JP2007225736A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プロセススピードを高速化させても長期にわたり良好な画像が得られ、また、長期保存性に優れた定着画像が得られドキュメントオフセットの発生を抑制することが可能である静電荷像現像用トナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂と磁性体と離型剤とを含む静電荷像現像用トナーにおいて、磁性体量、トナーの飽和磁化、トナー表面の磁性体の露出量およびトナー中の離型剤のドメイン径を制御することにより、プロセススピードを高速化させても長期にわたり良好な画像が得られ、また、長期保存性に優れた定着画像が得られドキュメントオフセットの発生を抑制することが可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等により形成される静電荷像を現像剤により現像する際に用いられる静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と略す場合がある)、その製造方法、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
プリンタや複写機などの画像形成装置における現像方式は2成分現像方式と1成分現像方式とに大別される。トナーと鉄粉などのキャリアとで構成される2成分現像剤による2成分現像方式は従来から広く用いられているが、トナーがキャリア表面に付着することにより現像剤が劣化するという欠点を有している。また、この2成分現像方式ではトナーのみが消費されるため、トナーとキャリアとの混合割合を一定に保つための自動濃度調整装置などの装置を必要とし、現像装置が大型化してしまう。
一方、キャリアを用いることなく内部に磁性体を含有する磁性トナーを1成分現像剤として用いる磁性1成分現像方式は、2成分現像方式のような自動濃度調整装置などの装置を必要としないため現像装置がコンパクトになり、またキャリア汚染というものが無いため、キャリア交換のようなメンテナンスが不要になる。そのため磁性1成分現像方式を用いた複写機、プリンタやその複合機が、SOHOといった小規模オフィスや個人向けのパーソナルコピーの分野で多く使われている。
磁性1成分現像方式の画像形成装置における現像装置には、より小型、よりメンテナンスフリーでありながら高生産性であることも同時に要求されつつある。高生産性への対応として現像のプロセススピードを高速化するために磁力スリーブを高速回転させるが、磁力スリーブの高速回転によるトナーの飛び散りが発生するのを防ぐため、トナーの磁力を高める必要がある。また、定着時にトナー中の離型剤が定着画像表面に速やかに移行するのを可能とするため、低粘度で低融点である離型剤のドメイン径を大きくしてトナー表面層近くに存在させる必要がある。
しかしながら、従来の混練粉砕法により磁性トナーを製造した場合、トナーの磁力を高めるために磁性体量を多くすると磁性体がトナー表面に露出してしまい、物理的衝撃等で脱離した磁性体が現像装置を汚染して長期にわたる高画質化を維持できない。
また、混練粉砕法において離型剤のドメイン径を大きくしようとすると、粉砕時に樹脂と離型剤との界面で割れが生じ、トナー表面に離型剤が露出してしまう。離型剤がトナー表面に露出すると、外添剤が埋没して流動性の悪化や帯電性の悪化が生じ、さらに離型剤が遊離すると離型剤の磁力スリーブへの付着等が生じ、フィルミング等のディフェクトが発生する。
そこで、例えば特許文献1において、遊離磁性粉量を制御することにより高速適性が得られることが提案されている。また例えば、特許文献2において乳化重合凝集法による磁性トナー製法が提案されている。
特開2002−169400号公報 特開2004−287153号公報
しかし、特許文献1の方法では、定着画像表面に十分な離型剤層が形成されず、得られた定着画像が対向された状態で長期保管すると、画像が対向させた用紙に付着する、いわゆるドキュメントオフセットが発生してしまう。また、耐ドキュメントオフセット性を付加させるために離型剤のドメイン径を大きくしたトナーを製造しようとしても、上記の通り、粉砕時に樹脂と離型剤との界面で割れが生じ、離型剤がトナー表面に露出することを防ぐことが出来ず、フィルミングが発生してしまう。
また、特許文献2の方法では、磁性粉は樹脂粒子や離型剤粒子に比べて比重が大きく、磁性体量が50重量%を越えるような磁性体量が大きいトナーを製造する場合、撹拌槽内の流れにおける撹拌層の下部といったデッドスペースに磁性粉が堆積し易いため、磁性体比率が均一な磁性トナーが得られない。また撹拌翼の回転速度を大きくして比重の大きな磁性体を撹拌槽中に均一に存在させようとすると、樹脂粒子は電気的凝集力で粒子の集合体を形成しているが、剪断力が大き過ぎて物理的に樹脂粒子集合体の形成を維持することができない。
本発明は、プロセススピードを高速化させても長期にわたり良好な画像が得られ、また、長期保存性に優れた定着画像が得られドキュメントオフセットの発生を抑制することが可能である静電荷像現像用トナー、その製造方法、画像形成装置及び画像形成方法である。
本発明は、結着樹脂と磁性体と離型剤とを含む静電荷像現像用トナーであって、前記トナーの体積平均粒径D50vが4.5〜8.0μmの範囲であり、前記磁性体の含有量がトナー重量に対して50〜75重量%の範囲であり、前記トナーの飽和磁化が45〜70A・m/kgの範囲であり、トナー表面の前記磁性体の露出量がX線光電子分光分析において0.02〜8.0%の範囲であり、トナー中の前記離型剤のドメイン平均長径をAとして、前記トナーの体積平均粒径D50vをDとすると、A/Dが0.4〜0.7の範囲である。
また、本発明は、結着樹脂と磁性体と離型剤とを含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記結着樹脂と磁性体と離型剤とを混練してから粉砕する混練粉砕法にてコア粒子を作製する工程と、水系媒体に被覆用結着樹脂が分散された樹脂分散液により前記コア粒子を被覆する被覆工程と、を含み、前記トナーの体積平均粒径D50vが4.5〜8.0μmの範囲であり、前記磁性体の含有量がトナー重量に対して50〜75重量%の範囲であり、前記トナーの飽和磁化が45〜70A・m/kgの範囲であり、トナー表面の前記磁性体の露出量がX線光電子分光分析において0.02〜8.0%の範囲であり、トナー中の前記離型剤のドメイン平均長径をAとして、前記トナーの体積平均粒径D50vをDとすると、A/Dが0.4〜0.7の範囲である。
また、本発明は、静電荷像担持体表面に静電荷像を形成し、磁性トナーを含む現像剤を用いて前記静電荷像を現像して転写材に転写する画像形成装置であって、静電荷像担持体と、前記静電荷像担持体を帯電する帯電手段と、前記帯電をされた静電荷像担持体を露光し画像情報に応じて静電荷像を形成する露光手段と、前記現像剤により前記静電荷像上にトナー画像を形成し可視化する現像手段と、前記静電荷像担持体の表面に形成されたトナー画像を転写材の表面に転写する転写手段と、前記転写材の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を有し、前記磁性トナーは、前記静電荷像現像用トナーである。
また、本発明は、静電荷像担持体表面に静電荷像を形成し、磁性トナーを含む現像剤を用いて前記静電荷像を現像して転写材に転写する画像形成装置であって、静電荷像担持体と、前記静電荷像担持体を帯電する帯電手段と、前記帯電をされた静電荷像担持体を露光し画像情報に応じて静電荷像を形成する露光手段と、前記現像剤により前記静電荷像上にトナー画像を形成し可視化する現像手段と、前記静電荷像担持体の表面に形成されたトナー画像を転写材の表面に前記転写材を介して直接接触して転写する転写手段と、前記転写材の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、前記現像手段付近の温度を検知する温度検知手段と、を有し、前記磁性トナーは、前記静電荷像現像用トナーであり、前記温度検知手段により検知された温度が所定の基準温度以上の時に、40%以上の画像密度を有する高密度画像を印刷する。
さらに、本発明は、静電荷像担持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、磁性トナーを含む現像剤を用い、前記静電荷像担持体表面に形成された静電荷像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記静電荷像担持体表面に形成されたトナー画像を転写材表面に転写する転写工程と、前記転写材表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、前記磁性トナーは、前記静電荷像現像用トナーである。
本発明では、磁性体量、トナーの飽和磁化、トナー表面の磁性体の露出量およびトナー中の離型剤のドメイン径を制御することにより、プロセススピードを高速化させても長期にわたり良好な画像が得られ、また、長期保存性に優れた定着画像が得られドキュメントオフセットの発生を抑制することが可能である静電荷像現像用トナー、その製造方法、画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
本発明の実施の形態について以下説明する。
<静電荷像現像用トナー>
まず、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーについて説明する。本発明者らは、高生産性と安定性に優れた静電荷像現像用トナーを得るため鋭意検討した結果、磁性体量、トナーの飽和磁化、トナー表面の磁性体の露出量およびトナー中の離型剤のドメイン径を制御することにより、磁性体が脱離することによる現像部材等への汚染を防ぎ、かつトナー表面に離型剤が露出することによる流動性悪化や、帯電性の不良等を防ぐことが出来ることを見出した。
すなわち、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、結着樹脂と磁性体と離型剤とを含む静電荷像現像用トナーであって、トナーの体積平均粒径D50vが4.5〜8.0μmの範囲であり、磁性体の含有量がトナー重量に対して50〜75重量%の範囲であり、トナーの飽和磁化が45〜70A・m/kgの範囲であり、トナー表面の磁性体の露出量がX線光電子分光分析において0.02〜8.0%の範囲であり、トナー中の離型剤のドメイン平均長径をAとして、トナーの体積平均粒径D50vをDとすると、A/Dが0.4〜0.7の範囲である。ここで、前記「トナーの体積平均粒径D50v」、「磁性体の含有量」、「トナーの飽和磁化」、「トナー表面の磁性体の露出量」、「A/D」、及び下記「トナー表面の離型剤の露出量」は、いずれも下記外添剤を外添した後の値を意味する。
本実施形態のトナーは結着樹脂、磁性体、離型剤を含む磁性トナーであり、トナーの表面状態を制御することで、磁性体、離型剤により粉体流動性や帯電性等に悪影響を及ぼすことなく、例えば150mm/sec〜600mm/secの高プロセススピードにおいても長期にわたり画質安定性に優れたトナーを得ることができる。
本実施形態に係るトナーの体積平均粒径D50vは、4.5〜8.0μmの範囲であるが、好ましくは5.2〜7.5μmの範囲、より好ましくは6.2〜7.3μmの範囲である。体積平均粒径D50vが4.5μmを下回ると、トナー1粒子の帯電量に比べ磁力が小さく、高プロセススピードの場合、現像剤担持体上に保持出来ずトナーの飛び散りが発生し好ましくない。一方、体積平均粒径D50vが8.0μmを超えた場合、帯電量はトナー粒子の表面積に比例するが、磁力は体積に比例するため、帯電量に比して磁力が過大となり、階調再現性が悪化してしまい高画質を得ることが困難である。
また、本実施形態において磁性体の含有量はトナー重量に対して50〜75重量%の範囲にあるが、好ましくは50〜67重量%の範囲であり、より好ましくは50〜65重量%の範囲である。磁性体の含有量が50重量%未満であると高プロセススピードの場合、現像剤担持体上に保持出来ずトナーの飛び散りが発生し好ましくない。一方、磁性体の含有量が75重量%を越える場合は濃度の再現性が低下してしまい高画質を得ることが困難となる。
トナーの飽和磁化は、45〜70A・m/kgの範囲であるが、50〜65A・m/kgの範囲であることが好ましい。トナーの飽和磁化が45A・m/kg未満であると、所望の磁性体の含有量を含んだとしても、高プロセススピードにおいて磁力による現像剤担持体上に保持することができず、70A・m/kgを超えると低濃度の均一な画像でムラのない均一な濃度を得ることが出来ない。
トナー表面の磁性体の露出量はX線光電子分光分析において0.02〜8.0%の範囲であるが、好ましくは0.5〜5.0%の範囲である。磁性体の露出量が0.02%未満であると実質的に磁性体は埋没しており、離型剤が定着時、トナー定着画像表面へ速やかに移行することを阻害するため、高プロセススピードの達成が困難となる。また、磁性体の露出量が8.0%を越えると露出した磁性体により、脱離した遊離磁性体がなくとも、現像剤担持体や感光体やヒートロールはトナーとの接触により磨耗が発生して寿命が短くなり、特に高プロセススピードの場合は物理的衝撃も大きく短命化は一層促進される。
