JP2007220231A - 垂直磁気記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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博史 亀田
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Abstract

【課題】 特に、リターンヨーク層の対向面形状を改善して、PTPを抑制するとともに安定した記録能力を得ることが可能な垂直磁気記録ヘッド及びその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】 リターンヨーク層27の対向面H1aでの形状は、トラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に直線状で形成される下辺27cと、主磁極層24と膜厚方向(図示Z方向)で対向する位置に、上方に向けて突出し最大幅寸法T1がトラック幅Twよりも大きい突出部27a1が形成された中央部27aと、前記中央部27aのトラック幅方向(図示X方向)の両側に広がり、前記中央部27aよりも膜厚の薄い両側端部27bと、を有して形成されている。これにより、記録能力の向上効果とPTP発生の抑制効果の双方を適切に得ることが出来る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、ディスクなどの記録媒体の媒体面に対して垂直方向に磁界を与えて記録を行う垂直磁気記録に係り、特に、PTP(Pole Tip Protrusion)を抑制するとともに安定した記録能力を得ることが可能な垂直磁気記録ヘッド及びその製造方法に関する。
垂直磁気記録ヘッドは、下記の特許文献に挙げられているように、主磁極層(例えば特許文献1では主磁極(35))と、リターンヨーク層(例えば特許文献1では補助磁極(34))と、コイル層(例えば特許文献1では励磁コイル(36))とを有して構成される。
例えば特許文献1の図5には記録媒体との対向面から見た各磁性層の正面図が示されている。特許文献1の図5に示すように、前記主磁極層の対向面での面積は前記リターンヨーク層の対向面での面積に比べて十分に小さく形成され、これにより、前記主磁極層の先端に洩れ記録磁界が集中し、この集中している磁束により記録媒体が垂直方向へ磁化されて、前記記録媒体に磁気データが記録される。前記磁束は前記記録媒体内を通った後、前記リターンヨーク層に戻される。
特開2002−100006号公報 特開2005−190515号公報 特開2004−342164号公報
ところで記録時に、前記垂直磁気記録ヘッド内部での温度が高くなると、他の部位に比べて非常に大きい形成領域を占める前記リターンヨーク層が、前記リターンヨーク層の周囲の絶縁材料等との間での熱膨張係数の違いによって前記対向面から突出しやくなるという、いわゆるPTP(Pole Tip Protrusion)といわれる現象が発生する。
そこで前記PTPを抑制するためには、前記リターンヨーク層の膜厚を薄く形成する必要があった。
しかし、前記リターンヨーク層の膜厚を薄く形成し前記対向面に露出する前記リターンヨーク層の面積が小さくなると、前記主磁極層から発せられた磁束の戻り口が小さくなり、特に前記主磁極層と膜厚方向にて対向する部位付近が磁気飽和に達成しやすくなり記録能力が低下するという問題が生じた。
上記した各特許文献は、いずれも、前記PTPの発生と、前記記録能力の低下の双方を問題視するものでなく、当然、前記PTPの発生と、前記記録能力の低下の双方を抑制する解決手段は提示されていない。
上記した特許文献3は、垂直磁気記録ヘッドに使用されるシールド層に関するもので、主磁極層に向かって凸部を設けるとした発明である。これによって、記録ビットセルの磁化反転形状の湾曲を改善できるとしている(特許文献3の[0032]欄)。
しかし特許文献3は上記したようにシールド層に関する発明で、リターンヨーク層の形状改善ではないこと、また前記シールド層が前記リターンヨーク層として機能するとしても、前記凸部は前記主磁極層に向かって突出している。このため、前記リターンヨーク層に戻ってくる磁束は前記凸部に集中して戻り(すなわち磁束が適切に分散して戻りにくい)前記凸部が磁気飽和に達しやすく、上記課題を適切に解決できない。また前記特許文献3では、図5に示すように前記凸部の幅寸法は、前記主磁極層の幅寸法よりも小さいために、前記凸部はより磁気飽和に達しやすい形状となっている。さらに特許文献3では、前記凸部が下方に向けて形成されているが、このように凸部を下方向に向けて形成することは非常に困難である。また特許文献3では、前記凸部に角部が形成されているため、記録時以外のとき、前記角部から磁束が記録媒体に漏れ出し、記録媒体に記録されたデータを消去する等の問題も発生しやすい。以上により特許文献3の発明においても、前記PTPの発生と、前記記録能力の低下の双方を抑制することは出来ない。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、リターンヨーク層の対向面形状を改善して、PTP(Pole Tip Protrusion)を抑制するとともに安定した記録能力を得ることが可能な垂直磁気記録ヘッド及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明における垂直磁気記録ヘッドは、
