JP4252586B2 - 樹脂成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂から樹脂成形品を得る樹脂成形装置に関する。
熱可塑性樹脂は、種々の成形方法によって成形され、成形品とした後使用されている。結晶性、非晶性、あるいは溶融粘度の高低に応じて、更に成形品の形状に応じて射出成形、ブロー成形、押し出し成形、プレス成形等種々の成形方法が実用化されている。
ところで、熱可塑性樹脂の種類、成形品の形状によっては、成形中に熱可塑性樹脂の温度が低下することにより溶融粘度が高くなり、目的とする成形品を得ることが困難となることがある。そのため、これを改良するため、成形品を成形する成形型(金型)をヒーター等によって加熱する方法が知られている。
また、例えば、特許文献1の樹脂成形方法においては、溶融した熱可塑性樹脂をシリコーンゴムで作製した成形型のキャビティ内に射出し、次いで、この熱可塑性樹脂を冷却して射出成形品を得る方法が開示されている。そして、表面精度、表面光沢が良好な樹脂成形品を簡便に作製することを目的として、シリコーンゴム製の成形型の組成に工夫を行っている。
しかしながら、上記従来の樹脂成形方法においては、特に熱可塑性樹脂を充填するキャビティの端部等においては、成形する熱可塑性樹脂の温度が下がり、この熱可塑性樹脂の粘度が上昇する場合がある。この場合には、成形型のキャビティ内において、熱可塑性樹脂の充填不良が生じるおそれがある。
また、特許文献1においては、シリコーンゴムの耐熱温度は、例えば200℃程度であり、樹脂の温度の低下を防ぐためにヒーター等の加熱温度を上げると、シリコーンゴム製の成形型が劣化し、この成形型により成形する成形品の表面外観が低下するおそれがある。
また、例えば、特許文献2の樹脂成形品の製造方法及びその装置においては、型枠に粒状あるいは粉状の金属骨材と熱可塑性樹脂とを投入して成形製品を得るに際し、金属骨材をスポット的に加熱することができる金属加熱手段を用いている。この製造方法においては、金属加熱手段から、マイクロ波あるいは電磁波等を型枠内の金属骨材に照射してこの金属骨材を発熱させ、この金属骨材の発熱を利用して型枠内の熱可塑性樹脂を軟化あるいは溶解させたのち、樹脂成形品を加圧成形している。
しかしながら、特許文献2の技術は、金属骨材を選択的に加熱する技術であり、熱可塑性樹脂自体を加熱することができる技術ではない。また、金属加熱手段によって、金属骨材の加熱を行う際には、型枠も同時に加熱されてしまう。そのため、型枠をあまり加熱することなく、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することはできない。
特開平7−178754号公報 特開平10−193370号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、ゴム製の成形型に対してキャビティ内の熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができ、良好な樹脂成形品を得ることができる樹脂成形装置を提供しようとするものである。
第1の発明は、熱可塑性樹脂を充填するためのキャビティを形成してなるゴム製の成形型と、
波長が0.78〜2μmの電磁波を出射する電磁波発生手段とを有しており、
上記キャビティは、複数の板形状空間を互いに交わるように連結した三次元形状の空間に形成してあり、上記各板形状空間には、その外形を形成する面方向と、該面方向に垂直な厚み方向とがあり、
上記電磁波発生手段は、上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を充填する際に、当該成形型を介して上記熱可塑性樹脂に上記電磁波を照射すると共に、上記各板形状空間における上記面方向に対して傾斜する方向又は垂直な方向から上記電磁波を照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置にある(請求項1)。
本発明の樹脂成形装置は、ゴム製の成形型を用いて、熱可塑性樹脂からなる樹脂成形品を成形する装置であり、成形型に対して、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる装置である。すなわち、本発明の樹脂成形装置は、上記ゴム製の成形型と、上記ピーク波長が0.78〜2μmの電磁波(以下、近赤外線という場合がある。)を照射する電磁波発生手段とを有している。
そして、ゴム製の成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を充填する際には、電磁波発生手段により、成形型を介して熱可塑性樹脂に上記近赤外線を照射する。このとき、成形型を構成するゴムと熱可塑性樹脂との物性の違いにより、ゴム製の成形型に比べて、熱可塑性樹脂を大きく加熱することができる。これにより、キャビティ内への熱可塑性樹脂の充填が完了するまでの間において、成形型の温度よりも、キャビティ内における熱可塑性樹脂の温度を高く維持することができる。
さらに、本発明の成形型のキャビティは、単純な平面状の空間に形成してあるのではなく、上記面方向と上記厚み方向とを有する複数の板形状空間を交錯させて連結した三次元形状の空間に形成してある。そして、電磁波発生手段による近赤外線を照射するに当たり、この近赤外線を、板形状空間における面方向に対して平行な方向から照射すると、板形状空間における面方向の奥側(電磁波発生手段から離れた側)に上記近赤外線が照射されないおそれがある。