トナー表面の離型剤の露出量はX線光電子分光分析において、0.0〜12.0%の範囲であることが好ましく、0.0〜8.0%の範囲であることがより好ましい。離型剤の露出量が12.0%を越えると外添剤の埋没により流動性が悪化したり、部材を汚染してフィルミング等のディフェクトを引き起こす場合があり望ましくない。
また、トナー中の離型剤のドメイン平均長径をAとして、トナーの体積平均粒径D50vをDとすると、A/Dは0.4〜0.7の範囲であるが、好ましくは0.3〜0.5の範囲である。離型剤のドメインが大きくなると、トナー定着画像表面にトナーが移行しやすくなりドキュメントオフセットの発生を抑制することができる。A/Dが0.4未満であると、1トナー粒子中の離型剤のドメイン数が多くなり、また、ドメインの径が小さい為、定着時にバインダとの溶融粘度差による圧力がかかりにくく、その結果、トナー定着画像表面に離型剤がしみ出し難く、そのため剥離性が低下し、同時に定着画像内に残存する離型剤と結着樹脂との界面を有するために破壊強度が弱く、曲げストレスにより部分欠損しやすい定着画像となる。また、ドキュメントオフセットが発生し易くなる。また、A/Dが0.7より大きいと現像装置内で物理的ストレスによってトナー内部の離型剤と結着樹脂との界面で破壊が生じ、露出した離型剤により現像機内汚染や帯電不安が生じる場合がある。
磁性体量、トナーの飽和磁化、トナー表面の磁性体の露出量およびトナー中の離型剤のドメイン径を上記の通り制御するためには、結着樹脂と磁性体と離型剤とを含むコア粒子の表層に、結着樹脂を含む樹脂粒子層(被覆層(シェル層))を設けることが好ましい。これにより、磁性体が脱離することによる現像部材等への汚染を防ぎ、かつトナー表面に離型剤が露出することによる流動性悪化や、帯電性の不良を防ぐことが出来る。
本実施形態のトナーに用いられる結着樹脂としては公知の合成樹脂及び天然樹脂を用いることが出来る。結着樹脂の具体例としては、スチレン、メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類等の単独重合体、または複数種の共重合体を用いることができる。また、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル系樹脂等を上記縮重合化合物と混合してもよい。樹脂は2種以上を併用しても良いが、離型剤のドメイン径を大きく制御するにはゲル分を含まないビニル系の溶融粘度の低いものが好ましい。また、省スペース現像機の場合、定着器の熱がこもり易く、シェル層に用いる結着樹脂(被覆用結着樹脂)としてエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂といった非ビニル系樹脂が好ましい。コア粒子に用いる結着樹脂とシェル層に用いる結着樹脂は同種でも異種でもかまわない。また、それぞれ上記樹脂を複数使用してもかまわない。
コア粒子及びシェル層に用いる結着樹脂のガラス転移点は40℃〜70℃の範囲にあることが好ましく、45〜60℃の範囲にあることがより好ましい。結着樹脂のガラス転移点が40℃より低いとトナー粉体が熱でブロッキングしやすく、70℃以上であると定着温度が高くなりすぎてしまう場合がある。
また、本実施形態のトナーのコア粒子に用いる結着樹脂がビニル系樹脂の場合は、重量平均分子量Mwが24000〜360000の範囲にあることが好ましい。重量平均分子量Mwが360000より大きいと、定着時の粘弾性が高く、離型剤が定着画像表面に移行するのが困難になり、重量平均分子量Mwが24000より小さいと、定着工程時のトナーの溶融粘度が低く、凝集力に乏しいためホットオフセットが生じてしまうことがある。また、シェル層に用いる結着樹脂がポリエステル系樹脂の場合、重量平均分子量Mwが5000〜10000の範囲にあることが好ましい。重量平均分子量Mwが10000を超えると、水系媒体中に分散しにくくなり、重量平均分子量Mwが5000未満であると熱保存性に劣るため、耐熱用シェル樹脂として適さない場合がある。
コア粒子に用いる結着樹脂は、THF不溶分であるゲル量が5〜20重量%の範囲であると適当な溶融粘度を得る為に混練温度を上げても、ゲル分が結着樹脂中の磁性体の分散性を向上することができるので好ましい。
本実施形態のトナーに用いられる磁性体(磁性粉)としては公知の磁性体、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属およびこれらの合金、Fe、γ−Fe、コバルト添加酸化鉄等の金属酸化物、MnZnフェライト、NiZnフェライト等の各種フェライト、マグネタイト、ヘマタイト等が使用でき、さらにそれらの表面をシランカップリング剤、チタネートカップリング剤等で処理してもよく、特にポリマでコーティングしたものは結着樹脂等への親和性に優れるため結着樹脂への分散性が良好であるという観点から好ましい。また、磁性体の体積平均粒径D50vは50〜400nmの範囲であることが好ましく、100〜250nmの範囲であることがより好ましい。磁性体は、通常のトナーに用いられる磁性体の体積平均粒径D50vより小さめのもの、例えばD50vが40〜150nmのものを用いることにより、磁性体の露出量を制御することができるので好ましい。
また、色調整等の目的で着色剤を併用することもできる。着色剤としては、トナーに使用される公知のものならばいかなるものでも使用することができ、たとえばカーボンブラック、有機顔料および染料を適宜使用することができる。着色剤の含有量は通常、磁性体に対して0.3重量%〜10重量%の範囲である。
本実施形態のトナーに用いられる離型剤は、一般にトナーの結着樹脂との相溶性に乏しいものが好ましい。結着樹脂と相溶性に富む離型剤を用いると、離型剤が結着樹脂に溶け込むため所望のドメイン径を得ることが困難になるだけでなく、結着樹脂の可塑化を促し、高温定着時におけるトナーの粘度を低下させるためオフセットが発生しやすくなる。
上記離型剤はそれ自体公知で任意なものを用いることが出来、具体例としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を示すシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の加熱により軟化点を示す脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の加熱により軟化点を示す植物系ワックス;ミツロウ等の加熱により軟化点を示す動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の加熱により軟化点を示す鉱物・石油ワックス;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類で加熱により軟化点を示すもの;ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の高級脂肪酸と単価又は多価低級アルコールとのエステルワックス類で加熱により軟化点を示すもの;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリセリド等の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステルワックス類で加熱により軟化点を示すもの;ソルビタンモノステアレート等の加熱により軟化点を示すソルビタン高級脂肪酸エステルワックス類;コレステリルステアレート等の加熱により軟化点を示すコレステロール高級脂肪酸エステルワックス類などを挙げることができる。
トナー中の離型剤の含有量は、2〜15重量%の範囲が好ましく、3〜10重量%の範囲がより好ましい。離型剤の含有量が2重量%未満であると、離型剤の絶対量として不足するため、熱や圧力により定着画像が対向する用紙や画像に移行する、いわゆるドキュメントオフセットが生じてしまうことがある。また、離型剤の含有量が15重量%を超えると、定着時に溶融するトナーの粘弾性が極めて低下し、ホットオフセットが発生したり、転写材がOHPの場合、OHPには離型剤が染み込まないため定着ロールに離型剤が付着し、定着ロールの2回転目以降にもOHPに離型剤痕が残る、ワックスオフセットと呼ばれる現象が発生してしまうことがある。
離型剤の融点は、65℃〜100℃の範囲であることが好ましい。混練粉砕式の通常のトナーに用いられる離型剤の融点より低めのものを用いると、離型剤のドメインを発生させ易いので好ましい。
本実施形態においては、目的に応じて、前記樹脂、磁性体及び離型剤以外に、帯電制御剤、無機粒子、有機粒子、滑剤、研磨材などのその他の成分(粒子)を添加させることが可能である。
帯電制御剤としては、特に制限はないが、発色性に影響を与えないもの、すなわち無色または淡色のものが好ましく使用できる。例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸3カルシウム、酸化セリウム等の通常トナー表面の外添剤として使用される全ての粒子が挙げられる。
有機粒子としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の通常トナー表面の外添剤として使用される全ての粒子が挙げられる。なお、これらの無機粒子や有機粒子は、流動性助剤、クリーニング助剤等として使用することができる。
滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙げられる。
研磨剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
本実施形態においては、トナー粒子の表面に、流動性向上剤として種々の樹脂粉や無機化合物を外添剤として添加してもよい。樹脂粉としてPMMA、ナイロン、メラミン、ベンゾグアナミン、フッ素系樹脂等の球状粒子を用いることができる。種々の公知の無機化合物としては、例えば、SiO、TiO、Al、MgO、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、CaCO、KO(TiO、MgCO、Al・2SiO、BaSO、MgSO等を例示することができ、好ましくはSiO、TiO、Alが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、またこれらの1種あるいは2種以上併用しても構わない。また、外添剤の体積平均粒径は、0.1μm以下のものが好ましく、外添剤の添加量は、トナー粒子に対して、0.1〜20重量%の範囲であることが好ましい。
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
次に本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法を説明する。本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法としては、トナーが上記条件を満たす範囲において、従来の混練粉砕法や、着色剤、離型剤等を重合性単量体とともに懸濁させ、重合性単量体を重合する懸濁重合法、樹脂、着色剤、離型剤等のトナー構成材料を有機溶媒に溶解させ、水系溶媒中に懸濁状態で分散させた後に有機溶媒を除去する溶解懸濁法、樹脂を乳化重合により作製し、着色剤、離型剤等の分散液とともにヘテロ凝集させ、その後融合、合一する乳化重合凝集法等の湿式製法などに任意に製造されるが、離型剤ドメイン径の制御や磁性体の均一分散に優れた混練粉砕法で磁性コア粒子を作製し、少なくとも樹脂粒子(被覆用結着樹脂)を分散させた水系媒体にて磁性コア粒子を混合させ、磁性トナーコア粒子表層に樹脂粒子層を設ける混練粉砕−ケミカル併用製法が好適である。
本発明者らは、磁性体量、トナー表面の磁性体の露出量およびトナー中の離型剤のドメイン径を制御して高生産性と安定性に優れた静電荷像現像用トナーを得るため鋭意検討した結果、水系媒体に被覆用結着樹脂が分散された樹脂分散液中に磁性トナーコア粒子を混合し、磁性トナーコア粒子表層に樹脂粒子層(被覆層(シェル層))を設けることにより、磁性体が脱離することによる現像部材等への汚染を防ぎ、かつトナー表面に離型剤が露出することによる流動性悪化や、帯電性の不良等を防ぐことが出来ることを見出した。
すなわち、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法は、結着樹脂と磁性体と離型剤とを含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、結着樹脂と磁性体と離型剤とを混練してから粉砕する混練粉砕法にてコア粒子を作製する工程と、水系媒体に被覆用結着樹脂が分散された樹脂分散液によりコア粒子を被覆する被覆工程と、を含み、トナーの体積平均粒径D50vが4.5〜8.0μmの範囲であり、磁性体の含有量がトナー重量に対して50〜75重量%の範囲であり、トナーの飽和磁化が45〜70A・m/kgの範囲であり、トナー表面の磁性体の露出量がX線光電子分光分析において0.02〜8.0%の範囲であり、トナー中の離型剤のドメイン平均長径をAとして、トナーの体積平均粒径D50vをDとすると、A/Dが0.4〜0.7の範囲である。
