JP2007224234A - アクリル・シリコーン共重合体含有樹脂組成物からなるフィルム又はシート及び該樹脂組成物の層を有する積層体 - Google Patents

アクリル・シリコーン共重合体含有樹脂組成物からなるフィルム又はシート及び該樹脂組成物の層を有する積層体 Download PDF

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Kaoru Suzuki
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Abstract

【課題】アンチブロッキング剤を配合せずとも良好な耐ブロッキング性を示し、且つ、耐傷付き性や耐薬品性、防汚性にも優れ、然も、安価に、大量に製造できる樹脂フィルム・シート、及び、従来の剥離紙における剥離剤層と樹脂コート層とを融合させた一層から成り、粘着紙の粘着面と間の剥離性、離型性に優れ、しかも有機溶剤等を用い無くても製造が可能で、且つ、製造工程等が簡素化されるため従来品に比べ顕著にコストが低減された剥離紙(フィルム)用の積層体を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部のアクリル・シリコーン共重合体樹脂を配合した熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム又はシート、及び、前記熱可塑性樹脂組成物の層を基材層に積層してなる積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル・シリコーン共重合体を含有する特定熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム又はシート、及び、該特定熱可塑性樹脂組成物の層を基材に積層してなる積層体に関し、より詳細には、アクリル・シリコーン共重合体を特定量含有させたことによりフィルム、シート面の滑り性や剥離性が良好で重畳集積の際の耐ブロッキング特性に顕著に優れるだけでなく耐傷付き性や耐薬品性、防汚性にも優れた樹脂組成物フィルム又はシート、及び、前記特定樹脂組成物から成る剥離層を備えたことにより従来の剥離紙のようにシリコーン化合物剥離剤層と該剥離剤の基材内部浸透防止用の樹脂コート層の二層を要することなく一層ですませることが出来、且つ、粘着紙面に対し優れた剥離性、離型性を有し、粘着テープ、ラベル、壁紙等の粘着面を保護する剥離紙や剥離フィルムとして好適に用いることの出来る積層体に関する。
従来、熱可塑性樹脂フィルム又はシートには、それらを大量に重畳集積する際のブロッキング現象の発生を防止するために例えば無機物の粉末等よりなるブロッキング防止剤(滑剤)を配合するのが一般的である。
例えば、特許文献1には各種熱可塑性樹脂フィルム用のアンチブロッキング剤(滑剤)としてリチウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩微粉末が提案されている。
しかし、最近では、上記ブロッキング防止剤粉末を樹脂に均一分散させるため通常長時間を要する混練工程の短縮をはかり製造コストを少しでも低減するため等の目的でアンチブロッキング剤を配合せずとも良好な耐ブロッキング性を示す樹脂フィルムが求められる傾向にある。
例えば、特許文献2には炭素ラジカル誘発剤の存在下でポリオレフィン系樹脂を動的熱処理した生成物をエチレン(共)重合体及びゴム状物質と配合した組成物を製膜して得られ、機械的性質と成形加工性のバランスに優れると共にアンチブロッキング剤を配合せずとも良好な耐ブロッキング性を示す樹脂フィルムが提案されている。
一方、上記単層のフィルム、シートとは異なり、接着剤等を片面又は両面に塗布した粘着紙や粘着フィルム等の積層フィルム、シートは、ラベル、シール、ステッカー、ワッペン等として、商業用、事務用、家庭用等広範な用途に使用されている。
このような粘着紙や粘着フィルムは、接着剤塗布面等の粘着面を保護するために、例えば、剥離剤をコートした剥離紙(フィルム)を該コート層を介して前記粘着面に貼り合わせた形で製品化され、使用時には、剥離紙(フィルム)をはがして粘着面を露出させ使用する態様のものが一般的である。
上記のような粘着紙・剥離紙積層体は、典型的には、粘着紙用基材(表面基材)/粘着剤層/剥離剤層/剥離紙用基材の順に積層された層構成を有する。
粘着紙用基材即ち表面基材は、一般に紙、フィルム、金属フォイル等が用いられ、粘着剤層にはゴム系、アクリル系、ビニルエーテル系等のエマルジョン型や溶剤型、無溶剤型の各種粘着剤が使用される。
剥離紙用基材にはグラシン紙のような高密度紙、クレーコート紙、ポリエチレンラミネート紙等の他、PETやポリエチレン等のプラスチックフィルムが用いられる。
又、剥離剤としては、シリコーン化合物、フッ素化合物、アミノアルキド化合物、ポリエステル化合物等があり、エマルジョン型や溶剤型又は無溶剤型として使用され、代表的な素材はシリコーン化合物である。
従来、上記シリコーン化合物剥離剤は、前記基材上に均質な所望膜厚層を形成するために高分子量のシリコーン樹脂を溶剤希釈した、所謂、溶剤型シリコーンを前記剥離紙用基材に塗布するのが一般的であった。
又、前記基材紙の剥離剤塗布側の面には、高密度グラシン紙等を使用する一部の場合を除いて、前記剥離剤が基材紙に浸込んでしまい機能しなくなるのを防ぐために、例えば、ポリエチレンやポリビニルアルコール等で樹脂コートするのが一般的である。
しかしながら、近年、安全面、労働衛生面、環境面から、引火性を有し、且つ、健康上有害な有機溶剤の使用が強く忌避される傾向にあり、比較的無害のエマルジョン型や無溶媒型シリコーンの使用が求められるようになってきている。
このような要求に対応した提案も既にいくつかなされており、例えば、特許文献3には、ポリオレフィンラミネート紙、又は高分子フィルムを剥離基材とし、これにエマルジョン型シリコーンとスチレン・ブタジエン共重合体ラテックスを主成分とした剥離剤を塗布して剥離層を形成させた剥離紙が提案されている。
