JP2007217752A - エッチング装置 - Google Patents

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裕二 中村
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Abstract

【課題】ガラス基板の搬送時の損傷を防止できるエッチング装置を提供する。
【解決手段】第1の処理槽6および第2の処理槽7によるガラス基板3上の薄膜2のエッチング処理が所定数となる度に、第1の処理槽6および第2の処理槽7の搬送口8に純水シャワーノズル21から純水Wを散布する。搬送口8に付着したエッチング液Eや生成物を除去できる。搬送口8へのエッチング液Lの付着量を軽減でき、搬送口8での生成物の成長を抑制できる。搬送口8を通過するときに、搬送口8に付着して成長した生成物とガラス基板3との接触を防止でき、ガラス基板3の損傷を防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板上の膜にエッチング液を吹き付けるエッチング装置に関する。
従来、液晶表示ディスプレイなどの製造に際し、ガラス基板上に成膜された薄膜を除去する方法としては、エッチング液をガラス基板上の薄膜に吹き付けて、この薄膜をエッチングするエッチング処理部を備えた基板処理装置が知られている。
そして、このエッチング処理部の搬送上流側の一側面には、このエッチング処理部内へとガラス基板を搬入させる搬入側開口が設けられている。また、このエッチング処理部の搬送下流側の一側面には、このエッチング処理部内へと搬送されたガラス基板を搬出させる搬出側開口が設けられている。
さらに、このエッチング処理部の後段には、このエッチング処理部にてガラス基板上の薄膜をエッチングした後に、このガラス基板の表面に純水を吹き付けて、このガラス基板の表面に付着しているエッチング液を除去する水洗処理部が設置された構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)
特開2004−360000号公報
上述したように、上記基板処理装置では、エッチング処理部内でガラス基板上の薄膜にエッチング液を吹き付ける際に、このエッチング液がエッチング処理部内に付着してしまう。そして、このエッチング処理部内に付着したエッチング液は、乾燥すると結晶化して結晶化物となり、この結晶化物がエッチング処理部内に形成されてしまう。
特に、このエッチング処理部の搬入側開口および搬出側開口では、これら搬入側開口および搬出側開口の開口縁に付着したエッチング液が乾燥して結晶化すると、このエッチング液の結晶化物が開口縁につらら状に成長してしまう。
このため、このエッチング処理部へとガラス基板を搬送する際に、このエッチング処理部の搬入側開口および搬出側開口それぞれの開口縁に形成された結晶化物にガラス基板が接触して、このガラス基板が損傷してしまうおそれがあるという問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、基板の搬送時の損傷を防止できるエッチング装置を提供することを目的とする。
本発明は、表面に膜が形成された基板が挿通可能な開口部を有し、この開口部を介して前記基板が搬送される処理室と、この処理室内へと搬送された前記基板の表面の前記膜にエッチング液を吹き付けるエッチング液吹付手段と、前記処理室内に付着した前記エッチング処理液を除去する処理液を、前記処理室内の少なくとも前記開口部に吹き付ける処理液吹付手段と、を具備したものである。
本発明によれば、表面に膜が形成された基板が開口部を介して処理室へと搬送され、この処理室内へと搬送された基板の表面の膜にエッチング液がエッチング液吹付手段にて吹き付けられる。この後、処理室内に付着したエッチング液を除去する処理液を、処理室内の少なくとも開口部に処理液吹付手段にて吹き付ける。この結果、この処理室の少なくとも開口部に付着したエッチング液が処理液にて除去される。よって、開口部を介して基板が処理室へと搬送される際に、この基板が開口部に付着したエッチング液の結晶化物などに接触して損傷するおそれが少なくなるので、この基板の搬送時の損傷を防止できる。
以下、本発明のエッチング装置の一実施の形態の構成を図1を参照して説明する。
図1において、1はエッチング装置で、このエッチング装置1は、薬液としての液状のエッチング液Eを吹き付けてエッチングする、いわゆるウエットエッチング装置である。具体的に、このエッチング装置1は、表面に酸化膜などの所定の薄膜2が形成されているガラス基板3が搬送され、このガラス基板3上の薄膜2に向けてエッチング液Eを吹き付けて、この薄膜2をエッチングしてガラス基板3上から除去する。
ここで、このガラス基板3は、例えば0.5mm以上0.7mm以下、好ましくは0.6mmの厚さ寸法を有する矩形平板状に形成されている。また、このガラス基板3は、このガラス基板3の表面に複数の画素がマトリクス状に形成されて図示しないアレイ基板とされる。さらに、このアレイ基板に対向基板が対向して配設され、これらアレイ基板と対向基板との間に液晶層が介在されて液晶表示装置としての図示しない液晶ディスプレイ(LCD)とされる。