本実施形態においてはまず上記の結着樹脂と磁性体と離型剤とを含有する組成物を混練する混練粉砕法によりコア粒子を作製する。具体的には、結着樹脂、磁性体、離型剤を、必要により更に荷電制御剤、その他の添加剤等を添加した混合物を混合機により十分に混合した後、加熱混練機によって樹脂等を溶融、混練して相溶化させ、次いで、冷却固化して樹脂混練物を得、当該樹脂混練物を粉砕または粉砕分級して所望の粒子サイズを有するコア粒子を得ることができる。この工程は従来公知の方法によって実施することができる。混合機としては、ヘンシェルミキサ、ボールミル等を使用することができる。加熱混練機としては、三本ロール型、一軸スクリュ型、二軸スクリュ型、バンバリーミキサ型等の各種の加熱混練機を用いて行うことができる。混練物の粉砕は、例えばマイクロナイザ、ウルマックス、Jet−o−マイザ、KTM(クリプトン)、ターボミル、I式Jet−Mill等を用いて行われる。分級は、風力式のコアンダ効果を用いたエルボージェット等を用いて行われる。さらに、その後工程としてハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)等用いて、熱風を加えることで形状を変化することができ、熱風による球形化も可能である。例えばエクストルーダーミキサによって混練し、ジェットミルによって微粉砕し、分級して体積平均粒径4.5〜8.0μmの範囲の磁性トナーコア粒子を形成する。なお、分級は省略することも可能である。
離型剤のドメイン径は、コア粒子作製における、混練時の混練温度を調整することにより、あるいは混練時の混練物の溶融粘度を調整することにより、制御することができる。混練時の混練温度を高温にする、または、結着樹脂として溶融粘度の低いものを用いることで離型剤のドメイン径は大きなものとなる。コア粒子の結着樹脂としては、混練時に離型剤のドメイン径を大きく制御するためにはゲル分を含まないビニル系の溶融粘度の低いものが好ましい。また、混練に用いる結着樹脂とシェル層に用いる結着樹脂は同種でも異種でもかまわない。
混練時の混練温度は、上記範囲を満たす離型剤ドメイン径を得るために、結着樹脂の軟化点Tmの40℃以上であることが好ましく、Tmの45℃以上60℃以下であることがより好ましいが、上記範囲を満たす離型剤ドメイン径を得る限りにおいてなんら限定するものではない。
混練時の混練物の溶融粘度は、18.0〜32.0g/minの範囲であることが好ましい。溶融粘度が18.0g/min未満であると撹拌効果が強すぎて離型剤の所望のドメイン径を得ることが出来ず、32.0g/minを超えると樹脂、離型剤、磁性体が分散せず分離する場合がある。
次いで、得られた磁性トナーコア粒子を水系媒体に分散後、水系媒体に被覆用結着樹脂が分散された樹脂分散液と凝集剤とを用い、pH変化により樹脂粒子を磁性トナーコア粒子の表面に付着させ、樹脂粒子のシェル膜厚を調整することができる。シェル膜厚は0.1μm〜0.6μmの範囲が好ましい。シェル膜厚が0.1μm未満であると磁性体が物理的衝撃で脱離することが防ぐことが出来ず、また、0.6μmを超えると離型剤が定着画像表面へ速やかに移行するのを阻害してしまうことがある。
シェル層に用いるポリエステル系樹脂等の結着樹脂の樹脂分散液における樹脂粒子の体積平均粒径D50vは、1μm以下であることが好ましく、0.01〜1μmの範囲であることがより好ましい。樹脂粒子の体積平均粒径が1μmを超えると、凝集融合して得られるトナー粒子の粒度分布が広くなったり、遊離粒子が発生してトナーの性能や信頼性の低下を招きやすい。樹脂粒子の体積平均粒径が0.01μm未満であるとコア粒子の磁性体露出部には付着しにくく、コア粒子表面に均一に被覆されない場合がある。本実施形態では樹脂分散液における樹脂粒子の体積平均粒径を前記の範囲に調製することにより、凝集粒子中への樹脂粒子の分散を良好にし、トナー粒子間の組成の偏在を抑制することができ、トナー性能や信頼性のバラツキを低く抑えることができるという利点がある。
凝集剤としては、一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、その具体例としては、イオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の水溶性界面活性剤類;塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類;塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩;酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩;ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩;アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩類等が挙げられる。より好ましくは塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩;酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸等の無機、有機の金属塩であり、さらに好ましくは硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等の多価の無機金属塩が凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去等の点で好適に用いることができる。
これらの凝集剤の添加量は、電荷の価数により異なるが、いずれも少量であって、シェル用樹脂粒子に対して、一価の場合は3重量%以下程度、二価の場合は1重量%以下程度、三価の場合は0.5重量%以下程度である。凝集剤の量は少ない方が好ましいため、凝集剤としては価数の多い化合物が好ましい。
シェル用樹脂のガラス転移点の好ましくは1.6倍以上の温度で加熱処理して凝集粒子を融合させ、磁性トナーを得る。その後、冷却し、得られたトナー粒子含有液は、遠心分離または吸引濾過等により処理して、トナー粒子を分離し、イオン交換水等によって1〜3回程度洗浄する。その際pHを調整することで洗浄効果をより高めることができる。その後、トナー粒子を濾別し、イオン交換水等によって1〜3回程度洗浄し、乾燥することによって、トナーを得ることができる。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、静電荷像担持体表面に静電荷像を形成し、磁性トナーを含む現像剤を用いて静電荷像を現像して転写材に転写する画像形成装置であって、静電荷像担持体と、静電荷像担持体を帯電する帯電手段と、帯電をされた静電荷像担持体を露光し画像情報に応じて静電荷像を形成する露光手段と、現像剤により静電荷像上にトナー画像を形成し可視化する現像手段と、静電荷像担持体の表面に形成されたトナー画像を転写材の表面に転写する転写手段と、転写材の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を有する。
本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。画像形成装置1は、帯電部10と、露光部12と、静電荷像担持体である電子写真感光体14と、現像部16と、転写部18と、クリーニング部20と、定着部22とを備える。
画像形成装置1において、電子写真感光体14の周囲には、感光体を帯電する帯電手段である帯電部10、帯電された感光体を露光し画像情報に応じて静電荷像を形成する露光手段である露光部12、前記静電荷像現像用トナーを含む1成分現像剤により静電荷像上にトナー画像を形成し可視化する現像手段である現像部16、感光体表面に形成されたトナー画像を転写材24の表面に転写する転写手段である転写部18、転写後の感光体表面上に残存したトナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング部20がこの順で配置されている。また、転写材24に転写されたトナー画像を定着する定着部22が転写部18の左側に配置されている。
本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。まず、帯電部10により電子写真感光体14の表面が均一に帯電される。露光部12により光が当てられ、光の当てられた部分の帯電電荷が除去され、画像情報に応じて静電荷像が形成される。例えば、電子写真感光体14として有機感光体を用い、露光部12としてレーザビーム光を用いたデジタル式電子写真複写機の場合、電子写真感光体14の表面は、帯電部10により負電荷を付与され、レーザビーム光によりドット状にデジタル潜像が形成され、レーザビーム光の当たった部分に現像部16でトナーを付与され可視像化される。この場合、現像部16にはマイナスのバイアスが印加されている。次に転写部18で、用紙等の転写材24がこのトナー画像に重ねられ、転写材24の裏側からトナーとは逆極性の電荷が転写材24に与えられ、静電気力によりトナー画像が転写材24に転写される。転写されたトナー画像は、定着部22において熱あるいは圧力が加えられ、転写材24に融着されて定着される。一方、転写されずに電子写真感光体14の表面に残存したトナーはクリーニング部20で除去される。この帯電からクリーニングに至る一連のプロセスで一回のサイクルが終了する。なお、図1において、転写部18で用紙等の転写材24に直接トナー画像が転写されているが、中間転写体等の転写体を介して転写されても良い。
本実施形態に係る画像形成装置において、前記静電荷像現像用トナーを含む1成分現像剤を現像剤として用いることによって、プロセススピードを高速化させても長期にわたり良好な画像が得られ、また、長期保存性に優れた定着画像が得られドキュメントオフセットの発生を抑制することが可能である。したがって、転写部18のスリーブ径が例えば10〜30mmである小型の画像形成装置においても、プロセススピードを150mm/sec以上、好ましくは150〜600mm/secとしても、トナー飛散等の発生を抑制することができる。また、そのような高速適性を有する小型の画像形成装置においても従来の定着装置を使用することができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、静電荷像担持体表面に静電荷像を形成し、磁性トナーを含む現像剤を用いて静電荷像を現像して転写材に転写する画像形成装置であって、静電荷像担持体と、静電荷像担持体を帯電する帯電手段と、帯電をされた静電荷像担持体を露光し画像情報に応じて静電荷像を形成する露光手段と、現像剤により前記静電荷像上にトナー画像を形成し可視化する現像手段と、静電荷像担持体の表面に形成されたトナー画像を転写材の表面に転写材を介して直接接触して転写する転写手段と、転写材の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、現像手段付近の温度を検知する温度検知手段と、を有し、温度検知手段により検知された温度が所定の基準温度以上の時に、40%以上の画像密度を有する高密度画像を印刷するものであってもよい。
また、この画像形成装置において、転写材の一方の面の画像形成を定着した後に、もう一方の面の画像形成を行う両面印刷機能を有することが好ましい。
また、高密度画像を印刷する紙等の転写材は、高密度画像印刷用として画像形成装置内部に備えられ、温度検知手段により温度上昇が検知されたときのみに印刷されることが好ましい。
また、高密度画像を印刷した紙等の転写材は、画像形成装置外部に排出されることなく、画像形成装置内部に納められることが好ましい。
また、現像手段の内部に温度センサ等の温度検知手段を具備することが好ましい。
また、前記基準温度が前記静電荷像現像用トナーのガラス転移点−10℃以上であることが好ましく、前記静電荷像現像用トナーのガラス転移点−15℃以上であることがより好ましい。
本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略を図2に示し、その構成について説明する。画像形成装置3は、帯電部10と、露光部12と、静電荷像担持体である電子写真感光体14と、現像部16と、転写部18と、クリーニング部20と、定着部22とを備える。また、転写部18は、転写ロール26及び転写ロール押圧装置28を備える。さらに、温度検知手段である温度センサ30が現像部16の現像剤担持体32近傍に設置されている。