しかしながら、上記特許文献3の剥離紙では、確かに、製造時危険で有害な有機溶剤の使用が無く、安全面、労働衛生面、環境面上の問題は回避出来るが、該層の基材への塗布や、塗布後の乾燥等の工程を要し、多くのエネルギーや時間、手間を必要とするため、製造コスト上の見地からも必ずしも十分に満足すべきものでは無い。
特開平9−142835号公報 特開平6−065441号公報 特開2003−341752号公報
本発明者等は、前記アンチブロッキング剤を配合せずとも良好な耐ブロッキング性を示す樹脂フィルムを安価且つ大量製造することを目的として鋭意研究を重ねた結果、アクリル・シリコーン共重合体を特定量含有させた樹脂組成物からなるフィルム、シートが、滑り性が良好で重畳集積の際の耐ブロッキング特性に顕著に優れるだけでなく耐傷付き性や耐薬品性、防汚性にも優れことを見出し上記組成物からなる単層のフィルム、シートの発明を完成した(第1発明)。
更に、上記特定の熱可塑性樹脂組成物層を剥離層として採用し、前記シリコーン化合物剥離剤層と該剥離剤の浸透防止用に設けられる前記樹脂コート層とを融合させ、一層に纏めた積層体は、既に述べた安全面、労働衛生面、環境面からの要望に十分に対応出来、且つ、製造コストも従来品に比べて低減出来ることを見出しこの知見に基づいて剥離紙等に好適な本発明の積層体を完成するに至った(第2発明)。
従って、本発明の第1の目的は、アンチブロッキング剤を配合せずとも良好な耐ブロッキング性を示す等、フィルム面の滑り性が良好でし、且つ、耐傷付き性や耐薬品性、防汚性にも優れ、然も、安価に、大量に製造できる樹脂フィルム・シートを提供することにある。
又、本発明の第2の目的は、従来の剥離紙等における剥離剤層と樹脂コート層とを融合させた一層として、上記本発明の樹脂組成物からなる層を用いることにより、粘着紙の粘着面と間の剥離性、離型性に優れ、しかも有機溶剤等を用い無くても製造が可能で、且つ、製造工程等が簡素化されるため従来品に比べ顕著にコストが低減された剥離紙(フィルム)用の積層体を提供するにある。
本発明によれば、熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部のアクリル・シリコーン共重合体樹脂を配合した熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム又はシートが提供される。
本発明のフィルム又はシートは、例えば、エチレン系(共)重合体樹脂等の熱可塑性樹脂にアクリル・シリコーン共重合体樹脂を特定量配合した樹脂組成物を素材とし、これにより耐ブロッキング特性に顕著に優れるだけでなく耐傷付き性や耐薬品性、防汚性にも優れた単層のフィルム、シートである点を特徴とする。
特に、前記熱可塑性樹脂としてエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマーを選択した樹脂組成物からなるものは、該アイオノマー樹脂への前記アクリル・シリコーン共重合体の分散が極めて良好で、得られたフィルム、シート面に微小ブツ等の生成が全くなく外観が極めて綺麗であると云う顕著な特徴を有する。
又、本発明に於いては、前記アクリル・シリコーン共重合体樹脂は、ポリオルガノシロキサンに(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸エステルと該エステルに共重合可能な単量体との混合物をグラフト共重合してなるアクリル変性ポリオルガノシロキサンが好ましい。
或いは、前記アクリル・シリコーン共重合体樹脂には、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが相互に絡み合い実質上分離できない構造有する複合ゴムに、一種又は2種以上のビニル系単量体をグラフト重合させてなる複合ゴム系グラフト共重合体も好適に用いることができる。
又、本発明によれば、熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部のアクリル・シリコーン共重合体樹脂を配合した熱可塑性樹脂組成物層を基材層に積層してなる積層体が提供される。
本発明の積層体は、例えば、ポリエチレン、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、そのアイオノマー等の熱可塑性樹脂にアクリル・シリコーン共重合体樹脂を特定量配合した上記フイルム、シート製造用素材と同じ樹脂組成物を用いて剥離剤層を形成し、シリコーン化合物剥離層/樹脂コート層/紙基材等の様に通常必要とされる樹脂コート層を省略できる点が構成上の顕著な特徴である。
これを用いて、例えば、押出積層により紙等の基材上に剥離剤層を形成したものは、粘着面との間の層間剥離強度が適度で、離型性、剥離性に優れるだけでなく、製造時に溶剤等を使用しなくても良いため、安全、労働衛生面、環境等の問題を起こすことが無い。
しかもシリコーン化合物剥離剤を用いた従来構成の剥離紙に比べて一層を省略出来るため、材料上からも工程上からもコストが低減される。
本発明の積層体においては、前記熱可塑性樹脂組成物層が、(共)押出積層法により、前記基材層と積層されたものであることが特に好ましい。
又、基材は紙であることが好ましい。
更に、前記熱可塑性樹脂はエチレン系重合体であることが好ましく、特に、ポリエチレン又はエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体或いはそのアイオノマーであることが好ましい。
前記アクリル・シリコーン共重合体樹脂は、ポリオルガノシロキサンに(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸エステルと該エステルに共重合可能な単量体との混合物をグラフト共重合してなるアクリル変性ポリオルガノシロキサン、或いは、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが相互に絡み合い実質上分離できない構造有する複合ゴムに、一種又は2種以上のビニル系単量体をグラフト重合させてなる複合ゴム系グラフト共重合体であるであることが好ましい。
