JP2007226081A - 光コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光コネクタ本体12の上面の光ファイバ整列溝4に光ファイバ3を収容し、接着剤6を充填し蓋7をして、光ファイバ3を光コネクタ本体12上に接着固定した基本構造を有する。光コネクタ本体12の上面の光ファイバ先端より前方位置に、接着剤溜まりとなる凹所21を形成する。光コネクタ組立時に接着剤6を充填し蓋7をする際、接着剤6が凹所21に溜められた状態とする。接着剤6の硬化収縮時に、凹所21に溜められた接着剤6の一部が光ファイバ先端側に移動するので、光ファイバ先端近傍の接着剤中に隙間が生じることはなく、したがって、接着剤に外気が吸引され気泡が生じることを防止できる。
【選択図】図4
Description
図示例の光コネクタ1は光路変換用の多心光コネクタであり、光コネクタ本体2の上面に形成した光ファイバ整列溝4の前端の前方に、前方壁面として45°傾斜の鏡面5aを持つ光路変換空間5が形成されている。光ファイバ3を光ファイバ整列溝4に収容しその上から透明な接着剤6を充填し透明樹脂からなる蓋7をして、光ファイバ3を光コネクタ本体2に接着固定している。光ファイバ3から出射した光は、鏡面5aで直角の上方向に反射して、90°光路変換される。
これは光路変換空間5の容積に対して、光コネクタ本体2と蓋7との間の光ファイバ残余空間(すなわち、光コネクタ本体2と蓋7との間の隙間から光ファイバ3を除いた空間(図13に8a、8bで示す部分(図7参照))の容積が、光路変換空間5の容積に比べて非常に小さいため、接着剤が硬化収縮する際に、減少した光路変換空間5内の接着剤容積を他部分の接着剤で補うことができず、その結果、光路変換空間5に隙間が生じることとなって外気を接着剤中に吸引してしまうからであると考えられている。
また、他の要因としては、一般的に接着剤は真空脱気するものの、光路変換空間5内に何らかの原因で多少のエアが残ってしまうので、空間が密閉されているので接着剤の体積減少ととも気泡が拡大あるいは発生することが一因である。
接着剤中に気泡が生じると、特にその気泡が光路中にある場合は光損失が大となり、また、光路中でなくても、気泡発生により接着強度が低下する恐れがある。
前記光コネクタ本体の上面の光ファイバ先端より前方位置に、前記光ファイバ先端部近傍に連通する凹所を形成し、前記接着剤を充填し蓋をする際に接着剤を凹所に流入させておき、接着剤の硬化収縮時に、前記凹所に溜められた接着剤の一部が光ファイバ先端側に移動可能にして、光ファイバ先端近傍の接着剤に気泡が発生することを防止したことを特徴とする。
前記凹所が前記空間を挟んで光ファイバと反対側に設けられていることを特徴とする。
さらに、前記光コネクタ本体には前記光ファイバの先端が臨む空間が形成され、前記空間を挟んで前記光ファイバの先端と対向する前記光コネクタ本体の対向面には鏡面が形成されるとともに、光ファイバを伝搬する光の光軸方向が前記鏡面により変換されて光路変換がなされる光コネクタであって、
前記空間には接着剤が充填され、前記光コネクタ本体に前記空間と連通する開口部を形成することにより、前記充填された接着剤の硬化収縮時に発生する気泡発生を防止することを特徴とする。
本発明では光コネクタ本体12の上面の光ファイバ先端より前方位置(図1では紙面右上方向)に、後述のように接着剤溜まりとなる凹所を形成する。
この実施例では、光コネクタ本体12の上面に、後述の蓋7が嵌め込まれるようにして収容される、上面から見て矩形状の浅い凹部23を形成している。
この凹部23の底面(光コネクタ本体12の上面)に前記光ファイバ整列溝4及び光路変換空間5を形成し、前記凹所21はこの浅い凹部23の前端側に形成している。
また、この凹所21は、蓋7をした時に蓋で覆われない非閉塞部21aを備えている。
前記蓋7は、図4に示す通り、光ファイバ整列溝4から凹所21にかけてその上方を覆うが、図示例のように非閉塞部21aを備えるようにする。
すなわち、凹所の一部が前記蓋7より露出しているということになる。
前記凹所21の容積は、後述する接着剤溜まりとして有効に機能させるために、光コネクタ本体12の上面と蓋7との間の光ファイバ残余空間(すなわち、光コネクタ本体12と蓋7との間の隙間から光ファイバ3を除いた空間(図5、図7に8a、8bで示す部分)の容積より十分大きく設定することが好ましい。
また、光ファイバ整列溝4の後方側(図2で左方側)は保護ブーツ24を収容する深い凹部25となっている。