そして、エッチング装置1は、両端が閉塞した角筒状の処理チャンバとしてのエッチング槽4を備えている。このエッチング槽4は、長手方向を水平方向に向けた状態で設置されており、長手方向の中央部で矩形平板状の仕切壁5にて垂直に分割されて、計2つの第1の処理槽6と第2の処理槽7とに分割形成されている。これら第1の処理槽6および第2の処理槽7は、エッチング槽4の長手方向に向けて連続して配置されており、互いの一側面が仕切壁5を介して連結された処理室である。さらに、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7それぞれの長手方向の両側面には、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7へとガラス基板3を搬出入させるための開口部としての搬送口8がそれぞれ設けられている。
これら搬送口8は、水平方向に沿った長手方向を有し、例えば10mmほどの幅寸法を有する細長矩形状に形成されている。すなわち、これら搬送口8は、これら搬送口8にガラス基板3が挿通可能に設けられ、これら搬送口8を通過させてガラス基板3を搬送できる程度の大きさ、すなわちガラス基板3の幅方向の断面形状より大きな形状に形成されている。そして、これら搬送口8のそれぞれは、第1の処理槽6および第2の処理槽7の底面から上方に向けて所定距離離間させた位置に、互いに連通した状態で設けられている。
また、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7内には、搬送口8を介してガラス基板3を搬送させる基板搬送手段としてのローラコンベヤ11がそれぞれ設置されている。これらローラコンベヤ11は、第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7の搬送上流側に位置する搬送口8からガラス基板3を搬入させて、この搬送口8から搬入させたガラス基板3を第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内へと搬送させてから、このガラス基板3を第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7の搬送下流側の搬送口8から搬出させる。
具体的に、これらローラコンベヤ11は、細長円筒状の回転体としての複数のローラ12を備えている。これらローラ12は、これらローラ12それぞれの軸方向を第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7の幅方向に沿わせつつ、これらローラ12を第1の処理槽6および第2の処理槽7の長手方向に沿って等間隔に配置させた状態で、これらローラ12それぞれの両端部が、第1の処理槽6および第2の処理槽7の幅方向の両側面に回転可能に固定されて設置されている。
そして、これらローラ12の外周面の上端部をつないだ面がガラス基板3を搬送する際の基板搬送面13となり、この基板搬送面13が水平となるように各ローラ12が第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内に取り付けられている。さらに、これらローラ12は、これらローラ12によって形成される基板搬送面13の高さと、第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7の搬送口8の高さ方向の中央部の高さとが水平方向に沿って一致するように設置されている。
また、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7内の上方には、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7内へと搬送されるガラス基板3の表面上の薄膜2に向けてエッチング液Eを吹き付けさせるエッチング液吹付手段としての複数の薬液シャワーノズル14が、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7内のそれぞれに、例えば4個ずつ取り付けられている。
具体的に、これら薬液シャワーノズル14は、細長角柱状に形成されており、これら薬液シャワーノズル14の長手方向を第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7の長手方向に沿わせた状態で、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7の長手方向に向けて等間隔に離間させた位置に並設されている。そして、これら薬液シャワーノズル14は、これら薬液シャワーノズル14からガラス基板3上の薄膜2の表面にエッチング液Eを吹き付けて、このエッチング液Eにてガラス基板3上の薄膜2をエッチングさせて除去させる。
