JP2007216396A - ノズルプレート、ノズルプレート製造方法及び液体吐出ヘッド - Google Patents

ノズルプレート、ノズルプレート製造方法及び液体吐出ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】微小なノズルから正確で安定した液体の吐出が可能なフラットな吐出面を有するノズルプレート製造方法、この製造方法により製造されるノズルプレート及びこのノズルプレートを有する液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】吐出孔から液体が液滴として吐出されるノズルを有し液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレートにおいて、フラットな第1の面に吐出孔となる一方の開口を持つノズルの小径部を有するSiO2層と、小径部の他方の開口に通じ第1の面の反対の第2の面に開口を持つ小径部の径より大きい径であるノズルの大径部を有するSiO2板と、が積層されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノズルプレート、ノズルプレート製造方法及び液体吐出ヘッドに関する。
近年、インクジェット記録方法での画質の高精細化の進展および工業用途における適用範囲の拡大に伴い、微細パターン形成および高粘度のインク吐出の要請がますます強まっている。これらの課題を従来のインクジェット記録方法で解決しようとすると、ノズルの微小化や高粘度のインク吐出による液吐出力の向上を図る必要が生じ、それに伴ってインクの吐出のための駆動電圧が高くなり、ヘッドや装置のコストが非常に高価になってしまうため、実用に適う装置は実現されていない。
そこで、上記の要請に応え、微小なノズルから低粘度のみならず高粘度の液滴を吐出させる技術として、ノズル内の液体を帯電させ、ノズルと液滴の着弾を受ける対象物となる各種の基材との間に形成される電界から受ける静電吸引力により吐出させるいわゆる静電吸引方式の液滴吐出技術が知られている(特許文献1参照)。
しかし、静電吸引方式の液滴吐出技術において液滴吐出面がフラットな液体吐出ヘッドを用いる場合、ノズル内の液体や吐出孔部分のメニスカスへの電界集中の程度が小さく、必要な静電吸引力を得るために液体吐出ヘッドと基材との間に印加する電圧として非常に高い電圧を印加する必要があった。
そこで、この液滴吐出技術と、ピエゾ素子の変形や液体内部での気泡の発生による圧力を利用して液滴を吐出する技術とを組み合わせた、いわゆる電界アシスト法を用いた液滴吐出装置の開発が進んでいる(例えば、特許文献2〜5参照)。この電界アシスト法は、圧力発生手段と静電吸引力を用いてノズルの吐出孔に液体のメニスカスを隆起させることにより、メニスカスに対する静電吸引力を高め、液表面張力に打ち勝ってメニスカスを液滴化し吐出する方法である。
国際公開第03/070381号パンフレット 特開平5−104725号公報 特開平5−278212号公報 特開平6−134992号公報 特開2003−53977号公報
しかしながら、電界アシスト法を用いたこれらの液体吐出装置は、従来のピエゾ方式やサーマル方式を用いたインクジェット記録法に比べ、吐出効率は良いが、電界による静電吸引力が最大限に活用されていないため、隆起したメニスカスの形成や液滴の吐出が効率的に行われておらず、微細パターン形成および高粘度のインク吐出の要請に応えようとすると、従来のインクジェット記録法と同様に、インクの吐出のための駆動電圧を高くする必要が生じ、ヘッドや装置のコストが高価になってしまうという問題があった。また、静電吸引力を高めるために印加電圧を上げると、ヘッドと基材間とで絶縁破壊が発生してしまい装置を駆動できない場合が生じるという問題もあった。
電界アシスト法を用いたこれらの液体吐出装置において、液体を吐出するノズルが設けられた液体吐出ヘッドとしてフラットな液体吐出ヘッドを用いた場合、構造が単純であるために生産性に優れ、また、液体吐出ヘッドのクリーニング時における吐出面のワイピングの際にワイパにノズルが引っ掛からないという大きな利点がある。
しかし、フラットな液体吐出ヘッドは、ピエゾ素子の変形等で圧力を発生させてノズルの吐出孔に液体のメニスカスを隆起させ、隆起させたメニスカスに選択的に電界集中させて静電吸引力により液体を吐出させる電界アシスト法を用いた液体吐出装置の場合でも、電界集中が小さいために静電吸引力によるメニスカスを引き出す作用が小さく、結果的にピエゾ素子等の圧電素子アクチュエータよりなる圧力発生手段に高い電圧を印加する必要があるという問題があった。
そこで、このフラットな液体吐出ヘッドの問題点を解消するため、電界アシスト法を用いた液体吐出装置では、液体吐出ヘッドのノズルプレートから吐出面側にノズルを避雷針状に突出させ、ノズルの突起先端に電界を集中させてノズルの吐出効率を高めた液体吐出ヘッドが用いられることが多い。
しかし、液体吐出ヘッドのノズルプレートから吐出面側に高さ数十μm程度の避雷針状のノズルを多数立設させなければならないため、構造が複雑になり生産性が低下する。また、液体吐出ヘッドのクリーニング時に立設されたノズルが折れるなど操作性に劣るという問題があった。
また、近年、インクジェット記録法を利用した産業用のパターニングの応用が広く考えられている。その理由は、インクジェット記録法を利用することで、直接、基板等にパターニングが可能となるという大きな利点が生じるからである。従来は、基板にパターニングする場合、リソグラフィー工程が必要であり、リソグラフィー工程を利用しない場合には、印刷等が考えられるが、印刷工程では一般に版が必要であり、またその版の洗浄等の工程も必要である。これらに対して、インクジェット記録法によるパターニングは、リソグラフィー工程や版等が不要になり、工程が非常に簡単になる。