これに対し、本発明においては、キャビティ内に熱可塑性樹脂を充填する際には、電磁波発生手段により、各板形状空間における面方向に対して傾斜する方向又は垂直な方向から上記近赤外線を照射する。これにより、キャビティを形成するすべての板形状空間の全体に、近赤外線を照射することができる。そのため、キャビティの全体における熱可塑性樹脂の温度を高く維持することができる。
それ故、本発明の樹脂成形装置によれば、ゴム製の成形型に対してキャビティ内の熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができ、キャビティ内に熱可塑性樹脂の充填不良が生じることを防止して、良好な樹脂成形品を得ることができる。
また、上記近赤外線により、上記ゴム製の成形型に比べて、上記熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる理由としては、以下のように考える。
すなわち、ゴム製の成形型の表面に照射された上記近赤外線は、成形型の表面を反射又は成形型を透過する割合が多いのに対し、熱可塑性樹脂に吸収される割合が多いと考える。そのため、近赤外線による光のエネルギーが熱可塑性樹脂に優先的に吸収されて、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができると考える。
第2の発明は、熱可塑性樹脂を充填するためのキャビティを形成してなるゴム製の成形型と、
波長が0.78〜4μmの電磁波を出射する電磁波発生手段と、
該電磁波発生手段と上記成形型との間に配置し、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させるフィルターとを有しており、
上記キャビティは、複数の板形状空間を互いに交わるように連結した三次元形状の空間に形成してあり、上記各板形状空間には、その外形を形成する面方向と、該面方向に垂直な厚み方向とがあり、
上記電磁波発生手段は、上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を充填する際に、当該成形型を介して上記熱可塑性樹脂に上記フィルターを透過させた後の透過電磁波を照射すると共に、上記各板形状空間における上記面方向に対して傾斜する方向又は垂直な方向から上記透過電磁波を照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置にある(請求項2)。
本発明の樹脂成形装置も、ゴム製の成形型を用いて、熱可塑性樹脂からなる樹脂成形品を成形する装置であり、成形型に対して、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる装置である。すなわち、本発明の樹脂成形装置は、上記ゴム製の成形型と、上記波長が0.78〜4μmの電磁波を出射する電磁波発生手段と、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させるフィルターとを有している。
そして、ゴム製の成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を充填する際には、電磁波発生手段から波長が0.78〜4μmの電磁波を出射し、フィルターを透過させた後の透過電磁波を、成形型を介して熱可塑性樹脂に照射する。このとき、成形型を構成するゴムと熱可塑性樹脂との物性の違いにより、ゴム製の成形型に比べて、熱可塑性樹脂を大きく加熱することができる。これにより、キャビティ内への熱可塑性樹脂の充填が完了するまでの間において、成形型の温度よりも、キャビティ内における熱可塑性樹脂の温度を高く維持することができる。
また、上記電磁波発生手段から出射された電磁波の中には、波長が2μmを超える電磁波も含まれているが、フィルターにより、波長が2μmを超える電磁波は、成形型にできるだけ照射させないようにすることができる。これにより、成形型のキャビティ内に充填された熱可塑性樹脂には、波長が2μm以下の近赤外線を効果的に照射させることができる。そのため、波長が2μm以下の近赤外線により、成形型をあまり加熱することなく、熱可塑性樹脂を効果的に加熱することができる。
さらに、本発明の成形型のキャビティも、単純な平面状の空間に形成してあるのではなく、上記面方向と上記厚み方向とを有する複数の板形状空間を交錯させて連結した三次元形状の空間に形成してある。そして、本発明においても、キャビティ内に熱可塑性樹脂を充填する際には、電磁波発生手段により、各板形状空間における面方向に対して傾斜する方向又は垂直な方向から上記近赤外線を照射する。これにより、キャビティを形成するすべての板形状空間の全体に、波長が2μm以下の近赤外線を効果的に照射することができる。そのため、キャビティの全体における熱可塑性樹脂の温度を高く維持することができる。
それ故、本発明の樹脂成形装置によっても、ゴム製の成形型に対してキャビティ内の熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができ、キャビティ内に熱可塑性樹脂の充填不良が生じることを防止して、良好な樹脂成形品を得ることができる。
なお、上記波長が2μm以下の近赤外線により、上記ゴム製の成形型に比べて、上記熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる理由としては、上記第1の発明と同様に考える。
