JP2007225998A - 帯電部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿または低温低湿環境において長期間の繰り返し使用によっても安定的な帯電特性を有し、かつ耐リーク性に優れた帯電部材を提供する。
【解決手段】支持体と、該支持体上に形成された導電性弾性層と、該導電性弾性層上に形成された表面層とを有する帯電部材において、該表面層が、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンと、π共役系金属錯体とを含有する帯電部材である。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯電部材に関し、特に電子写真用帯電部材として好適な帯電部材に関するものである。
現在、電子写真感光体の表面を帯電する方式の1つとして、接触帯電方式が実用化されている。接触帯電方式は、電子写真感光体に接触配置された帯電部材に電圧を印加し、該帯電部材と該電子写真感光体との間の当接部近傍で微少な放電をさせることによって、該電子写真感光体の表面を帯電する方式である。
また、接触帯電方式の中でも広く普及している方式は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を帯電部材に印加する方式(以下「AC+DC接触帯電方式」ともいう)である。AC+DC接触帯電方式の場合、交流電圧には、帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つ電圧が用いられる。
AC+DC接触帯電方式は、交流電圧を用いることにより、帯電均一性の高い安定した帯電を行える方式である。しかし、交流電圧源を使用する分、直流電圧のみの電圧を帯電部材に印加する方式(以下「DC接触帯電方式」ともいう)に比べて、帯電装置、電子写真装置の大型化、コストアップを招いてしまう。すなわち、DC接触帯電方式は、AC+DC接触帯電方式に比べて、帯電装置、電子写真装置の小型化、コストダウンの点で優れた帯電方式である。
また、帯電部材の形状としては、ローラ形状が一般的である。以下、ローラ形状の帯電部材を「帯電ローラ」ともいう。
電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材としては、電子写真感光体と帯電部材との当接ニップを十分に確保する観点から、支持体および該支持体上に設けられた弾性層(導電性弾性層)を有するものが一般的である。また、弾性層(導電性弾性層)は、低分子量成分を比較的多量に含むことが多いため、この低分子量成分がブリードアウトし、電子写真感光体の表面を汚染することがある。そこで、これを抑制するために、導電性弾性層上には、これとは別の、導電性弾性層に比べて弾性率の小さい表面層を設けることもよく行われている。
例えば、特許文献1にはゾルーゲル法によって形成される金属および/または半金属アルコキシドと有機ケイ素化合物とからなる有機・無機ハイブリッド皮膜を帯電部材の表面層とする技術が開示されている。
特開2002−080785号公報
特許文献1に開示された技術は、ゾルーゲル法を用いた表層に導電性フィラーとしてカーボンが用いられている。しかしながら、DC接触帯電方式は、交流電圧による帯電均一性向上効果が無いため、使用環境や長期間使用することによっては帯電部材自体の電気抵抗の不均一性が画像不良となって現れやすい。特に、高温高湿(30℃/80%RH)環境下では、繰り返し使用により帯電部材の表面にトナーやトナーに用いられる外添剤などが不均一に強く付着(固着)することがある。また、低温低湿(15℃/10%RH)環境下では、帯電能の低下の為ハーフトーン画像を出力した際に過帯電や帯電不良を引き起こすことがある。
帯電不良の対策としては、帯電能の向上を目的とした帯電部材を低抵抗化が挙げられるが、電気抵抗の不均一性により感光体の欠陥部分に過大な電流が流れ、いわゆるピンホールリークが生じ画像欠陥が現れやすいといった問題があった。
本発明の目的は、高温高湿または低温低湿環境において長期間の繰り返し使用によっても安定的な帯電特性を有し、かつ耐リーク性に優れた帯電部材を提供することである。
本発明は、支持体と、該支持体上に形成された導電性弾性層と、該導電性弾性層上に形成された表面層とを有する帯電部材において、該表面層が、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンと、π共役系金属錯体とを含有することを特徴とする帯電部材である。
本発明によれば、高温高湿または低温低湿環境において長期間の繰り返し使用によっても安定的な帯電特性を有し、かつ耐リーク性に優れた帯電部材を得ることができる。
本発明の帯電部材は、すくなくとも支持体、導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有するものである。この「表面層」とは、帯電部材が有する層のうち、帯電部材の最表面に位置する層を意味する。
本発明の帯電部材の最も簡単な構成は、該支持体上に導電性弾性層および表面層の2層を設けた構成であるが、支持体と導電性弾性層との間や導電性弾性層と表面層との間に別の層を1つまたは2つ以上設けてもよい。
また、導電性弾性層や表面層は、それぞれ導電性弾性層用の材料および表面層用の材料を用いて形成された層であってもよい(以下「積層形態1」ともいう)。また、導電性弾性層用の材料を用いて層を形成した後、該層の表面領域(表面およびその近傍)を改質し、改質後の領域を表面層とすることによって、導電性弾性層および表面層との積層構成としてもよい(以下「積層形態2」ともいう)。
図1に、本発明の帯電部材構成の一例を示す。図1中、101は支持体であり、102は導電性弾性層であり、103は表面層である。
帯電部材の支持体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケルなどの金属性(合金製)の支持体を用いることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理などの表面処理を施してもよい。
帯電部材の導電性弾性体層の肉厚は通常1〜4mmである。帯電部材の導電性弾性層には、従来の帯電部材の弾性層(導電性弾性層)に用いられているゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性体を1種または2種以上用いることができる。
ゴムとしては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、アクリロニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびアルキルエーテルゴムなどが挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマーおよびオレフィン系エラストマーなどが挙げられる。スチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製商品名「ラバロン」、クラレ(株)製商品名「セプトンコンパウンド」などが挙げられる。オレフィン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製商品名「サーモラン」、三井石油化学工業(株)社製商品名「ミラストマー」、住友化学工業(株)社製商品名「住友TPE」およびアドバンストエラストマーシステムズ社製商品名「サントプレーン」などが挙げられる。
また、導電性弾性層には、導電剤を適宜使用することによって、その導電性を所定の値にすることができる。導電性弾性層の電気抵抗は、導電剤の種類および使用量を適宜選択することによって調整することができ、その電気抵抗の好適な範囲は102〜108Ωであり、より好適な範囲は103〜106Ωである。
