JP2007219583A - 印刷装置 - Google Patents

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Hidekazu Ishii
秀和 石井
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  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
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Abstract

【課題】被記録媒体に印刷される画像の向きを、ユーザが簡易かつ適切に調整することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】パーソナルコンピュータでは、ユーザがオプション印刷の実行を指示すると、オプション印刷画面100がモニタに表示される。オプション印刷画面100には、印刷対象画像の文字列「ABC」を上下左右に各々回転させた状態を示す印刷パターン103a〜103dが表示される。ユーザにより印刷パターン103a〜103dのいずれかが選択されると、それに対応する回転画像に基づいて印刷データが作成される。テープ印刷装置では、パーソナルコンピュータで作成された印刷データに基づいてテープに回転画像を印刷し、トレー上に排出されたテープを切断してラベルが作成される。
【選択図】図6

Description

本発明は、被記録媒体に印刷データに基づく画像を印刷する印刷装置に関する。
従来、裏面に粘着剤が予め塗布された粘着性の被印刷シートと剥離シートとが剥離可能に重ね合わされた印刷テープに、任意の画像や文字列を印刷することが可能なテープ印刷装置が知られている。このようなテープ印刷装置では、例えば表題やタイトル名などを被印刷シート表面に印刷した後に、ラベル排出口から排出される印刷テープを所定長に切断することで一片のラベルを作成している。そして、このラベルの被印刷シートを剥離シートから剥離して、ユーザは書類ファイルの背表紙やビデオテープの背面などの対象物上に貼着することができる。
ところで、テープ印刷装置でラベルを作成する場合、被印刷シート表面に印刷された画像等の向きを一定にして、印刷済みのラベルをラベル排出口から排出させている。従って、例えば印刷された画像等が異なる向きとなるようにラベルを対象物上に貼着したい場合には、ユーザは任意にラベルを異なる向きに回転させてから対象物上に貼着することで、対象物上におけるラベルの貼着向きを調整していた。
また、ラベルに印刷されるキャラクタの向きを調整するための技術として、キーボードから入力された文字列の印字が指示されると、ユーザが入力指定した指示方向に従った姿勢でラベルが貼着対象物に貼着されたときに文字列が正立状態で視認できるように、適宜に文字列の文字の配列順位を変え或いは文字のパターンの向きを回転させてラベルに印字するようにした印字装置が知られている。これによれば、貼着対象物への貼着姿勢に応じた見やすい文字列の印字を簡単に行なうことができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−185447号公報
しかしながら、従来のテープ印刷装置のように、ユーザが対象物上に貼着されるラベルの向きをその都度調整すると、ユーザにとって手間であり、ラベルの貼着作業の効率が低下する問題があった。とくに、同一形式のラベル(例えば、一意に識別番号が印刷される商品ラベル)を複数印刷して、各ラベルをそれぞれ同一形式の対象物上(例えば、複数の同一製造物)に貼着する作業を行う際には、各対象物上に貼着される各ラベルの向きは同一であるものの、ユーザが各ラベルについて逐次貼着向きの調整を行わなければならない。このように大量のラベルを対象物に貼着する場合に、ユーザの負担増大と貼着作業の効率低下が顕著であった。そのため、テープ印刷装置でラベル排出口から排出されたラベルの向きを調整することなく、その排出姿勢のままで対象物上に貼着することにより、ユーザにとって好適な貼着向きでラベルが対象物上に容易かつ迅速に貼着されることが望まれていた。
また、特許文献1に記載の印字装置によれば、ラベルに印刷されるキャラクタの向きを調整することはできるものの、ラベルが貼着対象物に貼着されたときに文字列が正立状態となるように印刷するためのものである。よって、当該印字装置ではキャラクタを含む画像全体(すなわち、ラベル全体)の向きを調整することができないため、ユーザがラベルの貼着向きを調整しなければならないという問題を解消することができない。また、当該印字装置では、実際にラベルに画像やキャラクタを印刷しなければ、ユーザはその印刷態様(画像等の向き)を確認することができないため、ユーザが期待した画像等の向きと、現実にラベルに印刷される画像等の向きとが一致しない場合があり不便であった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、被記録媒体に印刷される画像の向きを、ユーザが簡易かつ適切に調整することができる印刷装置の提供を目的とする。さらに、ユーザがラベルの貼着向きを逐次調整することを要せずに、ユーザにとって好適な貼着向きでラベルを対象物上に容易かつ迅速に貼着することができる印刷装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の印刷装置は、被記録媒体に印刷データに基づく画像を印刷する印刷手段を備えた印刷装置において、前記被記録媒体に対する画像の向きを任意に設定するための画像方向設定手段と、前記画像を回転させる画像回転手段と、前記画像方向設定手段から設定された画像の向きに対応して、前記画像回転手段により回転された前記画像を前記印刷手段に印刷させる印刷制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の印刷装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記画像回転手段は、前記被記録媒体に対して前記画像を複数の方向に各々回転させた状態を示す複数の印刷パターンを作成し、前記複数の印刷パターンが選択可能に表示される印刷設定画面を作成する印刷設定画面作成手段と、前記印刷設定画面が表示される表示手段とを備え、前記画像方向設定手段は、前記表示手段に表示された前記印刷設定画面から任意の印刷パターンを選択するための印刷パターン選択手段であり、前記印刷制御手段は、前記印刷パターン選択手段から選択された印刷パターンに基づいて、前記画像を前記印刷手段に印刷させることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の印刷装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記画像方向設定手段は、前記被記録媒体に対して例示画像を複数の方向に回転させた状態が各々表された複数の画像方向選択ボタンであり、前記画像回転手段は、前記複数の画像方向選択ボタンのうちで任意に選択された一に対応する回転状態に基づいて、前記画像を回転させるものであって、前記印刷制御手段は、前記複数の画像方向選択ボタンの一に対応して回転された前記画像を、前記印刷手段に印刷させることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の印刷装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記印刷制御手段は、前記被記録媒体に前記画像を印刷する場合に、該画像が前記被記録媒体の印刷可能範囲を超えるときは、該画像を前記被記録媒体の印刷可能範囲に収まるように縮小して印刷させることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の印刷装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記印刷制御手段は、前記被記録媒体に前記画像を印刷する場合に、該画像の印刷範囲が前記被記録媒体の印刷可能範囲を超えるときは、該画像のうちで前記被記録媒体の印刷可能範囲に含まれる部分のみを印刷させることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の印刷装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記被記録媒体に前記画像を印刷する場合に、該画像の印刷範囲が前記被記録媒体の印刷可能範囲を超えるときは、その旨を印刷エラーとして報知する報知手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の印刷装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記被記録媒体は、前記画像が印刷される印刷媒体と、該印刷媒体の裏面に設けられる粘着剤層と、該粘着剤層を覆う剥離層とからなる長尺テープであり、前記画像が印刷された前記被記録媒体が排出される部位に、該被記録媒体を切断してラベルを作成するカット手段を備えたことを特徴とする。
請求項1に係る発明の印刷装置では、被記録媒体に対する画像の向きが設定されると、その画像の向きに応じて回転された画像を被記録媒体に印刷するようにした。よって、被記録媒体に印刷される画像の向きを、ユーザが簡易かつ適切に調整することができる。
また、請求項2に係る発明の印刷装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え、被記録媒体に対して画像を複数の方向に各々回転させた状態を示す複数の印刷パターンが表された印刷設定画面を表示し、この印刷設定画面から選択された印刷パターンに基づいて、画像を被記録媒体に印刷するようにした。よって、ユーザは印刷設定画面から所望の印刷パターンを選択できるので、ユーザにとって好適な向きとなるように画像を被記録媒体に印刷することができる。
また、請求項3に係る発明の印刷装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え、被記録媒体に対して例示画像を複数の方向に回転させた状態が各々表された複数の画像方向選択ボタンを備え、これら画像方向選択ボタンのうちで任意に選択された一に対応して回転された画像を被記録媒体に印刷するようにした。ユーザは複数の画像方向選択ボタンから所望の例示画像が表されたボタンを選択できるので、ユーザにとって好適な向きとなるように画像を被記録媒体に印刷することができる。
また、請求項4に係る発明の印刷装置では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、画像が被記録媒体の印刷可能範囲を超えるときは、画像を被記録媒体の印刷可能範囲に収まるように縮小して印刷するようにした。よって、画像が印刷可能範囲を超えるときは縮小印刷を行うようにしたので、画像を被記録媒体に適切に印刷することができる。
また、請求項5に係る発明の印刷装置では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、画像が被記録媒体の印刷可能範囲を超えるときは、画像のうちで印刷可能範囲に含まれる部分のみを印刷するようにした。よって、画像が印刷可能範囲を超えるときは部分印刷を行うようにしたので、画像を被記録媒体に適切に印刷することができる。
また、請求項6に係る発明の印刷装置では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、画像が被記録媒体の印刷可能範囲を超えるときは、その旨を印刷エラーとして報知するようにした。よって、画像が印刷可能範囲を超えるときはエラー報知を行うようにしたので、画像を被記録媒体に適切に印刷することができる。
また、請求項7に係る発明の印刷装置では、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加え、被記録媒体は長尺テープであり、印刷済みの被記録媒体が排出される部位で切断してラベルを作成するようにした。よって、本発明をテープ印刷装置として実装すれば、ユーザがラベルの貼着向きを逐次調整することを要せずに、ユーザにとって好適な貼着向きでラベルを対象物上に容易かつ迅速に貼着することができる。
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明に係る「印刷装置」として、相互に接続された据え置き型のテープ印刷装置1及びパーソナルコンピュータ2を例に挙げて説明する。
まず、テープ印刷装置1及びパーソナルコンピュータ2について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における、パーソナルコンピュータ2とそれに接続されたテープ印刷装置1の概略を示す外観斜視図である。図2は、パーソナルコンピュータ2の電気的構成を示すブロック図である。
図1に示すように、テープ印刷装置1とパーソナルコンピュータ2とは、例えばUSB等の規格に基づくUSBケーブル10により接続されており、USBケーブル10を介してデータの授受を行っている。パーソナルコンピュータ2は、周知のパーソナルコンピュータであり、図1に示すように、CPU50等(図2参照)を備えた本体21と、モニタ31,キーボード41,マウス42とを備えており、モニタ31,キーボード41,マウス42はそれぞれ本体21に接続ケーブルによって接続されている。そして、パーソナルコンピュータ2は、文書作成用アプリケーションや画像編集用アプリケーションなどで作成された画像データに基づいて印刷データを作成し、その印刷データをテープ印刷装置1へ送信する。
テープ印刷装置1は、本体筐体12と、長尺状のテープ17が巻回装着されたロールテープホルダ(図示外)を収納するロールテープホルダ収納部14の上側を覆うように後側上端縁部に開閉自在に取り付けられた透明樹脂製の上カバー15と、この上カバー15の前側略中央部に対向するように立設される透明樹脂製のトレー13と、このトレー13の前側に配置される電源ボタン7と、前側側面部に左右移動可能に設けられてカッターユニット(図示外)を左右に移動させるカットレバー9等から構成されている。また、本体筐体12の背面部には電源コード(図示外)が接続されると共に、USBケーブル10を介してパーソナルコンピュータ2と接続されるUSBインタフェース(図示外)が設けられている。