第3の発明は、熱可塑性樹脂を充填するためのキャビティを形成してなるゴム製の成形型と、
波長が0.01〜100mの電磁波を出射する電磁波発生手段とを有しており、
上記キャビティは、複数の板形状空間を互いに交わるように連結した三次元形状の空間に形成してあり、上記各板形状空間には、その外形を形成する面方向と、該面方向に垂直な厚み方向とがあり、
上記電磁波発生手段は、上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を充填する際に、当該成形型を介して上記熱可塑性樹脂に上記電磁波を照射すると共に、上記各板形状空間における上記面方向に対して傾斜する方向又は垂直な方向から上記電磁波を照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置にある(請求項3)。
本発明の樹脂成形装置も、ゴム製の成形型を用いて、熱可塑性樹脂からなる樹脂成形品を成形する装置であり、成形型に対して、熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる装置である。すなわち、本発明の樹脂成形装置は、上記ゴム製の成形型と、上記波長が0.01〜100mの電磁波(以下、マイクロ波又は高周波という。)を照射する電磁波発生手段とを有している。
そして、ゴム製の成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を充填する際には、電磁波発生手段により、成形型を介して熱可塑性樹脂に上記マイクロ波又は高周波を照射する。このとき、成形型を構成するゴムと熱可塑性樹脂との物性の違いにより、ゴム製の成形型に比べて、熱可塑性樹脂を大きく加熱することができる。これにより、キャビティ内への熱可塑性樹脂の充填が完了するまでの間において、成形型の温度よりも、キャビティ内における熱可塑性樹脂の温度を高く維持することができる。
さらに、本発明の成形型のキャビティも、単純な平面状の空間に形成してあるのではなく、上記面方向と上記厚み方向とを有する複数の板形状空間を交錯させて連結した三次元形状の空間に形成してある。そして、本発明においても、キャビティ内に熱可塑性樹脂を充填する際には、電磁波発生手段により、各板形状空間における面方向に対して傾斜する方向又は垂直な方向から上記マイクロ波又は高周波を照射する。これにより、キャビティを形成するすべての板形状空間の全体に、上記マイクロ波又は高周波を照射することができる。そのため、キャビティの全体における熱可塑性樹脂の温度を高く維持することができる。
それ故、本発明の樹脂成形装置によっても、ゴム製の成形型に対してキャビティ内の熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができ、キャビティ内に熱可塑性樹脂の充填不良が生じることを防止して、良好な樹脂成形品を得ることができる。
また、上記マイクロ波又は高周波により、上記ゴム製の成形型に比べて、上記熱可塑性樹脂を選択的に加熱することができる理由としては、以下のように考える。
すなわち、ゴム製の成形型の表面に上記マイクロ波又は高周波が照射されたときには、成形型及び熱可塑性樹脂には誘電加熱が行われ、これらにおいて生ずる誘電体損失によって、成形型及び熱可塑性樹脂が発熱して加熱される。そして、熱可塑性樹脂における誘電体損失が、ゴム製の成形型における誘電体損失よりも大きいことによって、熱可塑性樹脂を選択的(優先的)に加熱することができると考える。
上述した第1〜第3の発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第1〜第3の発明において、上記各板形状空間における上記面方向に対して傾斜する方向又は垂直な方向から上記電磁波を照射するとは、上記複数の板形状空間のうち、いずれかの板形状空間における面方向は、電磁波の照射方向に対して垂直な状態にあってもよいものの、残りの板形状空間における面方向は、電磁波の照射方向に対して傾斜する状態にあることをいう。
また、上記板形状空間は、平板状、曲板状の種々の形状に形成することができる。また、板形状空間の一部には、種々の突起状空間等が形成されていてもよい。
上記第1、第2の発明において、上記成形型を介して上記熱可塑性樹脂に照射する電磁波としては、波長が0.78〜2μmの領域の電磁波だけでなく、これ以外の領域の電磁波も含まれていてもよい。この場合において、成形型を介して熱可塑性樹脂に照射する電磁波又は透過電磁波は、波長が0.78〜2μmの領域の電磁波を、これ以外の領域の電磁波よりも多く含むことが好ましい。
また、上記第1〜第3の発明において、上記電磁波発生手段等の電磁波発生源は、1個だけではなく、複数個用いることができる。また、上記成形型には、一方向からだけではなく、多方向から上記電磁波を照射させることができる。
また、上記第1、第2の発明において、上記電磁波発生手段は、0.78〜2μmの波長領域に強度のピークを有する電磁波を出射するものとすることが好ましい(請求項4)。この場合には、上記熱可塑性樹脂を一層効果的に加熱することができる。
また、上記第1〜第3の発明において、上記樹脂成形装置は、上記キャビティ内を真空状態にする真空手段を有しており、該真空手段により真空状態にした上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を充填するよう構成することが好ましい(請求項5)。この場合には、真空状態にしたキャビティ内に熱可塑性樹脂を充填することにより、この熱可塑性樹脂をキャビティの全体に一層容易に行き渡らせることができる。