本実施形態に係る画像形成装置3の動作について説明する。まず、接触型帯電器である帯電部10により電子写真感光体14の表面が均一に帯電される。露光部12により光が当てられ、光の当てられた部分の帯電電荷が除去され、画像情報に応じて静電荷像が形成される。例えば、感光体として有機感光体を用い、露光部12としてレーザビーム光を用いたデジタル式電子写真複写機の場合、電子写真感光体14の表面は、帯電部10により負電荷を付与され、レーザビーム光によりドット状にデジタル潜像が形成され、レーザビーム光の当たった部分に現像部16でトナーを付与され可視像化される。この場合、現像部16にはマイナスのバイアスが印加されている。次に転写部18の転写ロール26及び転写ロール押圧装置28により一定の押し圧で、用紙トレイ34から送られた用紙等の転写材24がこのトナー画像に重ねられ、トナー画像が転写材24に転写される。なお、転写ロール16には図示しない電源により正極性のバイアスが印加されるようになっており、負極性のトナーを静電転写できるようになっている。転写されたトナー画像は、定着部22において熱あるいは圧力が加えられ、転写材24に融着されて定着され、転写材24は印刷用紙排出場所38に排出される。両面印刷時は定着部22を通過後、搬送経路(X)を通り、裏面印刷される。一方、転写されずに電子写真感光体14の表面に残存したトナーはクリーニング部20で除去される。この帯電からクリーニングに至る一連のプロセスで一回のサイクルが終了する。なお、図2において、転写部18で用紙等の転写材24に直接トナー画像が転写されているが、中間転写体等の転写体を介して転写されても良い。
以下、図1及び図2の画像形成装置1,3における帯電手段、静電荷像担持体、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、定着手段について説明する。
(帯電手段)
帯電手段である帯電部10としては、例えば、図2に示すような導電性又は半導電性の帯電ロールが用いられるが、図1に示すようなコロトロンなどの帯電器を用いても良い。導電性又は半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、電子写真感光体14に対し、直流電流を印加するか、交流電流を重畳させて印加してもよい。例えばこのような帯電部10により、電子写真感光体14との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることにより電子写真感光体14表面を帯電させる。なお、通常は、−300〜−1000Vに帯電される。また前記の導電性又は半導電性の帯電ロールは単層構造あるいは多重構造でも良い。なお、図2に示す画像形成装置3には、この帯電ロールの表面をクリーニングする機構は設けられておらず、コストダウンが図られている。
(静電荷像担持体)
静電荷像担持体は、少なくとも潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。静電荷像担持体としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体14は、円筒状の導電性の基体外周面に有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、基体上に、必要に応じて下引き層、及び、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層がこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
(露光手段)
露光手段である露光部12としては、特に制限はなく、例えば、静電荷像担持体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光できる光学系機器等が挙げられる。
(現像手段)
現像手段である現像部16は、静電荷像担持体上に形成した潜像を前記静電荷像現像用トナーを含む1成分現像剤により現像してトナー画像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記静電荷像現像用トナーをブラシ、ローラ等を用いて静電荷像担持体32に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。現像剤担時体32には、通常直流電圧が使用されるが、本実施形態においては更に交流電圧を重畳させて使用してもよい。
温度検知手段としては、現像手段付近の温度を検知することができるものであれば特に制限はなく、温度センサ、赤外線センサ等が挙げられる。また、温度センサ30等の温度検知手段は現像手段付近の温度を検知することができる位置に設置されればよいが、現像剤担時体32近傍に設置されることが好ましく、現像部16内に設置しても良い。
(転写手段)
転写手段である転写部18としては、例えば、図1に示すような転写材24の裏側からトナーとは逆極性の電荷を転写材24に与え、静電気力によりトナー画像を転写材24に転写するもの、あるいは図2に示すような転写材24の表面に転写材24を介して直接接触して転写する導電性又は半導電性のロール等を用いた転写ロール26及び転写ロール押圧装置28を用いることができる。転写ロール26には、静電荷像担持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロール26は、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定することができる。また、低コスト化のため、転写ロール26として単層の発泡ロール等が好適に用いられる。
(クリーニング手段)
クリーニング手段であるクリーニング部20については、静電荷像担持体上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。但し、転写効率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング部20を使用しない態様もありえる。
(定着手段)
定着手段である定着部22としては、転写材に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであれば特に制限はない。
本実施形態において、静電荷像現像用トナーに用いる、例えば150mm/sec以上、好ましくは150mm/sec〜600mm/secの高プロセススピードの定着部22としては、それ自体公知の定着装置を用いることができる。定着装置の加熱部材には離型層を設けることが好ましい。該離型層は、トナーを付着させない目的で、トナーに対して離型性の優れた材料、例えばシリコーンゴムや、フッ素系樹脂等を含んで形成するのが好ましい。該フッ素系樹脂の具体例としては、例えば、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロエチレンとの共重合体等が好ましく挙げられる。離型層の厚みは、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜60μmの範囲が好ましい。
本実施形態におけるトナー構成では、離型剤を含有するためシリコーンオイル等の加熱部材に塗布する離型性液体は不要であるが、高温定着領域確保等の目的でA4用紙1枚当たりにつき1μL以下程度使用してもよい。
トナー画像を転写する転写材(用紙)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、転写材の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
従来、画像品質を損なうことなく両面印刷が可能な方式としては、一方の面の画像を定着した後にもう一方の面の画像を形成する両面印刷装置が提案されている。こうした方式によると一方の面の画像を静電荷像担持体上から転写材へと転写して定着まで行ったのちに転写材を反転させる装置により転写材を反転させ、もう一方の面の画像を形成する。このため、一度定着装置を通過して熱を帯びた転写材が直接静電荷像担持体や転写部材、搬送部材などに触れてしまうことにより画像形成部材が加熱されてしまい、画像形成部材自身の特性値や、画像形成部材を制御するための特性値、制御値が影響を受けやすくなるだけでなく、画像形成装置内の温度を上昇させてしまう。連続運転時には更なる装置内温度の上昇をもたらすため、現像剤自身や現像剤が存在する箇所における現像剤の流動性や帯電特性、帯電維持性の悪化をもたらしたり、また電子写真方式に基づく画像形成装置が有する現像電界や転写電界などにおける温度あるいは湿度をも変化させてしまうことから、結果として現像性や転写性を変化させてしまうなどの問題があった。
特に、小型化や低コスト化で有利な転写方式である静電荷像担持体上の画像を転写材を介した転写部材により直接転写材へと転写する直接転写方式においては、転写材の一方の面への画像形成時に定着工程を通過した際に受けた熱を帯びたままの転写材が、もう一方の面の画像形成時に直接静電荷像担持体へ触れてしまうために静電荷像担持体の表面温度が高温になりやすく、特に高速連続下での両面印刷時には自然の放熱によって静電荷像担持体の表面温度を下げることが難しくなる。このため、対向する現像剤担持体上や現像装置に保持される現像剤へ熱が伝わることにより、例えば外添剤が埋没してしまったり、現像剤の流動性が悪化したり、最悪の場合には現像剤が凝集してしまうなどの現像剤が劣化したり、現像工程における温度が上昇し、場合によっては湿度までもが低下してしまうことによる現像剤のチャージアップによって現像されるトナー量や転写されるトナー量が低下し、結果として画像濃度が低下してしまう等の問題が生じやすい。さらには装置の小型化により装置内の熱がこもりやすくなることで、その傾向が顕著になるなどの問題があった。
本実施形態では、このような画像形成装置内の温度上昇に伴い、前記静電荷像現像用トナーを含む1成分現像剤が高温になった場合、高密度画像を印刷してトナーを強制排出することによりトナーを強制消費させ、トナー劣化による画像濃度低下、画質低下を防止することができ、良好な画像品質を安定して得ることが可能である。
また、さらなる低コスト化、小型化、高速化要求に対応するため、直接転写系の画像形成装置において、両面印刷で大量の画像形成が行われた場合でも濃度低下のほとんどない画像を安定して形成することができ、環境に優しい小型で省スペースかつ低コストの画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るトナー強制排出の工程の一例を示すフローチャートを図3に示す。
まず、ステップS10では、図2の温度センサ30が現像部16の温度を検知する。また、ステップS12で、制御部等により画像形成装置の累積プリント枚数が検知される。現像部16の温度が所定の基準温度以上、例えばトナーのガラス転移点のマイナス10℃以上であることが検知され、累積プリント枚数が所定枚数、例えば100枚を超えたことが検知されると、ステップS14で、画像形成装置3内部の高密度画像用紙トレイ36に備えられている強制排出用の紙等の転写材に高密度画像を印刷することにより、現像部16内のトナーを強制排出する。高密度画像の印刷が終了すると、ステップS16で通常の印刷動作に戻る。従来知られている方法と比べると、新たな装置等が必要なく低コスト化することができ、高密度画像を1枚印刷するだけでよいので生産性に影響を与えることもない。さらに高密度印刷された転写材をマシン外部に排出することなくマシン内部に納められる高密度印刷後用紙トレイ40を備えることにより、ユーザの生産性を損なうことなくトナー劣化対策をすることができる。
<画像形成方法>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを用いる画像形成方法は、静電荷像担持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、前記静電荷像現像用トナーを含む現像剤を用い、静電荷像担持体表面に形成された静電荷像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、静電荷像担持体表面に形成されたトナー画像を転写材表面に転写する転写工程と、転写材表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む。
各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されており、本明細書に好適に適用可能である。なお、本実施形態に係る画像形成方法において、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置、あるいは上記画像形成装置を用いて実施することができる。また、トナー画像を転写材上に転写する工程では、静電荷像担持体上のトナー画像を直接、転写材に転写する方式で行われてもよいし、中間転写体を介して転写材に転写する方式で行われてもよい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例におけるトナーの粒度分布測定について述べる。測定装置としてはコールターマルチサイザーII型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はアイソトンII水溶液(ベックマンーコールター社製)を使用した。測定法としては分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の5%水溶液2mL中に測定試料を50mg加えた。これを前記電解液100mL中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーII型により、アパーチャ径として100μmアパーチャを用いて測定した。トナーの粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。この際、D50vは体積平均粒径を表し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として求められる。なお、(D84p/D16p)1/2は数平均粒度分布指標(GSDp)を表す。測定した粒子数は50000である。
