JP2007229018A - 遊技機及び遊技機における不正行為の検知方法並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 スイッチなどを追加することなくコストの増大を抑えつつワイヤハーネスやメイン基板の交換を検出する。
【解決手段】 CPUにより電源断時にメイン基板とサブ基板を接続するワイヤハーネスにより供給される信号を監視し(S2)、当該信号が失われたときにRAMにその旨を書き込む(S3〜S5)。電源投入時にRAMの内容をチェックすることで、前記ワイヤハーネスが外されたかどうか、すなわちメイン基板が外されたかどうか検知することができる。メイン基板等が外されたと判定されたとき、エラー報知を行ったり、遊技を停止することで不正行為を抑止することができる。
【選択図】 図4
【解決手段】 CPUにより電源断時にメイン基板とサブ基板を接続するワイヤハーネスにより供給される信号を監視し(S2)、当該信号が失われたときにRAMにその旨を書き込む(S3〜S5)。電源投入時にRAMの内容をチェックすることで、前記ワイヤハーネスが外されたかどうか、すなわちメイン基板が外されたかどうか検知することができる。メイン基板等が外されたと判定されたとき、エラー報知を行ったり、遊技を停止することで不正行為を抑止することができる。
【選択図】 図4
Description
この発明は、スロットマシンなどの遊技機及び遊技機における不正行為の検知方法並びに当該方法をCPUに実行させるためのプログラムに関し、特に、メイン基板の不正な交換を防止するための技術に関する。
パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるパチンコ機やスロットマシン等の遊技機は、パチンコ球やメダル等の遊技媒体に一定の価値が与えられて、ゲームを行って獲得した遊技媒体を種々の景品に交換することができる。遊技機には、その筐体内部に、遊技媒体の供給に基づいて作動させるランプ装置や音声発生装置などの様々な各種駆動装置及びこれら駆動装置を制御させるために対応させた制御回路装置を備えており、遊技者が遊技を行う際にこれらを適宜作動させることによって遊技を興趣に溢れたものとしている。また、近年では、所定の識別情報(図柄)を変動表示し得るリール表示装置または液晶画像表示装置等の図柄可変表示装置を内蔵し、所定条件を満たしたときに識別情報を変動させた後に停止表示させるように図柄可変表示装置を作動させるものが主流となっている。これらの装置は制御回路装置によって制御されている。
最近の遊技機の内部に配設されている制御回路装置は、基板上に設けられたCPU(central processing unit)が、制御プログラムに従って電子制御を行うものが一般的である。制御プログラムは、マスクROM(read only memory)のような基板上に装着されたICチップにデータとして記憶されており、CPUは、遊技状態に応じてICチップから制御プログラムのデータを逐次読み出して実行することによって制御を行っている。
遊技場に設置される遊技機は、制御プログラムが不正に改変されないよう管理されており、制御回路装置(メイン基板)を収納ケースに収納し、その収納ケースを、本体枠の所定部材に組み付けるなどして、メイン基板及び制御プログラムを記憶するROMが不正に交換されないように配慮がなされている。さらに、ROMには封印シールが貼付されるなどして、装着されている基板上から容易に外すことができないようになっている。
しかしながら、上記のようにメイン基板をケースに収納したり、ROMに封印シールを貼付するようにしても、メイン基板やROMの不正な交換は後を絶たない。
特許文献1では、カバーの開放を検出し報知するために、当該カバーにスイッチを備えていた。メイン基板の交換の前に必ずカバーを開ける必要があることから、特許文献1によれば、当該スイッチの出力に基づきメイン基板の交換を確実に検知できるものの、当該スイッチを設けるためにコストが増大するという問題があった。
この発明は上記課題を解決することを目的になされたもので、スイッチなどの部品を追加する必要がなく、コストの増大を抑えつつメイン基板の不正な交換を検出し報知できる遊技機及び遊技機における不正行為の検知方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
この発明は、遊技に係る抽選処理を行うメイン基板と、前記メイン基板からコマンド信号を受けて演出処理を行うサブ基板と、前記メイン基板と前記サブ基板を電気的に接続するワイヤハーネスとを備える遊技機において、
前記メイン基板は、少なくとも電源断のときに信号を供給する信号源を備え、
前記サブ基板は、電源断時に電力を供給するためのバックアップ電源と、電源断時に前記バックアップ電源から電力の供給を受ける処理部及び記憶部と、を備え、