ここで、真空状態とは、絶対真空の状態のみを意味するのではなく、熱可塑性樹脂の充填が可能であれば、減圧状態も含めて真空状態という。
また、上記真空手段は、上記成形型を収容する圧力容器と、該圧力容器内の真空引きを行う真空ポンプとを有しており、上記成形型は、上記圧力容器内における載置台上に載置するよう構成し、上記成形型は、上記各板形状空間における上記面方向が上記電磁波発生手段による上記電磁波の照射方向に対して傾斜する状態又は垂直な状態を形成して、上記載置台上に載置するよう構成することが好ましい(請求項6)。
この場合には、電磁波発生手段により、各板形状空間における面方向に対して傾斜する方向又は垂直な方向から電磁波を照射する状態を容易に形成することができる。
また、真空手段を備えた樹脂成形装置を容易に構成することができ、載置台上に載置する成形型を取り替えることにより、種々の成形型において、種々の形状を有する樹脂成形品を成形することができる。
また、電磁波発生手段は、圧力容器の外部又は内部のいずれに配設することもできる。
また、上記電磁波発生手段は、上記圧力容器の外部における側方に配設してあり、上記圧力容器に形成した透明窓部を介して、上記成形型へ上記電磁波を照射するよう構成することができる(請求項7)。この場合には、電磁波発生手段の配設が容易であり、圧力容器をコンパクトに形成することができる。
また、上記成形型は、上記圧力容器内における載置台上に対面させる載置基準面を有しており、上記各板形状空間における上記面方向は、上記載置基準面に対して傾斜する状態又は垂直な状態に形成することができる(請求項8)。この場合には、成形型におけるキャビティを載置基準面に対して傾斜して形成することにより、各板形状空間における面方向に対して傾斜する方向から電磁波を照射する状態を容易に形成することができる。
また、上記電磁波発生手段は、上記載置台に載置した上記成形型の斜め側方から上記電磁波を照射するよう構成することができる(請求項9)。この場合には、電磁波発生手段による電磁波の照射方向を成形型に対して傾斜させることにより、各板形状空間における面方向に対して傾斜する方向から電磁波を照射する状態を容易に形成することができる。
また、上記載置台上に載置した上記成形型と、上記電磁波発生手段とを相対的に移動させて、上記各板形状空間における上記面方向に対して傾斜する方向から上記電磁波を照射するよう構成することもできる(請求項10)。この場合には、圧力容器内における載置台又は電磁波発生手段の少なくとも一方を、移動可能に構成することにより、各板形状空間における面方向に対して傾斜する方向から電磁波を照射する状態を容易に形成することができる。
また、上記電磁波発生手段は、上記載置台上に載置した上記成形型に対する上記電磁波の照射方向を変化させるよう構成することができる(請求項11)。この場合には、各板形状空間における面方向に対して傾斜する方向から電磁波を照射する状態を一層容易に形成することができる。
以下に、本発明の樹脂成形装置にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
(実施例1)
本例の樹脂成形装置1は、図1、図2に示すごとく、熱可塑性樹脂3を充填するためのキャビティ21を形成してなるゴム製の成形型2と、0.78〜2μmの波長領域に強度のピークを有する電磁波を出射する電磁波発生手段4と、この電磁波発生手段4と成形型2との間に配置し、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させるフィルター5と、キャビティ21内を真空状態にする真空手段6とを有している。
図1、図3に示すごとく、本例のキャビティ21は、複数の板形状空間211を交錯させて連結した三次元形状の空間に形成してあり、各板形状空間211には、その外形を形成する面方向sと、この面方向sに垂直な厚み方向tとがある。そして、電磁波発生手段4は、キャビティ21内に熱可塑性樹脂3を充填する際に、当該成形型2を介して熱可塑性樹脂3にフィルター5を透過させた後の透過電磁波を照射すると共に、各板形状空間211における面方向sに対して傾斜する方向から上記透過電磁波を照射するよう構成してある。なお、図1、図3において、電磁波の照射方向をXで示す。また、図3は、成形型2におけるキャビティ21の形成状態を説明する図である。
以下に、本例の樹脂成形装置1につき、図1〜図6と共に詳説する。
本例においては、熱可塑性樹脂3として、非晶性熱可塑性樹脂であると共にゴム変性熱可塑性樹脂であるABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)を用いる。
また、本例の成形型2は、シリコーンゴムからなり、このシリコーンゴムの硬度は、JIS−A規格測定において25〜80とした。この成形型2は、成形する樹脂成形品のマスターモデル(手作りの現物等)を液状のシリコーンゴム内に配置し、このシリコーンゴムを硬化させ、硬化後のシリコーンゴムからマスターモデルを取り出すことによって作製することができる。
また、波長が0.78〜2μmの電磁波(光)(以下に、近赤外線ということがある。)に対する吸光度(特定の波長の光に対する吸収強度を示す尺度)は、熱可塑性樹脂3として用いるABS樹脂の方が、ゴム製の成形型2として用いるシリコーンゴムよりも大きくなっている。