このようなパターニングにおいては、着弾径が30μm以下とする高精細化が望まれおり、これに応えるには、インクジェットヘッドから吐出されるインク液滴の液滴の直径を概ね15μm以下とする必要がある。
また記録品質を維持しながら記録効率を高めるためには、複数のノズルから吐出させる必要があり、このような場合、各ノズルの形状は、上述のような微小な直径を有しながら、それらの直径や形状を揃えて設けることが必要となる。
そこで、本発明は、微小なノズルから正確で安定した液体の吐出が可能なフラットな吐出面を有するノズルプレート製造方法、この製造方法により製造されるノズルプレート及びこのノズルプレートを有する液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
1. 吐出孔から液体が液滴として吐出されるノズルを有し液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレートにおいて、
フラットな第1の面に前記吐出孔となる一方の開口を持つ前記ノズルの小径部を有するSiO2層と、
前記小径部の他方の開口に通じ前記第1の面の反対の第2の面に開口を持つ前記小径部の径より大きい径である前記ノズルの大径部を有するSiO2板と、が積層されていることを特徴とするノズルプレート。
2. 前記SiO2層の第1の面の上には撥液層が設けられていることを特徴とする1に記載のノズルプレート。
3. 前記液体吐出ヘッドは、静電吸引方式の液体吐出ヘッドであることを特徴とする1又は2に記載のノズルプレート。
4. 吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有し液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレート製造方法において、
SiO2基板の第1の面に、SiO2よりエッチングし難い第1の層を形成するための第1の層形成工程と、
前記SiO2基板の第2の面にフォトリソグラフィー処理及びエッチング処理を行い前記第1の層に到るまでSiO2を除去して大径部を形成するための大径部形成工程と、
前記第1の層の上に、SiO2層を設けるためのSiO2層形成工程と、
前記SiO2層の面にフォトリソグラフィー処理及びエッチング処理を行い、前記第1の層に到るまで前記SiO2層を除去して小径部を形成するための小径部形成工程と、
前記第1の層を除去する第1の層除去工程と、を有することを特徴とするノズルプレート製造方法。
5. 前記第1の層は、Al23若しくはBNであることを特徴とする4に記載のノズルプレート製造方法。
6. 前記SiO2層の上に撥液層を設ける撥液処理工程を有することを特徴とする4又は5に記載のノズルプレート製造方法。
7. 前記液体吐出ヘッドは、静電吸引方式の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする4乃至6の何れか一項に記載のノズルプレート製造方法。
8. 吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有するノズルプレートと、
前記ノズルプレートと貼り合わせることで、前記ノズルにそれぞれ連通するキャビティとなる凹部が形成されたボディプレートとを備え、
前記ノズルの内部の液体と前記ノズルプレートの液滴を吐出する面に対向して設けられた基材との間に形成される電界から受ける静電吸引力により液滴を吐出し基材に着弾させる液体吐出ヘッドにおいて、
前記ノズルプレートは、1乃至3の何れか一項に記載のノズルプレート又は4乃至7の何れか一項に記載のノズルプレートの製造方法により製造されるノズルプレートであって、
前記吐出孔から吐出される液体と前記基材間に静電電圧が印加されて静電吸引力を発生させる静電電圧印加手段を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
9. 前記ノズルの内部の液体に圧力を印加して、隆起したメニスカスを形成する圧力発生手段を備えていることを特徴とする8に記載の液体吐出ヘッド。
請求項1に記載の発明によれば、まずノズルプレートがSiO2からなっていることから次のような効果がある。微細な加工が高精度に行なわれることができることから、吐出孔が微小な径で複数であっても形状の揃った孔とされることができるため吐出される液滴が揃うことになり高い記録品質とすることができる。
また、吐出性能に直接影響のある小径部を有するSiO2層は、小径部に連通し支障なく小径部からの液体の吐出を可能とする直径を有する大径部と、取り扱いに十分な強度の厚みとを有するSiO2板により支持されていることから、微小な液滴の吐出を可能とする単体では取り扱いが困難な厚さの薄い小径部とすることができる。
また吐出面がフラットであるため製造が容易であるとともにヘッドの清掃時のワイピング等によるノズルが損傷されることもないことから液体の吐出状態が安定して長寿命であるノズルプレートを提供できる。
従って、微小なノズルから正確で安定した液体の吐出が可能なフラットな吐出面を有するノズルプレートを提供することができる。
また、SiO2は体積抵抗率が高く、吐出される液体の吸収による体積抵抗率の低下をほとんど生じることがほとんどない。このため、ノズル内の液体に電界を印加すると、吐出孔が形成されている面がフラットであっても強い電界を吐出部周辺の液体に生じさせることを容易とすることができることから、微小な液滴が吐出されることが可能とされる静電吸引方式の液体吐出ヘッドに利用可能である。