少なくとも電源断のときに、前記メイン基板の前記信号源から前記サブ基板へ前記ワイヤハーネスを通して信号が供給され、
前記処理部は、少なくとも電源断のときに前記メイン基板からの前記信号を監視し、前記信号の供給がなくなったとき、前記バックアップ電源の電力により前記記憶部に予め定められたフラグを書き込む処理を実行し、
前記記憶部は、前記バックアップ電源の電力により前記フラグを保持し、
前記処理部は、電源投入時に前記記憶部の内容を調べ、前記フラグが書き込まれていたときに、異常と判定するものである。
前記メイン基板は、少なくとも電源断のときに信号を供給する信号源を備え、
前記サブ基板は、電源断時に電力を供給するためのバックアップ電源と、電源断時に前記バックアップ電源から電力の供給を受ける処理部及び記憶部と、を備え、
少なくとも電源断のときに、前記メイン基板の前記信号源から前記サブ基板へ前記ワイヤハーネスを通して信号が供給され、
前記処理部は、少なくとも電源断のときに前記メイン基板からの前記信号を監視し、前記信号の供給がなくなったとき、前記バックアップ電源の電力により前記記憶部に予め定められたフラグを書き込む処理を実行し、
前記記憶部は、前記バックアップ電源の電力により前記フラグを保持し、
前記処理部は、電源投入時に前記記憶部の内容を調べ、前記フラグが書き込まれていたときに、異常と判定するものである。
前記サブ基板は、前記バックアップ電源の出力電圧を監視し、これが予め定められた閾値よりも低くなったときに信号を出力する電圧低下検出器を備え、
前記処理部は、少なくとも電源断のときに前記電圧低下検出器の出力を監視し、前記電圧低下検出器から信号が出力されたとき、前記バックアップ電源の電力により前記記憶部に予め定められたフラグを書き込む処理を実行するようにしてもよい。
前記処理部は、少なくとも電源断のときに前記電圧低下検出器の出力を監視し、前記電圧低下検出器から信号が出力されたとき、前記バックアップ電源の電力により前記記憶部に予め定められたフラグを書き込む処理を実行するようにしてもよい。
前記処理部は、前記記憶部に前記フラグが書き込まれていたときに、警報を発生して異常を報知することが好ましい。
前記処理部は、予め定めた時間よりも長く前記警報を継続したときに、前記警報を停止するとともに前記記憶部の前記フラグを消去するようにしてもよい。
この発明は、遊技に係る抽選処理を行うメイン基板と、前記メイン基板からコマンド信号を受けて演出処理を行うサブ基板と、前記メイン基板と前記サブ基板を電気的に接続するワイヤハーネスとを備え、前記メイン基板は、少なくとも電源断のときに信号を供給する信号源を含み、前記サブ基板は、電源断時に電力を供給するためのバックアップ電源と、電源断時に前記バックアップ電源から電力の供給を受ける処理部及び記憶部とを含む遊技機において不正行為を検知する方法であって、
少なくとも電源断のときに、前記メイン基板から前記サブ基板へ前記ワイヤハーネスを通して供給される信号を監視するステップと、
前記信号の供給がなくなったとき、前記記憶部に予め定められたフラグを書き込むステップと、
電源投入時に、前記記憶部の内容を調べるステップと、
前記記憶部に前記フラグが書き込まれていたときに、不正行為と判定するステップと、を備えるものである。
少なくとも電源断のときに、前記メイン基板から前記サブ基板へ前記ワイヤハーネスを通して供給される信号を監視するステップと、
前記信号の供給がなくなったとき、前記記憶部に予め定められたフラグを書き込むステップと、
電源投入時に、前記記憶部の内容を調べるステップと、
前記記憶部に前記フラグが書き込まれていたときに、不正行為と判定するステップと、を備えるものである。
この発明は、上記方法をコンピュータ(CPU)に実行させるためのものである。
この発明に係るプログラムは、例えば、記録媒体に記録されていてもよい。
媒体には、例えば、EPROMデバイス、フラッシュメモリデバイス、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD−ROM、Video−CDを含む)、DVD(DVD−Video、DVD−ROM、DVD−RAMを含む)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。
この発明に係るプログラムは、例えば、記録媒体に記録されていてもよい。
媒体には、例えば、EPROMデバイス、フラッシュメモリデバイス、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD−ROM、Video−CDを含む)、DVD(DVD−Video、DVD−ROM、DVD−RAMを含む)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。
