JP2007216447A - 樹脂成形方法及び樹脂成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴム製の成形型に対してキャビティ内の熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができ、良好な樹脂成形品を得ることができる樹脂成形方法及び樹脂成形装置を提供すること。
【解決手段】キャビティ21を形成してなるゴム製の成形型2と、キャビティ21内を真空状態にする真空手段61と、波長が0.78〜2μmの電磁波(近赤外線)を照射する電磁波発生手段4とを有する樹脂成形装置1を用いる。ゴム製の成形型2のキャビティ21内を真空状態にする真空工程と、真空状態のキャビティ21内に溶融状態の熱可塑性樹脂3を充填する充填工程と、キャビティ21内の熱可塑性樹脂3を冷却して樹脂成形品を得る冷却工程とを行う。充填工程においては、成形型2を介して熱可塑性樹脂3に近赤外線を照射することにより、成形型2に対して熱可塑性樹脂3を選択的に加熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂から樹脂成形品を得る樹脂成形方法及び樹脂成形装置に関する。
熱可塑性樹脂は、種々の成形方法によって成形され、成形品とした後使用されている。結晶性、非晶性、あるいは溶融粘度の高低に応じて、更に成形品の形状に応じて射出成形、ブロー成形、押し出し成形、プレス成形等種々の成形方法が実用化されている。
ところで、熱可塑性樹脂の種類、成形品の形状によっては、成形中に溶融状態の熱可塑性樹脂の温度が低下することにより溶融粘度が高くなり、目的とする成形品を得ることが困難となることがある。そのため、これを改良するため、成形品を成形する成形型(金型)をヒーター等によって加熱する方法が知られている。
また、例えば、特許文献1の樹脂成形方法においては、溶融した熱可塑性樹脂をシリコーンゴムで作製した成形型のキャビティ内に射出し、次いで、この熱可塑性樹脂を冷却して射出成形品を得る方法が開示されている。そして、表面精度、表面光沢が良好な樹脂成形品を簡便に作製することを目的として、シリコーンゴム製の成形型の組成に工夫を行っている。
しかしながら、上記従来の樹脂成形方法においては、特に熱可塑性樹脂を充填するキャビティの端部等においては、成形する熱可塑性樹脂の温度が下がり、この熱可塑性樹脂の粘度が上昇する場合がある。この場合には、成形型のキャビティ内において、熱可塑性樹脂の充填不良が生じるおそれがある。
また、特許文献1においては、シリコーンゴムの耐熱温度は、例えば200℃程度であり、樹脂の温度の低下を防ぐためにヒーター等の加熱温度を上げると、シリコーンゴム製の成形型が劣化し、この成形型により成形する成形品の表面外観が低下するおそれがある。
また、例えば、特許文献2の樹脂成形品の製造方法及びその装置においては、型枠に粒状あるいは粉状の金属骨材と熱可塑性樹脂とを投入して成形製品を得るに際し、金属骨材をスポット的に加熱することができる金属加熱手段を用いている。この製造方法においては、金属加熱手段から、マイクロ波あるいは電磁波等を型枠内の金属骨材に照射してこの金属骨材を発熱させ、この金属骨材の発熱を利用して型枠内の熱可塑性樹脂を軟化あるいは溶解させたのち、樹脂成形品を加圧成形している。
しかしながら、特許文献2の技術は、金属骨材を選択的に加熱する技術であり、熱可塑性樹脂自体を加熱することができる技術ではない。また、金属加熱手段によって、金属骨材の加熱を行う際には、型枠も同時に加熱されてしまう。そのため、型枠をあまり加熱することなく、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することはできない。
なお、例えば、特許文献3には、真空注型法により、熱可塑性樹脂の充填成形を行う方法が開示されている。
特開平7−178754号公報 特開平10−193370号公報 特開2002−59468号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、ゴム製の成形型に対してキャビティ内の熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができ、良好な樹脂成形品を得ることができる樹脂成形方法及び樹脂成形装置を提供しようとするものである。
第1の発明は、ゴム製の成形型のキャビティ内を真空状態にする真空工程と、
上記真空状態のキャビティ内に、溶融状態の熱可塑性樹脂を充填する充填工程と、
上記キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却して樹脂成形品を得る冷却工程とを含み、
上記充填工程においては、上記成形型を介して上記熱可塑性樹脂に波長が0.78〜2μmの電磁波を照射し、該熱可塑性樹脂を加熱することを特徴とする樹脂成形方法にある(請求項1)。
本発明の樹脂成形方法は、ゴム製の成形型を用いて、熱可塑性樹脂からなる樹脂成形品を真空注型法により成形する際に、成形型に対して、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる方法である。
すなわち、樹脂成形品を成形するに当たっては、まず、真空工程として、ゴム製の成形型のキャビティ内を真空状態にする。次いで、充填工程として、真空状態のキャビティ内に、溶融状態の熱可塑性樹脂を充填する。そして、この充填の際に、波長が0.78〜2μmの電磁波(以下、近赤外線という場合がある。)を、成形型を介して熱可塑性樹脂に照射する。このとき、成形型を構成するゴムと熱可塑性樹脂との物性の違いにより、ゴム製の成形型に比べて、熱可塑性樹脂を大きく加熱することができる。
これにより、上記キャビティ内への熱可塑性樹脂の充填が完了するまでの間において、成形型の温度よりも、キャビティ内における熱可塑性樹脂の温度を高く維持することができる。また、キャビティ内が真空状態になっていることにより、熱可塑性樹脂をキャビティの全体に十分に行き渡らせることができる。
その後、冷却工程として、キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却して樹脂成形品を得る。
それ故、本発明の樹脂成形方法によれば、ゴム製の成形型に対してキャビティ内の熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができ、キャビティ内に熱可塑性樹脂の充填不良が生じることを防止して、良好な樹脂成形品を得ることができる。
また、上記近赤外線により、上記ゴム製の成形型に比べて、上記熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる理由としては、以下のように考える。
すなわち、ゴム製の成形型の表面に照射された上記近赤外線は、成形型の表面を反射又は成形型を透過する割合が多いのに対し、熱可塑性樹脂に吸収される割合が多いと考える。そのため、近赤外線による光のエネルギーが熱可塑性樹脂に優先的に吸収されて、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができると考える。
第2の発明は、ゴム製の成形型のキャビティ内を真空状態にする真空工程と、