本発明によれば、又、熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部のアクリル・シリコーン共重合体樹脂を配合した熱可塑性樹脂組成物を紙基材に押出積層してなる剥離紙が提供される。
本発明のアクリル・シリコーン共重合体樹脂を特定量配合した熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム、シートは、耐ブロッキング特性に顕著に優れるだけでなく耐傷付き性や耐薬品性、防汚性にも優れる等数多くの特徴を有する。
特に、前記熱可塑性樹脂(A)としてエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマーを選択した樹脂組成物からなるものは、アクリル・シリコーン共重合体の分散が極めて良く、上記諸特徴に加え、フィルム、シート面に微小ブツ等の生成が全くなく外観が極めて綺麗であると云う特徴を有する。
本発明の上記フィルム、シートは、一般床材、自動車用床材、内装材等の表皮層、木材や合板等の突き板、鋼板、壁紙などの建材や家具類、看板の表層シート、化粧シート、防汚シート、保護シート、手摺り表皮シート、鞄/手帳/辞書などのレザー調表皮、カーテン、間仕切りシート、産業用シート、デスクマット、テーブルクロス、マウスパッド、マーキングフィルム、玩具・文具用品の表皮層、カーペット表皮層、真空圧空成形シート表皮層等多くの用途に用いることができる。
又、本発明の積層体は、熱可塑性樹脂にアクリル・シリコーン共重合体樹脂を特定量配合した前記特定樹脂組成物を用いて剥離剤層を形成したことにより、シリコーン化合物剥離剤から成る剥離紙の場合に通常必要とされる樹脂コート層を省略出来、剥離紙としての層構成を簡略化出来る。
又、上記樹脂組成物から成る前記剥離剤層は、粘着層面との剥離性、離型性に顕著に優れるだけでなく、例えば、押出積層により紙等の基材上に剥離剤層を形成することが出来るため、製造時に溶剤等を使用しなくても良く、安全、労働衛生面、環境等の問題を起こすことが無い。
しかも一層を省略出来るため、材料上からも工程上からもコストが低減される。
本発明の積層体に於いて、紙、プラスチックフィルム等を基材として用いたものは、例えば粘着ラベルやシール、粘着テープ、壁紙、マーキングフィルム、液晶偏光板粘着シート等の剥離紙や合成皮革製造用の離型紙として好適である。
以下に、本発明に係る好適実施形態について、詳細且つ具体的に説明する。 本発明は、アクリル・シリコーン共重合体樹脂を特定量配合した熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム、シート(第1発明)、及び、前記特定熱可塑性樹脂組成物からなる層を剥離層とし、これを基材層に積層してなることを特徴とする剥離紙等に好適な積層体(第2発明)からなる。
本第1、第2発明に於いて、フィルム、シート又は積層体剥離層を構成する熱可塑性樹脂組成物に用いる熱可塑性樹脂(A)としては、前記アクリル・シリコーン共重合体樹脂の特定量に対し良好な相溶性又は分散性を有し、均質な樹脂組成物を調製できるものであれば特に限定されること無く用いることができるが、剥離層形成用の場合は、上記に加え、紙、プラスチック等の基材にある程度の接着性を有し、好ましくは押出積層等による熱接着が可能で、且つ、積層後基材の曲げ等の変形にある程度追従することの出来る可撓性を有する熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
このような熱可塑性樹脂として、例えば、ポリオレフィン(PO)系樹脂、軟質ポリスチレン(PS)系樹脂、ポリエステル(PET)系又はポリエーテル系樹脂、ポリアミド(PA)系樹脂、その他の樹脂を挙げることが出来る。
ここでポリオレフィン(PO)系樹脂とは、オレフィンの単独重合体及び2種以上のオレフィン同士の共重合体、オレフィンと不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル等の極性単量体との共重合体からなる樹脂を総称するものであって、高結晶性、低結晶性、或いは非結晶性であって良い。
これらのオレフィン重合体又は共重合体として具体的には、密度890〜970kg/m3の高、中、或いは低密度のポリエチレン、メタロセン触媒重合ポリエチレンを含む密度870〜960kg/m3の線状低密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体等の低結晶もしくは非結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体或いはエチレン・プロピレン・ジエン共重合体等のエチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等を例示出来る。
又、オレフィンと極性単量体との共重合体に於いて、極性単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸、その塩、そのエステル、そのアミド、ビニルエステル、一酸化炭素等を例示することが出来、より具体的には、(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸、これら不飽和カルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の塩、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸nプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸nブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、一酸化炭素、二酸化硫黄等を例示することが出来る。
