JP2007219985A - サーバー、コントローラ、およびそのプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来、転居や譲渡などによりシステムの所有者が変わったときに、設備機器を不正に遠隔制御される可能性があった。
【解決手段】転居や譲渡を行うときは、機器1を利用しない期間が発生することが多い。サーバーに、機器1の使用状態を通信により受信し、記憶・管理する使用履歴管理部33と、使用履歴管理部33から機器が設定された期間以上使用されていないコントローラ2を検索し、得られたコントローラ2に対して遠隔制御部31の動作を停止もしくは制限する遠隔制御設定変更部34を備える。これにより、機器1を長期間使用していないコントローラ2を検出し、その遠隔制御を禁止あるいは制限する。
【選択図】図1

Description

本発明は、宅内の機器に対して、宅外からの遠隔制御サービスを提供するサーバー、コントローラ、およびそのプログラムに関するものである。
従来、この種のシステムは、例えば特許文献1もしくは特許文献2のような構成が多い。図8は、従来システムの概略構成を示すものである。
図8では、ユーザの宅内に機器101、コントローラ102が設置され、情報センター側にサーバー103が設置されている。コントローラ102は、宅内通信により機器101の制御を行うことができる。サーバー103は、コントローラ102および情報端末104と、インターネットなどの通信回線で接続し、情報の送受信を行う。
ユーザは情報端末104を操作し、機器101に対する制御命令を入力する。サーバー103は、ユーザが入力した機器制御命令を受信しコントローラ102へ送信することで、機器101の遠隔制御を実施する。なお、宅内のコントローラ102からの操作により、情報端末104からの遠隔制御を禁止することもできる。
特開2004−135040号公報 特開2004−287641号公報
しかしながら、前記した従来の構成では、ユーザの転居や譲渡などにより、機器101やコントローラ102の使用者(所有者)が変わったときに、機器を不正に遠隔制御される可能性があった。
ここで機器とは、給湯機、床暖房機、浴室乾燥機、エアコン、電気錠などの設備機器である。また、他の設備機器として、システムキッチンに組み込まれたビルトインの電子レンジやIH調理器、食器洗い乾燥機などの白物機器でも良い。また、火災センサ、COセンサ、防犯センサなどのセキュリティ機器などでも良い。また照明器具や換気設備、空調設備、トイレ設備でもよい。いわゆる、使用者が転居しても移動せず、次の転入者に使用される住宅に備えつけの機器である。
例として、機器の遠隔制御システムを持つ1件の住宅で、ユーザAが転居(転出)し、その後ユーザBが新たに入居する事例について説明する。
下記(1)から(3)に、遠隔制御にまつわる事象を時系列順に示す。なお、機器101は給湯機や床暖房機などの住宅に備え付けの設備機器であり、コントローラ102と合わせて、転居に際して使用者がAからBへ変わるものとする。
(1)ユーザAがまだ入居している時:ユーザAは、携帯電話などの情報端末104から、宅内機器101の遠隔制御が可能(すなわち、サーバー103にユーザAの顧客情報、コントローラ102および機器101の情報は登録済み)。
(2)ユーザA転居時:ユーザAは、サーバー103の運用部門に連絡無く転居。(すなわち、サーバー103内部の登録情報は変更無し)した仮定とする。
(3)ユーザB新規入居時:ユーザBは遠隔制御サービスに加入しない(すなわち、ユーザBが、サーバー103の運用部門に連絡しない。運用部門は何らかの連絡が無い限り、転居があったことがわからないので、ユーザAの登録を抹消できない)。
この例の場合、ユーザAは情報端末104を用いてユーザB宅の機器制御が可能であり、結果的に、不正に他人の家の機器を制御することができる。