そして、テープ印刷装置1には、複数の発熱素子を有するサーマルヘッドとそのサーマルヘッドに当接されるプラテンローラとの間にテープ17を走行させてそのテープ17に印字する印刷機構(図示外)が設けられており、装着されたロールテープホルダに巻回されたテープ17はこの印刷機構で印刷されて、トレー13上に排出される。ユーザがカットレバー9を操作して、トレー13上に排出されたテープ17をカッターユニット(図示外)で切断することで、一片のラベルが作成されるようになっている。
次に、パーソナルコンピュータ2の電気的構成について説明する。図2に示すように、パーソナルコンピュータ2には、パーソナルコンピュータ2の制御を司るCPU50が設けられている。このCPU50には、バス55を介し、CPU50が実行するBIOS等のプログラムを記憶したROM51と、データを一時的に記憶するRAM52と、プログラムやデータの記憶媒体であるCD−ROM54を挿入し、データの読み込みを行うCD−ROMドライブ53と、データの記憶装置であるHDD60とが接続されている。HDD60には、後述の印刷制御プログラムを始めとするパーソナルコンピュータ2で実行される各種のプログラムを記憶するプログラム記憶エリアや、プログラムの実行に必要な設定や初期値、データ等の情報を記憶するプログラム関係情報記憶エリアや、印刷対象の画像データを記憶する画像データ記憶エリア等が設けられている。
さらに、CPU50には、バス55を介して、テープ印刷装置1を含めた外部機器との通信を行うためのUSBインタフェース65と、ユーザに操作画面を表示するためのモニタ31の画面表示処理を行う表示制御部30と、ユーザが操作の入力を行うキーボード41やマウス42が接続され、それらの入力の検知を行う入力検知部40とが、接続されている。なお、パーソナルコンピュータ2には、図示外のフレキシブルディスクドライブ、MOドライブ、音声等の入出力部、各種インタフェースなどが設けられていてもよい。
そして、印刷制御プログラムが組み込まれたプリンタドライバや、このプログラムの実行時に使用される設定やデータ等が記憶されているCD−ROM54から、その導入時に、HDD60に設けられた各種記憶エリアにその各種プログラム等を記憶するようになっている。なお、パーソナルコンピュータ2の印刷制御プログラム(プリンタドライバ)及びその使用データ等の取得方法はCD−ROM54によるものに限らず、フレキシブルディスクやMOといった他の記録媒体であってもよく、また、パーソナルコンピュータ2をネットワークに接続させ、ネットワーク上の他の端末から取得してもよい。
次に、パーソナルコンピュータ2で実行される、ユーザの指示に応じて画像の向きを調整して印刷するオプション印刷処理について説明する。図3は、オプション印刷処理を示すメインフローチャートである。図4は、オプション印刷画面表示処理(S1)の詳細を示すフローチャートである。図5は、プレビュー画像作成処理(S25)の詳細を示すフローチャートである。図6は、オプション印刷画面100の具体例を示す図である。
パーソナルコンピュータ2においては、ユーザが文書作成用アプリケーションや画像編集用アプリケーションなどを用いて画像データを作成して「通常印刷」を指示すると、プリンタドライバが起動される。そして、プリンタドライバに含まれる印刷制御プログラムに基づいて、画像データから印刷データが作成される。そして、テープ印刷装置1に印刷データが送信されて、テープ印刷装置1では印刷データに基づくテープ印刷が実行される。
一方、本実施形態では、ユーザが文書作成用アプリケーションや画像編集用アプリケーションなどを用いて画像データを作成して「オプション印刷」を指示すると、プリンタドライバが起動される。そして、プリンタドライバに含まれる印刷制御プログラムに基づいて、CPU50によりオプション印刷処理(図3)が実行される。以下では、ユーザにより印刷を指示された画像データに基づく画像(印刷対象画像)を、「ABC」の文字列であるものとして説明する。
図3に示すように、オプション印刷処理では、まず「オプション印刷」が指示されると、ユーザに対してオプション印刷に関する各種設定を求めるダイアログ(以下、オプション印刷画面100という)をモニタ31に表示するオプション印刷画面表示処理(S1)が実行される。
図4に示すように、オプション印刷画面表示処理(S1)では、まずユーザにより設定された印刷内容に関する各種データ(印刷情報)が取得される(S21)。ここでは、「印刷情報」として、ユーザが設定した印刷枚数と印刷範囲とが取得されるものとする。次に、テープ印刷装置1との通信によって、テープ印刷装置1に関する各種データ(プリンタ情報)が取得される(S23)。ここでは、「プリンタ情報」として、テープ印刷装置1のプリンタ名,状態,種類や、テープ17で設定されたラベル幅110(図6参照)などが取得されるものとする。そして、印刷対象画像をあらかじめ設定された複数の角度に各々回転させてプレビュー画像を作成するプレビュー画像作成処理が実行される(S25)。
図5に示すように、プレビュー画像作成処理(S25)では、まず被記録媒体であるテープ17に設定されるラベルの幅長を検出するラベル幅検出処理が実行される(S41)。このラベル幅検出処理では、S23においてテープ印刷装置1から取得されたプリンタ情報からラベル幅110を検出可能である。
次に、設定されているデータ処理が「縮小して印刷」であるか否かが判定される(S43)。このデータ処理は、印刷対象画像がラベルの印刷可能範囲を超える場合に実行されるものであり、ユーザは後述するオプション印刷画面100(図6)から「縮小して回転」,「サイズを保って回転」,「そのまま回転(印刷範囲内のみ印字)」のいずれか一つを任意に選択可能である。なお、ユーザによりデータ処理が選択されていないデフォルト状態では、データ処理「縮小して回転」があらかじめ設定されているものとする。
データ処理が「縮小して印刷」である場合は(S43:YES)、印刷対象画像を回転可能又は不可な角度を検出する回転可否角度検出処理が実行される(S45)。本実施形態では、あらかじめ印刷制御プログラムにより設定された回転角度(0度,90度,180度,270度)で、印刷対象画像を回転させる。しかし、印刷対象画像を回転処理した場合、その回転画像を印刷すると印刷可能範囲(S41で検出されたラベル幅110)を超える場合がある。そこで、S45では、印刷対象画像を回転させた場合に、その回転画像がラベル幅110を超えない角度(回転可能角度)と、その回転画像がラベル幅110を超える角度(回転不可角度)とが検出される。