樹脂分散液における樹脂粒子の体積平均粒径D50vは、レーザ回折式粒度分布測定機(堀場製作所製LA−700)で測定した。
結着樹脂の分子量分布測定は、以下の条件で行った。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5重量%、流速0.6mL/min.、サンプル注入量10μL、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
樹脂粒子及びトナーのガラス転移点は、示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−50)を用い、昇温速度3℃/分の条件下で測定した。
離型剤のドメイン径は、トナー作製後、トナー200粒子の断面を透過型電子顕微鏡TEM装置(日本電子社製、JEM−1010型電子顕微鏡)で確認し、ドメインの長軸の平均径をドメイン平均長径Aとした。
結着樹脂の軟化点(Tm)は高化式フローテスタ(CFT−500、島津製作所製)を用い、ダイスの細孔の径1mm、長さ1mm、荷重20kg/cmG、昇温速度6℃/分の条件下で1ccの試料を溶融流出させた時の流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度とした。
トナー表面の磁性体の露出量はX線光電子分光分析(日本電子製、JPS−9000MX型)で測定し、Fe元素をCとO元素比で算出した。また、離型剤の露出量は同じく前記X線光電子分光分析でC元素中に含まれるclsの電子スピン量を測定し、用いた樹脂および離型剤が含有するcls量より算出した。
混練物の溶融粘度は、混練物の温度を測定し、同温度でメルトインデックサ装置(東洋精機製作所製No.522型)を用いて荷重500gの条件で測定した。
トナーの飽和磁化は、VSM(Vibrating Sample Magnetometer)装置(東英工業製P10型)を用いて磁場5/4πkA/mの条件で測定した。また、トナー重量に対する磁性体の含有量は用いる磁性体の飽和磁化量とトナーの飽和磁化量より算出した。
<実施例1>
(磁性トナーコア粒子Aの作製)
結着樹脂:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(組成比80/20、Mw=130000、Tm=110℃) 20重量部
6面体マグネタイト(体積平均粒径0.12μm、飽和磁化85A・m/kg)
70重量部
ポリエチレンワックス(融点78℃) 9重量部
負帯電制御剤(Fe含有アゾ染料、商品名T−77、保土ヶ谷化学社製)1重量部
上記の混合材料をヘンシェルミキサにて粉体混合し、これを設定温度170℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=23g/10min)により混練した。冷却後、粗粉をKTMを用いて微粉砕し、体積平均粒径D50vが、6.2μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが6.5μmの磁性トナーコア粒子Aを得た。
(シェル用樹脂分散液1の作製)
イソフタル酸 480重量部
テレフタル酸 480重量部
1、6−ヘキサンジオール 550重量部
ジブチルスズオキサイド 1重量部
以上の物質を、ガラス製3Lの四口フラスコに入れ、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサ及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒータ中で窒素気流下、200℃にて2時間、その後200℃で減圧(200mmHg)にて1時間撹拌しながら反応させた。得られたポリエステル樹脂は、体積平均粒径210nm、酸価25mgKOH/g、水酸基価12.5mgKOH/g、ガラス転移点55℃であった。また軟化点Tmは131℃であった。GPCによる重量平均分子量(Mw)は8500であった。
(磁性トナー粒子Aの作製)
磁性トナーコア粒子A 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35重量%) 30重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
前記成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザ(IKA社製 ウルトラタラックスT50)で十分混合撹拌、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら51℃まで加熱し、51℃で20分間保持した後、pHを6.0に調整し撹拌を継続しながら97℃まで加熱した。97℃で30分保持後冷却し濾過後、40℃のイオン交換水3リットルで洗浄を3回繰り返し、真空乾燥させ、体積平均粒径D50vが7.2μmの磁性トナー粒子Aを得た。
得られた磁性トナー粒子A100重量部に対し、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤Aを得た。磁性トナー粒子Aを含む磁性現像剤A(磁性トナーA)の体積平均粒径D50vは7.2μm、磁性体露出量は0.3%、離型剤露出量は4.8%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.51であった。磁性トナー重量に対する磁性体の含有量は、62.5重量%であった。磁性トナーAの飽和磁化は52.5A・m/kgであった。
得られた現像剤に富士ゼロックス社製DocuCentre400改造機を使用して現像および定着のプロセススピードを370mm/secとなるよう調整し、温度が10℃湿度15%RHの環境下で、富士ゼロックスオフィスサプライ社J紙にX−Rite社製X−Rite939で測定し画像濃度が平均1.2となるように調整した黒色画像濃度で5cm×5cmの画像を形成し、濃度ムラを確認した。また、1枚目と5万枚後の画像を比較し、機械内のトナー飛散を確認した。さらに得られた定着画像を対向させ、100g/cmの荷重を掛け50℃湿度50RH%の環境下で2週間放置し、ドキュメントオフセットの発生の有無を確認した。また、システムへのディフェクトの発生の有無を確認した。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
(濃度ムラ)
○:X−Rite939で画像内5点測定で最大値−最小値が0.1以内である
△:X−Rite939で画像内5点測定で最大値−最小値が0.2以内である
×:X−Rite939で画像内5点測定で最大値−最小値が0.2より大きい
(機内トナー飛散)
○:機内に飛散見られず
△:機内に飛散見られるものの、用紙には飛散見られず
×:用紙に飛散が見られる
(ドキュメントオフセット)
○:対向した画像共に変化見られず
△:対向側に像移行は見られないが、定着像に痕跡が残った
×:定着画像が破断し、対向側に移行が見られた
(システムへのディフェクトの発生の有無)
○:発生なし
×:フィルミングまたは定着オフセット発生
<実施例2>
(磁性トナーコア粒子Bの作製)
結着樹脂:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(組成比80/20、Mw=250000、Tm=124℃) 25重量部
8面体マグネタイト(体積平均粒径0.12μm、飽和磁化92A・m/kg)
65重量部
パラフィンワックス(融点69℃) 5重量部
パラフィンワックス(融点89℃) 3重量部
負帯電制御剤(Fe含有アゾ染料、商品名T−77、保土ヶ谷化学社製)2重量部
上記の混合材料をヘンシェルミキサにて粉体混合し、これを設定温度175℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=20g/10min)により混練した。冷却後粗粉砕微粉砕し、体積平均粒径D50vが、6.4μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが6.6μmの磁性トナーコア粒子Bを得た。
(シェル用樹脂分散液2の作製)
無水トリメリット酸 500重量部
イソフタル酸 500重量部
1、4−シクロヘキサンジオール 600重量部
ジブチルスズオキサイド 1重量部
以上の物質を、ガラス製3Lの四口フラスコに入れ、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサ及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒータ中で窒素気流下、200℃にて2時間、その後200℃で減圧(200mmHg)にて1時間撹拌しながら反応させた。得られたポリエステル樹脂は、体積平均粒径220nm、酸価25mgKOH/g、水酸基価12.5mgKOH/g、ガラス転移点49℃であった。また軟化点Tmは126℃であった。GPCによる重量平均分子量(Mw)は6000であった。
(磁性トナー粒子Bの作製)
磁性トナーコア粒子B 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 25重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
前記成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分混合撹拌、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら49℃まで加熱し、49℃で20分間保持した後、pHを6.0に調整し撹拌を継続しながら97℃まで加熱した。97℃で30分保持後冷却し濾過後、40℃のイオン交換水3リットルで洗浄を3回繰り返し、真空乾燥させ、体積平均粒径D50vが6.9μmの磁性トナー粒子Bを得た。
得られた磁性トナー粒子B100重量部に対し、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.3重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤Bを得た。磁性トナー粒子Bを含む磁性現像剤B(磁性トナーB)の体積平均粒径D50vは6.9μm、磁性体露出量は1.2%、離型剤露出量は10.2%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.42であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、55.3重量%であった。磁性トナーBの飽和磁化は54.6A・m/kgであった。
実施例1と同様にして、富士ゼロックス社製DucuCentre400改造機にて画像出しを行い、濃度ムラ、機内トナー飛散、ドキュメントオフセットを確認した。結果を表1に示す。
<実施例3>
(磁性トナー粒子Cの作製)
磁性トナーコア粒子B 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 72重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
を実施例1と同様に加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤C(磁性トナーC)を得た。磁性トナーCの体積平均粒径D50vは7.3μm、磁性体露出量は0.6%、離型剤露出量は1.2%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.44であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、51.4重量%であった。磁性トナーCの飽和磁化は47.3A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<実施例4>
(磁性トナーコア粒子Dの作製)
結着樹脂:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(組成比80/20、Mw=130000、Tm=110℃) 16重量部