なお、上記(3)「遠隔制御サービスに加入しない」というのは、機器が遠隔制御可能であることを知ったうえで、遠隔制御サービスの申込みを運用部門にしないことを意味している。しかし、実際には、ユーザBは新居の機器に遠隔制御サービスがあることすら知らない場合、あるいは入居後しばらくたってからそれを知る場合があり、この場合も同様である。
前記従来の課題を解決するために、本発明では、設備機器やセキュリティ機器等の機器の制御を行うコントローラから前記機器の使用状態を通信により受信し記憶・管理する使用履歴管理部と、情報端末または前記コントローラと通信を行い前記機器の遠隔制御を行う遠隔制御部と、前記使用履歴管理部から前記機器が所定の期間以上使用されていないコントローラを検索し、検索で得られた前記コントローラに対する前記遠隔制御部の動作を停止もしくは制限する遠隔制御設定変更部を備える。
これにより、サーバーが機器を長期間使用していないユーザを検出し、そのユーザに対する遠隔制御を禁止あるいは制限することができる。
本発明により、宅内の機器を所定期間以上利用していないコントローラを検出し、そのコントローラに対する遠隔制御を制限することができる。必ずしも、この方式で転居や譲渡などを完全に検出できるわけではない。しかし、転居や譲渡が行われた場合、機器を利用しなくなる期間が発生する場合は多く、このような場合には不正な遠隔制御を排除することができる。
通常、ユーザは、転居する際にガス・電気・水道などの会社へ連絡し、供給を停止させる。しかし、転居情報は個人情報であり、機器の遠隔制御の運営部門や運営会社には伝えられないことが多い。また、住宅の種別によっては、ガスや電気、水道の管理を別の管理組合が行っており、転居に際して供給の停止を行わない場合もある。本発明では、これらのような場合でも、ユーザの転居をメータの使用量から推定して、遠隔制御の不正使用を制限することができる。
第1の発明は、設備機器やセキュリティ機器等の機器の制御を行うコントローラから前記機器の使用状態を通信により受信し記憶・管理する使用履歴管理部と、情報端末または前記コントローラと通信を行い前記機器の遠隔制御を行う遠隔制御部と、前記使用履歴管理部から前記機器が所定の期間以上使用されていないコントローラを検索し、検索で得られた前記コントローラに対する前記遠隔制御部の動作を停止もしくは制限する遠隔制御設定変更部を備える。
これにより、長期に使用していない機器に対する遠隔制御を停止もしくは制限することができる。ユーザの転居、機器やコントローラの譲渡が発生したときには、機器が使用されなくなる期間が発生することが多い。これを検出して遠隔制御を制限することにより、不正な遠隔制御を少なくすることができる。
第2の発明は、設備機器やセキュリティ機器等の機器の制御を行うコントローラからの通信を受信し記憶・管理する使用履歴管理部と、情報端末または前記コントローラと通信を行い機器の遠隔制御を行う遠隔制御部と、前記使用履歴管理部で記憶・管理しているコントローラから前記サーバーへの通信が所定の期間以上無いコントローラを検索し、検索で得られた前記コントローラに対する前記遠隔制御部の動作を停止もしくは制限する遠隔制御設定変更部を備える。
これにより、所定の期間以上通信の無いコントローラに対して遠隔制御を停止もしくは制限する。転居や譲渡などで一時的にコントローラを利用しなくなった場合などを検出し、遠隔制御を停止させることで、再利用時における遠隔からの不正アクセスや不正使用を抑制することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の遠隔制御設定変更部において、前記遠隔制御部の動作を停止もしくは制限するかどうかの判定に用いる機器と、前記機器毎に使用していない/通信していないと判定する期間をユーザ毎もしくはコントローラ毎に設定する変更条件設定部を備えた遠隔制御部の動作を停止もしくは制限するかどうかの判定に用いる機器と、機器毎に使用していないと判定する期間をユーザ毎もしくはコントローラ毎に設定する変更条件設定部を備える。
この設定により、ユーザ毎もしくはコントローラ毎に細かな設定が可能になり、遠隔制御の停止や制限をより精度よく実施することが可能になる。
