JP2007216676A - 感熱記録材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体と、該支持体上に熱により呈色する感熱記録層と、該感熱記録層上に結着性樹脂及び無機フィラーを主成分とする保護層とを有してなり、
前記保護層中に、体積平均粒子径0.6〜5.0μmの前記無機フィラーを、前記結着性樹脂に対して重量比で150〜400%の割合で含有し、かつ架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を含有する感熱記録材料である。
【選択図】 なし
Description
前記感熱記録材料の前記感熱記録層を、ヘッドを内蔵したサーマルプリンタなどを用いて発色させる記録方法は、現像、定着等の煩雑な処理を施す必要がなく、比較的簡単な装置で短時間に記録できる上に、コストが安いなどという利点があり、生鮮食料品・弁当・惣菜用のPOS分野、図書・文書などの複写分野、ファクシミリなどの通信分野、券売機・レシート・領収書などの発券分野など多方面に用いられている。
特に、昨今では、検針員が各家庭を訪問して電気やガス、水道等の検針を行った後、その帳票をハンディターミナルタイプのプリンタ(以下、「ハンディターミナルプリンタ」という。)を用いて発行する際の帳票用記録媒体として、感熱記録材料が使用されるようになっている。
前記ハンディターミナルプリンタは、電源としてポータブルタイプのバッテリーを使用している。そのため、前記ハンディターミナルプリンタで使用する感熱記録材料は、該プリンタの使用電力をなるべく抑えるために、低トルクでも、スティッキングすることなく印字可能であることが重要である。特に、最近では印字情報の高精細化、又は、EAN128バーコードや二次元バーコードにも対応するための印字ドットの精細化が求められており、サーマルプリンタヘッドのドットの高密度化にともない、スティッキングを起こさないことに対する要求は、ますます高まってきた。
また、これらの検針帳票には、振込み用紙が付帯していることも多く、このような用途では、使用する感熱記録材料に、受領印用の捺印性が優れている特性も必要である。
なお、上述の帳票の記録と同様に、ハンディターミナルプリンタで印字されるものとして、列車内で乗務員が発行する切符などがあるが、このような磁気記録券紙用途においても、表面の捺印性が必要となるのは言うまでもない。
また、保護層の樹脂として塩化ビニルの共重合ポリマーを使用することでスティッキングが改良されることが報告されているが(例えば、特許文献3を参照)、このような塩化ビニル共重合ポリマーを使用するだけでは、通常の据え置き型プリンタでのスティッキングは改良されても、ハンディターミナルプリンタに代表される低トルクプリンタ用途においては、不充分なものであった。
さらに、近年では焼却時にハロゲンガスやダイオキシンの発生が起こらないようにするため、塩素や臭素を含有する原材料を使用しないことが望まれており、こういった観点からも塩化ビニル共重合ポリマーの使用は好ましくない。
これに対し、保護層に体積平均粒子径が2.0μm以上の多孔質炭酸カルシウムの二次凝集粒子を用いた、捺印性に優れ、ヘッドカス(ヘッドに付着する印字カス)の付着や、ヘッド磨耗が少ない感熱記録材料が報告されている(例えば、特許文献7を参照)。しかし、このような多孔質炭酸カルシウムだけでは捺印性は良くても、スティッキングを起こさないことを両立させることは困難であった。
前記保護層の付着量を減らすことにより、前記保護層の感熱記録層隠蔽による影響(画像濃度低下)を抑制することが可能であるが、その場合にはスティッキングを抑えることが不充分となるため、結局低トルク印字適性と捺印性を両立させることができないのが現状であった。
しかし、前記特許文献11で報告されているような樹脂とPMMA粒子のみの組み合わせでは、捺印性が全く不充分であった。
しかし、前記特許文献12に報告されているような樹脂とフィラーの割合においても捺印性が全く不足しており、さらに、シリコーンゴムでは発生するヘッドカスの量が多いという課題があった。
<1> 支持体と、該支持体上に熱により呈色する感熱記録層と、該感熱記録層上に結着性樹脂及び無機フィラーを主成分とする保護層とを有してなり、前記保護層中に、体積平均粒子径0.6〜5.0μmの前記無機フィラーを、前記結着性樹脂に対して重量比で150〜400%の割合で含有し、かつ架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を含有することを特徴とする感熱記録材料である。
<2> 保護層中に、体積平均粒子径1.0〜8.0μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を含有する前記<1>に記載の感熱記録材料である。
<3> 保護層中に、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を、結着性樹脂に対して重量比で5〜75%の割合で含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<4> 架橋ポリメタクリル酸メチル粒子が、多孔質である前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<5> 無機フィラーが、凝集体形状である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<6> 無機フィラーが、二酸化ケイ素及び炭酸カルシウムの少なくともいずれかである前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<7> 結着性樹脂が、ジアセトン変性ポリビニルアルコールである前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<8> 保護層中に、滑剤を添加した前記<1>から<7>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の感熱記録材料の表面に、OPニス加工を施した感熱記録材料である。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の感熱記録材料の裏面、すなわち支持体に対して感熱記録層とは逆の面に、アイマーク加工を施した感熱記録材料である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の感熱記録材料の裏面、すなわち支持体に対して感熱記録層とは逆の面に、擬似接着加工を施した感熱記録材料である。
