JPH0934167A - 静電荷現像用トナーおよびその製造方法 - Google Patents

静電荷現像用トナーおよびその製造方法

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JPH0934167A
JPH0934167A JP7200207A JP20020795A JPH0934167A JP H0934167 A JPH0934167 A JP H0934167A JP 7200207 A JP7200207 A JP 7200207A JP 20020795 A JP20020795 A JP 20020795A JP H0934167 A JPH0934167 A JP H0934167A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な現像性、転写性、定着性、耐久性、
クリーニング性を示す真球ないし丸みを帯びた不定形静
電荷像現像用トナーおよびその製造方法の提供。 【解決手段】 球形化または変形された粒子よりなる静
電荷現像用トナーの製造方法は、結着樹脂と着色剤から
なる組成物を混練粉砕して粒子を形成する工程、該粒子
を、常温固体の分散剤および表面処理を施した親水性無
機微粒子の存在下、水系媒体中に分散する工程、得られ
た分散液を、水系媒体中に疎水性溶剤を分散させた非水
混和性溶剤分散液と混合する工程、得られた混合液を加
熱および/または減圧することにより溶剤を除去する工
程を有することを特徴とする。疎水性溶剤中に結着樹脂
よりも高いガラス転移温度を有する樹脂を溶解させた場
合には、カプセルトナーを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法または静電
記録法等により形成される静電潜像を現像剤により現像
する際に用いられる静電荷現像用トナーおよびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法など静電荷像を経て画像情報
を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されてい
る。電子写真法においては、帯電、露光工程により感光
体上に静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜
像を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。ここ
で用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2
成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で
用いる1成分現像剤とがあるが、そのトナーの製法は通
常、熱可逆性樹脂を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの
離型剤とともに溶融混練し、冷却後、微粉砕し、さらに
分級する混練粉砕製法が使用されている。これらトナー
については、必要に応じて流動性やクリーニング性を改
善するための無機、有機の微粒子をトナー粒子表面に添
加することが行われている。
【0003】通常の混練粉砕法により得られるトナー
は、トナー形状およびトナーの表面構造が不定型であ
り、使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により微妙に変
化するので、意図的にトナー形状および表面構造を制御
することは困難である。また特に粉砕性の高い材料を用
いた場合、トナーが現像機中における機械力などにより
粉砕されて、さらに微粉の発生を招いたり、トナー形状
の変化を招くことがしばしば生じる。これらの傾向はワ
ックスなどの離型剤を含む場合、特に顕著に見られる。
これらの影響により2成分現像剤においては、微粉のキ
ャリア表面への固着により現像剤の帯電劣化が加速され
たり、1成分現像剤においては、粒度分布の拡大により
トナー飛散が生じたり、トナー形状の変化による現像性
の低下により、画質の劣化が生じやすくなる等の問題が
ある。また、ワックスなどの離型剤を内添してトナー化
する場合、熱可塑性樹脂との組み合せにより表面への離
型剤の露出の状態に影響を与えることが多い。特に高分
子量成分により弾性が付与されたやや粉砕されにくい樹
脂とポリエチレンのような脆いワックスとの組み合せで
は、トナー表面にはポリエチレンの露出が多く見られ
る。このようなトナーの場合は、定着時の離型性や感光
体上からの未転写トナーのクリーニングには有利である
ものの、表層のポリエチレンが機械力により容易に移行
するために、現像ロールや感光体、キャリアの汚染を生
じやすくなり、信頼性の低下につながる。
【0004】またトナー形状が不定型であることにより
流動性助剤の添加によっても流動性が充分でなく、使用
中機械力によりトナー粒子表面の凹部に微粒子が移動し
て経時的に流動性が低下し、現像性、転写性、クリーニ
ング性が悪化する。またクリーニングにより回収された
トナーを再び現像機に戻して使用すると、さらに画質の
低下を生じやすい。これらを防ぐために流動性助剤の量
を更に増加させると、感光体上に黒点が発生したり、助
剤粒子の飛散が生じるという問題がある。
【0005】トナーを球形化すると、種々の問題が改善
される。すなわち、混練粉砕したトナーを球形化すると
機械力による形状変化が生じにくくなり、また流動性助
剤の凹部への移動の影響も少なくなるため耐久性が高ま
る。また通常、現像や転写工程における粒径選択性が緩
和されるために、現像剤の維持性が高まり、特に感光体
上の転写残留トナーを現像機に戻して再使用するトナー
リサイクル現像では、現像剤の耐久性について改善効果
が高い。また、完全に球形化しなくても粉砕トナーの表
面をなめらかにしたり、突起部を丸めるように変形させ
ることにより類似の効果が得られることが多い。トナー
の球形化処理の例としては、ハイブリダイザーなどによ
る機械力によるものや、熱風処理などの乾式の処理方法
が一般的であるが、前者は、単位重量当り処理時間が多
くかかりすぎたり、熱可塑性樹脂の種類によっては充分
に球形化が進まないなどの問題があり、後者において
は、通常、処理時に300℃以上の高温が必要であり、
樹脂の分解や酸化が生じるために帯電性に異常が生じや
すく、また処理効率を高めようとするとトナー粒子間の