第4の発明は、特に、第1の発明または第2の発明において、前記遠隔制御設定変更部は、前記遠隔制御部の動作の停止もしくは制限として、(1)外部からのログイン禁止、(2)外部からのログインは可能しかし機器の遠隔制御は禁止、(3)外部からのログインは可能で機器の遠隔制御は禁止だが機器状態や機器設定のモニタ機能は可能、のうちひとつを選択して前記遠隔制御部に実施させ、前記変更条件設定部は上記(1)〜(3)のどれを実施するかを、ユーザ毎もしくはコントローラ毎に設定する。
これにより、情報端末での遠隔制御の制限内容を、ユーザ毎もしくはコントローラ毎に細かく設定できる。
第5の発明は、特に、第1〜第3のいずれかひとつの発明において、遠隔制御部は、遠隔制御設定変更部による遠隔制御の停止や制限に関する情報をコントローラおよび情報端末に対して送信し、コントローラおよび情報端末で遠隔制御設定を表示させる。
これにより、ユーザに遠隔制御の停止や制限に関する情報を伝えることができる。サーバー側で遠隔制御を誤って制限したような場合でも、ユーザに状態を知らせることで、ユーザからサーバーの運用部門へ連絡してもらうような運用も可能になる。
第6の発明は、機器の遠隔制御を行うコントローラにおいて、遠隔制御の停止もしくは制限に関する情報を前記サーバーから受信し、表示する表示部を備える。
これにより、ユーザはコントローラの表示で、サーバー側での遠隔制御の設定内容を知ることができる。
第7の発明は、第1〜第6のいずれか1つの発明に記載のサーバーまたはコントローラの少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
プログラムであるので電気・情報機器、コンピュータ等のハードリソースを協働させて用いて本発明のサーバー、コントローラの一部あるいは全部を容易に実現することができる。また、記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における遠隔制御システム構成を示した図である。本実施の形態は、宅内に設置された機器1およびコントローラ2と、情報センター内に設置されたサーバー3、宅外制御用の情報端末4から構成する。
機器1は、サーバー3から遠隔制御や情報配信などの情報通信サービスを受ける機器である。本実施の形態では、給湯機、床暖房機、浴室乾燥機、エアコン、電気錠などの設備機器とする。また、他の設備機器として、システムキッチンに組み込まれたビルトインの電子レンジやIH調理器、食器洗い乾燥機などの白物機器でも良い。また、火災センサ、COセンサ、防犯センサなどのセキュリティ機器などでも良い。また照明器具や換気設備、空調設備、トイレ設備でもよい。いわゆる、使用者が転居しても移動せず、次の転入者に使用される住宅に備えつけの機器である。
コントローラ2は、機器1を宅外の通信回線に接続させ、サーバー3からの情報通信サービスを受けさせるための機器である。一般的には、リモコン(リモートコントローラ)や制御盤などと呼ばれることも多い。
コントローラ2は、次の(1)〜(4)の機能ブロックから構成される。
(1)インターネットなどの通信回線を介してサーバー3と通信を行う通信部20。通信部20は、具体的には、イーサネット(登録商標)アダプタや回線終端装置、ADSLモデム、ケーブルモデム、ルータなどであり、通信回線の種別に応じて構成は変わる。また、通信部20をイーサネット(登録商標)アダプタとし、モデムやルータなどの機能はコントローラ2に内蔵せず、外付けにしても良い。
(2)通信部20で受信したサーバー3からの機器制御命令にしたがって機器1を制御する機器制御部21。機器制御部21は機器1の使用状態や設定状態をも受信する。機器制御部21と機器1との間の通信は、有線でも無線でも良い。一般には、日本電機工業会規格のHA(ホームオートメーション)端子(JEM1461)を利用した有線通信や、エコーネット(登録商標)規格に基づく通信が用いられることが多い。しかしながら、無線LANなど、他の通信方式であっても良い。なお、コントローラ2は宅外通信と宅内通信のゲートウェイとも位置づけられる。