請求項4に記載の発明によれば、上記の効果を持つノズルプレートの製造方法を提供することができることに加え、次の効果がある。SiO2基板に高精度が要求されない大径部が形成され、その後、接着剤を介すことなく第1の層及び高精度が要求されるノズルの小径部が形成されるSiO2膜とが積層構成され、小径部が形成されて後、第1の層が除去されることで小径部と大径部とが連通したノズルを有するノズルプレートが形成される。
上記の大径部を形成する加工方法と小径部を形成する加工方法とは別々の方法を用いることができることからそれぞれ必要とされる精度に応じた、例えばエッチングマスクを精度の高い金属を選択するとか、エッチング方法をウエットエッチング又はドライエッチングを選択するといったように加工法を適宜選択した加工を行うことで必要精度を満たし且つ効率良く製造することができる。
また、吐出性能に直接影響のある小径部は、小径部に連通し支障なく小径部からの液体の吐出を可能とする直径を有する大径部と、取り扱いに十分な強度の厚みとを有するSiO2板により支持されているSiO2層に形成されることから、その厚さ(小径部の長さ)の自由度が大きくなり、特に薄く形成することが容易となることから、より微小な吐出孔を形成することが容易にできることになる。
従って、微小なノズル径であっても、必要な機能や精度を十分に確保しながら生産性及び信頼性の良いノズルプレートの製造方法を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、本液体吐出ヘッドは、上記の効果を有するノズルプレートを持ち、静電電圧印加手段を備えていることから、次のような効果がある。まず、微小な径で複数であっても形状の揃った吐出孔から液体を吐出することができることから、吐出される液滴による高精細で高品質なパターンを形成することができる。また、生産性の良いノズルプレートを用いることから生産性の良い液体吐出ヘッドを提供することができる。
また、ノズルプレートは、体積抵抗率が高いSiO2から成っていることから、吐出孔が形成されている面がフラットであっても静電電圧印加手段により実用的な範囲での静電電圧をノズル内の液体に電界を印加することで、強い電界を吐出部周辺の液体に生じさせることを可能とすることができることから、微小な液滴を効率良く吐出することができる静電吸引方式の液体吐出ヘッドとすることができる。また吐出面がフラットであることから、製造が容易であるとともに液体吐出ヘッドの清掃時のワイピング等によるノズルの損傷が発生することもないことから液体の吐出状態が安定して長寿命である液体吐出ヘッドを提供できる。
以下、本発明に係るノズルプレートを有する液体吐出ヘッドに関して、図面を参照して説明する。図1は、ノズルプレートを有する液体吐出ヘッド2を用いて構成した液体吐出装置1の全体構成を示す断面図である。図1の液体吐出ヘッド2は、いわゆるシリアル方式或いはライン方式等の各種の液体吐出装置に適用可能である。
液体吐出装置1は、インク等の帯電可能な液体Lの液滴Dを吐出するノズル10が形成された液体吐出ヘッド2と、動作制御手段4と、液体吐出ヘッド2のノズル10に対向する対向面を有するとともにその対向面で液滴Dの着弾を受ける基材Kを支持する対向電極3とを備えている。
液体吐出ヘッド2は、ノズルプレート11とボディプレート19とから構成され、またノズルプレート11の対向電極3に対向する吐出面12からノズル10が突出されない、或いはノズル10が30μm程度しか突出しないフラットな吐出面を有するヘッドとして構成されている。
各ノズル10は、ノズルプレート11に穿孔されて形成されており、ノズルプレート11の吐出面12に吐出孔13を有する小径部14とその背後に位置し、小径部14より径の大きい大径部15との2段構造とされ、小径部14及び大径部15は円筒形状に形成されている。大径部15の直径は、これに通じるボディプレート19に形成されるキャビティ20の概直径としている。大径部の直径の大きさは、小径部の直径より大きく吐出孔13から吐出される液体が小径部14に十分に供給可能であれば良く、特に限定されことはない。
ノズル10は、断面を円形に限定されることはなく、多角形や星形等としてもよい。また、断面形状が円でない場合の径は、断面形状の断面積を同じ面積の円形に置き換えた直径とし、例えば、小径部の径より大きい大径部の径とは小径部の断面積を同じ面積の円形に置き換えた場合の直径より、大径部の断面積を同じ面積の円形に置き換えた場合の直径が大きいことを示している。
ノズルプレート11の吐出孔13が存在する吐出面12に撥液層28を設けられている。撥液層28を設けることで、吐出孔13から液体Lが吐出面12に馴染むことによる液体Lの染み出しや広がりを抑制することができる。
ノズルプレート11のボディプレート19と接合される面と大径部15の内周面及び小径部14の内周面17に、導電素材よりなるノズル10の内部の液体Lを帯電させるための静電電圧印加手段である帯電用電極16を層状に設ける。このように帯電用電極16を設けることで、単一の帯電用電極16がノズルプレート上のすべての大径部15の内部の液体Lに接触することになり、静電電圧電源18から帯電用電極16に静電電圧が印加されると、全ての大径部15の内部の液体Lが同時に帯電され、液体吐出ヘッド2と対向電極3との間、特に液体Lと基材Kとの間に静電吸引力が発生されるようにすることができる。
ここで、ノズルプレート11の製造に関して図2に模式的に示す製造工程に沿って説明する。尚、図2は、製造されるノズルプレートの1つのノズル周辺部を示している。