導電性弾性層に用いられる導電剤としては、例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、帯電防止剤、電解質などが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩として、具体的には、過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩およびハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩や塩化ベンジル塩など)などが挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩および高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよび多価アルコール脂肪酸エステルなどの非イオン性帯電防止剤などが挙げられる。
電解質としては、例えば、周期律表第1族の金属(LiやNaやKなど)の塩(第四級アンモニウム塩など)が挙げられる。周期律表第1族の金属の塩として、具体的には、LiCF3SO3、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCNおよびNaClなどが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、周期律表第2族の金属(CaやBaなど)の塩(Ca(ClO42など)やこれから誘導される帯電防止剤を用いることもできる。また、これらと多価アルコールもしくはその誘導体との錯体や、これらとモノオールとの錯体などのイオン導電性導電剤を用いることもできる。多価アルコールとしては、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。モノオールとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック、ゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、および、熱分解カーボンなどの導電性のカーボンを用いることもできる。ゴム用カーボンとして、具体的には、Super Abrasion Furnace(SAF:超耐摩耗性)、Intermediate Super Abrasion Furnace(ISAF:準超耐摩耗性)、High Abrasion Furnace(HAF:高耐摩耗性)、Fast Extruding Furnace(FEF:良押し出し性)、General Purpose Furnace(GPF:汎用性)、Semi Rein Forcing Furnace(SRF:中補強性)、Fine Thermal(FT:微粒熱分解)およびMedium Thermal(MT:中粒熱分解)などの各ゴム用カーボンが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、天然グラファイトおよび人造グラファイトなどのグラファイトを用いることもできる。また、導電性弾性層用の導電剤として、酸化スズ、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの金属酸化物や、ニッケル、銅、銀およびゲルマニウムなどの金属を用いることもできる。また、導電性弾性層用の導電剤として、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリアセチレンなどの導電性ポリマーを用いることもできる。
また、導電性弾性層には、無機または有機の充填剤や架橋剤を添加してもよい。充填剤としては、例えば、シリカ(ホワイトカーボン)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウムおよび硫酸アルミニウムなどが挙げられる。架橋剤としては、例えば、イオウ、過酸化物、架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤などが挙げられる。可塑剤として、例えば、プロセスオイルなどを添加してもよい。
導電性弾性層の硬度は、帯電部材と被帯電体である電子写真感光体とを当接させた際の帯電部材の変形を抑制する観点から、アスカーC硬度で70度以上であることが好ましく、特には73度以上であることがより好ましい。本発明において、アスカーC硬度の測定は、測定対象の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器(株)製)の押針を当接し、1000g加重の条件で行った。
帯電部材の表面層については、電子写真感光体との当接ニップを十分に確保するために設けた導電性弾性層の機能を十分に発揮させる観点から、帯電部材の表面層の弾性率は2000MPa以下であることが好ましい。一方、一般的に、層の弾性率は小さくなるほど架橋密度が小さくなる傾向にあるため、帯電部材の表面にブリードアウトした低分子量成分による電子写真感光体の表面の汚染を抑制する観点から、帯電部材の表面層の弾性率は100MPa以上であることが好ましい。
また、表面層の層厚は厚いほど低分子量成分のブリードアウトの抑制する効果が大きくなる傾向にあり、使用条件(硬度、電気抵抗、耐久性等)に応じてその都度調整すればよい。一方、層厚が厚すぎると帯電部材のコストアップに繋がる為、表面層の層厚は0.1〜5.0μmであることが好ましい。
また、帯電部材の表面へのトナーや外添剤の固着を抑制する観点から、帯電部材の表面(=表面層の表面)の粗さ(Rzjis;JIS B 0601:2001に準拠して測定)は10μm以下であることが好ましい。
本発明の帯電部材において、該表面層がオキシアルキレン基を有するポリシロキサンおよびπ共役系金属錯体を含有する。
上記オキシアルキレン基とは、−O−R−(R:アルキレン基)で示される構造を有する2価の基(「アルキレンエーテル基」と呼ばれることもある)である。このR(アルキレン基)としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。
上記π共役系金属錯体とは、分子の中心に金属または金属イオンが存在し、それを取り囲むように非共有電子対を持つ配位子からなる化合物で、さらに、π電子の結合を有しているものである。また、上記金属錯体は1種または2種以上使用することが出来る。
該表面層がオキシアルキレン基を有するポリシロキサンおよびπ共役系金属錯体を含有することが帯電特性や耐久性に優れている理由については、本発明者等は以下のように考える。オキシアルキレン基を有するポリシロキサンは、熱硬化性樹脂との接着性に優れている為、表面層の基層(例えば導電性弾性層)からの剥離が起きにくくなっている。そのため、ローラへのトナー固着防止や基層中の低分子量成分のブリードアウト防止に有利な表面層が長期間の使用よっても剥離することなく保たれている。また、π共役系の金属錯体は、分子が積層することで導電性を発現するばかりでなく、シロキサンが可溶な溶媒に相溶・分散しやすいため、帯電均一性に優れている。とりわけ、ローラ表面へのトナーの固着がおきやすい高温高湿環境や、放電が不安定になりやすい低温低湿環境でこのような効果が非常に有効である。また、帯電が均一に行える為、感光体の欠陥などで生ずるリークに対しても優れた耐性を示す。更なる帯電均一性を得る為には、上記金属錯体は該シロキサンが溶解可能な溶媒に相溶する染料であることが好ましい。
さらに、上記金属錯体としては、アゾ基およびピラゾール骨格を有していることが好ましい。具体的な例としては、下記式(1)のような1:2コバルト錯体や下記式(2)のような1:2クロム錯体が挙げられる。
Figure 2007225998
上記のようなアゾ基およびピラゾール骨格を有している金属錯体は、ポリシロキサンに対して、分散性・相溶性に優れていて、かつ、電荷輸送能にも優れている為、より均一な帯電特性を得られる。
さらに、上記金属錯体は分子量が600以上1300以下であることが好ましい。あまりに低分子量の金属錯体では、配位子電子の重なり合いが起き難くなるばかりでなく、その重なり合いが均一性に乏しくなる。また、あまりに高分子量の金属錯体では、分散性・相溶性が悪化する。そのため、帯電均一性が低下し画像不良が発生しやすくなると考えられる。
