JP2007215562A - 遊技機用台間機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】移送通路65の前壁部71は、カバー部材61と奥壁部620との間を前後方向にスライド自在に支持されているとともに、常態において前記奥壁部620方向に付勢されており、前記カバー部材61の外側から前壁部71を引っ張り可能な引き部72が設けられ、この引き部72を引いて前記前壁部71を手前側にスライドさせることにより、前壁部71の裏面と奥壁部620の正面及び移送通路65の底面部622との間に隙間が生じるようにした。
【選択図】図6
Description
そこで、本願発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、台間機から遊技機にメダルを誘導する通路におけるメダル詰まりを容易かつ確実に解消可能であり、投入メダルのキャンセルも容易に行うことができる遊技機用台間機を提供することを目的とする。
なお、図面番号及び括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた番号及び符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、遊技メダルを側面側から受け入れ可能な側方移送通路(12)を有するメダル投入口(10)を備えた遊技機(スロットマシン1)に隣接して設置され、遊技メダルを一括投入可能な一括投入開口(31)と、一括投入された遊技メダルを一枚ずつ分離して送り出すメダル送り装置(40)と、メダル送り装置(40)から送り出された遊技メダルを前記遊技機(1)の側方移送通路(12)に誘導する投入導入路(ノズル部60)とを少なくとも備える遊技機用台間機(メダル貸出機2)に係る。
また、前記「遊技機用台間機」は、例えばメダル貸出機(2)とすることができ、上記構成の他にも、メダルを払い出すための払い出し装置(貸し出メダル払い出し装置23)や紙幣カウンター(22)を備えていてもよい。
前記メダル送り装置(40)は、搬送ベルト(53)を用いたベルト式メダル送り装置や、送り出し円板を用いたディスク式メダル送り装置などとすることができ、一括投入された遊技メダルを一枚ずつ、投入導入路(60)に送り出すことができる装置であれば、どのような構成を有していても構わない。
そして、本発明における遊技機用台間機(2)においては、前記投入導入路(60)は、遊技機用台間機の正面側に固定されるベース部(ベース部材62)と、ベース部(62)の正面側に位置するカバー部(カバー部材61)とから成り、底部には遊技メダルが落下可能な落下開口(メダル落下口69)が設けられている。また、前記ベース部(62)とカバー部(61)との間には、上側から遊技メダルを受け入れ可能なメダル受け口(67)及び側方に遊技メダルを排出可能なメダル排出口(66)を有する移送通路(メダル移送路65)が形成されており、この移送通路(65)は、投入導入路(60)の手前側に位置し通路内を移動する遊技メダルの表面と対向する前壁部(スライド板71)と、前壁部(71)との間にほぼ遊技メダル一枚分の厚さの間隙を開けて奥側に位置し通路内を移動する遊技メダルの裏面と対向する奥壁部(620)と、遊技メダルの円周面を下方から支持する底面部(メダル転送面622)とを少なくとも備えている。
前記移送通路(65)は、少なくとも合対向する二つの壁部(前壁部71と奥壁部620)と底面部(622)とにより形成される、遊技メダルが一枚ずつ通過可能な空間であり、天井部を有していてもよい。前記底面部(622)は、遊技メダルがその上面を転動可能な傾斜部(メダル転送面622)や、上方から移送されてきた遊技メダルが当接して移送方向を側方に変更するための当接部(メダル当接面621)を含む。
(作用)
本発明における移送通路(65)において、前壁部(71)が移動していない場合には、メダル受け口(67)から受け入れられた遊技メダルは、前壁部(71)と奥壁部(620)の間を通り、底面部(622)に支持されつつメダル排出口(66)に移送される。