合一が進み、粒径分布が大径側に移動する等の問題があ
る。
【0006】また、水中にトナーを攪拌分散し、加熱し
て熱可塑性樹脂のガラス転移点以上に保持すると球形化
が進行するので、これを利用する方法も提案されてい
る。例えば、特開昭52−9435号公報にはアルコー
ルをはじめとする水混和性有機溶剤を使用する方法が提
案されており、この方法は、併用する疎水性シリカの分
散などには有利であるものの、加熱軟化したトナー粒子
の合一を防ぐには効果が低く、媒体中のトナー濃度を著
しく低下させなければトナー凝集が発生しやすいため、
実用性に乏しい。また疎水性シリカの存在下で水系媒体
中で熱球形化した場合、通常疎水性であるトナー内部に
疎水性シリカが完全に侵入し、多量のシリカを使用しな
ければ流動性に関する効果は得られにくい。また多量の
シリカを使用した場合は定着性に悪影響が発生するとい
う問題もある。また、特開平2−153361公報に
は、予め溶融混練したトナー成分を疎水性溶剤中に分散
させた調整液を水性媒体中に分散させ、加熱攪拌して上
記溶剤を揮発させて球形トナーを得る方法が提案されて
いる。しかしながら、このような懸濁造粒法によってト
ナーを作製した場合、得られたトナーは真球に近い形状
にしかならず、中間形状のものを採取することが不可能
である。
【0007】トナーが真球に近い形状であると良好な流
動性を示すものの、一般に使用されているブレードクリ
ーニング方式ではトナーがブレードクリーナーを通過し
てしまい、感光体に残留するトナーを除去することがで
きないという問題や、キャリアとの摩擦帯電性の悪化と
いった問題がある。そこで、近年、クリーニング性や摩
擦帯電性を向上させるため、特開平1−302270号
公報および特開平4−78802号公報等に提案されて
いるように、トナーの表面に凹凸をつける方法が試みら
れている。しかしながら、これらの方法ではクリーニン
グ性や摩擦帯電性を向上させるために十分な凹凸をつけ
ることが困難であり、実用性に乏しい。
【0008】また、カプセル化については種々の提案が
なされている。特開昭57−202547号公報、特開
昭63−27853号公報、特開昭63−27854号
公報には、帯電制御剤を含有するポリマーをトナーにス
プレードライ法、あるいは加熱または圧力によってコー
ティングしてトナーを得る方法が記載されている。しか
しながら、スプレードライ法は、複数のトナー母体をコ
ーティング層が包んでしまい、トナー粒径が大きくなる
という欠点がある。その後、篩分け作業を行っても所定
粒径のトナーの収率が低く、また、多量の有機溶剤を用
いるために安全衛生上の問題もある。また、加熱融着に
よりトナー母体上にコーティングする方法は、トナー同
士の接着や凝集を引き起こしてトナー粒径を大きくする
という欠点がある。特開平4−333056号公報には
混練・粉砕法、重合法等で作製したトナー核体粒子に樹
脂微粒子を外添した後、無機微粒子を分散させた溶剤に
接触させ、溶融被膜化する方法が記載されている。しか
しながら、この方法は核体粒子に微粒子が付着して被覆
層を形成しているため、核体粒子との接着性が悪く、被
覆性も不十分である。特開昭62−227161号公
報、同62−227162号公報には界面重合とグラフ
ト重合を利用してマイクロカプセルを作製する方法が開
示されているが、帯電制御機能を有する重合体をカプセ
ル殻に形成させる場合、工程が増えてしまうという欠点
がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題点に鑑みてなされたものであ
って、特に混練粉砕法およびカプセル化法によるトナー
における問題点を解消することを目的としてなされたも
のである。すなわち、本発明の目的は、(1)2成分現
像剤としては、トナー形状と表面組成構造の制御により
良好な現像性、転写性、クリーニング性とキャリア、感
光体の汚染の低減を実現し、安定した帯電性により長寿
命を有するものであり、(2)1成分現像剤としては、
トナー形状と表面組成構造の制御により現像ロール、感
光体の汚染を防止し、良好な現像性、転写性、クリーニ
ング性により安定した画像維持性を実現し、(3)更に
これら2成分、1成分方式共通にクリーニングにより回
収されたトナーを現像機へ戻し再使用する場合にも安定
した高画質の複写画像が得られ静電荷像現像用トナーの
製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、球形化または
変形された粒子よりなる静電荷現像用トナーおよびその
製造方法に関するものであって、その第1の製造方法
は、結着樹脂と着色剤からなる組成物を混練粉砕して粒
子を形成する工程、該粒子を、常温固体の分散剤および
表面処理を施した親水性無機微粒子の存在下、水系媒体
中に分散する工程、得られた分散液を、水系媒体中に疎
水性溶剤を分散させた非水混和性溶剤分散液と混合する
工程、得られた混合液を加熱および/または減圧するこ
とにより溶剤を除去する工程を有することを特徴とす
る。また、第1の静電荷現像用トナーは、上記の製造方
法によって得られたものであることを特徴とする。
【0011】また、第2の製造方法は、結着樹脂と着色
剤からなる組成物を混練粉砕して粒子を形成する工程、
該粒子を、表面処理を施した親水性無機微粒子の存在
下、水系媒体中に分散する工程、得られた分散液を、水
系媒体中に結着樹脂よりも高いガラス転移温度を有する
樹脂を溶解して含む疎水性溶剤を分散させた非水混和性
溶剤分散液と混合する工程、該混合液を加熱および/ま
たは減圧することにより溶剤を除去する工程を有するこ
とを特徴とする。また、第2の静電荷現像用トナーは、
球形化または変形されたカプセル粒子よりなるものであ
って、上記の製造方法によって得られたものであること
を特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、まず、第1の工程において、結
着樹脂と着色剤からなるか、更に離型剤を含む組成物を
混練粉砕して粒子を形成する。結着樹脂として用いられ
る熱可塑性樹脂或いはカプセル化に用いるコーティング
用樹脂としては、具体的には、スチレン、パラクロロス
チレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル
類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル
ニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、
ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等の
ビニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン等
のポリオレフィン類等の単量体等の重合体またはこれら
を2種以上を組み合わせて得られる共重合体またはこれ
らの混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹
脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるい
はこれらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの樹脂
の共存下でビニル系単量体を重合することによって得ら
れるグラフト重合体等をあげることができる。
【0013】着色剤としては、カーボンブラック、クロ
ムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ス
レンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレン
ジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウ
オッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアン
トカーミン3B,ブリリアントカーミン6B,デュポン
オイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ロ
ーダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、
アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイル
ブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブ
ルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオ
キサレート等の種々の顔料、アクリジン系、キサンテン
系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノ
ン系、ジオキサジン系、アゾメチン系、インジコ系、チ
オインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック
系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニル
メタン系、チアジン系、チアゾール系等の各種染料が使
用でき、これら着色剤は1種または複数種類を併せて使
用することができる。これら着色剤の含有量は結着樹脂
に対して0.5〜15重量%の範囲が好ましい。
【0014】又、所望に応じて使用される離型剤の例と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等
の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化するシリ
コーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノ
ール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド
類、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリ
ラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、ミ
ツロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケ
ライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等
の鉱物、石油系ワックス、およびそれらの変性物が使用
できる。通常使用される熱可塑性結着樹脂と組み合わせ
た場合、カルナウバワックスやキャンデリラワックスの
ような極性の大きいロウエステルを含有するワックスを
使用すると球形化処理によりトナー表面にワックスの露
出が増加する。反対にポリエチレンワックスやパラフィ
ンワックスのように極性の小さいワックスの場合は、表
面への露出は減少する傾向にある。ただし、結着樹脂と
の相溶性やワックスの融点等により程度の差は発生す
る。また通常のポリプロピレンワックスのように融点が
100℃以上の場合、水中での加熱では表面へのワック
ス露出量の変動は生じにくく、また加熱下で非軟化成分
となるために球形化の程度にも限界がある。離型剤を含
有させる場合、その含有量は、1〜30重量%、より好
ましくは2〜15重量%の範囲が好ましい。
【0015】本発明において、上記の成分の他に、例え
ば、内添剤としてフェライト、マグネタイト、還元鉄、
コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、または
これら金属を含む化合物等の磁性体を使用したり、帯電
制御剤として4級アンモニウム塩系化合物、ニグロシン
系化合物、アルミニウム、鉄、クロム等の錯体からなる
染料やトリフェニルメタン系顔料等、通常使用される種
々の帯電制御剤を使用することができる。
【0016】上記の成分よりなる組成物の混合、混練、
粉砕は、従来公知の方法ならば何如なる方法でも採用す
ることができる。粉砕した後、所望により分級するが、
粉砕によって得られた粒子は、平均粒子径3〜15μm
の範囲になるようにするのが好ましい。
【0017】次いで、得られた粒子を次の工程におい
て、表面処理を施した親水性無機微粒子の存在下、水系
媒体中に分散する。この工程において使用する親水性無
機微粒子は分散安定剤としての作用をするものであっ
て、分散安定剤となる親水性無機微粒子の例としては、
シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、リン酸三カルシウム、クレイ、ケイソウ
土、ベントナイト等があげられる。このうち、炭酸カル
シウム、リン酸三カルシウム、シリカ等はトナー分散系
において微細粒子の生成、酸による分解が容易であるの
で、特に好適である。親水性無機微粒子の粒径は、0.
