焼入れ性は高くなるが、残留オーステナイトの炭素濃度が0.7mass%より低くなり、不安定となるためである。
一方、Bは、Cr、Mo等と同様に鋼の焼入れ性の向上に有効な元素であるが、必ずしも必須成分とするものではない。本発明では、焼入れ性及び切欠き疲労強度をさらに改善するためにBを0.005%以下添加することとした。Bは、Cr、Mo等と同様に鋼の焼入れ性の向上に有効な元素であるが、残留オーステナイトの炭素濃度を低くしない効果がある。又、切欠き疲労強度を低下させずに焼入れ性を高め、コストを低く抑えるためには、0.005%以下が好ましい。なお、Bは他の添加成分と異なり、結晶粒内に入らず粒界に偏析するため、B添加のものは他の成分の添加のものより圧延等の加工性に優れている。
なお、鋼材にNb、Ti、Vの内1種類又は2種類以上を合計で0.01〜0.3%含有させるのは、オーステナイト単相域及び概ねフェライトとオーステナイトの2相域温度で焼鈍、更には鍛造等の塑性加工の両方を行った後、所定温度で焼戻し処理を施すことにより、母相組織が焼戻しラス状マルテンサイト(AM)を75vol%以上と、第2相組織が残留オーステナイト(RA)を5〜25vol%、フェライト、焼鈍ベイナイト、マルテンサイトを合計で5vol%以下の金属組織、ひいては所望の特性を容易に確保するためである。
ここで、母相組織を焼戻しラス状マルテンサイト(AM)が75vol%以上としたのは、高強度を有するマルテンサイト鋼にTRIP効果を付加したTRIP型焼鈍マルテンサイト鋼を得るためである。
又、第2相組織を残留オーステナイト(RA)が5〜25vol%以上、フェライト、焼鈍ベイナイト、マルテンサイトが合計で5vol%以下としたのは、以下に記載する理由による。
本発明の高強度鋼製加工品は、母相組織として前記焼戻しラス状マルテンサイト(AM)を75vol%以上を有すると共に、第2相組織として残留オーステナイト(RA)、フェライト、焼鈍ベイナイト、マルテンサイトを金属組織として含む。この第2相組織の中で、残留オーステナイトは全伸びの向上に有効であり、又、塑性誘起マルテンサイト変態によるき裂抵抗となることで耐衝撃特性の向上にも有効であるが、該残留オーステナイトが5vol%未満ではTRIP効果が有効に発揮されず、他方、25vol%を超えると残留オーステナイト中のC濃度が低くなり、不安定な残留オーステナイトとなり前記効果を十分発揮することができないため、残留オーステナイトを5〜25vol%とした。又、フェライト、焼鈍ベイナイト、マルテンサイト合計で5vol%以下としたのは、高い引張強度を確保するためである。
次に、本発明の高強度鋼製加工品の製造方法は、上記成分組成を満たす鋼材を使用し、該鋼材をAc3点以上の温度域で所定時間保持し、該温度域で塑性加工を施した後、所定の平均冷却速度(10〜50℃/s)でMf点以下まで冷却し、次いで該鋼材を760〜820℃に加熱し、該温度域で500〜2000秒(好ましくは750〜1500秒)保持し、さらに所定の平均冷却速度(2〜20℃/s)で350〜400℃まで冷却し、該温度域で100〜5000秒(好ましくは500〜1500秒)保持する工程を含むことを特徴とするものであるが、該熱処理条件を規定したのは以下に示す理由による。
まず、鋼材をAc3点以上の温度域で所定時間保持するのは、加熱温度を概ね2相域〜オーステナイト単相域温度とすることにより微細なマルテンサイト及び第2相組織を得ることができるからである。なお、加熱温度がAc3点未満では、微細なマルテンサイト及び第2相組織が満足に析出しないためである。又、上記温度域での保持時間としては、加熱手段に例えば高周波加熱を採用した場合には瞬時にAc3点以上の温度域に保持できるので、通常は1秒以上である。なお、その上限は特に限定されないが、生産性を考慮すると約30分程度である。