媒体とは、何等かの物理的手段により情報(主にデジタルデータ、プログラム)が記録されているものであって、コンピュータ、専用プロセッサ等の処理装置に所定の機能を行わせることができるものである。
本発明によれば、処理部により電源断時にメイン基板とサブ基板を接続するワイヤハーネスによりメイン基板から供給される信号を監視し、当該信号が失われたときに記憶部にその旨を書き込み、電源投入時に記憶部の内容をチェックすることで、前記ワイヤハーネスが外されたかどうか、すなわちメイン基板が外されたかどうか検知することができる。メイン基板等が外されたと判定されたとき、エラー報知を行ったり、遊技を停止することで不正行為を抑止することができる。
この発明の実施の形態に係る遊技機について図面を参照して説明する。
図1は扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1は扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた扉130とを備えている。前記扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132のさらに下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回転リール136のそれぞれに対応して3つのストップボタン140を設けてある。扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。
図2はスロットマシン100の電気的な概略構造を示すブロック図である。この図において電源系統についての表示は省略されている。スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板1とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板2とを備える。なお、少なくともメイン基板1は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
メイン基板1は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、回転リール136の回転・停止やメダルの払い出しなどの処理を行うためのものである。メイン基板1は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板2は、メイン基板1からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板2は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板1からサブ基板2への一方のみであり、逆にサブ基板2からメイン基板1へコマンド等が出されることはない。
メイン基板1にはスタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)70,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82が接続されている。サブ基板2には液晶表示装置を制御する液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。
上述のように、メイン基板1及びサブ基板2は、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、CPU(処理部)が遊技者の操作を受けてROMに記憶されたプログラムを読み込むことで所定の動作を行う。具体的には、スタートスイッチ134及びストップボタン140の操作に基づきリールユニット70に内蔵される3つの回転リール136の回転及び停止を制御するとともに、ランプやスピーカ等の表示を制御する。CPUが動作する際に必要な一時的なデータなどはRAM(記憶部:一般にRAMは揮発性メモリであり、その電源断によりデータは原則失われるが、本遊技機においてはその一部又は全部についてバッテリなどのバックアップ電源が用意されており、この場合は電源断でもデータは失われない)に記憶される。CPUはROMに記録されたプログラムに従って所定の動作を行うとともに、処理に必要な一時的なデータをRAMに記録するとともに記録されたデータを必要に応じて読み出して参照する。