ノズルプレート11のベースとなる基板は、後述のSiO2膜207の形成時に加わる約400℃の温度に耐えることができ、時間経過に伴いSiO2膜207に基板材料の成分が拡散することでSiO2膜207の体積抵抗率の低下が生じないこと、剛性が高く薄くしても取り扱いしやすいこと、加工が容易であることなどの理由からSiO2を材料とする石英基板を用いる。
石英基板201の一方の面に、RFマグネトロンスパッタ法またはイオンプレーティング法等を用いて、厚みを0.1μmから0.5μm程度とするSiO2よりエッチング速度の遅い層であるエッチング停止膜203を設ける(図2(a))。
エッチング停止膜203の厚みを0.1μm以上とすることで、必要な膜強度を得ることができる。必要な膜強度とは、例えば、図2(d)に示す様に、エッチング停止膜203のみとなる部分の範囲を直径1mmとしても膜が破れるといった不具合が生じることがなく十分に膜状態が維持される強度としている。また、この厚みを0.5μm程度に抑えることで、後述するエッチング停止膜203を除去する際に、除去処理であるエッチング時間が長時間とならず、また、エッチング停止膜203の除去以外の個所に対してエッチングの影響が問題とならない範囲に抑えることができる。このエッチング停止膜203は、SiO2をエッチングする際に、エッチングされない特性を有し、かつ後述するSiO2と同程度の高い体積抵抗率を有していることが好ましいことから、Al23(アルミナ)膜若しくはBN(窒化硼素)膜とする。
次に、石英基板201の他方の面に上述のノズルの大径部204を形成する。大径部204の形成方法は、SiO2のエッチングが可能でエッチング停止膜が有効となる方法であれば、特に限定されない。例えば、公知のフォトリソグラフィー技術(レジスト205の塗布、露光、現像)を用いてレジストパターン205aを形成し(図2(b)及び(c))、このレジストパターン205aをマスクとして、例えばフッ化水素溶液を用いたウエットエッチング処理やCF4ガスを用いたプラズマエッチング等のドライエッチング処理を行うことが挙げられる。このエッチング処理は、先に設けたエッチング停止膜203に達するまで行う(図2(d))。また、大径部204の直径は、後述の小径部213の直径より大きく、小径部に吐出に十分な量の液体を供給できる大きさとするのが好ましい。
次に、エッチング停止膜203の上にSiO2膜207を、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としたプラズマCVD法を用いて形成する(図2(e))。このSiO2膜207の厚みは、後述する吐出孔の開口径(以下、ノズル径と称する。)と吐出液により吐出孔に形成されるメニスカス先端部の電界強度との関係により適宜決めれば良く、下限値は実用の観点から数μm程度から上限値は成膜により生じる応力により石英基板が変形する場合があることから100μm程度とするのが好ましく、更にベースとなる石英基板201の厚みより薄くするのが好ましい。
次に、上記のSiO2膜207に更に重ねて、金属膜209を形成する(図2(f))。この金属膜209は、SiO2膜207にノズルの小径部213を設けるためのエッチングマスク209aとするもので、この金属膜209の材料は、例えばNi、Cr、Al、Cu、Pt、Mo、Ti等が挙げられるが、SiO2に対するエッチングマスクとなるものであれば特に限定されない。エッチングマスクを金属とすることで、より精度良く小径部を形成することができる。
この金属膜209に対して、公知のフォトリソグラフィー技術(レジスト211の塗布、露光、現像)を用いてレジストパターン211aを形成し(図2(g)及び(h))、このレジストパターン211aをマスクとして、例えば塩素系ガスを用いたドライエッチング処理を用いて上記の金属膜209にSiO2膜に吐出孔213を形成するためのエッチングマスク209aを形成する(図2(i))。
レジスト層211aを除去後、このマスク209aを用いて、公知のドライエッチング処理、例えばCF4ガスを用いたプラズマエッチング処理により、エッチング停止膜203に達するまでSiO2膜を除くことで吐出孔213を形成する(図2(k))。その後、例えば上述と同じ塩素系ガスを用いたドライエッチング処理を用いてマスク209aを除去する(図2(l))。
次に、エッチング停止膜203を、例えばアルゴン(Ar)ガスを用いたドライエッチング処理により除去する(図2(m))。これで、ノズルの大径部204aと小径部213とが連通することになりノズルが形成され、ノズルプレート230が完成となる。
上述のように石英基板201aに設けられた大径部204aとSiO2膜207aに設けられた小径部213とから構成されるノズルを有するノズルプレート203においては、後述する、特に微小な液滴の吐出を可能とする微小なノズル径に対して必要なメニスカス先端部の電界強度を満たす厚みの薄いSiO2膜207aに設けられた微小なノズル径の小径部213を容易に製作することができる。
尚、エッチング停止膜203を除去する工程は、図2(e)で示すSiO2膜207をエッチング停止膜203上に形成した以降であれば良い。
また、このエッチング停止膜203を除去するドライエッチング処理では、SiO2膜207、207aに対しても除去作用があるため、予め実験等によりにSiO2膜207、207aに問題が生じない範囲でエッチング停止膜203を完全に除去できるエッチング条件を決めておくとか、SiO2膜207、207aや石英基板201が所望の厚みとなるようにこのエッチング処理を予め見込んだ厚みとしておくのが好ましい。
更に、上述の使用後のフォトレジスト205a、211aは適宜、例えば公知の酸素プラズマによるアッシング法等により除去すれば良い。