ところで、本発明においては、前記移送通路(65)は、メダル受け口(67)から受け入れた遊技メダルが、前記前壁部(71)と奥壁部(620)との間を通ってほぼ垂直に落下する垂直落下部(65A)と、垂直落下部(65A)を落下した遊技メダルが前記底面部上を転動して前記メダル排出口に転送される傾斜転送部(65B)とを少なくとも有し、前記前壁部(71)をスライドさせることにより、前記垂直落下部(65A)に滞留している遊技メダルが、前壁部(71)の裏面と移送通路(65)の底面部との隙間から落下するように形成することができる。
このように形成した場合には、前壁部(71)が移動していない場合には、メダル受け口(67)から受け入れられた遊技メダルは、垂直落下部(65A)を落下して、底面部(622)に支持されつつ傾斜転送部(65B)を経てメダル排出口(66)に移送される。そして、垂直落下部(65A)においてメダル詰まりが発生した場合には、前壁部(71)をスライドさせると、垂直落下部(65A)において重なり合うようにして滞留している遊技メダルは、前壁部(71)の裏面と移送通路(65)の底面部(622)との隙間から落下する。傾斜転送部(65B)にある遊技メダルは、奥壁部(620)が鉛直である場合には、そのままメダル排出口(66)に転送される。
(特徴点)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記前壁部の裏面と移送通路の底面部との間に隙間を生じさせた状態で前壁部を位置固定可能であるとともに、位置固定されている前壁部をさらに引くことによって前記前壁部の固定を解除可能な、前壁部一時係止装置(一時係止装置)を備えていることを特徴とする。
本発明の具体的な構成としては、例えば図8に示すような溝部(740)と突起(710)の係合によるものや、ボールペンのノック機構など、周知の技術を用いることができる。
本発明によれば、メダル詰まりの解除だけでなく、メダル送り装置(40)から遊技機に移送されるメダルを途中でキャンセルする場合などに好都合である。
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、上記した請求項2記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
「前壁部開放報知部」は、遊技機用台間機(2)の正面側から視認可能な位置に設けられたランプなどとすることができ、前壁部(71)が開いてメダルキャンセル状態となっているときには点灯させてこれを報知することにより、キャンセル状態のままメダル送り装置(40)を作動させてしまうのを防ぐことができる。
(図面の説明)
図1乃至図8は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1は一括投入機構3の縦断面図、図2はスロットマシン1及びメダル貸出機2の外観斜視図、図3は一括投入機構3及びメダル投入口10の拡大斜視図、図4はメダル送り装置の斜視図、図5は排出装置80及びメダル取り出し皿90の拡大断面図、図6及び図7はノズル部を示す図、図8は一時係止装置の一例を示す概略図である。
(スロットマシン1)
スロットマシン1は、図2に示すように、筐体の正面側に取り付けられた前扉13を有し、正面側には回転リール(図示せず)の図柄を視認可能な図柄表示窓14が形成されている。また、この図柄表示窓14の下方でありスロットマシン1の略中央部は、スタートスイッチやストップスイッチなどの操作手段が設けられる操作部16となっている。そしてこの操作部16の正面右端部には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。なお、特に図示しないが、メダル投入口10の下方には、遊技メダルの真贋を判断すると共に投入メダルをカウントするためのメダルセレクターが設けられている。また、スロットマシン1の下部には、払い出しメダルを貯留可能な下皿15が設けられている。
そして、メダル投入口10から遊技メダルを投入し、スタートスイッチの操作により回転リールを回転させ、ストップスイッチの操作により回転リールを停止させ、このとき、複数の回転リールに表示された図柄が所定の位置態様に停止すると入賞となり、所定枚数のメダルが払い出されるように形成されているものである。