(3)機器1の使用状態を取得し、サーバー3へ送信する使用状態取得部22。機器制御部21は、通信により機器1の状態を取得することができる。本実施の形態での機器状態は、機器1の動作が「オン」か「オフ」かのどちらを意味する。あるいはその消費電力量を取得してもよい(消費電力量によって動作中か待機中かが判断できる)。使用状態取得部22は、機器制御部21に接続された機器1毎に使用状態を取得し、所定の期間内で機器1が使用されたかどうか(機器1の状態が「オフ」から「オン」もしくは「オン」から「オフ」へ変化したかどうか)を判断し、機器毎に使用状態情報をサーバー3へ定期的に送信する。
(4)通信部20で受信した遠隔制御の状態情報を表示する表示部23。表示部23はLEDや液晶などの表示デバイスと、その制御回路で構成されている。例えば、情報端末4からの遠隔制御がサーバー3で許可されており宅外から自由に機器1の制御ができる場合は、表示部23のLEDを緑色に点灯させる。また、情報端末4からの遠隔制御がサーバー3で禁止されているときは、表示部23の色を赤色に点灯させる。
遠隔制御の状態情報はサーバー3から送信され通信部20で受信する。なお、サーバー3における遠隔制御の抑制方法にしたがって、表示部23での表示色を変化させても良い。
サーバー3は、機器1やコントローラ2に対して遠隔制御や情報配信などの情報サービスを提供する装置である。
サーバー3は、次の(5)〜(10)の機能ブロックから構成される。
(5)インターネットなどの通信回線と接続し、コントローラ2および情報端末4と通信を行うサーバー側通信部30。具体的には、インターネットのバックボーン回線と接続するための回線終端装置、スイッチ、ルータ、ファイヤーウォールなどや、場合によっては、ADSLモデム、ケーブルモデムなどの機器が利用される。
(6)宅外の情報端末4からの通信を受信し、その中に含まれる機器制御命令をコントローラ2に対して送信し、機器1の遠隔制御を行う遠隔制御部31。遠隔制御部31は、基本的にはWEBサーバーから構成され、その中に遠隔制御を行うWEBアプリケーション(CGIプログラムなど)が含まれる。また、情報端末4を操作するユーザを認証するためのプログラムや、情報端末4で表示する画面を構成するコンテンツ(HTMLファイルや画像ファイルなど)も含まれる。
(7)顧客や機器1、コントローラ2に関する情報を記憶・管理する顧客情報管理部32。顧客情報管理部32は、一般的なリレーショナルデータベースから構成されている。データベース中には、顧客(ユーザ)とコントローラ2の割り当て関係、コントローラ2に接続されている機器1の情報、情報端末4でのユーザ認証情報(例えば、ID、パスワード)などが記憶されている。顧客情報記憶部32は、遠隔制御部31や遠隔制御設定変更部34、変更条件設定部35などに、これらの情報を提供する。
(8)コントローラ2から送信された機器1の使用状態情報を受信し、記憶・管理する使用履歴管理部33。使用履歴管理部33は、コントローラ2中の使用状態取得部22から送信された機器1の使用状態情報を受信し、コントローラ2毎あるいはユーザ毎に機器1の使用状態を記憶する。
(9)使用履歴管理部33の情報から、遠隔制御を停止もしくは制限させる遠隔制御設定変更部34。遠隔制御設定変更部34は、使用履歴管理部33中に記憶された情報を検索して、所定の期間以上機器1を利用していないコントローラ2を探し、遠隔制御部31にアクセスして、そのコントローラ2に対する情報端末4からの遠隔制御を停止もしくは制限させる。
(10)遠隔制御設定変更部34において、遠隔制御を停止あるいは制限するための条件や、制限内容を設定する変更条件設定部35。変更条件設定部35は、管理端末36からアクセスされる。管理端末36はパソコンなどの端末である。サーバー3の運用部門のオペレータが、管理端末36を操作して変更条件設定部35に指示を出すことにより、遠隔制御設定変更部34における設定変更条件や制限内容の変更を行う。