<12> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の感熱記録材料の裏面、すなわち支持体に対して感熱記録層とは逆の面に、磁気記録層を設けた感熱記録材料。
本発明の感熱記録材料は、支持体と、該支持体上に感熱記録層と、該感熱記録層上に保護層とを有してなり、さらに必要に応じて、アンダー層、バック層、粘着剤層、磁気記録層及びその他の層を有してなる。
本発明において、感熱記録層で用いられるロイコ染料は単独又は2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱材料に適用されているものが任意に適用され、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系などの染料のロイコ化合物が、好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
4,4′−イソプロピリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4′−セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、4,4′−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジフェノールスルホキシド、4−ヒドロキシ−4′−アリルオキシジフェニルスルホン、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキユ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、5−クロロ−サリチルアニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸塩、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛、2,4′−ジフェノールスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジフェノールスルホン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、N−p−トリルスルホニル−N′−フェニルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N′−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン誘導体、下記一般式(2)で表されるウレアウレタン化合物誘導体等。
一般式(1)
一般式(2)
その具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、各種変性ポリビニルアルコール、殿粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロ−スなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼインなどの水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスなど。
その具体例としては以下に示すものが挙げられるが、これに限られるわけではない。
ステアリン酸、ベヘン酸などの脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミドなどの脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グレヤコールカーボネート、テレフタル酸ジベンシル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタンなど。
この場合、填料としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカなどの無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂などの有機系の微粉末を挙げることができる。
界面活性剤としては、例えば、脂肪酸の金属石鹸類、ポリカルボン酸型高分子活性剤類、高級アルコールの硫酸エステル塩類、アルキルポリエーテルの硫酸エステル塩類、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物類、アルキルアリールスルホン酸塩類、アルキルスルホン酸類、アリールスルホン酸類、リン酸エステル類、脂肪族リン酸エステル類、芳香族リン酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル類、ポリオキシエチレンアリール硫酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル類、ジアルキルスルホコハク酸エステル類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、アセチレングリコール、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、アセチレングリコールのプロピレンオキサイド付加物、アセチレングリコールのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
滑剤としては高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類などがあげられる。