メダル貸出機2は、スロットマシン1の側面側に隣接して設置される箱型の装置であって、金銭と引き替えに遊技メダルを貸し出すと共に、貸し出しメダル及び遊技者が投入するメダルをスロットマシン1のメダル投入口10に投入するためのものである。すなわち、メダル貸出機2は、図2に示すように、外箱20に、紙幣カウンター22及び貸し出しメダル払い出し装置23が内蔵されているとともに、正面側には一括投入機構3が取り付けられているものである。
紙幣カウンター22は、外箱20の正面下方に設けられた紙幣投入口21から投入された紙幣を読み取って、貸し出しメダル払い出し装置23に所定枚数の遊技メダルを払い出させるためのものである。なお、メダル貸出機としては、紙幣投入口21及び紙幣カウンター22の他に、硬貨投入口や硬貨カウンター、釣り銭払い出し口などを有していてもよい。また、プリペイドカード投入口とカードリーダーを有していてもよい。さらに、紙幣投入口21は外箱20の正面上方にあってもよく、紙幣カウンター22はメダル貸出機2の外部(例えば島設備)に設けられていてもよい。
一括投入機構3は、前記貸し出しメダル払い出し装置23から払い出される遊技メダル、及び遊技者が投入する遊技メダルを、スロットマシン1のメダル投入口10に一括投入するための機構である。
具体的には、一括投入機構3は、図1及び図3に示すように、大きく分けて、メダル貸出機2の外箱20の正面に取り付けられた本体カバー30と、本体カバー30の内部に設けられたメダル送り装置40と、本体カバー30の正面側に取り付けられたノズル部60とから構成されている。
本体カバー30は、図1乃至図3に示すように、メダル貸出機2の外箱20の正面略中央部から手前側(スロットマシン1を正面から見た場合の手前側。以下同じ)に突設された、上面板32、底板33、前面板34、背面板35及び左右二つの側面板36を有する箱形の部材である。そしてこの本体カバー30の内部には、搬送装置50を備えたメダル送り装置40が収納されている。
前記上面板32には、上方に開口する一括投入開口31が形成され、一括投入開口31の手前側には、カウンター状の張り出し部が形成されている。ここには、特に図示しないが、搬送装置50を作動及び作動停止させるためのタッチセンサが敷設されている。そして、このタッチセンサに手を触れることにより、搬送装置50の駆動モータ55が駆動し、タッチセンサに触れている手を離すことにより、搬送装置50の駆動モータ55が駆動を停止するようになっている。なお、搬送装置50を作動させる手段としては、タッチセンサに限られず、ボタン式のスイッチやその他の操作手段を設けてもよい。また、駆動モータ55の駆動を開始させるためのスイッチと、駆動を停止させるためのスイッチを別々に設けてもよいものである。
そして、前記底板33の奥側には、メダル送り装置40から排出される異物やキャンセルメダルを落下させるための底部開口38が形成されており、底部開口38の下方には、キャンセルメダルその他の落下物を受け止めるメダル取り出し皿90が形成されている。
さらに、前記前面板34の下方には、ノズル部60のカバー部材61が設けられているとともに、背面板35には、背面開口39が形成されている。なお、この背面開口39からはメダル送り装置40の後方部が突出しており、メダル送り装置40が前後方向に摺動することができるようになっている。
メダル送り装置40は、メダルを送り出すための装置であり、図1に示すように、前記本体カバー30の内部に収納される箱状の本体ベース41の内側に搬送装置50を設け、搬送装置50の奥側下方に排出装置80を設けた構成となっている。
本体ベース41は、図1及び図4に示すように、長さ方向略中央部に、上方に開口する受入開口48を有し、受入開口48の奥側には、上方に開口し内部において前記受入開口48と連通する払い出し通路42が設けられている。また、受入開口48の手前側には平坦部46が形成されており、これにより後述するメダル貯め部45の容積が確保される。本体ブロック41の前方下部には、搬送装置50が内蔵されており、本体ブロック41の正面側は、搬送装置50により送り出されたメダルをノズル部60に一枚ずつ排出するためのメダル排出部47となっている。そして、図1に示すように、前記払い出し通路42を形成する内壁の底部には、排出装置80が設けられている。