例えば、本実施形態では印刷対象画像を0度(そのまま回転せず)又は180度回転させ、文字列「ABC」を表す回転画像をテープ17に印刷してもラベル幅110を超えないが、印刷対象画像を90度又は270度回転させると、文字列「ABC」を表す回転画像は縦長となるため、これをテープ17に印刷するとラベル幅110を超える場合がある。すなわち、0度(そのまま回転せず)と180度が回転可能角度として検出され、90度と270度が回転不可角度と検出される。
次に、S45で検出された回転可能角度に基づいて、印刷対象画像を回転させる画像回転処理が実行される(S47)。すなわち、印刷対象画像である文字列「ABC」が、0度及び180度で各々回転処理される。すると、0度の画像では文字列「ABC」はそのまま(上向き状態)となり、180度回転した回転画像では文字列「ABC」は下向き状態となる。
また、S45で検出された回転不可角度に基づいて印刷対象画像を回転させ、さらに回転画像を縮小処理する画像縮小処理が実行される(S49)。すなわち、印刷対象画像である文字列「ABC」が、90度及び270度で各々回転処理される。そして、90度回転した回転画像では文字列「ABC」は左向き状態となり、270度回転した回転画像では文字列「ABC」は右向き状態となる。さらに、文字列「ABC」の回転画像は、ラベル幅110に収まるように画像全体が均等に縮小処理される。
S47及びS49で上下左右に向けられた4つの文字列「ABC」を表す回転画像は、RAM52の所定記憶エリアに記憶される。なお、本実施形態では、テープ印刷装置1でテープ17が排出される方向(すなわち、上方向)が、回転前の印刷対象画像の上方向である。すなわち、印刷対象画像の上下左右の向きは、このテープ17の排出方向が基準となっている。
一方、データ処理が「サイズを保って回転」である場合は(S43:NO,S51:YES)、前述と同様に、回転可否角度検出処理(S53)と、S53で検出された回転可能角度に基づく画像回転処理(S55)とが実行される。そして、S53で検出された回転不可角度に基づく画像グレーアウト処理が実行される(S57)。S57では、印刷対象画像を回転不可角度に基づいて回転させ、さらに回転画像をユーザが選択不可能なことを示すグレーアウト画像として合成するグレーアウト処理が実行される。ここでは、90度及び270度で各々回転された文字列「ABC」の回転画像がグレーアウト画像として合成されて、RAM52の所定記憶エリアに記憶されることになる。
また、データ処理が「そのまま回転(印刷範囲内のみ印字)」である場合は(S51:NO)、前述と同様に、回転可否角度検出処理(S59)と、S59で検出された回転可能角度に基づく画像回転処理(S61)とが実行される。そして、S59で検出された回転不可角度に基づく画像カット処理が実行される(S63)。S63では、印刷対象画像を回転不可角度に基づいて回転させ、さらに回転画像のうちでラベル幅に含まれる部分のみが表示されるように回転画像を切り取るカット処理が実行される。ここでは、90度及び270度で各々回転された文字列「ABC」の回転画像のうちでラベル幅110に含まれる部分のみが切り取られて、RAM52の所定記憶エリアに記憶されることになる。
上記の処理により、RAM52の所定記憶エリアに記憶された各回転画像は、後述するオプション印刷画面100(図6)で後述の仮想ラベルに表示される複数のプレビュー画像として使用される。詳細には、文字列「ABC」を表す印刷対象画像を、そのまま回転させない0度の画像が上向きのプレビュー画像であり、90度回転させた回転画像が左向きのプレビュー画像であり、180度回転させた回転画像が下向きのプレビュー画像であり、270度回転させた回転画像回転画像が右向きのプレビュー画像である。なお、S49,S57,S63の実行後は、オプション印刷画面表示処理(図4)に戻る。
図4に戻り、S21,S23,S25において取得あるいは作成された各種情報などに基づいてオプション印刷画面が合成される(S27)。すなわち、S21で取得された印刷情報,S23で取得されたプリンタ情報,S25で作成されたプレビュー画像などに基づいて、オプション印刷画面(図6)が合成される。そして、このオプション印刷画面がモニタ31に表示され(S29)、オプション印刷処理(図3)に戻る。
図6に示すように、オプション印刷画面100は、テープ印刷装置1に関する情報を表示するプリンタ情報表示部101と、印刷対象画像がラベルの印刷可能範囲を超えた場合に実行されるデータ処理を選択するためのメニューであるデータ処理選択部102と、ラベルに印刷される画像の向きを選択するためのメニューである画像方向選択部103と、ユーザにより設定された印刷内容を表示する印刷情報表示部104と、オプション印刷画面100での設定内容を確定するOKボタン105と、オプション印刷画面100での設定内容をキャンセルするキャンセルボタン106とから構成されている。なお、プリンタ情報表示部101にS23で取得されたプリンタ情報が表示され、印刷情報表示部104にS21で取得された印刷情報が表示されている。
また、画像方向選択部103には、S25で作成された複数のプレビュー画像が表示されている。詳細には、各印刷パターン103a,103b,103c,103dには、テープ印刷装置1を表した仮想プリンタから仮想ラベルが排出されている状態が図示されている。そして、各印刷パターン103a〜103dの仮想ラベルには、印刷対象画像についての上向き,左向き,下向き,右向きの回転画像が表されている。そのため、ユーザはテープ17の設定されたラベル幅110内に文字列「ABC」を現実に印刷する前に、各印刷パターン103a〜103dに基づく印刷状態をオプション印刷画面100で確認してから、所望の画像方向を選択することができる。
さらに、データ処理選択部102では、「縮小して回転」,「サイズを保って回転」,「そのまま回転(印刷範囲内のみ印字)」の3つのデータ処理のいずれかを選択可能である。そして、印刷対象画像がラベル幅を超える場合には、前述のようにデータ処理選択部102で選択されたデータ処理が実行される(図5参照)。なお、図6に示すオプション印刷画面100では、データ処理「縮小して回転」が選択された場合の画面例を示しており、本実施形態では印刷対象画像を90度及び270度回転させるとラベル幅110を超えるため、印刷パターン103b,103dには各回転画像が縮小表示されている(図5のS43:YES,S45,S47,S49参照)。
図3に戻り、オプション印刷画面100の表示後は、キーボード41やマウス42からのキー入力等を待ち受ける(S3)。キーボード41等から入力がある場合(S3:YES)、その入力がオプション印刷画面100の設定内容を変更するものであれば(S5:YES)、その入力に従ってオプション印刷画面100の設定内容が変更される(S7)。そして、S1に戻り、S7における設定内容の変更に応じて、オプション印刷画面100が更新表示される。