保護ブーツ24は光ファイバ3のコネクタ後端縁近傍の被覆部3aに被せられて、光ファイバのコネクタ後端縁近傍が急激に曲がらないように保護する。
光コネクタ本体12の光ファイバ整列溝4には、光ファイバ3がその先端を光路変換空間5に臨ませて収容され、その上に光透過性の樹脂からなる蓋7が被せられている。
蓋7と光コネクタ本体12上面との間には予め光学的に透明な接着剤6が充填されており、光ファイバ3はこれを押さえる蓋7とともに光コネクタ本体12の上面に接着固定されている。
この光コネクタ11において、光ファイバを伝搬する光の光軸を変換する鏡面が形成されているので、光ファイバ3から出射した光は、鏡面5aで直角の上方向に反射して、90°光路(あるいは光軸)変換される。
光コネクタ外部から光ファイバ3に入射する光も同様に光軸変換される。
次いで、その上に、光透過性の樹脂からなる蓋7を被せて光ファイバ3を押さえる。
先の接着剤6の充填量は、蓋7で押さえた時に凹所21内に充填される程度に十分な量とする。この状態で接着剤6は、光ファイバ整列溝4から凹所21にかけて充填(ないし塗布)されている。
また、硬化収縮時に、光路変換空間5が密閉されていず外気と連通しているので、接続剤体積の減少が気泡発生の要因とはならない。
この場合、凹所21の容積は、光コネクタ本体12上面と蓋7との間の光ファイバ残余空間(すなわち、光コネクタ本体2と蓋7との間の隙間から光ファイバ3を除いた空間(図5、図7に8a、8bで示す部分)の容積より十分大きいので、凹所21に十分な量の接着剤を溜めておけば、接着剤の硬化収縮時に接着剤が凹所から光ファイバ先端側へ容易に移動する。
また、凹所21は蓋7で覆われない非閉塞部(開口部)21aを有することで、凹所21内の接着剤が移動しても負圧を発生することがないので、凹所21内の接着剤の移動を阻害することがなく、この点でも接着剤の光ファイバ先端側への移動が容易に行われる。
したがって、上記の通り、気泡発生を防止することができ、気泡による光損失の増大や、接着強度の低下を防止できる。
この光コネクタ31も同じく光路変換用光コネクタであるが、光ファイバを位置決め固定する主なる手段として整列溝を使用するのでなく、光ファイバとほぼ同径の光ファイバ穴を用いたことが上記各実施形態とは異なっている。
図8の場合は、光コネクタ本体32の上面に、中間部に光ファイバ露出空間46を形成するようにファイバ長さ方向前後に分離している。
図示例では12個の光ファイバ整列穴47a、47b(整列穴47aと整列穴47bとは同一径、同一軸心である)が形成されている。
図8で左方の光ファイバ整列穴47aは光ファイバの中間部を固定し、右方の光ファイバ整列穴47bは光ファイバの先端部を固定している。
光ファイバ整列穴47bの前方(紙面右側)に、前方壁面として45°傾斜の鏡面5aを持つ光路変換空間5が形成されている。後方側の光ファイバ整列穴47aの後端側には、光ファイバガイド溝48が形成されている。光ファイバガイド溝は光ファイバを光ファイバ穴47aに挿入するために必要な部分である。
そして、光路変換空間5の前方位置に接着剤溜まりとなる凹所41を形成する。
この実施例では、光コネクタ本体32の上面に、光学的に透明な蓋37が収容される上面から見て矩形状の浅い凹部43を形成し、前記光ファイバ露出空間46及び光路変換空間5を、この浅い凹部43の底面(光コネクタ本体32の上面)に形成し、前記凹所41はこの浅い凹部43の前端部に形成している。
この凹所41は、蓋37をした時に蓋37で覆われない非閉塞部41aを備えている。蓋37は少なくとも光ファイバ露出空間46から凹所41にかけてその上方を覆うが、図示例のように非閉塞部41aを備えるようにする。
非閉塞部の効果については前記実施例と同様である。
保護ブーツ24を収容する深い凹部45も前記実施例と同様である。
浅い凹部43の底面(光コネクタ本体32上面)には予め光学的に透明な接着剤6が充填(塗布)されており、光ファイバ3は蓋37とともに光コネクタ本体32の上面に接着固定されている。
この光コネクタ31において、光ファイバ3から出射した光は、鏡面5aで直角の上方向に反射して、90°光路変換される。
この場合も、前記実施例と同様な作用が得られる。すなわち、充填した接着剤6の硬化収縮時に、凹所41に溜められた接着剤6の一部が、蓋37と光コネクタ本体32との間の隙間における光ファイバ先端側に移動して、光路変換空間5(すなわち、光ファイバ先端近傍の空間)内の接着剤中に外気が吸引されたり、あるいは気泡の発生することは防止されるので、気泡による光損失の増大や、接着強度の低下は防止される。