さらに、本発明で用いられる感熱記録材料には、支持体と感熱記録層の間に中空粒子を含むアンダー層を設けることができる。
中空粒子は、中空率が50%以上のものが好ましく、70〜98%のものが、さらに好ましい。この中空度が50%未満のものは断熱性が不充分なため、サーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通して感熱記録材料の外へ放出され、感度向上効果が小さい。
ここで言う中空率とは、中空粒子の外径と内径の比であり、下記式で表わされるものである。
中空率 =(中空粒子の内径)/(中空粒子の外径)×100(%)
また、本発明のアンダー層において用いられる中空粒子は、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体を含有するもので、すでに発泡状態となっている微小中空粒子であり、体積平均粒子径は2〜10μmのものが用いられる。
この体積平均粒子径(粒子外径)が2μmより小さいものは、任意の中空率にすることが難しいなどの生産上の問題があり、逆に10μmより大きいものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、サーマルヘッドとの密着性が低下し、感度向上効果が低下する。したがって、このような粒子分布は粒子径が前記範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布ピークの均一なものが好ましい。
通常、中空粒子は、感熱記録層と支持体の間にアンダー層として用いることにより、高い断熱性及びヘッドとの密着性を向上させ発色感度が向上する。
支持体上にアンダー層を設けるには、前記の中空粒子を公知の水溶性高分子、水性高分子エマルジョンなどのバインダーと共に水に分散し、これを支持体表面に塗布し、乾燥することによって形成される。この場合、中空粒子の塗布量は、支持体1m2あたり、少なくとも1g、好ましくは2〜15g程度であり、又、バインダー樹脂の塗布量は、中間層を支持体に強く結合させるような量でよく、通常は、中空粒子とバインダー樹脂との合計量に対して2〜50重量%である。
その具体例としては、感熱記録層用のバインダーと一部重複するが、水溶性高分子として例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。また、水性高分子エマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂などのエマルジョンなどが挙げられる。
−結着性樹脂−
本発明において保護層を形成する場合に使用される結着性樹脂としては、従来公知の水溶性高分子及び水溶性高分子エマルジョンの少なくともいずれかを、適宜用いることができる。
その具体例としては、感熱記録層用及びアンダー層用のバインダーと重複するところがあるが、ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、イタコン酸変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、殿粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼインなどの水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスなどが挙げられる。
これらの中でも、スティッキング抑制に対しては、特に、ジアセトン変性ポリビニルアルコールが好ましい。
また、該保護層中には無機フィラーを含有せしめる。該無機フィラーとしては、従来からフィラーとして用いられている公知の無機顔料を用いることができる。例えば、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸亜鉛、無定形シリカ等のケイ酸塩や、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機顔料が挙げられる。
特に、二酸化ケイ素やカオリン、炭酸カルシウム等の吸油量が大きなフィラーが捺印性向上のために望ましく、さらに、ヘッド磨耗を低減するために一次粒子の凝集体であることが好ましい。
これら無機フィラーの添加量としては、前記保護層結着性樹脂に対して重量比で150〜400%であることが望ましく、さらに好ましくは200〜300%である。150%よりも少ないと捺印性が不充分となり、逆に400%よりも多くなると保護層の結着力が低下して層ハガレや顔料の剥離が発生したり、ヘッド磨耗が大きくなる。
また、これら無機フィラーの体積平均粒子径としては、0.6〜5.0μmであることが好ましく、平均粒子径が0.6μmより小さいとスティッキング抑制効果が小さくなり、平均粒子径が5.0μmより大きいと比表面積が小さくなるため、捺印性が不充分となる。なお前記無機フィラーの体積平均粒子径は、レーザー散乱/回折型の粒径測定装置にて測定した値である。
さらに、本発明の保護層には架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を含有させる。
この架橋ポリメタクリル酸メチルとは、ポリメタクリル酸メチルの線状高分子同士が三次元網目構造的に結合しているものである。このような架橋構造をとることにより、ポリメタクリル酸メチルの軟化点が高くなり、従来より優れた添加材料となる。
この架橋ポリメタクリル酸メチル粒子添加の目的は、ヘッド磨耗低減、ヘッドカス低減、スティッキング抑制、捺印性向上のためである。この架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の体積平均粒子径としては、1.0〜8.0μmが好ましい。1.0μmよりも小さくなると、保護層の感熱記録層隠蔽による画像濃度低下を抑制できるという効果が小さくなり易く、8.0μmよりも大きくなると、サーマルヘッドと感熱記録材料との密着性が低下して発色感度が低下してしまう恐れがある。なお前記架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の体積平均粒子径は、レーザー散乱/回折型の粒径測定装置にて測定した値である。