情報端末4は、サーバー3の遠隔制御部31と通信して、機器1の制御命令入力や状態のモニタを行う装置である。具体的には、携帯電話、PDA、パソコンなどであり、本実施の形態ではブラウザ機能付のものとする。情報端末4のブラウザ機能を利用して、サーバー3の遠隔制御部31(WEBサーバー)へ接続し、ユーザ認証や機器1の制御命令入力をHTMLやXMLなどを利用したGUI画面で行う。
以上のように構成された本遠隔制御システムにおける、コントローラ2およびサーバー3の動作例を図2のフローチャートにしたがって説明する。
図2は、設定した期間以上ユーザが宅内の機器1を使用していない状況を検出し、そのユーザ宅のコントローラ2に対する遠隔制御を停止もしくは制限する動作を示したフローチャートである。
ユーザの転居や譲渡で遠隔制御システムの利用者が変わる場合、宅内の機器1を使用しなくなる期間が発生する場合が多い。本システムでは、この期間を検出して遠隔制御を制限することにより、不正なアクセスの発生を抑制する。この動作手順を、各ステップ毎に順に説明を行う。
(ステップA1)コントローラ2中の機器制御部21は、接続された機器1から機器状態および機器状態の変化を受信する。機器1である給湯機や床暖房機などの設備機器は、「オフ」状態から「オン」状態へ変化するとき、もしくは、「オン」状態から「オフ」状態へ変化するときに、機器制御部21に対して、状態に変化があったこと、そして変化後の状態(「オン」か「オフ」か)を送信する。機器制御部21は、これらの状態情報を受信する。なお、本実施の形態では、状態および状態変化の両方を受信するが、片方だけでも良い。
(ステップA2)使用状態取得部22は、機器制御部21で受信した情報から、コントローラ2に接続された各機器毎に、所定期間内に機器の状態が変化したかどうかを検出し、定期的にサーバー3へ送信する。
例えば、朝7時から翌日の朝7時まで機器の状態が変わったかどうかを検出し、検出後直ちに結果をサーバー3へ送信するなどの動作を行う。この場合、1日単位での使用状態検出となり、サーバーへの送信は1日1回となる。
なお、これらの検出期間や送信タイミングは、他の設定でも構わない。また、機器1の状態変化があった時点で、すぐにサーバー3に対して通知しても良い。
(ステップA3)サーバー3中の使用履歴管理部33は、サーバー側通信部30を介して、使用状態取得部22から機器1の使用状態情報を受信し、コントローラ2毎(あるいはユーザ毎)、機器毎に関連付けて記憶する。使用履歴管理部33は、多数のコントローラ2から使用状態情報が通知され、それらのすべてを記憶する。
(ステップA4)遠隔制御設定変更部34は、使用履歴管理部33に記憶された情報を検索して、変更条件設定部35で設定された条件を満たすコントローラ2を取得する。変更条件設定部35は、コントローラ2に接続された機器1のうち、「どの機器の使用状態を遠隔制御禁止(制限)の判定対象とするか」と、「どのくらいの期間、不使用であれば、遠隔制御を禁止(制限)するかの判定期間」を設定する。これらの設定は、事前に運用部門のオペレータが管理端末36を用いて行う。
変更条件設定部35での設定例を図3に示す。図3は、管理端末36から変更条件設定部35にアクセスしたときの画面例である。
この画面でコントローラ番号を入力すると、変更条件設定部35は顧客情報記憶部32を検索し、指定されたコントローラ2を持つユーザ名や住所、電話番号、そしてコントローラ2に接続されている機器1を表示する。その機器1それぞれについて、「判定対象とするかどうかのチェック」と「判定期間」を入力する。この入力情報は遠隔制御設定変更部34および顧客情報記憶部32に記憶される。
図3の例では、コントローラ2に接続された機器1すべてが判定機器と設定されており、風呂(給湯機)、床暖房機、エアコンが30日間不使用状態であれば遠隔制御を制限する設定になっている。
なお、ここでの「判定期間」は、管理端末36から変更条件設定部35にアクセスして設定する。設定画面例を図9に示す。図3と同様に、ユーザ毎あるいはコントローラ毎に判定期間を個別に設定可能である。