上記金属錯体は、水またはアルコール、および、これらの混合液からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒に可溶であることが好ましい。アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。
上記表面層において、金属錯体の含有量は上記表面層の全質量に対して1〜30質量%であり、ポリシロキサンの含有量は上記表面層の全質量に対して70〜99質量%であることが好ましい。
上記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜80.0質量%であることが好ましい。
上記ポリシロキサンは、さらにフッ化アルキル基を有することが好ましい。フッ化アルキル基としては、例えば、直鎖型または分岐型のアルキル基の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものが挙げられる。その中でも、炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。上記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%であることが好ましい。このとき、上記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜70.0質量%であることが好ましい。
上記ポリシロキサンは、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物を加水分解によって縮合させて加水分解性縮合物を得て、次いで該カチオン重合可能な基を開裂させて該加水分解性縮合物を架橋させることで得ることができる。フッ化アルキル基を有するポリシロキサンを合成する場合は、この加水分解性縮合物を得る際に、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物を併用すればよい。
上記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
Figure 2007225998
上記式(3)中、R21は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。R22は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。Z21は、2価の有機基を示す。Rc21は、カチオン重合可能な基を示す。dは0〜2の整数であり、eは1〜3の整数であり、d+e=3である。
上記式(3)中のRc21のカチオン重合可能な基とは、開裂によってオキシアルキレン基を生成するカチオン重合可能な有機基を意味し、例えば、エポキシ基やオキセタン基などの環状エーテル基、および、ビニルエーテル基などが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性および反応制御の容易性の観点から、エポキシ基が好ましい。
上記式(3)中のR21およびR22の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基がより好ましい。
上記式(3)中のZ21の2価の有機基としては、例えば、アルキレン基およびアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
上記式(3)中のeは3であることが好ましい。上記式(3)中のdが2の場合、2個のR21は同一であってもよく、異なっていてもよい。上記式(3)中のeが2または3の場合、2個または3個のR22は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(3−1):グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(3−2):グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(3−3):エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
(3−4):エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン
また、上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(4)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
Figure 2007225998
上記式(4)中、R31は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。R32は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。Z31は、2価の有機基を示す。Rf31は、炭素数1〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基を示す。fは0〜2の整数であり、gは1〜3の整数であり、f+g=3である。
上記式(4)中のR31およびR32の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基がより好ましい。
上記式(4)中のZ31の2価の有機基としては、例えば、アルキレン基およびアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
上記式(4)中のRf31の炭素数1〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基としては、処理性の観点から、特に炭素数6〜11の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
上記式(4)中のgは3であることが好ましい。上記式(4)中のfが2の場合、2個のR31は同一であってもよく、異なっていてもよい。上記式(4)中のgが2または3の場合、2個または3個のR32は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、上記式(4)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(4−1):CF3−(CH22−Si−(OR)3
(4−2):F(CF22−(CH22−Si−(OR)3
(4−3):F(CF24−(CH22−Si−(OR)3
(4−4):F(CF26−(CH22−Si−(OR)3
(4−5):F(CF28−(CH22−Si−(OR)3
(4−6):F(CF210−(CH22−Si−(OR)3
上記(4−1)〜(4−6)中のRはメチル基またはエチル基を示す。
上記(4−1)〜(4−6)の中でも、(4−4)〜(4−6)が好ましい。上記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物および上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物は、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