又、上記共重合体の具体例として、例えば、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル、エチレン・(メタ)アクリル酸エチル、エチレン・(メタ)アクリル酸イソブチルのようなエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン・アクリル酸イソブチル・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸nブチル・メタアクリル酸共重合体のようなエチレン・不飽和カルボン酸エステル・不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマー、更には、エチレン・酢酸ビニル共重合体のようなエチレン・ビニルエステル共重合体等を例示することが出来る。
エチレン・酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物、エチレン・ビニルアルコール共重合体も用いることが出来る。
又、軟質ポリスチレン(PS)系の樹脂としては、例えば、軟質ポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・イソプレン共重合体、スチレン・アクリルニトリル共重合体、アクリレート・スチレン・アクリルニトリル共重合体、アクリルニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン共重合体等の樹脂を例示できる。
又、ポリエステル(PET)系或いはポリエーテル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート共重合体、ポリオキシメチレン(ポリアセタール)、ポリカーボネート等の樹脂を例示できる。
ポリアミド(PA)系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等の脂肪族系ポリアミドの他、脂環族系、芳香族系ポリアミドも使用できる。
又、その他の樹脂として、塩化ビニル等を挙げることが出来る。
これらの内、単層フィルム、シート形成用の場合は、アクリル・シリコーン共重合体との分散が極めて良く、フィルム、シート面に微小ブツ等の生成が全くなく外観が極めて綺麗で、且つ、耐ブロッキング特性が顕著に向上し、耐傷付き性、耐薬品性、防汚性に優れる点からエチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体アイオノマーの使用が好ましく、特に、(メタ)アクリル酸含量が2〜30重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の中和度1モル%以上好ましくは10〜90モル%のZn、Mg又はNaアイオノマーや(メタ)アクリル酸含量2〜30重量%、エステル含量0〜30重量%、好ましくは0.5〜30重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の中和度1モル%以上好ましくは10〜90モル%のZn、Mg又はNaアイオノマーが最も好ましい。
又、積層体剥離層用の場合は、エチレン系重合体からなる樹脂が好ましく、特に、高、中、低密度のポリエチレン、メタロセン触媒重合ポリエチレンを含む線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン類、又は、エチレンと不飽和カルボン酸、その塩、そのエステル及び酢酸ビニルから選ばれる極性モノマーとの共重合体が好ましく、とりわけ低密度ポリエチレン、メタロセン触媒重合ポリエチレン、(メタ)アクリル酸含量が2〜30重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、(メタ)アクリル酸含量2〜30重量%、エステル含量0〜30重量%、好ましくは0.5〜30重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体又はそのアイオノマーが最も好ましい。
特に、前記熱可塑性樹脂がアイオノマーの場合は、その中和度が1モル%以上、好ましくは10〜90モル%のZn、Mg又はNaアイオノマーが好ましい。
次に、本発明に於いて、前記樹脂組成物に用いるもう一方の成分であるアクリル・シリコーン共重合体は、ポリオルガノシロキサンに(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させて得られた樹脂又はエラストマーである。
特に、ポリオルガノシロキサンに(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸エステルと該エステルに共重合可能な単量体との混合物をグラフト共重合させて得られたアクリル変性ポリオルガノシロキサンが好適に用いられる。
このようなアクリル変性ポリオルガノシロキサンで、特に好適な態様のものとしてとして、ベースポリマーであるポリオルガノシロキサンが、一般式
Figure 2007224234
で示されるものを挙げることが出来る。
尚、上記式中、R、R及びRは、それぞれ独立に炭化水素基であり、ハロゲンのような置換基を有することができる。
具体的には、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、イソブチル、n−ブチルなどのアルキル基、フェニル、トリル、キシリル、ナフチルなどのアリール基、あるいはこれらの基における水素原子の1個以上がハロゲンで置換したハロゲン置換体などを例示することができる。
又、上記式中、Yは、ラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基であって、具体的にはビニル、アリル、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタクリロキシプロピルなどのラジカル反応性基やγ−メルカプトプロピルなどの−SH基を持つ有機基を例示することができる。
また上記式中、X及びXは、それぞれ独立に水素原子、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、イソブチル、n−ブチルなどの低級アルキル基又は−SiRで示される基である。