スロットマシンで遊技を楽しもうとする遊技者は、まずメダル貸機(図示しない)等から遊技媒体であるメダルを借り、メダル投入装置のメダル投入口132に直接メダルを入れることができる。スタートスイッチ134は回転リール136の斜め下方に位置するレバーであって、遊技メダルの投入を条件に、リールユニット70の駆動を開始させる。リールユニット70は、ストップボタン140によりその駆動が停止される。リールユニット70は、三個の回転リール136から構成されている。そして、各回転リール136は、合成樹脂等からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、複数個(例えば21個)の図柄が表示されている。
本発明の実施の形態に係るメイン基板1とサブ基板2の接続図を図3に示す。同図は本発明の実施の形態の動作を説明するために必要な部分(バックアップ電源の系統とメイン基板1、ワイヤハーネスWHからサブ基板2のCPU2dまでの常時供給微弱電源の系統)のみを示し、それ以外の部品やアドレス信号やデータ信号の表示を省略している。
図3に示された各要素について説明を加える。
2bは電源切断時に電力を供給するためのバックアップ電源である。バックアップ電源2bは、リチウム電池等の二次電池であるが、本発明は二次電池に限定されない。一次電池やコンデンサなどの蓄電器であってもよい。
2bは電源切断時に電力を供給するためのバックアップ電源である。バックアップ電源2bは、リチウム電池等の二次電池であるが、本発明は二次電池に限定されない。一次電池やコンデンサなどの蓄電器であってもよい。
2cはバックアップ電源2bから電力の供給を受けるRAM(記憶部)、2dは同じく電力の供給を受けるCPU(処理部)である。CPU2dはワイヤハーネスWHの取り外し、すなわちメイン基板1の交換を判定する判定部として機能する。CPU2dはRAM2cからデータ(フラグ)を読み出したり、RAM2cにデータ(フラグ)を書き込むことができる。CPU2dはサブ基板2の演出処理用のCPUと共用できるが、演出処理用のCPUと別個独立に設けることもできる。CPU2dはメイン基板1の交換の有無を判定する以外にも、バックアップ電源2bの劣化を判断することもある。
2eは基板の電源(直流電圧)VDDを受けてバックアップ電源2bに供給し充電を行うとともに、電源断のバックアップ時にバックアップ電源2bの電流が電源VDDに逆流しないようにするためのダイオードである。
2fはバックアップ電源2bの劣化(電圧低下)検出し、その出力に基づきCPU2dに割り込みをかけて所定の処理(後述)を行わせるための電圧低下検出器である。電圧低下検出器は半導体素子であって、電源電圧が予め定められた閾値よりも低下した時にこれを検出して信号(例えばリセット信号)を出力するICである。
図3において、電源(VDD)は、メイン基板1からサブ基板2へワイヤハーネスWHを通じて送られている。さらに、常時供給される微弱(少量)な電力がメイン基板1からサブ基板2へワイヤハーネスWHを通じて送られている。当該電力を供給する電源(常時供給微弱電源)は例えば電池(バックアップ電源2bと同様のものでよい)であり、遊技機の電源のオンオフに関係なく動作し、常に微弱な電力をサブ基板2へ送っている(正確には少なくとも電源オフのときに動作すればよい)。当該微弱な電力はサブ基板2のCPU2dの端子(割り込みをかけて所定の動作を行わせるためのもの)に入力されている。発明の実施の形態に係る遊技機は、メイン基板1からワイヤハーネスWHを経由して常時電力を送り、これをサブ基板2のCPU2dで監視する点に特徴がある。なお、電源(VDD)をワイヤハーネスWHとは別のワイヤハーネスを用いてサブ基板2に供給するようにしてもよい(図3の点線)。
次に、発明の実施の形態に係る装置/方法の動作について、図4〜図11を参照して説明を加える。
発明の実施の形態に係る装置/方法は、サブ基板2への電力供給(少なくとも上記微弱電力を常時供給すること)を、メイン基板1からワイヤハーネスWHを経由して行う。遊技機の電源断時でもサブ基板2には少量の電力を供給する。この電力は、バックアップ電源2bとは無関係の電力であり、またサブ基板2自身を駆動させるための電力ではない。この意味で「微弱電力」という用語を用いている。この電力の未供給状態をサブ基板2のCPU2dの割り込みの契機として利用する。すなわち、「微弱電源」は、CPU2dの割り込み信号に相当するものを供給するためのものであり、電子部品を駆動するためのものではなく、その点でむしろ「信号源」と呼ぶことができる。「微弱電源」又は「信号源」から供給されるものは、「電力又は信号」あるいは単に「信号」とも呼ぶことができる。
「微弱電力」、すなわち「電力又は信号」あるいは単に「信号」は、例えばCPU2dの割り込み端子(例えばINT0)に接続されるが、当該端子の入力インピーダンスが比較的高いためわずかな電流しか流れない。そのため、常時供給微弱電源、すなわち「信号源」(図示しない)は、比較的容量の小さな電池(バックアップ電池2bよりもその容量は小さくできる)を用いることもできる。あるいは図示しない電源部に「微弱電源」専用の電源装置を設けてもよい。本発明の実施の形態に係る装置/方法の要点は、「微弱電源」の発生源をどこに設けるかではなく、メイン基板1とサブ基板2を接続するワイヤハーネスWH(これには電源以外の信号線が設けられている)を経由して微弱な電流をサブ基板2に供給することである。そして、当該微弱な電流の変化を、CPU2dの割り込みの契機とすることである。