特に、上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物として、上記式(4)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を用いる場合、得られるポリシロキサンが炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を有するように選択することが好ましい。すなわち、Rf31の炭素数nA(nAは6〜31の整数)のものと、炭素数nB(nBは6〜31の整数かつnB≠nA)のものとを併用すると、得られるポリシロキサンは、炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を有することになる。パーフルオロアルキル基は、帯電部材の表面に向かって配向する傾向にある。したがって、帯電部材の表面層に含有されるポリシロキサンが炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を有していれば、帯電部材の表面に向かって長さの異なるパーフルオロアルキル基が配向することになる。この場合、単一の長さのパーフルオロアルキル基が帯電部材の表面に向かって配向する場合に比べて、帯電部材の表面近傍のフッ素原子濃度が高くなり、帯電部材の表面自由エネルギーが低くなる。したがって、長期間繰り返し使用した際の帯電部材の表面へのトナーや外添剤などの固着をより抑制することができる。上記式(4)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を2種以上用いる場合は、上記(4−4)〜(4−6)の中から2種以上選択することが好ましい。
本発明の帯電部材に用いられるポリシロキサンの合成段階で加水分解性縮合物を得る際には、帯電部材の表面物性の制御の観点から、さらに下記式(5)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用することが好ましい。
Figure 2007225998
上記式(5)中、R11は、フェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基、または、アルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。R12は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。aは0〜3の整数であり、bは1〜4の整数であり、a+b=4である。
上記式(5)中のR11のフェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基のアルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましい。上記式(5)中のR11のアルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基のアリール基としては、フェニル基が好ましい。
上記式(5)中のaは1〜3の整数であることが好ましく、特には1であることがより好ましい。上記式(5)中のbは1〜3の整数であることが好ましく、特には3であることがより好ましい。
上記式(5)中のR12の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基、n−プロピル基がより好ましい。
上記式(5)中のaが2または3の場合、2個または3個のR11は同一であってもよく、異なっていてもよい。上記式(5)中のbが2、3または4の場合、2個、3個または4個のR12は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、上記式(5)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(5−1):テトラメトキシシラン
(5−2):テトラエトキシシラン
(5−3):テトラプロポキシシラン
(5−4):メチルトリメトキシシラン
(5−5):メチルトリエトキシシラン
(5−6):メチルトリプロポキシシラン
(5−7):エチルトリメトキシシラン
(5−8):エチルトリエトキシシラン
(5−9):エチルトリプロポキシシラン
(5−10):プロピルトリメトキシシラン
(5−11):プロピルトリエトキシシラン
(5−12):プロピルトリプロポキシシラン
(5−13):ヘキシルトリメトキシシラン
(5−14):ヘキシルトリエトキシシラン
(5−15):ヘキシルトリプロポキシシラン
(5−16):デシルトリメトキシシラン
(5−17):デシルトリエトキシシラン
(5−18):デシルトリプロポキシシラン
(5−19):フェニルトリメトキシシラン
(5−20):フェニルトリエトキシシラン
(5−21):フェニルトリプロポキシシラン
(5−22):ジフェニルジメトキシシラン
(5−23):ジフェニルジエトキシシラン
上記式(5)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物および上記式(4)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用する場合、上記式(5)中のaは1〜3の整数であることが好ましく、bは1〜3の整数であることが好ましい。また、a個のR11のうちの1個のR11は炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基であることが好ましい。さらに、該炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基の炭素数をn1(n1は1〜21の整数)とし、上記式(4)中のRf31の炭素数をn2(n2は1〜31の整数)としたとき、n2−1≦n1≦n2+1であることが好ましい。上記炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基は、パーフルオロアルキル基と同様、帯電部材の表面に向かって配向する傾向にある。ただし、n1≧n2+2となると、上記式(4)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物のパーフルオロアルキル基による効果が乏しくなる場合がある。一方、n1≦n2−2となると、理由の詳細は不明であるが、帯電時の放電に影響を及ぼし、ハーフトーン画像を出力した際に、その前の文字や黒い図形などがわずかに残像してしまう現象(ゴースト現象)が発生しやすくなる。
上記式(5)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合には、上記式(5)中のR11がアルキル基のものと上記式(5)中のR11がフェニル基のものとを併用することが好ましい。アルキル基は帯電部材の表面物性の制御の観点から好ましく、フェニル基は上記のゴースト現象抑制の観点から好ましいからである。
以下、本発明の帯電部材の具体的な製造方法(上記ポリシロキサンおよび金属錯体を含有する表面層の具体的な形成方法)について説明する。
まず、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物、および必要に応じて上記の他の加水分解性シラン化合物を水の存在下で加水分解反応させることによって加水分解性縮合物を得る。加水分解に用いる水の量は、加水分解性シラン化合物の総量に対して30〜50質量%の範囲が好ましい。加水分解反応の際、温度やpHなどを制御することで、所望の縮合度の加水分解性縮合物を得ることができる。
また、加水分解反応の際、加水分解反応の触媒として金属アルコキシドなどを利用し、縮合度を制御してもよい。金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシドおよびジルコニアアルコキシドなど、ならびに、これらの錯体(アセチルアセトン錯体など)が挙げられる。
また、加水分解性縮合物を得る際の、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.0〜80.0質量%になるようにすることが好ましい。
フッ化アルキル基を有するポリシロキサンを得る場合の、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%になるようにすることが好ましい。このとき、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.0〜70.0質量%になるようにすることが好ましい。