ここにR、R及びRは、それぞれ独立にR、R及びRで示したようなハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基、Yで示したようなラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基を表す。
上記式中、mは10,000以下の整数、好ましくは500〜8000、nは1以上の整数で、好ましくは1〜500である。
またm個の重合単位におけるR,R、n個の重合単位におけるR、Yはそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。
上記式のポリオルガノシロキサンには若干の分岐があってもよい。
このようなポリオルガノシロキサンは、上記のような基を有する鎖状や環状の低分子量ポリオルガノシロキサンやアルコキシシランを用いて、加水分解や重合、平衡化の手段を用いて製造することができる。
また分岐を有するポリオルガノシロキサンは、原料としてトリアルコキシシランやテトラアルコキシシランなどを重合時に少量使用することにより得ることができる。
加水分解、重合、平衡化は、公知の技術により水中に乳化した状態で行うことができる。
例えば上記のような基を有するポリオルガノシロキサンあるいはアルコキシシランの混合溶液を、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸を用い、ホモジナイザー等を用いて、水と緊密に混合させながら重合させる方法によってポリオルガノシロキサンの微粒子として得ることができる。
前記好適態様のアクリル変性ポリオルガノシロキサンは、上記ポリオルガノシロキサンベースポリマーに、(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸エステル70質量%以上と共重合可能な他の単量体30質量%以下との混合物を、重量比5/95〜95/5の割合でグラフト共重合させることによって得ることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル、アルコキシアルキルエステルなどであり、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸nプロピル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸nオクチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−メトキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸nプロピル、メタクリル酸nブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸nへキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸nラウリル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−エトキシエチルなどのメタクリル酸エステルを例示することができる。
これらは1種又は2種以上組合せて使用することができる。
これらの中ではとくにメタクリル酸メチルを少なくとも一成分として使用することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他の単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンのようなスチレン系化合物、アクリロニトリルやメタクリロニトリルのような不飽和ニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化オレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの不飽和アミド、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸のような不飽和カルボン酸等の二重結合を1個有する単量体の他にエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多不飽和単量体を代表例として挙げることができる。
これらは2種以上使用することができる。
上記アクリル変性ポリオルガノシロキサンは、より具体的には、前記のようにして得られたポリオルガノシロキサンの乳化液に、(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他の単量体との混合物を加え、ラジカル開始剤の存在下でグラフト共重合することによって得る。
ラジカル開始剤としては、過硫酸塩や有機過酸化物のような通常の乳化重合用のものを使用することができる。
ポリオルガノシロキサンと(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他の単量体との混合物の使用比率は、(ポリオルガノシロキサン)/[((メタ)アクリル酸エステル)+(他の単量体)](重量比)で5/95〜95/5、好ましくは40/60〜80/20の範囲である。
重合終了後は、塩析、凝固させることによってアクリル変性ポリオルガノシロキサンを分離、回収することができる。
更に、前記アクリル・シリコーン共重合体とは又別の好適態様として、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが相互に絡み合い実質上分離できない構造を有する複合ゴムに、一種又は2種以上のビニル系単量体をグラフト重合させてなる複合ゴム系グラフト共重合体を挙げることが出来る。
より具体的には、例えば、ポリオルガノシロキサンゴム成分10〜90質量%とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分90〜10質量%(各ゴム成分の合計量が100質量%)から構成され両ゴム成分が相互に絡み合い実質上分離出来ない構造を有しかつその平均粒子径が0.08〜0.6μmである複合ゴムに1種又は2種以上のビニル単量体をグラフト重合して得られる共重合体である。