図1に示すごとく、本例の電磁波発生手段4は、電磁波(光)の発生源41と、この発生源41による電磁波を成形型2の方向へ導くリフレクタ42(反射板)とを有している。リフレクタ42は、電磁波の発生源41の後方(成形型2の配設方向とは反対側の方向)に配設してあり、曲面状の反射面421を有している。本例の電磁波発生手段4は、リフレクタ42により、電磁波の発生源41から出射された電磁波のほとんどを、成形型2及び圧力容器61の方向へ導くよう構成してある。
また、本例の電磁波発生手段4としては、近赤外線ハロゲンヒータを用い、電磁波の発生源41として、近赤外線領域内の約1.2μmの付近に光強度のピークを有する近赤外線ハロゲンランプを用いた。
また、本例の樹脂成形装置1においては、溶融した状態の熱可塑性樹脂3を成形型2のキャビティ21内に注入し、成形型2に上記近赤外線を照射することにより、上記溶融した状態の熱可塑性樹脂3の粘度が5000Poise以上になることを防止して、樹脂成形品を得る。
図2に示すごとく、本例の真空手段6は、成形型2を収容する圧力容器61と、この圧力容器61内の真空引きを行う真空ポンプ62とを有している。圧力容器61内には、成形型2を載置するための載置台611が配設してあり、この載置台611は、昇降可能に構成してあり、成形型2の載置高さを調整することができるよう構成してある。また、載置台611における載置面612は、水平方向に形成してあり、成形型2を鉛直方向に支持するよう構成してある。
同図に示すごとく、本例の電磁波発生手段4は、圧力容器61の外部における側方に配設してある。圧力容器61において電磁波発生手段4と対向する部位(本例では圧力容器61の側部)には、電磁波発生手段4から出射した電磁波を圧力容器61内へ通過させるための透明窓部613が形成してある。そして、電磁波発生手段4から出射された電磁波は、透明窓部613を介して成形型2へ照射される。この透明窓部613は、圧力容器61の側方の両面に形成してあり、電磁波発生手段4は、圧力容器61の側方の両面に対向して配設してある。
本例においては、この圧力容器61における透明窓部613を上記フィルター5によって構成している。本例のフィルター5は、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させる石英ガラスである。
図2に示すごとく、本例の成形型2は、圧力容器61内における載置台611上に対面させる載置基準面201を有している。また、成形型2は、直方体形状を有しており、一対のゴム型部25同士の間に、熱可塑性樹脂3を充填するためのキャビティ21を形成してなる。
また、図3に示すごとく、キャビティ21のすべての板形状空間211における面方向sは、載置基準面201に対して傾斜する状態に形成してある。本例の板形状空間211は、キャビティ21における最も大きな外形を形成するメイン板形状空間212と、このメイン板形状空間212と交錯する方向に形成した複数のサブ板形状空間213とを有している。本例の複数のサブ板形状空間213は、メイン板形状空間212に直交して連結してある。
また、図3に示すごとく、メイン板形状空間212は、成形型2の載置基準面201に直交する側面202に対して、45°以内の傾斜角度θ1(より具体的には1〜30°の範囲内の傾斜角度)を有して形成してあり、各サブ板形状空間213は、成形型2の載置基準面201に対して、45°以内の傾斜角度θ2(より具体的には1〜30°の範囲内の傾斜角度)を有して形成してある。
また、図4に示すごとく、上記各板形状空間211において、上記厚み方向tの厚み寸法は、上記面方向sにおける最小寸法よりも小さな寸法に形成してある。
また、本例のサブ板形状空間213は、メイン板形状空間212の面方向sに対して、複数の方向に面方向sを向けて形成してある。本例においては、メイン板形状空間212の面方向sにおける縦方向dに、厚み方向tを向けてメイン板形状空間212から立設した第1サブ板形状空間213Aと、メイン板形状空間212の面方向sにおける横方向wに、厚み方向tを向けてメイン板形状空間212から立設した第2サブ板形状空間213Bとが形成されている。なお、図4は、成形型2におけるキャビティ21の形成状態を説明する斜視図である。
同図に示すごとく、本例のキャビティ21は、そのメイン板形状空間212を、載置基準面201(又は側面202)に対して複数の方向に傾斜させて形成してある。本例においては、メイン板形状空間212の面方向sは、2つの方向、すなわち水平方向を中心に回転させる方向C1と、鉛直方向を中心に回転させる方向C2とに傾けて形成してある。これに伴い、各サブ板形状空間213の面方向sも2つの方向に傾いて形成されている。
また、上記マスターモデルを斜めに傾けた状態で液状のシリコーンゴム内に配置して、このシリコーンゴムを硬化させることにより、容易に、載置基準面201に対して傾斜するキャビティ21を形成することができる。
図1、図3に示すごとく、本例の電磁波発生手段4は、電磁波の照射方向Xが、圧力容器61及び成形型2に対する水平方向になるよう設定してある。
本例のキャビティ21は、メイン板形状空間212の面方向sを、電磁波発生手段4による電磁波の照射方向Xに傾斜させて形成してある。これにより、複数のサブ板形状空間213の面方向sも、上記照射方向Xに傾斜して形成してある。
こうして、本例の成形型2は、そのキャビティ21を載置基準面201に対して傾斜して形成してあり、各板形状空間211における面方向sが、上記照射方向Xに対して傾斜する状態を形成して、載置台611上に載置される。