例えば、使用者が長期旅行に行く場合は、この判定期間を長くして、旅行先から遠隔制御が可能なようにする。あるいは制限内容を設定して、制御可能とモニタ可能とを使い分ける。
またサーバーは、判定期間の設定が長いメータを検索・抽出して、使用者が意図的に、転居後も遠隔操作可能とすることをチェックすることもできる。
遠隔制御設定変更部34は、ここで入力された条件を満たすコントローラ2を使用履歴管理部33から検索することにより、機器1が長期に不使用状態となっているコントローラを見つけ出すことができる。
(ステップA5)ステップA4での検索で、変更条件設定部35で設定された条件を満たすコントローラ2が取得できたかどうかで処理を分岐させる。取得できた場合はステップA6へ進む。取得できなかった場合は、遠隔制御を禁止あるいは制限させる必要がないので、ステップA1に戻り処理を繰り返す。
(ステップA6)遠隔制御設定変更部34は、取得したコントローラ2に対して情報端末4からの遠隔制御動作を停止もしくは制限するように、遠隔制御部31に対して設定変更を行う。遠隔制御の停止もしくは制限の方法については、オペレータが管理端末36から変更条件設定部35を用いて設定する。設定例を前述した図3に示す。図3において「長期使用してないときの動作」という項目に対して、
(1)「ログイン禁止」、
(2)「制御禁止」(ログインは可能、しかし機器の遠隔制御は禁止)、
(3)「モニタのみ許可」(ログインは可能、機器の遠隔制御は禁止だが機器状態や機器設定のモニタ機能は可能)、
の3つの選択肢が表示されており、オペレータはコントローラ毎にひとつを選択して設定する。この選択により、情報端末4からの遠隔制御がどのように変化するかを次に説明する。
まず、図4に遠隔制御が禁止あるいは制限されていない通常状態の情報端末4での画面遷移を示す。
図4(1−1)はユーザ認証画面である。遠隔制御部31は、情報端末4から入力され
たユーザID/パスワードが顧客情報記憶部32に蓄えられている情報と等しいかどうかを判断し、ユーザ認証を行う。認証が正しければ(1−2)の画面に進む。
(1−2)は認証されたユーザの持つコントローラ2に接続された機器1と、情報配信サービスである「お知らせ」が選択可能なメニューとして表示されている。(1−2)で「エアコン1」を選択した場合の画面を(1−3)に示す。
(1−3)ではエアコンの現時点での制御状態「冷房ON」の表示と、それに対する制御指示入力(動作切替)「冷房オフ」が表示されている。「送信」ボタンをユーザが選択すると、「冷房オフ」に対する制御指示命令が遠隔制御部31からサーバー側通信部30を介してコントローラ2へ送信される。コントローラ2では、この制御指示命令を通信部20を介して機器制御部21が受信し、機器1を制御する。
以上が通常状態の画面遷移の例である。
図3で「ログイン禁止」を選択した場合の画面遷移例を図5に示す。
図5(2−1)は図4(1−1)と同じであるが、ユーザID/パスワードによるユーザ認証を行った後の画面が異なる。図5(2−2)に示しているように、正しいユーザID/パスワードを入力しても図4(1−2)のような機器選択のメニュー画面は表示されず、(2−2)のように「携帯電話からの制御は禁止されています。」という注意画面が表示される。この場合、実質的にログインできず、機器1の遠隔制御やお知らせの閲覧を行うことができない。
図3で「制御禁止」を選択した場合の画面遷移例を図6に示す。
図6(3−1)は図4(1−1)と同じであるが、ユーザ認証後の画面が異なる。図6(3−2)では、機器の選択肢が無くなり、その代わりに「携帯電話からの制御は禁止されています。」という表示が出ている。この場合、機器1の遠隔制御はできなくなるが、一方、(3−2)(3−3)で示しているようなお知らせ情報配信サービス(パスワード変更などを含む)は利用できる。
図3で「モニタのみ許可」を選択した場合の画面遷移を図7に示す。