この様な平均粒子径を有する複合ゴムの製造は乳化重合法が最適であり、まずポリオルガノシロキサンゴムラテツクスを作成し、次にアルキル(メタ)アクリレートゴムの合成用原料をポリオルガノシロキサンゴム粒子中に膨潤させ重合する。
上記複合ゴムを構成するポリオルガノシロキサンゴム成分は、下記のオルガノシロキサン及び架橋剤より合成され、さらにグラフト交叉剤を併用することもできる。
オルガノシロキサンとしては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフエニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフエニルシクロテトラシロキサン、オクタフエニルシクロテトラシロキサン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上混合して用いられる。
これらの使用量はポリオルガノシロキサンゴム成分中50質量%以上、好ましくは70質量%以上である。
架橋剤としては、3官能性又は4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチルシラン、トリエトキシフエニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられ、テトラエトキシシランが特に好ましい。
架橋剤の使用量はポリオルガノシロキサンゴム成分中0.1〜30質量%である。
グラフト交叉剤としては、メタクリロイルオキシシロキサン等が好適に用いられる。
グラフト交叉剤の使用量はポリオルガノシロキサンゴム成分中0〜10質量%である。
前記ポリオルガノシロキサンゴム成分を得るには、例えば、オルガノシロキサンとグラフト交叉剤及び架橋剤の混合溶液を、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、例えばホモジナイザー等を用いて水と剪断混合する方法により製造することが好ましい。
アルキルベンゼンスルホン酸はオルガノシロキサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤ともなるので好適である。
この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属塩を併用するとグラフト重合を行う際にポリマーを安定に維持するのに効果があるので好ましい。
次に上記複合ゴムを構成するポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分は下記に示すアルキル(メタ)アクリレート、及び架橋剤、グラフト交叉剤より合成される。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート及びヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙げられ、特にn−ブチルアクリレートの使用が好ましい。
架橋剤としては、例えばエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレンジオールジメタクリレート等が挙げられる。
グラフト交叉剤としては、例えばアリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられ、これら架橋剤ならびにグラフト交叉剤は単独または二種以上併用して用いられる。
これらの合計使用量はポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分中0.1〜20質量%である。
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の重合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ性水溶液の添加により中和されたポリオルガノシロキサンゴム成分のラテツクス中へ上記アルキル(メタ)アクリレート及び架橋剤、グラフト交叉剤を添加し、ポリオルガノシロキサンゴム粒子中へ膨潤させた後、通常のラジカル重合開始剤を作用させ行う。重合の進行と共にポリオルガノシロキサンゴムの架橋網目に相互に絡んだポリアルキル(メタ)アクリレートゴムの架橋網目が形成され、実質上分離できないポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分との複合ゴム粒子が得られる。
このようにして乳化重合により作成された複合ゴムは、ビニル系単量体とグラフト共重合可能であり、又、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とは強固に絡み合っている為、アセトン、トルエン等の通常の有機溶剤では抽出分離出来ない。
この複合ゴムをトルエン溶媒により100℃で12時間抽出したのちのゲル分は80質量%以上である。
この複合ゴムにグラフト重合させるビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等の各種のビニル系単量体が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組合せて用いられる。
これらビニル系単量体の内スチレンが特に好ましい。
上記ビニル系単量体と複合ゴムとの割合は、グラフト共重合体の重量に基づき複合ゴム30〜95質量%、ビニル系単量体5〜70質量%が好ましい。
複合ゴム系グラフト共重合体ラテツクスは、上記ビニル系単量体をラジカル重合技術によって一段あるいは多段で重合することにより得ることができる。
このようにして得られた複合ゴム系グラフト共重合体ラテツクスは塩化カルシウム又は硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に該ラテツクスを投入し、塩析、凝固することにより複合ゴム系グラフト共重合体を分離、回収することができる。