次に、図1に示す撥液層28として、図2(n)に示すノズルプレート230の小径部213が存在する吐出面217に撥液層215を設ける。具体的には、例えば液体が水性であれば撥水性を有する材料が用いられ、液体が油性であれば撥油性を有する材料が用いられるが、一般に、FEP(四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン)、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)、フッ素シロキサン、フルオロアルキルシラン、アモルファスパーフルオロ樹脂等のフッ素樹脂等が用いられることが多く、塗布や蒸着等の方法で吐出面217に成膜されている。膜厚の厚みは、特に限定されるものではないが、概ね0.1μmから3μmとするのが好ましい。
なお、撥液層215は、ノズルプレート230の吐出面217に直接成膜してもよいし、撥液層215の密着性を向上させるために中間層を介して成膜することも可能である。
次に図1で示す帯電用電極16として、図2(n)に示すノズルプレート230のボディプレートと接合される面219と大径部204aの内周面及び小径部213の内周面に、導電素材よりなるノズル内の液体を帯電させるための静電電圧印加手段である帯電用電極211を層状に設ける。このように帯電用電極211を設けることで、単一の帯電用電極211がノズルプレート230上のすべてのノズル内の液体に接触することになり、静電電圧電源から帯電用電極211に静電電圧が印加されると、全てのノズル内の吐出される液体が同時に帯電されるようにすることができる。
尚、帯電用電極211は、上述の例ではノズルプレート230上のすべてのノズル内の液体に接触するようにされているが、各ノズルに対応して分離された状態となるように帯電用電極211を設けることで各ノズルそれぞれに連通する吐出孔213から液体の吐出を制御可能としても良い。
この帯電用電極211を設ける方法は特に限定されるものではなく、公知の真空蒸着法、スパッタリング法等を用いれば良い。また、導電素材としては、例えばNiP、Pt,Au等が挙げられ、吐出用の液体に接することで腐食等を生じないものを適宜選択すれば良い。
以上で、ノズル内に帯電用電極211を有し、吐出面に撥液層215を有するノズルプレート240が得ることができる。
図1に示す液体吐出ヘッド2の帯電用電極16の背後には、シリコン(Si)からなるボディプレート19が設けられている。ボディプレート19の各ノズル10の大径部15の開口端に面する部分には、それぞれ開口端にほぼ等しい内径を有する略円筒状の空間が形成されており、各空間は、吐出される液体Lを一時貯蔵するためのキャビティ20とされている。
ボディプレート19には、キャビティ20に液体Lを供給するための図示しない流路が形成されている。具体的には、シリコン基板に公知のフォトリソグラフィー技術及びエッチング技術を用いてキャビティ20となる凹部、共通流路、および共通流路と凹部とを結ぶ流路を設けることができる。
共通流路には、外部の図示しない液体タンクから液体Lを供給する図示しない供給管が連絡されており、供給管に設けられた図示しない供給ポンプにより或いは液体タンクの配置位置による差圧により流路やキャビティ20、ノズル10等の液体Lに所定の供給圧力が付与されるようになっている。
各キャビティ20に対応する背面部分には、圧力発生手段としての圧電素子アクチュエータであるピエゾ素子22がそれぞれ設けられており、ピエゾ素子22には、ピエゾ素子22に駆動電圧を印加してピエゾ素子22を変形させるための駆動電圧電源23が接続されている。ピエゾ素子22は、駆動電圧電源23からの駆動電圧の印加により変形して、ノズル10内の液体Lに圧力を生じさせて吐出孔13に液体Lの隆起したメニスカスを形成させるようになっている。ここで、上述したように吐出孔13の存在するフラットな吐出面に撥液層28が設けてあることで、ノズルの吐出孔13部分に形成される液体のメニスカスが吐出孔13の周囲の吐出面12に広がることによるメニスカス先端部への電界集中の低下を効果的に防止することができる。なお、圧力発生手段は、本実施形態の圧電素子アクチュエータのほかに、例えば、静電アクチュエータやサーマル方式等を採用することも可能である。
駆動電圧電源23および帯電用電極16に静電電圧を印加する静電電圧電源18は、それぞれ動作制御手段4に接続されており、それぞれ動作制御手段4による制御を受けるようになっている。
動作制御手段4は、CPU25やROM26やRAM27等が図示しないBUSにより接続されて構成されたコンピュータからなっており、CPU25は、ROM26に格納された電源制御プログラムに基づいて静電電圧電源18および各駆動電圧電源23を駆動させてノズル10の吐出孔13から液体Lを吐出させるようになっている。
液体吐出ヘッド2の下方には、基材Kを支持する平板状の対向電極3が液体吐出ヘッド2の吐出面12に平行に所定距離離間されて配置されている。対向電極3と液体吐出ヘッド2との離間距離は、0.1〜3mm程度の範囲内で適宜設定される。
対向電極3は、接地されており常時接地電位に維持されている。そのため、静電電圧電源18から帯電用電極16に静電電圧が印加されると、ノズル10の吐出孔13の液体Lと対向電極3の液体吐出ヘッド2に対向する対向面との間に電界が生じるようになっている。また、帯電した液滴Dが基材Kに着弾すると、対向電極3はその電荷を接地により逃がすようになっている。
なお、対向電極3または液体吐出ヘッド2には、液体吐出ヘッド2と基材Kとを相対的に移動させて位置決めするための図示しない位置決め手段が取り付けられており、これにより液体吐出ヘッド2の各ノズル10から吐出された液滴Dは、基材Kの表面に任意の位置に着弾させることが可能とされている。