例えば、データ処理選択部102で設定されるデータ処理を「サイズを保って回転」に変更した場合は、印刷パターン103b,103dはグレーアウト表示されるため、ユーザは画像方向選択部103から印刷パターン103b,103dを選択することはできない(図5のS51:YES,S53,S55,S57参照)。また、データ処理選択部102で設定されるデータ処理を「そのまま回転(印刷範囲内のみ印字)」に変更した場合は、印刷パターン103b,103dには各回転画像のうちでラベル幅110に含まれる部分のみが表示される(図5のS51:NO,S59,S61,S63参照)。
一方、キーボード41等からの入力が、オプション印刷画面100の設定内容を確定するものであれば(S5:NO,S9:YES)、オプション印刷画面100の設定内容が確定されて(S11)、画像データに基づいて印刷データが作成する印刷データ作成処理が実行される(S13)。本実施形態では、ユーザがオプション印刷画面100のOKボタン105を選択した場合に、オプション印刷画面100の設定内容が確定されたと判定される。
この印刷データ作成処理(S13)では、RAM52の所定記憶エリアに記憶された各回転画像のうち、画像方向選択部103で選択された印刷パターン103a〜103dに対応するものに基づいて、テープ印刷装置1での印刷に用いられる印刷データが作成される。具体的には、印刷パターン103aが選択されていれば、そのまま回転させない0度の画像に基づいて印刷データが作成される。同様に、印刷パターン103b〜103dが選択されていれば、それぞれ90度,180度,270度の回転画像に基づいて印刷データが作成される。
また、印刷対象の回転画像がラベル幅110を超える場合、データ処理選択部102で選択されているデータ処理に応じて印刷データが作成される。具体的には、データ処理「縮小して回転」が選択されている場合は、ラベル幅110に合わせて縮小された回転画像に基づいて印刷データが作成される。また、データ処理「サイズを保って回転」が選択されている場合は、印刷パターン103a,103cに対応する回転画像のみに基づいて印刷データを作成可能である。また、データ処理「そのまま回転(印刷範囲内のみ印字)」が選択されている場合は、回転画像のうちでラベル幅110に含まれる部位にのみ基づいて印刷データが作成される。
最後に、印刷データをテープ印刷装置1に送信する印刷データ送信処理が実行されて(S15)、オプション印刷処理が終了する。なお、キーボード41等からの入力が、オプション印刷画面100の設定内容の変更でも確定でもなければ(S5:NO,S9:NO)、その入力に応じた他の処理が実行される。例えば、ユーザがオプション印刷画面100のキャンセルボタン106を選択した場合に(図示外)、以後の処理を行うことなくオプション印刷処理が終了する。また、S7又はS17の終了後は、オプション印刷処理が終了されない限り、S1に戻ってユーザの入力を待ち受ける。
次に、テープ印刷装置1で実行されるメイン処理について説明する。図7は、テープ印刷装置1のメイン処理を示すフローチャートである。なお、このメイン処理(図7)は、テープ印刷装置1に電源が投入されると、ROM(図示外)に記憶された制御プログラムに基づいて、CPU(図示外)により実行される。
図7に示すように、テープ印刷装置1のメイン処理では、まずデータ初期化やフラグのリセットなどの初期設定処理が実行され(S71)、パーソナルコンピュータ2からの印刷データの受信を待ち受ける(S73)。この印刷データ受信待機中に、パーソナルコンピュータ2から印刷データが送信されると、当該印刷データを受信してRAM(図示外)の印刷バッファに記憶する印刷データ受信処理が実行される(S75)。そして、S75で受信された印刷データに基づいてテープ17に印刷対象画像を印刷して、一片のラベルを作成する印刷処理が実行される(S77)。
詳細には、印刷バッファに記憶された印刷データに基づいて、文字列「ABC」の印刷とテープ送り制御とが同期して実行されて、ユーザにより設定された画像の向きで文字列「ABC」がテープ17の設定されたラベル幅110内に印刷される。最後に、ユーザがカットレバー9を操作してトレー13上に排出されたテープ17を切断すれば、一片のラベルを作成することができる。
このように作成されたラベルには、文字列「ABC」がユーザにより設定された画像の向きで印刷される。そのため、例えば、ユーザが文字列「ABC」が左向きとなるように対象物上にラベルを貼着したい場合、オプション印刷画面100から画像が左向きの印刷パターン103bを選択すれば、そのプレビュー画像どおりに文字列「ABC」が左向きに印刷される。よって、テープ印刷装置1のラベル排出口からトレー13上に排出されたラベルをそのまま対象物に貼着すれば、その周方向に回転させて貼着向きを調整するなどの作業を行わなくても、対象物上のラベルに印刷された文字列「ABC」は印刷パターン103bと同様に左向きに表示される。
以上、第1の実施の形態にかかるテープ印刷装置1及びパーソナルコンピュータ2によれば、パーソナルコンピュータ2では、印刷対象画像(文字列「ABC」)を複数の方向に各々回転させた状態を示す印刷パターン103a〜103dが表されたオプション印刷画面100をモニタ31に表示し、これから選択された印刷パターン103a〜103dに対応する回転画像に基づいて印刷データを作成するようにした。一方、テープ印刷装置1では、パーソナルコンピュータ2で作成された印刷データに基づいて、テープ17に設定されたラベル幅110内の回転画像を印刷し、トレー13上に排出されたテープ17を切断してラベルを作成するようにした。
よって、テープ17に印刷される文字列「ABC」の向きを、ユーザが簡易かつ適切に調整することができる。そして、ユーザがラベルの貼着向きを逐次調整することを要せずに、ユーザにとって好適な貼着向きでラベルを対象物上に容易かつ迅速に貼着することができる。さらに、ユーザはオプション印刷画面100から所望の印刷パターン103a〜103dを選択できるので、ユーザにとって好適な向きとなるように文字列「ABC」をテープ17に印刷することができる。
また、回転画像が印刷可能範囲(ラベル幅110)を超えるときは、データ処理選択部102で選択されているデータ処理に応じて、回転画像がラベル幅110に収まるように縮小して印刷したり、回転画像のうちでラベル幅110に含まれる部分のみを印刷したりするようにした。よって、印刷対象画像である文字列「ABC」をテープ17に適切に印刷することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明に係る「印刷装置」として、携帯型のラベルプリンタ3を例に挙げて説明する。
まず、ラベルプリンタ3について説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態における、ラベルプリンタ3の概略を示す外観平面図である。図9は、ラベルプリンタ3の電気的構成を示すブロック図である。なお、理解を容易にするために、図8はテープ収納部の蓋を取り去った状態を示している。
図8に示すように、ラベルプリンタ3は、その後部にテープカセット70を収納する凹部であるテープカセット収納部71が設けられ、その前部には、文字や記号を入力するキーボード部72が設けられている。キーボード部72には、文字、記号及び機能のコマンドを入力するキーが複数配列されている。また、テープカセット収納部71とキーボード部72との間には液晶表示部73が設けられ、キーボード部72で入力された文字、記号等が表示可能となっている。