上記真空状態のキャビティ内に、溶融状態の熱可塑性樹脂を充填する充填工程と、
上記キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却して樹脂成形品を得る冷却工程とを含み、
上記充填工程においては、波長が0.78〜4μmの電磁波を出射する電磁波発生手段と、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させるフィルターとを用い、
上記電磁波発生手段から出射させた上記電磁波を上記フィルターを透過させ、該フィルターを透過させた後の透過電磁波を、上記成形型を介して上記熱可塑性樹脂に照射して、該熱可塑性樹脂を加熱することを特徴とする樹脂成形方法にある(請求項2)。
本発明の樹脂成形方法もまた、ゴム製の成形型を用いて、熱可塑性樹脂からなる樹脂成形品を真空注型法により成形する際に、成形型に対して、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる方法である。
すなわち、樹脂成形品を成形するに当たっては、まず、真空工程及び充填工程を行う。そして、この充填工程の際に、電磁波発生手段から波長が0.78〜4μmの電磁波を出射し、フィルターを透過させた後の透過電磁波を、成形型を介して熱可塑性樹脂に照射する。このとき、成形型を構成するゴムと熱可塑性樹脂との物性の違いにより、ゴム製の成形型に比べて、熱可塑性樹脂を大きく加熱することができる。
これにより、上記キャビティ内への熱可塑性樹脂の充填が完了するまでの間において、成形型の温度よりも、キャビティ内における熱可塑性樹脂の温度を高く維持することができる。また、キャビティ内が真空状態になっていることにより、熱可塑性樹脂をキャビティの全体に十分に行き渡らせることができる。
その後、冷却工程として、キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却して樹脂成形品を得る。
また、上記電磁波発生手段から出射された電磁波の中には、波長が2μmを超える電磁波も含まれているが、フィルターを用いたことにより、波長が2μmを超える電磁波を、成形型にできるだけ照射させないようにすることができる。これにより、成形型のキャビティ内に充填された熱可塑性樹脂には、波長が2μm以下の近赤外線を効果的に照射させることができる。そのため、波長が2μm以下の近赤外線により、成形型をあまり加熱することなく、熱可塑性樹脂を効果的に加熱することができる。
それ故、本発明の樹脂成形方法によっても、ゴム製の成形型に対してキャビティ内の熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができ、キャビティ内に熱可塑性樹脂の充填不良が生じることを防止して、良好な樹脂成形品を得ることができる。
なお、上記波長が2μm以下の近赤外線により、ゴム製の成形型に比べて、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる理由としては、上記第1の発明と同様に考える。
第3の発明は、熱可塑性樹脂を充填するためのキャビティを形成してなるゴム製の成形型と、
上記キャビティ内を真空状態にする真空手段と、
波長が0.78〜2μmの電磁波を出射する電磁波発生手段とを有しており、
上記真空手段により真空状態にした上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を充填する際に、当該成形型を介して上記熱可塑性樹脂に上記電磁波を照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置にある(請求項13)。
本発明の樹脂成形装置は、ゴム製の成形型を用いて、熱可塑性樹脂からなる樹脂成形品を真空注型法により成形する装置であり、成形型に対して、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる装置である。
すなわち、本発明の樹脂成形装置は、上記ゴム製の成形型と、上記真空手段と、上記波長が0.78〜2μmの電磁波を出射する電磁波発生手段とを有している。
そして、ゴム製の成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を充填する際には、上記近赤外線を、成形型を介して熱可塑性樹脂に照射する。このとき、成形型を構成するゴムと熱可塑性樹脂との物性の違いにより、ゴム製の成形型に比べて、熱可塑性樹脂を大きく加熱することができる。
これにより、上記キャビティ内への熱可塑性樹脂の充填が完了するまでの間において、成形型の温度よりも、キャビティ内における熱可塑性樹脂の温度を高く維持することができる。
それ故、本発明の樹脂成形装置によれば、ゴム製の成形型に対してキャビティ内の熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができ、キャビティ内に熱可塑性樹脂の充填不良が生じることを防止して、良好な樹脂成形品を得ることができる。
なお、上記近赤外線により、ゴム製の成形型に比べて、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる理由としては、上記第1の発明と同様に考える。
第4の発明は、熱可塑性樹脂を充填するためのキャビティを形成してなるゴム製の成形型と、
上記キャビティ内を真空状態にする真空手段と、
波長が0.78〜4μmの電磁波を出射する電磁波発生手段と、
該電磁波発生手段と上記成形型との間に配置し、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させるフィルターとを有しており、
上記真空手段により真空状態にした上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を充填する際には、上記電磁波発生手段から出射させた上記電磁波を上記フィルターを透過させ、該フィルターを透過させた後の透過電磁波を、上記成形型を介して上記熱可塑性樹脂に照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置にある(請求項14)。
本発明の樹脂成形装置もまた、ゴム製の成形型を用いて、熱可塑性樹脂からなる樹脂成形品を真空注型法により成形する装置であり、成形型に対して、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる装置である。
すなわち、本発明の樹脂成形装置は、上記ゴム製の成形型と、上記真空手段と、上記波長が0.78〜4μmの電磁波を出射する電磁波発生手段と、上記フィルターとを有している。
そして、ゴム製の成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を充填する際には、電磁波発生手段から波長が0.78〜4μmの電磁波を出射し、フィルターを透過させた後の透過電磁波を、成形型を介して熱可塑性樹脂に照射する。このとき、成形型を構成するゴムと熱可塑性樹脂との物性の違いにより、ゴム製の成形型に比べて、熱可塑性樹脂を大きく加熱することができる。