液体吐出装置1による吐出を行う液体Lは、例えば、無機液体、有機液体又は高電気伝導率の物質(銀粉等)が多く含まれるような導電性ペーストを使用することが可能であり、導電性ペーストを液体Lとして吐出を行う場合には、前述した液体Lに溶解又は分散させる上記の銀粉等の物質が、ノズル10で目詰まりを発生するような粗大粒子を除けば、特に制限されない。
発明者らが、図3に示す液体吐出実験装置S’を使用して電極間の電界の電界強度が実用的な値である1.5kV/mmとなるように構成し、各種の絶縁体でノズルプレート11’を形成して下記の実験条件に基づいて行った実験では、ノズル10’から液滴D’が吐出される場合と吐出されない場合があった。
[実験条件]
ノズルプレート11’の吐出面12’と対向電極3’の対向面との距離:1.0mm
ノズルプレート11’の厚さ:125μm
ノズル径:10μm
静電電圧:1.5kV
駆動電圧:20V
液体吐出実験に使用した実験用液体吐出ヘッドA’のノズル10’には4°のテーパ角を持っている。このテーパ角は、ノズル10’の断面において、吐出面12’に対する垂線から吐出面12’から離れる方向に広がる角度を示している。尚、このテーパ角は、吐出に対する影響は小さく、液滴を安定に吐出する条件への依存性は大きくないことが後述のシミュレーションから得られている。
ここで、液体吐出ヘッドにおける液体の吐出原理について図3を用いて説明する。実験用液体吐出ヘッドA’では、静電電圧電源63’から静電電圧印加手段である帯電用電極16’に静電電圧を印加し、ノズル10’の吐出孔13’の液体L’と対向電極3’の実験用液体吐出ヘッドA’に対向する対向面との間に電界を生じさせる。また、駆動電圧電源61’から圧力発生手段であるピエゾ素子22’に駆動電圧を印加してピエゾ素子22’を変形させ、それにより液体L’に生じた圧力でノズル10’の吐出孔13’に液体L’の隆起したメニスカスを形成させる。
ノズル10’部の絶縁性が高くなると、図4にシミュレーションによる等電位線で示すように、ノズル10’の内部に、吐出面12’に対して略垂直方向に等電位線が並び、液体Lのメニスカス部分に向かう強い電界が発生する。
特に、図4でメニスカスの先端部では等電位線が密になっていることから分かるように、メニスカス先端部では非常に強い電界集中が生じる。そのため、電界の静電力によってメニスカスが引きちぎられてノズル内の液体L’から分離されて液滴D’となる。さらに、液滴D’は静電力により加速され、対向電極3’に支持された基材K’に引き寄せられて着弾する。その際、液滴D’は、静電力の作用でより近い所に着弾しようとするため、基材K’に対する着弾の際の角度等が安定し正確に行われる。
このように、実験用液体吐出ヘッドA’における液体L’の吐出原理を利用すれば、フラットな吐出面を有する実験用液体吐出ヘッドA’においても、高い絶縁性を有するノズル10’部を用い、吐出面12’に対して垂直方向の電位差を発生させることで強い電界集中を生じさせることができ、正確で安定した液体L’の吐出状態を形成することができる。
この液体吐出実験装置S’による実験で、液滴D’がノズルから安定に吐出されたすべての場合について、メニスカス先端部の電界強度を求めた。実際には、メニスカス先端部の電界強度を直接測定することが困難であるため、電界シミュレーションソフトウエアである「PHOTO−VOLT」(商品名、株式会社フォトン製)によるシミュレーションにより算出した。ここでの電界強度は、電流分布解析モードによる、電圧印加後300秒後の電界強度を言う。その結果、すべての場合においてメニスカス先端部の電界強度は1.5×107V/m以上であった。また、この実験において、液滴D’がノズルから安定して吐出されない場合についても、上記と同様のシミュレーションによりメニスカス先端部の電界強度を算出した。その結果、1.5×107V/m未満であった。
また、上述の実験条件と同様のパラメータを同ソフトウエアに入力してメニスカス先端部の電界強度を計算した結果、図5に示すように、電界強度はノズルプレート11’に用いる絶縁体の体積抵抗率に強く依存することが分かった。
理論上、静電電圧を大きくすればノズル10’から液滴D’が吐出される可能性はある。静電電圧を大きくする場合、電極間でのスパークの発生等により基材K’が損傷される可能性が出てくることから、静電電圧を非常に大きくすることは好ましくない。
上述の実験結果より、図1に示す液体吐出ヘッド2において、高い体積抵抗率を有するSiO2層を有するノズルプレート11は、実用的な範囲の静電電圧を印加することで、吐出孔13に形成される液滴のメニスカス先端部の電界強度を1.5×107V/m以上に容易にすることが可能となり、液体の吐出を安定して行うことができる。
更に、図3に示すノズルプレート11’のノズル10’のテーパ形状を、図1に示す吐出孔13と同径の穴が貫通した状態の筒状とした場合、ノズルプレート11’の厚みを10μm、20μm、50μm、100μmとするパラメータとして、ノズル径を変化させた場合のメニスカス先端部の電界強度のシミュレーション結果を図6に示す。ここで、シミュレーションにおけるノズルプレートの厚みは、図1におけるSiO2膜からなるノズルプレート11bの厚みに該当する。