具体的には、オキシアルキレン基を有する加水分解性シラン化合物を、全加水分解性シラン化合物に対して5.0〜90.0mol%の範囲になるように配合することが好ましく、10.0〜40.0mol%の範囲になるように配合することがより好ましい。また、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物を、全加水分解性シラン化合物に対して0.5〜20.0mol%の範囲になるように配合することが好ましく、1.0〜10.0mol%の範囲になるように配合することがより好ましい。また、上記式(5)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物(M1)を併用する場合には、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物(MC)とのモル比(MC:M1)が10:1〜1:10の範囲になるように配合することが好ましい。
次に、得られた加水分解性縮合物および前記π共役系金属錯体を含む表面層用塗布液を調製し、支持体および該支持体上に形成された導電性弾性層を有する部材(以下「導電性弾性部材」ともいう。)上に、調製した表面層用塗布液を塗布する。
表面層用塗布液を調製する際には、塗布性向上のために、加水分解性縮合物以外に、適当な溶剤を用いてもよい。適当な溶剤としては、例えば、エタノールおよび2−ブタノールなどのアルコールや、酢酸エチルや、メチルエチルケトンなど、あるいは、これらを混合したものが挙げられる。
また、表面層用塗布液を導電性弾性部材上に塗布する際には、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布などを採用することができる。
次に、導電性弾性部材上に塗布された表面層用塗布液に活性エネルギー線を照射する。すると、表面層用塗布液に含まれる加水分解性縮合物中のカチオン重合可能な基は開裂し、これによって該加水分解性縮合物を架橋させることができる。加水分解性縮合物は架橋によって硬化する。
活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。上記活性エネルギー照射時に発生した熱により、導電性弾性部材の導電性弾性層が膨張し、その後冷却によって収縮した際、表面層がこの膨張・収縮に十分に追従しないと、シワやクラックが多い表面層になってしまう場合がある。ところが、架橋反応に紫外線を用いた場合、短時間(15分以内)に加水分解性縮合物を架橋することができる上、熱の発生も少ないため、表面層のシワやクラックが発生しにくい。また、帯電部材の置かれる環境が温湿度の変化が急激な環境である場合、その温湿度の変化による導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従しないと、表面層にシワやクラックが発生することがある。ところが、架橋反応を熱の発生が少ない紫外線によって行えば、導電性弾性層と表面層との密着性が高まり、導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従できるようになるため、環境の温湿度の変化による表面層のシワやクラックも抑制することができる。さらに、架橋反応を紫外線によって行えば、熱履歴による導電性弾性層の劣化を抑制することができるため、導電性弾性層の電気的特性の低下を抑制することもできる。
紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプなどを用いることができ、これらのうち、紫外線の波長が150〜480nmの光を豊富に含む紫外線源が用いられる。
なお、紫外線の積算光量は、以下のように定義される。
紫外線積算光量[mJ/cm2]=紫外線強度[mW/cm2]×照射時間[s]
紫外線の積算光量の調節は、照射時間や、ランプ出力や、ランプと被照射体との距離などで行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。
低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−A(商品名)やUVD−S254(商品名)を用いて測定することができる。エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−A(商品名)やVUV−S172(商品名)を用いて測定することができる。
表面層に含有している金属錯体によっては、紫外線を吸収しやすいものもある。そのため、紫外線の波長や強度の変更、紫外線以外の活性エネルギー線の選定等が必要となる場合がある。
また、架橋反応の際、架橋効率向上の観点から、カチオン重合触媒(重合開始剤)を共存させておくことが好ましい。例えば、活性エネルギー線によって賦活化されるルイス酸のオニウム塩に対してエポキシ基は高い反応性を示すことから、上記のカチオン重合可能な基がエポキシ基である場合、カチオン重合触媒としては、ルイス酸のオニウム塩を用いることが好ましい。
その他のカチオン重合触媒としては、例えば、ボレート塩、イミド構造を有する化合物、トリアジン構造を有する化合物、アゾ化合物、過酸化物などが挙げられる。各種カチオン重合触媒の中でも、感度、安定性および反応性の観点から、芳香族スルホニウム塩や芳香族ヨードニウム塩が好ましい。特に、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩や、下記式(6)または(7)で示される構造を有する化合物が好ましい。下記式(6)で示される構造を有する化合物としては、旭電化工業(株)製のアデカオプトマ−SP150(商品名)が挙げられる。下記式(6)で示される構造を有する化合物としては、チバスペシャルティーケミカルズ社製のイルガキュア261(商品名)が挙げられる。
Figure 2007225998
Figure 2007225998
カチオン重合触媒の使用量は、加水分解性縮合物に対して1〜3質量%であることが好ましい。
本発明の帯電部材は、LBP(Laser Beam Printer)、複写機及びファクシミリ等の画像形成装置に用いる帯電手段として用いられる。図2には、本発明の帯電部材(帯電ローラ)を帯電手段として有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1としては、支持体および支持体上に形成された無機感光層もしくは有機感光層を有するものが一般的である。また、電子写真感光体1は表面層として電荷注入層を有するものであってもよい。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、本発明の帯電部材3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
帯電部材3による電子写真感光体1の表面への帯電の際、帯電部材3には、電圧印加手段(不図示)から直流電圧のみの電圧あるいは直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。後述の実施例においては、帯電部材3には直流電圧のみの電圧(−1200V)を印加した。また、後述の実施例において、暗部電位は−600V、明部電位は−350Vとした。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像(反転現像もしくは正規現像)されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