さらに、この架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の形状が多孔質若しくは凝集体形状をしていることは、捺印性を向上させるために好ましい。
また、前記このポリメタアクリル酸メチル粒子の添加量としては、保護層中の結着性樹脂に対して重量比で5〜75%が好ましい。添加量が結着性樹脂に対して5重量%よりも少ないと、ポリメタクリル酸メチル粒子のスティッキング抑制効果が小さくなり、また、75%よりも多い場合には、保護層の感熱記録層隠蔽による画像濃度低下を抑制できるという効果が小さくなる恐れがある。
また、保護層中には、滑剤を含有せしめることができる。
滑剤としては感熱記録層用として記載したものと重なるが、モンタン酸ワックスやステアリン酸亜鉛、パラフィンワックス等の高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、シリコーンオイル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類などを用いることができる。
さらに、本発明の感熱記録材料の層構成に関しては感熱記録層、アンダー層、保護層の他に、必要に応じて、バック層を設けることができる。
バック層は主に結着性樹脂及び填料からなり、必要に応じて種々の滑剤、帯電防止剤などを含有しても良い。
バック層に用いられる結着性樹脂及び填料、滑剤としては前記保護層の際に挙げた種々の材料を使用することができ、特に支持体にプラスチックフィルム及び合成紙を用いた場合には帯電防止剤の添加は効果的である。
また、本発明の感熱記録材料の保護層上にOPニス加工を施すことは、感熱記録材料表面の光沢度を向上して見た目を良くし、スティッキング抑制効果を向上させ、印字画像保存性を高める上で好ましく、捺印性を考慮すると、捺印をされる部分以外にOPニスを施すことが、さらに好ましい。このOPニス加工を施すための手段としては、紫外線硬化型樹脂や酸化重合型の無色透明インキをスクリーン印刷やオフセット印刷等の各種印刷方式によってベタ印刷、あるいは網点印刷することが行われる。
加えて、必要に応じて、感熱記録材料の裏面に粘着剤層及び剥離台紙を順次積層することもできる。
このような、粘着剤層及び剥離台紙を順次積層させた感熱記録材料の使用用途としては、例えば、POSラベル、チケットタグ、及び物流配送用ラベルなどが挙げられる。
また、必要に応じて本発明の感熱記録材料の裏面に擬似接着加工を施すことにより、主に宅配便帳票などに使用されている物流配送用の帳票、あるいはラベル用途として使用することも有用である。
この擬似接着性は、感熱記録材料の裏面、すなわち支持体上の感熱記録層とは逆の面に感圧性接着剤を付与することによって得られ、上記感圧性接着剤としては、例えばアクリル系重合体、天然ゴム、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体、スチレン−ブタジエン系重合体、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテル等の樹脂が挙げられる。これらの感圧性接着剤はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を混合しても良い。
さらに、本発明の感熱記録材料の裏面に、強磁性体を含有する磁気記録層を設けることにより、例えば列車に乗車する際の切符として、検札の際などの捺印性に優れた磁気記録券紙としての用途に使用することができる。
この際に使用する強磁性体としてはγ−フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等が用いられるが、磁気記録情報が通常の磁石で消去されない為には保磁力が1500から5000エルステッドのバリウムフェライト、ストロンチウムフェライトが好ましい。
上記強磁性体を分散剤及び結着性樹脂と混合し、支持体上に磁気記録層を塗布することによって上記感熱記録性磁気材料を得ることができる。
分散剤としては、例えばスチレン−マレイン酸アンモニウム塩やポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン4、7、ジオール、アセチレングリコール、アクリル酸マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリスチレンスルホン酸アルカリ塩、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、アセチレングリコール等の公知分散剤が適用される。
また、結着性樹脂としては酸化デンプン、エーテル化デンプンなどのデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、アラビゴム、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレンオキサイドなどの水溶性結合剤、ポリウレタン系、塩化ビニル系、ポリアクリル系、スチレンブタジエン系などの各種ラテックスが挙げられ、これらの中から1種又は2種以上が適宜選択して使用される。
上記磁気記録層の塗工に用いる装置は、エアーナイフコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、ダイコーター、リップコーター、ブレードコーター、等が用いられる。又、オフセット、シルクスクリ−ン等の印刷法も用いることができる。
また、本発明の感熱記録材料を、ハンディターミナル用の検針帳票や粘着ラベルとして使用する場合は、本発明の感熱記録材料の裏面に、紫外線硬化型インクや水系フレキソインク、アルコール系フレキソインク、顔料インキ等を用いてアイマークを施すことが効果的である。このアイマークが感熱記録印字用プリンタに付帯されたセンサーにより検出されることにより、帳票やラベルに対して正確な位置に印字を行うことができる。