これにより、上記キャビティ内への熱可塑性樹脂の充填が完了するまでの間において、成形型の温度よりも、キャビティ内における熱可塑性樹脂の温度を高く維持することができる。
また、上記電磁波発生手段から出射された電磁波の中には、波長が2μmを超える電磁波も含まれているが、フィルターを用いたことにより、波長が2μmを超える電磁波は、成形型にできるだけ照射させないようにすることができる。これにより、成形型のキャビティ内に充填された熱可塑性樹脂には、波長が2μm以下の近赤外線を効果的に照射させることができる。そのため、波長が2μm以下の近赤外線により、成形型をあまり加熱することなく、熱可塑性樹脂を効果的に加熱することができる。
それ故、本発明の樹脂成形装置によっても、ゴム製の成形型に対してキャビティ内の熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができ、キャビティ内に熱可塑性樹脂の充填不良が生じることを防止して、良好な樹脂成形品を得ることができる。
なお、上記波長が2μm以下の近赤外線により、ゴム製の成形型に比べて、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる理由としては、上記第1の発明と同様に考える。
上述した第1〜第4の発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第1〜第4の発明において、上記成形型を介して上記熱可塑性樹脂に照射する電磁波としては、波長が0.78〜2μmの領域の電磁波だけでなく、これ以外の領域の電磁波も含まれていてもよい。この場合において、成形型を介して熱可塑性樹脂に照射する電磁波又は透過電磁波は、波長が0.78〜2μmの領域の電磁波を、これ以外の領域の電磁波よりも多く含むことが好ましい。
上記第1〜第4の発明において、上記電磁波発生手段等の電磁波発生源は、1個だけではなく、複数個用いることができる。また、上記成形型には、一方向からだけではなく、多方向から上記電磁波を照射させることができる。
また、上記真空状態とは、絶対真空の状態である必要はなく、大気圧よりも圧力が低い状態とすることができる。
上記第2、第4の発明において、上記フィルターは、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させる石英ガラスとすることができる(請求項3、15)。
また、フィルターとしては、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させる性質を有するものであれば、石英ガラス以外のものにすることもできる。例えば、フィルターとしては、石英ガラス以外にも、多孔質ガラス(例えば、バイコール(登録商標)ガラスがある。)、珪ホウ酸ガラス(例えば、パイレックス(登録商標)ガラスがある。)等を用いることができる。
上記第1、第2の発明において、上記充填工程においては、0.78〜2μmの波長領域に強度のピークを有する電磁波を用いることが好ましい(請求項4)。また、上記第3、第4の発明において、上記電磁波発生手段は、0.78〜2μmの波長領域に強度のピークを有する電磁波を出射するものであることが好ましい(請求項16)。
これらの場合には、波長が2μm以下の近赤外線により、熱可塑性樹脂を一層効果的に加熱することができる。
上記第1、第2の発明において、上記充填工程においては、上記成形型よりも高い温度に上記熱可塑性樹脂を加熱することが好ましい(請求項5)。
この場合には、キャビティ内に熱可塑性樹脂の充填不良が生じることを一層効果的に防止することができる。
また、上記第1、第2の発明において、上記充填工程においては、上記成形型に上記電磁波を照射することにより、上記キャビティ内における溶融状態の熱可塑性樹脂の粘度が5000Poise以上になることを防止することが好ましい(請求項6)。
この場合には、熱可塑性樹脂の溶融粘度の増加を抑制して、成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂の充填不良が生じることを一層容易に防止することができる。
また、温度に対する熱可塑性樹脂の溶融粘度の関係が予めわかっている場合には、上記成形型に電磁波を照射することにより、熱可塑性樹脂の温度が、溶融粘度が5000Poise以上になるときの温度よりも低くなることを防止して、キャビティ内に熱可塑性樹脂を充填することができる。
なお、上記キャビティ内において溶融した状態の熱可塑性樹脂の粘度が5000Poise以上になると、キャビティ内に熱可塑性樹脂の充填不良が生じるおそれがある。
また、上記キャビティ内における溶融状態の熱可塑性樹脂の粘度は、できるだけ小さくすることが好ましい。すなわち、上記充填工程において、成形型に電磁波を照射することにより、熱可塑性樹脂の粘度が、1000Poise以上になることを防止することがより好ましく、特に500Poise以上になることを防止することがより好ましい。
また、上記第1、第2の発明においては、上記成形型は、減圧及び増圧が可能な圧力容器内に配置しておき、上記真空工程においては、上記圧力容器内を減圧して、上記キャビティ内を真空状態にし、上記充填工程においては、上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を注入した後、上記圧力容器内を上記真空状態から増圧することが好ましい(請求項7)。また、上記第3、第4の発明においては、上記成形型は、減圧及び増圧が可能な圧力容器内に配置してあり、該圧力容器内は、上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂の注入を行う前には上記真空手段により真空状態に減圧し、上記注入を行った後には大気圧以上の圧力状態に増圧するよう構成してあることが好ましい(請求項17)。
これらの場合には、真空状態のキャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂を注入した後には、圧力容器内を増圧することにより、キャビティ内に注入した熱可塑性樹脂をキャビティ内の狭い隙間等の全体に十分に行き渡らせることができる。
また、上記第1〜第4の発明において、上記圧力容器内に成形型を配置した場合には、上記電磁波発生手段等の電磁波発生源は、圧力容器内又は圧力容器外のいずれに配置してもよい。特に、電磁波発生源は、圧力容器外に配置することが好ましい。この場合には、発熱した電磁波発生源を効率よく冷却することができる。
また、上記第2、第4の発明において、電磁波発生源を、圧力容器外に配置する場合には、上記フィルターは、圧力容器内又は圧力容器外のいずれに配置してもよい。また、フィルターは、圧力容器を構成する壁として配置することもできる。特に、この場合には、フィルターは、電磁波を圧力容器内へ入射させるための窓として、当該圧力容器を構成する壁に配置することができる。
また、上記第1、第2の発明において、上記キャビティ内に充填する前の上記熱可塑性樹脂は、上記キャビティを充填する容量以上に形成した樹脂固形体であり、上記キャビティ内には、上記樹脂固形体を溶融させた熱可塑性樹脂を、該熱可塑性樹脂の自重を利用して充填することが好ましい(請求項8)。