前記払い出し通路42は、メダル貸出機2の貸し出しメダル払い出し装置23から貸し出される遊技メダルを受け入れて、前記メダル貯め部44に誘導するためのものである。払い出し通路42の底面は、奥側から手前側に向かって下り傾斜となっており、傾斜の前端部が開閉板82によって開閉可能に形成されている。開閉板82が閉じているときには、メダル貯め部44に遊技メダルが貯留され、開閉板82が開いた場合には、メダル貯め部44又は搬送装置50の搬送ベルト53上にあるゴミなどの異物や遊技メダルは、キャンセル開口49から落下する。なお、キャンセル開口49から落下した異物や遊技メダルは、本体カバー30の底部開口38を通ってメダル取り出し皿90に貯留される。
メダル取り出し皿90は、図5に示すように、本体カバー30の背面板35に設けられたヒンジ92を介して前後に回動自在に取り付けられている。メダル取り出し皿90は、手前側に向かって湾曲した登り傾斜を有する皿底と、奥行き方向に向かって皿底からの高さが高くなる側面板とにより形成される凹部91を有する受け皿であり、底部開口38から排出されるメダル等が落下の勢いで皿から飛び出してしまわないようになっているとともに、皿内に貯留されたメダル等を取り出しやすく形成されている。なお、凹部91にラバーなどの弾性部材を敷設すると好適である。
搬送装置50は、本体ブロック41の前方下部に内蔵されており、メダル溜め部44に投入又は払い出された遊技メダルを、水平状態(遊技メダルの表裏面が上下となる状態)で一枚ずつ、ノズル部60へと送り出すためのものである。具体的には、搬送装置50は、図1に示すように、一対のローラ51(51A,51B)と、ローラ51A,51Bに掛け渡された搬送ベルト53と、搬送ベルト53の手前側上方に送出間隙54をあけて設置された逆転ローラ52と、ローラ51,52を回転させるための駆動モータ55と、駆動モータ55のモータ軸の回転をローラ51,52に伝達するための伝達手段(図示せず)を有している。
前記ローラ51と逆転ローラ52は、伝達手段により同時に回転するようになっている。伝達手段は、駆動モータ55の駆動軸、ローラ51A、逆転ローラ52にそれぞれ設けられたギヤと、これらの各ギヤを連結するベルトであって、逆転ローラ52はローラ41と同方向に回転するので、搬送ベルト53の上面の進行方向と、逆転ローラ52の下側面の移動方向とが逆になる。また、ローラ51と逆転ローラ52の直径の違いにより、逆転ローラ52の線速(ローラ表面の移動速度)の方が、ローラ51の線速よりも早くなるように形成されている。
前記逆転ローラ52には、断面略台形の撹拌溝が軸方向に沿って形成されている。撹拌溝は、溝の端部で遊技メダルを引っ掛けるようにして、搬送ベルト53の上方に積み重なった遊技メダルを効果的に後方に蹴り上げる役割を果たすものである。
(ノズル部60)
ノズル部60は、前記搬送装置50から送り出された遊技メダルをスロットマシン1のメダル投入口10に移送するためのものである。そして、ノズル部60は、図1及び図6に示すように、本体カバー30の正面下部に取り付けられるベース部材62と、本体カバー30の正面側に本体カバー30の底板33に設けられたヒンジ63を介して前後方向に回動自在に取り付けられるカバー部材61とから成り、カバー部材61がベース部材62を正面側から覆った状態、すなわちカバー部材61が閉じた状態で、本体カバー30の前面板34の下方に形成された開口部を塞ぐようになっている。
前記ベース部材62は、図6に示すように、上端部に下方から上方に向かって奥方向に湾曲する湾曲部620aが形成された基体62Aと、基体62Aの正面側に位置し、前後方向に移動自在に支持されるスライド板71を有している。そして、前記基体62Aの湾曲部620aとスライド板71の上部には、メダル送り装置40のメダル排出部47と連通するメダル受け口67が形成される。なお、スライド板71は、後述する詰まり解除機構70を構成するものであり、この詳細については後述する。