図7(4−1)、(4−2)は、図4(1−1)、(1−2)と同じであるが、次の画面が異なる。(4−3)は図4と同じく、メニュー画面で「エアコン1」を選択したときに遷移する画面であるが、(4−3)では、現在の機器の状態しか表示しておらず、機器制御のためのメニューや送信ボタンが無く、その代わりに「携帯電話からの制御は禁止されています」と表示している。
この場合は、機器制御のうち機器モニタ機能だけが利用できることになる。なお、この場合、機器モニタ機能だけでなく、機器1の設定情報の表示を行っても良い。設定情報としては、例えば、エアコンの設定温度、風量設定などがある。
以上、図5から図7で説明したように、変更条件設定部35により、遠隔制御の禁止あるいは制限の内容を、コントローラ毎に設定することができる。
(ステップA7)遠隔制御部30は、遠隔制御設定変更部34の設定変更にしたがい、情報端末4からの遠隔制御を停止もしくは制限する。また、遠隔制御が停止もしくは制限されているという情報は、遠隔制御部31からコントローラ2へ送信され、コントローラ
2中の表示部23で表示する。
表示部23がLEDで構成されている場合、図4のような通常時は緑色に点灯させるが、図5から図7の場合は赤色に点灯させる。なお、図5から図7のような遠隔制御の制限内容に応じて表示部23の表示色や表示内容を変更しても良い。表示部23での表示により、誤動作により遠隔制御が停止された場合も、宅内でユーザに状態を知らせることができる。
また、遠隔制御が停止もしくは制限されている情報は、図5から図7に示したように情報端末4でも表示される。
以上の動作により、設定された期間使用していない機器1を持つコントローラ2に対して、遠隔制御の停止や制限が可能になる。このステップの終了後は、ステップA1に戻り処理を繰り返す。
以上の動作により、変更条件設定部35で設定した判定条件で機器1が使用されていないコントローラ2を検出し、そのコントローラ2に対して設定した内容で、遠隔制御の停止あるいは制限を行うことができる。
転居や譲渡などにより、機器やシステムの所有者が変わる場合、機器が使用されない期間が発生することは多い。本実施の形態で説明したシステムを用いることにより、この不使用期間を検出し遠隔制御を停止あるいは制限することができ、結果として不正なアクセスを無くすことができる。
なお、本実施の形態での使用状態取得部22は、機器1の使用状態として「オン」か「オフ」の2値情報を取り扱ったが、機器1の機能単位のオン/オフ(例えば、給湯機のお湯はり機能のオンオフ)や、エアコンの設定温度の変化など、他の情報を用いて使用状態を把握しても良い。
また、使用状態取得部22は、機器制御部21に接続された機器1毎に使用状態をサーバー3へ送信するとしたが、接続された機器1全体について、使用状態をまとめてサーバー3へ送信しても良い。この場合、所定の期間内で、どれか1台でも機器1が使用されれば、全体として使用されたことになる。
また、使用履歴管理部33は機器1の使用状況を記憶・管理したが、代わりにコントローラ2からのサーバー3への通信日時を管理しても良い。この場合、変更条件設定部35では機器1毎の設定はせず、コントローラ2毎に判定期間を入力することになる。
これにより、設定された判定期間以上通信の無いコントローラ2に対して遠隔制御を停止もしくは制限する。転居や譲渡などで一時的にコントローラ2を利用しなくなった場合などを検出し、遠隔制御を停止させることで、再利用時における遠隔からの不正アクセスや不正使用を抑制することができる。
また、別の実施形態として、遠隔制御するときにユーザID認証とパスワード認証を設定するが、上記実施の形態のように、機器を長期間使用していないことによって転居であるか否かを検知したときは、遠隔制御するときに、自宅のコントローラや宅内機器においてユーザ認証またはパスワード認証等の操作を行わせて、自宅にいることを確認させるようにしてもよい。
なお、本実施の形態で説明したサーバー3やコントローラ2の各手段は、CPU(また
はマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