03〜0.3μmの範囲が好ましい。
【0018】本発明において、これら親水性無機微粒子
は、表面処理が施されていることが必要である。表面処
理に使用される材料としては、脂肪酸系化合物、けい酸
系化合物、スルホン酸系化合物、ポリアクリル酸系樹
脂、メタクリル酸系樹脂、フマール酸系樹脂、マレイン
酸系樹脂等の表面処理剤が使用され、具体的には脂肪酸
系としてはオレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸等が
あげられ、けい酸系としては各種のカップリング剤があ
げられ、スルホン酸系としてはポリスチレンスルホン酸
およびその塩等があげられ、ポリアクリル酸系として
は、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ、
ポリアクリル酸カリウム等が例示される。アクリル酸と
不飽和二塩基酸の共重合体系のものとしては、アクリル
酸とマレイン酸またはフマール酸との共重合体等が使用
できる。本発明においては、特にポリアクリル酸ソーダ
またはアクリル酸と不飽和二塩基酸の共重合体等の表面
処理剤で処理が施された親水性無機微粉末を用いる場
合、適度に親油性が増すため、処理を施していない親水
性無機微粉末よりも良好にトナー表面に付着し、トナー
粒子の合一を防ぐのに有効である。
【0019】親水性無機微粒子の表面処理方法として
は、親水性無機微粒子を表面処理剤中または表面処理剤
を溶解させた溶液中において粉砕する方法、或いは表面
処理剤を溶解させた溶液を親水性無機微粒子にスプレー
コーティングする方法等が使用できる。表面処理剤の処
理量は、0.05〜5重量%の範囲が好ましく、より好
ましくは0.1〜2重量%の範囲である。
【0020】また、本発明において、上記の表面処理を
施した親水性無機微粒子は、そのBET比表面積が10
〜50m2 /gの範囲にあるのが特に好ましい。この範
囲のBET比表面積を有する表面処理を施した親水性無
機微粒子を使用すると、親水性無機微粒子がトナー中に
入り込まずにトナー表面を覆うことが可能であるので、
トナー中に入り込み残存する親水性無機微粒子による帯
電性への影響がなくなる。
【0021】表面処理を施した親水性無機微粒子の添加
量は、水系媒質に対して0.1〜10重量%の範囲が好
ましい。また、水系媒質としては、水の他に、メタノー
ル、エタノール等のアルコール系等を併用できる。水系
媒質には、球形化処理の際、トナー粒子の合一を防ぐた
めに分散安定剤としてポリビニルアルコールやアラビア
ゴムのような水溶性ポリマーを含有させることができ
る。分散処理は、攪拌機もしくはミキサー等によって撹
拌することにより行うことができる。
【0022】本発明において、必要に応じて界面活性剤
を使用することができ、それにより処理中の安定性を高
めることができる。分散のために使用する界面活性剤の
例としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン
酸エステル系等のアニオン界面活性剤、アミン塩系、4
級アンモニウム塩系等のカチオン界面活性剤、ポリエチ
レングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサ
イド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活
性剤が使用可能である。分散安定剤となる水溶性ポリマ
ーの例としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース等のセルロース系化合物の他
に、ポリビニルアルコール、ゼラチン、デンプン、アラ
ビアゴム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等が使用できる。
【0023】上記の工程で得られた分散液は、次いで、
水系媒体中に疎水性溶剤を分散させた非水混和性溶剤分
散液と混合する。本発明において使用することができる
疎水性溶剤は、水に30重量%以上溶解しないものであ
って、具体的には、ヘキサン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチル、塩化エチ
レン、1,1−ジクロロエタン、メチルクロロホルム、
ニトロメタン、ニトロプロパン、ジエチルエーテル、ア
クリロニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブ
チル、二硫化炭素等があげられ、これらを必要に応じて
一種類あるいは二種類以上混合して用いることができ
る。
【0024】また、疎水性溶剤を分散させるに際して、
油溶性界面活性剤の存在下、水中にてホモディスパーサ
ー等による高速撹拌機によって疎水性溶剤を可能な限り
微細に分散させることが粗粉発生防止のために好まし