ところで、ゴム製の成形型におけるキャビティ内に、熱可塑性樹脂のペレットを溶融させて注入するときには、キャビティ内にペレット同士の間の空気等の気体が混入するおそれがある。これに対し、キャビティ内に上記樹脂固形体を溶融させて充填することにより、キャビティ内に上記気体が混入してしまうことを防止することができる。
また、成形型の温度よりも、キャビティ内における熱可塑性樹脂の温度を高く維持することができることにより、大きな射出圧力(例えば10〜50MPa)を加えることなく、熱可塑性樹脂の自重を利用して、キャビティ内にこの熱可塑性樹脂の充填を行うことができる。
また、上記樹脂固形体を溶融させた熱可塑性樹脂は、この熱可塑性樹脂を上方から押さえるプッシャーの自重も利用して、キャビティ内に充填することができる。
また、上記第1、第2の発明において、上記熱可塑性樹脂の吸光度は、上記ゴム製の成形型の吸光度よりも大きいことが好ましい(請求項9)。
この場合には、上記近赤外線の照射により、上記ゴム製の成形型及び熱可塑性樹脂を加熱する際に、熱可塑性樹脂を容易に選択的に加熱することができる。また、吸光度は、例えば、島津製作所製UV3100を用いて測定することができる。
また、上記熱可塑性樹脂は、非晶性熱可塑性樹脂であることが好ましい(請求項10)。
ところで、上記第1、第2の発明においては、熱可塑性樹脂の冷却速度を比較的遅くすることが多い。そのため、冷却中に熱可塑性樹脂の結晶性が高くなることがあり、これによって、樹脂成形品の寸法精度が低下したり、樹脂成形品の耐衝撃性が低下したりすることがある。これに対し、熱可塑性樹脂を非晶性熱可塑性樹脂にしたことにより、上記樹脂成形品の寸法精度の低下及び耐衝撃性の低下等を防止することができる。
非晶性熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のスチレン系樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル・エチレン−プロピレン−ジエン・スチレン樹脂)、ASA樹脂(アクリレート・スチレン・アクリロニトリル樹脂)等のゴム変性熱可塑性樹脂、又はポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート樹脂(PC)、PC/ゴム変性熱可塑性樹脂アロイ等を用いることができる。その中でも、特にゴム変性熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、ABS樹脂を用いることがさらに好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂は、ゴム変性熱可塑性樹脂であることが好ましい(請求項11)。
この場合には、上記電磁波により、ゴム製の成形型に対して熱可塑性樹脂を選択的に加熱することが一層容易である。
ゴム変性熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、ゴム質重合体の存在下にビニル系単量体をグラフト重合させた重合体を1種又は2種以上含むものが好ましい。
上記ゴム質重合体としては、特に限定されないが、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・ブテン−1・非共役ジエン共重合体、アクリルゴム、シリコーンゴム等が挙げられ、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記ゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、アクリルゴムを用いることが好ましく、上記ゴム変性熱可塑性樹脂としては、例えば、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂等を用いることができる。その中でも、特にABS樹脂を用いることがさらに好ましい。
また、上記成形型は、シリコーンゴムからなることが好ましい(請求項12)。
この場合には、成形型の作製が容易であると共に、上記電磁波により、成形型をほとんど加熱することなく熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる。
また、シリコーンゴムの硬度は、JIS−A規格測定において25〜80であることが好ましい。
また、上記第3、第4の発明において、上記キャビティ内に充填する前の上記熱可塑性樹脂は、上記キャビティを充填する容量以上に形成した樹脂固形体であり、上記樹脂成形装置は、上記樹脂固形体を保持して加熱する加熱保持容器を有しており、該加熱保持容器内から半溶融状態の樹脂固形体を上記キャビティの上部に設けた樹脂受入部内へ挿入配置するよう構成してあることが好ましい(請求項18)。
この場合には、キャビティを充填する容量以上に形成した樹脂固形体を、半溶融状態にした後、キャビティの上部に設けた樹脂受入部内へ挿入配置することにより、この樹脂受入部内には、空気等の不要な気体がほとんど混入しない状態で熱可塑性樹脂を受け入れることができる。そのため、この熱可塑性樹脂を上記樹脂受入部からキャビティ内に注入することにより、キャビティ内に不要な気体が混入してしまうことを効果的に防止することができる。
なお、上記樹脂固形体は、上記キャビティの全体を充填できる容量であればよく、例えば、キャビティの容量の1〜1.5倍の容量に形成することができる。
また、上記樹脂固形体は、底部と該底部から環状に立設した側壁部とによる中空形状を有しており、上記加熱保持容器は、上記側壁部の外周を加熱する外周ヒータと、上記側壁部の内周を加熱する内周ヒータとを有していることが好ましい(請求項19)。
この場合には、加熱保持容器において、樹脂固形体を効果的に加熱することができ、迅速に半溶融状態にすることができる。
以下に、本発明の樹脂成形方法及び樹脂成形装置にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
(実施例1)
本例の樹脂成形方法は、図1〜図3に示すごとく、ゴム製の成形型2のキャビティ21内に真空注型法によって熱可塑性樹脂3を充填し、この熱可塑性樹脂3を冷却して樹脂成形品を得る方法である。また、本例の樹脂成形方法は、樹脂成形品を成形するに当たり、成形型2に対して、熱可塑性樹脂3を選択的に加熱することができる方法である。
具体的には、同図に示すごとく、本例においては、ゴム製の成形型2のキャビティ21内を真空状態にする真空工程と、真空状態のキャビティ21内に溶融状態の熱可塑性樹脂3を充填する充填工程と、キャビティ21内の熱可塑性樹脂3を冷却して樹脂成形品を得る冷却工程とを行う。そして、充填工程においては、成形型2を介して熱可塑性樹脂3に0.78〜2μmの波長領域に強度のピークを有する電磁波を照射することにより、成形型2に対して熱可塑性樹脂3を選択的に加熱する。なお、本例においては、上記電磁波により、成形型2よりも高い温度に熱可塑性樹脂3を加熱する。
また、本例においては、図1に示すごとく、上記キャビティ21を形成してなるゴム製の成形型2と、キャビティ21内を真空状態にする真空手段61と、上記近赤外線を照射する電磁波発生手段4とを有する樹脂成形装置1を用いる。
以下に、本例の樹脂成形方法及び樹脂成形装置1につき、図1〜図5と共に詳説する。