また、本実施形態では、キーボード部72における液晶表示部73の左側に、略十字に配設された4つのボタンで構成される画像方向選択部74が設けられている。画像方向選択部74は、ユーザが画像の向きを任意に指定して印刷実行を指示するためのものである。各選択ボタン74a,74b,74c,74dの表面には、それぞれアルファベット文字「A」(以下、例示画像「A」とよぶ)が上向き,左向き,下向き,右向きとなるように各々回転させた状態が表されている。そのため、ユーザはテープ(図示外)に画像データを現実に印刷する前に、各選択ボタン74a〜74dで例示画像「A」の向きを確認してから、所望の画像方向を選択することができる。なお、各選択ボタン74a〜74dに表された例示画像「A」は、各ボタンが選択された場合にテープ上に印刷される画像の向きを、ユーザが視覚的に把握できるように例示するものである。
次に、ラベルプリンタ3の電気的構成について説明する。図9に示すように、ラベルプリンタ3は、CPU81,ROM82,RAM83を有した制御装置80を備えている。そして、CPU81には、前述のキーボード部72と、画像方向選択部74の各選択ボタン74a〜74dと、サーマルヘッド91を駆動するためのヘッド駆動回路84と、テープ送りモータ92を駆動するためのモータ駆動回路85と、液晶表示部73に表示データを出力するためのビデオRAM(図示外)を有するディスプレイコントローラ(以下、LCDCという)86と、カッター機構93を駆動するためのカッター駆動回路87とが各々接続されている。
以上の構成を有するラベルプリンタ3においては、その電源が投入されると、ROM82に記憶されているメイン制御プログラムに基づいて、CPU81により後述のメイン処理(図10)が実行される。そして、キーボード部72を介して文字等が入力されて印刷実行が指示されると、そのテキスト(文書データ)がRAM83のテキストバッファ(図示外)に順次記憶されていき、キーボード部72を介して入力された文字等に対応するドットパターンが液晶表示部73上に表示される。また、サーマルヘッド91はヘッド駆動回路84を介して駆動され、印刷バッファ(図示外)に記憶されたドットパターンデータ(印刷データ)の印字を行い、これと同期してテープ送りモータ92がモータ駆動回路85を介してテープの送り制御を行うものである。最後に、カッター機構93がテープ排出部(図示外)から排出されたテープを切断することで、一片のラベルが作成される。
次に、ラベルプリンタ3で実行されるメイン処理について説明する。図10は、ラベルプリンタ3のメイン処理を示すフローチャートである。図11は、オプション印刷処理(S91)の詳細を示すフローチャートである。本実施形態に係るラベルプリンタ3では、従来のように画像の向きを調整せずに印刷する「通常印刷」と、ユーザの指示に応じて画像の向きを調整して印刷する「オプション印刷」とを実行可能である。
図10に示すように、ラベルプリンタ3のメイン処理では、ラベルプリンタ3に電源が投入されて起動すると、まず、各種の初期値やフラグ等の初期化が実行される(S81)。そして、キーボード部72から入力がなされるまで(S83:NO)、待ち状態となる。キーボード部72から入力がなされた場合(S83:YES)、その入力されたキーがラベルプリンタ3の機能設定を行うための「機能キー」でなく(S85:NO)、かつ、ユーザが画像の向きを指定して印刷するための画像方向選択部74の選択ボタン74a〜74dでなければ(S87:NO)、そのキーは文字や記号を入力するための「キャラクタキー」であるため文書編集処理が実行される(S89)。S89の文書編集処理では、液晶表示部73に所定の文書編集画面が表示され、ユーザは「キャラクタキー」を用いて文書編集画面で任意の文書を作成することができる。本実施形態では、ユーザは「キャラクタキー」を用いて印刷対象画像として文字列「ABC」を入力したものとし、以下ではこの文字列「ABC」をテープ上に印刷する場合を説明する。
一方、その入力されたキーが「機能キー」であれば(S85:YES)、液晶表示部73に所定の機能設定画面が表示される。本実施形態では、この機能設定画面に「オプション印刷設定キー」や「印刷実行キー」などの複数の機能キーがコマンドメニューとして表示され、ユーザは図示外のテンキーやカーソルキーを用いて任意の機能キーを選択することができる。
そして、機能設定画面から「オプション印刷設定キー」が選択されると(S93:YES)、オプション印刷時に印刷対象画像が印刷可能範囲を超えると実行されるデータ処理を、ユーザが任意に設定するためのデータ処理設定処理が実行される(S95)。S95のデータ処理設定処理では、液晶表示部73に所定のデータ処理設定画面が表示され、ユーザはデータ処理設定画面で任意のデータ処理を選択することができる。本実施形態では、データ処理設定画面に「縮小して回転」,「サイズを保って回転」,「そのまま回転(印刷範囲内のみ印字)」の3つのデータ処理がメニュー表示(図示外)され、ユーザは図示外のテンキーやカーソルキーを用いて任意のデータ処理を選択することができる。
また、機能設定画面から「印刷実行キー」が選択されると(S93:NO,S97:YES)、印刷すべき文字や画像をテープ上に印刷する通常印刷処理が実行される(S23)。詳細には、文書編集処理(S89)で入力された文字列「ABC」が、印刷対象画像としてテキストバッファ(図示外)に記憶される。そして、印刷バッファ(図示外)に記憶された文字列「ABC」に対応するドットパターンが液晶表示部73上に表示されると同時に、ドットパターンデータ(印刷データ)の印刷とテープ送り制御とが同期して実行される。これにより、文字列「ABC」がテープ上に印字され、最後にカッター機構93によりテープ切断されて一片のラベルを作成される。
なお、機能設定画面から他の機能キーが選択されると(S97:NO)、その機能キーに応じた他の処理が実行される(S101)。また、S89,S95,S99,S101と後述するS91との各処理の実行後は、S83に戻って次の入力を待ち受ける。
ところで、キーボード部72から入力されたキーが選択ボタン74a〜74dであれば(S87:YES)、ユーザの指示に応じて画像の向きを調整して印刷するオプション印刷処理が実行される(S91)。以下では、オプション印刷処理(S91)について説明する。
図11に示すように、オプション印刷処理(S91)では、まず被記録媒体であるテープに設定されるラベルの幅長を検出するラベル幅検出処理が実行される(S121)。このラベル幅検出処理では、ラベルプリンタ3に装着されたテープカセット70を検出する検出スイッチ(図示外)からラベル幅を検出可能である。