い。使用される油溶性界面活性剤の例としては、カルボ
ン酸塩系、高級アルコール(チオアルコール)の硫酸エ
ステル塩系、アルキルスルホン酸塩系、アルキルアリル
スルホン酸塩系、アミドスルホン酸塩系等のアニオン界
面活性剤、高級アミン塩系、高級アルキル第4アンモニ
ウム塩系等のカチオン界面活性剤、ポリエチレングリコ
ール、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性界
面活性剤が使用可能である。
【0025】上記の疎水性溶剤には、結着樹脂よりも高
いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂を含有させるこ
とができ、それによってカプセル構造のトナーを得るこ
とができる。すなわち、低温定着で十分な安定性を得る
ために、結着樹脂として低Tgを有するポリマーを使用
し、そして、疎水性溶剤中に結着樹脂よりも高いガラス
転移温度を有する樹脂を溶解して、それを水性媒体中に
分散させた分散液を上記粒子の分散液と混合し、後記す
る球形化または変形処理を施すことにより、低Tgを有
する芯材と高Tgを有する外殻からなるカプセル型トナ
ーを作製することが可能になる。結着樹脂よりも高いT
gを有する樹脂は、前記結着樹脂について例示したもの
の中から、適宜選択して使用することができる。このよ
うにして得られるカプセル型トナーは、低Tgポリマー
を用いた場合の問題点であるトナーの粉体特性の悪化、
トナーが保存時または現像機内での熱凝集の発生、感光
体表面への融着という問題を生じることがない。また、
カプセル化において、外殻に安定した帯電性を示す物質
を使用することにより、芯材の種類にかかわらず、良好
な帯電性を示すトナーを得ることができるという利点も
ある。
【0026】上記の工程で得られた混合物は、次いで加
熱および/または減圧して溶剤を除去し、それによって
粒子の球形化または変形、またはカプセル化が行われ
る。加熱は、例えば、30〜80℃の範囲で30分間〜
10時間撹拌処理すればよく、また減圧の場合は9×1
4 〜6×104 Pa(−100〜−300mmHg)
の真空度において撹拌すればよい。また、加熱と減圧は
併用することもできる。加熱した場合は冷却し、次い
で、ろ過、洗浄した後、必要に応じて解砕し、篩分する
ことにより、球形化または変形された目的のトナーを得
ることができる。この場合、加熱温度、時間、攪拌速度
を最適化することにより、合一を制御して粒度分布を狭
くすることも可能である。
【0027】また、親水性無機微粉末は、球形化処理後
に塩酸などの添加で酸処理を行うことにより、トナー表
面から溶解除去させることができる。すなわち、酸処理
した後、ろ過してトナー粒子を取り出せば、水中におけ
る処理の帯電性への影響を可能な限り小さくすることが
できる。
【0028】
【作用】本発明のトナーの製造方法においては、上記の
ように混練粉砕して得られた粒子を、表面処理を施した
親水性無機微粒子の存在下で水性媒体中に分散させ、分
散液を疎水性溶剤の水性分散液と混合し、その後加熱お
よび/または減圧して粒子を球形化または変形させるか
ら、温度、時間、分散安定剤の種類/量を変化させるこ
とにより、また、結着樹脂の溶解性の違いから疎水性溶
剤の種類/量を変化させることにより、真球〜丸みをお
びた不定形まで様々な形状のトナーを自由に作製するこ
とが可能である。これは、疎水性溶剤の作用により、結
着樹脂を溶解させ、球形化させ、あるいは部分的に溶解
させることによるものである。混練粉砕したトナーを球
形化すると機械力による形状変化が生じにくくなり、ま
た流動性助剤の凹部への移動の影響も少なくなるため耐
久性が高まる。また通常、現像や転写工程における粒径
選択性が緩和されるために、現像剤の維持性が高まり、
特に感光体上の転写残留トナーを現像機に戻して再使用
するトナーリサイクル現像では、現像剤の耐久性に対し
て改善効果が高い。また、完全に球形化しなくても、粉
砕トナーの表面をなめらかにしたり、突起部を丸めるよ
うに変形させることによって類似の効果が得られる。し
たがって、中間形状のトナーを作製することができる本
発明の製造方法は、ブレードクリーニング方式を使用す
る装置に使用するトナーの作製に有効である。また、結
着樹脂のTgよりも高い樹脂を溶解させた疎水性溶剤の
水性分散液を用いる場合には、カプセル化のための特別
の工程を必要とすることなく、また、トナー粒径を大き
くすることなく、かつ、芯材の被覆性の十分なトナーを
得ることができる。また、カプセル化により前述した表
面ワックス量の悪影響を除去することができ、トナーの
粉体特性、帯電性、寿命等を向上させることができる。
【0029】
【実施例】