本例においては、熱可塑性樹脂3として、非晶性熱可塑性樹脂であると共にゴム変性熱可塑性樹脂であるABS樹脂を用いる。
また、本例の成形型2は、シリコーンゴムからなる。この成形型2は、成形する樹脂成形品のマスターモデル(手作りの現物等)を液状のシリコーンゴム内に配置し、このシリコーンゴムを硬化させ、硬化後のシリコーンゴムからマスターモデルを取り出すことによって作製することができる。
また、波長が0.78〜2μmの電磁波(光)に対する吸光度(特定の波長の光に対する吸収強度を示す尺度)は、熱可塑性樹脂3として用いるABS樹脂の方が、ゴム製の成形型2として用いるシリコーンゴムよりも大きくなっている。
図1に示すごとく、本例の電磁波発生手段4としては、近赤外線領域内の約1.2μmの付近に光強度のピークを有する近赤外線ハロゲンヒータを用いる。
また、本例においては、溶融した状態の熱可塑性樹脂3を成形型2のキャビティ21内に注入し、成形型2に上記近赤外線を照射することにより、上記溶融した状態の熱可塑性樹脂3の粘度が5000Poise以上になることを防止して、樹脂成形品を得る。
また、同図に示すごとく、本例の成形型2は、減圧及び増圧が可能な圧力容器62内に配置してある。本例の圧力容器62は、真空注型を行うための容器である。また、上記真空手段61は、圧力容器62に配設した真空ポンプであり、圧力容器62内の真空引きを行うよう構成してある。
図4に示すごとく、本例の熱可塑性樹脂3は、キャビティ21内に充填する前の初期状態においては、キャビティ21の全体を充填する容量に形成した樹脂固形体31である。この樹脂固形体31は、底部311とこの底部311から環状に立設した側壁部312とによる中空形状を有している。
また、図1に示すごとく、成形型2におけるキャビティ21の上部には、熱可塑性樹脂3を挿入配置するための樹脂受入部22が形成してある。そして、成形型2においては、樹脂受入部22の下部とキャビティ21の上部とが、注入ゲート23によって連結してある。
また、図1に示すごとく、本例の樹脂成形装置1は、樹脂固形体31を保持して加熱する加熱保持容器7を有している。この加熱保持容器7は、樹脂固形体31を挿入するための中空穴711を形成してなる容器外周部71と、中空穴711内をスライド可能な容器スライド部72とを有している。容器スライド部72は、中空穴711と略同一の直径に形成した荷重部721と、この荷重部721から突出形成し、中空穴711内に挿入配置した樹脂固形体31の側壁部312内に配置する突出ピン部722とを有している。
容器外周部71には、樹脂固形体31の側壁部312の外周を加熱する外周ヒータ73が配設してあり、容器スライド部72の突出ピン部722には、樹脂固形体31の側壁部312の内周を加熱する内周ヒータ74が配設してある。
上記樹脂固形体31を用いることにより、キャビティ21内に空気等の不要な気体が混入してしまうことを容易に防止することができる。また、樹脂固形体31を上記中空形状に形成し、外周ヒータ73及び内周ヒータ74を用いることにより、樹脂固形体31をできるだけ均一に加熱することができる。
また、図4に示すごとく、上記樹脂固形体31は、その底部311に、テーパ形状を有して突出する突起部313を有している。この突起部313は、断面円形状を有しており、底部311の先端に向けて縮径して形成されている。
また、図1に示すごとく、上記樹脂受入部22の底部311には、樹脂固形体31の突起部313のテーパ形状に沿った絞り部221が形成してある。そして、図2に示すごとく、半溶融状態の樹脂固形体31を、その突起部313を下方に向けて樹脂受入部22内に落下させたときには、樹脂固形体31の突起部313が、絞り部221によって樹脂受入部22の中心へ導かれる。これにより、半溶融状態の樹脂固形体31を、位置決めを行った状態で安定して樹脂受入部22内に挿入配置することができる。
本例の加熱保持容器7は、上下が反転するよう構成してあり、図1に示すごとく、突出ピン部722が上方を向いた樹脂受入状態701と、図2に示すごとく、突出ピン部722が下方を向いた樹脂払出状態702とを形成するよう構成してある。
加熱保持容器7は、図1に示すごとく、樹脂受入状態701においては、樹脂固形体31を保持し、この樹脂固形体31を外周ヒータ73及び内周ヒータ74によって加熱して、半溶融状態にするよう構成してある。一方、加熱保持容器7は、図2に示すごとく、樹脂払出状態702においては、半溶融状態の樹脂固形体31を、キャビティ21の上部に設けた樹脂受入部22内に落下させるよう構成してある。
また、図3に示すごとく、本例の成形型2においては、加熱保持容器7から半溶融状態の熱可塑性樹脂3を受け取った後、熱可塑性樹脂3を、その自重を利用してキャビティ21内に充填することができる。また、加熱保持容器7は、半溶融状態の樹脂固形体31を樹脂受入部22内に落下させた後には、再び樹脂受入状態701に反転し、容器スライド部72における荷重部721によって、樹脂受入部22内の溶融状態の樹脂固形体31を下方へ押さえることができる。
次に、上記樹脂成形装置1を用いて、樹脂成形品を成形する方法につき詳説する。
本例においては、以下の真空工程、予備加熱工程、充填工程及び冷却取出工程を行って、熱可塑性樹脂3から樹脂成形品を得る。
樹脂成形品を成形するに当たっては、まず、図1に示すごとく、真空工程として、上記真空手段61によって上記圧力容器62内の真空引きを行い、ゴム製の成形型2のキャビティ21内を真空状態にする。
次いで、同図に示すごとく、予備加熱工程として、熱可塑性樹脂3としての樹脂固形体31を樹脂受入状態701にある加熱保持容器7内に挿入配置し、外周ヒータ73及び内周ヒータ74によって樹脂固形体31を加熱して溶融状態にする。
また、予備加熱工程においては、上記電磁波発生手段4を用いて、成形型2に設けた樹脂受入部22を予備加熱しておくこともできる。
次いで、図2に示すごとく、充填工程として、加熱保持容器7を樹脂払出状態702に反転させ、加熱保持容器7内の半溶融状態の樹脂固形体31(熱可塑性樹脂3)を、成形型2に設けた樹脂受入部22内へ落下させる。
そして、図3に示すごとく、樹脂受入部22内に配置された熱可塑性樹脂3は、その自重によって、上記注入ゲート23を介してキャビティ21内に流下する。また、このとき、加熱保持容器7を上記樹脂受入状態701に再び反転させ、上記容器スライド部72における荷重部721によって熱可塑性樹脂3に対して荷重を加えることができる。
また、キャビティ21内に熱可塑性樹脂3を注入した後には、真空手段61による真空引きを停止すると共に、圧力容器62を大気に開放して、圧力容器62内を大気圧状態にする。これにより、キャビティ21内に注入した熱可塑性樹脂3をキャビティ21内の狭い隙間等の全体に十分に行き渡らせる。
こうして、真空状態のキャビティ21内に、溶融状態の熱可塑性樹脂3を充填する。
本例においては、上記予備加熱工程及び充填工程を行う際には、上記電磁波発生手段4から成形型2の表面に、0.78〜2μmの波長領域に強度のピークを有する電磁波の照射を継続する。
そして、樹脂受入部22からキャビティ21内に流下する熱可塑性樹脂3は、近赤外線によって、温度が低下することが抑制される。