記録媒体との対向面にトラック幅Twで露出する主磁極を備えた第1磁性層と、前記対向面で、前記第1磁性層上に非磁性層を介して対向するリターンヨーク層と、前記第1磁性層及び前記リターンヨーク層に記録磁界を与えるためのコイル層と、を有し、
前記リターンヨーク層の前記対向面での形状は、トラック幅方向と平行な方向に直線状で形成された下辺と、前記第1磁性層と膜厚方向で対向する位置に、上方に向けて突出しトラック幅Twよりも大きい最大幅寸法T1を有する突出部が設けられた中央部と、前記中央部のトラック幅方向の両側に広がり、前記中央部の膜厚よりも薄い膜厚で形成された両側端部と、を有することを特徴とするものである。
上記のように、前記中央部に上方に向けて突出する突出部を形成し、前記中央部の前記両側端部での膜厚を前記中央部の膜厚より薄く形成しているので、前記リターンヨーク層の全体の膜厚を一律に厚く形成する場合に比べて、PTP(Pole Tip Protrusion)を抑制することが出来る。
また前記対向面では、前記リターンヨーク層の中央部には、前記第1磁性層と膜厚方向で対向する位置に、上方に向けて突出し最大幅寸法T1がトラック幅Twよりも大きい突出部が形成されており、前記中央部の膜厚は前記両側端部の膜厚よりも厚く形成されている。さらに前記リターンヨーク層の下辺は、トラック幅方向と平行な直線状で形成されているから、主磁極から放出された磁束は記録媒体を通って膜厚が厚く広い面積を有する前記中央部に適切に戻るとともに、前記突出部は上方に向けて、すなわち前記主磁極層から離れる方向に形成されている(前記主磁極層に近づく方向に形成されていない)から、前記主磁極から距離的に近い部分に広い戻り面積を有する中央部を形成でき、前記磁束は前記突出部のみならず中央部全体に分散して戻り、磁気飽和の発生は生じず、記録能力の向上を適切に図ることが出来る。
本発明では、前記第1磁性層と前記リターンヨーク層との間であって、前記対向面よりもハイト方向後方には、少なくとも前記コイル層上を覆うコイル絶縁層を含み上方に向けて突出する絶縁層が設けられ、
前記絶縁層の前縁から前記対向面までの前方領域には前記非磁性層の上面が平坦化面で形成されており、
前記リターンヨーク層の突出部は、前記絶縁層上から、前記前方領域上にかけて形成され、
少なくとも前記前方領域では、前記リターンヨーク層の下面が平坦化面で形成され、前記中央部の膜厚が前記両側端部の膜厚よりも厚く形成されていることが好ましい。これにより、簡単且つ適切に、中央部に突出する突出部を備え、前記中央部の膜厚が両側端部よりも厚い対向面形状を有するリターンヨーク層を形成することが出来る。
また本発明では、前記突出部の前記最大幅寸法T1は、前記第1磁性層の最大幅寸法よりも大きいことが好ましい。これにより、前記中央部の前記対向面での面積をより広く形成でき、磁気飽和の発生を抑制でき、記録能力の向上を適切に図ることが出来る。
また本発明では、前記対向面に現れる前記突出部の上辺は、曲面状であることが好ましい。このように前記突出部の上辺に角張った角部が形成されていないため、記録時以外のときに前記リターンヨーク層から磁束が前記記録媒体に漏れ出して記録媒体に記録されているデータを消去等する問題を適切に抑制できる。
本発明は、記録媒体との対向面にトラック幅Twで露出する主磁極を備えた第1磁性層と、前記対向面で、前記第1磁性層上に非磁性層を介して対向するリターンヨーク層と、前記第1磁性層及び前記リターンヨーク層に記録磁界を与えるためのコイル層と、を有して成る垂直磁気記録ヘッドの製造方法であって、
(a) 前記第1磁性層上に前記非磁性層を形成し、さらに前記コイル層を形成する工程、
(b) 前記非磁性層上に、少なくとも前記コイル層上を覆うコイル絶縁層を含む絶縁層を上方に向けて突出形成するとともにハイト方向に後退させて形成し、このとき、次工程で、前記リターンヨーク層の中央部に突出部が形成され、前記リターンヨーク層の中央部での膜厚が、前記絶縁層の前方領域にて前記中央部のトラック幅方向の両側に形成される両側端部よりも厚い膜厚で形成されるように、前記絶縁層の前縁と前記対向面間の間隔L1を調整して、前記絶縁層よりも前方に前記非磁性層の上面が平坦化面で露出する前記前方領域を形成する工程、
(c) 前記前方領域上から前記絶縁層上にかけて前記リターンヨーク層を形成し、前記リターンヨーク層を、前記対向面から、トラック幅方向と平行な方向に直線状で形成された下辺と、前記第1磁性層と膜厚方向で対向する位置に、上方に向けて突出し最大幅寸法T1が前記トラック幅Twよりも大きい突出部が設けられた中央部と、前記中央部のトラック幅方向の両側に広がり、前記中央部よりも薄い膜厚で形成された両側端部と、を有する形状にて露出させる工程、
を有することを特徴とするものである。
上記(b)工程では、前記絶縁層の前縁と前記対向面間の間隔L1を調整している。具体的には前記絶縁層の前縁を従来よりも前記対向面寄りに形成する。このように前記絶縁層の前縁の形成位置を調整することで、上記(c)工程で前記リターンヨーク層を前記前方領域上から前記絶縁層上に形成すると、前記絶縁層上に形成された前記リターンヨーク層の突出部を前記前方領域にまで延出して形成でき、前記対向面では、前記中央部の膜厚を前記両側端部の膜厚よりも適切且つ簡単に厚く形成することが出来る。
本発明における垂直磁気記録ヘッドによれば、PTP(Pole Tip Protrusion)を抑制するとともに安定した記録能力を得ることが可能である。