前記アイマークは、感熱記録材料裏面に、黒色の前記インクを用いて、幅0.5〜10mm、長さ0.5〜300mm程度の印刷を施すことにより得られる。もちろん、前記アイマークの前記インクの色は、黒色以外にも、青色、茶色、緑色、赤色等任意の色を使用することができる。また、前記アイマークの大きさは、上記の大きさよりも、大きくても小さくても構わない。
本発明に用いられる支持体は、格別の限定は無く、例えば、上質紙、再生紙、片艶紙、耐油紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成樹脂フィルムなどを適宜使用できる。
ここでいう再生紙とは、古紙含有率が10%以上の紙のことを指しているが、もちろん古紙含有率が10%未満の紙についても本発明に適用可能であることは言うまでもない。
即ち、アンダー層、感熱記録層又は保護層へのカレンダーの圧力の大きさで表面の平滑度をコントロールすることにより、地肌かぶりが無く、しかも従来よりも高精細な感熱記録材料を得ることができる。
−感熱記録材料の作製−
(1)A液及びB液の調製
下記の組成からなる混合物を、サンドグラインダーを用いて約5時間粉砕分散し、〔A液〕及び〔B液〕を、それぞれ調製した。
〔A液〕
3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
水 80部
〔B液〕
ビスフェノールS 15部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 25部
シリカ(水澤化学製 ミズカシル P−527) 10部
水 50部
上記〔A液〕及び〔B液〕を、重量比で1:3となるように混合撹拌し、感熱記録層塗布液を調製した。
下記組成から成る混合物をサンドグラインダーを用いて約30分間粉砕分散して、〔C液〕及び〔D液〕を、それぞれ調製した。
〔C液〕
焼成カオリン(体積平均粒子径1.0μm) 30部
水 70部
〔D液〕
体積平均粒子径約3μmの真球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子
(ガンツ化成製 GM−0205) 30部
水 70部
下記の組成を混合して保護層塗布液を調製した。
上記〔C液〕 65部
上記〔D液〕 5部
イタコン酸変性ポリビニルアルコールのアルカリ金属塩の10%水溶液
(重合度1700、ケン化度88モル%) 100部
ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂25% 16部
水 14部
支持体(市販の上質紙)上に、上記感熱記録層塗布液を、坪量52g/m2、乾燥付着量が6.5g/m2になるように、ラボコーティングマシンで塗布し、乾燥させて感熱記録層を形成した。該感熱記録層上に、上記保護層塗布液を乾燥付着量が2.5g/m2になるようにラボコーティングマシンで塗布し、乾燥させて保護層を形成した。その後、スーパーカレンダーを用いて15kg/cm2の圧力にて表面処理した。以上により、実施例1の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例1の保護層塗布液中の〔C液〕の量を、65部の代わりに50部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例1の保護層塗布液中の〔C液〕の量を、65部の代わりに70部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例1の保護層塗布液中の〔C液〕の量を、65部の代わりに100部に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例1の保護層塗布液中の〔C液〕の量を、65部の代わりに130部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例1の保護層塗布液中の〔C液〕に使用する体積平均粒子径1.0μmの焼成カオリン代わりに、体積平均粒子径0.6μmの焼成カオリンを使用する以外は、実施例1と同様にして、実施例6の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
実施例1の保護層塗布液中の〔C液〕に使用する体積平均粒子径1.0μmの焼成カオリン代わりに、体積平均粒子径5μmの焼成カオリンを使用する以外は、実施例1と同様にして、実施例7の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔D液〕に使用する体積平均粒子径約3μmの真球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の代わりに、体積平均粒子径0.8μmの真球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を使用する以外は、実施例1と同様にして、実施例8の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔D液〕に使用する体積平均粒子径約3μmの真球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の代わりに、体積平均粒子径1μmの真球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を使用する以外は、実施例1と同様にして、実施例9の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔D液〕に使用する体積平均粒子径約3μmの真球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の代わりに、体積平均粒子径8μmの真球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を使用する以外は、実施例1と同様にして、実施例10の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔D液〕に使用する体積平均粒子径約3μmの真球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の代わりに