また、図1、図3に示すごとく、成形型2の上面側(載置基準面201とは反対側)には、キャビティ21内へ溶融状態の熱可塑性樹脂3を注入するための注入部22が形成してある。本例の注入部22は、上記サブ板形状空間213に連通して形成してある。
本例の成形型2は、ゴム製であるため、成形後の樹脂成形品にいわゆるアンダーカット部(成形後の樹脂成形品をキャビティ21内から取り出す際に成形型2に干渉する部分)が形成された場合でも、このアンダーカット部を弾性変形させながら成形後の樹脂成形品を取り出すことができる。そのため、ゴム型部25同士が合わさって形成されるパーティングラインを任意に設定することができる。図5には、成形型2において、パーティングラインLの形成位置を一対のゴム型部25の側面方向における中間位置にした成形型2を示す。
また、同様の理由により、一対のゴム型部25の型開き方向(開閉方向)を任意に設定することもできる。
次に、上記樹脂成形装置1を用いて、樹脂成形品を成形する方法につき詳説する。
本例においては、以下の真空工程、充填工程及び冷却取出工程を行って、熱可塑性樹脂3から樹脂成形品を得る。
樹脂成形品を成形するに当たっては、まず、図2に示すごとく、真空工程として、上記真空手段6によって上記圧力容器61内の真空引きを行い、ゴム製の成形型2のキャビティ21内を真空状態にする。
次いで、図2に示すごとく、充填工程として、上記成形型2の注入部22から溶融状態の熱可塑性樹脂3を、キャビティ21内へ注入する。
そして、キャビティ21内に熱可塑性樹脂3を注入した後には、真空手段6による真空引きを停止すると共に、圧力容器61を大気に開放して、圧力容器61内を大気圧状態にする。これにより、キャビティ21内に注入した熱可塑性樹脂3をキャビティ21の各板形状空間211の全体に十分に行き渡らせる。
そして、本例においては、上記充填工程を行う際には、上記電磁波発生手段4から成形型2の表面に、0.78〜2μmの波長領域に強度のピークを有する近赤外線を照射する。このとき、本例の成形型2においては、電磁波発生手段4により、各板形状空間211における面方向sに対して傾斜する方向から上記近赤外線が照射される。
こうして、注入部22からキャビティ21内へ流下する熱可塑性樹脂3は、近赤外線によって、温度が低下することが抑制される。
また、キャビティ21内を流動する熱可塑性樹脂3には、成形型2を介して近赤外線が照射される。そして、溶融状態の熱可塑性樹脂3は、近赤外線が照射されることによって、粘度が5000Poise以上になることが防止される。
また、キャビティ21内に熱可塑性樹脂3を充填する際には、成形型2を構成するゴムと熱可塑性樹脂3との物性の違いにより、ゴム製の成形型2に比べて、熱可塑性樹脂3を大きく加熱することができる。そして、ゴム製の成形型2よりも高い温度に熱可塑性樹脂3を加熱することができる。
これにより、上記キャビティ21内への熱可塑性樹脂3の充填が完了するまでの間において、成形型2の温度よりも、キャビティ21内における熱可塑性樹脂3の温度を高く維持することができる。また、キャビティ21内が真空状態になっていることにより、熱可塑性樹脂3をキャビティ21の全体に十分に行き渡らせることができる。
その後、冷却取出工程として、キャビティ21内の熱可塑性樹脂3を冷却して樹脂成形品を成形した後、成形型2を開いて、キャビティ21内から成形後の樹脂成形品を取り出す。
また、本例においては、成形した樹脂成形品は、成形型2のキャビティ21内において空冷することにより冷却した後、このキャビティ21内から取り出す。このとき、上記のごとく熱可塑性樹脂3を選択的に加熱できることにより、成形型2の温度は、熱可塑性樹脂3の温度よりも低く維持することができる。そのため、樹脂成形品を冷却するために要する冷却時間を短縮することができる。
また、成形型2の温度を低く維持できることにより、成形型2の劣化を抑制することができ、成形型2の耐久性を向上させることができる。
また、電磁波発生手段4から出射された電磁波の中には、波長が2μmを超える電磁波も含まれているが、上記フィルター5により、波長が2μmを超える電磁波は、成形型2にできるだけ照射させないようにすることができる。これにより、成形型2のキャビティ21内に充填された熱可塑性樹脂3には、波長が2μm以下の近赤外線を効果的に照射させることができる。そのため、波長が2μm以下の近赤外線により、成形型2をあまり加熱することなく、熱可塑性樹脂3を効果的に加熱することができる。
さらに、本例の成形型2のキャビティ21は、単純な平面状の空間に形成してあるのではなく、上記面方向sと上記厚み方向tとを有する複数の板形状空間211を交錯させて連結した三次元形状の空間に形成してある。そして、本例においては、キャビティ21内に熱可塑性樹脂3を充填する際には、電磁波発生手段4により、各板形状空間211における面方向sに対して傾斜する方向から上記近赤外線を照射する。これにより、キャビティ21を形成するすべての板形状空間211の全体に、波長が2μm以下の近赤外線を効果的に照射することができる。そのため、キャビティ21の全体における熱可塑性樹脂3の温度を高く維持することができる。
なお、本例においては、熱可塑性樹脂3としてABS樹脂を用いた。熱可塑性樹脂3としては、これ以外にも、上記成形型2の表面に上記近赤外線を照射したときに、成形型2内に吸収されずに透過した近赤外線を吸収することができる熱可塑性樹脂3を用いることができる。