6面体マグネタイト(体積平均粒径0.12μm、飽和磁化85A・m/kg)
78重量部
ポリエチレンワックス(融点78℃) 6重量部
上記の混合材料をヘンシェルミキサにて粉体混合し、これを設定温度170℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=23g/10min)により混練した。冷却後、粗粉をKTMを用いて微粉砕し、体積平均粒径D50vが、5.8μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが6.2μmの磁性トナーコア粒子Dを得た。
(磁性トナー粒子Dの作製)
磁性トナーコア粒子D 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 20重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様にして加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤D(磁性トナーD)を得た。磁性トナーDの体積平均粒径D50vは6.4μm、磁性体露出量は7.4%、離型剤露出量は2.1%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.43であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、72.1重量%であった。磁性トナーDの飽和磁化は61.3A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<実施例5>
(磁性トナーコア粒子Eの作製)
結着樹脂:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(組成比80/20、Mw=130000、Tm=110℃) 14重量部
8面体マグネタイト(体積平均粒径0.12μm、飽和磁化92A・m/kg)
78重量部
ポリエチレンワックス(融点78℃) 8重量部
上記の混合材料をヘンシェルミキサにて粉体混合し、これを設定温度180℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=28g/10min)により混練した。冷却後、粗粉をKTMを用いて微粉砕し、体積平均粒径D50vが、5.8μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが6.2μmの磁性トナーコア粒子Eを得た。
(磁性トナー粒子Eの作製)
磁性トナーコア粒子E 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 150重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様にして加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤E(磁性トナーE)を得た。磁性トナーEの体積平均粒径D50vは6.9μm、磁性体露出量は0.05%、離型剤露出量は0.80%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.41であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、50.6重量%であった。磁性トナーEの飽和磁化は46.6A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<実施例6>
(磁性トナー粒子Fの作製)
磁性トナーコア粒子E 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 10重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様にして加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤F(磁性トナーF)を得た。磁性トナーFの体積平均粒径D50vは6.7μm、磁性体露出量は7.7%、離型剤露出量は10.3%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.66であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、61.8重量%であった。磁性トナーFの飽和磁化は58.7A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<実施例7>
(磁性トナーコア粒子Gの作製)
結着樹脂:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(組成比80/20、Mw=130000、Tm=110℃) 25重量部
6面体マグネタイト(体積平均粒径0.12μm、飽和磁化84A・m/kg)
65重量部
ポリエチレンワックス(融点78℃) 9重量部
負帯電制御剤(Fe含有アゾ染料、商品名T−77、保土ヶ谷化学社製)1重量部
上記の混合材料をヘンシェルミキサにて粉体混合し、これを設定温度170℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=21g/10min)により混練した。冷却後、粗粉をKTMを用いて微粉砕し、体積平均粒径D50vが、5.5μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが5.8μmの磁性トナーコア粒子Gを得た。
(磁性トナー粒子Gの作製)
磁性トナーコア粒子G 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 20重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様にして加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤G(磁性トナーG)を得た。磁性トナーGの体積平均粒径D50vは6.0μm、磁性体露出量は1.8%、離型剤露出量は3.4%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.58であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、59.9重量%であった。磁性トナーGの飽和磁化は50.3A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<実施例8>
(磁性トナーコア粒子Hの作製)
結着樹脂:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(組成比80/20、Mw=130000、Tm=110℃) 14重量部
8面体マグネタイト(体積平均粒径0.10μm、飽和磁化96A・m/kg)
78重量部
ポリエチレンワックス(融点78℃) 8重量部
上記の混合材料をヘンシェルミキサにて粉体混合し、これを設定温度180℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=26g/10min)により混練した。冷却後、粗粉をKTMを用いて微粉砕し、体積平均粒径D50vが、5.5μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが5.6μmの磁性トナーコア粒子Hを得た。
(磁性トナー粒子Hの作製)
磁性トナーコア粒子H 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 20重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様にして加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤H(磁性トナーH)を得た。磁性トナーHの体積平均粒径D50vは5.9μm、磁性体露出量は6.9%、離型剤露出量は5.6%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.49であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、71.9重量%であった。磁性トナーHの飽和磁化は69.0A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<実施例9>
(磁性トナーコア粒子Iの作製)
結着樹脂:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(組成比80/20、Mw=130000、Tm=110℃) 20重量部
6面体マグネタイト(体積平均粒径0.12μm、飽和磁化92A・m/kg)
70重量部
ポリエチレンワックス(融点78℃) 10重量部
上記の混合材料をヘンシェルミキサにて粉体混合し、これを設定温度170℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=23g/10min)により混練した。冷却後、粗粉をKTMを用いて微粉砕し、体積平均粒径D50vが、6.2μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが6.5μmの磁性トナーコア粒子Aを得た。
(磁性トナー粒子Iの作製)
磁性トナーコア粒子I 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 90重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様に加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤C(磁性トナーI)を得た。磁性トナーIの体積平均粒径D50vは6.9μm、磁性体露出量は0.2%、離型剤露出量は1.7%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.42であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、52.6重量%であった。磁性トナーIの飽和磁化は48.4A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<実施例10>
(磁性トナー粒子Jの作製)
磁性トナーコア粒子I 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 10重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様にして加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤J(磁性トナーJ)を得た。磁性トナーJの体積平均粒径D50vは6.6μm、磁性体露出量は5.8%、離型剤露出量は10.1%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.68であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、66.7重量%であった。磁性トナーJの飽和磁化は61.3A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<実施例11>
(磁性トナーコア粒子Kの作製)
結着樹脂:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(組成比80/20、Mw=130000、Tm=110℃) 20重量部
6面体マグネタイト(体積平均粒径0.12μm、飽和磁化85A・m/kg)
70重量部
ポリエチレンワックス(融点95℃) 9重量部
負帯電制御剤(Fe含有アゾ染料、商品名T−77、保土ヶ谷化学社製)1重量部
上記の混合材料をヘンシェルミキサにて粉体混合し、これを設定温度180℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=23g/10min)により混練した。冷却後、粗粉をKTMを用いて微粉砕し、体積平均粒径D50vが、5.4μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが5.7μmの磁性トナーコア粒子Kを得た。
(磁性トナー粒子Kの作製)
磁性トナーコア粒子K 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 20重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様にして加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤K(磁性トナーK)を得た。磁性トナーKの体積平均粒径D50vは6.1μm、磁性体露出量は5.8%、離型剤露出量は7.7%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.42であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、66.5重量%であった。磁性トナーKの飽和磁化は61.2A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<実施例12>