なお、本実施例では、光ファイバ整列穴の途中を遮断して光ファイバ露出空間46を設けたが、光ファイバ整列穴を遮断することなく、光路変換空間まで整列穴を延在させることも可能である。
また、上記各実施例では、凹所(接着剤溜まり)と光路変換空間とは離れた位置にあり、凹所と光路変換空間は、蓋と光コネクタ本体との間に形成される僅かな隙間により連通している。本発明は光路変換空間に充填される接続剤の、硬化収縮時に発生する圧力を緩和させるために、光コネクタ本体に何らかの手段で接着剤と光コネクタ本体外部とを連通する開口部を形成することを要旨とする。したがって、開口部の形状には種々の変形例が存在し、開口部と光路変換空間までの連通手段も種々の変形例が存在する。
そこで、凹所から光路変換空間まで連通する溝を光コネクタ本体上に積極的に形成し、該溝により接着剤を移動させることも可能である。
あるいは、光路変換空間と凹所を接近させて一部を結合させることもできる。
いずれの形態を採用しても凹所と光路変換空間を連通することができる。
3a 光ファイバ被覆部
4 光ファイバ整列溝
5 光路変換空間
5a 鏡面
6 接着剤
7、37 蓋
8a、8b 光コネクタ本体と蓋との間の光ファイバ残余空間
11、31 光コネクタ
12、32 光コネクタ本体
21、41 凹所
21a、41a (凹所の)非閉塞部
23、43 (蓋が収容される)凹部
24 保護ブーツ
25、45 (保護ブーツが収容される)深い凹部
46 光ファイバ露出空間
47a、47b 光ファイバ整列穴
48 ガイド溝
Claims (8)
- 光コネクタ本体の上面に少なくとも一本の光ファイバを配置し、前記光ファイバの上から蓋をし、前記光ファイバの少なくとも先端部近傍を覆うように接着剤が充填され、前記光ファイバを光コネクタ本体上に蓋と共に接着固定してなる光コネクタにおいて、
前記光コネクタ本体の上面の光ファイバ先端より前方位置に、前記光ファイバ先端部近傍に連通する凹所を形成し、前記接着剤を充填し蓋をする際に接着剤を凹所に流入させておき、接着剤の硬化収縮時に、前記凹所に溜められた接着剤の一部が光ファイバ先端側に移動可能にして、光ファイバ先端近傍の接着剤に気泡が発生することを防止したことを特徴とする光コネクタ。 - 光コネクタ本体には、光ファイバの先端が臨む空間が形成され、前記空間を挟んで前記光ファイバの先端と対向する前記光コネクタ本体の対向面には鏡面が形成されるとともに、光ファイバを伝搬する光の光軸方向が前記鏡面により変換されて光路変換がなされる光コネクタであって、
前記凹所が前記空間を挟んで光ファイバと反対側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ。 - 光コネクタ本体の上面に光ファイバ整列溝が形成され、前記光ファイバ整列溝の前端の前方に前記空間及び前記鏡面が形成され、前記蓋は、前記光ファイバ整列溝から前記凹所にかけてその上方を覆うものであることを特徴とする請求項2記載の光コネクタ。
- 光コネクタ本体の上面に、光ファイバ整列穴が形成され、光ファイバ整列穴の片側に空間が形成され、該空間の前記光ファイバ整列穴と対向する前記光コネクタ本体の側面には、光ファイバを伝搬する光の光軸を変換する鏡面が形成され、前記蓋は、少なくとも前記光ファイバ露出空間から前記凹所にかけてその上方を覆うものであることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ。
- 前記光ファイバ整列穴が、中間部に光ファイバ露出空間を形成するようにファイバ長さ方向前後に分離していることを特徴とする請求項4記載の光コネクタ。
- 光コネクタ本体の上面にて、前記凹所は前記空間と離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5記載の光コネクタ。
- 前記凹所の一部が前記蓋より露出していることを特徴とする請求項1乃至5記載の光コネクタ。
- 光コネクタ本体に少なくとも一本の光ファイバが接着固定されており、
さらに、前記光コネクタ本体には前記光ファイバの先端が臨む空間が形成され、前記空間を挟んで前記光ファイバの先端と対向する前記光コネクタ本体の対向面には鏡面が形成されるとともに、光ファイバを伝搬する光の光軸方向が前記鏡面により変換されて光路変換がなされる光コネクタであって、
前記空間には接着剤が充填され、前記光コネクタ本体に前記空間と連通する開口部を形成することにより、前記充填された接着剤の硬化収縮時に発生する気泡発生を防止することを特徴とする光コネクタ。
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