さらに、これら薬液シャワーノズル14の下面には、吹付部としての図示しない吹付口が、これら薬液シャワーノズル14の長手方向に向けて等間隔に離間された位置に取り付けられている。すなわち、これら薬液シャワーノズル14は、第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内へと搬送されたガラス基板3上の薄膜2全面に向けてエッチング液Eを均一に吹き付けて塗布できるように構成されている。さらに、これら薬液シャワーノズル14は、これら薬液シャワーノズル14の各吹付口から噴出されるエッチング液Eによる薄膜2に対する反応速度と、ローラコンベヤ11の各ローラ12によるガラス基板3の搬送速度との関係から、ガラス基板3上の薄膜2を溶解させてエッチングさせる。
また、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7内には、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7内の雰囲気を外気から遮断する雰囲気保持手段としてのエアカーテン16がそれぞれ取り付けられている。これらエアカーテン16は、搬送上流側に位置する第1の処理槽6内の各搬送口8より上側の位置と、搬送下流側に位置する第2の処理槽7の搬送下流側の搬送口8より上側の位置とのそれぞれに取り付けられている。すなわち、これらエアカーテン16は、第1の処理槽6および第2の処理槽7内の搬送口8の上方から下方に向けて空気であるエアを吹き出して、これら各搬送口8からの第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内の雰囲気漏れを遮断して、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内の雰囲気を保持させる。
さらに、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7内には、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内へと搬送されたガラス基板3の有無が検知可能な検知手段としての基板検出センサ17が取り付けられている。これら基板検出センサ17は、第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内をガラス基板3が通過したかどうかを判断して、薬液シャワーノズル14の各吹付口からのエッチング液Eの吐出を制御させる。
そして、これら基板検出センサ17は、第1の処理槽6内の長手方向に沿って対向した両側面それぞれの下端部と、第2の処理槽7内の搬送下流側に位置する一側面の下端部とのそれぞれに設置されている。そして、これら基板検出センサ17は、エッチング槽4の外側に設置されている制御手段としての制御システム18に電気的に接続されている。
さらに、この制御システム18には、第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内から、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7の搬送口8に向けて処理液としての純水Wを吹き付けさせる処理液吹付手段としての純水シャワーノズル21が取り付けられている。これら純水シャワーノズル21は、少なくとも第1の処理槽6および第2の処理槽7の搬送口8に向けて純水Wを吹き付けできるように、これら搬送口8に対向して設置されている。
言い換えると、これら純水シャワーノズル21は、搬送口8にガラス基板3が挿通されて搬送される際に、このガラス基板3の表面に形成された薄膜2が対向する箇所となる搬送口8の縁に向けてエッチング液Eを吹き付ける。具体的に、これら純水シャワーノズル21は、搬送口8にガラス基板3を挿通させる際に、このガラス基板3上の薄膜2が対向する位置、すなわち搬送口8の開口縁のうちの少なくとも上側縁に向けてエッチング液Eを吹き付ける。
すなわち、これら純水シャワーノズル21は、第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7の搬送口8に付着したエッチング液Eや、これら搬送口8に付着して乾燥して生成されたエッチング液Eの結晶化物である図示しない生成物を純水Wにて洗い流して除去させる。よって、これら純水シャワーノズル21は、生成物が付着する部分である各搬送口8に近接して設置されている。このとき、この生成物は、エッチング液Eが付着して乾燥されて生成され、この生成された生成物上へのエッチング液Eの付着によって成長して大きくなる。
そして、これら純水シャワーノズル21は、両端が閉塞した細長円柱状に形成されており、これら純水シャワーノズル21の軸方向を第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7の幅方向に沿わせた状態で取り付けられている。さらに、これら純水シャワーノズル21は、第1の処理槽6および第2の処理槽7内のローラコンベヤ11の搬送方向Aの端部に位置するローラ12と搬送口8との間であるともに、このローラコンベヤ11の基板搬送面13より下方に取り付けられている。すなわち、これら純水シャワーノズル21は、ガラス基板3の搬送経路の中でクリアランスが狭い部分、すなわち搬送口8に向けて設置されている。