(磁性トナーコア粒子Lの作製)
結着樹脂:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(組成比80/20、Mw=250000、Tm=124℃) 25重量部
8面体マグネタイト(体積平均粒径0.12μm、飽和磁化92A・m/kg)
65重量部
ポリエチレンワックス(融点95℃) 3重量部
パラフィンワックス(融点79℃) 5重量部
負帯電制御剤(Fe含有アゾ染料、商品名T−77、保土ヶ谷化学社製)2重量部
上記の混合材料をヘンシェルミキサにて粉体混合し、これを設定温度175℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=21g/10min)により混練した。冷却後粗粉砕微粉砕し、体積平均粒径D50vが、6.4μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが6.6μmの磁性トナーコア粒子Lを得た。
(磁性トナー粒子Lの作製)
磁性トナーコア粒子L 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 20重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様にして加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤L(磁性トナーL)を得た。磁性トナーLの体積平均粒径D50vは6.9μm、磁性体露出量は4.8%、離型剤露出量は6.9%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.43であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、59.9重量%であった。磁性トナーLの飽和磁化は55.1A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
(磁性トナー粒子Mの作製)
実施例1の磁性トナー粒子A作製材料を用いてヘンシェルミキサで混合後これを設定温度140℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=14g/10min)により混練した。冷却後粗粉砕微粉砕し、体積平均粒径D50vが、7.2μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが7.5μmの磁性トナー粒子Mを得た。
得られた磁性トナー粒子M100重量部に対し、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.3重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤Mを得た。磁性トナー粒子Mを含む磁性現像剤M(磁性トナーM)の体積平均粒径D50vは7.5μm、磁性体露出量は10.4%、離型剤露出量は48.4%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.22であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、69.0重量%であった。磁性トナーMの飽和磁化は59.5A・m/kgであった。
実施例1と同様にして、富士ゼロックス社製DocuCentre400改造機にて画像出しを行い、濃度ムラ、機内トナー飛散、ドキュメントオフセットを確認した。結果を表1に示す。
<比較例2>
(コア用樹脂分散液1の作製)
スチレン 350重量部
アクリル酸ブチル 50重量部
アクリル酸 8重量部
ドデシルメルカプタン 10重量部
四臭化炭素 3重量部
上記各成分を予め混合して溶解し、溶液を調製しておき、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノボニール)7重量部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)10重量部をイオン交換水520重量部に溶解した界面活性剤溶液と、前記溶液とをフラスコに投入し、加圧分散機(同栄商事社製)ゴーリンホモジナイザーにより機械分散させて乳化した。10分間ゆっくりと混合しながら更に、過硫酸アンモニウム3重量部を溶解したイオン交換水70重量部を投入し、窒素置換を行った。その後、フラスコを撹拌しながらオイルバスで内容物が70℃になるまで加熱し、6時間そのまま乳化重合を継続した。その後、この反応液を室温まで冷却して、体積平均粒径D50vが148nm、ガラス転移点が51.2℃、重量平均分子量Mwが21000のコア用樹脂分散液(1)を得た。
(離型剤分散液(1)の作製)
ポリエチレンワックス(融点109℃) 100重量部
アニオン界面活性剤(竹本油脂社製、パイオニンA−45−D) 2重量部
イオン交換水 500重量部
上記各成分を混合して溶解させ、ホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックス)を用いて分散させた後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、体積平均粒径280nmの離型剤粒子(ポリエチレンワックス)を分散させてなる離型剤分散液(1)を得た。
(磁性トナー粒子Nの作製)
コア用樹脂分散液(1) 37重量部
8面体マグネタイト(体積平均粒径0.22μm、飽和磁化92A・m/kg)
57重量部
離型剤分散液(1) 4重量部
カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) 2重量部
イオン交換水 100重量部
上記各成分を丸底ステンレス製フラスコ中でホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて混合分散させた後、加熱用オイルバスで50℃まで撹拌しながら加熱し、50℃で30分保持して凝集粒子を形成した。得られた凝集粒子の一部を光学顕微鏡で観察したところ、凝集粒子の体積平均粒径は約6.1μmであった。この凝集粒子液に、シェル用樹脂分散液(1)を緩やかに10重量部追加し、更に50℃で30分間加熱撹拌し、凝集粒子液Lを得た。得られた凝集粒子液を光学顕微鏡で観察すると、凝集粒子の体積平均粒径は約6.8μmであった。pHを6.0に調整し撹拌を継続しながら97℃まで加熱した。97℃で30分保持後冷却し濾過後、40℃のイオン交換水3リットルで洗浄を3回繰り返し、真空乾燥させ、体積平均粒径D50vが6.9μmの磁性トナー粒子Nを得た。
得られた磁性トナー粒子N100重量部に対し、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤Nを得た。磁性トナー粒子Nを含む磁性現像剤N(磁性トナーN)の体積平均粒径D50vは6.9μm、磁性体露出量は2.5%、離型剤露出量は0.09%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.19であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、32.7重量%であった。磁性トナーNの飽和磁化は31.1A・m/kgであった。
実施例1と同様にして、富士ゼロックス社製DocuCentre400改造機にて画像出しを行い、濃度ムラ、機内トナー飛散、ドキュメントオフセットを確認した。結果を表1に示す。
<比較例3>
(磁性トナーコア粒子Oの作製)
結着樹脂:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(組成比80/20、Mw=130000、Tm=110℃) 40重量部
6面体マグネタイト(体積平均粒径0.12μm、飽和磁化85A・m/kg)
50重量部
ポリエチレンワックス(融点78℃) 9重量部
負帯電制御剤(Fe含有アゾ染料、商品名T−77、保土ヶ谷化学社製)1重量部
上記の混合材料をヘンシェルミキサにて粉体混合し、これを設定温度140℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=16g/10min)により混練した。冷却後、粗粉をKTMを用いて微粉砕し、体積平均粒径D50vが、6.8μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが7.0μmの磁性トナーコア粒子Oを得た。
(磁性トナー粒子Oの作製)
磁性トナーコア粒子O 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 20重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様に加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤O(磁性トナーO)を得た。磁性トナーOの体積平均粒径D50vは7.2μm、磁性体露出量は4.7%、離型剤露出量は6.8%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.48であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、46.1重量%であった。磁性トナーOの飽和磁化は39.2A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<比較例4>
(磁性トナーコア粒子Pの作製)
結着樹脂:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(組成比80/20、Mw=130000、Tm=110℃) 10重量部
6面体マグネタイト(体積平均粒径0.12μm、飽和磁化85A・m/kg)
80重量部
ポリエチレンワックス(融点78℃) 10重量部
上記の混合材料をヘンシェルミキサにて粉体混合し、これを設定温度160℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=21g/10min)により混練した。冷却後、粗粉をKTMを用いて微粉砕し、体積平均粒径D50vが、4.9μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが5.3μmの磁性トナーコア粒子Pを得た。
(磁性トナー粒子Pの作製)
磁性トナーコア粒子P 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 10重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様にして加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤P(磁性トナーP)を得た。磁性トナーPの体積平均粒径D50vは5.4μm、磁性体露出量は8.5%、離型剤露出量は3.3%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.29であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、76.2重量%であった。磁性トナーPの飽和磁化は64.8A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<比較例5>
(磁性トナー粒子Qの作製)
磁性トナーコア粒子P 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 160重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様にして加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤Q(磁性トナーQ)を得た。磁性トナーQの体積平均粒径D50vは6.1μm、磁性体露出量は0.0%、離型剤露出量は0.2%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.11であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、50.8重量%であった。磁性トナーQの飽和磁化は43.2A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<比較例6>
(磁性トナー粒子Rの作製)