また、前記基体62Aとスライド板71の間には、遊技メダル一枚分の厚さよりやや大きい厚みを有し、遊技メダルの直径よりもやや大きい幅を有するメダル移送路65が形成されるようになっている。メダル移送路65は、正面視すると、図7に示すように、垂直落下部65A及び傾斜転送部65Bからなる逆L字型に形成されており、メダル受け部67からノズル部60のスロットマシン1側に屈曲して、その端部がメダル排出口66となっている(図3参照)。この点につき詳述すると、ベース部材62の基体62Aには、図8に示すように、上端部に前記湾曲部620aが形成された正面視逆L字状の奥壁部620と、この奥壁部620の下端部に位置し、遊技メダル一枚分の厚みとほぼ等しい奥行き幅をもって奥壁部620から手前側に突出するメダル当接面621及びメダル転送面622が設けられている。そして、奥壁部620、メダル当接面621及びメダル転送面622と、スライド板71の裏面との間に、メダル移送路65が形成されるものである(図6参照)。
(カバー部材61)
前記カバー部材61は、背面側及び左側(スロットマシン側)が開口し前記ベース部材62を被覆可能なケース状の蓋である。そして、図3に示すように、正面中央部に形成された孔から、詰まり解除機構70としてのつまみ72が手前側に向かって突出している。また、カバー部材61の底部であって、ベース部材62のメダル受け口67の下方に位置する部分には、後述する詰まり解除機構70の作動によりキャンセルされるメダルを落下させるためのメダル落下口69が形成されている。
詰まり解除機構70は、前記カバー部材61を開くことなく、メダル移送路65の途中で詰まったメダルを装置外に排出させるための機構であり、図6に示すように、ベース部材62に設けられたスライド板71と、スライド板71に設けられたつまみ72と、スライド板71とカバー部材61との間に介在するバネ73とから構成されている。
スライド板71は、図7に示すように、正面視略L字型の板部材であり、外周部に設けられた突起を、ベース部材62に設けられたガイドレール74に係合させることにより、ベース部材62の正面側に前後方向にスライド可能に支持されている。また、スライド板71の高さ方向の中心付近には、カバー部材61に形成された孔から外側に突出するつまみ72が設けられており、このつまみ72を中心にしてカバー部材61とスライド板71との間にコイル状のバネ73が配置されている。
前記バネ73は、常態においてスライド板71を基体62A側に付勢しており、これにより、図6(A)に示すように、スライド板71の裏面と、基体62Aのメダル当接面621及びメダル転送面622による出っ張り部分とが密着し、メダル移送路65を通過するメダルが基体62Aとスライド板71に挟まれて、落下することなく通過できるようになっている。つまり、メダル移送路65の垂直落下部65A(図7参照)においては、メダル受け口67において湾曲部620aの奥側から手前側に向かって移送されてくる遊技メダルは、手前側に飛び出す方向に落下移動しようとするが、バネ73により付勢されたスライド板71が正面側からそれを阻止している。スライド板71の裏面に衝突した遊技メダルは起立状態となって、メダル当接面621に当接し、進路変更してメダル転送面622をメダル排出口66に向かって転動してゆくものである。
ここで、メダル移送路65の内部でもっともメダルが詰まりやすいのは、湾曲部620aが形成されているために開口厚が広くなっているメダル受け口67の付近と、メダル移送路65が垂直落下部65Aから傾斜転送部65Bへと屈曲する部分である。かかる部位にメダルが詰まった場合には、つまみ72を引っ張ると、メダル当接面621の付近ではスライド板71の裏面が奥壁部620から隔離する。このため、メダル移送路65の垂直落下部65Aに詰まったメダルのうち、表裏面が奥壁部620と接触していないメダル(つまり手前側に重なって詰まっているメダル)は、スライド板71の裏面による支えを失って、スライド板71の裏面と基体62Aの正面との間にできた隙間から下方に落下する。落下するメダルはメダル落下口69から装置外に排出されるので、手のひらなどで受け止めればよい。また、手前側のメダルと垂直落下部65Aの奥壁部620に挟まれて移動停止していたメダルは、手前側のメダルが落下して無くなることにより移動が自由となり、メダル当接面621及びメダル転送面622を経て、メダル排出口66に転送される。