本発明では前記フィルム、シート(第1発明)又は積層体剥離層(第2発明)を構成する樹脂組成物は前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、前記アクリル・シリコーン共重合体樹脂を0.5〜20質量部、より好ましくは1〜10質量部更に好ましくは1〜5重量部配合して熱可塑性樹脂組成物とする。
本発明の該組成物は、押出機、混練機等を用いて混合、溶融混練することによって調製出来る。
上記溶融混練等により得られた組成物は直ちにフィルム、シート成形又は積層成形に用いてもよく、又、一旦ペレット化した後に用いても良い。
本発明において前記第1発明に係るフィルム又はシートを成形する方法としては、特に限定されるものではなく、インフレーション法、Tダイ法等を含む押出成形法、カレンダーロール法、キャスト法等何れも用いることができるがインフレーション、Tダイ等の押出成形法が好ましい。
得られる単層フィルム、シートの厚さは特に限定されないが一般に、10μm〜1mmが好ましい。
又、本発明において前記第2発明で剥離層としての樹脂組成物層を積層する基材としては、例えば、クラフト紙、グラシン紙、スーパーカレンダード紙、パーチメント紙、ポリスチレン、ポリエチレン等よりなる合成紙等の紙類、クレーコート紙、ポリエチレンラミネート紙等の表面加工紙、ポリエステル(PET)、ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド等のプラスチックフィルム又はアルミ箔等の金属箔等を挙げることが出来るが、この中では特に紙類や表面加工紙が好ましい。
本発明では、前記樹脂組成物を前記基材の片面又は両面に積層する。
積層する樹脂組成物の層厚さは、その用途や形状、基材厚さ等により異なりそれぞれ適宜設定されるが、例えば、クラフト紙基材で、押出積層により離型紙を製造する場合、通常5〜50μm、好ましくは10〜30μm程度である。
本発明の積層体は、溶剤を使用したあるいは使用しない接着剤の塗布により積層する方法又は接着用の樹脂(例えばポリエチレン)を介して熱可塑性樹脂(A)層を基材層と積層する方法等により製造することも出来るが、押出ラミネーションあるいは共押出ラミネーションにより積層成形することが特に好ましい。
例えば、ダイ付き押出機と冷却、ニップ両ロールを備え、紙、PET等の基材に樹脂を積層するのに一般的に用いられる押出ラミネーターを用いて、紙又はPET等の基材をニップロールと冷却ロールとの間隙に繰り出し、冷却ロールに沿わせながら引取る。また本発明では基材とアクリル・シリコーン樹脂を配合した熱可塑性樹脂層との間に他の樹脂層を設けることもできるし、アクリル・シリコーン樹脂配合量あるいは樹脂の種類の異なったアクリル・シリコーン樹脂配合熱可塑性樹脂層を2層以上基材に積層することもできる。他の層としては、フィルム、シート又は積層体剥離層を構成する熱可塑性樹脂組成物に用いる熱可塑性樹脂(A)と同様の樹脂が使用できるが特に、ポリエチレン(たとえば密度870〜970kg/m3の高、中、低密度ポリエチレン、メタロセン触媒によって重合した線状低密度ポリエチレン)、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマーが好ましい。
そして、溶融混練された本発明の組成物をTダイ内から押圧流下させ、マニホールドでダイの全幅に広げた後、溶融ウエブとしてTダイ外に押出す。
Tダイ外に押出された溶融ウエブ層は基材面に圧着された後、冷却されて積層が完了する、そしてこれを引取ることにより積層シートを得る。
このようにして得られた積層シートは、剥離紙としての所定形状に裁断される。
本発明を次の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
尚、下記の実施例で用いた熱可塑性樹脂組成物試料の配合組成は下記の通りである。
組成物試料1の調製:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量4重量%;MFR14g/10分(JIS K7210);95質量部とアクリル・シリコーン共重合体(アクリル・シリコーングラフト共重合樹脂;高シリコーン含有量品;球状微粒子(平均粒径30μm);日信化学社製シャリーヌR170S)5質量部を二軸押出機を用いて210℃で溶融混練して熱可塑性樹脂組成物試料1を調製した。
組成物試料2の調製:低密度ポリエチレン(MFR3.7g/10分(JIS K7210)95質量部とアクリル・シリコーン共重合体(組成物試料1と同一品)5質量部を二軸押出機を用いて210℃で溶融混練して熱可塑性樹脂組成物試料2を調製した。
組成物試料3:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量9重量%;MFR5.5g/10分(JIS K7210))の亜鉛アイオノマー(中和度18モル%)95質量部とアクリル・シリコーン共重合体(組成物試料1と同一品)5質量部を二軸押出機を用いて210℃で溶融混練して熱可塑性樹脂組成物試料3を調製した。
組成物試料4:エチレン・メタクリル酸共重合体の亜鉛アイオノマー(組成物試料3と同一品)90質量部にアクリル・シリコーン共重合体(組成物試料1同一品)10質量部を二軸押出機を用いて210℃で溶融混練して熱可塑性樹脂組成物試料4を調製した。
組成物試料5の調製:エチレン・メタクリル酸共重合体の亜鉛アイオノマー(組成物試料3と同一品)95質量部とアクリル・シリコーン共重合体(アクリル・シリコーン複合ゴム共重合体)5質量部を二軸押出機を用いて210℃で溶融混練して熱可塑性樹脂組成物試料5を調製した。
「実施例1、2、3」
組成物試料3(実施例1)、組成物試料4(実施例2)、組成物試料5(実施例3)の各イフレーションフィルム(厚さ50μm:フィルム製造条件:成形温度180℃)を作成しフィルム表面の耐摩傷性、滑り性をそれぞれ測定した。
結果を表1に示した。
物性評価項目
耐傷性;
学振式磨耗試験機を用い、綿帆布10号に荷重450gを掛け、100往復後の傷付き状況を目視観察した。
傷付き度
Figure 2007224234
滑り性;