図1は第1の実施形態の垂直磁気記録ヘッドを含む磁気ヘッドの部分縦断面図(図3に示すI−I線に沿って図示Y−Z面と平行な面から切断し矢印方向から見た断面面)、図2は、図1に示す垂直磁気記録ヘッドを記録媒体との対向面から見た部分正面図、図3は図1に示す垂直磁気記録ヘッドの部分平面図、及びリターンヨーク層の部分正面図、図4は、図1に示す垂直磁気記録ヘッドの部分斜視図、である。
図示X方向は、トラック幅方向、図示Y方向は、ハイト方向、図示Z方向は、膜厚方向である。各方向は残り2つの方向に対して直交する関係となっている。
図1に示す垂直磁気記録ヘッドHは、記録媒体Mに垂直磁界を与え、記録媒体Mのハード膜Maを垂直方向に磁化させる。
記録媒体Mは例えばディスク状であり、その表面に残留磁化の高いハード膜Maが、内方に磁気透過率の高いソフト膜Mbを有しており、ディスクの中心が回転軸中心となって回転させられる。
スライダ10はAl・TiCなどの非磁性材料で形成されており、スライダ10の対向面10aが記録媒体Mに対向し、記録媒体Mが回転すると、表面の空気流によりスライダ10が記録媒体Mの表面から浮上し、またはスライダ10が記録媒体Mに摺動する。
スライダ10のトレーリング側端面(上面)10bには、AlまたはSiOなどの無機材料による非磁性絶縁層12が形成されて、この非磁性絶縁層12の上に読取り部Hが形成されている。
読取り部Hは下部シールド層13と上部シールド層16と、下部シールド層13と上部シールド層16との間の無機絶縁層(ギャップ絶縁層)15内に位置する読み取り素子14とを有している。読み取り素子14は、AMR、GMR、TMRなどの磁気抵抗効果素子である。
前記上部シールド層16の上には、コイル絶縁下地層17を介して、導電性材料で形成された複数本の下層コイル片18が形成されている。前記下層コイル片18は、例えばAu,Ag,Pt,Cu,Cr,Al,Ti,NiP,Mo,Pd,Rh,Niから選ばれる1種、または2種以上の金属材料からなる。あるいはこれら非磁性金属材料が積層された積層構造であってもよい。
前記下層コイル片18の周囲には、Alなどの無機絶縁材料や、レジストなどの有機絶縁材料で形成されたコイル絶縁層19が形成されている。
前記コイル絶縁層19の上面は平坦化面に形成され、この上面に、図示しないメッキ下地層が形成され、このメッキ下地層の上に、主磁極層24が設けられている。
前記主磁極層24の周囲は、AlやSiO等の絶縁層32によって埋められ、前記主磁極層24の上面と前記絶縁層32の上面とが同一平面になるように平坦化処理されている。
図3に示すように、前記主磁極層24は、記録媒体との対向面H1a(前記対向面H1aはスライダ10の対向面10aと同一平面で形成されている)からハイト方向(図示Y方向)にトラック幅Twで形成された細長い形状の前方部24aと、前記前方部24aのハイト方向後方にて前記前方部24aよりもトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法が広い後方部24bとを有して形成されている。前記後方部24bでのトラック幅方向における最大幅寸法はT2で形成される。
前記主磁極層24は強磁性材料で例えばメッキ形成され、NiFe、CoFe、NiFeCoなどの飽和磁束密度の高い材料で形成されている。
図1に示すように、前記主磁極層24の上には、アルミナまたはSiOなどの無機材料によって、非磁性層であるギャップ層21が形成されている。
図1に示すように、前記ギャップ層21上には、コイル絶縁下地層22を介して上層コイル片23が形成されている。前記ギャップ層21は、前記上層コイル片23の絶縁下地としても機能しているので、前記コイル絶縁下地層22は形成されていなくてもよいが形成されていたほうが好ましい。前記上層コイル片23は前記下層コイル片18と同様に、導電性材料によって複数本形成されている。前記上層コイル片23は、例えばAu,Ag,Pt,Cu,Cr,Al,Ti,NiP,Mo,Pd,Rh,Niから選ばれる1種、または2種以上の金属材料からなる。あるいはこれら非磁性金属材料が積層された積層構造であってもよい。
前記下層コイル片18と上層コイル片23とは、ソレノイド(Solenoid)状になるように、図3に示すように、各コイル片のトラック幅方向(図示X方向)における端部同士が電気的に接続されている。前記下層コイル片18および上層コイル片23には夫々引き出し部18a,23aが形成され、この引き出し部18a、23aから電流がソレノイド状コイルに供給されるようになっている。
前記上層コイル片23上には、Alなどの無機絶縁材料や、レジストなどの有機絶縁材料で形成されたコイル絶縁層26が形成されている。また図1,図3に示す実施形態では、前記ギャップ層21上に、無機または有機材料によって間隔調整絶縁層28が形成されている。前記コイル絶縁層26の前縁は、前記間隔調整絶縁層28上に重なっている。図3に示すように前記間隔調整絶縁層28の前縁28aは、トラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に向けて直線状に延びている。前記間隔調整絶縁層28の前縁28aは、前記対向面H1aからハイト方向に所定距離(ギャップデプス)L1だけ離れて形成されている。前記間隔調整絶縁層28は、図3に示すようにトラック幅方向(図示X方向)に長く延ばされて形成される。前記間隔調整絶縁層28の前縁28aの幅寸法T3は、少なくとも前記主磁極層24の最大幅寸法T2よりも大きく形成される。なお前記間隔調整絶縁層28の前記幅寸法T3は、前記間隔調整絶縁層28のハイト方向に形成されるコイル絶縁層26の最大幅寸法T4とほぼ同じ大きさで形成されることが好ましい。