図4は、電源オフ時のサブ基板2のCPU2dの処理フローチャートを示す。
図7(a)は、遊技機の電源断時のタイミングチャートを示す。
図7(a)において電源スイッチがオンのとき、電源電圧は規定値である(期間P1)。期間P1では、図8の太線で示すように、ダイオード2eを経由して電源VDDがCPU2dやRAM2cに供給されるとともにバックアップ電源2bを充電している。
図7(a)は、遊技機の電源断時のタイミングチャートを示す。
図7(a)において電源スイッチがオンのとき、電源電圧は規定値である(期間P1)。期間P1では、図8の太線で示すように、ダイオード2eを経由して電源VDDがCPU2dやRAM2cに供給されるとともにバックアップ電源2bを充電している。
電源スイッチがオンからオフにされたとき(時刻T1)、図7(a)に示すようにサブ基板2等に供給される電源電圧はすぐには低下せず、電源スイッチのオフからしばらく時間が経ってから電源電圧がゼロになる(時刻T2)。この間(期間P2)でサブ基板2のCPU等は所定の処理を行うことができる。電源スイッチがオンからオフにされたとき(時刻T1)の直後にその旨を示す電源断信号が有効になるので、CPU2dは電源断信号を契機に電源終了時の処理を実行することができる。その後の期間P3で、CPU2dはスリープモード(非使用時に自動的に消費電力を抑えるための状態、プログラムの実行が休止状態にある)に突入する(図4のS1)。
図7(b)は、遊技機の電源断が継続している時のタイミングチャートを示す。この期間P3では、電源スイッチはオフで、電源電圧はゼロである。
電源VDDの電圧が低下すると、図9の太線で示すように、CPU2d及びRAM2cに対してバックアップ電源2bから電力が供給される。サブ基板2にはバックアップ電源2bが実装されているため、遊技機の電源がオフになったとき、上記のようにサブ基板2のCPU2dはスリープモードに突入するが、全く動作を行うことができないわけではない。また、電源断の間でもバックアップ電池2bによりRAM2cのデータは保存される。
メイン基板を交換するためには、メイン基板1とサブ基板2を接続しているワイヤハーネスWHを外す必要がある。図7(b)の時刻T21でワイヤハーネスWHが取り外され、同じく時刻T22でワイヤハーネスWHが再び接続されたとする。ワイヤハーネスWHを外すとそれによる接続が失われるので、当然にワイヤハーネスWHでサブ基板2へ送られる常時供給微弱電源による電力の供給が完全に絶たれる。図10はその状態を示し、CPU2dに対する割り込み信号線の点線表示と、×印がそのことを意味する。
ワイヤハーネスWHを外したタイミング(時刻T21)で、サブ基板2のCPU2dに対する割り込みが発生する。時刻T21で電流が完全に停止すると、CPU2dの端子に流れ込んでいた少量の電流がゼロになる。その結果、当該端子の電圧が低下することで、CPU2dに割り込みがかけられる(当該端子の電圧をゼロに近づけるように、当該端子を抵抗を介して接地したり、適当なバイアスをかけるとよい)。そして、図4のS3〜S5の処理が実行される。すなわち、図4のS2でYESと判定され、サブ基板2のCPU2dはバックアップ電源2bの電力を利用して動作を開始し(S3)、サブ基板2のRAM2cにハーネス断線を示すフラグを書き込み(S4)、その後再度スリープ状態に突入する(S5)。なお、一度割り込みがかけられると、その後ワイヤハーネスWHの接続が復旧しても図4のS3〜S5の処理が停止されることはない。
上述の処理により、サブ基板2側のRAM2cにワイヤハーネスWHが断線した旨の記録(フラグ)が残される。これにより、サブ基板2のCPU2dは次回電源投入時(起動時)にRAM2cの内容からワイヤハーネスWHの断線を検知できる。
図7(c)は、遊技機の電源が投入されたときのタイミングチャートを示す。
電源スイッチが時刻T3にオンになると電源電圧が上昇し速やかに規定値に達する(期間P4)。その際(電源電圧の上昇時)に通常はリセット信号が発生し、その後の期間においてCPU4dは初期動作を開始する。初期動作のひとつとして図5の処理を行う。
電源スイッチが時刻T3にオンになると電源電圧が上昇し速やかに規定値に達する(期間P4)。その際(電源電圧の上昇時)に通常はリセット信号が発生し、その後の期間においてCPU4dは初期動作を開始する。初期動作のひとつとして図5の処理を行う。