上記塑性加工としては、鍛造加工、押出加工、穿孔加工、又はロール成形による伸管加工が挙げられるが、これらの加工における条件は、特に限定されず、通常行われている方法で行えばよい。
次に、本発明では上記塑性加工後、所定の平均冷却速度、好ましくは10〜50℃/sの平均冷却速度でMf点以下まで冷却して焼入れするが、好ましい平均冷却速度を10℃/s〜50℃/sとしたのは、パーライトの生成を抑制するためである。又、焼戻し条件として、760〜820℃に加熱するのは、760℃未満では二相組織とならず、他方、820℃を超える温度では残留オーステナイトの体積率と炭素濃度が低くなるためである。さらに、前記760〜820℃の温度域に保持する時間を500〜2000秒、好ましくは750〜1500秒としたのは、保持時間が500秒未満では残留オーステナイトへの炭素濃化が十分に生じず、他方、2000秒を超えると残留オーステナイトがセメンタイトとフェライトに分解してしまうためである。さらに又、前記760〜820℃の温度域に保持後、所定の平均冷却速度、好ましくは2〜20℃/sの平均冷却速度で350〜400℃まで冷却し、該温度域で100〜5000秒、好ましくは500〜1500秒保持するのは、保持時間が100秒未満では残留オーステナイトの炭素濃度が低く、5000秒を超えると残留オーステナイトが分解し、セメンタイトが析出するとともに、残留オーステナイトの体積率が低下するためである。
本発明は、上記製造条件を採用して、例えばコモンレールや噴射管等の高圧燃料配管を製造する方法も規定する。
コモンレールや噴射管等の高圧燃料配管を製造する方法としては、前記成分組成を満たす鋼材を使用し、該鋼材をAc3点以上の温度域で所定時間(1秒以上)保持し、該温度域で塑性加工を施した後、所定の平均冷却速度(10〜50℃/s)でMf点以下まで冷却し、次いで該鋼材を760〜820℃に加熱し、該温度域で500〜2000秒(好ましくは750〜1500秒)保持し、さらに所定の平均冷却速度(2〜20℃/s)で350〜400℃まで冷却し、該温度域で100〜5000秒(好ましくは500〜1500秒)保持する工程を経た後、常温まで冷却し、その後、ガンドリル加工方法による管軸方向の穿孔加工、伸管加工、切断加工、端末加工、及び、機械加工を行う方法を採用することができる。
上記製造方法に用いる鋼材としては、ビレットや熱延丸棒等が挙げられるが、これらは常法通りに目的成分を満足する鋼を溶製し、スラブとした後、熱間のまま加工するか、又は一旦室温まで冷却したものを再度加熱した後に熱間加工を行って得られたものを用いればよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例によって制限を受けるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で変更・実施することは、全て本発明の技術的範囲に含まれる。
供試鋼には、表1に記載の成分組成からなる鋼種No.1、2、3、4、5、6、7(表中の単位は質量%であり、残部Fe及び不可避的不純物)からなるビレットをそれぞれ1250℃域まで再加熱後、熱間圧延を行い、酸洗後、機械加工して、直径13mmの4種類の丸棒鋼を用いた。鋼種No.1、2は基本鋼であり、鋼種No.3〜7には焼入れ性を改善するため、それぞれCr、Cr−Mo、Bが選択的に添加されている。これらの熱延丸棒鋼から、引張試験用(平行部直径5mm)と疲労試験用(平行部直径3mm)の平滑材と切欠き材(応力集中K=1.7)を加工し、母相をマルテンサイトとした後、780℃で1200秒のα+γ域焼鈍後、400℃で1000秒のオーステンパ処理を施してTAM鋼を製造した。又、比較のため、同じ熱延丸棒鋼を用いてTRIP型ベイニティックフェライト(TBF鋼)を製造した(オーステンパ処理条件:400℃、1000秒)。