ソレノイド形状のコイル層を用いる場合、前記上層コイル片23のトラック幅方向の幅寸法は、前記主磁極層24の最大幅寸法T2よりも必ず大きくなるので、前記上層コイル片23上を覆うコイル絶縁層26の最大幅寸法T4は、前記主磁極層24の最大幅寸法T2より必ず大きくなる。前記間隔調整絶縁層28は例えば有機絶縁材料で形成され熱硬化して形成される。熱処理によって縦断面形状は矩形状から図1や図4に示すように略半楕円形状(あるいは少なくとも上面28bは曲面状)となる。前記間隔調整絶縁層28上に一部重なってハイト方向に向けて形成されるコイル絶縁層26も有機絶縁材料で形成され熱硬化して形成されたものであり、前記コイル絶縁層26の対向面側上面26bは、前記間隔調整絶縁層28の上面28bから曲面形状に盛り上がって形成される。前記間隔調整絶縁層28及びコイル絶縁層26(以下、この2層を「絶縁層30」と称する場合がある)は、前記ギャップ層21の上面を基準平面としたとき、前記基準平面よりも上方(図示Z方向)に盛り上がって形成されている。前記絶縁層30の周囲には前記ギャップ層20の上面が露出している。以下では、前記間隔調整絶縁層28の前縁28aと前記対向面H1a間の領域を前方領域A(図3に示す斜線領域)と称し、前記絶縁層30のトラック幅方向(図示X方向)における両側の領域を両側領域Bと称する。
図1,図3及び図4に示すように、前記前方領域A上、前記絶縁層30上、及び前記両側領域B上には、パーマロイなどの強磁性材料によってリターンヨーク層27が形成されている。図1に示すように、前記リターンヨーク層27のハイト方向の後端部は、前記主磁極層24と磁気的に接続する接続部27gとなっている。
前記リターンヨーク層27は、中央部27aと、前記中央部27aのトラック幅方向(図示X方向)の両側に位置する両側端部27bとで形成される。前記中央部27aは、前記主磁極層24と膜厚方向(図示Z方向)で対向する位置に形成されている。図1〜図4に示すように、前記中央部27aには、前記絶縁層30上から前記前方領域A上にかけて上方に向けて突出する突出部27a1が形成されている。前記絶縁層30上に形成される前記リターンヨーク層27は、そもそも前記絶縁層30が両側領域Bよりも盛り上がって形成されているから前記両側領域B上に形成されるリターンヨーク層27に比べて突出して形成される。このとき前記絶縁層30上に形成されるリターンヨーク層27の膜厚H3(図4を参照)と、前記両側領域B上に形成される前記リターンヨーク層27の膜厚はあまり変わらない。一方、前記前方領域Aの上面(ギャップ層21の上面)は、前記絶縁層30の上面よりも低い位置にある平坦化面であり、前記絶縁層30上から前記前方領域A上にメッキ形成されるリターンヨーク層27の膜厚を測定すると、前記リターンヨーク層27が、仮に図4に示す対向面H1aよりも長く前方に(図示Y方向と反対方向に)メッキ形成される部分では図4の点線に示すように一定の膜厚H4に収束し、前記中央部27a及び両側端部27bでの膜厚はほぼ一定となり、すなわち上面が平坦なリターンヨーク層27となるが、前記対向面H1aと前記絶縁層30の前縁28aとが距離的に近づき、前方領域Aの間隔L1が狭くなるとメッキの付き回りの関係上、前記前方領域A上に形成されるリターンヨーク層27には、前記絶縁層30上から延長形成された突出部27a1が形成され、前記対向面H1aでの前記中央部27aの膜厚H1は、前記中央部27aのトラック幅方向の両側に広がる両側端部27bの膜厚H2よりも厚く形成されるのである(主に図2,図4を参照)。なお図2,図4に示すようにH1は最大膜厚である。説明の便宜上、両側端部27bとの膜厚の比較は、前記中央部27aの最大膜厚H1で行うが、本実施形態では、前記中央部27aのトラック幅方向への全体にわたる膜厚が、前記両側端部27bの膜厚H2より厚く形成される。なお前方領域A上であれば、前記中央部27aの膜厚は、前記両側端部27bの膜厚よりも厚くなっている。なお図2に示すように、前記突出部27a1は前記対向面H1aに現れる前記突出部27a1の最大幅寸法T1が、前記トラック幅Twに比べて十分に広く形成されている。
上記したように前記前方領域A上は平坦化面で形成されているので、前記前方領域A上に形成される前記リターンヨーク層27の下面は平坦化面で形成され、図2に示すように前記対向面H1aでは、前記リターンヨーク層27の下辺27cは、トラック幅方向(図示X方向)と平行な方向の直線状で現れる。
また前記リターンヨーク層27の平面形状はほぼ矩形状で形成され、図2に示すように、前記対向面H1aに現れる前記リターンヨーク層27のトラック幅方向における幅寸法T4は、前記主磁極層24のトラック幅Twに比べて十分に大きく形成される。
図1に示すように、前記リターンヨーク層27上は、無機絶縁材料などで形成された保護層31に覆われている。
本実施形態の特徴的部分について説明する。図2に示すように、前記リターンヨーク層27の前記対向面H1aでの形状は、トラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に直線状で形成される下辺27cと、前記主磁極層24と膜厚方向(図示Z方向)で対向する位置に、上方に向けて突出し最大幅寸法T1が前記トラック幅Twよりも大きい突出部27a1が形成された中央部27aと、前記中央部27aのトラック幅方向(図示X方向)の両側に広がり、前記中央部27aよりも膜厚の薄い両側端部27bと、を有して形成されている。