図5は、電源オン時のサブ基板2のCPU2dの処理フローチャートを示す。
スープモードを解除し(S11)、RAM2cのフラグをチェックする(S12)。フラグがセットされていたときはワイヤハーネスWHの断線(取り外し)があったと判定し(S13でYES)、警報を発生し、その報知を行う(S14)。例えば、エラー信号を発生し、それを、遊技機を管理する図示しないホールコンピュータへ送るとともに、スピーカー基板201へ信号を送りスピーカーを鳴動させ、音響による警報を行う。さらに、液晶表示基板200へ信号を送りエラー発生のメッセージを表示させ、LED基板202へ信号を送りアーチランプなどを点滅させる。このような警報は非常に目立つので、ホールの係員が直ちに知ることになる。S14の警報発生・報知は予め定められた所定時間が経過するまで継続する(S15)。その後、警報を停止し、RAM2cの当該フラグをリセットする(S16)。ワイヤハーネスWHの取り外しを検知した後、一定時間警告を発生しているので、警報発生してから遊技機の電源を再度断にし復帰を行っても継続して警報を発生する。上記S14〜S16の処理により、遊技機の電源断によってはRAM2cのフラグを初期化できない。こうすることで、不正行為を発見しやすくなる。
スープモードを解除し(S11)、RAM2cのフラグをチェックする(S12)。フラグがセットされていたときはワイヤハーネスWHの断線(取り外し)があったと判定し(S13でYES)、警報を発生し、その報知を行う(S14)。例えば、エラー信号を発生し、それを、遊技機を管理する図示しないホールコンピュータへ送るとともに、スピーカー基板201へ信号を送りスピーカーを鳴動させ、音響による警報を行う。さらに、液晶表示基板200へ信号を送りエラー発生のメッセージを表示させ、LED基板202へ信号を送りアーチランプなどを点滅させる。このような警報は非常に目立つので、ホールの係員が直ちに知ることになる。S14の警報発生・報知は予め定められた所定時間が経過するまで継続する(S15)。その後、警報を停止し、RAM2cの当該フラグをリセットする(S16)。ワイヤハーネスWHの取り外しを検知した後、一定時間警告を発生しているので、警報発生してから遊技機の電源を再度断にし復帰を行っても継続して警報を発生する。上記S14〜S16の処理により、遊技機の電源断によってはRAM2cのフラグを初期化できない。こうすることで、不正行為を発見しやすくなる。
なお、S14で警報を発生した後は、別途、リセット等の予め定められた操作を行わない限り遊技の実行が不可能になるようにしてもよい。リセットスイッチは施錠された遊技機筐体の内部に設けられていて、ホールの係員以外は操作できないようになっている。
また、例えばホールコンピュータによって解除しない限り、遊技の実行が不可能になるようにしてもよい。
さらに、上記発明の実施の形態では、遊技制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202に信号を送ることによって警報発生・報知を行うようにしたが、例えばスロットマシンの島設備(複数のスロットマシンが集合して配置されたもの及びそこに設けられた装置のことを言う)に設けられている大当たり回数等を表示する図示しない表示器に信号を送り、警報発生・報知を行ってもよい。
また、例えばホールコンピュータによって解除しない限り、遊技の実行が不可能になるようにしてもよい。
さらに、上記発明の実施の形態では、遊技制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202に信号を送ることによって警報発生・報知を行うようにしたが、例えばスロットマシンの島設備(複数のスロットマシンが集合して配置されたもの及びそこに設けられた装置のことを言う)に設けられている大当たり回数等を表示する図示しない表示器に信号を送り、警報発生・報知を行ってもよい。
また、バックアップ電源2bが劣化して電圧が低下したときに、警報を発するようにしてもよい。図6は、電圧低下を検出したときのCPU2dの処理フローチャートを示す。図11はその説明図である。
バックアップ電源2bの電圧が図11の太い点線で示されるように、電圧低下検出器2fに供給されている。電圧低下検出器2fは、例えば内部に基準電圧源を備えるコンパレータであり、バックアップ電源2bの出力が所定の閾値(例えば規定電圧値の90%)よりも下がったときに信号を出力するものである。バックアップ電源2bが劣化すると徐々に電圧が低下していく。時間が経つにつれて低下の割合が大きくなるが、いきなりゼロになることはない。残された電力で以下に述べる処理を実行することは可能である。