現像手段5としては、例えば、ジャンピング現像手段、接触現像手段および磁気ブラシ手段などが挙げられるが、トナーの飛散性改善の観点から、接触現像手段が好ましく、後述の実施例においては、接触現像手段を採用した。また、転写手段6となる転写ローラとしては、支持体上に中抵抗に調整された弾性樹脂層を被覆してなるものが例示される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合、この画像形成物は、不図示の再循環搬送機機構に導入されて転写部へ再導入される。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成することができる。そして、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図2では、電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化している。そして、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9を構成している。
以下に具体的な実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
エピクロルヒドリンゴム100部、充填剤としてのカーボンブラックA35部、表面処理焼成カオリン5部、酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を、オープンロールで25分間混練した。エピクロルヒドリンゴムとしては、ダイソー(株)製のエピクロマーCG105(商品名)を使用した。充填剤としてのカーボンブラックAとしては、Thermax社製のN990(商品名)を使用した。表面処理焼成カオリンとしては、ハーゲスピグメント(株)製のST−KE(商品名)を使用した。
この25分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド1部、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド0.5部および加硫剤としてのイオウ1.2部を加え、オープンロールで15分間混練した。加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドとしては、大内新興化学(株)製のノクセラーDM−P(商品名)を使用し、テトラメチルチウラムモノスルフィドとしては、大内新興化学(株)製のノクセラーTS(商品名)を使用した。このようにして、混練物Aを得た。
次に、混練物Aを、ゴム押し出し機で、外径9.50mm、内径5.40mmの円筒形に押し出し、250mmの長さに裁断し、加硫缶で160℃の水蒸気で30分間1次加硫することによって、導電性弾性層用1次加硫チューブAを得た。
一方、直径6.00mm、長さ256mmの円柱形の鋼製の支持体(表面をニッケルメッキ加工したもの)の円柱面軸方向中央を挟んで両側115.5mmの領域(軸方向幅231mmの領域)に熱硬化性接着剤を塗布し、これを10分間240℃で乾燥させた。熱硬化性接着剤としては、金属およびゴムを含む熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、(株)東洋化学研究所製)を使用した。
この円柱面に熱硬化性接着剤を塗布し乾燥させた支持体を、導電性弾性層用1次加硫チューブAの中に挿入し、その後、導電性弾性層用1次加硫チューブAを1時間160℃で加熱した。この加熱によって、導電性弾性層用1次加硫チューブAが2次加硫され、また、熱硬化性接着剤が硬化した。このようにして、表面研磨前の導電性弾性ローラAを得た。
次に、表面研磨前の導電性弾性ローラAの導電性弾性層部分(ゴム部分)の両端を切断し、導電性弾性層部分の軸方向幅を231mmとした後、導電性弾性層部分の表面を回転砥石で研磨した。そして、端部直径8.22mm、中央部直径8.52mmのクラウン形状で、表面の十点平均粗さ(Rzjis)が5.7μm、振れが18μmの導電性弾性ローラ(表面研磨後の導電性弾性ローラ)Aを得た。
また、加水分解性シラン化合物と、水およびエタノールとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行った。加水分解性シラン化合物としては、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)、ヘキシルトリエトキシシラン(HeTES)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS)を使用した。なお、FTSのパーフルオロアルキル基の炭素数6である。各使用量は、GPTES65.03g(0.234mol)、HeTES13.21g(0.064mol)、FTS11.42g(0.022mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))、水25.93g、エタノール92.74gとした。このようにして、加水分解性シラン化合物の縮合物Aを得た。
この縮合物Aを2−ブタノール/エタノール(2/13(質量比))の混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液Aを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液A100gに、1:2コバルト錯体(商品名:ORASOL Yellow 2RLN、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)5wt%EtOH溶液を36g添加した。さらに、0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を添加し、固形分2質量%になるようにEtOHを加え、表面層用塗布液Aを調製した。
次に、導電性弾性ローラ(表面研磨後の導電性弾性ローラ)Aの導電性弾性層上に表面層用塗布液Aをリング塗布した。そして、これに254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cm2になるように照射し、表面層用塗布液Aを硬化(架橋反応による硬化)および乾燥させることによって表面層を形成した。乾燥後の表面層の層厚は1.0μmであった。紫外線の照射には、ハリソン東芝ライティング(株)製の低圧水銀ランプを用いた。
紫外線の照射によってグリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ基が開裂し、縮合物Aの架橋反応が生じたと考えられる。
以上のようにして、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電ローラを作製した。導電性弾性層は、導電性弾性ローラAの導電性弾性層と同じである。表面層は、表面層用塗布液Aを用いて形成した、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンと、π共役系金属錯体とを含有する層である。
この導電性弾性層の電気抵抗は5×105Ωであった。
・評価1
上記と同様にして作製した帯電ローラを用いて、以下に示す出力画像評価を行った。
作製した帯電ローラと電子写真感光体とを、これらを一体に支持するプロセスカートリッジ(商品名:EP−85(ブラック)、キャノン(株)製)に組み込んだ。そして、このプロセスカートリッジをA4紙縦出力用のレーザービームプリンター(商品名:LBP−5500、キャノン(株)製)に装着した。このレーザービームプリンターの現像方式は反転現像方式であり、転写材の出力スピードは47mm/sであり、画像解像度は600dpiである。
なお、帯電ローラとともにプロセスカートリッジに組み込んだ電子写真感光体は、支持体上に層厚14μmの有機感光層を形成してなる有機電子写真感光体である。また、この有機感光層は、支持体側から電荷発生層と変性ポリカーボネート(結着樹脂)を含有する電荷輸送層とを積層してなる積層型感光層であり、この電荷輸送層は電子写真感光体の表面層となっている。