前記主磁極層24の前方部24aに集中する磁束φ1は、前記記録媒体Mに向けて放出され、前記記録媒体Mのハード膜Ma、及びソフト膜Mbを通って、前記リターンヨーク層27に戻される。
このとき、前記磁束φ1は、前記主磁極層24と対向し、前記対向面H1aで面積が広く形成された中央部27aに主として戻される。前記中央部27aに形成された前記突出部27a1の最大幅寸法T1は、前記トラック幅Twよりも十分に広く形成され、また、前記突出部27a1は上方に向けて突出され、すなわち前記主磁極層24から離れる方向に向けて突出され、さらに前記リターンヨーク層27の下辺27cはフラットな形状であるから、前記リターンヨーク層27に戻される磁束φ1は、前記中央部27aの全体にわたって戻りやすく、磁束φ1が局部的に戻るのを抑制できる。例えば前記突出部27a1を下方向に突出させ、すなわち前記主磁極層24に近づける方向に突出させると、磁束φ1は距離的に近い突出部27a1近傍に集中して戻りやすくなり、前記突出部27a1が磁気飽和に達しやすくなるが、本実施形態では、前記下辺27cをトラック幅方向と平行な方向に直線状で形成し、突出部27a1を上方に突出させることで、前記主磁極層24から距離的に近い中央部27aでの戻り面積を広く確保できるとともに、ある部位のみに集中的に磁束φ1が戻るのを回避でき、前記リターンヨーク層27に磁気飽和が生じるのを適切に抑制できる。よって記録能力を向上させることが出来る。しかも図2に示すように前記リターンヨーク層27の両側端部27bの膜厚H2は前記中央部27aの膜厚H1よりも薄く形成され、前記リターンヨーク層27の全体を厚い膜厚で形成していない。すなわち前記磁束φ1が主として戻される前記中央部27aを厚い膜厚H1で形成するが、それ以外の箇所は薄い膜厚H2とすることで、記録時、PTP(Pole Tip Protrusion)の発生を抑制することが出来る。このように本実施形態における垂直磁気記録ヘッドでは、記録能力の向上効果とPTP発生の抑制効果の双方を適切に得ることが出来る。
前記突出部27a1の最大幅寸法T1は、図3に示すように、前記間隔調整絶縁層28の前縁28aのトラック幅方向における幅寸法T3とほぼ同じとなるため、前記間隔調整絶縁層28の幅寸法T3を調整することで前記突出部27a1の最大幅寸法T1を調整できる。このとき、前記間隔調整絶縁層28の幅寸法T3を前記主磁極層24の最大幅寸法T2よりも大きく形成し、前記突出部27a1の最大幅寸法T1が前記主磁極層24の最大幅寸法T2よりも大きく形成されることが好ましい。これにより前記対向面H1aに露出する前記中央部27aの面積を広くでき、効果的に磁気飽和を抑制することが可能である。
なお前記対向面H1aに露出する前記突出部27a1の形状は、前記間隔調整絶縁層28の断面形状とほぼ相似形となる。すなわち前記突出部27a1の上辺27a2を例えば略楕円形状の曲線状で形成するには、前記間隔調整絶縁層28及びコイル絶縁層26の上面もそのような形状にて形成することが好ましい。また、図4で説明した前方領域Aでの現象は、前記両側領域Bの前記間隔調整絶縁層28及びコイル絶縁層26の近傍でも生じる結果、前記突出部27a1の最大幅寸法T1は、前記幅寸法T3よりもやや大きく形成されやすい。また図3では、前記間隔調整絶縁層28の前縁28aはトラック幅方向(図示X方向)と平行な方向で形成されているが、それ以外の形状であってもよい。例えば、対向面H1a側に突出する凸型の曲面状等である。ただし、前記前縁28aをトラック幅方向(図示X方向)と平行な方向で形成したほうが、前記リターンヨーク層27に形成される前記突出部27a1の形状及び最大幅寸法T1を調整しやすいので好ましい。
また本実施形態では前記突出部27a1は上方に向けて突出形成されているから、簡単に前記突出部27a1を形成できる。特に後述する製造方法で説明するように、前記絶縁層30の前縁28aの形成位置を調整することで、前記対向面から露出する前記リターンヨーク層27に突出部27a1を簡単且つ適切に形成することが出来る。
図2に示すように前記突出部27a1の上辺27a2は、略半楕円状の曲面状で形成されている。前記両側端部27bの上辺27b1は、トラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に延びる直線状であり、また、前記突出部27a1の上辺27a2と前記両側端部27bの上辺27b1とが交わる箇所27dは、角張っておらずR形状となっている。また上記したように前記対向面H1aに現れる前記リターンヨーク層27の下辺27cはトラック幅方向(図示X方向)に向けて延びる直線状で形成されている。このように前記リターンヨーク層27には前記下辺27cから前記突出部27a1の上辺27a2までの領域において角張る箇所がないため、記録時以外のときに前記リターンヨーク層27から磁束が前記記録媒体Mに漏れ出し、前記記録媒体Mに記録されたデータを消去する等の不具合を適切に防止することが可能である。また前記リターンヨーク層27の突出部27a1の上辺27a2は、図5に示すように、トラック幅方向(図示X方向)と平行な直線状で形成され、前記突出部27a1の上辺27a2と前記両側端部27bの上辺27b1との間に、前記突出部27a1の幅寸法が上から下へ向かうにしたがって徐々に大きくなるように傾斜する側辺27a3が設けられ、前記上辺27a2と側辺27a3とが交わる箇所27e及び、前記上辺27b2と側辺27a3とが交わる箇所27fはいずれも角張っておらずR形状となっている。図5に示す前記突出部27a1の上辺27a2の幅寸法T5は、トラック幅Twよりも大きくなっている。前記幅寸法T5は前記主磁極層24の最大幅寸法T2よりも大きいことが好ましい。これよって、前記中央部27aの前記対向面H1aから露出する面積は大きくなり、記録能力の向上を適切に図ることができる。