磁性トナーコア粒子D 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 5重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様にして加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤R(磁性トナーR)を得た。磁性トナーRの体積平均粒径D50vは6.3μm、磁性体露出量は8.3%、離型剤露出量は4.2%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.50であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、74.8重量%であった。磁性トナーRの飽和磁化は63.6A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<比較例7>
6面体マグネタイトの飽和磁化が71A・m/kgのものを使用した以外は実施例1と同様にして磁性現像剤S(磁性トナーS)を得た。磁性トナーSの体積平均粒径D50vは7.1μm、磁性体露出量は0.3%、離型剤露出量は4.5%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.50であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、62.4重量%であった。磁性トナーSの飽和磁化は44.3A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<比較例8>
6面体マグネタイトの飽和磁化が115A・m/kgのものを使用した以外は実施例1と同様にして磁性トナー粒子Tを含む磁性現像剤T(磁性トナーT)を得た。磁性トナーTの体積平均粒径D50vは7.2μm、磁性体露出量は0.3%、離型剤露出量は4.7%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.50であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、62.6重量%であった。磁性トナーTの飽和磁化は72.0A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<比較例9>
(磁性トナー粒子Uの作製)
磁性トナーコア粒子I 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 110重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様にして加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤U(磁性トナーU)を得た。磁性トナーUの体積平均粒径D50vは6.5μm、磁性体露出量は0.11%、離型剤露出量は1.4%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.37であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、50.1重量%であった。磁性トナーUの飽和磁化は46.1A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
<比較例10>
(磁性トナーコア粒子Vの作製)
結着樹脂:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(組成比80/20、Mw=130000、Tm=110℃) 18重量部
6面体マグネタイト(体積平均粒径0.12μm、飽和磁化92A・m/kg)
68重量部
ポリエチレンワックス(融点78℃) 14重量部
上記の混合材料をヘンシェルミキサにて粉体混合し、これを設定温度165℃のエクストルーダー(混練時の材料の溶融粘度MI=26g/10min)により混練した。冷却後、粗粉をKTMを用いて微粉砕し、体積平均粒径D50vが、6.1μmの粉砕品を得た。さらにこの粉砕品を分級して、体積平均粒径D50vが6.3μmの磁性トナーコア粒子Aを得た。
(磁性トナー粒子Vの作製)
磁性トナーコア粒子V 100重量部
シェル用樹脂分散液A(固形分35%) 10重量部
ポリ塩化アルミニウム 2重量部
イオン交換水 500重量部
実施例1と同様に加熱、冷却、洗浄後、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて混合することにより磁性現像剤C(磁性トナーV)を得た。磁性トナーVの体積平均粒径D50vは6.4μm、磁性体露出量は0.52%、離型剤露出量は16.8%であった。また離型剤ドメイン径A/Dは0.76であった。トナー重量に対する磁性体の含有量は、64.5重量%であった。磁性トナーVの飽和磁化は59.3A・m/kgであった。評価結果を表1に示す。
Figure 2007225736
このように、実施例1〜12の磁性トナーのように、磁性体量、トナーの飽和磁化、トナー表面の磁性体の露出量およびトナー中の離型剤のドメイン径を制御することにより150〜600mm/secの高プロセススピードにおいても長期にわたり、安定した帯電性が得られ、かつ長期保存性に優れた定着画像の得られる電子写真用磁性1成分トナーを得ることができた。一方、比較例1〜10のトナーは、特性が悪かった。
<実施例13>
図2に示すような、小型の画像形成装置を用いて、両面モノクロ画像を画像比率1%〜4%の混合チャートで連続して2000枚及び5000枚の走行テストを行った。現像装置は現像剤担持体近傍(現像剤担持体表面から50mm離れたところ)に温度センサを設置した。現像剤は、実施例1の磁性現像剤Aを使用した。このトナーのガラス転移点は55℃であることから、トナー強制排出モードへの切り替えは45℃に設定した。トナー強制排出はプリント100枚に1回、Cin100%のベタ画像とした。外径14mmの単層構造である帯電ロール表面を用い、トナーに大粒径外添剤を使用していないことから、帯電ロール表面をクリーニングする機構が設けず、低コスト化が図られている。用紙に直接画像を外径18mm半導電性発泡転写ロールによって行う画像形成装置を用いた。
(画像濃度評価方法)
走行テスト後における、プリント上のソリッドパッチ部の濃度をX−rite社製X−rite404を用いて3回測定しそのパッチ数に応じて平均値を一枚の画像濃度として、100枚ごとに上記測定を実施し、5000枚の平均値を算出した。濃度低下を以下の基準で評価した。評価結果を表2に示す。
◎:1.42以上
○:1.4以上1.42未満
△:1.33以上1.4未満
×:1.2以上1.33未満
××:1.2未満
<実施例14>
現像装置に温度センサを設置せず、高密度画像を印刷するシステムとしなかった以外は、実施例11と同様にして、2000枚及び5000枚の走行テストを行った。評価結果を表2に示す。
<実施例15>
トナー強制排出モードへの切り替えを40℃に設定した以外は、実施例11と同様にして、2000枚及び5000枚の走行テストを行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2007225736
このように、画像形成装置内の温度上昇に伴い、1成分現像剤が高温になっても、実施例13,15のように高密度画像を印刷することによりトナーを強制消費させることにより、トナー劣化による画像濃度低下、画質低下を防止することができ、良好な画像品質を安定して得ることができた。また、トナー強制排出モードへの切り替え温度をトナーのガラス転移点−10℃以上としなかった実施例15は、実施例13に比べてやや劣った。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例の概略を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の他の例の概略を示す図である。 本発明の実施形態に係るトナー強制排出の工程の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1,3 画像形成装置、10 帯電部、12 露光部、14 電子写真感光体、16 現像部、18 転写部、20 クリーニング部、22 定着部、24 転写材、26 転写ロール、28 転写ロール押圧装置、30 温度センサ、32 現像剤担持体、34 用紙トレイ、36 高密度画像用紙トレイ、38 印刷用紙排出場所、40 高密度印刷後用紙トレイ。

Claims (5)

  1. 結着樹脂と磁性体と離型剤とを含む静電荷像現像用トナーであって、
    前記トナーの体積平均粒径D50vが4.5〜8.0μmの範囲であり、
    前記磁性体の含有量がトナー重量に対して50〜75重量%の範囲であり、
    前記トナーの飽和磁化が45〜70A・m/kgの範囲であり、
    トナー表面の前記磁性体の露出量がX線光電子分光分析において0.02〜8.0%の範囲であり、
    トナー中の前記離型剤のドメイン平均長径をAとして、前記トナーの体積平均粒径D50vをDとすると、A/Dが0.4〜0.7の範囲であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 結着樹脂と磁性体と離型剤とを含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    前記結着樹脂と磁性体と離型剤とを混練してから粉砕する混練粉砕法にてコア粒子を作製する工程と、
    水系媒体に被覆用結着樹脂が分散された樹脂分散液により前記コア粒子を被覆する被覆工程と、
    を含み、
    前記トナーの体積平均粒径D50vが4.5〜8.0μmの範囲であり、
    前記磁性体の含有量がトナー重量に対して50〜75重量%の範囲であり、
    前記トナーの飽和磁化が45〜70A・m/kgの範囲であり、
    トナー表面の前記磁性体の露出量がX線光電子分光分析において0.02〜8.0%の範囲であり、
    トナー中の前記離型剤のドメイン平均長径をAとして、前記トナーの体積平均粒径D50vをDとすると、A/Dが0.4〜0.7の範囲であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 静電荷像担持体表面に静電荷像を形成し、磁性トナーを含む現像剤を用いて前記静電荷像を現像して転写材に転写する画像形成装置であって、
    静電荷像担持体と、
    前記静電荷像担持体を帯電する帯電手段と、
    前記帯電をされた静電荷像担持体を露光し画像情報に応じて静電荷像を形成する露光手段と、
    前記現像剤により前記静電荷像上にトナー画像を形成し可視化する現像手段と、
    前記静電荷像担持体の表面に形成されたトナー画像を転写材の表面に転写する転写手段と、
    前記転写材の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を有し、
    前記磁性トナーは、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 静電荷像担持体表面に静電荷像を形成し、磁性トナーを含む現像剤を用いて前記静電荷像を現像して転写材に転写する画像形成装置であって、
    静電荷像担持体と、
    前記静電荷像担持体を帯電する帯電手段と、
    前記帯電をされた静電荷像担持体を露光し画像情報に応じて静電荷像を形成する露光手段と、
    前記現像剤により前記静電荷像上にトナー画像を形成し可視化する現像手段と、
    前記静電荷像担持体の表面に形成されたトナー画像を転写材の表面に前記転写材を介して直接接触して転写する転写手段と、
    前記転写材の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    前記現像手段付近の温度を検知する温度検知手段と、
    を有し、
    前記磁性トナーは、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであり、
    前記温度検知手段により検知された温度が所定の基準温度以上の時に、40%以上の画像密度を有する高密度画像を印刷することを特徴とする画像形成装置。
  5. 静電荷像担持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、磁性トナーを含む現像剤を用い、前記静電荷像担持体表面に形成された静電荷像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記静電荷像担持体表面に形成されたトナー画像を転写材表面に転写する転写工程と、前記転写材表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、
    前記磁性トナーは、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
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