図6は、透明のシリコーンゴムと半透明のシリコーンゴムについて、横軸に波長(nm)をとり、縦軸に光の透過率(%)をとって、各シリコーンゴムにおける光の透過率を示すグラフである。同図において、各シリコーンゴムは、200〜2200(nm)の間の波長の光を透過させることがわかる。そのため、この波長の領域にある近赤外線をシリコーンゴム製の成形型2の表面に照射すると、当該近赤外線の多くを、成形型2を透過させて熱可塑性樹脂3に吸収させることができる。
それ故、本例の樹脂成形装置1によれば、ゴム製の成形型2に対してキャビティ21内の熱可塑性樹脂3を選択的に加熱することができ、キャビティ21内に熱可塑性樹脂3を十分に行き渡らせることができる。これにより、表面外観等に優れた良好な樹脂成形品を成形することができる。
また、本例の樹脂成形装置1においては、成形型2のキャビティ21内に熱可塑性樹脂3を充填する際には、熱可塑性樹脂3の自重を利用して、充填を行うことができる。そのため、熱可塑性樹脂3に大きな圧力が加わることがなく、成形した樹脂成形品において、残留歪がほとんど発生しない。そのため、樹脂成形品の耐薬品性、耐熱性等の特性を著しく向上させることができる。
なお、図示は省略するが、上記電磁波発生手段4としては、波長が0.01〜100mの電磁波(マイクロ波又は高周波)を照射するものを用いることもできる。この場合においても、成形型2に対して、熱可塑性樹脂3を選択的に加熱することができ、上記と同様の作用効果を得ることができる。
また、この場合において、ABS樹脂からなる熱可塑性樹脂3の誘電力率(tanδ)は、シリコーンゴムからなる成形型2の誘電力率(tanδ)よりも大きい。これにより、マイクロ波又は高周波の照射により、成形型2及び熱可塑性樹脂3に誘電加熱を行う際に、誘電体損失を示す誘電力率が、成形型2に比べて熱可塑性樹脂3の方が大きいことにより、熱可塑性樹脂3を容易に選択的に加熱することができる。
(実施例2)
本例は、電磁波発生手段4による電磁波の照射方向Xを、成形型2のキャビティ21の各板形状空間211における面方向sに対して傾斜する方向から照射するよう構成した種々の具体例を示す。
具体例の1つとして、図7に示すごとく、電磁波発生手段4は、載置台611に載置した成形型2の斜め側方から電磁波を照射するよう構成することができる。本例においては、圧力容器61の側方の両面から電磁波を出射する電磁波発生手段4において、電磁波の発生源41及びリフレクタ42による電磁波の照射方向Xを、圧力容器61の側方における透明窓部613に対して傾斜させた。この場合には、電磁波発生手段4による電磁波の照射方向Xを成形型2に対して傾斜させることにより、各板形状空間211における面方向sに対して傾斜する方向から電磁波を照射する状態を容易に形成することができる。
また、図8に示すごとく、樹脂成形装置1において、電磁波発生手段4は複数台用いることもでき、複数台の電磁波発生手段4における電磁波の発生源41及びリフレクタ42による電磁波の照射方向Xを互いに異ならせることもできる。この場合には、複数台の電磁波発生手段4により、成形型2に対して複数の方向から電磁波を照射することができ、成形型2のキャビティ21における全体の板形状空間211に向けて一層容易に電磁波を到達させることができる。
また、他の具体例として、載置台611上に載置した成形型2と、電磁波発生手段4とを相対的に移動させて、各板形状空間211における面方向sに対して傾斜する方向から電磁波を照射するよう構成することもできる。より具体的には、図9に示すごとく、圧力容器61の外部の側方の両面に対向配設した電磁波発生手段4による電磁波の照射方向Xを変更可能な状態に形成することができる。
この場合において、電磁波発生手段4は、電磁波の発生源41とリフレクタ42とを一体的に回動動作可能に構成することができ、また、リフレクタ42のみを回動動作可能に構成することもできる。この場合には、電磁波の照射方向Xを任意に変化させることができ、成形型2のキャビティ21における全体の板形状空間211に向けて一層容易に電磁波を到達させることができる。
本例においても、その他の構成は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
実施例1における、成形型のキャビティに熱可塑性樹脂を充填した状態の樹脂成形装置を示す断面説明図。 実施例1における、成形型のキャビティに熱可塑性樹脂を充填する前の状態の樹脂成形装置を示す断面説明図。 実施例1における、成形型におけるキャビティの形成状態を示す説明図。 実施例1における、成形型におけるキャビティの形成状態を示す斜視説明図。 実施例1における、パーティングラインの異なる他の成形型を、開いた状態で示す説明図。 実施例1において、横軸に波長(nm)をとり、縦軸に光の透過率(%)をとって、透明のシリコーンゴムと半透明のシリコーンゴムについての光の透過率を示すグラフ。 実施例2における、樹脂成形装置を示す断面説明図。 実施例2における、他の樹脂成形装置を示す断面説明図。 実施例2における、他の樹脂成形装置を示す断面説明図。
符号の説明
1 樹脂成形装置
2 成形型
201 載置基準面
21 キャビティ
211 板形状空間
3 熱可塑性樹脂
4 電磁波発生手段
5 フィルター
6 真空手段
61 圧力容器
611 載置台
613 透明窓部
62 真空ポンプ
s 面方向
t 厚み方向
X 照射方向

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂を充填するためのキャビティを形成してなるゴム製の成形型と、