図6は、第2の実施形態の垂直磁気記録ヘッドを備えた磁気ヘッドの縦断面図、図7は図6に示す垂直磁気記録ヘッドの部分平面図である。図1と同じ符号が付けられている層は図1と同じ層を示している。
図6に示す垂直磁気記録ヘッドHは、図1に示す垂直磁気記録ヘッドと異なって、前記主磁極層24が前記対向面H1a近傍にのみ設けられ、前記主磁極層24と前記リターンヨーク層27とが補助ヨーク層50によって接続されている。図6に示す実施形態では、前記主磁極層24と前記補助ヨーク層50とが「第1磁性層」として機能する。図7に示すように前記主磁極層24は図3と同様に細長形状の前方部24aと前記前方部24aよりも幅寸法が広く形成された後方部24bとを有して形成されている。そして前記後方部24bに重ねられて前記補助ヨーク層50が形成されている。前記補助ヨーク層50は略矩形状で形成されており、前記補助ヨーク層50の前端面50aは前記対向面H1aからハイト方向(図示Y方向)に所定距離だけ後退した位置に形成される。図6に示すように、前記補助ヨーク層50の前端面50aと前記対向面H1a間には絶縁層60が形成され、前記絶縁層60の上面と前記補助ヨーク層50の上面とは同一の平坦化面で形成されている。
図6に示すように前記絶縁層60上及び前記補助ヨーク層50上に前記主磁極層24が形成され、前記主磁極層24のハイト方向後方にはコイル絶縁下地層22が形成され、前記コイル絶縁下地層22上にコイル層70が形成されている。図1に示す垂直磁気記録ヘッドでは、ソレノイド形状のコイル層が形成されていたが、図6では、前記コイル層70は前記リターンヨーク層27の接続部27gの周囲に螺旋状に形成される平面コイルである。そして前記コイル層70上にコイル絶縁層26が形成され、前記コイル絶縁層26上に前記リターンヨーク層27が形成されている。前記補助ヨーク層50及び前記絶縁障壁層60と前記上部シールド層16との間には、絶縁材料で形成された分離層40が形成されている。
図6に示す実施形態では、図1と異なって、間隔調整絶縁層28が設けられていない。図1に示す実施形態では、前記間隔調整絶縁層28の前縁28aを前記対向面H1a近傍に配置して、前記対向面H1aと前記前縁28a間の間隔L1を調整し、これにより前記リターンヨーク層27の対向面形状に前記突出部27a1が形成されるようにしていたが図6に示す実施形態では、前記間隔調整絶縁層28が形成されていないため、前記コイル絶縁層26の前縁26aを図1の実施形態よりも前記対向面H1a近傍に配置し、前記コイル絶縁層26の前縁26aと前記対向面H1a間の間隔L1を調整して、前記リターンヨーク層27の対向面形状に前記突出部27a1が適切に形成されるようにしている。すなわち図6に示す実施形態では前記コイル絶縁層26自体が、間隔調整絶縁層としても機能しているのである。
図7に示すように前記補助ヨーク層50のトラック幅方向(図示X方向)における最大幅寸法はT6で形成され、前記リターンヨーク層27の対向面H1aに露出する前記突出部27a1の最大幅寸法T1は前記補助ヨーク層50の前記最大幅寸法T6よりも大きいことが好ましい。
図6,図7に示す実施形態においても、図2と同様に、前記リターンヨーク層27の前記対向面H1aでの形状は、トラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に直線状で形成された下辺27cと、前記主磁極層24と膜厚方向(図示Z方向)で対向する位置に上方に向けて突出し最大幅寸法T1が前記トラック幅Twよりも大きい突出部27a1が形成された中央部27aと、前記中央部27aのトラック幅方向(図示X方向)の両側に広がり、前記中央部27aよりも膜厚の薄い両側端部27bと、を有して形成されている。
前記主磁極層24の前方部24aに集中する磁束φ1は、前記記録媒体Mに向けて放出され、前記記録媒体Mのハード膜Ma、及びソフト膜Mbを通って、前記リターンヨーク層27に戻される。
対向面H1aにて露出する前記突出部27a1の最大幅寸法T1は、前記トラック幅Twよりも十分に広く形成され、また、前記突出部27a1は上方に向けて突出され、すなわち前記主磁極層24から離れる方向に向けて突出され、さらに前記リターンヨーク層27の下辺27cはフラット形状であるから、前記リターンヨーク層27に戻される磁束φ1は、広い面積を有する前記中央部27a全体に適切に広がって戻りやすく、前記リターンヨーク層27に磁気飽和は生じない。よって記録能力を向上させることが出来る。しかも図2に示すように前記リターンヨーク層27の両側端部27bの膜厚H2は前記中央部27aの膜厚H1よりも薄く形成され、前記リターンヨーク層27の全体を厚い膜厚で形成していない。すなわち磁束φ1が戻される前記主磁極層24と膜厚方向で対向する位置には膜厚H1の厚い中央部27aを形成するが、それ以外の箇所は薄い膜厚H2とすることで、記録時、PTP(Pole Tip Protrusion)の発生を抑制することが出来る。このように本実施形態における垂直磁気記録ヘッドでは、記録能力の向上効果とPTP発生の抑制効果の双方を適切に得ることが出来る。