具体的に、これら純水シャワーノズル21は、第1の処理槽6内の各搬送口8に対向した位置と、第2の処理槽7内の搬送下流側の搬送口8に対向した位置とのそれぞれに設置されている。さらに、これら純水シャワーノズル21それぞれの側面部には、吹付部としての吹付口22が、これら純水シャワーノズル21の長手方向に向けて等間隔に離間された位置に取り付けられている。そして、これら吹付口22は、これら吹付口22の先端側を第1の処理槽6および第2の処理槽7の搬送口8に向けた状態で取り付けられている。すなわち、これら吹付口22は、これら吹付口22の先端側が対向する第1の処理槽6および第2の処理槽7の搬送口8全体に向けて純水Wを均一に吹き付けできるように構成されている。
そして、これら純水シャワーノズル21は、制御システム18による基板検出センサ17を用いた第1の処理槽6および第2の処理槽7内のガラス基板3の有無の検知情報に基づいて、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内にガラス基板3が無く存在しないときに、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内の純水シャワーノズル21の各吹付口22から自動的に純水Wを吐出させて散布し、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7の搬送口8に純水Wを吹き付けて、これら搬送口8に付着しているエッチング液Eや生成物を洗い流して除去させる。
すなわち、この制御システム18は、第1の処理槽6および第2の処理槽7内の純水シャワーノズル21の各吹付口22から純水Wを吐出させるタイミングを、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内のローラコンベヤ11の基板搬送面13上にガラス基板3がないときだけに限定させる。さらに、この制御システム18は、複数、例えば300枚のガラス基板3上の薄膜2をエッチング装置1にてエッチングする度に、このエッチング装置1の第1の処理槽6および第2の処理槽7それぞれの搬送口8に純水シャワーノズル21の各吹付口22から純水Wを吹き付けて、これら搬送口8に付着している生成物を洗い流して除去させる。
次に、上記一実施の形態のエッチング装置1によるエッチング方法について説明する。
まず、エッチング装置1のエッチング槽4の第1の処理槽6および第2の処理槽7内それぞれに設置されているローラコンベヤ11それぞれのローラ12を制御システム18にて搬送方向Aに向けて回転駆動させる。
同時に、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7内のエアカーテン16それぞれを制御システム18にて駆動させて、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7内の雰囲気を外部から遮断させる。
さらに、この制御システムにて第1の処理槽6および第2の処理槽7内それぞれの薬液シャワーノズル14の各吹付口からエッチング液Eを噴出させる。
このとき、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7内で噴出されているエッチング液Eが飛び散るなどして、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7の内壁面や搬送口8などに付着する。
さらに、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7それぞれの内壁面や搬送口8などに付着したエッチング液Eが乾燥すると結晶化して生成物が生成され、この生成物上にエッチング液Eがさらに付着して乾燥して結晶化することによって、この生成物が成長する。
次いで、ガラス基板3の表面に形成されている薄膜2を上側に向けた状態で、このガラス基板3を第1の処理槽6の搬送上流側に位置する搬送口8から搬入させて、第1の処理槽6内のローラコンベヤ11の基板搬送面13上に設置させる。
このとき、この第1の処理槽6内のローラコンベヤ11の各ローラ12それぞれの回転駆動によって、ガラス基板3が搬送下流側に向けて搬送されながら、このガラス基板3上の薄膜2に向けてエッチング液Eが吹き付けられて、このガラス基板3上の薄膜2がエッチング液Eにてエッチングされる。
そして、この第1の処理槽6内にてエッチングされたガラス基板3は、この第1の処理槽6の搬送下流側の搬送口8を介して第2の処理槽7内へと搬送され、この第2の処理槽7内のローラコンベヤ11の基板搬送面13上に設置される。
このとき、この第2の処理槽7内のローラコンベヤ11にてガラス基板3が搬送下流側に向けて搬送されながら、このガラス基板3上の薄膜2にエッチング液Eが吹き付けられて、このガラス基板3上の薄膜2がエッチング液Eにてエッチングされて除去される。