実施例1 ポリエステル樹脂 90重量部 (ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物−フマール酸重縮合体) (Mn=5000、Mw=30000、Tg=57℃) カーボンブラック 10重量部 (キャボットBP1300) 上記組成をバンバリーミキサーにて混練した後、ジェッ
トミルにて微粉砕し、平均粒径7.6μm、5μm以下
の数平均分率10.0%のトナーとした。得られたトナ
ーの粒子形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、規
則性のない不定型を示していることが確認された。この
トナー200重量部を、非イオン性界面活性剤ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル0.05重量%、ポ
リアクリル酸ソーダで表面処理を施したBET比表面積
18m2 /gの炭酸カルシウム0.6重量%を溶解した
水1500重量部中に分散させ、均一にぬれるまで攪拌
機(新東科学社製スリーワンモーター)にて30分間撹
拌し、トナー分散液を調製した。別に塩化メチレン32
0重量部とトルエン80重量部を、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル0.05重量部を溶解させた水
1500重量部中に分散させ、30分間高速撹拌し、非
水混和性溶剤分散液を調製した。前記トナー分散液をウ
ォーターバス中で撹拌しながら、上記非水混和性溶剤分
散液を加え、15分間撹拌した。その後、1時間で60
℃に昇温し、撹拌しながら8時間で有機溶剤を蒸発させ
た。35℃まで冷却し、pH3−4の塩酸水溶液で1
回、pH9−11の水酸化ナトリウム水溶液で1回、純
水で2回、吸引濾過による洗浄をした後、真空乾燥機で
乾燥し、解砕後53μm網でふるいトナーを得た。
【0030】得られたトナーの平均粒径は、7.9μ
m、5μm以下の数平均分率は14.0%であった。走
査型電子顕微鏡での観察では、トナーは完全に球形化し
ていることが観察された。元のトナーと球形化トナーに
それぞれルチル型微粒子酸化チタン(比表面積換算径2
0mμ)を0.5%づつ添加したが球形化トナーにおけ
る流動性は、元のトナーに比較して各段に優れていた。
また平均粒径100μmの鉄粉キャリアと混合した現像
剤として、複写機(FX5039、富士ゼロックス社
製)の現像機を用いて現像機内における撹拌試験を実施
した。3時間の撹拌において元の不定形トナーは、5μ
m以下の数平均分率が33%まで増加した。キャリアへ
のトナー固着が多く発生し帯電性の低下がみられた。球
形化トナーにおいては5μm以下の数平均分率は14.
5%とほとんど変動がみられなかった。また帯電性の低
下も僅かであった。
【0031】実施例2 塩化メチレン−トルエン混合溶液の量を1/3とする以
外は実施例1とすべて同様の組成、条件で行った。製造
されたトナーの平均粒径は、7.7μm、5μm以下の
数平均分率は13.5%であり、走査型電子顕微鏡での
観察では、トナーはややポテト型に変形していることが
観察された。この状態の変形化トナーは、その流動性が
元のトナーに比較して必ずしも優れなかったが、外添剤
を添加することによって優れた流動性を示すものとなっ
た。すなわち、元のトナーと変形化トナーにそれぞれル
チル型微粒子酸化チタン(比表面積換算径20mμ)を
0.5%づつ添加したところ、変形化トナーにおける流
動性は、元のトナーに比較して優れたものになった。こ
の変形トナーについて、複写機(FX5039改造機、
富士ゼロックス社製)を用いてブレードクリーニング方
式によるクリーニング性の試験を実施したところ、元の
トナーと同様、良好なクリーニング性を示した。
【0032】実施例3 スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体 85重量部 (共重合比85:15) (Mn=9000、Mw=12000、Tg=62℃) カーボンブラック 10重量部 (キャボットR330) パラフィンワックス(融点80℃) 5重量部 上記組成をバンバリーミキサーにて混練した後、ジェッ
トミルにて微粉砕し、平均粒径8.7μm、5μm以下
の数平均分率12.0%のトナーとした。形状を走査型
電子顕微鏡で観察したところ、規則性のない不定形を示
していることが確認された。また、トナー粒子表面への
ワックスの露出は明瞭には観察されなかった。このトナ
ー200重量部を、イオン性界面活性剤ラウリル硫酸ナ
トリウム0.075重量%とアクリル酸とマレイン酸の
共重合体で表面処理を施したBET比表面積20m2
gの炭酸カルシウムを溶解した水1500重量部中に分
散し、均一にぬれるまで攪拌機(新東科学社製スリーワ
ンモーター)にて30分間撹拌し、トナー分散液を得
た。別にクロロホルム150重量部とジエチルエーテル
110重量部とを、ラウリル硫酸ナトリウム0.075