寸法について説明する。突出部27a1の最大幅寸法T1は、1μm〜100μmの範囲内、前記リターンヨーク層27の幅寸法T4は、10μm〜150μmの範囲内、前記主磁極層24の最大幅寸法T2、あるいは補助ヨーク層50の最大幅寸法T6は5μm〜100μmの範囲内、トラック幅Twは0.05μm〜0.5μmの範囲内、前方領域Aの間隔L1は0μm〜0.3μmの範囲内、前記中央部27aの膜厚H1(最大膜厚)は0.5μm〜5μmの範囲内、前記両側端部27bの膜厚H2は0.1μm〜5μmの範囲内、前記主磁極層24の最大幅寸法T2は、0.05〜0.5μmの範囲内であることが好ましい。
図8〜図10は図1に示す垂直磁気記録ヘッドの製造方法を示す一工程図である。なお各図は製造工程中における垂直磁気記録ヘッドの縦断面図である。
図8〜図10に示す一点鎖線は将来、対向面H1aとなるべき面を示している。最終的には前記一点鎖線に沿って切断することで現れた面が前記対向面H1aとなる。磁気ヘッドの製造では、前記対向面H1aとなるべき面よりも前方側にまで延長して各層を成膜し、最終的には前記前方側の各層を排除する。
図8に示す工程では、前記下層コイル片18上を覆うコイル絶縁層19上に前記主磁極層24をメッキ等により成膜する。前記主磁極層24を、図3に示す前方部24aと後方部24bとを有して形成し、このとき前記前方部24aを前記対向面H1aよりもさらに前方に延長して形成する。
前記主磁極層24上及びその周囲に絶縁層32をスパッタ等で形成し、前記主磁極層24の上面と前記絶縁層32の上面が同一平面となるまでCMP技術等を用いて研磨加工する。
図9に示す工程では、前記主磁極層24上及び前記絶縁層32上にギャップ層21をスパッタ法等で形成し、さらに前記ギャップ層21上にコイル絶縁下地層22を形成し、前記コイル絶縁下地層22上に上層コイル片23を形成する。なお前記上層コイル片23と前記下層コイル片18とを繋ぐ接続層(図示しない)を、前記コイル絶縁層19、及び前記絶縁層32の内部に予め形成しておき、前記上層コイル片23と前記下層コイル片18とを前記接続層を介して接続してソレノイド形状のコイルを形成する。
図9に示すように、前記上層コイル片23よりも前方のギャップ層21上に、間隔調整絶縁層28を形成する。このとき、前記間隔調整絶縁層28の前縁28aを、前記対向面H1aよりもハイト方向(図示Y方向)に後退させるが、次工程で、前記リターンヨーク層27の中央部27aに突出部27a1が形成され、前記中央部27aでの膜厚が、前記間隔調整絶縁層28の前方領域Aにて前記中央部27aのトラック幅方向の両側に形成される両側端部27bよりも厚い膜厚で形成されるように、前記間隔調整絶縁層28の前縁28aと前記対向面H1a間の間隔L1を調整する。前記間隔調整絶縁層28の前方には、前記ギャップ層21の上面が平坦化面で露出する前記前方領域Aが形成される。
次に前記間隔調整絶縁層28の前縁28aよりもハイト方向後方の位置からハイト方向にかけてコイル絶縁層26を形成する。図6の垂直磁気記録ヘッドを形成する場合は、前記コイル絶縁層26が前記間隔調整絶縁層としても機能するので、前記コイル絶縁層26の前縁26aと前記対向面H1a間の間隔L1を適切に調整する。図9に示すように、前記コイル絶縁層26には、前記リターンヨーク層27の接続部27gが形成される位置に穴部26cを形成する。そして前記穴部26cから露出するコイル絶縁下地層22及びギャップ層21をエッチング等により除去して前記主磁極層24の後方部24bを露出させる。
図10に示す工程では、図3にも示すように、前記前方領域Aに露出するギャップ層21上から前記間隔調整絶縁層28上、前記コイル絶縁層26上、前記間隔調整絶縁層28及びコイル絶縁層26の両側に広がる両側領域B上、及び前記主磁極層24の後方部24b上にかけて前記リターンヨーク層27をフレームメッキ等により形成する。
このとき、前記コイル絶縁層26及び間隔調整絶縁層28は、他の前記リターンヨーク層27の形成面よりも上方に盛り上がっているため、前記コイル絶縁層26及び前記間隔調整絶縁層28上に形成された前記リターンヨーク層27は、前記両側領域B上に形成されたリターンヨーク層27よりも上方に突出して形成される。
一方、前記前方領域A上では、前記コイル絶縁層26及び間隔調整絶縁層28上に形成されたリターンヨーク層27の突出部27a1がメッキの付き回りの関係上、前記対向面H1a方向に延長して形成され、図4でも説明したように、前記対向面H1aよりもさらに前方では、徐々に前記突出部形状が小さくなっていき、やがて上面が平坦なリターンヨーク層27となる。図10に示す一点鎖線に沿って磁気ヘッドを切断すると、その切断面が前記対向面H1aとなり、前記対向面H1aには、図2のように、トラック幅方向と平行な方向に直線状で形成される下辺27cと、前記主磁極層24と膜厚方向で対向する位置に上方に向けて突出し最大幅寸法T1が前記トラック幅Twよりも大きい突出部27a1が形成された中央部27aと、前記中央部27aのトラック幅方向の両側に広がり、前記中央部27aよりも膜厚の薄い両側端部27bと、を有する前記リターンヨーク層27が露出する。
図8〜図10に示す垂直磁気記録ヘッドの製造方法では、前記間隔調整絶縁層28の前縁28aを対向面H1aに近づけて形成し、前記コイル絶縁層26上から間隔調整絶縁層28上にかけて形成される前記リターンヨーク層27の突出部を少なくとも前記対向面H1aとなるべき位置の前記前方領域A上にまで延出して形成する。これにより、簡単且つ適切に、前記対向面H1aに、前記突出部27a1を有するリターンヨーク層27を露出させることが出来る。