    波長が0.78〜2μmの電磁波を出射する電磁波発生手段とを有しており、
    上記キャビティは、複数の板形状空間を互いに交わるように連結した三次元形状の空間に形成してあり、上記各板形状空間には、その外形を形成する面方向と、該面方向に垂直な厚み方向とがあり、
    上記電磁波発生手段は、上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を充填する際に、当該成形型を介して上記熱可塑性樹脂に上記電磁波を照射すると共に、上記各板形状空間における上記面方向に対して傾斜する方向又は垂直な方向から上記電磁波を照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  2. 熱可塑性樹脂を充填するためのキャビティを形成してなるゴム製の成形型と、
    波長が0.78〜4μmの電磁波を出射する電磁波発生手段と、
    該電磁波発生手段と上記成形型との間に配置し、波長が2μmを超える電磁波の透過量を減少させるフィルターとを有しており、
    上記キャビティは、複数の板形状空間を互いに交わるように連結した三次元形状の空間に形成してあり、上記各板形状空間には、その外形を形成する面方向と、該面方向に垂直な厚み方向とがあり、
    上記電磁波発生手段は、上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を充填する際に、当該成形型を介して上記熱可塑性樹脂に上記フィルターを透過させた後の透過電磁波を照射すると共に、上記各板形状空間における上記面方向に対して傾斜する方向又は垂直な方向から上記透過電磁波を照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  3. 熱可塑性樹脂を充填するためのキャビティを形成してなるゴム製の成形型と、
    波長が0.01〜100mの電磁波を出射する電磁波発生手段とを有しており、
    上記キャビティは、複数の板形状空間を互いに交わるように連結した三次元形状の空間に形成してあり、上記各板形状空間には、その外形を形成する面方向と、該面方向に垂直な厚み方向とがあり、
    上記電磁波発生手段は、上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を充填する際に、当該成形型を介して上記熱可塑性樹脂に上記電磁波を照射すると共に、上記各板形状空間における上記面方向に対して傾斜する方向又は垂直な方向から上記電磁波を照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  4. 請求項1又は2において、上記電磁波発生手段は、0.78〜2μmの波長領域に強度のピークを有する電磁波を出射するものであることを特徴とする樹脂成形装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記樹脂成形装置は、上記キャビティ内を真空状態にする真空手段を有しており、該真空手段により真空状態にした上記キャビティ内に上記熱可塑性樹脂を充填するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  6. 請求項5において、上記真空手段は、上記成形型を収容する圧力容器と、該圧力容器内の真空引きを行う真空ポンプとを有しており、
    上記成形型は、上記圧力容器内における載置台上に載置するよう構成してあり、
    上記成形型は、上記各板形状空間における上記面方向が上記電磁波発生手段による上記電磁波の照射方向に対して傾斜する状態又は垂直な状態を形成して、上記載置台上に載置するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  7. 請求項6において、上記電磁波発生手段は、上記圧力容器の外部における側方に配設してあり、上記圧力容器に形成した透明窓部を介して、上記成形型へ上記電磁波を照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  8. 請求項6又は7において、上記成形型は、上記圧力容器内における載置台上に対面させる載置基準面を有しており、
    上記各板形状空間における上記面方向は、上記載置基準面に対して傾斜する状態又は垂直な状態に形成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項において、上記電磁波発生手段は、上記載置台に載置した上記成形型の斜め側方から上記電磁波を照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  10. 請求項6〜9のいずれか一項において、上記載置台上に載置した上記成形型と、上記電磁波発生手段とを相対的に移動させて、上記各板形状空間における上記面方向に対して傾斜する方向から上記電磁波を照射するよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
  11. 請求項10において、上記電磁波発生手段は、上記載置台上に載置した上記成形型に対する上記電磁波の照射方向を変化させるよう構成してあることを特徴とする樹脂成形装置。
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