、体積平均粒子径10μmの真球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を使用する以外は、実施例1と同様にして、実施例11の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔D液〕の量を、5部の代わりに30部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例12の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔D液〕の量を、5部の代わりに25部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例13の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔D液〕の量を、5部の代わりに8部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例14の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔D液〕の量を、5部の代わりに1.7部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例15の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔D液〕の量を、5部の代わりに1.4部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例16の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔D液〕に使用する真球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(体積平均粒子径約3μm)の代わりに、多孔質架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(体積平均粒子径約3μm)を使用する以外は、実施例1と同様にして、実施例17の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔C液〕に使用する体積平均粒子径1μmの焼成カオリンの代わりに、体積平均粒子径0.7μmの水酸化アルミニウム粒子を使用する以外は、実施例1と同様にして、実施例18の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔C液〕に使用する体積平均粒子径1μmの焼成カオリンの代わりに、体積平均粒子径1μmのシリカ粒子を使用する以外は、実施例1と同様にして、実施例19の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔C液〕に使用する体積平均粒子径1μmの焼成カオリンの代わりに、体積平均粒子径1μmの炭酸カルシウム粒子を使用する以外は、実施例1と同様にして、実施例20の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔C液〕に使用する体積平均粒子径1.0μmの焼成カオリンの代わりに、一次粒子が凝集した形状の炭酸カルシウム粒子(凝集体の体積平均粒子径2.6μm)を使用する以外は、実施例1と同様にして、実施例21の感熱記録材料を作製した。
実施例21の保護層塗布液中に使用する樹脂について、イタコン酸変性ポリビニルアルコールのアルカリ金属塩の代わりに、カルボキシ変性ポリビニルアルコール(重合度1200、ケン化度96モル%)を使用する以外は、実施例21と同様にして、実施例22の感熱記録材料を作製した。
実施例21の保護層塗布液中に使用する樹脂について、イタコン酸変性ポリビニルアルコールのアルカリ金属塩の代わりに、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(重合度2000、ケン化度98モル%、変性度0.5モル%)を使用し、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(25%)水溶液16部の代わりに、アジピン酸ジヒドラジド(10%)水溶液40部をそれぞれ使用する以外は、実施例21と同様にして、実施例23の感熱記録材料を作製した。
実施例21の保護層塗布液中に使用する樹脂について、イタコン酸変性ポリビニルアルコールのアルカリ金属塩の代わりに、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(重合度2000、ケン化度98モル%、変性度4モル%)を使用し、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(25%)水溶液16部の代わりに、アジピン酸ジヒドラジド(10%)水溶液40部をそれぞれ使用する以外は、実施例21と同様にして、実施例24の感熱記録材料を作製した。
実施例24の保護層塗布液中に、モンタン酸エステルワックス分散体(30%)を2部添加した以外は、実施例24と同様にして、実施例25の感熱記録材料を作製した。
実施例24の感熱記録材料の表面(保護層の上)に、OPニス加工を施すことにより、実施例26の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液の〔C液〕の量を、65部の代わりに30部とした以外は、実
施例1と同様にして、比較例1の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液の〔C液〕の量を、65部の代わりに180部とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔C液〕に使用する体積平均粒子径1.0μmの焼成カオリンの代わりに、体積平均粒子径0.4μmの焼成カオリンを使用する以外は、実施例1と同様にして、比較例3の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔C液〕に使用する体積平均粒子径1.0μmの焼成カオリンの代わりに、体積平均粒子径7μmの焼成カオリンを使用する以外は、実施例1と同様にして、比較例4の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中に、〔D液〕を添加しないこと以外は、実施例1と同様