また、上記レーザービームプリンターに使用したトナーは、いわゆる重合トナーであって、そのガラス転移温度は63℃、体積平均粒子径は6μmである。この重合トナーは、ワックス、荷電制御剤、色素、スチレン、ブチルアクリレートおよびエステルモノマーを含む重合性単量体系を水系媒体中で懸濁重合して得られた粒子に、シリカ微粒子および酸化チタン微粒子を外添してなるトナー粒子を含む。
画像出力は、30℃/80%RH環境下で行い、A4紙にハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を形成し、これを47mm/sのプロセススピードで5000枚出力した。
出力画像の評価は、初期(0枚出力後)、3000枚出力後、5000枚出力後に1枚出力し、その出力画像を目視することによって行った。評価基準は以下のとおりである。
◎:帯電ローラの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラと帯電ローラからのブリードアウト成分によるドラムの劣化による帯電ムラが、出力画像上全く確認できないもの。
○:帯電ローラの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラと帯電ローラからのブリードアウト成分によるドラムの劣化による帯電ムラが、出力画像上ほとんど確認できないもの。
△:帯電ローラの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラと帯電ローラからのブリードアウト成分によるドラムの劣化による帯電ムラが、出力画像上わずかながら確認できるもの(実用可能レベル)。
×:帯電ローラの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラと帯電ローラからのブリードアウト成分によるドラムの劣化による帯電ムラが、出力画像上確認でき、その帯電ムラの程度が大きいもの。具体的には、白い縦スジ状の帯電ムラが確認できるもの(実用不可レベル)。
・評価2
評価1と同様の装置を用いて、15℃/10%RHの環境でハーフトーン画像を5000枚出力した。レーザービームプリンター、カートリッジ、および帯電部材は測定環境になじませる為、48時間以上15℃/10%RHの環境に放置し、その後測定を開始した。
出力画像の評価は、初期(0枚出力後)、5000枚出力後に1枚出力し、その出力画像を目視することによって行った。評価基準は以下のとおりである。
◎:出力画像において、帯電ムラによる横スジ状の画像不良が全く確認できないもの。
○:出力画像において、帯電ムラによる横スジ状の画像不良がほとんど確認できないもの。
△:出力画像において、帯電ムラによる横スジ状の画像不良が若干確認できるものの実用上問題とならないもの(実用可能レベル)。
×:出力画像において、帯電ムラによる横スジ状の画像不良が確認できるもの(実用不可レベル)。
・評価3
リーク性の評価については、感光体にピンホールを空けたピンホールドラムを使用し、ハーフトーン画像を出力した時にピンホールに電流が集中し、ホール以外の部分のハーフトーン濃度が変化して濃度の異なる帯のように現れるかどうかを確認した。評価基準は以下の通りである。
◎:濃度ムラが現れなかった。
〇:薄い濃度ムラが現れた。
△:濃度ムラが中程度に現れたものの、実用上問題ないと思われるもの。
×:リークして濃度ムラが濃く現れ、実用上問題あるもの。
(実施例2)
実施例1で使用した表面研磨後の導電性弾性ローラAを、以下の表面研磨後の導電性弾性ローラBに変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作製し、評価を行った。
アクリロニトリルブタジエンゴム100部、充填剤としてのカーボンブラックB14部、カーボンブラックC6部、表面処理焼成カオリン5部、酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を、オープンロールで25分間混練した。アクリロニトリルブタジエンゴムとしては日本ゼオン(株)製のNipol DN219(商品名)を使用した。充填剤としてのカーボンブラックBとしては、旭カーボン製の旭HS−500(商品名)を使用し、カーボンブラックCとしては、ライオン製のケッチェンブラックEC600JD(商品名)を使用した。表面処理焼成カオリンとしては、ハーゲスピグメント(株)製のST−KE(商品名)を使用した。
この25分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド1部、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド0.5部および加硫剤としてのイオウ1.2部を加え、オープンロールで15分間混練した。加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドとしては、大内新興化学(株)製のノクセラーDM−P(商品名)を使用し、テトラメチルチウラムモノスルフィドとしては、大内新興化学(株)製のノクセラーTS(商品名)を使用した。このようにして、混練物Bを得た。
一方、直径6.00mm、長さ256mmの円柱形の鋼製の支持体(表面をニッケルメッキ加工したもの)の円柱面軸方向中央を挟んで両側115.5mmの領域(軸方向幅231mmの領域)に熱硬化性接着剤を塗布し、これを10分間240℃で乾燥させた。熱硬化性接着剤としては、金属およびゴムを含む熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、(株)東洋化学研究所製)を使用した。
次に、クロスヘッドを備えた押し出し機で、接着剤を塗布した支持体の周りに混練物Bを被覆し、さらに熱風炉で160℃1時間加硫を行い、表面研磨前の導電性弾性ローラBを得た。
次に、表面研磨前の導電性弾性ローラBの導電性弾性層部分(ゴム部分)の両端を切断し、導電性弾性層部分の軸方向幅を231mmとした後、導電性弾性層部分の表面を回転砥石で研磨した。そして、端部直径8.23mm、中央部直径8.53mmのクラウン形状で、表面の十点平均粗さ(Rzjis)が5.6μm、振れが20μmの導電性弾性ローラ(表面研磨後の導電性弾性ローラ)Bを得た。
この導電性弾性層の電気抵抗は3×105Ωであった。
(実施例3)
実施例1で使用した1:2コバルト錯体を、1:2クロム錯体(商品名:ORASOL Yellow 2GLN、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作製し、評価を行った。
(実施例4)
実施例1で使用した表面層用塗布液Aを、以下の表面層用塗布液Cに変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作製し、評価を行った。
加水分解性シラン化合物と、水およびエタノールとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行った。加水分解性シラン化合物としては、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)およびヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)を使用した。各使用量は、GPTES35.04g(0.128mol)、PhTES30.77g(0.128mol)、HeTMS13.21g(0.064mol)、水25.93g、エタノール63.07gとした。このようにして、加水分解性シラン化合物の縮合物Cを得た。
この縮合物Cを2−ブタノール/エタノール(2/13(質量比))の混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液Cを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液C100gに、1:2コバルト錯体(商品名:ORASOL Yellow 2RLN、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)5wt%EtOH溶液を36g添加した。さらに、0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を添加し、固形分2質量%になるようにEtOHを加え、表面層用塗布液Cを調製した。