また、本実施の形態では、前壁部としてのスライド板71を、メダル移送路65の形状に合わせて逆L字型に形成し、この逆L字型のスライド板71が全部移動するように形成しててあるが、前壁部は必ずしも逆L字型でなくともよく、さらには、前壁部の一部がスライド可能に形成してもよいものである。例えば、スライド板71を、メダル移送路65を正面側から被覆可能な正方形の板部材としてもよい。あるいは、逆L字型の前壁部のうち、垂直落下部65A(図7参照)の部分のみを覆う長方形状のスライド板71を設けてもよい。
ところで、上記構成において、スライド板71を手前側に移動させた(開いた)状態でスライド板71を固定するとともに、開いて固定されているスライド板71をつまみ72を引っ張ることによりさらに開く方向に移動させると、固定が解除されてスライド板71が元の位置に戻るような一時係止装置を設けてもよい。
具体的には、図8に示すように、スライド板71の側面に形成された円柱状の突起710と、ガイドレール74に設けられ前記突起710が係合可能な溝部740の前方(図8に示す左側)に、略ハート形の往復溝を設けたものとすることができる。この往復溝は、往路741と復路742からなり、往路741と復路742の間にはスライド板71の突起710が係止される係止部743が形成されているとともに、復路742の端部には係止部743よりもやや手前側に位置する戻り部744が形成されている。さらに、往路741と係止部743の境目には段差745が、往路741と復路742の境目には段差746がそれぞれ形成されていて、往路741よりも係止部743の方が低く(深く)、往路741よりも復路742の方が高く(浅く)なるように形成されている。また復路742は、係止部743から奥側に向かうほど高くなる傾斜を有している。一方、スライド板71の突起710は、幅方向(溝部740方向)に出没自在となるよう、バネにより付勢されている。
なお、一時係止装置としては上記構成に限られず、特に図示しないが、つまみ72の軸部に、周知のボールペンのノック機構や、スイッチ類のオン・オフ機構を逆方向に設けたものとすることができる。また、引っ張り作動によって固定されたものがさらに引くことで固定解除される機構であれば、公知のいかなる手段を用いても構わない。
次に、上記構成を有する一括投入機構3における遊技メダルの移送過程を、図1及び図5に基づき説明する。
まず、一括投入開口31から遊技メダルを投入すると、遊技メダルは搬送ベルト53の後方部上面と開閉板82の上面に積み重なるように落下し、メダル貯め部44に貯留される。また、メダル貸出機2に紙幣を投入した場合には、貸し出しメダル払い出し装置23から遊技メダルが払い出され、払い出し通路42を通ってメダル貯め部44に貯留される。次に、一括投入機構3の上面板32を手で触れると、タッチセンサが反応して、搬送装置50が作動を開始する。すなわち、駆動モータ55が駆動して、ローラ51が回転し、搬送ベルト53が前方に移動開始する。
搬送ベルト53により前方に移送された遊技メダルのうち、搬送ベルト53の上面に乗っている遊技メダルは、搬送ベルト53と逆転ローラ52の下面との間の送出間隙54をすり抜けて、一枚ずつ、メダル排出部47へと移送される。一方、搬送ベルト53の上方に重なっている遊技メダルは、逆転ローラ52と接触することにより、逆転ローラ52に設けられた撹拌溝に引っかかり、上方後部のメダル戻り部45に蹴り戻される。逆転ローラ52は、ローラ51よりも高速回転しているので、効率よくメダルを蹴り出すことができる。
搬送装置50から送り出された遊技メダルは、メダル排出部47から排出され、ノズル部60の湾曲部620aに誘導されつつメダル受け口67に入り、メダル移送路65を通ってメダル排出口66から排出される。メダル排出口66はスロットマシン1のメダル投入口10の側方移送通路12と位置あわせされているので、遊技メダルは側方移送通路12を通って、上部投入開口11に投入される。