摩擦測定機(傾斜型)を用い、荷重1kgを掛けたとき、滑り始めた角度を測定し、滑り摩擦係数を求めた。結果を表1に示した。
「比較例1」
エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量9重量%;MFR5.5g/10分(JIS K7210))の亜鉛アイオノマー(中和度18モル%;)のインフレーションフィルム(厚さ50μ、単層で用い、実施例1〜3と同様にしてフィルム表面の耐摩傷性、すべり角度を測定した。
結果を表1に示した。
Figure 2007224234
「実施例4〜8」
押出ラミネーター(押出機:口径40mmφ、ダイ:450mm幅、 冷却ロール350mmφ、ニップロール200mmφ)を用いてクラフト紙(50g/m)基材面に上記組成物試料1(実施例4)、組成物試料2(実施例5)、組成物試料3(実施例6)、組成物試料4(実施例7)、組成物試料5(実施例8)の熱可塑性樹脂組成物層を約20μmの厚さにそれぞれ積層し5種の剥離紙積層体(実施例4乃至8)を作製した。
これら積層体試料に、「セロテープ」(ニチバン社製)を接着させ、荷重1kg×5分間放置後の接着強度を測定した。
上記接着強度測定条件:引張試験機による剥離強度測定試験;試験幅;18mm(セロテープ幅)、剥離強度測定距離;30mm、剥離角度;180度剥離
引張速度;300mm/分
結果を表2に示す。
「比較例2」
エチレン・メタクリル酸共重合体(酸含量15重量%;MFR0.9g/10分(JIS K7210))の亜鉛アイオノマー(中和度59%)のインフレーションフィルムを単層(厚さ50μで用い、これに実施例1と同様に「セロテープ」を接着させ、実施例1と同様の条件で接着強度を測定した。
結果を表2に合わせて示した。
「比較例3」
ポリエチレンテレフタレートフィルム基材(厚さ12μm)に低密度ポリエチレン(MFR3.7g/10分(JIS K7210)を20μm厚さに押出積層したものを、実施例1と同様に「セロテープ」を該低密度ポリエチレン面に貼り付け実施例1と同様の条件で接着強度を測定した。
結果を表2に示す。
「比較例4」
紙(王子製紙社製:「やまゆり100」;100古紙)を用いて実施例1と同様に接着強度を測定した。
結果を表2に示す。
Figure 2007224234
表1の結果から、本発明に係る単層フィルム、シートは滑り性(耐ブロッキング特性)に優れ、耐摩傷性にも優れることが判る。
又、表2の結果から、本発明に係る積層体は、例えば、「セロテープ」等の粘着面に対し適度な剥離強度(離型性)を有し、特に、エチレン・メタクリル酸共重合体基材にアクリル・シリコーン共重合体としてグラフト変性ポリオルガノシロキサンを配合した樹脂組成物層から成る態様のものは剥離強度にバラツキがほとんど無く剥離紙として極めて好適であることがわかる。

Claims (12)

  1. 熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部のアクリル・シリコーン共重合体樹脂を配合した熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム又はシート。
  2. 前記熱可塑性樹脂がエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマーである請求項1記載のフィルム又はシート。
  3. 前記アクリル・シリコーン共重合体樹脂が、ポリオルガノシロキサンに(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸エステルと該エステルに共重合可能な単量体との混合物をグラフト共重合してなるアクリル変性ポリオルガノシロキサンである請求項1又は2記載のフィルム又はシート。
  4. 前記アクリル・シリコーン共重合体樹脂が、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが相互に絡み合い実質上分離できない構造有する複合ゴムに、一種又は2種以上のビニル系単量体をグラフト重合させてなる複合ゴム系グラフト共重合体である請求項1又は2記載に記載のフィルム又はシート。
  5. 熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部のアクリル・シリコーン共重合体樹脂を配合した熱可塑性樹脂組成物層を基材層に積層してなる積層体。
  6. 前記熱可塑性樹脂組成物層が、(共)押出積層法により、前記基材層と積層されたものである請求項5記載の積層体。
  7. 前記基材が紙である請求項5又は6記載の積層体。
  8. 前記熱可塑性樹脂がエチレン系重合体である請求項5乃至7の何れかに記載の積層体。
  9. 前記熱可塑性樹脂がポリエチレン又はエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体或いはそのアイオノマーである請求項8記載の積層体。
  10. 前記アクリル・シリコーン共重合体樹脂が、ポリオルガノシロキサンに(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸エステルと該エステルに共重合可能な単量体との混合物をグラフト共重合してなるアクリル変性ポリオルガノシロキサンである請求項5乃至9の何れかに記載の積層体。
  11. 前記アクリル・シリコーン共重合体樹脂が、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが相互に絡み合い実質上分離できない構造有する複合ゴムに、一種又は2種以上のビニル系単量体をグラフト重合させてなる複合ゴム系グラフト共重合体である請求項5乃至9の何れかに記載の積層体。
  12. 熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部のアクリル・シリコーン共重合体樹脂を配合した熱可塑性樹脂組成物を紙基材に押出積層してなる剥離紙。
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