また、キャビティ21内を流動する熱可塑性樹脂3には、成形型2を介して近赤外線が照射される。そして、溶融状態の熱可塑性樹脂3は、近赤外線が照射されることによって、粘度が5000Poise以上になることが防止される。
また、キャビティ21内に熱可塑性樹脂3を充填する際には、成形型2を構成するゴムと熱可塑性樹脂3との物性の違いにより、ゴム製の成形型2に比べて、熱可塑性樹脂3を大きく加熱することができる。
これにより、上記キャビティ21内への熱可塑性樹脂3の充填が完了するまでの間において、成形型2の温度よりも、キャビティ21内における熱可塑性樹脂3の温度を高く維持することができる。また、キャビティ21内が真空状態になっていることにより、熱可塑性樹脂3をキャビティ21の全体に十分に行き渡らせることができる。
その後、冷却取出工程として、キャビティ21内の熱可塑性樹脂3を冷却して樹脂成形品を成形した後、成形型2を開いて、キャビティ21内から成形後の樹脂成形品を取り出す。
また、本例においては、成形した樹脂成形品は、成形型2のキャビティ21内において空冷することにより冷却した後、このキャビティ21内から取り出す。このとき、上記のごとく熱可塑性樹脂3を選択的に加熱できることにより、成形型2の温度は、熱可塑性樹脂3の温度よりも低く維持することができる。そのため、樹脂成形品を冷却するために要する冷却時間を短縮することができる。
また、成形型2の温度を低く維持できることにより、成形型2の劣化を抑制することができ、成形型2の耐久性を向上させることができる。
なお、本例においては、熱可塑性樹脂3としてABS樹脂を用いた。熱可塑性樹脂3としては、これ以外にも、上記成形型2の表面に上記近赤外線を照射したときに、成形型2内に吸収されずに透過した近赤外線を吸収することができる熱可塑性樹脂3を用いることができる。
図5は、透明のシリコーンゴムと半透明のシリコーンゴムについて、横軸に波長(nm)をとり、縦軸に光の透過率(%)をとって、各シリコーンゴムにおける光の透過率を示すグラフである。同図において、各シリコーンゴムは、200〜2200(nm)の間の波長の光を透過させることがわかる。そのため、この波長の領域にある近赤外線をシリコーンゴム製の成形型2の表面に照射すると、当該近赤外線の多くを、成形型2を透過させて熱可塑性樹脂3に吸収させることができる。
それ故、本例の樹脂成形方法によれば、ゴム製の成形型2に対してキャビティ21内の熱可塑性樹脂3を選択的に加熱することができ、キャビティ21内に熱可塑性樹脂3を十分に行き渡らせることができる。これにより、表面外観等に優れた良好な樹脂成形品を成形することができる。
また、本例の樹脂成形方法においては、上記のごとく、成形型2のキャビティ21内に熱可塑性樹脂3を充填する際には、熱可塑性樹脂3の自重及び上記荷重部721の自重を利用して、充填を行うことができる。そのため、熱可塑性樹脂3に大きな圧力が加わることがなく、成形した樹脂成形品において、残留歪がほとんど発生しない。そのため、樹脂成形品の耐薬品性、耐熱性等の特性を著しく向上させることができる。
また、本例の樹脂成形方法においては、弾性変形が可能なゴム製の成形型2を用いている。そのため、成形型2において、いわゆるアンダーカット形状(成形後の樹脂成形品を取り出す際に成形型2の一部に干渉する形状)がある場合でも、このアンダーカット形状の部分を弾性変形させながら、無理やり成形後の樹脂成形品を取り出すことができる。これにより、アンダーカット形状を有する成形型2においては、いわゆるスライド機構を設ける必要がなく、その構造を簡単にすることができる。
(実施例2)
本例の樹脂成形装置1は、図6に示すごとく、0.78〜2μmの波長領域に強度のピークを有する電磁波を出射する電磁波発生手段4Aと、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させるフィルター5とを有して構成してある。このフィルター5は、電磁波発生手段4Aにおける電磁波の出射位置と成形型2との間に配設してある。本例のフィルター5は、スペーサ51を介して成形型2の表面に配置してある。また、本例のフィルター5は、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させる石英ガラスである。
本例の樹脂成形装置1におけるその他の構成は、上記実施例1と同様である。
本例の充填工程を行う際には、電磁波発生手段4Aから上記電磁波を出射し、フィルター5を透過させた後の透過電磁波を、成形型2を介して熱可塑性樹脂3に照射する。このとき、成形型2を構成するゴムと熱可塑性樹脂3との物性の違いにより、ゴム製の成形型2に比べて、熱可塑性樹脂3を大きく加熱することができる。
ところで、上記0.78〜2μmの波長領域に強度のピークを有する電磁波の中には、波長が2μmを超える電磁波も含まれているものの、フィルター5を用いたことにより、波長が2μmを超える電磁波は、成形型2にできるだけ照射させないようにすることができる。
これにより、成形型2のキャビティ21内に充填された熱可塑性樹脂3には、波長が2μm以下の近赤外線を効果的に照射させることができる。そのため、波長が2μm以下の近赤外線により、成形型2をあまり加熱することなく、熱可塑性樹脂3を効果的に加熱することができる。また、本例の樹脂成形方法におけるその他の工程については、上記実施例1と同様である。
本例においても、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
(確認試験1)
本確認試験1においては、上記実施例1に示した樹脂成形方法及び樹脂成形装置1による優れた作用効果の確認試験を行った。
本確認試験1においては、電磁波発生手段4としては、近赤外線ハロゲンヒータ(ウシオ電機製スポットヒータユニット UL−SH−01、定格電圧100V、消費電力500W、光強度のピーク波長;約1.2μm)を用いた。また、成形型2内に注入する前の熱可塑性樹脂3の可塑化を行うために、射出成形機(新潟鐵工所製NN30B)を用いた。また、成形型2の温度及び熱可塑性樹脂3の温度を測定するために、熱電対モニターを用いた。
また、図7に示すごとく、上記近赤外線ハロゲンヒータは、照射する光線を絞って集中させるスポット照射タイプのものであり、出射位置からの光線の焦点距離X1が75mmのものである。本例では、光線の出射位置から成形型2の表面までの距離X2を225mmとし、光線をクロスさせて成形型2に照射した。
そして、熱可塑性樹脂3及び成形型2として、以下の4つの発明品1〜4を用いて、電磁波発生手段4からピーク波長が約1.2μmの近赤外線を、成形型2の表面に照射し、熱電対モニターを用いて、成形型2の温度と、成形型2のキャビティ21内に充填した熱可塑性樹脂3の温度を測定した。
また、本確認試験1においては、射出成形機から溶融状態(約250℃)の熱可塑性樹脂3を、室温(約25℃)の成形型2内に注入した。そして、この成形型2に電磁波発生手段4から上記近赤外線を照射し、3分経過時の成形型2の温度及び熱可塑性樹脂3の温度を測定した。なお、近赤外線の照射中に熱可塑性樹脂3の温度が250℃になったときには、照射を中止し、そのときの成形型2の温度を測定した。
発明品1〜4の熱可塑性樹脂3及び成形型2の構成は、次のようにした。
(発明品1) 熱可塑性樹脂3;黒色不透明のABS樹脂、成形型2;近赤外線を照射する側の表面からキャビティ21までの厚みTが12mmである透明のシリコーンゴム。