図6より、ノズル径が小さくなる程、またノズルプレートの厚みが厚くなる程メニスカス先端部の電界強度が大きくなることが分かる。ノズル10’から液滴D’が安定に吐出されるためにはメニスカス先端部の電界強度が1.5×107V/m以上であることが必要であることから、例えばノズルプレートの厚みを10μmとする場合は、ノズル径を4μm未満とすることで液滴を安定して吐出させることができる。さらに、例えばノズルプレートの厚みを20μmとする場合はノズル径を6μm未満に、ノズルプレートの厚みを50μmとする場合はノズル径を11μm未満に、ノズルプレートの厚みを100μmとする場合はノズル径を24μm未満にすることで液滴を安定に吐出させることができる。
このように、SiO2膜より成るノズルプレート11bの厚みを、図6を参照又はこの図6を求めたシミュレーションを用いて所望のノズル径より適宜決める値とすることにより、安定に液滴を吐出することができるノズルプレートを得ることができる。
ここで図6より、ノズル径を5μmとする場合、メニスカス先端部の電界強度を1.5×107V/m以上とする場合、ノズルプレートの厚みであるSiO2膜は、20μm以上であれば良いことが分かる。しかしながら、例えば、厚みが20μmの石英基板のみを用いてノズル孔5μmを設けることは、基板を取り扱う上で、割れや欠けが発生しやすく困難である。一方で、基板の厚さを厚くすれば取り扱い上は容易となるが、穿孔する孔の直径に対して深くなることから、いわゆる高アスペクト比の加工が必要となり、例えば吐出面のノズル径がそのまま径を維持してキャビティに通じているといった円筒形状に加工することは、微小なノズル径になればなる程容易でなくなってくる。
従って、上述した大径部を有する石英基板11aと小径部を有するSiO2層11bとから構成されるノズルプレート11とすることで、微小なノズル径にも容易に対応することができることになる。
また、ノズルプレート11は、フラットな吐出面12であるため、図示を省略するが、液体吐出ヘッド2のクリーニング時に吐出面12にブレードやワイパ等の部材が接触してもノズル10が損傷する等の事態が生じることがなく、操作性に優れている。
また、ノズルプレート11の製造においてノズル10の突起等の微細構造を形成する必要がなく構造が単純であるから、容易に製造することが可能で生産性に優れている。
また、ノズルプレート11は、樹脂に比較してより高い剛性が確保されているSiO2から形成されていることから、液体を吐出する際のピエゾ素子22の変形によりノズル内の液体に加わる圧力によるノズル壁の変形が生じにくいことから圧力損失が少ないため、隆起したメニスカスの形成をより効率良く行うことができる。
(実施例1)
図2に模式的に示す工程に沿ってノズルプレート240を10個製造し、このノズルプレートを用いた液体吐出ヘッドを製造した。
厚み100μmとする石英基板201の一方の表面にRFマグネトロンスパッタ法を用いて厚み0.3μmのAl23膜203を作製した(図2(a))。
次に石英基板203の他方の面に大径部を設けるための直径100μmの円形のレジストパターン205aを公知のフォトリソグラフィー処理及びエッチング処理により設けた(図2(b)及び(c))。この後、濃度10質量%で、液温度24℃とするフッ化水素溶液に浸してエッチングをAl23膜203に達するまで行い、直径100μmで深さ100μmの大径部204を形成した(図2(d))。
次に、Al23膜203上に厚み50μmのSiO2膜207をTEOSで形成し、この後、公知の酸素プラズマによるアッシング法によりレジストパターン205aを除去した。
(図2(e))。
次に、SiO2膜に小径孔を設けるためのエッチング用マスクパターンとなる厚み1μmのニッケル(Ni)膜209をSiO2膜207の上にDCマグネトロンスパッタ法で形成した(図2(f))。
次に、エッチング用マスクパターンを形成するために、ニッケル(Ni)膜上に直径10μmの円形のレジストパターン211aを公知のレジスト211の塗布から始まるフォトリソグラフィー処理及びエッチング処理により設けた(図2(g)及び(h))。
次に、塩素(Cl2)ガスを反応ガスとして用いたドライエッチング処理を行ってパターンニングを行い、ニッケル(Ni)膜からなるエッチング用マスク209aを作製し、レジストパターン211aを除去した(図2(j))。このエッチング用マスク209aを用いてTEOSで作製したSiO2膜207を、CF4ガスを反応ガスとして用いたドライエッチング処理をAl23膜203に達するまで行い小径部213を形成した(図2(k))。
次に、Al23膜203をアルゴン(Ar)プラズマを用いたドライエッチングで除去し、大径部204と小径部213とが貫通したノズルを有するノズルプレート230を得た(図2(m))。
次に、大径部204a、小径部213の内周面及びボディプレートと接合される面219に、帯電用電極211として、厚み約0.3μmのNiP膜を公知のスパッタリングにより設け、吐出面217にテフロン(登録商標)系撥水性有機溶剤「フロロサーフ」をスプレー塗布した後、120℃で30分乾燥させて撥液層215を設けて、ノズルプレート240を得た。
次にボディプレートを製造した。シリコン基板を用いて、公知のフォトリソグラフィー技術(レジスト塗布、露光、現像)及び異方性ドライエッチング技術を用いて、ノズルにそれぞれ連通する複数のキャビティとなる凹部、この凹部にそれぞれ連通する複数のインク供給路となるインク供給溝及びこのインク供給に連通する共通インク室となる共通インク室溝、並びにインク供給口を形成した。
次に、図1に示すように、これまでに用意したノズルプレート240と上述のボディプレートとを接着剤を用いて貼り合わせ、更にボディプレートの各キャビティの背面に圧力発生手段であるピエゾ素子を取り付けて液滴吐出ヘッドとした。
この液滴吐出ヘッドを、図1に示す液体吐出装置1の様に対向電極3に対向した位置に設置し、各ピエゾ素子と各駆動電圧電源23、静電電圧電源18と帯電用電極16、各駆動電圧電源23及び静電電圧電源18と動作制御手段4とを接続して液体吐出装置1とした。尚、対向電極3及び静電電圧電源18のマイナス端子は接地した。