(比較例1)
実施例1で使用した表面層用塗布液Aを、以下の表面層用塗布液Dに変更した以外は、同様にして、実施例1と同様にして帯電ローラを作製し、評価を行った。
加水分解性シラン化合物と、水およびエタノールとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行った。加水分解性シラン化合物としては、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)およびヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)を使用した。各使用量は、GPTES35.04g(0.128mol)、PhTES30.77g(0.128mol)、HeTMS13.21g(0.064mol)、水25.93g、エタノール63.07gとした。このようにして、加水分解性シラン化合物の縮合物Dを得た。
この縮合物Dを2−ブタノール/エタノール(2/13(質量比))の混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液Dを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液D100gに、0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を添加した。さらに、固形分2質量%になるようにEtOHを加え、表面層用塗布液Dを調製した。
(比較例2)
実施例1で使用した表面層用塗布液Aを、以下の表面層用塗布液Eに変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作製し、評価を行った。
加水分解性シラン化合物と、水およびエタノールとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行った。加水分解性シラン化合物としては、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)、ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS)を使用した。なお、FTSのパーフルオロアルキル基の炭素数は6である。各使用量は、PhTES56.16g(0.234mol)、HeTMS13.21g(0.064mol)、FTS11.42g(0.022mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))、水25.93g、エタノール61.50gとした。このようにして、加水分解性シラン化合物の縮合物Eを得た。
この縮合物Eを2−ブタノール/エタノール(2/13(質量比))の混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液Eを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液E100gに、アンスラキノン(商品名:ORASOL Blue BL、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)5wt%EtOH溶液を36g添加した。さらに、0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を添加し、固形分2質量%になるようにEtOHを加え、表面層用塗布液Eを調製した。
(比較例3)
実施例1と同様にして製造した表面研磨後の導電性弾性ローラAに、以下に示す方法で表面層用塗布液Fをディッピング法にてコート成形して表面層を形成した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作製し、評価を行った。
ポリビニルブチラール樹脂100部、エタノール200部、カーボンブラック(表面未処理品、平均粒径:0.1μm、体積抵抗率:0.8Ω・cm)20部を用い、ガラス瓶を容器として混合溶液を作製した。これに、分散メディアとして、ガラスビーズ(平均粒径:0.8mm)を充填率80質量%になるように充填し、ペイントシェーカー分散機を用いて24時間分散し、表面層用塗布液Fを調製した。
ついで、導電弾性ローラAの表面上に、表面層用塗布液Fをディッピング法にて1回コートした。引き上げ速度については、初期の速度を20mm/sとし、その後、1秒間に1.135mm/sずつ速度を直線的に減速させた。その後、30分間以上常温で風乾し、続いて、熱風循環乾燥機中で温度160℃にて1時間乾燥した。乾燥後の表面層の層厚は8μmであった。
以上の実施例及び比較例の評価結果を表1に示し、それぞれで作製した帯電ローラの表面層における含有量を表2に示す。
Figure 2007225998
Figure 2007225998
本発明の帯電部材の構成の一例を示す図である。 本発明の帯電部材を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
符号の説明
1‥‥電子写真感光体
2‥‥軸
3‥‥帯電部材
4‥‥露光光
5‥‥現像手段
6‥‥転写手段
7‥‥クリーニング手段
8‥‥定着手段
9‥‥プロセスカートリッジ
10‥‥案内手段
101‥‥支持体
102‥‥導電性弾性層
103‥‥表面層
P‥‥転写材

Claims (8)

  1. 支持体と、該支持体上に形成された導電性弾性層と、該導電性弾性層上に形成された表面層とを有する帯電部材において、該表面層が、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンと、π共役系金属錯体とを含有することを特徴とする帯電部材。
  2. 前記金属錯体が、アゾ基およびピラゾール骨格を有することを特徴とする請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記金属錯体の分子量が、600以上1300以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 前記表面層において、前記金属錯体の含有量が前記表面層の全質量に対して1質量%以上30質量%以下であり、前記ポリシロキサンの含有量が前記表面層の全質量に対して70質量%以上99質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電部材。
  5. 前記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.0質量%以上80.0質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電部材。
  6. 前記ポリシロキサンが、さらにフッ化アルキル基を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の帯電部材。
  7. 前記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.0質量%以上50.0質量%以下であり、前記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.0質量%以上70.0質量%以下であることを特徴とする請求項6に記載の帯電部材。
  8. 前記金属錯体が、水、アルコール、およびこれらの混合液からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒に可溶であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の帯電部材。
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