(発明品2) 熱可塑性樹脂3;黒色不透明のABS樹脂、成形型2;上記厚みTが25mmである透明のシリコーンゴム。
(発明品3) 熱可塑性樹脂3;黒色不透明のABS樹脂、成形型2;上記厚みTが12mmである半透明のシリコーンゴム。
(発明品4) 熱可塑性樹脂3;透明のABS樹脂、成形型2;上記厚みTが12mmである透明のシリコーンゴム。
また、発明品1〜4のシリコーンゴムとしては、JIS−A硬度が40である信越シリコーン製のものを用いた。
また、比較のために、上記近赤外線を照射する電磁波発生手段4の代わりに、遠赤外線を照射する遠赤外線ハロゲンヒータ(ウシオ電機製QIR100V 600WYD、定格電圧100V、消費電力600W、光強度のピーク波長;約2.5μm)を用いた比較品1、2についても、発明品1〜4と同様に上記測定を行った。
(比較品1) 熱可塑性樹脂3及び成形型2の構成は、上記発明品1と同じ。
(比較品2) 熱可塑性樹脂3及び成形型2の構成は、上記発明品2と同じ。
上記測定を行った結果を、表1に示す。
Figure 2007216447
同表において、近赤外線を照射した発明品1〜4については、熱可塑性樹脂3の温度が235〜250℃になったのに対して、成形型2の温度は170〜180℃までしか上昇しなかった。これに対し、比較品1、2については、熱可塑性樹脂3の温度が200〜205℃になったのに対して、成形型2の温度が220℃まで上昇してしまった。
なお、成形型2のキャビティ21内に注入した直後の熱可塑性樹脂3の温度は、成形型2によって冷やされて150〜180℃まで下降した。
上記結果より、シリコーンゴム製の成形型2の表面に近赤外線を照射すること(発明品1〜4)により、成形型2に対して、熱可塑性樹脂3を選択的に加熱できることがわかった。
なお、シリコーンゴム製の成形型2が常温から170〜180℃まで上昇した理由は、成形型2が、そのキャビティ21内に充填した熱可塑性樹脂3から熱伝達によって熱エネルギーを受け取ったため、及び成形型2が近赤外線の一部を吸収して温度上昇したためであると考える。
(確認試験2)
本確認試験においては、上記実施例2に示した樹脂成形方法及び樹脂成形装置1による優れた作用効果の確認試験を行った。
本確認試験においては、以下の発明品5〜9について、上記電磁波発生手段4Aからフィルター5及び成形型2を介して熱可塑性樹脂3に照射し、熱電対モニターを用いて、成形型2の温度と、成形型2のキャビティ21内に充填した熱可塑性樹脂3の温度を測定した。
発明品5〜9の熱可塑性樹脂3及び成形型2の構成は、次のようにした。
(発明品5) 熱可塑性樹脂3及び成形型2は発明品1に同じ。
(発明品6) 熱可塑性樹脂3及び成形型2は発明品2に同じ。
(発明品7) 熱可塑性樹脂3及び成形型2は発明品3に同じ。
(発明品8) 熱可塑性樹脂3及び成形型2は発明品4に同じ。
(発明品9) 熱可塑性樹脂3及び成形型2は発明品1に同じ。
また、発明品5〜9のシリコーンゴムとしては、JIS−A硬度が40である信越シリコーン製のものを用いた。
また、本確認試験においては、発明品5〜8については、電磁波発生手段4として、上記確認試験1と同じ近赤外線ハロゲンヒータを用いた。また、発明品9については、電磁波発生手段4として、遠赤外線ハロゲンヒータ(ウシオ電機製QIR100V 600WYD、定格電圧100V、消費電力600W、光強度のピーク波長;約2.5μm)を用いた。
また、成形型2内に注入する前の熱可塑性樹脂3の可塑化を行うために、射出成形機(新潟鐵工所製NN30B)を用いた。
また、上記フィルター5としては、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させる石英ガラスを用いた。本例の石英ガラスとしては、信越石英株式会社製HOMOSIL(商品名)を用い、その厚みは8mmとした。また、成形型2の温度及び熱可塑性樹脂3の温度を測定するために、熱電対モニターを用いた。
また、本確認試験においては、射出成形機から溶融状態(約250℃)の熱可塑性樹脂3を、室温(約25℃)の成形型2内に注入した。そして、電磁波発生手段4からフィルター5を介して成形型2に上記電磁波を照射し、3分経過時の成形型2の温度及び熱可塑性樹脂3の温度を測定した。なお、電磁波の照射中に熱可塑性樹脂3の温度が250℃になったときには、照射を中止し、そのときの成形型2の温度を測定した。
上記測定を行った結果を、表2に示す。
Figure 2007216447
同表において、上記近赤外線を照射した発明品5〜8については、熱可塑性樹脂3の温度がすべて250℃になったのに対して、成形型2の温度は150〜170℃までしか上昇しなかった。また、発明品9については、熱可塑性樹脂3の温度が235℃になったのに対して、成形型2の温度は180℃までしか上昇しなかった。
なお、成形型2のキャビティ21内に注入した直後の熱可塑性樹脂3の温度は、成形型2によって冷やされて150〜180℃まで下降した。
上記結果より、シリコーンゴム製の成形型2の表面にフィルター5を介して電磁波を照射すること(発明品5〜9)により、成形型2に対して、熱可塑性樹脂3を選択的に加熱できることがわかった。
また、発明品5〜8は、発明品9に比べて熱可塑性樹脂3の温度が急激に上昇することがわかった。これにより、成形型2に照射する電磁波のほとんどを、波長が2μ以下の近赤外線とすることにより、熱可塑性樹脂3を一層効果的に加熱できることがわかった。
なお、シリコーンゴム製の成形型2が常温から150〜180℃まで上昇した理由は、成形型2が、そのキャビティ21内に充填した熱可塑性樹脂3から熱伝達によって熱エネルギーを受け取ったため、及び成形型2が近赤外線の一部を吸収して温度上昇したためであると考える。
実施例1における、成形型内に熱可塑性樹脂の充填を行う前の樹脂成形装置を示す説明図。 実施例1における、樹脂固形体を成形型に設けた樹脂受入部内に落下させた状態の樹脂成形装置を示す説明図。 実施例1における、成形型内に熱可塑性樹脂の充填を行っている状態の樹脂成形装置を示す説明図。 実施例1における、樹脂固形体を示す斜視図。 実施例1において、横軸に波長(nm)をとり、縦軸に光の透過率(%)をとって、透明のシリコーンゴムと半透明のシリコーンゴムについての光の透過率を示すグラフ。 実施例2における、成形型内に熱可塑性樹脂の充填を行っている状態の樹脂成形装置を示す説明図。 確認試験1において用いた樹脂成形装置を示す説明図。
符号の説明
1 樹脂成形装置
2 成形型
21 キャビティ
22 樹脂受入部
3 熱可塑性樹脂
31 樹脂固形体
4 電磁波発生手段
5 フィルター
61 真空手段
62 圧力容器
7 加熱保持容器
73 外周ヒータ
74 内周ヒータ

Claims (19)

  1. ゴム製の成形型のキャビティ内を真空状態にする真空工程と、
    上記真空状態のキャビティ内に、溶融状態の熱可塑性樹脂を充填する充填工程と、
    上記キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却して樹脂成形品を得る冷却工程とを含み、
    上記充填工程においては、上記成形型を介して上記熱可塑性樹脂に波長が0.78〜2μmの電磁波を照射し、該熱可塑性樹脂を加熱することを特徴とする樹脂成形方法。