そして、ユーザにより選択された選択ボタン74a〜74dに対応する回転角度が、印刷対象画像を回転可能な角度であるか否かが判定される(S123)。本実施形態では、各選択ボタン74a〜74dは、それぞれに示された上向き,左向き,下向き,右向きの例示画像「A」によって、印刷対象画像を0度,90度,180度,270度で各々回転させて印刷することを表している。そのため、ユーザにより任意に選択された選択ボタン74a〜74dに対応する角度に基づいて印刷対象画像を回転させた場合に、その回転画像が印刷可能範囲(S121で検出されたラベル幅)を超えない(すなわち、回転可能角度である)か否かが判定される。
そして、回転可能角度であると判定された場合(S125:YES)、その回転可能角度に基づいて印刷対象画像を回転させる画像回転処理が実行される(S127)。ここでは、選択ボタン74a又は74cが選択されると、S125で回転可能角度であると判定される。そして、第1の実施の形態(図5のS47,S55,S61)と同様に、印刷対象画像である文字列「ABC」がユーザの選択に応じて0度又は180度で回転処理される。すると、0度の画像では文字列「ABC」はそのまま(上向き状態)となり、180度回転した回転画像では文字列「ABC」は下向き状態となる。
一方、S125で回転可能角度でない(すなわち、回転不可角度である)と判定され、かつ前述のデータ処理設定処理(S95)で設定されたデータ処理が「縮小して印刷」である場合(S125:NO,S129:YES)、その回転不可角度に基づいて印刷対象画像を回転させて、さらに回転画像を縮小処理する画像縮小処理が実行される(S131)。ここでは、選択ボタン74b又は74dが選択されると、S125で回転不可角度であると判定される。そして、データ処理「縮小して印刷」であるために、第1の実施の形態(図5のS49)と同様に、印刷対象画像である文字列「ABC」がユーザの選択に応じて90度又は270度で回転処理され、そして、90度回転した回転画像では文字列「ABC」は左向き状態となり、270度回転した回転画像では文字列「ABC」は右向き状態となる。そして、文字列「ABC」の回転画像は、テープのラベル幅に収まるように画像全体が均等に縮小処理される。
また、データ処理設定処理(S95)で設定されたデータ処理が「そのまま回転(印刷範囲内のみ印字)」である場合は(S129:NO,S133:YES)、その回転不可角度に基づいて印刷対象画像を回転させ、さらに回転画像のうちでラベル幅に含まれる部分のみが表示されるように画像を切り取るカット処理が実行される(S135)。ここでは、第1の実施の形態(図5のS63)と同様に、印刷対象画像である文字列「ABC」がユーザの選択に応じて90度又は270度で回転処理され、その文字列「ABC」の回転画像のうちでラベル幅に含まれる部分のみが切り取られることになる。
また、データ処理設定処理(S95)で設定されたデータ処理が「サイズを保って回転」である場合は(S133:NO)、ユーザにより選択された選択ボタン74a〜74dに対応する回転角度が回転不可角度であって、その回転画像に基づく印刷を実行しない旨を報知するエラー報知処理が実行される(S137)。このエラー報知処理では、液晶表示部73に所定の印刷エラーを表示したり、図示外のスピーカーから警告音が発せられる。その後、オプション印刷処理(図11)が終了し、メイン処理に戻る(図10)。
ところで、S127,S131,S135の実行後は、各処理で作成された回転画像がRAM83の所定記憶エリアに記憶される。そして、画像データに基づいて印刷データが作成する印刷データ作成処理が実行される(S139)。ここでは、第1の実施の形態(図3のS13)と同様に、RAM83に記憶された各回転画像のうち、任意に選択された選択ボタン74a〜74dと、S95で設定されたデータ処理に基づいて、ラベルプリンタ3での印刷に用いられる印刷データが作成される。具体的には、選択ボタン74a〜74dのいずれかが選択されると、それに対応する0度,90度,180度,270度のいずれかの回転画像が、データ処理「縮小して回転」又は「そのまま回転(印刷範囲内のみ印字)」に基づいて処理されて、印刷データが作成される。
最後に、S139で作成された印刷データに基づいてテープに回転画像を印刷して、一片のラベルを作成する印刷処理が実行される(S141)。詳細には、印刷バッファに記憶された印刷データに基づいて、文字列「ABC」の印刷とテープ送り制御とが同期して実行されて、ユーザにより設定された画像の向きで文字列「ABC」がテープの設定されたラベル幅内に印刷される。最後に、カッター機構93がラベル排出口から排出されたテープを切断して、一片のラベルを作成することができる。
このように作成されたラベルには、文字列「ABC」がユーザにより設定された画像の向きで印刷される。そのため、例えば、ユーザが文字列「ABC」が左向きとなるように対象物上にラベルを貼着したい場合に、画像方向選択部74から画像が左向きの選択ボタン74bを選択すれば、そのプレビュー画像どおりに文字列「ABC」が左向きに印刷される。よって、ラベルプリンタ3のラベル排出口から排出されたラベルをそのまま対象物に貼着すれば、その周方向に回転させて貼着向きを調整するなどの作業を行わなくても、対象物上のラベルに印刷された文字列「ABC」は選択ボタン74bの例示画像「A」と同様に左向きに表示される。
以上、第2の実施の形態にかかるラベルプリンタ3によれば、例示画像「A」を複数の方向に回転させた状態が各々表された画像方向選択部74を備え、これから選択された各選択ボタン74a〜74dに対応する回転画像に基づいて印刷データを作成するようにした。そして、この印刷データに基づいてテープに設定されたラベル幅に回転画像を印刷し、ラベル排出口から排出されたテープを切断してラベルを作成するようにした。
よって、テープに印刷される印刷対象画像(文字列「ABC」)の向きを、ユーザが簡易かつ適切に調整することができる。そして、ユーザがラベルの貼着向きを逐次調整することを要せずに、ユーザにとって好適な貼着向きでラベルを対象物上に容易かつ迅速に貼着することができる。さらに、ユーザは画像方向選択部74から所望の選択ボタン74a〜74dを選択できるので、ユーザにとって好適な向きとなるように文字列「ABC」をテープに印刷することができる。
ところで、上記第1及び第2の実施の形態において、テープ17(第2の実施の形態では図示外)が本発明の「被記録媒体」に相当し、サーマルヘッド91(第1の実施の形態では図示外)が本発明の「印刷手段」に相当する。オプション印刷画面100が本発明の「印刷設定画面」に相当し、モニタ31が本発明の「表示手段」に相当し、画像方向選択部74の選択ボタン74a〜74dが本発明の「画像方向選択ボタン」に相当する。液晶表示部73及びスピーカー(図示外)が本発明の「報知手段」に相当し、カッターユニット(図示外)及びカッター機構93が本発明の「カット手段」に相当する。