本実施例における鋼種No.1〜7からなるTAM鋼とTBF鋼の引張特性と切欠き疲労強度特性及び切欠き感受性qの関係、硬度と切欠き疲労強度特性の関係をそれぞれ下記要領で調査し、その結果を表2及び表3と、図1〜図3にそれぞれ示す。
・引張特性:
引張試験は前記引張試験片を用い、試験機にはハードタイプ万能試験機(株式会社島津製作製 島津オートグラフ AG−10TD)を使用し、初期降伏挙動(0.2%耐力)を詳細に調査するため試験片平行部にひずみゲージ(ゲージ長さ10mm、共和電業株式会社製)を貼付した。試験温度は25℃、クロスヘッド速度は1mm/minとした。その結果を表2に示す。
・切欠き疲労強度特性:
疲労試験は前記疲労試験片を用い、試験機には多軸式荷重疲労試験機(東京衡機製造所株式会社製 PMF−10)を使用し、試験温度25℃、応力比R=0.1の引張−引張、周波数80Hzとした。その結果を図1〜図3に示す。
これらの結果より、以下のように考察することができる。
・TAM鋼とTBF鋼の比較:
(1).TAM鋼とTBF鋼において、平滑材の疲労限(FL)は共に降伏強度(YS)の増加に伴い増加したが、切欠き材の疲労限(FL)は降伏強度の増加に伴い減少した(図1)。
(2).TAM鋼とTBF鋼の疲労限の切欠き感受性qを比較したところ、それぞれ0.24〜0.54、0.51〜1.06の範囲にあり、TAM鋼はTBF鋼に比較して疲労限の切欠き感受性qが低いことが認められた(表2、図2)。なお、切欠き感受性qは下記式2により求めた値である。その際、応力集中係数については1.7を使用した。
[式2]
q=K−1/K−1
:応力集中係数
:疲労切欠き係数(=FL/FL
・TAM鋼の切欠き疲労強度に及ぼす合金元素の影響:
(1).TAM鋼に限れば、特に鋼種No.5と鋼種No.6の材料はBの添加により鋼種No.1(基本鋼)及び鋼種No.2(基本鋼)より高い降伏強度を示した。又、これに起因して、鋼種No.1及び鋼種No.2の材料よりも高い平滑疲労限と切欠き疲労限を示した(図1)。しかし、切欠き疲労強度比(FL/FL)は鋼種No.1及び鋼種No.2の材料より低く、疲労限の切欠き感受性qの値は鋼種No.1及び鋼種No.2の材料より高い値を示した。
(2).TAM鋼において、鋼種No.5及び鋼種No.6の材料では、鋼種No.1及び鋼種No.2の材料より残留オーステナイトの体積率が高いが、その炭素濃度は低い(表3)。したがって、残留オーステナイトの安定性の低下が疲労限の切欠き感受性qを高くした一つの要因と考えられる。
(3).TAM鋼において、平滑試験片の疲労限(FL)はTBF鋼より低いが、切欠きを有する試験片の疲労限(FL)は、TBF鋼と同程度を示した(図3)。
・TAM鋼の金属組織:
(1).Bを添加したTAM鋼では、母相を焼鈍マルテンサイトとし、第2層をフィルム状残留オーステナイトγR とした微細・均一な組織が得られた。一方、Bを添加せず、Cr又はCr−Moを添加したTAM鋼では、第2層の一部がブロック状となっていることが確認された。
Figure 0005778903
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表1の鋼種No.4からなるビレットを1250℃の温度に再加熱後、熱間圧延を行い、酸洗後、当該温度域で鍛造加工を施した後、該鋼材を150℃以下まで冷却し、母相をマルテンサイトとした後、該鋼材を780℃で1200秒の焼鈍処理後、400℃で1000秒のオーステンパ処理を施し、常温まで冷却した後、得られたTAM鋼の鋼材に、ガンドリル加工、切断加工、及び、機械加工等を施してディーゼルエンジン用コモンレールを得た。