また本実施形態のように前記突出部27a1を上方に向けて形成する場合、上記した間隔調整絶縁層28やコイル絶縁層26を利用して前記突出部27a1を形成できるので、簡単且つ適切に前記突出部27a1の形成を行える。
また前記リターンヨーク層27の最大幅寸法T1を、前記間隔調整絶縁層28の前縁28aの幅寸法T3にて調整することが出来る。特にソレノイド形状のコイルを形成すれば、前記主磁極層24の最大幅寸法T2よりも広い幅寸法を有する絶縁層を形成する必要性から、簡単且つ適切に対向面H1aにて、前記主磁極層24の最大幅寸法T2よりも最大幅寸法T1が広い突出部27a1を有するリターンヨーク層27を形成することが出来る。
第1の実施形態の垂直磁気記録ヘッドを含む磁気ヘッドの部分縦断面図(図示Y−Z面と平行な面からの切断面)、 図1に示す垂直磁気記録ヘッドを記録媒体との対向面から見た部分正面図、 図1に示す垂直磁気記録ヘッドの部分平面図、及びリターンヨーク層の部分正面図、 図1に示す垂直磁気記録ヘッドの部分斜視図、 図2とは別の形態のリターンヨーク層の正面図、 第2の実施形態の垂直磁気記録ヘッドを備えた磁気ヘッドの縦断面図、 図6に示す垂直磁気記録ヘッドの部分平面図、 図1に示す垂直磁気記録ヘッドの製造方法を示す一工程図であり、製造工程中における垂直磁気記録ヘッドの縦断面図、 図8の次に行われる一工程図であり、製造工程中における垂直磁気記録ヘッドの縦断面図、 図9の次に行われる一工程図であり、製造工程中における垂直磁気記録ヘッドの縦断面図、
符号の説明
18 下層コイル片
21 ギャップ層
23 上層コイル片
24 主磁極層
26 コイル絶縁層
27 リターンヨーク層
27a (リターンヨーク層の)中央部
27a1 (リターンヨーク層の)突出部
27b (リターンヨーク層の)両側端部
28 間隔調整絶縁層
50 補助ヨーク層
70 コイル層

Claims (5)

  1. 記録媒体との対向面にトラック幅Twで露出する主磁極を備えた第1磁性層と、前記対向面で、前記第1磁性層上に非磁性層を介して対向するリターンヨーク層と、前記第1磁性層及び前記リターンヨーク層に記録磁界を与えるためのコイル層と、を有し、
    前記リターンヨーク層の前記対向面での形状は、トラック幅方向と平行な方向に直線状で形成された下辺と、前記第1磁性層と膜厚方向で対向する位置に、上方に向けて突出しトラック幅Twよりも大きい最大幅寸法T1を有する突出部が設けられた中央部と、前記中央部のトラック幅方向の両側に広がり、前記中央部の膜厚よりも薄い膜厚で形成された両側端部と、を有することを特徴とする垂直磁気記録ヘッド。
  2. 前記第1磁性層と前記リターンヨーク層との間であって、前記対向面よりもハイト方向後方には、少なくとも前記コイル層上を覆うコイル絶縁層を有し上方に向けて突出する絶縁層が設けられ、
    前記絶縁層の前縁から前記対向面までの前方領域には前記非磁性層の上面が平坦化面で形成されており、
    前記リターンヨーク層の突出部は、前記絶縁層上から、前記前方領域上にかけて形成され、
    少なくとも前記前方領域では、前記リターンヨーク層の下面が平坦化面で形成され、前記中央部の膜厚が前記両側端部の膜厚よりも厚く形成されている請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
  3. 前記突出部の前記最大幅寸法T1は、前記第1磁性層の最大幅寸法よりも大きい請求項1又は2に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  4. 前記対向面に現れる前記突出部の上辺は、曲面状である請求項1ないし3のいずれかに記載の垂直磁気記録ヘッド。
  5. 記録媒体との対向面にトラック幅Twで露出する主磁極を備えた第1磁性層と、前記対向面で、前記第1磁性層上に非磁性層を介して対向するリターンヨーク層と、前記第1磁性層及び前記リターンヨーク層に記録磁界を与えるためのコイル層と、を有して成る垂直磁気記録ヘッドの製造方法であって、
    (a) 前記第1磁性層上に前記非磁性層を形成し、さらに前記コイル層を形成する工程、
    (b) 前記非磁性層上に、少なくとも前記コイル層上を覆うコイル絶縁層を含む絶縁層を上方に向けて突出形成するとともにハイト方向に後退させて形成し、このとき、次工程で、前記リターンヨーク層の中央部に突出部が形成され、前記リターンヨーク層の中央部での膜厚が、前記絶縁層の前方領域にて前記中央部のトラック幅方向の両側に形成される両側端部よりも厚い膜厚で形成されるように、前記絶縁層の前縁と前記対向面間の間隔L1を調整して、前記絶縁層よりも前方に前記非磁性層の上面が平坦化面で露出する前記前方領域を形成する工程、
    (c) 前記前方領域上から前記絶縁層上にかけて前記リターンヨーク層を形成し、前記リターンヨーク層を、前記対向面から、トラック幅方向と平行な方向に直線状で形成された下辺と、前記第1磁性層と膜厚方向で対向する位置に、上方に向けて突出し最大幅寸法T1が前記トラック幅Twよりも大きい突出部が設けられた中央部と、前記中央部のトラック幅方向の両側に広がり、前記中央部よりも薄い膜厚で形成された両側端部と、を有する形状にて露出させる工程、
    を有することを特徴とする垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
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