そして、オプション印刷画面100から画像方向選択部103から印刷パターン103a〜103dを選択するためのキーボード41及びマウス42と、画像方向選択部74の選択ボタン74a〜74dとが、本発明の「画像方向設定手段」に相当する。プレビュー画像作成処理(図5)を実行するCPU50と、オプション印刷処理(図11)を実行するCPU81とが、本発明の「画像回転手段」に相当する。テープ印刷装置1の印刷処理(図7のS77)を実行するCPU(図示外)と、ラベルプリンタ3の印刷処理(図11のS141)を実行するCPU81とが、本発明の「印刷制御手段」に相当する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、上記実施の形態では、被記録媒体上に印刷される画像の向きを上下左右の4方向に選択可能な場合を例示しているが、画像の向きや方向数は任意に設定可能である。例えば、ユーザが画像の向きとして、上下左右に加えて、右上,左上,右下,左下の計8方向から任意に選択できるようにしてもよい。この場合には、オプション印刷画面100に表示される印刷パターンや、画像方向選択部74の設けられる選択ボタンを、これら8方向分に設定すればよい。
また、画像方向選択部74の選択ボタン74a〜74dに示される例示画像は「A」に限定されず、ユーザが画像の向きを把握できる各種の文字や図形を用いることができる。例えば、選択ボタン74a〜74dに示される例示画像として、文字列「XYZ」や対称でない矩形などを用いてもよい。
また、印刷対象画像に基づく回転画像が被記録媒体の印刷可能範囲を超えた場合に実行されるデータ処理は、「縮小して回転」,「サイズを保って回転」,「そのまま回転(印刷範囲内のみ印字)」に限定されず、任意に設定可能である。例えば、一の印刷対象画像に基づく回転画像を、複数のラベルに分割して印刷を行ってもよいし、印刷可能範囲を超える方向のみを縮小するようにしてもよい。
また、本発明に係る印刷装置として、ラベルを作成するプリンタ(テープ印刷装置1及びラベルプリンタ3)に適用した場合を例示した。しかし、本発明は各種の印刷装置に適用することができ、被記録媒体の種類は、記録紙や布帛などの種類を問わず、また、印刷方式としてはサーマル方式やインクジェット方式などの種類を問わないことはいうまでもない。
本発明の印刷装置は、被記録媒体に印刷する画像の向きを調整可能な印刷装置として利用できる。
本発明の第1の実施の形態における、パーソナルコンピュータ2とそれに接続されたテープ印刷装置1の概略を示す外観斜視図である。 パーソナルコンピュータ2の電気的構成を示すブロック図である。 オプション印刷処理を示すメインフローチャートである。 オプション印刷画面表示処理(S1)の詳細を示すフローチャートである。 プレビュー画像作成処理(S25)の詳細を示すフローチャートである。 オプション印刷画面100の具体例を示す図である。 テープ印刷装置1のメイン処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における、ラベルプリンタ3の概略を示す外観平面図である。 ラベルプリンタ3の電気的構成を示すブロック図である。 ラベルプリンタ3のメイン処理を示すフローチャートである。 オプション印刷処理(S91)の詳細を示すフローチャートである。
符号の説明
1 テープ印刷装置
2 パーソナルコンピュータ
3 ラベルプリンタ
9 カットレバー
17 テープ
30 表示制御部
31 モニタ
50 CPU
51 ROM
52 RAM
70 テープカセット
72 キーボード部
73 液晶表示部
74 画像方向選択部
74a,74b,74c,74d 選択ボタン
80 制御装置
81 CPU
82 ROM
83 RAM
87 カッター駆動回路
93 カッター機構
100 オプション印刷画面
101 プリンタ情報表示部
102 データ処理選択部
103 画像方向選択部
103a,103b,103c,103d 印刷パターン
104 印刷情報表示部
105 OKボタン
106 キャンセルボタン
110 設定されたラベル幅

Claims (7)

  1. 被記録媒体に印刷データに基づく画像を印刷する印刷手段を備えた印刷装置において、
    前記被記録媒体に対する画像の向きを任意に設定するための画像方向設定手段と、
    前記画像を回転させる画像回転手段と、
    前記画像方向設定手段から設定された画像の向きに対応して、前記画像回転手段により回転された前記画像を前記印刷手段に印刷させる印刷制御手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記画像回転手段は、前記被記録媒体に対して前記画像を複数の方向に各々回転させた状態を示す複数の印刷パターンを作成し、
    前記複数の印刷パターンが選択可能に表示される印刷設定画面を作成する印刷設定画面作成手段と、
    前記印刷設定画面が表示される表示手段とを備え、
    前記画像方向設定手段は、前記表示手段に表示された前記印刷設定画面から任意の印刷パターンを選択するための印刷パターン選択手段であり、
    前記印刷制御手段は、前記印刷パターン選択手段から選択された印刷パターンに基づいて、前記画像を前記印刷手段に印刷させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記画像方向設定手段は、前記被記録媒体に対して例示画像を複数の方向に回転させた状態が各々表された複数の画像方向選択ボタンであり、
    前記画像回転手段は、前記複数の画像方向選択ボタンのうちで任意に選択された一に対応する回転状態に基づいて、前記画像を回転させるものであって、
    前記印刷制御手段は、前記複数の画像方向選択ボタンの一に対応して回転された前記画像を、前記印刷手段に印刷させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  4. 前記印刷制御手段は、前記被記録媒体に前記画像を印刷する場合に、該画像が前記被記録媒体の印刷可能範囲を超えるときは、該画像を前記被記録媒体の印刷可能範囲に収まるように縮小して印刷させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 前記印刷制御手段は、前記被記録媒体に前記画像を印刷する場合に、該画像の印刷範囲が前記被記録媒体の印刷可能範囲を超えるときは、該画像のうちで前記被記録媒体の印刷可能範囲に含まれる部分のみを印刷させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷装置。
  6. 前記被記録媒体に前記画像を印刷する場合に、該画像の印刷範囲が前記被記録媒体の印刷可能範囲を超えるときは、その旨を印刷エラーとして報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷装置。
  7. 前記被記録媒体は、前記画像が印刷される印刷媒体と、該印刷媒体の裏面に設けられる粘着剤層と、該粘着剤層を覆う剥離層とからなる長尺テープであり、
    前記画像が印刷された前記被記録媒体が排出される部位に、該被記録媒体を切断してラベルを作成するカット手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の印刷装置。
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