表1の鋼種No.5からなるビレットを1250℃の温度に再加熱後、熱間圧延を行い、酸洗後、当該温度域で塑性加工を施した後、該鋼材を150℃以下まで冷却し、母相をマルテンサイトとした後、該鋼材を780℃で1200秒の焼鈍処理後、400℃で1000秒のオーステンパ処理を施し、常温まで冷却した後、得られたTAM鋼の鋼材に、ガンドリル加工、伸管加工、切断加工、端末加工、及び、機械加工等を施してディーゼルエンジン用高圧燃料噴射管を得た。
表1の鋼種No.6からなるビレットを1250℃の温度に再加熱後、熱間圧延を行い、酸洗後、当該温度域で鍛造加工を施した後、該鋼材を150℃以下まで冷却し、母相をマルテンサイトとした後、該鋼材を800℃で1000秒の焼鈍処理後、380℃で1000秒のオーステンパ処理を施し、常温まで冷却した後、得られたTAM鋼の鋼材に、ガンドリル加工、切断加工、及び、機械加工等を施してディーゼルエンジン用コモンレールを得た。
表1の鋼種No.7からなるビレットを1250℃の温度に再加熱後、熱間圧延を行い、酸洗後、当該温度域で塑性加工を施した後、該鋼材を150℃以下まで冷却し、母相をマルテンサイトとした後、該鋼材を800℃で1000秒の焼鈍処理後、380℃で1000秒のオーステンパ処理を施し、常温まで冷却した後、得られたTAM鋼の鋼材に、ガンドリル加工、伸管加工、切断加工、端末加工、及び、機械加工等を施してディーゼルエンジン用高圧燃料噴射管を得た。
上記実施例2、4のディーゼルエンジン用コモンレール、実施例3、5のディーゼルエンジン用高圧燃料噴射管は、いずれも高強度でありながら高切欠き疲労強度を得ることができ、部品の小型・軽量化がはかられることが確認された。
本発明は、CrとMoの複合添加又はB添加により焼入れ性を改善し、かつ残留オーステナイトの炭素濃度を0.7〜1.5mass%に保ち、C量を除いた炭素当量を適正値に設定した鋼材を用い、焼鈍後、オーステンパ処理を施すことにより、加熱温度や、加工率(鍛造加工率や圧延加工率等)等によらず、高温鍛造時や低温鍛造時の問題がなく、高切欠き疲労強度を有する低合金TRIP型焼鈍マルテンサイト鋼(TAM鋼)からなる高強度鋼製加工品を提供できるので、ディーゼルエンジン用コモンレールや高圧噴射管等の各種自動車部品への適用がより一層期待できる。

Claims (1)

  1. C:0.1〜0.7%(質量%の意味、以下同じ)、Si:2.5%以下(0%を含まない)、Mn:0.5〜2%、Al:1.5%以下、Nb、Ti、Vの内1種類又は2種類以上を合計で0.01〜0.3%、Cr:2.0%以下、Mo:0.5%以下、Ni:1.0%以下、Cr、Mo、Niを合計で2.0%以下、B:0.005%以下、を含有し、母相組織が焼戻しラス状マルテンサイト(AM)を75vol%以上と、第2相組織が残留オーステナイト(RA)を5〜25vol%、フェライト、焼鈍ベイナイト、マルテンサイトを合計で5vol%以下、かつ残留オーステナイトの炭素濃度が0.7〜1.5mass%であり、さらに、下記式により規定される、炭素当量(Ceq)からC量を除いた値(Ceq*)が0.3%以上0.6%未満で、残部Fe及び不可避的不純物からなる切欠き疲労強度に優れた高強度鋼製加工品の製造方法であって、前記の成分組成を満たす鋼材を使用し、該鋼材をAc3点以上の温度域で1秒以上保持し、該温度域で塑性加工を施した後、10〜50℃/sの平均冷却速度でMf点以下まで冷却し、次いで該鋼材を760〜820℃に加熱し、該温度域で500〜2000秒保持し、さらに2〜20℃/sの平均冷却速度で350〜400℃まで冷却し、該温度域で100〜5000秒保持する工程を含むことを特徴とする切欠き疲労強度に優れた高強度鋼製加工品の製造方法。

    Ceq*=Ceq−C=Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
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