以上のように、本発明は、転居や譲渡時など、機器を長期に利用しないときを検出し、遠隔制御を適切に停止させることができる。これは、実施の形態で説明した設備機器だけでなく、白物機器やAV機器の遠隔制御や、防犯・防災などのセキュリティシステムの遠隔制御などにも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるシステム構成を示す図 本発明の実施の形態1の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態1における変更条件設定部35の設定画面を示す図 本発明の実施の形態1における情報端末4の画面(通常)を示す図 本発明の実施の形態1における情報端末4の画面(ログイン禁止)を示す図 本発明の実施の形態1における情報端末4の画面(制御禁止)を示す図 本発明の実施の形態1における情報端末4の画面(モニタ許可)を示す図 従来例の構成を示す図
符号の説明
1 機器
2 コントローラ
3 サーバー
4 情報端末
20 通信部
21 機器制御部
22 使用状態取得部
23 表示部
30 サーバー側通信部
31 遠隔制御部
32 顧客情報記憶部
33 使用履歴管理部
34 遠隔制御設定変更部
35 変更条件設定部
36 管理端末

Claims (7)

  1. 設備機器やセキュリティ機器等の機器の制御を行うコントローラから前記機器の使用状態を通信により受信し記憶・管理する使用履歴管理部と、情報端末または前記コントローラと通信を行い前記機器の遠隔制御を行う遠隔制御部と、前記使用履歴管理部から前記機器が所定の期間以上使用されていないコントローラを検索し、検索で得られた前記コントローラに対する前記遠隔制御部の動作を停止もしくは制限する遠隔制御設定変更部と、を備えたサーバー。
  2. 設備機器やセキュリティ機器等の機器の制御を行うコントローラからの通信を受信し記憶・管理する使用履歴管理部と、情報端末または前記コントローラと通信を行い機器の遠隔制御を行う遠隔制御部と、前記使用履歴管理部で記憶・管理している前記コントローラから前記サーバーへの通信が所定の期間以上無いコントローラを検索し、検索で得られた前記コントローラに対する前記遠隔制御部の動作を停止もしくは制限する遠隔制御設定変更部と、を備えたサーバー。
  3. 前記遠隔制御設定変更部において、前記遠隔制御部の動作を停止もしくは制限するかどうかの判定に用いる機器と、前記機器毎に使用していない/通信していないと判定する期間をユーザ毎もしくはコントローラ毎に設定する変更条件設定部を備えた請求項1または2記載のサーバー。
  4. 前記遠隔制御設定変更部は、前記遠隔制御部の動作の停止もしくは制限として、
    (1)外部からのログイン禁止、
    (2)外部からのログインは可能しかし機器の遠隔制御は禁止、
    (3)外部からのログインは可能で機器の遠隔制御は禁止だが機器状態や機器設定のモニタ機能は可能、
    のうちひとつを選択して前記遠隔制御部に実施させ、
    前記変更条件設定部は上記(1)〜(3)のどれを実施するかを、ユーザ毎もしくはコントローラ毎に設定する請求項1または2に記載のサーバー。
  5. 前記遠隔制御部は、前記遠隔制御設定変更部による遠隔制御の停止や制限に関する情報を前記コントローラおよび前記情報端末に対して送信し、前記コントローラおよび前記情報端末で遠隔制御設定を表示させる請求項1〜4のいずれか1項に記載のサーバー。
  6. 請求項1記載のサーバーから遠隔制御の停止もしくは制限に関する情報を受信し、表示する表示部を備えたことを特徴とするコントローラ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のサーバーまたはコントローラの少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラム。

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