重量部を溶解させた水1500重量部中に分散させ、非
水混和性溶剤分散液を調製した。前記トナー分散液をウ
ォーターバス中で撹拌しながら、上記非水混和性溶剤分
散液を加え、15分間撹拌した。その後、70℃に昇温
し、撹拌しながら8時間で有機溶剤を蒸発させた。35
℃まで冷却した後、1規定塩酸を200ml加えて酸性
に保持して、炭酸カルシウムを溶解した。実施例1と同
様の洗浄、篩分を行い、トナーを得た。
【0033】得られたトナーの平均粒径は、9.0μ
m、5μm以下の数平均分率は10.4%であり、走査
型電子顕微鏡での観察では、トナー粒子は球形化してい
ると共にトナー粒子表面に微細な凹部の発生が観察され
た。また、粒子表面へのパラフィンワックスの露出は殆
ど観察されなかった。このトナーをポリメチルメタクリ
レート0.8重量%でコートした80μm径の球形フェ
ライトとトナー濃度5重量%になるように配合して20
分間混合した。 この状態で、球形化トナーの帯電性は
元のトナーと比較して殆ど差がみられず良好であった。
元のトナーと球形化トナーにそれぞれルチル型酸化チタ
ン微粒子(比表面積換算径20mμ)を1.0%づつ添
加し、ミキサーで撹拌したところ、球形化トナーにおけ
る流動性は、元のトナーに比較して格段に優れていた。
また、チタンの付着状態を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、球形化トナーにおいてはトナー表面の凹部に酸化チ
タン微粒子がなかば埋まった形態で付着している箇所が
多く観察された。両者のトナーについて、複写機(FX
5039改造機、富士ゼロックス社製)を用いて、定着
における離型性についての試験を実施したところ、離型
性はほぼ元のトナーと同等であった。両者のトナーを上
記と同様の複写機においてトナーリサイクル状態で5万
枚のコピー試験を実施したところ、元のトナーにおいて
は帯電性の低下がみられ、画像濃度の低下が発生した。
一方、球形化トナーにおいては、帯電性の低下は殆どな
く、画質の維持性も良好であった。
【0034】実施例4 スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体 85重量部 (共重合比85:15) (Mn=9000、Mw=12000、Tg=62℃) カーボンブラック 10重量部 (R330、キャボット社製) パラフィンワックス(融点74℃) 5重量部 上記組成をバンバリーミキサーにて混練した後、ジェッ
トミルにて微粉砕し、分級し、平均粒径9.3μm、5
μm以下の数平均分率15.0%のトナーを得た。得ら
れたトナーの粒子形状を走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ、規則性のない不定型を示していることが観察され
た。またトナー表面へのワックスの露出は明瞭には観察
されなかった。このトナー200重量部を、イオン性界
面活性剤ラウリル硫酸ナトリウム0.075重量%、ポ
リアクリル酸ソーダで表面処理をしたBET比表面積1
8m2/gの炭酸カルシウム0.6重量%を溶解した水
中1500重量部中に分散し、均一にぬれるまで攪拌機
(新東科学社製スリーワンモーター)にて30分間撹拌
して、トナー分散液を得た。別にクロロホルム310重
量部とトルエン50重量部に分子量Mn=55000、
Mw=100000、Tg100℃のポリスチレン20
重量部を溶解させた後、これを水1500重量部中に分
散させ、30分間撹拌して、非水混和性溶剤分散液を調
製した。前記トナー分散液をウォーターバス中で撹拌し
ながら上記非水混和性溶剤分散液を加え、15分間撹拌
した。その後、70℃まで昇温し、撹拌しながら8時間
で有機溶剤を蒸発させた。35℃まで冷却させた後、1
規定塩酸を1000ml加えて酸性を保持し、炭酸カル
シウムの沈殿を溶解した。さらに実施例1と同様に洗
浄、篩分して目的のトナーを得た。
【0035】得られたトナーの平均粒径は9.5μmで
あり、5μm以下の数平均分率は11.0%であった。
走査型電子顕微鏡での観察では、トナーは球形化してい
るとともにトナー粒子表面に微細な凹部の発生が観察さ
れた。また、表面へのパラフィンワックスの露出は殆ど
観察されなかった。また、得られたトナーの断面を透過
型電子顕微鏡で観察したところスチレン−n−ブチルア
クリレート共重合体の周りにポリスチレンの均一な膜が
見られ、完全なカプセル粒子となっていることが観察さ
れた。このトナーをポリメチルメタクリレートを0.8
重量%コートした80μm径の球形フェライトとトナー
濃度5重量%で20分混合した。この状態で、球形化ト
ナーの帯電性は元のトナーに比較してほとんど差は見ら
れず良好であった。また、元のトナーと比較してシリカ
等の無機微粒子をトナー表面に添加せずとも粉体流動性
は良好であった。この球形化トナーについて、複写機