にして、比較例5の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔D液〕に使用する架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の代わりに、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を使用する以外は実施例1と同様にして、比較例6の感熱記録材料を作製した。
実施例1の保護層塗布液中の〔D液〕に使用する架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の代わりに、シリコーン粒子を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例7の感熱記録材料を作製した。
各感熱記録材料について、シャチハタ Xスタンパーで文字を捺印し、10秒後にティッシュでふき取り、捺印した文字が判別できるかについて、目視観察した。
〇:ほとんど文字のズレがない。
△:文字のズレはあるが文字の解読は可能。
×:文字のズレがあり文字の解読が不可能。
各感熱記録材料について、Zebra社製プリンタLP2844を用い、−5℃及び−10℃の各環境下で、幅8cm×長さ8cmの全面黒ベタ発色印字を行い、その際のスティッキング度合い(印字飛びの度合い)を目視にて確認した。
スティッキング抑制が優れている場合は、印字パターンが正確に印字され、印字飛びがない。一方、スティッキング抑制が劣る場合は、印字パターンが正確に印字されず、印字飛びが確認される。
○:全く印字飛びなし
△:印字飛びが見られる
×:フィードしない
各感熱記録材料について、京セラ(株)製薄膜サーマルヘッドKHT−267−12TAJ2で2km印字後のヘッドカスをキーエンス製VF7500を用いて観察した。
○…付着なし、印字に問題がない。
△…やや付着しているが、印字には問題がない。
×…著しく付着しており、印字に問題がある。
各感熱記録材料について、東洋精機製熱傾斜試験機を用いて130℃、140℃、150℃、160℃、170℃の条件下でそれぞれ発色させたものの画像濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測定し、最も高い濃度を記録した。
各感熱記録材料について、大倉電機製 感熱印字装置TH−PMDを用いて京セラ(株)製サーマルヘッド(KJT−256−8MGF1)にて、ヘッド電力0.45W/dot条件下で、0.1msec毎に印加エネルギーのパルス巾0.1〜1.2msecに印字し、印字濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定した結果から、印字濃度が1.00となるのに必要な印加エネルギー(パルス巾)を計算した。
実施例1を基準とし、(実施例1のパルス巾)/(測定した感熱記録材料のパルス巾)=感度倍率として計算する。この感度倍率の値が大きいほど印字濃度1.00を得るのに必要なエネルギーが小さいので、発色感度(熱応答性)が良好である。
Claims (12)
- 支持体と、該支持体上に熱により呈色する感熱記録層と、該感熱記録層上に結着性樹脂及び無機フィラーを主成分とする保護層とを有してなり、
前記保護層中に、体積平均粒子径0.6〜5.0μmの前記無機フィラーを、前記結着性樹脂に対して重量比で150〜400%の割合で含有し、かつ架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を含有することを特徴とする感熱記録材料。 - 保護層中に、体積平均粒子径1.0〜8.0μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を含有する請求項1に記載の感熱記録材料。
- 保護層中に、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を、結着性樹脂に対して重量比で5〜75%の割合で含有する請求項1から2のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 架橋ポリメタクリル酸メチル粒子が、多孔質である請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 無機フィラーが、凝集体形状である請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 無機フィラーが、二酸化ケイ素及び炭酸カルシウムの少なくともいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 結着性樹脂が、ジアセトン変性ポリビニルアルコールである請求項1から6のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 保護層中に、滑剤を添加した請求項1から7のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 請求項1から8のいずれかに記載の感熱記録材料の表面に、OPニス加工を施した感熱記録材料。
- 請求項1から9のいずれかに記載の感熱記録材料の裏面、すなわち支持体に対して感熱記録層とは逆の面に、アイマーク加工を施した感熱記録材料。
- 請求項1から10のいずれかに記載の感熱記録材料の裏面、すなわち支持体に対して感熱記録層とは逆の面に、擬似接着加工を施した感熱記録材料。
- 請求項1から9のいずれかに記載の感熱記録材料の裏面、すなわち支持体に対して感熱記録層とは逆の面に、磁気記録層を設けた感熱記録材料。
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