  2. ゴム製の成形型のキャビティ内を真空状態にする真空工程と、
    上記真空状態のキャビティ内に、溶融状態の熱可塑性樹脂を充填する充填工程と、
    上記キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却して樹脂成形品を得る冷却工程とを含み、
    上記充填工程においては、波長が0.78〜4μmの電磁波を出射する電磁波発生手段と、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させるフィルターとを用い、上記電磁波発生手段から出射させた上記電磁波を上記フィルターを透過させ、該フィルターを透過させた後の透過電磁波を、上記成形型を介して上記熱可塑性樹脂に照射して、該熱可塑性樹脂を加熱することを特徴とする樹脂成形方法。
  3. 請求項2において、上記フィルターは、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させる石英ガラスであることを特徴とする樹脂成形方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記充填工程においては、0.78〜2μmの波長領域に強度のピークを有する電磁波を用いることを特徴とする樹脂成形方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記充填工程においては、上記成形型よりも高い温度に上記熱可塑性樹脂を加熱することを特徴とする樹脂成形方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記充填工程においては、上記成形型に上記電磁波を照射することにより、上記キャビティ内における溶融状態の熱可塑性樹脂の粘度が5000Poise以上になることを防止することを特徴とする樹脂成形方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記成形型は、減圧及び増圧が可能な圧力容器内に配置しておき、
    上記真空工程においては、上記圧力容器内を減圧して、上記キャビティ内を真空状態にし、上記充填工程においては、上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を注入した後、上記圧力容器内を上記真空状態から増圧することを特徴とする樹脂成形方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において、上記キャビティ内に充填する前の上記熱可塑性樹脂は、上記キャビティを充填する容量以上に形成した樹脂固形体であり、
    上記キャビティ内には、上記樹脂固形体を溶融させた熱可塑性樹脂を、該熱可塑性樹脂の自重を利用して充填することを特徴とする樹脂成形方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項において、上記熱可塑性樹脂の吸光度は、上記ゴム製の成形型の吸光度よりも大きいことを特徴とする樹脂成形方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項において、上記熱可塑性樹脂は、非晶性熱可塑性樹脂であることを特徴とする樹脂成形方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項において、上記熱可塑性樹脂は、ゴム変性熱可塑性樹脂であることを特徴とする樹脂成形方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項において、上記成形型は、シリコーンゴムからなることを特徴とする樹脂成形方法。
  13. 熱可塑性樹脂を充填するためのキャビティを形成してなるゴム製の成形型と、
    上記キャビティ内を真空状態にする真空手段と、
    波長が0.78〜2μmの電磁波を出射する電磁波発生手段とを有しており、
    上記真空手段により真空状態にした上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を充填する際に、当該成形型を介して上記熱可塑性樹脂に上記電磁波を照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  14. 熱可塑性樹脂を充填するためのキャビティを形成してなるゴム製の成形型と、
    上記キャビティ内を真空状態にする真空手段と、
    波長が0.78〜4μmの電磁波を出射する電磁波発生手段と、
    該電磁波発生手段と上記成形型との間に配置し、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させるフィルターとを有しており、
    上記真空手段により真空状態にした上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を充填する際には、上記電磁波発生手段から出射させた上記電磁波を上記フィルターを透過させ、該フィルターを透過させた後の透過電磁波を、上記成形型を介して上記熱可塑性樹脂に照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  15. 請求項14において、上記フィルターは、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させる石英ガラスであることを特徴とする樹脂成形装置。
  16. 請求項13〜15のいずれか一項において、上記電磁波発生手段は、0.78〜2μmの波長領域に強度のピークを有する電磁波を出射するものであることを特徴とする樹脂成形装置。
  17. 請求項13〜16のいずれか一項において、上記成形型は、減圧及び増圧が可能な圧力容器内に配置してあり、
    該圧力容器内は、上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂の注入を行う前には上記真空手段により真空状態に減圧し、上記注入を行った後には大気圧以上の圧力状態に増圧するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  18. 請求項13〜17のいずれか一項において、上記キャビティ内に充填する前の上記熱可塑性樹脂は、上記キャビティを充填する容量以上に形成した樹脂固形体であり、
    上記樹脂成形装置は、上記樹脂固形体を保持して加熱する加熱保持容器を有しており、該加熱保持容器内から半溶融状態の樹脂固形体を上記キャビティの上部に設けた樹脂受入部内へ挿入配置するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  19. 請求項18において、上記樹脂固形体は、底部と該底部から環状に立設した側壁部とによる中空形状を有しており、
    上記加熱保持容器は、上記側壁部の外周を加熱する外周ヒータと、上記側壁部の内周を加熱する内周ヒータとを有していることを特徴とする樹脂成形装置。
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