(FX5039改造機、富士ゼロックス社製)を用い
て、定着試験を行ったところ、低温で良好な定着性を示
すことが確認された。
【0036】比較例 分散安定剤を用いて表面処理を施していない炭酸カルシ
ウムを用いた以外は、実施例1とすべて同様の組成およ
び条件でトナーを作製した。球形化途中でのサンプリン
グによりトナー粒子表面への炭酸カルシウムの付着状態
を観察したところ、トナー粒子表面に付着している炭酸
カルシウム粒子数は表面処理を施した炭酸カルシウムを
用いた場合と比較して非常に少ないことが確認された。
この比較例の場合、トナー粒子の合一を防ぐことができ
ず、平均粒径が15μm以上のものしか得ることができ
なかった。
【0037】
【発明の効果】本発明のトナーの製造方法は、上記のよ
うに混練粉砕して得られた粒子を、表面処理を施した親
水性無機微粒子の存在下で水性媒体中に分散させ、疎水
性溶剤の水分散液と混合した後、加熱および/または減
圧して粒子を球形化または変形させるから、温度、時
間、分散安定剤の種類/量を変化させることにより、ト
ナー粒子の合一を防ぎ粒度分布を狭く、真球から丸みを
帯びた不定形のものまで種々の形状のトナーを自由に作
製することが可能である。また、その際、球形または変
形化に用いる疎水性溶剤中に高Tgの樹脂を溶解させる
ことにより、トナー粒径を大きくすることなく、簡便か
つ収率よくカプセルトナーを製造することが可能にな
る。本発明によって製造された静電荷像現像用トナー
は、粒度分布が狭く、良好な現像性、転写性、定着性、
耐久性、クリーニング性を示すものであり、そして、2
成分現像剤としては、トナー形状と表面組成構造の制御
により良好な現像性、転写性、クリーニング性とキャリ
ア、感光体の汚染の低減を実現し、安定した帯電性によ
り長寿命を有するものとなり、また1成分現像剤として
は、トナー形状と表面組成構造の制御により現像ロー
ル、感光体の汚染を防止し、良好な現像性、転写性、ク
リーニング性により安定した画像維持性を実現すること
ができ、さらにこれら2成分、1成分方式においてクリ
ーニングにより回収されたトナーを現像機に戻し再使用
する場合にも、安定した高画質の複写画像を作製するこ
とができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂と着色剤からなる組成物を混練
    粉砕して粒子を形成する工程、該粒子を、常温固体の分
    散剤および表面処理を施した親水性無機微粒子の存在
    下、水系媒体中に分散する工程、得られた分散液を、水
    系媒体中に疎水性溶剤を分散させた非水混和性溶剤分散
    液と混合する工程、得られた混合液を加熱および/また
    は減圧することにより溶剤を除去する工程を有すること
    を特徴とする球形化または変形された粒子よりなる静電
    荷現像用トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 結着樹脂と着色剤からなる組成物を混練
    粉砕して粒子を形成し、該粒子を、表面処理を施した親
    水性無機微粒子の存在下、水系媒体中に分散し、得られ
    た分散液を、水系媒体中に疎水性溶剤を分散させた非水
    混和性溶剤分散液と混合し、次いで加熱および/または
    減圧して溶剤を除去することによって得られた球形化ま
    たは変形された粒子よりなる静電荷現像用トナー。
  3. 【請求項3】 結着樹脂と着色剤からなる組成物を混練
    粉砕して粒子を形成する工程、該粒子を、表面処理を施
    した親水性無機微粒子の存在下、水系媒体中に分散する
    工程、得られた分散液を、水系媒体中に結着樹脂よりも
    高いガラス転移温度を有する樹脂を溶解して含む疎水性
    溶剤を分散させた非水混和性溶剤分散液と混合する工
    程、得られた混合液を加熱および/または減圧すること
    により溶剤を除去する工程を有することを特徴とする球
    形化または変形された粒子よりなる静電荷現像用トナー
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 結着樹脂と着色剤からなる組成物を混練
    粉砕して粒子を形成し、該粒子を、表面処理を施した親
    水性無機微粒子の存在下、水系媒体中に分散し、得られ
    た分散液を、水系媒体中に結着樹脂よりも高いガラス転
    移温度を有する樹脂を溶解して含む疎水性溶剤を分散さ
    せた非水混和性溶剤分散液と混合し、次いで加熱および
    /または減圧して溶剤を除去することによって得られた
    球形化または変形された粒子よりなる静電荷現像用トナ
    ー。
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