さらに、この第2の処理槽7内にてエッチングされたガラス基板3は、この第2の処理槽7の搬送下流側の搬送口8から、この第2の処理槽7の外へと搬出される。
そして、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7によるガラス基板3上の薄膜2のエッチングが制御システム18による制御によって連続的に処理されていく。
このとき、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7によるガラス基板3上の薄膜2のエッチングが所定数、例えば300枚のガラス基板3上の薄膜2をエッチング処理する度に、各基板検出センサ17を用いた第1の処理槽6および第2の処理槽7内のガラス基板3の有無の検知情報に基づいて、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内にガラス基板3が無く存在しないときに、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内の純水シャワーノズル21の各吹付口22から純水Wを各搬送口8に向けて自動的に吐出させて散布する。
そして、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7それぞれの搬送口8への純水Wの吹き付けによって、これら搬送口8に付着しているエッチング液Eや生成物が洗い流されて除去される。
ここで、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7の内壁面や搬送口8にエッチング液Eが付着して乾燥すると、このエッチング液Eが結晶化して生成物が生成される。そして、この生成物は、この生成物上へのエッチング液Eの付着および乾燥による結晶化によって徐々に積み重なって成長してしまう。
特に、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7の搬送口8では、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7の搬送口8の開口縁に付着したエッチング液Eが乾燥して結晶化すると、このエッチング液Eの生成物が搬送口8の開口縁の上端縁につらら状に成長するとともに、これら搬送口8の開口縁の下端縁に凸状に成長してしまう。
この結果、この生成物が搬送口8の開口縁より内側に突出して成長した場合には、ガラス基板3が第1の処理槽6および第2の処理槽7の搬送口8を通過するときに、この搬送口8の開口縁に付着して成長した生成物にガラス基板3が接触してしまい、このガラス基板3が損傷してしまうおそれがある。
また、エッチング装置1のように第1の処理槽6および第2の処理槽7内のローラコンベヤ11で複数のガラス基板3を連続的に搬送しながら、これらガラス基板3を連続的にエッチングさせている場合には、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7それぞれの内部の生成物の異常付着状態の発見が容易ではない。
そこで、上述した一実施の形態のように、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7によるガラス基板3上の薄膜2のエッチングが所定数、例えば300枚のガラス基板3上の薄膜2をエッチング処理する度に、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内の純水シャワーノズル21の各吹付口22から純水Wを各搬送口8に向けて散布する構成とした。
この結果、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7それぞれの搬送口8への純水Wの吹き付けによって、これら搬送口8に付着しているエッチング液Eや生成物を洗い流して除去できる。したがって、これら搬送口8へのエッチング液Lの付着量を軽減できるので、これら搬送口8での生成物の成長を抑制できる。よって、第1の処理槽6および第2の処理槽7の搬送口8を通過するときに、これら搬送口8の開口縁に成長したつらら状の生成物とガラス基板3との接触を防止できるから、この搬送口8を通過するときの生成物とガラス基板3との接触による、このガラス基板3の損傷を防止できる。
このとき、第1の処理槽6および第2の処理槽7の搬送口8は、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7内の雰囲気を外部から遮断させるために、幅寸法をできるだけ小さくすることが望ましい。また、これら搬送口8の上端縁や下端縁にエッチング液Eが付着すると、このエッチング液Eが結晶化して下方に向けて垂れ下がったつらら状の生成物や上方に向けて突出した凸状の生成物が形成されて、これら生成物が搬送口8の開口縁より内側に突出した状態となりやすい。
このため、これら搬送口8の幅寸法を小さくした場合には、この搬送口8にガラス基板3を通過させる際に、この搬送口8の上端縁あるいは下端縁から突出しているエッチング液Eの生成物にガラス基板3が接触してスクラッチされて損傷される可能性が大きくなる。