静電電圧電源18から印加する静電電圧Vcを1.5kV、各ピエゾ素子に供給される各駆動電圧電源23からの駆動電圧Vdを20Vとし、エタノールに染料(CIアシッドレッド1)を3質量%含有した導電性の液体を吐出する液体として液滴吐出ヘッド2を動作させたところ、10個の液体吐出ヘッドは何れも安定して液体を吐出できることを確認した。
本実施形態における液体吐出ヘッドを断面及び液体吐出装置の全体構成を示す図である。 本実施形態におけるノズルプレートの製造工程の一例を断面図で説明する図である。 実機による実験を行った液体吐出装置の全体構成を示す図である。 シミュレーションによるノズルの吐出孔付近の電位分布を模式的に示す図である。 シミュレーションによるノズルプレートの体積抵抗率とメニスカス先端部の電界強度との関係を示す図である。 シミュレーションによるSiO2層の厚みをパラメータとしたノズル径とメニスカス先端部の電界強度との関係を示す図である。
符号の説明
1 液体吐出装置
2 液体吐出ヘッド
3 対向電極
4 動作制御手段
10 ノズル
11 ノズルプレート
11a 石英基板
11b SiO2
12 吐出面
13 吐出孔
14 小径部
15 大径部
16 帯電用電極
17 大径部の内周面
18 静電電圧電源
19 ボディプレート
20 キャビティ
22 ピエゾ素子
23 駆動電圧電源
25 CPU
26 ROM
27 RAM
28 撥液層
D 液滴
K 基材
L 液体

Claims (9)

  1. 吐出孔から液体が液滴として吐出されるノズルを有し液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレートにおいて、
    フラットな第1の面に前記吐出孔となる一方の開口を持つ前記ノズルの小径部を有するSiO2層と、
    前記小径部の他方の開口に通じ前記第1の面の反対の第2の面に開口を持つ前記小径部の径より大きい径である前記ノズルの大径部を有するSiO2板と、が積層されていることを特徴とするノズルプレート。
  2. 前記SiO2層の第1の面の上には撥液層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のノズルプレート。
  3. 前記液体吐出ヘッドは、静電吸引方式の液体吐出ヘッドであることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズルプレート。
  4. 吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有し液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレート製造方法において、
    SiO2基板の第1の面に、SiO2よりエッチングし難い第1の層を形成するための第1の層形成工程と、
    前記SiO2基板の第2の面にフォトリソグラフィー処理及びエッチング処理を行い前記第1の層に到るまでSiO2を除去して大径部を形成するための大径部形成工程と、
    前記第1の層の上に、SiO2層を設けるためのSiO2層形成工程と、
    前記SiO2層の面にフォトリソグラフィー処理及びエッチング処理を行い、前記第1の層に到るまで前記SiO2層を除去して小径部を形成するための小径部形成工程と、
    前記第1の層を除去する第1の層除去工程と、を有することを特徴とするノズルプレート製造方法。
  5. 前記第1の層は、Al23若しくはBNであることを特徴とする請求項4に記載のノズルプレート製造方法。
  6. 前記SiO2層の上に撥液層を設ける撥液処理工程を有することを特徴とする請求項4又は5に記載のノズルプレート製造方法。
  7. 前記液体吐出ヘッドは、静電吸引方式の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載のノズルプレート製造方法。
  8. 吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有するノズルプレートと、
    前記ノズルプレートと貼り合わせることで、前記ノズルにそれぞれ連通するキャビティとなる凹部が形成されたボディプレートとを備え、
    前記ノズルの内部の液体と前記ノズルプレートの液滴を吐出する面に対向して設けられた基材との間に形成される電界から受ける静電吸引力により液滴を吐出し基材に着弾させる液体吐出ヘッドにおいて、
    前記ノズルプレートは、請求項1乃至3の何れか一項に記載のノズルプレート又は請求項4乃至7の何れか一項に記載のノズルプレートの製造方法により製造されるノズルプレートであって、
    前記吐出孔から吐出される液体と前記基材間に静電電圧が印加されて静電吸引力を発生させる静電電圧印加手段を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 前記ノズルの内部の液体に圧力を印加して、隆起したメニスカスを形成する圧力発生手段を備えていることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015136894A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 株式会社リコー ノズルプレート、液体吐出ヘッド及びインクジェット記録装置

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