バックアップ電源2bの電圧が低下すると電圧低下検出器2fがそれを検出して、CPU2dに対して割り込み信号を出力する(図6のS22でYES)。その結果、CPU2dに割り込みがかけられる。そして、図6のS23〜S25の処理が実行される。すなわち、サブ基板2のCPU2dはバックアップ電源2bの電力(まだ完全に失われていない)を利用して動作を開始し(S23)、サブ基板2のRAM2cにバックアップ電源の劣化を示すフラグを書き込み(S24)、その後再度スリープ状態に突入させる(S25)。なお、一度割り込みがかけられると、その後割り込み信号がなくなっても図6の処理が停止されることはない。
上述の処理により、サブ基板2側にバックアップ電源2bが劣化した旨の記録(フラグ)が残される。これにより、サブ基板2のCPU2dは次回起動時にRAM2cの内容からバックアップ電源2bの劣化を検知できる。バックアップ電源2bが劣化すると、電源断の期間中にバックアップ電源2bからの電力で上述の処理を実行できなくなる。バックアップ電源2bの劣化を検知しこれを報知する機能を備えないと、バックアップ電源2bが劣化したために不正行為が行われてもこれを検知することができない状態にあるにもかかわらず、そのまま放置されるおそれがある。これでは本発明の実施の形態に係る装置/方法は機能せず、ホール係員の信頼を損なうことにもなりかねない。したがって、上述のようにバックアップ電源を監視し、それが劣化したときは速やかに交換するようにホール係員に促すことが望ましい。
バックアップ電源2dの劣化を報知するための電源オン時の動作は、前述の図5の処理フローチャートと同じであるので、その説明は省略する。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
1 メイン基板
2 サブ基板
2b バックアップ電源
2c RAM(記憶部)
2d CPU(処理部)
2e ダイオード
2f 電圧低下検出器
70 リールユニット
71 リール位置検出回路
80 ホッパ駆動部
81 ホッパ
82 メダル検出部
100 スロットマシン
120 スロットマシン本体
130 扉
131 ゲーム表示部
132 メダル投入口
133 リジェクトボタン
134 スタートスイッチ
135 払出し口
136 回転リール
140 ストップボタン
200 液晶制御基板
201 スピーカ基板
202 LED基板
WH ワイヤハーネス(ハーネス)
2 サブ基板
2b バックアップ電源
2c RAM(記憶部)
2d CPU(処理部)
2e ダイオード
2f 電圧低下検出器
70 リールユニット
71 リール位置検出回路
80 ホッパ駆動部
81 ホッパ
82 メダル検出部
100 スロットマシン
120 スロットマシン本体
130 扉
131 ゲーム表示部
132 メダル投入口
133 リジェクトボタン
134 スタートスイッチ
135 払出し口
136 回転リール
140 ストップボタン
200 液晶制御基板
201 スピーカ基板
202 LED基板
WH ワイヤハーネス(ハーネス)
Claims (6)
- 遊技に係る抽選処理を行うメイン基板と、前記メイン基板からコマンド信号を受けて演出処理を行うサブ基板と、前記メイン基板と前記サブ基板を電気的に接続するワイヤハーネスとを備える遊技機において、
前記メイン基板は、少なくとも電源断のときに信号を供給する信号源を備え、
前記サブ基板は、電源断時に電力を供給するためのバックアップ電源と、電源断時に前記バックアップ電源から電力の供給を受ける処理部及び記憶部と、を備え、
少なくとも電源断のときに、前記メイン基板の前記信号源から前記サブ基板へ前記ワイヤハーネスを通して信号が供給され、
前記処理部は、少なくとも電源断のときに前記メイン基板からの前記信号を監視し、前記信号の供給がなくなったとき、前記バックアップ電源の電力により前記記憶部に予め定められたフラグを書き込む処理を実行し、
前記記憶部は、前記バックアップ電源の電力により前記フラグを保持し、
前記処理部は、電源投入時に前記記憶部の内容を調べ、前記フラグが書き込まれていたときに、異常と判定することを特徴とする遊技機。 - 前記サブ基板は、前記バックアップ電源の出力電圧を監視し、これが予め定められた閾値よりも低くなったときに信号を出力する電圧低下検出器を備え、
前記処理部は、少なくとも電源断のときに前記電圧低下検出器の出力を監視し、前記電圧低下検出器から信号が出力されたとき、前記バックアップ電源の電力により前記記憶部に予め定められたフラグを書き込む処理を実行することを特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 前記処理部は、前記記憶部に前記フラグが書き込まれていたときに、警報を発生して異常を報知することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