なお、搬送装置50の作動中にメダル詰まりの発生が検知された場合には、所定の警報が発せられるとともに、駆動モータ55の駆動が停止する。メダル詰まりは、駆動モータ55及びローラ51に設けた回転検知センサにより認識することができる。回転検知センサは、具体的には、例えばローラ51の回転軸に断面D字型の突起を設け、この突起を挟んでフォトセンサを設け回転軸の回転を検知するものとすることができる。そして例えば、駆動モータ55が駆動しているにもかかわらず一定時間ローラ51の回転を検知しない場合には、搬送装置50の内部でメダル詰まりが起きていると判断できる。ちなみに、メダル検知センサ64がメダルを検知したままになっている場合には、ノズル部60の内部でメダル詰まりが起きていると判断できる。
10 メダル投入口 11 上部投入開口
12 側方移送通路 13 前扉
14 図柄表示窓 15 下皿
16 操作部
2 メダル貸出機(遊技機用台間機)
20 外箱 21 紙幣投入口
22 紙幣カウンター 23 貸し出しメダル払い出し装置
3 一括投入機構
30 本体カバー 31 一括投入開口
32 上面板 33 底板
34 前面板 35 背面板
36 側面板 37 立設壁
38 底部開口 39 背面開口
40 メダル送り装置 41 本体ベース
42 払い出し通路 43 移動調整弁
44 メダル貯め部 45 メダル戻り部
46 平坦部 47 メダル排出部
48 受入開口 49 キャンセル開口
50 搬送装置 51 ローラ
52 逆転ローラ 53 搬送ベルト
54 送出間隙 55 駆動モータ
60 ノズル部(投入導入路) 61 カバー部材
62 ベース部材 62A 基体
620 奥壁部 620a 湾曲部
621 メダル当接面 622 メダル転送面(底面部)
63 ヒンジ 64 メダル検知センサ
65 メダル移送路 65A 垂直落下部
65B 傾斜転送部 66 メダル排出口
67 メダル受け口 68 係合片
69 メダル落下口
70 詰まり解除機構 71 スライド板(前壁部)
72 つまみ(引き部) 73 バネ
74 ガイドレール
80 排出装置 81 ソレノイド
82 開閉板 83 可動軸
84 固定軸
90 メダル取り出し皿 91 凹部
92 ヒンジ
100 仕切棒
Claims (3)
- 遊技メダルを側面側から受け入れ可能な側方移送通路を有するメダル投入口を備えた遊技機に隣接して設置され、遊技メダルを一括投入可能な一括投入開口と、一括投入された遊技メダルを一枚ずつ分離して送り出すメダル送り装置と、メダル送り装置から送り出された遊技メダルを前記遊技機の側方移送通路に誘導する投入導入路とを少なくとも備える遊技機用台間機において、
前記投入導入路は、遊技機用台間機の正面側に固定されるベース部と、ベース部の正面側に位置するカバー部とから成り、底部には遊技メダルが落下可能な落下開口が設けられ、
前記ベース部とカバー部との間には、上側から遊技メダルを受け入れ可能なメダル受け口及び側方に遊技メダルを排出可能なメダル排出口を有する移送通路が形成され、
この移送通路は、投入導入路の手前側に位置し通路内を移動する遊技メダルの表面と対向する前壁部と、前壁部との間にほぼ遊技メダル一枚分の厚さの間隙を開けて奥側に位置し通路内を移動する遊技メダルの裏面と対向する奥壁部と、遊技メダルの円周面を下方から支持する底面部とを少なくとも備え、
前記前壁部は、前記カバー部材と前記奥壁部との間を前後方向にスライド自在に支持されているとともに、常態において前記奥壁部方向に付勢されており、
前記前壁部には、前記カバー部材の外側から前壁部を引っ張り可能な引き部が設けられ、
この引き部を引いて前記前壁部を手前側にスライドさせることにより、前壁部の裏面と奥壁部の正面及び移送通路の底面部との間に隙間を生じさせるように形成されていることを特徴とする遊技機用台間機。 - 前記前壁部の裏面と移送通路の底面部との間に隙間を生じさせた状態で前壁部を位置固定可能であるとともに、位置固定されている前壁部をさらに引くことによって前記前壁部の固定を解除可能な、前壁部一時係止装置を備えていることを特徴とする請求項1記載の遊技機用台間機。
- 前記前壁部一時係止装置により前壁部が固定されていることを報知するための前壁部開放報知部を設けたことを特徴とする請求項2記載の遊技機用台間機。
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