さらに、各基板検出センサ17を用いた第1の処理槽6および第2の処理槽7内のガラス基板3の有無の検知情報に基づいて、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内にガラス基板3が存在しないときに、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内の純水シャワーノズル21から純水Wを各搬送口8に自動的に吹き付けて散布する構成とした。
この結果、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内の純水Wによる洗浄作業が自動的になるので、エッチング装置1を定期的に停止および開放して第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内を、図示しないハンドシャワーなどにて純水Wを手作業で吹き付けるなどするメンテナンス作業を不要にできる。したがって、このエッチング装置1によるガラス基板3上の薄膜2のエッチング工程でのメンテナンス作業を軽減できる。よって、このエッチング装置1の稼働率の低下を防止できるので、このエッチング装置1によるエッチング工程の作業性を向上できる。
なお、上記一実施の形態では、液晶パネルのアレイ基板となるガラス基板3上の薄膜2のエッチング工程について説明したが、液晶パネルのアレイ基板以外の半導体装置などの基板上の酸化膜あるいは金属膜などの薄膜や、その他のプラズマ表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの種々の画像表示装置に用いられる基板上の薄膜のエッチング工程としても対応させて用いることができる。
また、第1の処理槽6および第2の処理槽7内に設置した各基板検出センサ17によるガラス基板3の有無の検知情報に基づいて、これら第1の処理槽6あるいは第2の処理槽7内にガラス基板3が存在しないときに、純水シャワーノズル21から純水Wを散布させて第1の処理槽6および第2の処理槽7の搬送口8を洗浄する構成としたが、少なくともガラス基板3に純水Wが付着しないときに、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7の搬送口8を洗浄すればよい。このため、第1の処理槽6内にガラス基板3が存在しないときに、この第1の処理槽6の搬送口8を純水Wにて洗浄し、第2の処理槽7内にガラス基板3が存在しないときに、この第2の処理槽7内の搬送口8を純水Wにて洗浄する構成とすることもできる。
さらに、第1の処理槽6および第2の処理槽7の2つの処理槽を有するエッチング装置1としたが、第1の処理槽6内でガラス基板3上の薄膜2を確実にエッチングできれば、この第1の処理槽6のみ有するエッチング装置1であっても良い。また、第1の処理槽6および第2の処理槽7内のそれぞれにエアカーテン16を取り付けたが、これら第1の処理槽6および第2の処理槽7内の雰囲気を外部から遮断する必要がなければ、これらエアカーテン16を設けなくてもよく、これらエアカーテン16以外の構成で第1の処理槽6および第2の処理槽7内の雰囲気を外部から遮断させてもよい。
本発明の一実施の形態のエッチング装置を示す説明構成図である。
符号の説明
1 エッチング装置
2 膜としての薄膜
3 基板としてのガラス基板
6 処理室としての第1の処理槽
7 処理室としての第2の処理槽
8 開口部としての搬送口
14 エッチング液吹付手段としての薬液シャワーノズル
17 検知手段としての基板検出センサ
18 制御手段としての制御システム
21 処理液吹付手段としての純水シャワーノズル
E エッチング液
W 処理液としての純水

Claims (3)

  1. 表面に膜が形成された基板が挿通可能な開口部を有し、この開口部を介して前記基板が搬送される処理室と、
    この処理室内へと搬送された前記基板の表面の前記膜にエッチング液を吹き付けるエッチング液吹付手段と、
    前記処理室内に付着した前記エッチング処理液を除去する処理液を、前記処理室内の少なくとも前記開口部に吹き付ける処理液吹付手段と、
    を具備したことを特徴とするエッチング装置。
  2. 前記処理液吹付手段は、前記開口部に前記基板が挿通される際に、この基板の表面に形成された前記膜が対向する位置となる前記開口部の縁に向けて前記処理液を吹き付ける
    ことを特徴とする請求項1記載のエッチング装置。
  3. 前記処理室内へと搬送された前記基板の有無を検知する検知手段と、
    この検知手段による前記基板の検知に基づいて、前記処理室内に前記基板が無いときに前記処理液吹付手段から前記処理液を吹き付けさせる制御手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項1または2記載のエッチング装置。
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