- 前記処理部は、予め定めた時間よりも長く前記警報を継続したときに、前記警報を停止するとともに前記記憶部の前記フラグを消去することを特徴とする請求項3記載の遊技機。
- 遊技に係る抽選処理を行うメイン基板と、前記メイン基板からコマンド信号を受けて演出処理を行うサブ基板と、前記メイン基板と前記サブ基板を電気的に接続するワイヤハーネスとを備え、前記メイン基板は、少なくとも電源断のときに信号を供給する信号源を含み、前記サブ基板は、電源断時に電力を供給するためのバックアップ電源と、電源断時に前記バックアップ電源から電力の供給を受ける処理部及び記憶部とを含む遊技機において不正行為を検知する方法であって、
少なくとも電源断のときに、前記メイン基板から前記サブ基板へ前記ワイヤハーネスを通して供給される信号を監視するステップと、
前記信号の供給がなくなったとき、前記記憶部に予め定められたフラグを書き込むステップと、
電源投入時に、前記記憶部の内容を調べるステップと、
前記記憶部に前記フラグが書き込まれていたときに、不正行為と判定するステップと、を備える遊技機における不正行為の検知方法。 - 遊技に係る抽選処理を行うメイン基板と、前記メイン基板からコマンド信号を受けて演出処理を行うサブ基板と、前記メイン基板と前記サブ基板を電気的に接続するワイヤハーネスとを備え、前記メイン基板は、少なくとも電源断のときに信号を供給する信号源を含み、前記サブ基板は、電源断時に電力を供給するためのバックアップ電源と、電源断時に前記バックアップ電源から電力の供給を受けるCPU及び記憶部とを含む遊技機において不正行為を検知する方法を前記CPUに実行させるプログラムであって、
少なくとも電源断のときに、前記メイン基板から前記サブ基板へ前記ワイヤハーネスを通して供給される信号を監視するステップと、
前記信号の供給がなくなったとき、前記記憶部に予め定められたフラグを書き込むステップと、
電源投入時に、前記記憶部の内容を調べるステップと、
前記記憶部に前記フラグが書き込まれていたときに、不正行為と判定するステップと、を実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006051382A JP2007229018A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 遊技機及び遊技機における不正行為の検知方法並びにプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006051382A JP2007229018A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 遊技機及び遊技機における不正行為の検知方法並びにプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007229018A true JP2007229018A (ja) | 2007-09-13 |
Family
ID=38550221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006051382A Pending JP2007229018A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 遊技機及び遊技機における不正行為の検知方法並びにプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007229018A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009100957A (ja) * | 2007-10-23 | 2009-05-14 | Olympia:Kk | 遊技機及び遊技機における不正行為の検知方法並びにプログラム |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1013898A (ja) * | 1996-06-24 | 1998-01-16 | Kokusai Electric Co Ltd | 携帯通信機 |
JP2003340096A (ja) * | 2002-05-28 | 2003-12-02 | Aruze Corp | 遊技機、サーバ及びプログラム |
JP2005348811A (ja) * | 2004-06-08 | 2005-12-22 | Samii Kk | 遊技機 |
-
2006
- 2006-02-27 JP JP2006051382A patent/JP2007229018A/ja active Pending
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